JP4811194B2 - 軸受ユニット用密封装置及び軸受ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、鉄道車両や自動車の車軸などを支持するために用いられる軸受ユニット及び当該軸受ユニットに組み込まれる密封装置に関し、特に、軸受ユニットの内部を常に一定の内圧状態、並びに密封状態に保つための密封構造の改良に関する。
例えば、鉄道車両用の軸受ユニット(以下、単に軸受ユニットという)は、一例として、図8(a)に示すような構成をしており、車軸Sに外嵌されて当該車軸Sを回転自在に支持し、複数の転動体(ころ)6a,6bを介して相対回転可能に対向配置された静止輪(外輪)4及び回転輪(内輪)2を有する転がり軸受Aと、内輪2を軸方向(同図の左右方向)に位置決めするための環状の位置決め部材と、軸受Aが配設された所定の空間(軸受配設空間)80を密封状態に保つための密封装置70とを備えている。
ここで、位置決め部材としては、転がり軸受Aの軸方向両側に設けられた後ろ蓋Fと油切りPが適用されており、後ろ蓋Fは、車軸Sの基端側(例えば、車輪(図示しない)側(図8(a)の右側))において外周面段差部S1に外嵌され、油切りPは、車軸Sの軸端St側(図8(a)の左側)において外周面小径部S3に外嵌されている。なお、車軸Sには、外周面段差部S1を境界にして図8(a)の右側に比較的大径の外周面大径部S2が形成され、同図の左側に比較的小径の外周面小径部S3が形成されている。この場合、軸受ユニットの軸受Aの内輪2、後ろ蓋F及び油切りPは、車軸Sの外周面段差部S1とナット20との間で挟み付けられた状態となるように、車軸Sの軸端St側(図8(a)の左側)から回り止めリング22を介してボルト24で固定(緩み止め)されている。
図8(a)に示す構成において、転がり軸受Aとしては、外輪一体型の複列(2列)タイプの円すいころ軸受が適用されている。この場合、軸受Aは、内輪2が車輪(図示しない)に接続された車軸Sとともに回転する回転輪として構成されているのに対し、外輪4が車両のハウジング(図示しない)に固定されて常時非回転状態に維持される静止輪として構成されている。かかる軸受Aは、内輪2が第1の内輪2aと第2の内輪2bとで構成されており、第1の内輪2aには第1の軌道面8aが形成され、第2の内輪2bには第2の軌道面8bがそれぞれ形成され、外輪4には、当該第1及び第2の軌道面8a,8bに対向して複列(2列)の軌道面10a,10bが形成されている。また、内外輪2,4の軌道面8a,10a間及び軌道面8b,10b間には、複数のころ6a及びころ6bがそれぞれ転動自在に組み込まれており、各ころ6a,6bは、1つずつ回転自在に等間隔を成して保持器12によって保持されている。
また、図8(a)に示す構成において、第1の内輪2aと第2の内輪2bとは、一例として、対向する端面2c,2d同士が互いに直接当接するように配設されている。なお、例えば、第1の内輪2aと第2の内輪2bとの間に、環状を成す内輪間座(図示しない)が介在される場合もある。この場合、第1の内輪2aの端面2cと内輪間座の一方側の端面とが当接し、第2の内輪2bの端面2dと内輪間座の他方側の端面とが当接するように、内輪2a,2b及び内輪間座とを配設させればよい。また、内輪2は、第1の内輪2aと第2の内輪2bとの分割構成ではなく、これらを一体的に構成した一体型の内輪2として構成される場合もある。また、外輪4が分割構成として構成される場合もあり、この場合には外輪間座(図示しない)を選択的に設ければよい。
また、後ろ蓋Fと油切りPは、それぞれ円筒状を成しており、軸受Aの内輪2(2a,2b)とともに回転可能に車軸Sへ外嵌されている。図8(a)に示す構成では、後ろ蓋Fは、一例として、断面視階段状(2段)の円筒を成し、その大径側内周面F4が車軸Sの外周面大径部S2に当接し、当該大径側内周面F4と小径側内周面F5とを連結する内周中間部F6が車軸Sの外周面段差部S1に当接するとともに、その小径側内周面F5が車軸Sの外周面小径部S3と所定の間隔を空けて対向するように当該車軸Sへ外嵌されている。この場合、後ろ蓋Fの内周中間部F6は、車軸Sの外周面段差部S1に沿って連続した凸曲面状に形成されている。また、後ろ蓋Fには、小径側外周面F2と大径側外周面F3とを連結する外周中間部(後述するシールケース16との対向面)F7に、周方向に沿って所定のシール溝Fmが形成されている。
この状態において、後ろ蓋Fは、一端側(例えば、車軸Sの軸端St側(図8(a)の左側))の端面F1が、対向する内輪2(第1の内輪2a)の端面2eに軸方向(例えば、車輪(図示しない)側(図8(a)の右側))から当接している。
これに対し、油切りPは、筒状に形成された本体Pmと、当該本体Pmの一端側(例えば、車軸Sの軸端St側(図1(a)の左側))の外周面P2に環状且つ一連に設けられたフランジ部Pfとで構成され、本体Pmの内周面P3が車軸Sの外周面小径部S3に当接するように当該車軸Sへ外嵌されている。
この状態において、油切りPは、一端側(例えば、車輪(図示しない)側(図8(a)の右側))の端面P1が、対向する内輪2(第2の内輪2b)の端面2fに軸方向(例えば、車軸Sの軸端St側(図8(a)の左側))から当接しているとともに、他端側(例えば、車軸Sの軸端St側(図8(a)の左側))の端面P4がナット20と当接している。
このように、かかる軸受ユニットにおいて、軸受Aは、内輪2(2a,2b)と後ろ蓋F及び油切りPとは、対向する軸方向(図8(a)の左右方向)の端面同士が相互に当接し、外輪4が車両のハウジング(図示しない)に固定されることにより、軸方向に沿って位置決めされている。また、内輪2(2a,2b)、後ろ蓋F及び油切りPは、対向する軸方向(図8(a)の左右方向)の端面同士が相互に当接した状態で、車軸Sとともに回転可能にそれぞれ配置されている。一例として、図8(a)に示す構成においては、後ろ蓋Fの端面F1と第1の内輪2aの端面2eとが相互に当接して車軸Sに外嵌固定され、当該後ろ蓋Fと当該第1の内輪2aとが車軸Sとともに回転している。また、油切りPの端面P1と第2の内輪2bの端面2fとが相互に当接して車軸Sに外嵌固定され、当該油切りPと当該第2の内輪2bとが車軸Sとともに回転している。
また、密封装置70は、軸受Aの第1の内輪2aと後ろ蓋Fとの当接部(端面2e,F1)、及び軸受Aの第2の内輪2bと油切りPとの当接部(端面2f,P1)をそれぞれ覆うことで、軸受配設空間80を密封し、軸受ユニットの外部から軸受配設空間80への異物(例えば、水や塵埃)の侵入や、軸受配設空間80から軸受ユニットの外部への潤滑剤(例えば、潤滑油やグリース)の漏洩を防止している。図8(b)には、一例として、第1の内輪2aと後ろ蓋Fとの当接部(端面2e,F1)を覆うことにより、軸受配設空間80を密封する密封装置70の構成が示されている。かかる密封装置70には、一例として、断面視階段状(例えば、3段)の円筒を成すシールケース16と、当該シールケース16に内嵌され、軸受配設空間80と密封装置70のシール配設空間(シール30が配設された所定の空間)82とを軸方向(図8(b)の左右方向)に隔てる仕切板18と、当該仕切板18に内嵌され、軸受配設空間80を密封するシール30とが設けられている。
この場合、シールケース16は、その一端側(大径環状部50)が外輪4に内嵌され、その他端側(小径環状部54)が後ろ蓋F方向に延出し、その延出端16sは後ろ蓋Fとは非接触状態に位置決めされている。なお、図8(b)に示す構成において、シールケース16は、一例として、その延出端16sが後ろ蓋Fのシール溝Fmの内部へ非接触状態に収容されている。また、シールケース16の大径環状部50と小径環状部54の間には、当該大径環状部50の径よりも小さく、当該小径環状部54の径よりも大きな径を成す中径環状部52が設けられている。そして、大径環状部50と中径環状部52が大径側連結部56によって連結されているとともに、中径環状部52と小径環状部54が小径側連結部58によって連結されてこれらが一連を成し、これにより、シールケース16は、断面視3段の階段円筒状に形成されている。
また、仕切板18は、断面がL字状を成す平坦円環状に形成されており、その内径が後ろ蓋Fの小径側外周面F2の外径よりも極僅かに大きく、その外径がシールケース16の中径環状部52の内径と略同一の大きさを成して構成されている。そして、仕切板18は、その外周部18bがシールケース16の中径環状部52に沿って、当該シールケース16の小径環状部54方向(軸受Aの外側方向(図8(b)の右方向))へ、当該中径環状部52の幅(同図の左右方向の距離)よりも極僅かに小さな距離だけ延出されている。このように、仕切板18は、その外周部18bをシールケース16の中径環状部52に当接させた状態で当該シールケース16に内嵌固定されることで、その内周部18aが後ろ蓋Fの小径側外周面F2との間に所定の間隔(隙間32)を空けて、当該後ろ蓋Fと非接触状態に対向して位置付けられている。
また、シール30は、断面が略L字状を成す環状の芯板30aの一部、及び断面が中空を成す環状の芯棒30bの一部を各種の弾性材(例えば、ゴムやプラスチックなどの樹脂材)でコーティングして構成されている。この場合、シール30は、その内径が後ろ蓋Fの小径側外周面F2の外径と略同一の大きさを成し、その外径が仕切板18の外径と略同一の大きさを成して構成されている。
なお、シール30の内周部60には、かかる弾性材で構成されて、後ろ蓋Fの小径側外周面F2に摺接するシールリップ30lが形成され、その内周部60と外周部62との中間部には、軸受ユニットの内気を当該ユニットの内部から外部へ排出するための内圧調整機構30cが設けられている。図8(b)に示す構成においては、内圧調整機構30cとして、芯板30a及びコーティング弾性材を貫通して成る弾性スリットであるベント30cが形成されており、当該ベント30cは、例えば、軸受ユニットの内圧が上昇した場合、軸受ユニットの内気をその外部へ排出させることで、当該軸受ユニットの内圧を外圧(大気圧)と略同一圧に保つ機能を果たしている。
また、図8(b)には、一例として、第1の内輪2aと後ろ蓋Fとの当接部(端面2e,F1)を覆うことにより、軸受配設空間80を密封する密封装置70の構成を示しているが、第2の内輪2bと油切りPとの当接部(端面2f,P1)を覆うことにより、軸受配設空間80を密封する密封装置70も略同様に構成されている(図8(a)参照)。すなわち、かかる密封装置70は、その寸法設定(例えば、仕切板18及びシール30の内外径など)の際の対象部材が油切りPとなる点は異なるが、その他の形状、構造などは、図8(b)に示す第1の内輪2aと後ろ蓋Fとの当接部(端面2e,F1)の密封装置70におけるシールケース16、仕切板18及びシール30と同様に構成されている。
この場合、かかる密封装置70において、シールケース16は、一例として、その延出端16s(小径環状部54の内周面16a)が油切りPのフランジ部Pfと部分的に所定の間隔を空けて対向しており、シール30は、一例として、そのシールリップ30lが油切りPの本体Pmの外周面P2に摺接している(図8(a)参照)。
ところで、かかる軸受ユニットにおいては、転動体(ころ)6a,6bの転動面と内輪2の軌道面8a,8b、及び外輪4の軌道面10a,10bとが相互に接触する部分の焼付き防止や疲れ寿命の延長などを目的として、軸受Aに対して潤滑を行っている。このため、軸受配設空間80には、潤滑剤(一例として、グリース)が封入されており、これによる潤滑作用により、軸受ユニット(軸受A)を長期に亘って高精度に運転し続けることを可能としている。そして、従来から、潤滑性能や潤滑効率を向上させることで、軸受ユニット(軸受A)の長寿命化を図る各種の方策も知られている。
例えば、特許文献1には、内輪と後ろ蓋との当接面間、及び内輪と油切りとの当接面間に潤滑剤(一例として、グリース)を介在させた鉄道車両用の軸受ユニットが開示されている。このような構成により、後ろ蓋及び油切りの摩耗を抑制することで、内輪の端面と後ろ蓋及び油切りとの接触により発生するフレッチング金属粉が軸受配設空間に封入したグリースに混入することを回避し、当該グリースの潤滑性能が劣化することを防止している。
また、例えば、特許文献2には、内輪と後ろ蓋との当接面間、又は内輪と油切りとの当接面間のうち、いずれか少なくとも一方の当接面間に軸受ユニット(軸受)内に封入したグリースの寿命を延長させる材料(例えば、銅など)で成る部材を介在させた鉄道車両用の軸受ユニットが開示されている。このような構成により、フレッチング金属粉が軸受配設空間に侵入することを防止しているとともに、仮に侵入した場合であっても、当該フレッチング金属粉により、グリース寿命を延長させることを可能としている。
いずれに開示された軸受ユニットにおいても、軸受配設空間に封入したグリースの劣化を防止し、当該グリースの潤滑性能を良好に維持し続けることで、軸受ユニット(軸受)の長寿命化を図っている。
このような方策により、軸受配設空間に封入したグリースの潤滑性能の劣化を防止する一方で、かかる軸受ユニットにおいては、内輪2(2a,2b)、転動体(ころ)6a,6b及び保持器12が車軸Sとともに回転することで、例えば、転動体(ころ)6a,6bの転動面と内輪2の軌道面8a,8b、及び外輪4の軌道面10a,10bとが相互に摩擦を繰り返し、軸受Aの温度が上昇するとともに、軸受配設空間80の温度も上昇する。このように軸受配設空間80の温度が上昇すると、それに伴って軸受配設空間80の圧力(軸受ユニットの内圧)が上昇するため、当該内圧と軸受ユニットの外部の圧力(外圧(大気圧))との間に圧力差が生じる。
そして、軸受ユニットの内圧が所定の値まで達すると、当該内圧による押圧力を受けてシール30のベント30cが開き、軸受ユニットの内気は、当該内圧と外圧との圧力差によって、当該ベント30cから軸受ユニットの外部へ排出される(図8(b)においては、ベント30cを介して左から右へ排出される)。この結果、上昇した軸受ユニットの内圧を低下させることができ、内圧が上昇し続けることを抑制し、大気圧と略同一圧となるように調整することができる。すなわち、軸受配設空間80の内圧、及びシール30が配設された空間(シール配設空間)82の内圧を、いずれも大気圧と略同一圧となるように調整することができる。この結果、例えば、シール30のシールリップ30lが、シール配設空間82の内圧が上昇した場合に作用する押圧力によって、後ろ蓋Fの小径側外周面F2や油切りPの本体Pmの外周面P2に吸着してしまうことを防止することができる。
ここで、上述したように、密封装置70において、仕切板18は、その内周部18aが後ろ蓋Fの小径側外周面F2、若しくは油切りPの本体Pmの外周面P2との間に所定の間隔(隙間32)を空けて、当該後ろ蓋F若しくは油切りPと非接触状態に対向して位置付けられている。このため、軸受ユニットの内気がシール30のベント30cから軸受ユニットの外部へ排出される場合、軸受配設空間80に封入されたグリースは、当該内気が排出される際の気流に乗って、軸受配設空間80から、上記仕切板18と後ろ蓋F若しくは油切りPとの間の隙間32を通って、シール30が配設された空間(シール配設空間)82へ移動する場合がある。
この場合、密封装置70において、仕切板18と後ろ蓋F若しくは油切りPとの間の隙間32を、当該仕切板18と後ろ蓋F若しくは油切りPとを非接触状態に対向させることが可能な最小限の大きさに止めることで、すなわち、仕切板18をその内径が可能な限り大きく形成することで、当該隙間32を通って、軸受配設空間80からシール配設空間82へ移動するグリースの量を最小限に抑えることができる。
特開平8−128451号公報 特開2000−52986号公報
しかしながら、かかる隙間32が、その周方向の全てに亘ってグリースで塞がれた場合(図8(b)に示すグリース34の状態)、軸受ユニットの内気は、当該隙間32を通って軸受配設空間80からシール配設空間82へ移動することができなくなってしまい、ひいては、当該内気をシール30のベント30cから軸受ユニットの外部へ排出させることができなくなってしまう虞がある。
このような状況下において、軸受ユニット及びその内部の温度がさらに上昇すると、軸受配設空間80の内圧がさらに上昇し、当該軸受配設空間80とシール配設空間82との間に圧力差が生じる。この結果、隙間32を全周に亘って塞いでいたグリースは、当該隙間32からシール配設空間82へと押し出され、その空間82内に移動してしまう。そして、その後、隙間32がその周方向の全てに亘ってグリースで塞がれる度に、グリースは、当該隙間32からシール配設空間82へと押し出され、その空間82内への移動を繰り返すことになる。
このようなグリースの移動が繰り返されると、その程度によっては、シール配設空間82へ移動したグリースがシール30のベント30c部分にまで達し、当該ベント30cを塞いで詰まらせてしまう場合がある。この場合、軸受ユニットの内気をシール30のベント30cから軸受ユニットの外部へ排出させることができなくなってしまう。
この結果、軸受ユニットの内圧、すなわち、軸受配設空間80及びシール配設空間82の内圧がともに上昇し、例えば、シール30のシールリップ30lが、シール配設空間82の内圧上昇に伴う押圧力によって、後ろ蓋Fの外周面小径部F2や油切りPの外周面小径部P2に吸着し、当該シール30が異常発熱してしまう場合がある。この場合には、例えば、シール30自体が熱変形を起こし、あるいは、シールリップ30lが摩擦により磨耗し、シール30の密封性能が劣化してしまう虞がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされており、その目的は、軸受ユニットの内圧を常に大気圧と略同一圧に保つことで、当該軸受ユニットの内部を常に一定の密封状態に保つことが可能な軸受ユニット用密封装置を提供するとともに、係る密封装置を組み込むことで、軸受を長期に亘って一定の回転精度で安定して回転させ続けることが可能な軸受ユニットを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明に係る軸受ユニット用密封装置は、所定の回転軸を回転自在に支持し、複数の転動体を介して相対回転可能に対向配置された静止輪及び回転輪を有する転がり軸受と、回転輪を軸方向に位置決めするための環状の位置決め部材とを備えた軸受ユニットに組み込まれ、前記転がり軸受が配設された軸受配設空間を密封している。かかる軸受ユニット用密封装置は、軸受配設空間を密封するシールと、当該シールが配設されたシール配設空間と軸受配設空間とを軸方向に隔てる仕切板と、前記シール及び前記仕切板を収容して所定位置に固定するためのシールケースとを備えている。
この場合、軸受配設空間には、潤滑剤としてのグリースが封入され、シールには軸受ユニットの内圧の上昇時、当該軸受ユニットの内気を当該ユニットの内部から外部へ排出させることで、シール配設空間と軸受配設空間との間の圧力差をなくすための内圧調整機構が少なくとも1つ以上設けられている。また、仕切板は、環状を成し、その内周部が前記位置決め部材と非接触状態となる最小限の隙間を空けて対向しているとともに、当該内周部には軸受ユニットの内気を軸受配設空間からシール配設空間へ流動させ、前記内圧調整機構を介して軸受ユニットの外部へ排出させるための内気流動機構が少なくとも1つ以上設けられている。そして、前記内気流動機構が前記グリースによるグリース膜によって塞がれた場合であっても、前記軸受配設空間と前記シール配設空間との間の圧力差による押圧力によって前記グリース膜を開孔させることが可能なように、前記内気流動機構として、仕切板の内周部の径を部分的に拡大させる切り欠き若しくは貫通孔が形成されており、これらの形成範囲において、当該仕切板の内周部と前記位置決め部材との間の隙間が拡げられている。
なお、前記内気流動機構と前記内気流動機構は、周方向に位相差を持って形成することが好ましい。
また、このような目的を達成するために、本発明に係る軸受ユニットは、所定の回転軸を回転自在に支持し、複数の転動体を介して相対回転可能に対向配置された静止輪及び回転輪を有する転がり軸受と、回転輪を軸方向に位置決めするための環状の位置決め部材とを備えている。かかる軸受ユニットは、上述したいずれかの軸受ユニット用密封装置によって、前記軸受が配設された軸受配設空間を密封している。
本発明の軸受ユニット用密封装置によれば、軸受ユニットの内圧を常に大気圧と略同一圧に保つことで、当該軸受ユニットの内部を常に一定の密封状態に保つことができるとともに、本発明の軸受ユニットによれば、係る軸受ユニット用密封装置を組み込むことで、軸受を長期に亘って一定の回転精度で安定して回転させ続けることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る軸受ユニット用密封装置及び軸受ユニットについて、添付図面を参照して説明する。なお、本発明の軸受ユニットは、例えば、鉄道や自動車など各種の車両の車軸を支持するための軸受ユニット、並びにその他の産業用機械の所定の回転軸を支持するための軸受ユニットなどとして適用することができるが、ここでは、鉄道車両用の軸受ユニットを一例として想定し、当該軸受ユニットに組み込まれる軸受ユニット用密封装置の構成について説明する。この場合、本実施形態に係る軸受ユニットの全体構成としては、上述した従来の軸受ユニット(図8(a))と同様の構成を一例として想定する。また、本実施形態に係る軸受ユニット用密封装置の基本的な構成は、上述した従来の軸受ユニット用密封装置(図8(a),(b))と同様であるため、当該軸受ユニット用密封装置と同一若しく類似の構成については、図面上で同一の符号を付して、その説明を省略若しくは簡略化する。
なお、図8(a)に示す構成においては、軸受ユニットを構成する軸受Aとして、複列の円すいころ軸受が一例として適用されているが、軸受形式は、これに特に限定されない。例えば、軸受ユニットの使用目的や使用条件などに応じて、いずれも単列若しくは複列の円筒ころ軸受、玉軸受、自動調心ころ軸受、及び球面ころ(たる形ころ)軸受など各種形式の軸受を適用することができる。
図1〜3には、本発明の一実施形態に係る軸受ユニット用密封装置(以下、単に密封装置40という)が示されており、当該密封装置40には、軸受が配設された所定の空間(軸受配設空間)80を密封するシール30と、当該シール30が配設された所定の空間(シール配設空間)82と軸受配設空間80とを軸方向(図8(a)の左右方向)に隔てる仕切板18と、シール30及び仕切板18を収容して所定位置に固定するためのシールケース16とが備えられている。
なお、かかる軸受ユニットには、軸受Aの第1の内輪2aと後ろ蓋Fとの当接部(端面2e,F1)、及び軸受Aの第2の内輪2bと油切りPとの当接部(端面2f,P1)をそれぞれ覆うための2つの密封装置40が設けられており、当該2つの密封装置40を設けることで、軸受配設空間80を密封し、軸受ユニットの外部から軸受配設空間80への異物(例えば、水や塵埃)の侵入や、軸受配設空間80から軸受ユニットの外部への潤滑剤(例えば、潤滑油やグリース)の漏洩を防止している(図8(a))。
この場合、シール30は、断面が略L字状を成す環状の芯板30aの一部、及び断面が中空を成す環状の芯棒30bの一部を各種の弾性材(例えば、ゴムやプラスチックなどの樹脂材)でコーティングして構成されている(図8(a),(b))。この場合、シール30は、その内径が後ろ蓋Fの小径側外周面F2の外径、若しくは、油切りPの本体pmの外径と略同一の所定の大きさを成し、その外径が仕切板18の外径と略同一の所定の大きさを成して構成され、当該仕切板18に内嵌されている。
なお、シール30には、その内周部60に、かかる弾性材で構成されて、後ろ蓋Fの小径側外周面F2、若しくは油切りPの本体pmの外周面P2に摺接するシールリップ30lが形成されている。この場合、シールリップ30lは、後ろ蓋Fの小径側外周面F2、若しくは油切りPの本体pmの外周面P2に摺接し、軸受配設空間80を密封することができれば、その大きさ、形状及び数などは、図1〜3及び図8(a),(b)に示す構成には特に限定されない。
また、シール30には、その内周部60と外周部62との中間部に、少なくとも軸受ユニットの内圧の上昇時、当該軸受ユニットの内気を当該ユニットの内部から外部へ排出させることで、当該軸受ユニットの内圧を外圧(大気圧)と略同一圧に保つための内圧調整機構30cが1つ以上設けられている。図1〜3に示す構成において、シール30には、内圧調整機構30cとして、2つのベント(切り込み)30cが一例として設けられており、当該2つのベント30cは、シール30の中心点に対して対称を成すように、相互に180°の位相差を持って形成されている。
この場合、かかるベント30cは、芯板30a及びコーティング弾性材を貫通して成る弾性スリットとして構成されており、例えば、軸受ユニットの内圧の上昇時には、当該軸受ユニットの内気を当該ユニットの内部から外部へ排出させている。具体的には、軸受配設空間80の内圧が上昇した場合、当該軸受配設空間80の内気をシール配設空間82へ流入させ、当該シール配設空間82へ流入させた内気をシール30のベント30cから軸受ユニットの外部へ排出させている。
このように、ベント30cは、通常時は開口状態とはならず、軸受ユニットの内部が加圧され、その内圧と外圧(大気圧)との間に圧力差が生じてシール30が弾性変形した場合にのみ開口状態となって、当該軸受ユニットの内気を排出させて当該軸受ユニットの内圧が外圧(大気圧)と略同一圧となるように調整する、いわゆる空気弁として構成されている。これにより、シール30は、ベント30cが空気弁としての機能を果たすことで、軸受ユニットの内圧(軸受配設空間80及びシール配設空間82の内圧)を常に大気圧と略同一圧に保った状態で、軸受配設空間80を密封することができる。
なお、本実施形態において、ベント30cは、通常時は開口状態とはならず、軸受ユニットの内部が加圧された場合に開口状態となって、当該軸受ユニットの内気を排出させるように構成しているが、例えば、軸受ユニットの内部が加圧された場合に加えて、軸受ユニットの内部が減圧され、その内圧と外圧(大気圧)との間に圧力差が生じてシール30が弾性変形した場合に開口状態となって、当該軸受ユニットの外気を流入させて当該軸受ユニットの内圧を調整する空気弁として構成してもよい。
この場合、ベント30cは、軸受ユニットの内圧が低下した際、具体的には、軸受配設空間80の内圧が低下した際、軸受ユニットの外気をシール30のベント30cからシール配設空間82へ流入させ、当該シール配設空間82へ流入させた外気をさらに軸受配設空間80へ流入させている。
いずれの場合においても、ベント30cの大きさ、形状、数及び配設位置などは、例えば、シール30の大きさや形状などに応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。例えば、シール30に対し、ベント30cを1つのみ設けてもよいし、3つ以上設けてもよい。また、シール30に対し、複数のベント30cを設ける場合、各ベント30cは、周方向に沿って等間隔に配置してもよいし、異なる間隔で配置してもよい。
なお、図1〜3に示す構成において、シール30には、内圧調整機構30cとして、ベント30cが一例として設けられているが、かかる内圧調整機構30cは、少なくとも軸受ユニットの内圧の上昇時、当該軸受ユニットの内気を当該ユニットの内部から外部へ排出することが可能な機構であれば、その形式は特に限定されず、ベント30cの他、例えば、貫通孔などであってもよい。
また、図1〜3に示す構成において、シールケース16は、一例として、それぞれ径の異なる3つの円筒部(大径環状部50、中径環状部52及び小径環状部54)がこの順番で一連を成して連結部(大径側連結部56及び小径側連結部58)によって連結された、断面視3段の階段状の円筒を成して形成されている。この場合、大径環状部50と中径環状部52とは、相互に大径側連結部56によって略直角を成して連結されており、中径環状部52と小径環状部54とは、相互に小径側連結部58によって略直角を成して連結されている。なお、シールケース16の大きさや形状などは、例えば、軸受Aや後ろ蓋F及び油切りPの大きさや形状などに応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。
この場合、シールケース16は、その一端側(大径環状部50)が外輪4に内嵌され、その他端側(小径環状部54)が後ろ蓋F方向、若しくは油切りP方向へ延出し、その延出端16sは後ろ蓋F、若しくは油切りPとは非接触状態に位置決めされている。なお、図8(a),(b)に示す構成において、シールケース16は、一例として、延出端16sが後ろ蓋Fのシール溝Fmの内部へ非接触状態に収容されているとともに、延出端16s(小径環状部54の内周面16a)が油切りPのフランジ部Pfと部分的に所定の間隔を空けて対向している。
このように、シールケース16の延出端16sが後ろ蓋F、若しくは油切りPとは非接触状態に位置決めされることにより、軸受ユニットは、その内気を軸受ユニットの外部へシール30のベント30cを通して排出させることができるとともに、その外気を軸受ユニットの外部から当該ベント30cを通して流入させることができる。
また、仕切板18は、断面がL字状を成す平坦円環状に形成されており、その内径が後ろ蓋Fの小径側外周面F2の外径、若しくは油切りPの本体pmの外径よりも極僅かに大きく、その外径がシールケース16の中径環状部52の内径と略同一を成して構成されている(図8(a),(b))。そして、仕切板18は、その外周部18bがシールケース16の中径環状部52に沿って、当該シールケース16の小径環状部54方向(軸受Aの外側方向(図8(a)の右方向若しくは左方向))へ、当該中径環状部52の幅(同図の左右方向の距離)よりも極僅かに小さな距離だけ延出されている。
このように、仕切板18は、その外周部18bをシールケース16の中径環状部52に当接させた状態で当該シールケース16に内嵌固定されることで、その内周部18aが後ろ蓋Fの小径側外周面F2との間、若しくは油切りPの本体pmの外周面P2との間に、周方向へ沿って連続した所定の間隔(隙間32)を空けて、当該後ろ蓋F若しくは油切りPと非接触状態に対向して位置付けられている。
また、仕切板18には、その内周部18aに、少なくとも軸受ユニットの内気を軸受配設空間80からシール配設空間82へ流動させ、シール30の内圧調整機構(ベント30c)を介して軸受ユニットの外部へ排出させるための内気流動機構36が1つ以上設けられている。
図1〜3に示す構成において、仕切板18の内周部18aには、一例として、2つの内気流動機構36が設けられており、当該2つの内気流動機構36は、仕切板18の中心点に対して対称を成すように、相互に180°の位相差を持って形成されている。さらに、かかる2つの内気流動機構36は、シール30に設けられた2つのベント30cと相互にそれぞれ90°の位相差を持って形成されている。このように、かかる密封装置40において、仕切板18の内気流動機構36とシール30のベント30cとは、周方向に90°の位相差を持って交互に1つずつ、合計4つ配設されている。
この場合、図3及び図4に示すように、仕切板18の内周部18aには、内気流動機構36として、当該内周部18a上に中心を有する同一の半円形状を成す2つの切り欠き36が一例として形成されている。これにより、仕切板18は、その内径(内周部18aの径)が、内気流動機構(切り欠き)36の形成範囲において、それ以外の部分よりも所定の大きさだけ拡大されて構成されている。
図3及び図4に示す構成において、仕切板18は、内気流動機構(切り欠き)36が形成された部分の内径(内周部18aの径)が、当該切り欠き36が形成されていない部分の径よりも、当該切り欠き36の半円形状の輪郭に相当する大きさだけ拡大されている。
この結果、かかる密封装置40においては、内気流動機構(切り欠き)36が形成されている部分のみ、仕切板18の内周部18aと後ろ蓋Fとの間の間隔(隙間32)、及び仕切板18の内周部18aと油切りPとの間の間隔(隙間32)がそれぞれ拡げられている。
なお、内気流動機構(切り欠き)36の大きさ、形状、数及び配設位置などは、例えば、仕切板18の大きさや形状などに応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。例えば、内気流動機構(切り欠き)36は、半楕円状、矩形状及び星形状などを成して形成してもよいし、これらを組み合わせて内気流動機構36を形成してもよい。また、例えば、仕切板18に対し、内気流動機構(切り欠き)36を1つのみ設けてもよいし、3つ以上設けてもよい。このように、仕切板18に対し、複数の内気流動機構(切り欠き)36を設ける場合、各内気流動機構(切り欠き)36は、周方向に沿って等間隔に配置してもよいし、異なる間隔で配置してもよい。例えば、シール30のベント30cと同位相となるように、各内気流動機構(切り欠き)36を設けてもよい。
また、図3及び図4に示す構成において、内気流動機構36は、切り欠きとして形成しているが、例えば、貫通孔として形成してもよい。さらに、例えば、内気流動機構36として、切り欠きと貫通孔とを組み合わせて形成してもよい。
以上のような構成を成す密封装置40を組み込んだ軸受ユニットにおいて、上述した従来の軸受ユニットの場合と同様に、軸受Aを長期に亘って、安定してスムーズに回転させるため、転動体(ころ)6a,6bの転動面と内輪2の軌道面8a,8b、及び外輪4の軌道面10a,10bとが相互に接触する部分の焼付き防止や疲れ寿命の延長などを目的として、軸受Aに対して潤滑を行っている。
かかる軸受ユニットにおいて、車軸Sの回転に伴う内輪2(2a,2b)、転動体(ころ)6a,6b及び保持器12の回転によって、軸受配設空間80の温度が上昇し、それに伴って軸受配設空間80の圧力(軸受ユニットの内圧)が上昇した場合、当該内圧と軸受ユニットの外部の圧力(外圧(大気圧))との間に圧力差が生じる。
そして、軸受ユニットの内圧が所定の値まで達すると、当該内圧による押圧力を受けてシール30のベント30cが開き、軸受ユニットの内気は、当該内圧と外圧との圧力差によって、当該ベント30cから軸受ユニットの外部へ排出される(例えば、図8(b)においては、ベント30cを介して左から右へ排出される)。
この結果、上昇した軸受ユニットの内圧を低下させることができ、その内圧が上昇し続けることを抑制し、大気圧と略同一圧となるように調整することができる。すなわち、軸受配設空間80の内圧、及びシール30が配設された空間(シール配設空間)82の内圧を、いずれも大気圧と略同一圧となるように調整することができる。
この場合、軸受ユニットの内気は、軸受配設空間80から仕切板18と後ろ蓋Fとの間の隙間32、若しくは仕切板18と油切りPとの間の隙間32を通って、シール配設空間82へ移動し、シール30のベント30cから軸受ユニットの外部へ排出される。この際、軸受配設空間80に封入されたグリースは、当該排出内気の気流に乗って、軸受配設空間80から、仕切板18と後ろ蓋Fとの間の隙間32、若しくは仕切板18と油切りPとの間の隙間32の近傍に移動し、その一部は、当該隙間32を通って、シール配設空間82まで移動する。
ここで、仕切板18と後ろ蓋F若しくは油切りPとの間の隙間32の近傍に移動したグリースは、当該隙間32に堆積され、当該隙間32をその周方向の全てに亘って塞いでしまう場合がある(図8(b)に示すグリース34の状態)。そして、このような状況下において、軸受ユニット及びその内部の温度がさらに上昇すると、軸受配設空間80の内圧がさらに上昇し、当該軸受配設空間80とシール配設空間82との間に圧力差が生じる。
このように、グリースが上記隙間32を全周に亘って塞ぎ、軸受配設空間80とシール配設空間82との間に圧力差が生じた場合であっても、本実施形態においては、仕切板18の内周部18aに、内気流動機構(切り欠き)36が設けられているため、当該内気流動機構(切り欠き)36を介して、軸受ユニットの内気を軸受配設空間80からシール配設空間82へ移動させ、シール30のベント30cを通して軸受ユニットの外部へ排出させることができる。この結果、上昇した軸受配設空間80の内圧を低下させることができ、その内圧が上昇し続けることを抑制するとともに、当該軸受配設空間80の内圧、及びシール配設空間82の内圧を、いずれも大気圧と略同一圧となるように調整することができる。
また、グリースが、仕切板18と後ろ蓋F若しくは油切りPとの間の隙間32を全周に亘って塞ぎ、軸受配設空間80とシール配設空間82との間に圧力差が生じている状態で、さらに、仕切板18の内気流動機構(切り欠き)36をも塞いだ場合であっても、本実施形態においては、当該内気流動機構(切り欠き)36から、軸受ユニット(軸受配設空間80)の内気をシール配設空間82へ移動させ、シール30のベント30cを通して軸受ユニットの外部へ排出させることができる。
具体的に説明すると、グリースが上記隙間32を全周に亘って塞ぐとともに、仕切板18の内気流動機構(切り欠き)36をも塞いだ場合、当該隙間32及び内気流動機構(切り欠き)36には、それぞれ所定のグリース膜が形成される。ここで、このように、かかる隙間32を塞いだグリースの膜(以下、隙間グリース膜という)、及び仕切板18の内気流動機構(切り欠き)36を塞いだグリースの膜(以下、切り欠きグリース膜という)がそれぞれ形成された状態で、当該隙間グリース膜及び切り欠きグリース膜に対し、軸受ユニット(軸受配設空間80)の内気が所定の貫通孔を形成するために(開孔させるために)必要な、軸受配設空間80とシール配設空間82との間の圧力差による押圧力について考える。
このような押圧力が作用した場合、当該押圧力によって隙間グリース膜が変形した際の形状と、切り欠きグリース膜が変形した際の形状とは、互いに異なる形状となる。具体的には、この場合、隙間グリース膜は、円周方向に対称な2次元的形状に変形されるのに対し、切り欠きグリース膜は、3次元的形状に変形される。
ここで、隙間グリース膜の変形後の形状を膜厚が一様な円筒の一部、切り欠きグリース膜の変形後の形状を膜厚が一様な球面の一部と、便宜上それぞれ仮定し、且つ変形前もそれぞれのグリース膜厚が一様な平面であると仮定する。図5には、これらのグリース膜の変形による膜厚の変化率が示されており、同図から明らかなように、グリース膜は、変形後の形状が球面及び円筒のいずれの場合においても、その膜厚が小さくなっているが、その膜厚の変化(縮小)は、球面の方が円筒よりも大きくなる。すなわち、同一の膜厚の状態からグリース膜が変形した場合、変形後のグリース膜は、球面の方が円筒よりもその膜厚が小さくなる。
なお、図5において、膜圧の変化率は、グリース膜の変形前の膜厚t0に対する変形後の膜厚tの比率(t/t0)として算出しており、図6には、所定の曲面(円筒及び球面の一部)を形成する角度をθとした場合におけるグリース膜の変形前の膜厚t0、及び変形後の膜厚tが模式的に示されている。
以上を考慮すれば、グリース膜の変形後においては、切り欠きグリース膜の方が隙間グリース膜よりも、当該膜内の引張応力が大きくなり破壊されやすくなる。また、別の捉え方をすれば、変形後のグリース膜の耐圧(軸受ユニット(軸受配設空間80)の内気が押圧力によって当該グリース膜を開孔させるために必要な圧力)は、球面の方が円筒よりも小さくなる。すなわち、グリース膜の変形後においては、軸受ユニット(軸受配設空間80)の内気が押圧力によって切り欠きグリース膜を開孔させるために必要な圧力(以下、切り欠きグリース膜の耐圧という)は、隙間グリース膜を開孔させるために必要な圧力(以下、隙間グリース膜の耐圧という)に比べ、小さくなる。
このように、切り欠きグリース膜の耐圧は、隙間グリース膜の耐圧よりも格段に小さいため、軸受ユニット(軸受配設空間80)の内気は、軸受配設空間80とシール配設空間82との間の圧力差による押圧力によって、仕切板18の内気流動機構(切り欠き)36を塞いだグリースの膜に対し、容易に所定の貫通孔(以下、貫通孔hという)を開孔させることができる。
そして、切り欠きグリース膜に対して貫通孔hが開孔された場合、当該貫通孔hから、軸受ユニット(軸受配設空間80)の内気をシール配設空間82へ移動させ、シール30のベント30cを通して軸受ユニットの外部へ排出させることができる。この結果、上昇した軸受配設空間80の内圧を低下させることができ、その内圧が上昇し続けることを抑制するとともに、当該軸受配設空間80の内圧、及びシール配設空間82の内圧を、いずれも大気圧と略同一圧となるように調整することができる。
これにより、軸受配設空間80とシール配設空間82との間の圧力差がなくなり、その圧力差による押圧力も生じないため、軸受配設空間80に封入されたグリースは、軸受配設空間80からシール配設空間82へ移動し難くなる。すなわち、軸受配設空間80から、仕切板18と後ろ蓋Fとの間の隙間32、若しくは仕切板18と油切りPとの間の隙間32を通って、シール配設空間82まで移動するグリースの量を格段に減少させることができる。
別の捉え方をすれば、仕切板18に内気流動機構(切り欠き)36を設けることで、軸受配設空間80に封入されたグリースを当該軸受配設空間80からシール配設空間82へほとんど移動させることなく、軸受ユニットの内気のみを軸受配設空間80からシール配設空間82へ移動させ、シール30のベント30cを通して軸受ユニットの外部へ排出させることができる。
また、この場合、軸受ユニットの内部が加圧され、シール30が弾性変形してベント30cが開口状態となることで、当該軸受ユニットの内気が当該軸受ユニットの内部から外部へ排出される。この際、貫通孔hの周辺に付着したグリースに対し、排出される内気の気流によって剪断力が作用する。しかしながら、この剪断力は非常に小さいため、かかる貫通孔hの周辺に付着したグリースが、軸受配設空間80から当該貫通孔hを通って、シール配設空間82へ移動することは、ほとんどない。
以上のように、密封装置40の仕切板18に対し、その内周部18aに内気流動機構(切り欠き)36を設けることで、軸受配設空間80とシール配設空間82との間に圧力差が生じた場合であっても、当該内気流動機構(切り欠き)36を塞いだグリースの膜(切り欠きグリース膜)に対し、容易に貫通孔hを開孔させることができ、軸受ユニットの内気のみを軸受配設空間80から当該貫通孔hを通してシール配設空間82へ移動させ、さらにシール30のベント30cを通して軸受ユニットの外部へ排出させることができる。
この結果、上昇した軸受配設空間80の内圧を低下させることができ、その内圧が上昇し続けることを抑制するとともに、当該軸受配設空間80の内圧、及びシール配設空間82の内圧を、いずれも大気圧と略同一圧となるように調整することができる。すなわち、軸受配設空間80とシール配設空間82との間の圧力差をなくすことができ、軸受配設空間80に封入されたグリースが、軸受配設空間80からシール配設空間82へ移動することを有効に抑制することができる。このため、かかるグリースがシール30のベント30cを塞いで詰まらせてしまうことはない。
これにより、例えば、軸受ユニットの内圧、すなわち、軸受配設空間80及びシール配設空間82の内圧がともに上昇することで、シール30のシールリップ30lが、シール配設空間82の内圧上昇に伴う押圧力によって、後ろ蓋Fの外周面小径部F2や油切りPの外周面小径部P2に吸着し、当該シール30が異常発熱することもない。したがって、例えば、シール30自体が熱変形を起こすこともないし、シールリップ30lが摩擦により磨耗し、シール30の密封性能が劣化してしまうこともない。
このように、本実施形態によれば、軸受ユニットの内圧を常に大気圧と略同一圧に保つことができ、結果として、当該軸受ユニットの内部を常に一定の密封状態に保つことができるとともに、軸受Aを長期に亘って一定の回転精度で安定して回転させ続けることができる。
ここで、軸受配設空間とシール配設空間との間に圧力差が生じた場合において、軸受配設空間に封入したグリースの当該軸受配設空間からシール配設空間への移動量を、各種の密封装置を組み込んだ試験ユニットの加圧後、それぞれ測定する静的試験を実施し、その結果を比較した。以下、当該試験の内容、及びその結果について、説明する。
この場合、試験ユニットとして、3種類の密封装置に部材を組み合わせて軸受配設空間とシール配設空間のみを模擬した試験装置を用意し、軸受配設空間に対して2種類のグリースを封入して、2条件の圧力で加圧させた後、かかるグリースの移動量を各試験装置についてそれぞれ測定した。
なお、密封装置として、次の3つの密封装置を試験装置にそれぞれ組み込んだ。1つ目として、仕切板の内周部に内気流動機構(切り欠き)を設けた本実施形態に係る密封装置(図1〜3に示す密封装置40に相当(以下、本件密封装置という))、2つ目として、仕切板に当該内気流動機構(切り欠き)を設けていない従来の密封装置(図8(a),(b)に示す密封装置70に相当(以下、従来密封装置という))を用意した。この場合、本件密封装置及び従来密封装置において、仕切板の内径の大きさ、すなわち、その内周部と後ろ蓋及び油切りとの間の隙間に相当する部位の大きさは、同一に設定した。そして、3つ目として、本件密封装置及び従来密封装置よりも仕切板の内径を大きくし、その内周部と後ろ蓋若しくは油切りとの間の隙間を拡大した密封装置(以下、比較密封装置という)を用意した。
また、グリースとしては、一般的なグリース(例えば、アメリカグリース協会(NLGI:National Lubricating Grease Institute)が規定するちょう度No.2(ちょう度番号2号)のグリースなど)と、それよりもちょう度の小さな軟らかいグリースの2種類のグリースを適用した。
試験に当たっては、密封装置の仕切板の内周部と後ろ蓋及び油切りとの間の隙間に相当する部位の全周に亘ってグリースを塗布し、軸受配設空間に2条件の圧力(具体的には、0.01Mpaと0.05Mpa)を与えてシール配設空間との間に圧力差を生じさせた。そして、各試験装置に組み込む密封装置のシールの重量を試験前と試験後にそれぞれ計測し、試験後のシール重量から試験前のシール重量を差し引いた重量をグリースの移動量とし、算出した移動量を各密封装置について比較した。
なお、各試験において、密封装置、圧力及びグリースは相違しているが、その他の構成部材は、いずれも同一構成とした。
図7には、当該試験の結果が示されている。なお、図7においては、2種類のグリースと2条件の圧力の組み合わせに対し、従来密封装置におけるグリース移動量を100%とした場合における、本件密封装置及び比較密封装置の相対グリース移動量をそれぞれ示している。
図7から明らかなように、本件密封装置のグリース移動量は、グリースと圧力を組み合わせた4条件のいずれの場合においても、従来密封装置のグリース移動量の8〜14%程度に止まっており、その量が格段に減少した。また、本件密封装置のグリース移動量は、比較密封装置のグリース移動量に対しても、その10〜23%程度に止まっており、同様に、その量が格段に減少した。
なお、本件密封装置においては、2種類のグリースを2条件の圧力下で所定隙間に塗布した4条件のいずれの場合においても、内気流動機構(切り欠き)を塞いだグリースの膜(切り欠きグリース膜)に対して、所定の貫通孔が開孔されていることが確認できた。すなわち、本件密封装置によれば、軸受配設空間とシール配設空間との間に圧力差が生じた場合であっても、試験装置の内気のみを軸受配設空間から当該貫通孔を通して、シール配設空間へ移動させ、さらにシールのベントを通して軸受ユニットの外部へ排出させられることが確認できた。
このように、密封装置の仕切板に内気流動機構(例えば、切り欠き)を設けることで、軸受配設空間とシール配設空間との間の圧力差をなくすこと、すなわち、軸受ユニットの内圧を常に大気圧と略同一圧に保つことができ、結果として、当該軸受ユニットの内部を常に一定の密封状態に保つことができるとともに、軸受を長期に亘って一定の回転精度で安定して回転させ続けられることが試験により、検証された。
本発明の一実施形態に係る軸受ユニット用密封装置の全体構成例を示す斜視図。 本発明の一実施形態に係る軸受ユニット用密封装置の正面図。 本発明の一実施形態に係る軸受ユニット用密封装置の背面図。 本発明の一実施形態に係る軸受ユニット用密封装置の内気流動機構の構成例を示す拡大図。 円筒形状又は球面形状に変形するグリース膜の厚さ変化率を示す図。 曲面形成角度がθを成すグリース膜の変形前後の膜厚を示す模式図。 軸受配設空間からシール配設空間へのグリース移動量を測定するための試験結果を示す図。 従来の軸受ユニットの全体構成例を示す図であって、(a)は、断面図、(b)は、密封装置部分の拡大断面図。
符号の説明
2(2a,2b) 回転輪(内輪)
4 静止輪(外輪)
6a,6b 転動体(ころ)
16 シールケース
18 仕切板
18a 仕切板内周部
30 シール
30c 内圧調整機構(ベント)
36 内気流動機構(切り欠き)
40 密封装置
80 軸受配設空間
82 シール配設空間
A 転がり軸受
F 位置決め部材(後ろ蓋)
P 位置決め部材(油切り)
S 車軸S

Claims (3)

  1. 所定の回転軸を回転自在に支持し、複数の転動体を介して相対回転可能に対向配置された静止輪及び回転輪を有する転がり軸受と、回転輪を軸方向に位置決めするための環状の位置決め部材とを備えた軸受ユニットに組み込まれ、前記転がり軸受が配設された軸受配設空間を密封するための軸受ユニット用密封装置であって、
    軸受ユニット用密封装置は、軸受配設空間を密封するシールと、当該シールが配設されたシール配設空間と軸受配設空間とを軸方向に隔てる仕切板と、前記シール及び前記仕切板を収容して所定位置に固定するためのシールケースとを備えており、
    軸受配設空間には、潤滑剤としてのグリースが封入され、
    シールには軸受ユニットの内圧の上昇時、当該軸受ユニットの内気を当該ユニットの内部から外部へ排出させることで、シール配設空間と軸受配設空間との間の圧力差をなくすための内圧調整機構が少なくとも1つ以上設けられ、
    仕切板は、環状を成し、その内周部が前記位置決め部材と非接触状態となる最小限の隙間を空けて対向しているとともに、当該内周部には軸受ユニットの内気を軸受配設空間からシール配設空間へ流動させ、前記内圧調整機構を介して軸受ユニットの外部へ排出させるための内気流動機構が少なくとも1つ以上設けられており、
    前記内気流動機構が前記グリースによるグリース膜によって塞がれた場合であっても、前記軸受配設空間と前記シール配設空間との間の圧力差による押圧力によって前記グリース膜を開孔させることが可能なように、前記内気流動機構として、仕切板の内周部の径を部分的に拡大させる切り欠き若しくは貫通孔が形成されており、これらの形成範囲において、当該仕切板の内周部と前記位置決め部材との間の隙間が拡げられていることを特徴とする軸受ユニット用密封装置。
  2. 前記内気流動機構と前記内気流動機構は、周方向に位相差を持って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の軸受ユニット用密封装置。
  3. 所定の回転軸を回転自在に支持し、複数の転動体を介して相対回転可能に対向配置された静止輪及び回転輪を有する転がり軸受と、回転輪を軸方向に位置決めするための環状の位置決め部材とを備えた軸受ユニットであって、
    請求項1又は2に記載の軸受ユニット用密封装置によって、前記軸受が配設された軸受配設空間を密封していることを特徴とする軸受ユニット。
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