JP4812394B2 - 鎮痛用組成物 - Google Patents

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本発明は、生体内での硫化水素の産生を阻害、抑制または低下させる成分を有効成分として含有する鎮痛用組成物に関する。
痛みは、皮膚、皮下組織、骨格筋、関節およびそれらに分布する血管等から発生する体性痛、ならびに胃、小腸、大腸、胆嚢等の各種臓器からの痛みである内臓痛に大別される。これらの痛みは、侵害刺激により、アセチルコリン、ヒスタミン、セロトニン、プラジキニン、サブスタンスP等の発痛物質が生体内に遊離され、知覚神経受容体に作用することにより発生し、その発痛物質の作用はプロスタグランジンにより増強される場合が多いことが知られている。
痛みを緩解または消失させるには、知覚神経末端から発生したインパルス脊髄−軸索−大脳皮質よりなる痛覚伝導路に伝わるため、このいずれかの部分でインパルスを遮断すればよく、例えば、炎症部位で知覚神経の感受性の増大をもたらすプロスタグランジンの産生を抑制し、知覚神経末端のインパルスの発生を防ぐことも一つの手段である。一般的に、これらの痛みの緩解または消失を目的とする薬物は、大脳皮質、延髄あるいは脊髄に作用する麻薬性鎮痛薬、知覚神経の終末に作用する局所麻酔薬および大脳、視床下部あるいは炎症局所でのプロスタグランジンの産生を抑制する解熱鎮痛薬に大別される。
代表的な麻薬性鎮痛薬として、モルヒネ、コデイン等のアヘンアルカロイド、モルヒナン誘導体、フェニルピリジン誘導体、ベンゾモルファン誘導体、オピオイドペプチド等が挙げられる。
また、代表的な解熱鎮痛薬として、サリチル酸ナトリウム、アスピリン等のサリチル酸誘導体、アセトアミノフェン、フェナセチン等のアニリン誘導体、アンチピリン、アミノピリン等のビラゾロン誘導体が挙げられる。
かくして、癌による強い痛みの緩解または消失に対して、中枢神経系に作用し、強力な鎮痛作用を示すモルヒネ等の麻薬性鎮痛薬が汎用されているが、薬物依存あるいは薬物耐性などの問題が発生する。また、解熱鎮痛薬では、鎮痛作用は前記の麻薬性鎮痛薬に比較し弱く、癌性疼痛あるいは内臓痛には効果を示さない。さらに、解熱鎮痛薬は胃腸障害等の副作用が高頻度で発生する。そのため、慢性および急性の痛みを有する患者および内科医からは、これらの麻薬性鎮痛薬および解熱鎮痛薬とは異なる新規な作用機序を介して効果的に痛みを緩解または消失させる鎮痛予防および治療薬の開発が望まれていた。
一方、硫化水素(HS)は一般的に有毒ガスとして知られ、HSに関するほとんどの研究がその毒性作用に集中し(Reiffenstein RJら, Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol., vol. 32, pp.109-134 (1992))、その生理学的機能については注目されていなかった。しかしながら、比較的高レベルの内因性HSが、ラット、ヒトおよびウシの脳内で測定され(Goodwin LRら, J. Anal. Toxicol., vol. 13, pp. 105-109(1989);Warenycia MWら, Neurotoxicology, vol. 10, pp. 191-200 (1989);Savage JCおよびGould DH, J. Chromatogr., vol. 526, pp. 540-545 (1990))、HSが生理機能を有し得ることが示唆されている。
内因性の硫化水素(HS)は、シスタチオニンβ−シンターゼ(CBS)およびシスタチオニンγ−リアーゼ(CSE)を含めたピリドキサル−5'−リン酸依存性酵素によってシステインから形成し得る(Stipanuk MHおよびBeck PW, Biochem. J., vol. 206, pp. 267-277 (1982);Griffith OW, Methods in enzymology, vol. 143, pp. 366-376 (1987);Erickson PFら, Biochem. J., vol. 269, pp. 335-340 (1990);Swaroop Mら, J. Biol. Chem., vol. 267, pp. 11455-11461 (1992))。CBSおよびCSEの双方は、肝臓および腎臓におけるそれらの活性について研究されている(Stipanuk MHおよびBeck PW, Biochem. J., vol. 206, pp. 267-277 (1982);Erickson PFら, Biochem. J., vol. 269, pp. 335-340 (1990);Swaroop Mら, J. Biol. Chem., vol. 267, pp. 11455-11461 (1992))。
また、CBSは脳内で発現され、CBS阻害剤ヒドロキシルアミンおよびアミノオキシアセテートは、HSの生成を抑制するが、CBSアクチベーターS−アデノシル−L−メチオニン(SAM)はHS生成を増強する。生理的濃度のHSは、特にNMDA受容体の活性を増強し、海馬における長期増強(LTP)の誘導を変更する(Abe KおよびKimura H, J. Neurosci., vol. 16, pp. 1066-1071 (1996))。cAMPを媒介とした経路は、HSによってNMDA受容体の変調に関与し得る(Kimura H, Biochem. Biophys. Res. Commun., vol. 267, pp. 129-133 (2000))。また、HSは、視床下部からのコルチコトロピン放出ホルモンの放出を調節できる(Russo CDら, J. Neuroendocrinol., vol. 12, pp. 225-233 (2000))。これらの観察に基づいて、CBSが脳内のHSを生成でき、かつHSは神経調節物質として機能し得ることが提案された(Abe KおよびKimura H, J. Neurosci., vol. 16, pp. 1066-1071 (1996))。
さらに、近年、脳内で局在化した酵素によって内因性に産生されている他の2種のガス、一酸化窒素(NO)および一酸化炭素(CO)との関連性について注目されている。
しかしながら、毒性学的な側面から肝臓および腎臓、ならびに生理学的な側面から脳においてHSが注目されているが、HSによる痛みの緩解および消失に着目した報告は現在まで存在しない。
J. Neurosci., vol. 16(3), pp. 1066-1071 (1996) Biochem. Biophys. Res. Commun., vol. 237(3), pp. 527-531 (1997) J. Biol. Chem., vol. 274(18), pp. 12675-12684 (1999) J. Neurosci., vol. 22(9), pp. 3386-3391 (2002) FASEB J., vol. 19, pp. 623-625 (2005)
本発明は上記従来技術に鑑みて行われたものであり、本発明の目的は、安全で効果的な鎮痛用組成物を提供することである。また、これまでの公知の作用機序では治療が困難であった難治性の痛みに対する治療薬の開発および麻薬性鎮痛薬で観られる薬物耐性、薬物依存あるいは解熱鎮痛薬に観られる胃腸障害等の副作用の問題を解決すべく、新規な作用機序を有する上記組成物を提供することである。
本発明者らは、鎮痛用組成物として好ましい薬剤を開発すべく研究を行い、新たな作用機序を見出すために鋭意研究した結果、生体内での硫化水素(HS)の産生を阻害、抑制または低下させる成分が、鎮痛作用を有することを初めて見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1) 生体内での硫化水素の産生を阻害、抑制または低下させる成分を有効成分として含有してなる鎮痛用組成物、
(2) 該成分が、シスタチオニンγ−リアーゼ(CSE)阻害剤である上記(1)の鎮痛用組成物、
(3) 該シスタチオニンγ−リアーゼ(CSE)阻害剤が、DL−プロパルギルグリシン(PAG)およびβ−シアノアラニン(BCA)よりなる群から選択される上記(2)の鎮痛用組成物、および
(4) DDS製剤化されている上記(1)〜(3)のいずれかの組成物を提供するものである。
本発明により、新規な作用機序を有し、かつ優れた鎮痛作用を有する予防、治療薬ならびにその使用方法が提供される。
「生体内での硫化水素の産生を阻害、抑制または低下させる成分」は、生体内で硫化水素(HS)の産生を阻害、抑制または低下させる能力を有する、天然に存在するか、または人工的に合成されたいずれかの物質をいい、例えば、合成化合物、ペプチド、タンパク質、他の化合物などを包含する。さらに詳しくは、前記成分としては、例えば、DL−プロパルギルグリシン(PAG)およびβ−シアノアラニン(BCA)等のシスタチオニンγ−リアーゼ(CSE)阻害剤等が挙げられる。
かくして、生体内での硫化水素の産生を阻害、抑制または低下させる成分は、疼痛閾値を上昇させ、鎮痛作用を有するので、本発明の生体内での硫化水素の産生を阻害、抑制または低下させる成分を含む組成物は、各種の痛みに対して鎮痛作用を有し有用である。
予防剤または治療剤として用いる場合、本発明の組成物を、そのままあるいは水に希釈する等の各種処理を施して使用することができ、医薬品、医薬部外品等に配合して使用することができる。
本発明の組成物に含まれる生体内での硫化水素の産生を阻害、抑制または低下させる成分は、製剤学的に許容される塩として製剤中に含有されていてもよい。薬剤学的に許容される塩としては、例えば、無機塩基、有機塩基等の塩基との塩、無機酸、有機酸、塩基性または酸性アミノ酸などの酸付加塩等が挙げられる。無機塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、アンモニウム等が挙げられる。有機塩基としては、例えば、エタノールアミン等の第一級アミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N, N'−ジベンジルエチレンジアミン等の第二級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、トリエタノールアミン等の第三級アミン等が挙げられる。無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、乳酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、安息香酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。塩基性アミノ酸としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチン等が挙げられる。酸性アミノ酸としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸等が挙げられる。
本発明の組成物の投与方法としては、経口投与、静脈内投与以外に、経粘膜投与、経皮投与、筋肉内投与、皮下投与、直腸内投与等が適宜選択でき、その投与方法に応じて、種々の製剤として用いることができる。
以下に、各製剤について記載するが、本発明において用いられる剤型はこれらに限定されるものではなく、医薬製剤分野において通常用いられる各種製剤として用いることができる。
鎮痛用組成物として用いる場合には、生体内での硫化水素の産生を阻害、抑制または低下させる成分の経口投与量は、1mg/kg〜100mg/kgの範囲が好ましく、より好ましくは10mg/kg〜60mg/kgである。全身投与を行う場合、特に静脈内投与の場合には老若男女または体型等により変動があるが、有効血中濃度が30μg/mL〜900μg/mL、より好ましくは100μg/mL〜600μg/mLの範囲となるように投与すべきである。
経口投与を行う場合の剤型として、散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、錠剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤およびシロップ剤等があり、適宜選択することができる。また、それら製剤について徐放化、安定化、易崩壊化、難崩壊化、腸溶性化、易吸収化等の修飾を施すことができる。また、口腔内局所投与を行う場合の剤型として、咀嚼剤、舌下剤、バッカル剤、トローチ剤、軟膏剤、貼布剤、液剤等があり、適宜選択することができる。また、それら製剤について徐放化、安定化、易崩壊化、難崩壊化、腸溶性化、易吸収化等の修飾を施すことができる。
上記の各剤型について、公知のドラッグデリバリーシステム(DDS)の技術を採用することができる。本明細書でいうDDS製剤とは、徐放化製剤、局所適用製剤(トローチ、バッカル錠、舌下錠等)、薬物放出制御製剤、腸溶性製剤および胃溶性製剤等、投与経路、バイオアベイラビリティー、副作用等を勘案した上で、最適の製剤形態にした製剤をいう。
DDSの構成要素には基本的に薬物、薬物放出モジュール、被膜および治療プログラムから成り、各々の構成要素について、特に放出を停止させた時に速やかに血中濃度が低下する半減期の短い薬物が好ましく、投与部位の生体組織と反応しないおおいが好ましく、さらに、設定された期間において最良の薬物濃度を維持する治療プログラムを有するのが好ましい。薬物放出モジュールは基本的に薬物貯蔵庫、放出制御部、エネルギー源および放出孔または放出表面を有している。これら基本的構成要素は全て揃っている必要はなく、適宜追加あるいは削除等を行い、最良の形態を選択することができる。
DDSに使用できる材料としては、高分子、シクロデキストリン誘導体、レシチン等がある。高分子には不溶性高分子(シリコーン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチルセルロース、セルロースアセテート等)、水溶性高分子およびヒドロキシルゲル形成高分子(ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメタクリレート架橋体、ポリアクリル架橋体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、水溶性セルロース誘導体、架橋ポロキサマー、キチン、キトサン等)、徐溶解性高分子(エチルセルロース、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体の部分エステル等)、胃溶性高分子(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースナトリウム、マクロゴール、ポリビニルピロリドン、メタアクリル酸ジメチルアミノエチル・メタアクリル酸メチルコポリマー等)、腸溶性高分子(ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸フタルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、アクリル酸系ポリマー等)、生分解性高分子(熱凝固または架橋アルブミン、架橋ゼラチン、コラーゲン、フィブリン、ポリシアノアクリレート、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリβヒドロキシ酢酸、ポリカプロラクトン等)があり、剤型によって適宜選択することができる。
特に、シリコーン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、メチルビニルエーテル・無水マレインサン共重合体の部分エステルは薬物の放出制御に使用でき、セルロースアセテートは浸透圧ポンプの材料として使用でき、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースは徐放性製剤の膜素材として使用でき、ポリアクリル架橋体は口腔粘膜あるいは眼粘膜付着剤として使用できる。
また、製剤中にはその剤形(経口投与剤、注射剤、座剤等の公知の剤形)に応じて、溶剤、賦形剤、コーティング剤、基剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、溶解補助剤、懸濁化剤、粘稠剤、乳化剤、安定剤、緩衝剤、等張化剤、無痛化剤、保存剤、矯味剤、芳香剤、着色剤等の添加剤を加えて製造することができる。
これら各添加剤について、それぞれ具体例を挙げて例示するが、これらに特に限定されるものではない。
溶剤:精製水、注射用水、生理食塩水、ラッカセイ油、エタノール、グリセリン、
賦形剤:デンプン類、乳糖、ブドウ糖、白糖、結晶セルロース、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、トレハロース、キシリトール、
コーティング剤:白糖、ゼラチン、酢酸フタル酸セルロースおよび上記記載した高分子、
基剤:ワセリン、植物油、マクロゴール、水中油型乳剤性基剤、油中水型乳剤性基剤、
結合剤:デンプンおよびその誘導体、セルロースおよびその誘導体、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、トラガント、アラビアゴム等の天然高分子化合物、ポリビニルピロリドン等の合成高分子化合物、デキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ、
滑沢剤:ステアリン酸およびその塩類、タルク、ワックス類、コムギデンプン、マクロゴール、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、
崩壊剤:デンプンおよびその誘導体、寒天、ゼラチン末、炭酸水素ナトリウム、セルロースおよびその誘導体、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースおよびその塩類ならびにその架橋体、低置換型ヒドロキシプロピルセルロース、
溶解補助剤:シクロデキストリン、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
懸濁化剤:アラビアゴム、トラガント、アルギン酸ナトリウム、モノステアリン酸アルミニウム、クエン酸、各種界面活性剤、
粘稠剤:カルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ホドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、トラガント、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、
乳化剤:アラビアゴム、コレステロール、トラガント、メチルセルロース、各種界面活性剤、レシチン、
安定剤:亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、トコフェロール、キレート剤、不活性ガス、還元性物質、
緩衝剤:リン酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、ホウ酸、
等張化剤:塩化ナトリウム、ブドウ糖、
無痛化剤:塩酸プロカイン、リドカイン、ベンジルアルコール、
保存剤:安息香酸およびその塩類、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、逆性石けん、ベンジルアルコール、フェノール、チロメサール、
矯味剤:白糖、サッカリン、カンゾウエキス、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、
芳香剤:トウヒチンキ、ローズ油、
着色剤:水溶性食用色素、レーキ色素。
上記したように、医薬品を除法化製剤、腸溶性製剤または薬物放出制御製剤等のDDS製剤化することにより、薬物の有効血中濃度の持続化、バイオアベイラビリティーの向上等の効果が期待できる
製剤中には、上記以外の添加物として通常の組成物に使用されている成分を用いることができ、これらの成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
ラット機械的痛覚過敏に対するHSの効果
ラット後肢で鎮痛効果を測定するRandall−Selitto法によりNaHS注射後の痛覚閾値を測定し、その効果を検討した。
1)実験方法
i)実験動物
6−9週齢の雄性Wistar系ラット(Japan SLC, Inc., Japan)を用いた。ラットは室温23±2℃、湿度50±5%及び12時間の明暗サイクル(明期:0700から1900)の環境下で1週間の予備飼育の後、実験に供した。予備飼育期間中は固型飼料(CRF−1、オリエンタル酵母) 及び水を自由に摂取させた。
ii)使用薬物および投与スケジュール
物理的に硫化水素を発生する硫化水素ナトリウム(NaHS)を用いた。当該NaHSを生理食塩水に溶解し、ラット右後肢足底内に投与した。生理食塩水を同様に投与し対照群とした。5,5'−ジチオ−ビス−(2−ニトロ安息香酸)(DTNB)は1% DMSOに溶解し、ラット右後肢足底内に単独投与あるいはNaHS併用投与した。L−システインHClHOおよびD−システインHClHOは生理食塩水に溶解し、ラット右後肢足底内に投与した。
iii)機械的侵害受容閾値の測定
機械的侵害受容閾値の測定はRandall−Selitto法により行った。すなわち、圧刺激鎮痛効果測定装置(MK−300, Muromachi Kikai Co., Japan)を使用し、ラットの右後肢に30g/秒で機械的圧刺激を加え、もがき反応もしくは鳴き声を指標として機械的侵害受容閾値を測定した。また、後肢の損傷を防ぐため、加える圧刺激は500gを限度とした。得られた結果は薬物投与前の機械的侵害受容閾値を100%とし、以下の数式により算出した値で示した。
機械的侵害受容閾値(%ベースライン)=得られた閾値(g)/薬物投与前の閾値(g)×100
2)実験結果
NaHS投与(1nmol/足蹠)により投与後約15〜20分に最大閾値低下を示し、NaHSが痛覚過敏を発生させることが分かった。この効果は用量依存性であった(図1)。このNaHSの痛覚過敏は酸化剤であるDTNBにより抑制された(図2)。このことからNaHSの作用はHSを介していることが考えられる。また、シスタチオニンγ−リアーゼ(CSE)あるいはシスタチオニンβ−シンターゼ(CBS)の基質であり、これら酵素を介して硫化水素を発生させるL-システインによってもNaHSと同様に用量依存的に痛覚過敏が惹起されたが、光学異性体であるD-システインでは痛覚過敏が観察されなかった(図3)。このように、天然に存在するL−システインがピリドキサル−5'−リン酸依存性酵素の基質となり、ラット足蹠にて当該L−システインより硫化水素を産生させることにより痛覚過敏が惹起されることが明らかとなった。
L−システインにより誘導されたラット機械的痛覚過敏に対する各種阻害剤の効果
L−システインの痛覚過敏に対する、シスタチオニンγ−リアーゼ(CSE)阻害剤およびシスタチオニンβ−シンターゼ(CBS)阻害剤の効果について検討した。
1)実験方法
i)使用薬物および投与スケジュール
L−システインHClHOは生理食塩水に溶解し、ラット右後肢足底内に投与した。DL−プロパルギルグリシン(PAG)およびβ−シアノアラニン(BCA)は生理食塩水に溶かしL−システイン投与60分前に腹腔内投与した。また、アミノオキシ酢酸(AOAA) は生理食塩水に溶かしL−システイン 投与90分前に腹腔内投与した。
2)実験結果
実験結果を図4〜6に示す。以下の実験では、NaHS投与に代えて、ピリドキサル−5'−リン酸依存性酵素によりHSを産生するL−システインをラット足蹠に局所投与した。L−システインにより誘発されたラットの機械的痛覚過敏を、CSE阻害剤であるPAGおよびBCAは改善した(図4および5)。一方、L−システインにより誘発されたラットの機械的痛覚過敏を、CBS阻害剤であるAOAAは改善しなかった(図6)。従って、CSE阻害剤によりL−システインにより誘発された痛覚過敏が低下したのに対し、CBS阻害剤ではそれを低下させなかったことから、その鎮痛作用は中枢型ではなく、末梢型であることが示唆された。
ラットにおけるLPS誘発痛覚過敏に対するCSE阻害剤の効果
リポ多糖(LPS)疼痛モデルを用いて、CSE阻害剤PAGの効果を検討した。
1)実験方法
以下の疼痛モデルを用いる以外は、実施例1に記載の方法により痛覚過敏に対する効果を測定した。
i)リポ多糖(LPS) 疼痛モデルの作製
生理食塩水に溶解させたLPSを 1μg/0.1mLの用量でラット後肢足底内に投与し疼痛モデルを作製した。PAG(3.75, 11.25および37.5mg/kg)はLPS足底内投与の30分前に腹腔内投与した。
2)実験結果
生理食塩水投与に比較し、CSE阻害剤PAGはLPS誘発痛覚過敏を改善した。その最大の改善効果は、PAG 11.25mg/kg投与群において観察された(図7)。一般にLPS誘発痛覚過敏は種々の炎症メディエーターに引き起こされる。本実験によりLPS誘発痛覚過敏がCSE阻害剤PAGにより改善されたことより硫化水素は炎症時の痛みに関与していることが推察された。
錠剤
以下の処方に従い、常法により錠剤を調製した。
結晶セルロース 50mg
DTNB 50mg
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 50mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 10mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
乳糖 適量

合計 1000mg
錠剤
以下の処方に従い、常法により錠剤を調製した。
結晶セルロース 50mg
PAG 50mg
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 50mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 10mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
乳糖 適量

合計 1000mg
カプセル剤
以下の処方に従い、常法によりカプセル剤を調製した。
DTNB 50mg
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 50mg
架橋型カルボキシメチルセルロースナトリウム 5mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
乳糖 適量

合計 500mg
カプセル剤
以下の処方に従い、常法によりカプセル剤を調製した。
PAG 50mg
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 50mg
架橋型カルボキシメチルセルロースナトリウム 5mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
乳糖 適量

合計 500mg
注射剤
以下の処方に従い、常法により注射剤を調製した。
ブドウ糖 10mg
DTNB 50mg
注射用精製水 適量

合計 100mL
注射剤
以下の処方に従い、常法により注射剤を調製した。
ブドウ糖 10mg
PAG 50mg
注射用精製水 適量

合計 100mL

これらの実施例4〜9で得られた製剤は、いずれも本発明の鎮痛用組成物として使用できる。
図1は、ラット機械的痛覚過敏に対するNaHSの効果を示す。 図2は、NaHSにより誘発されたラット機械的痛覚過敏に対する酸化剤 DTNBの効果を示す。 図3は、ラット機械的痛覚過敏に対するL−およびD−システインの効果を示す。 図4は、L−システインにより誘発されたラット機械的痛覚過敏に対するCSE阻害剤 DL−プロパルギルグリシンの効果を示す。 図5は、L−システインにより誘発されたラット機械的痛覚過敏に対するCSE阻害剤 β−シアノアラニンの効果を示す。 図6は、L−システインにより誘発されたラット機械的痛覚過敏に対するCBS阻害剤 アミノオキシ酢酸の効果を示す。 図7は、ラットにおけるLPS誘発痛覚過敏に対するプロパルギルグリシンの効果を示す。

Claims (2)

  1. 生体内での硫化水素の産生を阻害、抑制または低下させる成分を有効成分として含有してなる鎮痛用組成物であって、
    該成分が、DL−プロパルギルグリシン(PAG)およびβ−シアノアラニン(BCA)よりなる群から選択される該組成物
  2. DDS製剤化されている請求項1記載の組成物。
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