JP4813740B2 - 打上げロケット上に複数の人工衛星を一体化するための方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、同一の打上げロケット上に複数の人工衛星を一体化するための方法および装置に関するものである。
【0002】
本発明は、同一の打上げロケットからの複数の人工衛星の打上げも含めたすべての宇宙プログラムに応用することができる。
【0003】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
特に米国特許明細書第3,380,687号という文献に開示されているように、同一の打上げロケットの整形板の下方に複数の人工衛星を同時に一体化することは、従来から考察されている。
【0004】
より詳細には、この文献は、打上げロケットの整形板の下方に打上げロケットの中心線に沿って形成された小さな円筒形推進ユニットを設け、この推進ユニットの周囲に4個の人工衛星からなる2つのグループを支持することを目的としている。推進ユニットが打上げロケットから切り離されて点火される前に、モータによって制御される機構が、中心軸回りに推進ユニットを回転させる。推進ユニットが所定角度位置に達した時点で、人工衛星自身の軸回りに人工衛星を回転させることにより特に推進ユニット自身の軸回りに推進ユニットを回転させることにより、複数の人工衛星が切り離される。
【0005】
米国特許明細書第3,380,687号というこの文献においては、各人工衛星は、爆発性ボルトによっておよび人工衛星の回転の影響によって自動的に取り外されるようになっている連結リンクによって、推進ユニットに対して固定された2つのプレートに対して、固定されている。
【0006】
仏国特許出願公開明細書第2 717 770号という文献は、打上げロケットの中心線に沿って整形板の下方に追加されたマストに対して固定することによって、打上げロケットの同じ整形板の下方に複数の人工衛星を取り付けることが提案されている。
【0007】
より詳細には、マストには、多角形部分が設けられており、この多角形部分の各面が、人工衛星を取り付けることのできる複数の場所を形成している。これは、各人工衛星に、矩形フレームの形態とされたモジュール型インターフェースを固定し、矩形フレームの各コーナーにそれぞれ連結解除可能な取付デバイスを配置することにより、行われる。連結解除可能な取付デバイスの各々に対して、突き出しデバイスが使用される。
【0008】
インターフェース付きの人工衛星は、例えばネジを使用して、マストの外側から固定される。インターフェースは、さらに、打上げロケットに対しての人工衛星の一体化を容易とし得るよう、マスト内に形成された孔内に挿入されるガイドピンを有している。ガイドピンを穴内に挿入した後に、ボルト付きの引っ張り器によって、各ガイドピンを所定位置にロックする。
【0009】
この一体化装置は、モジュール型であることにより、比較的後の時点においても、元々そのためには構成されていない打上げロケット上に、人工衛星を一体化することができるという利点を有している。しかしながら、いくつかの欠点も有している。
【0010】
まず最初に、一体化装置の構成が複雑であるということである。この一体化装置は、連結解除可能な取付デバイスを支持するという本質的機能を有したインターフェースを利用している。このインターフェースは、ガイドピンやロック用ボルト等といったような機能部材の他にも、多数の部材を使用する。
【0011】
その上、マストの外側から一体化を行うことのために、2つの欠点を有している。第1に、この特性が、現在一体化されようとしている人工衛星と干渉してしまうというリスクや、既に所定位置に配置されている人工衛星と干渉してしまうというリスク、を増大させることである。第2に、マストの周囲に既に3つか4つの人工衛星が設置されたときに、アクセスが困難となってしまうことである。
【0012】
さらに、人工衛星上にフレーム形状のインターフェースを設置するには、追加的な組立処理が必要である。このことは、マスト上に人工衛星を取り付けるに際して2倍の手間がかかることを意味する。これは、操作上のリスクを増大させる。
【0013】
最後に、仏国特許出願公開明細書第2 717 770号というこの文献に記載された一体化装置においては、点火操作時に多くの操作を行う必要がある。このことも、また、操作上のリスクを増大させ、この点火期間に特定の様々な拘束を考慮しなければならない。
【0014】
米国特許明細書第5,884,866号という文献は、先の仏国特許出願公開明細書第2 717 770号という文献に記載された構成と同様の構成を提案している。この場合には、多角形状の横断面外形ラインを有した少なくとも一対のカラーをマストの周囲に配置した後に、円形横断面を有したマスト上に、複数の人工衛星が取り付けられる。各カラーは、各外面の端部のところに、連結解除可能な取付デバイスと突き出しデバイスとを支持している。人工衛星は、互いに隣接した2つのカラーの対応面上に設置された4つの連結解除可能取付デバイスと協働する4つのネジを使用して、一体化される。
【0015】
この一体化装置は、仏国特許出願公開明細書第2 717 770号という先の文献に関して説明したのと同様の欠点を有している。特に、2つのカラーが、連結解除可能デバイスと突き出しデバイスとを支持するという本質的機能を有した追加的部材を形成しているという点において、複雑でありかつ重い装置となっている。さらに、複数の人工衛星が、マストの外部からマスト上に取り付けられている。このことは、干渉というリスクをもたらすとともにアクセスが困難になるという問題点をもたらす。最後に、点火操作時に、多くの操作を行わなければならない。特に、人工衛星とマストとの間の機械的リンクは、点火操作時に行われる必要があり、飛行中に解除される必要がある。この操作は、困難であり、調節を確実に行うことができない。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、現存の一体化方法および装置における問題点を解決し得るとともに特に連結解除可能な機械的リンクを一体化とは独立に調節することができさらに各人工衛星とマストとの間のインターフェースを単純化することができその上点火前に最大数を行うことができしかもマストの内側(内部)から人工衛星を一体化し得るような、革新的構成を有した人工衛星一体化方法および装置である。
【0017】
本発明においては、上記結果は、人工衛星支持取付部材が打上げロケット上に設置されている場合に、その打上げロケット上に複数の人工衛星を一体化するための方法であって、
−人工衛星上に固定される第1インターフェースデバイスと、連結解除可能な連結手段を介して第1インターフェースデバイスに対して連結される第2インターフェースデバイスと、を備えてなる複数の取付機構を、一体化されるべき人工衛星上へと、互いに独立に設置し;
−人工衛星を、支持取付部材上に当接させ;
−支持取付部材上において、各取付機構の第2インターフェースデバイスを個別的に固定する;
ことを特徴とする方法によって得られる。
【0018】
連結解除可能な連結手段を備えた各取付機構が、他の取付機構とは独立に人工衛星上へと直接的に設置されることにより、構造は、複数の連結解除可能な取付デバイスを各々が有したフレームまたはカラーの形態とされたインターフェース構造を使用している従来技術による一体化方法よりも、極度に単純化されている。
【0019】
さらに、人工衛星上に設置するよりも前に、取付機構を組み立てて調節することが可能となった。言い換えれば、一体化操作とは独立に調節することが可能となった。さらに、取付機構は、人工衛星を支持体上に当接させる前に、例えば点火操作とは独立に、人工衛星上に設置することができる。
【0020】
逆に言えば、支持構造が最小化されており、本発明による構成は、通常はマストの形態とされる支持体上に各取付機構の第2インターフェースデバイスがマストの内部から固定され得るようなものとされており、有利である。
【0021】
1つの利点は、点火操作時に人工衛星を一体化するのに要する時間を短縮できることと、この一体化に関連するリスクを低減できることである。
【0022】
本発明の好ましい実施形態においては、一体化されるべき人工衛星上に設置されている各取付機構は、連結解除可能な連結手段をカバーするための、丸め端部付き案内保護カバーを備えている。このカバーは、人工衛星を支持体上に設置する際には支持体に形成された対応孔内に進入する。カバーは、第2インターフェースデバイスが支持体上に固定された後には、取り外される。その後、連結解除可能な連結手段を、打上げロケットに搭載されている制御システムに対して連結することができる。
【0023】
本発明の好ましい実施形態においては、1つの人工衛星上に、4つの取付機構が設置される。しかしながら、本発明は、他の形状の人工衛星に対して容易に適用することができ、取付箇所の数を、構成の任意性に応じて、4個とすることもあるいは他の数とすることもできることは、理解されるであろう。
【0024】
本発明の他の目的は、打上げロケット上に複数の人工衛星を一体化するための装置であって、打上げロケットに対して固定することができる支持部材と、この支持部材上に複数の人工衛星を設置するための設置手段と、を具備してなり、設置手段が、一体化されるべき人工衛星を個別的に設置し得る複数の取付機構を備え、各取付機構が、人工衛星上に固定され得る第1インターフェースデバイスと、連結解除可能な連結手段を介して第1インターフェースデバイスに対して連結される第2インターフェースデバイスと、を有し、第2インターフェースデバイスが、人工衛星を支持部材上に当接させた時に支持部材に対して個別的に固定され得るものとされていることを特徴とする装置である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明を限定するものではない単なる例示としての好ましい実施形態について、説明する。
【0026】
図1は、本発明に基づいて構成された、打上げロケット上に複数の人工衛星を一体化するための装置の好ましい実施形態を概略的に示している。この装置は、3つの人工衛星を一体化するために使用されるものとされている。しかしながら、当業者であれば、例えば4個や6個や8個といったような他の数の人工衛星を一体化し得るようにこの装置を容易に修正し得ることは、理解されるであろう。
【0027】
図1に示された一体化装置は、一様な円形横断面を有したチューブ状マスト(10)を備えている。チューブ状マスト(10)は、下端部において、テーパー状アダプタ(12)を介して打上げロケット構造(図示せず)に対して固定され得るように構成されている。そのような固定においては、チューブ状マスト(10)の軸が、打上げロケットの中心線に一致するものとされる。
【0028】
マスト(10)は、外周面上において、周方向に3つの領域またはステーションに分割されており、各領域または各ステーションは、人工衛星(14)を支持し得るものとされている。各領域または各ステーションは、矩形構成で配置された4つの支持体(16)によって実現されている。より詳細には、同一のステーションにおける4つの支持体(16)は、チューブ状マスト(10)の2つの母線に沿ってかつ2つの部分に沿って複数の対をなして位置合わせされている。
【0029】
各支持体(16)は、マスト(10)の外周面から突出しているとともに、平面部分(17)と、この平面部分に中央を貫通して形成された円形孔(18)と、を有している。より詳細には、特定のステーションにおける4つの支持体(16)の平面部分のすべては、同じ平面内に位置するものとされており、複数の円形孔(18)の中心どうしは、長辺がマスト(10)の軸に対して平行であるような矩形を形成している。複数の孔(19)(図示の実施形態においては4個の孔)が、各円形孔(18)の周囲において、支持体(16)の各平面部分を貫通して形成されている。これら孔(19)の機能については、以降において明瞭となるであろう。
【0030】
図1においては、複数の人工衛星(14)のうちの1つの人工衛星が、打上げロケット上に既に一体化されており、他の人工衛星(14)が、一体化されようとしている。現在一体化されようとしている人工衛星において、チューブ状マスト(10)の対応ステーション上に連結されることとなる略平面状の面(20)に、4つの取付機構(22)が設けられていることを、見ることができる。これら4つの取付機構(22)は、矩形をなすように配置されている。この矩形は、チューブ状マスト(10)の単一ステーションにおける4つの支持体(16)の平面部分(17)に形成された複数の円形孔(18)によって形成されている矩形と同じ寸法とされている。複数の取付機構(22)と、複数の支持体(16)が設けられたチューブ状マスト(10)とは、本発明による一体化装置を形成している。
【0031】
組立の他の段階を示している図2に示すように、取付機構(22)の各々は、フランジの形態とされた第1インターフェースデバイス(24)と、同様にフランジの形態とされた第2インターフェースデバイス(26)と、連結解除可能な連結手段(28)と、丸め端部付きガイド突出カバー(30)と、を備えている。
【0032】
より詳細には、フランジの形態とされた第1インターフェースデバイス(24)は、ネジ(32)によって、人工衛星(14)の面(20)上に固定され得るように構成されている。本発明を限定するものではなく一例として例示するならば、図2および図3においては、4つのネジ(32)が設けられている。各ネジ(32)は、フランジの形態とされた第1インターフェースデバイス(24)に形成された対応孔(33)を挿通し、人工衛星(14)の面(20)上にネジ止めされる。
【0033】
初期的には、連結解除可能な連結手段(28)は、インターフェースデバイス(24,26)を互いに固定する。連結解除可能な連結手段(28)は、打上げロケットに搭載された制御システムから対応制御信号が出力されたときには、これら2つのインターフェースデバイスを分離させ得るように構成されている。花火技術的なあるいは機械的なあるいは流体圧的なあるいは他のタイプの制御方式を有したこのタイプの連結解除可能な連結手段は、当業者には周知である。よって、ここでは、これ以上の説明を省略する。
【0034】
連結解除可能な連結手段(28)が初期的にはインターフェースデバイス(24,26)を互いに連結することにより、第1インターフェースデバイス(24)は、第2インターフェースデバイス(26)を連結した状態で、人工衛星(14)の面(20)上に固定される。したがって、第1インターフェースデバイス(24)の取付に際して必要とされるネジ(32)の操作を可能とするために、第2インターフェースデバイス(26)には、第1インターフェースデバイス(24)に形成された孔(33)に対応する位置に、円形凹所(34)が形成されている。
【0035】
特に図2および図3に示すように、連結解除可能な連結手段(28)の一部は、第2インターフェースデバイス(26)のうちの、対応支持体(16)の平面部分(17)上に固定され得るように構成された面から突出している。連結解除可能な連結手段のこの突出部分上には、人工衛星(14)がマスト(10)上に連結される際に人工衛星(14)の機械的保護をもたらすためにまた人工衛星(14)の案内機能をもたらすために、カバー(30)が設置されている。
【0036】
本発明においては、取付機構(22)は、人工衛星(14)の面(20)上に互いに独立に固定される。取付機構の固定は、好ましくは工場内において行われる、すなわち、点火操作よりも十分に前の時点において行われる。図2においては、右上に示された取付機構(22)は、カバー(30)無しの状態を分解図で示されており、左上および右下の取付機構(22)は、ネジ(32)によって人工衛星(14)の面(20)上に固定された後の状態で示されている。左下に配置された最後の取付機構(22)は、チューブ状マスト(10)に設けられた複数の支持体(16)の中の1つの支持体に対して固定された状態で示されている。この支持は、マストの内側から見た図示で示されており、マストの図示は省略されている。
【0037】
各カバー(30)は、テーパー状の端部を有している。このテーパー状端部は、連結操作時におけるマストに対しての人工衛星(14)の位置決めを容易なものとする。第2インターフェースデバイス(26)に隣接した端部における各カバー(30)の外径は、実用的には、円形孔(18)の直径と同じとされる。
【0038】
4つの取付機構(22)が同じ人工衛星(14)の面(20)上へと互いに独立に設置された後には、マスト(10)の内側から固定するようにして、人工衛星を打上げロケット上に容易にかつ迅速に一体化することができる。この最終操作が、いかなる取扱い手段をも使用することなく、ただ1人の操作者によって容易になし得ることに注意されたい。
【0039】
上述したように、4つの取付機構(22)は、後に打ち上げられることとなる人工衛星(14)の面(20)上へと、好ましくは工場内において設置される。
【0040】
点火操作時には、チューブ状マスト(10)が、アダプタ(12)を介して打上げロケット上に設置される。その後、打ち上げられるべき各人工衛星(14)が、打上げロケットに対して一体化される。したがって、各人工衛星(14)は、連結解除可能な連結手段(28)の突出部分が丸め端部付きカバー(30)によってカバーされつつ対応支持体(16)の円形孔(18)内に進入するようにして、チューブ状マスト(10)上に連結される。
【0041】
この連結操作時には、各カバー(30)のテーパー状端部が、支持体(16)上に形成された円形孔(18)に対しての、各取付機構(22)の中心合わせを行いつつ各取付機構を案内する。丸め端部付きカバー(30)は、また、連結解除可能な連結手段(28)の突出部分を、衝撃から保護する。
【0042】
人工衛星(14)が設置され終わった後に、操作者は、各取付機構(22)の第2インターフェースデバイス(26)を、対応支持体(16)の平面部分(17)上へと、固定する。この取付は、支持体(16)の平面部分(17)に形成された孔(19)を自由に挿通し得るネジ(36)を使用して、チューブ状マスト(10)の(中空とされた)内側から行われる。ネジ(36)は、この目的のために第2インターフェースデバイス(26)に形成されたネジ山付き孔(38)内にネジ止めされる。より詳細には、ネジ山付き孔(38)は、図2および図3に示す凹所(34)どうしの間に形成されている。本発明を制限するものではない単なる例示としての実施形態においては、各取付機構(22)に対して、4つのネジ(36)が使用されている。
【0043】
上記構成において、各第2インターフェースデバイス(26)は、対応支持体(16)に対して互いに個別的にすなわち1つずつ順次的に取り付けられる。このことは、特別に構成されたいかなる取扱い手段をも必要とすることなく、この操作をただ1人の操作者によって行い得ることを意味している。
【0044】
4つの取付機構(22)が4つの支持体(16)に対して固定され終わった後には、カバー(30)が取り外され、連結解除可能な連結手段(28)が、打上げロケットに搭載された制御システム(図示せず)に対して接続される。人工衛星(14)が、軌道上に位置させるよう打上げロケットから切り離されるべき時には、この制御システムが、4つの連結解除可能な連結手段(28)を同時に駆動するような命令を送出する。その場合、各取付機構(22)における第1インターフェースデバイス(24)は、第2インターフェースデバイス(26)から分離される。
【0045】
支持体(16)の各々に、突き出しデバイス(40)(図1)が設けられていることが有利であることに注意されたい。突き出しデバイス(40)は、打上げロケットに対して一体化されている各人工衛星(14)に対して、径方向突き出し力をもたらし得るものである。この径方向突き出し力は、連結解除可能な連結手段(28)を使用してインターフェースデバイス(24,26)が互いに分離されている状況においては、マスト(10)から人工衛星を離間させるように、自動的に作用する。突き出しデバイス(40)は、当業者には周知のデバイスであるので、これ以上の説明を省略する。
【0046】
変形例においては、突き出しデバイス(40)を、連結解除可能な連結手段(28)と一体化できることに注意されたい。
【0047】
人工衛星(14)の面(20)には、1つの取付機構(22)の近傍に、少なくとも1つの電気コネクタ(42)を設けることができる。この電気コネクタ(42)は、特に、人工衛星が打上げロケットに対して一体化されている時に人工衛星(14)内のいくつかの素子に対して電力を供給するためのものであり、あるいは、人工衛星が打上げロケットに対して一体化されている時に人工衛星内のいくつかの素子から情報を収集するためのものである。その場合、取付機構(22)と協働し得るよう構成されている支持体(16)には、人工衛星がマスト(10)上に連結されている時に人工衛星(14)の電気コネクタ(42)と接触することとなる電気コネクタ(44)が設けられている。
【0048】
図1〜図3を参照して上述した実施形態が、本発明において可能な実施形態の中の一例に過ぎないことは、明らかである。
【0049】
すなわち上述したように、同じ打上げロケット上に一体化し得る人工衛星(14)の数は、本発明の範囲を逸脱することなく、3個以外の数とすることができる。さらに、同一の打上げロケット上に搭載される複数の人工衛星は、互いに同一のものとすることも、また、互いに異なるものとすることも、できる。
【0050】
同様に、各人工衛星(14)とチューブ状マスト(10)との間におけるインターフェース構造をなす取付機構(22)の数および支持体(16)の数は、4個以外の数とすることができる。また、複数の取付機構は、矩形を形成する必然性も、互いに同一平面上に位置する必然性も、ない。よって、例えば、三角形を形成するように配置された3つの取付機構(33)および3つの支持体(16)からなるインターフェース構造を、使用することもできる。
【0051】
同様に、複数の人工衛星を支持するマストは、打上げロケット上に搭載することができかつ本発明による複数の取付手段によって複数の人工衛星を取り付け得るような任意の支持体によって、代替することができる。特に、マストは、プレートによって代替することができる。マストが使用される場合には、本発明の範囲から逸脱することなく、マストは、任意の横断面形状(円形、多角形、長円形、楕円形、等)のものとすることができ、マストの軸は、打上げロケットの中心線と一致させることもまた打上げロケットの中心線からオフセットすることもできる。言い換えれば、支持体の形状や、取付箇所の構成や、取付箇所の数は、打上げロケットおよび人工衛星の全体的アーキテクチャーに依存し、そのアーキテクチャーに応じて決定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による人工衛星一体化装置を示す斜視図であって、3つの人工衛星を保持し得るように構成されており、1つの人工衛星が既に設置され、2番目の人工衛星が設置されようとしている状況で示されている。
【図2】 人工衛星を拡大して示す斜視図であって、打上げロケットのマストに対して固定される面に、本発明による4つの個別の取付機構が設けられている。
【図3】 図2における取付機構の中の1つの取付機構を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
10 マスト(支持取付部材、支持部材)
14 人工衛星
18 対応孔
22 取付機構
24 第1インターフェースデバイス
26 第2インターフェースデバイス
28 連結解除可能な連結手段
30 カバー
Claims (10)
- 人工衛星支持取付部材(10)が打上げロケット上に設置されている場合に、その打上げロケット上に複数の人工衛星(14)を一体化するための方法であって、
−前記人工衛星上に固定される第1インターフェースデバイス(24)と、連結解除可能な連結手段(28)を介して前記第1インターフェースデバイス(24)に対して連結される第2インターフェースデバイス(26)と、を備えてなる複数の取付機構(22)を、一体化されるべき前記人工衛星(14)上へと、互いに独立に設置し;
−前記人工衛星(14)を、前記支持取付部材(10)上に当接させ;
−前記支持取付部材(10)上において、前記各取付機構(22)の前記第2インターフェースデバイス(26)を個別的にすなわち1つずつ順次的に固定する;
ことを特徴とする方法。 - 請求項1記載の方法において、
一体化されるべき前記人工衛星(14)上に設置されている前記各取付機構(22)が、前記連結解除可能な連結手段(28)をカバーするための、丸め端部付き案内保護カバー(30)を備え、
該カバー(30)を、前記人工衛星(14)を前記支持取付部材(10)上に設置する際には前記支持取付部材(10)に形成された対応孔(18)内に進入するものとするとともに、前記第2インターフェースデバイス(26)が前記支持取付部材(10)上に固定された後には取り外されるものとすることを特徴とする方法。 - 請求項1または2記載の方法において、
前記各取付機構(22)を前記人工衛星(14)上に設置する前に、前記各取付機構(22)を組み立てて調節することを特徴とする方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の方法において、
前記人工衛星(14)を前記支持取付部材(10)上に当接させるよりも前に、前記各取付機構(22)を前記人工衛星(14)上に設置することを特徴とする方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の方法において、
1つの人工衛星(14)上に、4つの前記取付機構(22)を設置することを特徴とする方法。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の方法において、
前記各取付機構(22)の前記第2インターフェースデバイス(26)を、前記支持取付部材(10)の内側から前記支持取付部材(10)上に固定することを特徴とする方法。 - 打上げロケット上に複数の人工衛星(14)を一体化するための装置であって、
前記打上げロケットに対して固定することができる支持部材(10)と、
この支持部材(10)上に複数の前記人工衛星(14)を設置するための設置手段と、
を具備してなり、
前記設置手段が、一体化されるべき前記人工衛星(14)を個別的に設置し得る複数の取付機構(22)を備え、
各取付機構(22)が、前記人工衛星(14)上に固定され得る第1インターフェースデバイス(24)と、連結解除可能な連結手段(28)を介して前記第1インターフェースデバイス(24)に対して連結される第2インターフェースデバイス(26)と、を有し、
前記第2インターフェースデバイス(26)が、前記人工衛星(14)を前記支持部材(10)上に当接させた時に前記支持部材(10)に対して個別的にすなわち1つずつ順次的に固定され得るものとされていることを特徴とする装置。 - 請求項7記載の装置において、
各取付機構(22)が、さらに、前記連結解除可能な連結手段(28)をカバーするための、丸め端部付き案内保護カバー(30)を有し、
該カバー(30)が、前記支持部材(10)に形成された対応孔(18)内に進入し得るものであるとともに、前記第2インターフェースデバイス(26)が前記支持部材(10)上に固定された後には取り外し得るものであることを特徴とする装置。 - 請求項7または8記載の装置において、
前記設置手段が、4つの取付機構(22)を備えていることを特徴とする装置。 - 請求項7〜9のいずれかに記載の装置において、
前記第2インターフェースデバイス(26)が、前記支持部材(10)の内部からアクセス可能とされた取付機構(22)を介して、前記支持部材(10)に対して固定されていることを特徴とする装置。
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