JP4813046B2 - 荷役装置 - Google Patents

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Description

本発明は、3方向スタッキングトラック等に装備できる荷役装置に関する。
下記の特許文献1には、フォークを旋回する動作と、同フォークを車幅方向へ移動させる動作とを統合して制御することにより、互いに対面するラック棚等の間の狭路において、フォークの向きを自在に反転できるようにしたフォークリフトが開示されている。また、下記の特許文献2,3には、フォークに対して進退動可能に水平体(さや)を設け、この水平体を駆動源にて進退動させる技術が開示されている。
特開昭63−171800号公報 実開平5−42298号公報 実開昭63−45797号公報
3方向スタッキングトラックを使用して、ラック棚の奥方から荷物等を掬い上げるには、フォークの向きを自在に反転できるだけでは足らず、フォークが長尺であることが望ましい。反対に、上記のような狭路でフォークを旋回させるには、フォークの旋回半径を抑えられるように、フォークが短尺であることが望ましい。そこで、特許文献2,3に開示された技術を従来型の3方向スタッキングトラックに適用することが考えられる。しかしながら、フォークと水平体(さや)のそれぞれ動作を、同トラックを運転するオペレータの個別の操作に委ねるため、オペレータの手数が増えるという問題が起こる。
本発明の目的は、フォークの伸縮を実現し、しかもオペレータの操作を簡略化できる荷役装置を提供することにある。
本発明に係る荷役装置は、先端及び後端を有し、前記先端から突出する方向に進退自在な進退部材を取付けられた伸縮フォークと、送り側ポート又は戻り側ポートに供給される油圧により進退動する作動ロッドを有し、該作動ロッドに従わせて前記進退部材を進退動させる油圧シリンダと、駆動源にて回転されるローテイト用直立軸に、前記伸縮フォークの後端を取付けた昇降キャリッジと、正転側ポート又は逆転側ポートに供給される油圧により、前記昇降キャリッジと共に前記伸縮フォークを水平方向に移動させるシフト用油圧モータと、前記シフト用油圧モータの正転側ポート又は逆転側ポートに、油圧を発生する油圧発生手段を接続するシフト方向切換弁と、前記ローテイト用直立軸に連結され、該直立軸の回転動作を行った結果の方向に従い、前記油圧発生手段から前記シフト方向切換弁を経て前記シフト用油圧モータの正転側ポート又は逆転側ポートに供給される油圧を、前記シフト方向切換弁の下流側で前記油圧シリンダの送り側ポート又は戻り側ポートへ分配する進退方向切換弁と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る荷役装置は、前記昇降キャリッジが前記シフト用油圧モータにて水平移動される過程で、前記シフト用油圧モータに供給される油圧が前記油圧シリンダへ分配されるのを規制し、前記昇降キャリッジが水平移動されるシフトストロークの限界に達した状態で、前記シフト用油圧モータに供給される油圧が前記油圧シリンダへ分配されるのを許容するシフトエンド切換弁を備えることを特徴とする。
本発明に係る荷役装置によれば、例えば、シフト用油圧モータが、その正転側ポートに供給される油圧により、昇降キャリッジと共に伸縮フォークを、ローテイト用直立軸の両側の一方へ復動させる過程で、伸縮フォークが先端をローテイト用直立軸の両側の一方へ向くよう旋回されると、油圧シリンダは、その送り側ポートに供給される油圧により進退部材を前進させるので、伸縮フォークの全長が長くなる。従って、互いに対面するラック棚等の間の狭路に、当該荷役装置を装備した3方向スタッキングトラックを進入させて、一方のラック棚の奥方から荷物を積載したパレットを掬い上げる場合に、パレットに差込める伸縮フォークの長さを十分に確保することができる。
反対に、シフト用油圧モータが、昇降キャリッジと共に伸縮フォークを、ローテイト用直立軸の両側の他方へ復動させる過程で、伸縮フォークが先端をローテイト用直立軸の両側の一方に向いたままであると、油圧シリンダは、その戻り側ポートに供給される油圧により進退部材を後退させるので、伸縮フォークの全長が短くなる。これにより、上記例示の狭路で伸縮フォークを旋回させる場合に、伸縮フォークの旋回半径を最小限に抑えることができる。
また、以上のように、当該荷役装置はローテート用直立軸の回転に従って進退方向切換弁を切換えることにより、進退部材の動作を制御するので、昇降キャリッジの位置や伸縮フォークの旋回角度を、センサ又はエンコーダ等により検出する場合のように、電気信号に依存することがない。従って、昇降キャリッジに複雑な配線をする必要がなく、またセンサ又はエンコーダ等に電力を供給する電線も省略できる。
更に、本発明に係る荷役装置によれば、昇降キャリッジがシフト用油圧モータにて水平移動される過程で、シフト用油圧モータに供給される油圧が油圧シリンダへ分配されるのをシフトエンド切換弁によって規制できる。また、昇降キャリッジが水平移動されるシフトストロークの限界に達した状態で、シフトエンド切換弁は、シフト用油圧モータに供給される油圧が油圧シリンダへ分配されるのを許容する。
従って、昇降キャリッジが水平移動される途中で、進退部材が前進することがなく、進退部材が前進を開始するタイミングを、昇降キャリッジがシフトストロークの左右の何れかの限界に達した時点に揃えることができる。
本発明の実施形態に係る荷役装置を図面に基づき説明する。以下で、3方向スタッキングトラックを構成する自明の要素については、その呼称のみを記し詳細な図示又は説明を省略する。また、油圧ポンプ、タンク、方向制御弁、及び油圧回路の適所に設けられるリリーフ弁等についても同様である。
図1は、当該荷役装置を構成する昇降キャリッジ1の要部を表している。即ち、同図は、昇降キャリッジ1のハウジング2に直立姿勢で軸受けされたローテイト用直立軸3と、後端40に直立部41を立上げた伸縮フォーク4と、直立軸3に結合され伸縮フォーク4の後端40を3方向スタッキングトラックの車幅方向に移動可能に掛止めするフィンガプレート5と、進退部材43を作動ロッド61に従わせて進退動させる油圧シリンダ6と、油圧シリンダ6の作動ロッド61に従い進退動する進退部材43と、油圧配管Lを経て昇降キャリッジ1に油圧を供給する油圧発生手段7とを表している。
図1及び図2に示すように、伸縮フォーク4は、先端42を直立軸3から水平方向へ延出し、後端40から先端42までを覆う進退部材43が取付けられている。進退部材43はその先端45が塞がれた鞘状又は袋状の部材である。図1には伸縮フォーク4が1本だけ表れているが、実際には伸縮フォーク4に図中で重なる位置で、別の伸縮フォークがフィンガプレート5に掛止めされている。図3に示すように、これら2本の伸縮フォーク4は、それぞれの進退部材43が、断面L形の横架部材44を介して互いに連結されている。横架部材44は、油圧シリンダ6の作動ロッド61の先端に連結されている。
図4は、荷役装置10の構成を油圧回路として表している。荷役装置10は、2本のシリンダ側油路8,9を経て油圧シリンダ6の送り側ポート60及び戻り側ポート62に各々接続した進退方向切換弁11と、2本のモータ側油路13,14を経てシフト用油圧モータSの正転側ポート130及び逆転側ポート140に各々接続したシフト方向切換弁12とを備え、モータ側油路13,14の途中から各々分岐する分岐路15,16を経て、進退方向切換弁11をシフト方向切換弁12に接続したものである。
ここで、「接続」とは特に断らない限り、管材又は経路の接合部を、周知の管継手を用いて、又は溶接等を施すことにより繋ぎ合わせることである。また、油圧発生手段7は、油圧ポンプ、タンク、方向制御弁、及びこれらを接続する配管類を一体化して成る周知の装置である。
進退方向切換弁11は、図1,2及び図4に示すように、直立軸3の軸端30に連結された2位置形の4ポートロータリバルブであり、直立軸3の回転に従ってスプール位置がHA、又はHBに切換わるものである。シフト方向切換弁12は、3位置形の4ポート手動バルブであり、ハンドル17を運転台に乗込んだオペレータが操作することにより、スプール位置をクローズセンタ、SA、又はSBに切換えられる。
伸縮フォーク4の旋回(ローテイト動作)は、図1に示すように、直立軸3にギヤ列31を介して接続されたローテート用油圧モータ32を、油圧発生手段7から供給される油圧により起動させ、ローテート用油圧モータ32に従って回動する直立軸3と一緒に、フィンガプレート5、油圧シリンダ6、及び伸縮フォーク4を旋回させることにより行える。また、伸縮フォーク4のシフト動作は、図4に示したシフト用油圧モータSを油圧発生手段7から供給される油圧により起動させ、昇降キャリッジ1を、図に表れていないマストに設けた水平レールに沿って車幅方向へ走行させることにより行える。このような水平レールの両端によって、昇降キャリッジ1と共に伸縮フォーク4がシフト動作できるシフトストロークの限界が規定される。
例えば、オペレータがシフト方向切換弁12のスプール位置としてSAを選択すると、油圧発生手段7から、モータ側油路13を経て、シフト用油圧モータSの正転側ポート130に油圧が供給され、シフト用油圧モータSが正転する。これにより、図5(a)に表した昇降キャリッジ1が図中を左側へ向って移動し、シフトストロークの左の限界まで達する。このシフト動作を行う以前、又は動作の過程で、伸縮フォーク4の本体を覆う進退部材43の先端45が図中で左側を向く姿勢となるように、伸縮フォーク4を反時計回りに旋回させれば、進退方向切換弁11のスプール位置は、直立軸3の回転に従いHAとなる。
上記のシフト動作の過程で、油圧発生手段7からシフト用油圧モータSの正転側ポート130に供給される油圧の一部は、分岐路15、及びシリンダ側油路8を経て、油圧シリンダ6の送り側ポート60へ供給されるので、油圧シリンダ6の作動ロッド61が矢印F方向へ前進する。同時に、油圧シリンダ6の戻り側ポート62から排出される作動油が、シリンダ側油路9、及び分岐路16を経て、油圧発生手段7に帰還することになる。
上記のように作動ロッド61が前進することにより、横架部材44が伸縮フォーク4の先端42に向って押し出されるので、図2に仮想線で表したように、個々の進退部材43の先端45が、伸縮フォーク4の先端42から突出することになる。実際には、進退部材43の先端45がフォークの先端42から突出する長さが、伸縮フォーク4の後端40から先端42までの全長の1/2以上になるように、作動ロッド61のストロークを設定するのが望ましい。これは、互いに対面するラック棚の間の狭路に、3方向スタッキングトラックを進入させて、ラック棚の奥方から荷物を積載したパレット46を掬い上げる場合に、パレット46に差込める伸縮フォーク4の長さを十分に確保するためである。
尚、昇降キャリッジ1がシフトストロークの左の限界に達した後で、進退部材43の先端45が左側を向くように、伸縮フォーク4を反時計回りに旋回させても良い。この場合、オペレータは、シフト方向切換弁12のスプール位置をSAに保ちつつ、伸縮フォーク4を反時計回りに旋回させれば、進退方向切換弁11のスプール位置がHAとなり、油圧発生手段7から供給される油圧が、油圧シリンダ6の送り側ポート60へ供給され、油圧シリンダ6の作動ロッド61が前進する。
次に、オペレータがシフト方向切換弁12のスプール位置をSBに切換えると、油圧発生手段7から、モータ側油路14を経て、シフト用油圧モータSの逆転側ポート140に油圧が供給され、シフト用油圧モータSが逆転する。これにより、昇降キャリッジ1が図5(a)の左側の位置から、図中を右側へ向って移動する。この過程で、オペレータの操作に基づく伸縮フォーク4の旋回が行われなければ、進退方向切換弁11のスプール位置はHAに保たれる。
従って、油圧発生手段7からシフト用油圧モータSの逆転側ポート140に供給される油圧の一部は、分岐路16、及びシリンダ側油路9を経て、油圧シリンダ6の戻り側ポート62へ供給されるので、油圧シリンダ6の作動ロッド61が矢印R方向へ後退する。同時に、油圧シリンダ6の送り側ポート60から排出される作動油が、シリンダ側油路8、及び分岐路15を経て、油圧発生手段7へ帰還することになる。
上記のように作動ロッド61が後退することにより、横架部材44が伸縮フォーク4の後端40に向って牽き込まれるので、横架部材44と共に2体の進退部材43が同時に後退する。これにより、個々の進退部材43は、図3に実線で表した位置に復帰するので、上記の狭路で伸縮フォーク4を旋回させる場合に、伸縮フォーク4の旋回半径を最小限に抑えることができる。
反対の例として、オペレータがシフト方向切換弁12のスプール位置としてSBを最初に選択すると、油圧発生手段7から、モータ側油路14を経て、シフト用油圧モータSの逆転側ポート140に油圧が供給され、シフト用油圧モータSが逆転する。これにより、図5(b)に表した昇降キャリッジ1が図中を右側へ向って移動し、シフトストロークの右の限界まで達する。このようなシフト動作を行う以前、又は動作の過程で、進退部材43の先端45が図中で右側を向く姿勢となるように、伸縮フォーク4を時計回りに旋回させれば、進退方向切換弁11のスプール位置は、直立軸3の回転に従いHBとなる。
上記のシフト動作の過程で、油圧発生手段7からシフト用油圧モータSの逆転側ポート140に供給される油圧の一部は、分岐路16、及びシリンダ側油路8を経て、油圧シリンダ6の送り側ポート60へ供給されるので、油圧シリンダ6の作動ロッド61が矢印F方向へ前進する。同時に、油圧シリンダ6の戻り側ポート62から排出される作動油が、シリンダ側油路9、及び分岐路15を経て、油圧発生手段7に帰還することになる。上記のように作動ロッド61が前進することにより、個々の進退部材43の先端45が、伸縮フォーク4の先端42から突出することは、既述の通りである。
尚、昇降キャリッジ1がシフトストロークの右の限界に達した後で、進退部材43の先端45が右側を向くように、伸縮フォーク4を時計回りに旋回させても良い。この場合、オペレータは、シフト方向切換弁12のスプール位置をSBに保ちつつ、伸縮フォーク4を時計回りに旋回させれば、進退方向切換弁11のスプール位置がHBとなり、油圧発生手段7から供給される油圧が、油圧シリンダ6の送り側ポート60へ供給され、油圧シリンダ6の作動ロッド61が前進する。
次に、オペレータがシフト方向切換弁12のスプール位置をSAに切換えると、油圧発生手段7から、モータ側油路13を経て、シフト用油圧モータSの正転側ポート130に油圧が供給され、シフト用油圧モータSが正転する。これにより、昇降キャリッジ1が図5(b)の左側の位置から、図中を左側へ向って移動する。この過程で、オペレータの操作に基づく伸縮フォーク4の旋回が行われなければ、進退方向切換弁11のスプール位置はHBに保たれる。
従って、油圧発生手段7からシフト用油圧モータSの正転側ポート130に供給される油圧の一部は、分岐路15、及びシリンダ側油路9を経て、油圧シリンダ6の戻り側ポート62へ供給されるので、油圧シリンダ6の作動ロッド61が矢印R方向へ後退する。同時に、油圧シリンダ6の送り側ポート60から排出される作動油が、シリンダ側油路8、及び分岐路16を経て、油圧発生手段7へ帰還することになる。
上記のように作動ロッド61が後退することにより、個々の進退部材43が、図3に実線で表した位置に復帰することは、既述の通りである。
以上に述べた通り、荷役装置10は、直立軸3の回転に進退方向切換弁11のスプール位置を従わせることにより、進退部材43の動作を制御するので、昇降キャリッジ1の位置や伸縮フォーク4の旋回角度を、センサ又はエンコーダ等により検出する場合のように、電気信号に依存することがない。従って、昇降キャリッジ1に複雑な配線をする必要がなく、またセンサ又はエンコーダ等に電力を供給する電線も省略できる。また、以下の理由により、3方向スタッキングトラック全体の構造を簡略化することができる。
即ち、昇降キャリッジ1は、図に表れていないマストに沿って昇降するため、油圧又は電力を車台側から昇降キャリッジ1へ供給するには、マストの上端を迂回するように電線等を取り回させなければならず、3方向スタッキングトラックが大掛かりな構造となる。更には、油圧配管L又は電線が、運転席に乗り込むオペレータの視界を妨げることがある。特に、運転席がマストを隔てて昇降キャリッジ1の反対側に位置する仕様のフォークリフトでは、オペレータの視界が著しく妨げられる。従って、上記のようにセンサ又はエンコーダ等の使用を避けるようにすれば、マストの上端を迂回する油圧配管又は電線の数を最小限に抑えることができる。
図6に示すように、本実施例に係る荷役装置20は、分岐路15,16の途中に、2ポートのシフトエンド切換弁18,19を介在したものである。この他、実施例1と同様の構成には以下で同符号を用いるものとし、その詳細な説明は省略する。
シフトエンド切換弁18は、昇降キャリッジ1がシフトストロークの途中に位置するとき、シフト方向切換弁12から進退方向切換弁11へ油圧が供給されのを逆止弁で規制するが、昇降キャリッジ1がシフトストロークの左の限界に達したとき、この昇降キャリッジ1に操作ロッド21が接触する等して、そのスプールが開放位置に切換わり、シフト方向切換弁12から進退方向切換弁11への油圧の供給を許容するものである。シフトエンド切換弁19は、シフト方向切換弁12から進退方向切換弁11への油圧の供給を、昇降キャリッジ1がシフトストロークの左の限界に達したときに許容する点で異なるが、実質的にシフトエンド切換弁18と同様の構成である。
荷役装置20によれば、例えば、オペレータがシフト方向切換弁12のスプール位置としてSAを選択すると、図5(a)に表した昇降キャリッジ1が図中を左側へ向って移動する。この過程では、昇降キャリッジ1がシフトストロークの途中に位置するので、シフトエンド切換弁18は、油圧発生手段7からシフト用油圧モータSの正転側ポート130に供給される油圧の一部が、進退方向切換弁11へ供給されのを規制する。このため、油圧シリンダ6の作動ロッド61は後退したまま静止している。
そして、昇降キャリッジ1がシフトストロークの左の限界まで達した時点で、進退方向切換弁11のスプール位置がHAであれば、油圧発生手段7からシフト用油圧モータSの正転側ポート130に供給される油圧の一部が、分岐路15、シフトエンド切換弁18、及びシリンダ側油路8を経て、油圧シリンダ6の送り側ポート60へ供給されるので、油圧シリンダ6の作動ロッド61が矢印F方向へ前進する。
また、オペレータがシフト方向切換弁12のスプール位置としてSBを選択すると、図5(b)に表した昇降キャリッジ1が図中を右側へ向って移動する。この過程では、昇降キャリッジ1がシフトストロークの途中に位置するので、シフトエンド切換弁19は、油圧発生手段7からシフト用油圧モータSの逆転側ポート140に供給される油圧の一部が、進退方向切換弁11へ供給されのを規制する。このため、油圧シリンダ6の作動ロッド61は後退したまま静止している。
そして、昇降キャリッジ1がシフトストロークの右の限界まで達した時点で、進退方向切換弁11のスプール位置がHBであれば、油圧発生手段7からシフト用油圧モータSの逆転側ポート140に供給される油圧の一部が、分岐路16、シフトエンド切換弁19、及びシリンダ側油路8を経て、油圧シリンダ6の送り側ポート60へ供給されるので、油圧シリンダ6の作動ロッド61が矢印F方向へ前進する。
以上のように、昇降キャリッジ1のシフト動作の途中で、油圧シリンダ6の作動ロッド61が前進することがなく、進退部材43が前進を開始するタイミングを、昇降キャリッジ1がシフトストロークの左右の何れかの限界に達した時点に揃えることができる。これによる効果として、伸縮フォーク4で支持する荷物が重量物である場合に、進退部材43が前進するタイミングが遅れることがなく、また無負荷時に進退部材43が前進するタイミングが早まることがない。
尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様で実施できるものである。例えば、シフトエンド切換弁18,19に代えてパイロット弁を適用しても良い。即ち、油圧発生手段7からシフト用油圧モータSへ供給される油圧の圧力は、昇降キャリッジ1のシフト動作の過程で略一定であるが、昇降キャリッジ1がシフトストロークの左右の何れかの限界で止まると上昇する。従って、この上昇した圧力に基づいて、上記のパイロット弁が開放すれば、実施例2で述べた効果が得られる。
また、3方向スタッキングトラックは、伸縮フォーク4の向きを、既述の特許文献1の技術を流用して自動反転させることも可能である。この場合、昇降キャリッジ1の位置に関わりなく、油圧発生手段7からシフト用油圧モータSへ供給される油圧の一部が、進退方向切換弁11へ供給されのを規制するように、シフトエンド切換弁18,19を設定すれば、進退部材43が動作することはない。
また、図7に示すように、2本の伸縮フォーク4に対して油圧シリンダHを1個ずつ設け、2本の伸縮フォーク4をそれぞれ2個の油圧シリンダ6により別々に進退動させるようにしても良い。この場合、フィンガプレート5に掛止めされて車幅方向に移動可能な伸縮フォーク4同士の間隔を変更するに際して、個々の伸縮フォーク4を個々の油圧シリンダ6と共に移動させられるという利点が得られる。
本発明は、互いに対面するラック棚等の間、又は工場内の狭路において、荷役作業を行うのに有益な技術である。
本発明の実施例1に係る荷役装置が適用された昇降キャリッジの要部の側面図。 本発明の実施例1に係る伸縮フォークの断面図。 本発明の実施例1に係る伸縮フォークに適用した進退部材の斜視図。 本発明の実施例1に係る荷役装置の油圧回路図。 (a)は本発明の実施例1に係る荷役装置の動作の一例を示す平面図、(b)はその他例を示す平面図。 本発明の実施例2に係る荷役装置の油圧回路図。 本発明の実施例1に係る伸縮フォークに適用した進退部材の変形例を示す斜視図。
1:昇降キャリッジ
3:ローテイト用直立軸
4:伸縮フォーク
6:油圧シリンダ
8,9:シリンダ側油路
10,20:荷役装置
11:進退方向切換弁
12:シフト方向切換弁
13,14:モータ側油路
15,16:分岐路
18,19:シフトエンド切換弁
40:後端
42:先端
43:進退部材
44:横架部材
45:先端
60:送り側ポート
61:作動ロッド
62:戻り側ポート
130:正転側ポート
140:逆転側ポート
H:油圧シリンダ
L:油圧配管
S:シフト用油圧モータ

Claims (2)

  1. 先端及び後端を有し、前記先端から突出する方向に進退自在な進退部材を取付けられた伸縮フォークと、
    送り側ポート又は戻り側ポートに供給される油圧により進退動する作動ロッドを有し、該作動ロッドに従わせて前記進退部材を進退動させる油圧シリンダと、
    駆動源にて回転されるローテイト用直立軸に、前記伸縮フォークの後端を取付けた昇降キャリッジと、
    正転側ポート又は逆転側ポートに供給される油圧により、前記昇降キャリッジと共に前記伸縮フォークを水平方向に移動させるシフト用油圧モータと、
    前記シフト用油圧モータの正転側ポート又は逆転側ポートに、油圧を発生する油圧発生手段を接続するシフト方向切換弁と、
    前記ローテイト用直立軸に連結され、該直立軸の回転動作を行った結果の方向に従い、前記油圧発生手段から前記シフト方向切換弁を経て前記シフト用油圧モータの正転側ポート又は逆転側ポートに供給される油圧を、前記シフト方向切換弁の下流側で前記油圧シリンダの送り側ポート又は戻り側ポートへ分配する進退方向切換弁と、
    を備えたことを特徴とする荷役装置。
  2. 前記昇降キャリッジが前記シフト用油圧モータにて水平移動される過程で、前記シフト用油圧モータに供給される油圧が前記油圧シリンダへ分配されるのを規制し、前記昇降キャリッジが水平移動されるシフトストロークの限界に達した状態で、前記シフト用油圧モータに供給される油圧が前記油圧シリンダへ分配されるのを許容するシフトエンド切換弁を備えることを特徴とする請求項1に記載の荷役装置。
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