JP4810779B2 - Induction heating device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般家庭及びレストラン、あるいは工場などで使用される誘導加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の誘導加熱装置の加熱構造を誘導加熱調理器を例に取り上げ、図7〜8を用いて説明する。図7は従来の誘導加熱調理器の断面図で、1は加熱コイル2から発生する高周波磁界によって誘導加熱される被加熱物、2は被加熱物1を誘導加熱する加熱コイル、3は加熱コイル2に高周波電流を供給するインバータ回路で図には特に記載していないが、加熱コイル2と接続されている。4は被加熱物1がその上面に載置されるプレートでその材質はセラミックである。5は筐体、6は加熱コイル2を載置するコイル台、7はコイル台6に埋設されている磁性体で、材質はフェライトである。磁性体7は加熱コイル2から発生する高周波磁界を効率よく被加熱物1に供給させる目的で用いられている。10はインバータ回路3を構成する部品の内発熱が大きいパワー部品で具体的にはスイッチング素子であるIGBTとダイオードブリッジである。9はパワー部品10からの発熱を放熱する放熱器である。
【0003】
8は冷却装置で、加熱コイル2とパワー部品10の冷却のために加熱コイル2側面からシロッコファンなどを用いて強制空冷にて冷却している。シロッコファンを用いている理由は、加熱コイル全面にわたって十分な冷却風を確保する必要があり、そのための圧損が大であるからである。
【0004】
コイル台6を上から見た図を図8に示す。図8に示すように磁性体7は、複数の棒体からなり、コイル台6の下面に放射状に配置されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この様な従来の誘導加熱装置では、以下に示す課題があった。すなわち、上記したように加熱コイルは裏面に磁性体の配置されたコイル台上に載置されており、冷却風が通過困難な構成でありさらにパワー部品の冷却も行う必要があるため、高価なシロッコファンを用いる必要があり、結果商品のコスト上昇をまねくという課題である。
【0006】
こういった背景から近年加熱コイルを載置するコイル台に関して、特開昭61−71581に示すような棒状磁性体を加熱コイル中心から放射状に配置し、さらに樹脂で形成されるコイル台の内部に埋設するものが提案されている。
【0007】
しかして、この構成においても、磁性体の厚みが大であり(棒状形態のため、その飽和磁束密度を考慮して、一般的に5mm程度)、その厚み分と樹脂厚みを足したものがコイル台の厚みとなって(一般的に10mm弱程度)、加熱コイルの横面から冷却風を送風しても、加熱コイル下面の効率的な冷却が困難である(加熱コイル上面には被加熱物が載置されるプレートがあり、加熱コイルとプレート間は誘導加熱の原理上効率的な加熱のためには少なくとも約5mm程度は必要であり、極めて薄いため、この面においての冷却も大幅には期待できない)。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決し、簡素な構成で加熱コイル及びパワー部品の必要冷却を低減し、シロッコファンのような高価な冷却機構の不要な誘導加熱装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱装置は、加熱コイルから発生する熱を高熱伝導体で集熱し、さらにパワー部品の載置された放熱器と接続することによって冷却対象を1カ所に集中させるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、加熱コイルと、スイッチング素子およびダイオードブリッジを有し前記加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、前記スイッチング素子および前記ダイオードブリッジの少なくとも1つに装着された放熱器と、前記加熱コイルの下面に前記インバータ回路の他の部品と空間を介して対向して設けられ、前記加熱コイルと前記放熱器とを熱的に接続する高熱伝導体とを備えることによって冷却対象を1カ所に集中させているので、放熱器を冷却するだけで済み、結果安価な軸流ファンなどでも冷却が可能となるものである。また、前記スイッチング素子および前記ダイオードブリッジの少なくとも1つが樹脂フェライトを介して高熱伝導体に接続されているので、例えば共振キャパシタといった放熱器に載置困難な部品の冷却も効率的に行うことが可能となるものである。
【0011】
請求項2に記載の発明は、特に、加熱コイルと高熱伝導体との間に樹脂フェライトを介在させることによって、放熱効果を高め、さらに樹脂フェライトにて加熱コイルからの磁界が閉じこめられるため、高熱伝導体の材質及び形状が自在となり、結果安価かつ簡素な高熱伝導体とできるものである。
【0012】
請求項3に記載の発明は、特に、樹脂フェライトを直接放熱器と接続する構成としているので、高熱伝導体が不要となり、安価かつ簡素な構成で合理的な冷却が可能となるものである。
【0013】
請求項4に記載の発明は、特に、インバータ回路の裏面の一部あるいは全面が樹脂フェライトにて覆われているため、回路基板の放熱をより効率的に行うことが可能となり、結果基板サイズを小さくすることが実現できるものである。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図1〜6を参照しながら説明する。
【0015】
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の断面図で、31は誘導加熱される被加熱物、32は、高周波電流が流れることにより、高周波磁界を発生する渦巻き状に巻回された加熱コイルである。33は加熱コイル32へ高周波電流を供給するインバータ回路、34はプレートで材質はセラミックである。35は筐体、36は加熱コイル32が載置されるコイル台で磁性体37を含んでおりその材質はPETである。磁性体37の透磁率は1800程度で、棒状フェライトを放射状に配置している。38は冷却装置で放熱器39を集中的に冷却するように構成されている。40はインバータ回路の部品であり、具体的にはスイッチング素子45とダイオードブリッジ46である。
【0016】
放熱器39とインバータ回路33を上から見た図を図2に示す。スイッチング素子45とダイオードブリッジ46を放熱器に装着している理由はこの2つの部品が他のインバータ回路部品に比べて極めて損失が大きいためである。具体的にはスイッチング素子45の損失が50W程度、ダイオードブリッジ46の損失が20W程度、他のインバータ回路の部品として例えば共振キャパシタの損失は2W程度チョークコイルの損失は10W程度である。41は高熱伝導体で本実施例の場合はヒートパイプを用いている。加熱コイル32の直下にヒートパイプを設けた場合、誘導加熱されてしまうため、間に磁性体37を介在させている。高熱伝導体41は加熱コイル32の発熱を集熱すべく、加熱コイル32の外径から内径にわたって熱的に接続されている。さらに高熱伝導体41は、放熱器39と接続されている。
【0017】
以上の構成によって加熱コイルの発熱は高熱伝導体41によって放熱器39へ導かれるため、冷却装置38は放熱器39のみを集中的に冷却すればよい。従って従来例のように加熱コイル32の下面に冷却風を通す必要がなく、圧損が小さくてすむため、軸流ファンを用いても効率的な冷却が可能となり、結果安価な誘導加熱装置を実現できるものである。
【0018】
(実施例2)
図3は、本発明の第2の実施例における誘導加熱装置の断面図で、コイル台は樹脂フェライト57にて構成されている。その他の構成は第1の実施例と同様である。樹脂フェライト57の熱伝導率は1.5W/Kmであり、PETなどの樹脂と比べて2桁以上高い。また樹脂フェライト57の比透磁率は10程度であるが、加熱コイル下面全域にわたって設けているため、その厚み(加熱コイル下部からの厚み)は1mm程度でよい。以上の構成により熱伝導率の高い樹脂フェライトで高熱伝導体41に接続されているため、極めて加熱コイル32の放熱が高くなり、より効率的な冷却が可能となるものである。また樹脂フェライト57によって、加熱コイル32下面全域にわたって、防磁されるため、高熱伝導体41はヒートパイプの他例えばアルミなどの金属でも誘導加熱されることはなく、結果安価な材料あるいは構成で効率的な冷却を行うことができる。
【0019】
(実施例3)
図4は、本発明の第3の実施例における誘導加熱装置の断面図で、コイル台は樹脂フェライト67とし、さらに樹脂フェライト67は放熱器39に接続されている。その他の構成は第1の実施例と同様である。以上の構成により高熱伝導体が不要となるが、樹脂フェライト67の熱伝導率は高熱伝導体と比べて低いので本実施例の場合、放熱器39との接続面積を大としている。
【0020】
(実施例4)
図5は、本発明の第4の実施例における誘導加熱装置の断面図で、インバータ回路基板74の上面に樹脂フェライト73が設けられ、インバータ回路の部品71a及びインバータ回路の部品71bが樹脂フェライト73を介して放熱器79と熱的に接続されている。インバータ回路その他の部品75は樹脂フェライトと接続されていない。インバータ回路の部品71aは本実施例の場合チョークコイル、インバータ回路の部品71bは共振コンデンサとしている。インバータ回路その他の部品75は例えばドライブICなど自己発熱がほとんどない部品である。以上の構成により放熱器79に装着することが困難なチョークコイルやコンデンサといった部品の冷却をも樹脂フェライトを介して熱的に放熱器79と接続できるため、より効率的な部品冷却が可能となるものである。さらに樹脂フェライト73でインバータ基板74を覆っているためインバータ基板74から発生するノイズを樹脂フェライト73で吸収することも可能となり、低ノイズの効果も得ることができる。
【0021】
なおインバータ基板上の樹脂フェライトと第2の実施例のようなコイル台なる樹脂フェライトを一体化してもよい。またインバータ基板74の全面を樹脂フェライト73で覆っても良い。
【0022】
(実施例5)
図6は、本発明の第5の実施例における誘導加熱装置の断面図で、インバータ回路基板84の裏面にも樹脂フェライト83を設けている。以上の構成により、インバータ回路基板84のパターンの発熱をも放熱器79へ導くことが可能となりより一層の冷却効率向上と、基板の小型化が可能となるものである(基板の回路パターンの絶縁距離を小とすることが可能になる)。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜4に記載の発明によれば、加熱コイルとインバータ回路部品の冷却が簡素かつ安価に実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の断面図
【図2】 同、放熱器とインバータ回路の上面図
【図3】 本発明の第2の実施例における誘導加熱装置の断面図
【図4】 本発明の第3の実施例における誘導加熱装置の断面図
【図5】 本発明の第4の実施例における誘導加熱装置の断面図
【図6】 本発明の第5の実施例における誘導加熱装置の断面図
【図7】 従来の誘導加熱装置の部品構成を示す断面図
【図8】 同、加熱コイルを下から見た図
【符号の説明】
32 加熱コイル
33 インバータ回路
39、79 放熱器
40、71a、71b インバータ回路の部品
41 高熱伝導体
45 スイッチング素子
46 ダイオードブリッジ
57、67、73、83 樹脂フェライト[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an induction heating device used in general households, restaurants, factories and the like.
[0002]
[Prior art]
A heating structure of a conventional induction heating apparatus will be described with reference to FIGS. FIG. 7 is a cross-sectional view of a conventional induction heating cooker, in which 1 is an object to be heated by induction using a high frequency magnetic field generated from a
[0003]
A
[0004]
The figure which looked at the
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, such a conventional induction heating apparatus has the following problems. That is, as described above, the heating coil is placed on the coil base having the magnetic material disposed on the back surface, and it is difficult to pass the cooling air, and it is also necessary to cool the power components. It is necessary to use a sirocco fan, resulting in an increase in the cost of the product.
[0006]
Against this background, regarding a coil base on which a heating coil is placed in recent years, rod-like magnetic bodies as shown in JP-A-61-71581 are arranged radially from the center of the heating coil, and further inside the coil base made of resin. What is buried is proposed.
[0007]
Even in this configuration, the thickness of the magnetic material is large (in general, about 5 mm in consideration of the saturation magnetic flux density because of the rod-like form), and the sum of the thickness and the resin thickness is the coil. Even if cooling air is blown from the side surface of the heating coil, it is difficult to efficiently cool the lower surface of the heating coil (the upper surface of the heating coil has an object to be heated). There is a plate on which is mounted, and between the heating coil and the plate, at least about 5 mm is necessary for efficient heating in principle of induction heating, and because it is extremely thin, cooling on this surface is also greatly I cannot expect it).
[0008]
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to solve the above-described conventional problems, to reduce the necessary cooling of the heating coil and power components with a simple configuration, and to provide an induction heating device that does not require an expensive cooling mechanism such as a sirocco fan. Is.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned conventional problems, the induction heating apparatus of the present invention collects heat generated from the heating coil with a high thermal conductor, and further connects the object to be cooled by connecting to a radiator on which a power component is placed. Concentrate in one place.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The invention according to
[0011]
In the invention according to
[0012]
The invention described in
[0013]
In the invention according to
[0014]
【Example】
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to FIGS.
[0015]
(Example 1)
FIG. 1 is a cross-sectional view of an induction heating apparatus according to a first embodiment of the present invention, in which 31 is an object to be heated that is induction-heated, and 32 is spirally wound to generate a high-frequency magnetic field when a high-frequency current flows. A heated heating coil. 33 is an inverter circuit for supplying a high-frequency current to the
[0016]
The figure which looked at the heat radiator 39 and the
[0017]
With the above configuration, the heat generated by the heating coil is guided to the radiator 39 by the high thermal conductor 41, so the cooling device 38 only needs to cool the radiator 39 intensively. Therefore, unlike the conventional example, it is not necessary to pass cooling air through the lower surface of the
[0018]
(Example 2)
FIG. 3 is a cross-sectional view of the induction heating apparatus in the second embodiment of the present invention, and the coil base is composed of
[0019]
(Example 3)
FIG. 4 is a cross-sectional view of the induction heating apparatus in the third embodiment of the present invention. The coil base is a
[0020]
Example 4
FIG. 5 is a cross-sectional view of an induction heating apparatus according to the fourth embodiment of the present invention.
[0021]
The resin ferrite on the inverter board may be integrated with the resin ferrite that forms a coil base as in the second embodiment. Further, the entire surface of the inverter substrate 74 may be covered with the
[0022]
(Example 5)
FIG. 6 is a cross-sectional view of the induction heating apparatus in the fifth embodiment of the present invention, and a resin ferrite 83 is also provided on the back surface of the inverter circuit board 84. With the above configuration, the heat generation of the pattern of the inverter circuit board 84 can be guided to the radiator 79, and the cooling efficiency can be further improved and the board can be reduced in size (insulation of the circuit pattern of the board). The distance can be small).
[0023]
【The invention's effect】
As described above, according to the first to fourth aspects of the present invention, cooling of the heating coil and the inverter circuit component can be realized simply and inexpensively.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of an induction heating device in a first embodiment of the present invention. FIG. 2 is a top view of a radiator and an inverter circuit. FIG. Cross-sectional view [FIG. 4] Cross-sectional view of the induction heating apparatus in the third embodiment of the present invention [FIG. 5] Cross-sectional view of the induction heating apparatus in the fourth embodiment of the present invention [FIG. 6] FIG. 7 is a cross-sectional view showing a component configuration of a conventional induction heating apparatus. FIG. 8 is a view of a heating coil as viewed from below.
32
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