JP4810039B2 - 腸内試料採取用装置およびその使用 - Google Patents

腸内試料採取用装置およびその使用 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の技術分野)
本発明は、胃腸系の病理的変化の研究に関し、より詳細には、腸内試料を採取するための装置およびその使用に関する。
【0002】
(発明の背景)
胃腸系の病理的変化を研究するために今日使用されている様々な技術の中に、X線対照試験、コンピュータ連続断層撮影法および磁気共鳴断層撮影法がある。内視鏡検査、すなわち、胃または腸のビューワの胃腸管への挿入(胃鏡検査法、結腸鏡検査法、直腸鏡検査法)は、腸壁を調べ、腸粘膜から試料を採取することを可能にし(生検)、次いで、たとえば顕微鏡等によって調べることができる。最近は、腸内灌流システムも使用されている。これらの技術はすべて、高価で、時間がかかり、いずれにせよ患者に負担を強いるものである。したがって、生検または灌流を使用せずに腸粘膜の病理過程を研究することを可能にする簡略な方法が必要である。
【0003】
国際特許公開第95/32668号には、アレルギー診断に使用され、結腸管に挿入して粘膜をアレルゲンで刺激した後に大腸の管腔から試料を採取するように設計された直腸器具が開示されている。この器具は、膨張可能な末端部分、特に膨らむことができるバルーンを有する管状要素を備える。バルーンの下部領域は、吸収されたまたは吸着された拡散可能なアレルゲンを有し、同一のまたは別個の下部領域に、1つまたはそれ以上の炎症マーカー用のレセプター、通常は関連マーカーに特異な抗体が、バルーンに結合される。器具は直腸内に挿入され、そこでバルーンが膨らみ、バルーンの外側表面が粘膜に接触するようになる。アレルゲンは直腸粘膜に拡散し、当該人物が問題のアレルゲンに対してアレルギーである場合、炎症マーカーを解放させ、これが今度は管腔に拡散し、そこで、結局は、バルーン表面のレセプターによって捉えられる。単数または複数のマーカーが解放されバルーンに結合された後に、バルーンは萎んで装置は取り外され、結合したマーカーに関して分析される。
【0004】
しかし、上記の器具は、患者の肛門を通って挿入され引っ込められるときに、拡散可能なアレルゲンを有する領域およびバルーン表面に固定されたレセプターを備えた領域が、内括約筋と接触することによって損傷する可能性があるという欠点を有する。一般に、バルーン表面にレセプターを固定することは、レセプターの連結からの危険な残滓が表面に残る可能性があるという問題を発生させることがあるということも指摘される。
【0005】
(発明の要約)
本発明は、先行技術の装置または器具の不利点を克服することを目的としており、生検または灌流を使用せずに腸粘膜の病理過程を研究するために直腸挿入用の装置を提供することである。上記国際特許公開第95/32668号に記載の器具同様、本発明の装置は、試料採取のために、且つ任意にアレルゲンで腸を刺激するためにも、膨張可能部分が腸壁に接触することに基づく。しかし、本発明の基本概念によると、膨張可能部分の試料採取領域および刺激領域は、存在する場合、膨張可能部分が患者の肛門を通って結腸へ挿入されこれから引っ込められるときに、腸壁に接触することから基本的に保護される。
【0006】
本発明はしたがって、人間の患者または患畜の腸内試料を採取するための装置を提供し、ホルダ部分と、ホルダ部分によって支持される膨張可能部分とを備え、少なくとも1つの試料採取領域を有する。膨張可能部分の非拡張状態において、膨張可能部分は直腸挿入可能であり、拡張した状態では、膨張可能部分の単数または複数の試料採取領域は腸壁に接触することができる。装置は、非拡張状態にある膨張可能部分が腸管内に直腸挿入されるときに、単数または複数の試料採取領域が腸壁および腸内流体に接触するのを保護するための手段を備えることを特徴とする。
【0007】
好ましくは、装置は、膨張可能部分が腸から取り外されるときにも、単数または複数の試料採取領域を保護するための手段を備える。
【0008】
基本的に膨張可能部分の全領域が試料採取領域でありうるが、1つまたは好ましくはそれ以上の下部領域が試料採取領域および刺激領域として使用されることが好適である。
【0009】
膨張可能部分の単数または複数の試料採取領域は、その表面に結合される、たとえば炎症マーカーまたは癌マーカー等用に1つまたはそれ以上のレセプターを有することができる(上記国際特許公開第95/32668号に記載の装置と同様である)。そのような炎症マーカーは、たとえば、好中球顆粒白血球、好酸球顆粒白血球、肥満細胞/好塩基球顆粒白血球に由来するものであってもよく、または、サイトカイン、プロスタグランジンまたはアルブミン等の血漿タンパクであってもよい。
【0010】
この場合、単数または複数の試料採取領域は、膨張可能部分の表面に直接固定されたレセプターを有してもよいが、単数または複数の試料採取領域は、膨張可能部分の表面に接着された適切な材料の表面要素を備えることが好適である。そのような材料は、単数または複数のレセプターが固定される二次元表面を呈してもよく、または、単数または複数のレセプターが深く固定される三次元母型構造を構成してもよい。
【0011】
あるいは、且つ、少なくともいくつかの態様では好ましくは、単数または複数の試料採取領域は、腸粘膜に接触するときには、水およびその中に溶解した物質(たとえば、タンパク質、酵素、ホルモン等)を効果的に吸引することができる吸収材料(固定されたレセプターなしで)を備え、吸収された材料内のそのような物質の内容物を分析できるようにする。試料採取後、単数または複数の反応体は、吸収材料に直接加えられ、呈色反応等によって、一定の単数または複数の物質の存在を検出することができる。しかし、通常、吸収材料は、試料採取後、膨張可能部分から取り除かれ、吸収された物質は抽出され、たとえば一例を挙げると、電気泳動、放射性免疫技術、エンザイムイムノソルベントアッセイ(ELISA)、または、比濁法等の様々な分析方法によって別個に分析される。
【0012】
装置が腸管に沿った任意の部位で試料採取するように設計されることは本発明の範囲内であるが、現在、大腸の管腔で試料採取することが好適である。そのような試料採取は、たとえば、アレルギー用の、特にたとえばセリアック病等の食物アレルギー用のマーカーを、所望のアレルゲンたとえばグルテンで結腸粘膜を刺激した後に、検査するのに使用されることが有利である(上述の国際特許公開第95/32668号に記載されているように)。
【0013】
膨張可能部分は、可撓性があるかまたは弾性のある材料製の膨らむことができる部材、たとえばバルーンまたは弾性のある管状部材であることが有利である。
【0014】
本発明による装置の1つの態様において、膨張可能部分上の単数または複数の試料採取領域は、膨張可能部分が研究されるべき大腸の所望の部分に到達するまで保護カバーによって保護される。膨張可能部分を膨張する前および膨張した後に、カバーは、たとえば、本体外部の装置部分に設けられたかまたは連結された手段を機械的に引くことによって取り外され、単数または複数の試料採取領域を腸壁に接触することによって試料採取を可能にする。
【0015】
別の実施形態において、膨張可能部分上の単数または複数の試料採取領域は、試料採取に関連して開口され、次いで、試料採取が完了した後に試料採取領域上に再度閉じることができるカバーによって保護される。そのようなカバーは、たとえば、カプセルまたはシェル型であってもよく、たとえば、二部式シェルまたはカプセルであってもよく、2つの部分は一緒に、好ましくはいくらか重なり合って、膨張可能部分の非拡張状態時に試料採取領域を覆うが、これは、拡張された状態では試料採取領域から取り除かれてこれを露出する。
【0016】
さらに別の実施形態において、膨張可能部分は、装置のホルダ部分内に変位可能に装着され(たとえば入れ子式に)、そのため、装置を直腸挿入しこれを引っ込める間中、膨張可能部分はホルダ部分内に保たれ、膨張されるべき検査部位でホルダ部分から外される。
【0017】
さらに別の実施形態において、膨張可能部分上の単数または複数の試料採取領域は、膨張可能部分が非拡張状態にあるときに膨張可能部分の残りの表面に対して押され、それによって、腸壁に接触するのを防止する。たとえば、膨張可能部分が、表面に試料採取要素を備えたバルーンまたは弾性チューブまたはシリンダである場合、バルーンまたは弾性チューブを支持するホルダ部分は、バルーンが萎むときに各試料採取要素を受け取るために単数または複数の窪みを有してもよい。
【0018】
国際特許公開第95/32668号に記載された装置と同様に、膨張可能部分は、試料採取前に、アレルゲンの存在が腸を刺激する手段を備えてもよい。そのような手段は、膨張可能部分の表面自体であってもよく、または、拡散可能に結合されたか吸着されたアレルゲンを有する特別な要素であってもよい。アレルゲン存在領域は、当然ながら、試料採取領域と同時に保護手段によって保護される。任意に、単数または複数のアレルゲン存在領域は、試料採取領域と同一であってもよい。
【0019】
(発明の詳細な説明)
図1Aから1Cに例示された装置は、管状部材1と、管状部材1の一端に膨張可能部分2と、を含むホルダ部分を備える。膨張可能部分は一般に、たとえばシリコーン製の管状部材1を通って延在するチャネル(図示せず)の開口3(図1A参照)上を延在するバルーンまたはバルーン状部材であり、それを通って空気(所望により他の気体または流体)が、管状部材1の分岐したチューブ部分5に取り付けられたチューブ4を経由して供給されて、バルーンを膨らませ、すなわち膨張させる。通しチャネル(図示せず)が管状部材1の低端からその上端の開口1a(図1B)へ延在し、装置が使用されるときに周囲と腸の内部部分との間の圧力を等しくすることができる。例示されたケースでは、通しチャネルは、管状部材1に取り付けられたチューブ6に接続される。
【0020】
バルーン2は可撓性があるかまたは弾力性のある材料製の保護カバーを備える。例示されたケースでは、且つ、図1Bに最良に示されるように、カバーは、たとえばPVCまたはシリコーン等のプラスチック製の二部式のカプセルかまたはシェル型であり、後部(または下部)シェル部分7aおよび前部(または上部)シェル部分7bを備える。図1Bに示されるバルーンの萎んだ状態では、前部シェル部分7bは後部シェル部分7aにわずかに重なり合い、2つのシェル部分が一緒にバルーン2を完全に覆うことになる(「前部」および「後部」という用語は、それぞれ、腸に器具を挿入する方向を示す)。後部シェル部分7aは、シェル部分の後端で管状部材1に取り付けられ、前部シェル部分7bは、シェル部分の前端で管状部材1に取り付けられ、2つのシェル部分の残りはバルーン2から自由なままにする。あるいは、シェル部分7a、7bは、バルーン2と一体になっている。
【0021】
バルーン2(図1A)の表面は、その中心部分に、表面に取り付けられた吸収性材料製の、たとえばセルロース製の複数のパッドまたはパッチ8を有し、たとえば、3つまたはそれ以上のパッチが、バルーン周縁に沿って等距離に間隔をおかれている。パッチ7は、バルーン2に直接取り付けられてもよく、または、図2のみに例として示されているようにバルーン表面に取り付けられた別の部材を経由してもよい。ここで、パッチ8は、たとえばスティッチ9によって、たとえばこれもセルロース製の支持部材10に取り付けられ、これが今度は、グルー接着によってバルーン2の表面に取り付けられる。このようにして、パッチの吸収能力または構造は、バルーンへの取付によって基本的に影響されない。
【0022】
バルーン2を膨らませ且つ萎ませることは、たとえば、チューブ4(図1A)に接続された可撓性があるかまたは弾性のあるボール等(図示せず)のシリンジまたはポンプ装置によって達成されてもよい。図1Bに示された萎んだ状態からバルーン2を膨らませるときに、前部および後部シェル部分7a、7bは離されて、図1Aに示されるようにパッチ8を支持するバルーン2の領域を露出する。シェル部分の材料が弾性のある場合、2つのシェル部分は実際に、図1Aに例示されるように逆になり、バルーン表面の大半を露出する。
【0023】
使用の際に、上述の装置は、検査される患者の肛門を通って容易に挿入することができる。膨らんでいない状態では、バルーンの直径は肛門の直径よりも小さいことが好ましく、すなわち、約15〜20mmよりも小さい(が、約5mmよりは大きい)。たとえば、直腸の試料を採取するために、装置は、患者の直腸内の適切な位置に挿入され、バルーン2は膨らんでいない状態である。パッチ8は、装置を使用する前に水で湿らされることが好ましい。図1Aにおいて、バルーン2を備えた装置の前部部分は、内括約筋を越えて直腸内に挿入されており、バルーンは膨らんでいて、パッチ8をあらわにし、11等で結腸粘膜に接触させる。パッチと粘膜との間のそのような接触が、所定の時間、たとえば10から15分間維持されたときに、バルーンは萎む。萎むこと自体が、保護的なシェル部分7a、7bを、図1Bに示されるパッチ保護状態に戻らせ、そこでパッチ8を取り囲む。しかし、例示された実施形態では、後部シェル部分7aは、バルーンが引っ込められ肛門を通らされるときにシェルに作用する力によって、保護状態に戻る。両方の場合とも、吸収した粘膜流体を有するパッチ8は、結腸壁にさらに接触するのをシェル部分7aによって効率的に保護され、内括約筋を通るときが重要である。
【0024】
装置が患者から取り外された後に、結腸粘膜に接触していた吸収パッチ8がバルーン2から取り除かれ、吸収された内容物が、たとえば吸収パッチ8の抽出によって分析される。抽出物は次いで、異なる物質、主にタンパク質、酵素またはホルモン用に様々な方法で分析することができる。パッチは、検査される物質がパッドに存在し、問題の物質の一定の量であるならば、検出可能な反応、たとえば呈色反応を与える試薬を直接パッチに加えることによって、抽出なしで分析されてもよい。
【0025】
装置をアレルギー検査に使用する場合(食物アレルギー等、セリアック病を含む)、腸の刺激が、パッチ8に含まれる所望の食物アレルゲン(たとえばグルテン)によって影響される。そのような場合、腸粘膜とパッチ8との間の接触時間は、当然ながら長くなり、たとえば15から60分である。
【0026】
本発明の装置の膨張可能部分の代替設計が、図3Aおよび3Bに示される。図1Aから1Cの実施形態と同様に、膨張可能部分は、管状サポート13に取り付けられたバルーン12を備え、これは、たとえば、結腸鏡または直腸鏡、または、本発明の目的のために特に設計された装置または器具であってもよい。明瞭化のために、バルーン12は図3Aおよび3Bでは膨らんで示されている。吸収材料製のパッドまたはパッチ14等の複数の吸収要素が、バルーン表面に固定される。可撓性のある材料の保護カバー15が、引張手段、たとえば、ロッドまたは例示のように管状サポート13内に延在するストリングに取り付けられる。ストリング16を引っ張ると、保護カバー15は管状サポート13の内部に引かれ、吸収パッチ14をバルーン表面に露出する(図3B)。
【0027】
検査される患者の直腸の試料を採取するのに使用する際には、図1Aから1Cの実施形態用のために上述したのと同様に、例示された装置の前部部分は、バルーンが萎んだ状態で検査される患者の直腸に挿入され、カバー15は次いで、吸収パッチ14が患者の括約筋および直腸壁に接触するのを効率的に保護する。ひとたび直腸の所望の位置に挿入されると、バルーン12は膨らむ。カバー15は次いで、図3Bに示されるように、管状サポート13内に引かれ、それによって、吸収パッチ14を露出して、直腸壁に接触させ、その粘膜表面から物質を吸収するのを開始させる。所定の接触時間後、バルーン12は萎み、装置は患者から取り外される。パッチ14は次いで、バルーンから分離されて、上記概略のように分析される。
【0028】
図4は、装置の膨張可能部分のさらなる代替設計を概略的に例示し、バルーン18用の管状サポート17が、各吸収パッチ20用にそれぞれの窪み19を有する。バルーン18の萎んだ状態で、パッチ20は窪み19内に受け取られ、その頂部表面は、図面に示されるように、残っているバルーン表面よりも下にあり、それによって、腸壁に接触することから保護される。バルーンが膨らむときには、たとえば図1Aに示されているのと同様に膨張して、パッチ20を腸壁に接触させる。バルーンが萎むと、パッチ20は、萎みで生じた負圧によって窪み19内に吸引され、装置を患者から取り外すときに保護される。吸収パッチ用のそのような窪みは、当然ながら、それぞれ、たとえば、図1Aから1C、および、図3Aおよび3Bに例示されたもの等の本発明の他の装置の変形例と組み合わせて使用することができる。
【0029】
吸収材料の分析は、様々な方法で実行することができる。簡略な手順を、例としてのみ、下記に記載する。
【0030】
吸収パッチ(8、14)がバルーン(2、12)から取り除かれた後、抽出バッファ、たとえば、0.9%生理食塩水中に0.3%(w/v)のセチル−N,N,N−トリメチルアンモニウム臭化物に浸漬される。抽出バッファは、たとえば、ピストンを取り除いたシリンジに含まれてもよく、たとえば、5ml容量シリンジに2mlの抽出バッファである。所定の時間、たとえば、1時間後、バッファは、単数または複数のパッチに含まれた吸収された材料とともに、除去される。シリンジが使用される場合、これは、ピストンをシリンジ内に再挿入し、適切な検査容器内に液体を押し入れる(単数または複数のパッチを圧搾することを含む)ことによって達成され、そこで、放出された液体が、存在確認のために分析され、且つ、任意に、単数または複数の所望の分析物の量も分析される。検査される疾病または傷害によって、分析物は、たとえば、炎症性媒介物、反射好中球活性(たとえば、ミエロペロキシダーゼ)、好酸球活性(ECP=好酸球カチオンタンパク)、または、EPO(好酸球ペロキシダーゼまたはEPX)、肥満細胞活性/好塩基球活性(ヒスタミンまたはトリプターゼ)であってもよい。さらに可能な分析物は、一定のサイトカイン(たとえば、IL−6、IL−1、TNF−アルファ)、プロスタグランジン(たとえば、PGE2)である。
【0031】
本発明は、その作用的な実施形態に関連して説明され指摘されてきたが、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変更、修正、代替および省略が可能であることは、当業者には明らかである。したがって、本発明は、上述の特許請求の範囲内の等価物を包含することが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1Aは本発明の装置の実施形態の概略斜視部分断面図であり、装置の膨張可能部分は拡張された状態にあり、患者の直腸に加えられている。
【図1B】 図1Bは図1Aの図に対応する部分図であるが、装置の膨張可能部分は、患者の直腸に挿入する前の非拡張状態にある。
【図1C】 図1Cは図1Bの図に対応する部分図であるが、直腸に挿入中の装置の膨張可能部分を示す。
【図2】 図2は図1Aに示された装置の膨張可能部分上の別個の試料採取材料部材の概略図である。
【図3A】 図3Aは本発明の装置の別の実施形態の概略部分断面図であり、膨張可能部分は保護手段によって保護されている。
【図3B】 図3Bは図3Aの図に対応する図であり、膨張可能部分の保護手段は引かれている。
【図4】 図4は非拡張状態にある本発明の装置のさらに別の実施形態の概略部分断面図であり、膨張可能部分の窪みに受け取られることによって保護される試料採取表面要素を示す。

Claims (24)

  1. 人間の患者または患畜の腸内試料を採取するための装置であって、ホルダ部分(1、13)と、前記ホルダ部分によって支持される膨張可能部分(2、12)とを備え、膨張可能部分はその表面上に1つまたはそれ以上の試料採取領域(8、14)を有し、非膨張状態にある前記膨張可能部分(2、12)は、直腸挿入および患者の腸からの取り出しに適応されており、非膨張状態で患者の腸内に挿入された後の、膨張した状態では、少なくとも1つの試料採取領域(8、14)で腸壁に接触することができる装置において、少なくとも非膨張状態にある前記膨張可能部分(2、12)が患者の腸内に直腸挿入されているときに、前記単数または複数の試料採取領域(18,4)が腸壁および腸内流体に接触するのを防止するための保護手段(7a、7b、15)をさらに備えることを特徴とする装置。
  2. 前記保護手段(7a、7b)は、前記膨張可能部分(2)が患者の腸から取り出される間中も、前記単数または複数の試料採取領域が腸壁および腸内流体に接触するのを防止することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記保護手段は、前記膨張可能部分(2、12)の膨張状態で前記単数または複数の試料採取領域(8、14)を露出することができる少なくとも部分的に動くことができる保護カバー(7a、7b、15)を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記保護カバーは、前記膨張可能部分(2)の両端部分から縦に延在する2つのカバー部分(7a、7b)を備え、少なくとも前記膨張可能部分の非膨張状態で前記単数または複数の試料採取領域(8)を一緒に覆うことを特徴とする請求項3に記載の装置。
  5. 前記2つのカバー部分(7a、7b)は、少なくとも前記膨張可能部分(2)の非膨張状態で互いに部分的に重なり合うことを特徴とする請求項4に記載の装置。
  6. 前記単数または複数のカバー部分は、前記膨張可能部分が膨張しているときに、前記単数または複数の試料採取領域から引き離されることによってこれを露出するように適応されていることを特徴とする請求項3または4または5に記載の装置。
  7. 前記保護カバーまたはカバー部分(7a、7b、15)は、前記膨張可能部分の膨張時に前記単数または複数の試料採取領域(8、14)から引き離された後に、前記膨張可能部分(2、12)が収縮しているときに試料採取領域カバー状態に戻ることができることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の装置。
  8. 前記保護カバーは、前部カバー部分(7b)と後部カバー部分(7a)とを備える二部式カバーであり、前記カバー部(7a)は、前記膨張可能部分(2)の膨張時に前記単数または複数の試料採取領域(8)から引き離された後に、前記膨張可能部分が腸から取り出されるときに元々の試料採取領域カバー状態に戻ることができることを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の装置。
  9. 前記保護カバー(15)は、機械的起動手段(16)の操作によって前記膨張可能部分(12)の膨張状態で前記単数または複数の試料採取領域(14)をあらわにすることができることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の装置。
  10. 前記起動手段は、ストリングまたはロッド(16)を含んだ引張手段を備えることを特徴とする請求項9に記載の装置。
  11. 前記ホルダ部分(13)は、中空部分を有し、その中へ前記起動手段(16)によって前記カバー(15)を引くことができ、それによって前記単数または複数の表面要素をあらわにすることを特徴とする請求項9または10に記載の装置。
  12. 前記膨張可能部分は前記ホルダ部分に可動式に装着され、非膨張状態では、少なくとも前記膨張可能部分の試料採取領域支持部分が前記ホルダ部分内に引っ込められ、膨張状態では、前記膨張可能部分は前記ホルダ部分から突出して前記単数または複数の試料採取領域を露出することを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
  13. 前記膨張可能部分は、入れ子式の変位手段によって前記ホルダ部分に装着されることを特徴とする請求項12に記載の装置。
  14. 前記保護手段は、前記膨張可能部分(18)が非膨張状態にあるときに各試料採取領域(20)を受け取るために前記ホルダ部分(17)にそれぞれの窪み(19)を備えることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の装置。
  15. 前記膨張可能部分は、膨らむことができ可撓性があるかまたは弾力性のある部材(2、12)を備えることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の装置。
  16. 前記膨張可能部分は、バルーンまたは弾力性のあるチューブ(2、12)を備えることを特徴とする請求項15に記載の装置。
  17. 各試料採取領域は、前記膨張可能部分(2、12)に接着された表面要素を備えることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の装置。
  18. 前記単数または複数の表面要素は、収縮するときに腸壁から流体を吸収することができることを特徴とする請求項17に記載の装置。
  19. 少なくとも1つの試料採取領域(8、14)が、腸内流体の分析物用に固定されたレセプターを備えることを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の装置。
  20. 少なくとも1つの試料採取領域(8、14)が、拡張可能なアレルゲンを含むことを特徴とする請求項1から19のいずれか1項に記載の装置。
  21. 前記膨張可能部分(2、12)は、拡張可能なアレルゲンを含む少なくとも1つの表面領域を備え、その表面要素は前記単数または複数の試料採取領域とは異なることを特徴とする請求項1から19のいずれか1項に記載の装置。
  22. 前記ホルダ部分(1)は、前記装置が患者内に挿入されるときに腸内圧力と外気圧との間の圧力平衡のために、ダクト手段(1a)を備えることを特徴とする請求項1から21のいずれか1項に記載の装置。
  23. 前記装置は、食物アレルギーを含んだアレルギーを検査するために人間の患者または患畜の腸内試料を採取するものであることを特徴とする、請求項1から22のいずれか1項に記載の装置。
  24. 前記食物アレルギーはセリアック病であることを特徴とする請求項23に記載の装置
JP2001532666A 1999-10-26 2000-10-24 腸内試料採取用装置およびその使用 Expired - Fee Related JP4810039B2 (ja)

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