JP4809411B2 - マルチ作業機 - Google Patents
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Description
このマルチ作業機は、トラクタの後部に装着されるロータリ耕耘部を支持するロータリ機枠の後方に、畝にマルチフィルムを敷設するマルチフィルム敷設装置を設けており、このマルチフィルム敷設装置は、フィルムロールと、このフィルムロールから巻き出されたマルチフィルムを畝に案内するガイド部材と、マルチフィルムを畝上面に押し付ける押えローラとを備えている。(特許文献1参照)。
本発明は、このような点に鑑みて、畝上面に凹凸があっても隙間なくマルチフィルムを敷設するマルチフィルム敷設装置を備えたマルチ作業機を提供することを目的とする。
第1に、ロータリ耕耘部2を支持するロータリ機枠3の後方に、畝UにマルチフィルムMを敷設するマルチフィルム敷設装置4を設けており、前記マルチフィルム敷設装置4は、フィルムロール5と、このフィルムロール5から巻き出されたマルチフィルムMを畝Uに案内するガイド部材6と、マルチフィルムMを畝U上面に押し付ける押え部材7とを備え、前記押え部材7は畝幅方向に間隔をおいて独立して上下動する複数の押え点8を有することを特徴とする。
第4に、前記押え部材7は、畝幅方向に多数本の毛を有するブラシ13であることを特徴とする。
これにより、切り株Kなどの凹凸がある畝Uに対して、畝幅方向に間隔をおいた複数の押え点8によって切り株K周辺にもマルチフィルムMを押し付けることができ、隙間なくマルチフィルムMを敷設できる。
さらに、ブラシ13は、畝巾方向に多数本の毛を設けているため、畝Uの上面にどのような凹凸があったとしても、隙間なくマルチフィルムMを押し付けることができる。
図1、2には、本発明の第1実施形態に係るマルチ作業機1が示されている。
マルチ作業機1は、トラクタ(図示省略)の後部に三点リンクヒッチ機構(または2点ヒッチ機構等のヒッチ機構)を介して装着され、圃場を移動しながら、ロータリ耕耘作業と、畝成形作業と、マルチフィルムMの敷設作業とを一工程で同時に行うものである。したがって、マルチ作業機1は、ロータリ耕耘装置14、畝成形器9及びマルチフィルム敷設装置4を備えている。
ロータリ機枠3は、左右方向中央部のギヤケース16から左右両側にサポートアーム18を突設し、この左右サポートアーム18の外端に伝動ケース17を備えており、前記左右各伝動ケース17の下部に左右内向きの爪軸20を設け、左右各爪軸20に多数の爪21を取り付けてロータリ耕耘部2を構成している。このロータリ耕耘部2は、軸方向中央に間隔をおいて左右一対形成されている。
固定ブラケット24の後端には枠体25が固定され、この枠体25に畝成形器9とマルチフィルム敷設装置4とが設けられている。
なお、枠体25は、矩形枠26、横枠材27及び上枠材28からなる。矩形枠26は平面視矩形状であり、その一辺がロータリカバー15の上部カバー22の後方側にこの上部カバー22の後縁に沿って左右方向に配置されている。また、横枠材27は、左右方向に延びる側面視六角形状の棒状であり、矩形枠26の後下方に左右連結材を介して固定されている。さらに、上枠材28は、側面視L字形の棒状であり、矩形枠26後部の左右中央から上方へ延出したのち後方へ延出するように固定されている。
また、畝成形器9は、ガイド板29の左右両側後方に、畝Uの左右両側を転動してロータリ耕耘部2の耕深を決定するゲージ輪34を配置しており、このゲージ輪34は、互いに枢支された複数のアームを介して、枠体25に取り付けられている。
押え部材7は、畝Uの上面にマルチフィルムMを押し付けるものであって、畝幅方向(左右方向)に間隔をおいて、畝U上面の凹凸に沿ってそれぞれが独立して上下動する複数の押え点8(マルチフィルムMと接触し下方へ押圧する点)を有する。
また、ローラ12は、上枠材28の後端に連結体36を介して支持されている。この連結体36は、上下調節部36A、縦軸36B、左右調節部36C、横軸36D及び前後調節部36Eからなる。
左右調節部36Cは、縦軸36Bに直交し左右方向に延びるように固定された横軸36Dに対して左右方向摺動可能である。したがって、畝Uの幅に合わせて、ローラ12の左右位置を調節し、ボルト等の固定部材(図示省略)によって位置を固定できる。また、左右調節部36Cの下端には、後方へ延出する連結材を介してローラ12が回転自在に枢支されている。
なお、連結体36は、横枠材27の左右方向中央から後方へ延出していてもよい。
続いて、マルチ作業機1の使用態様を説明する。
耕耘作業では、既存の畝Uの左右側方の土をロータリ耕耘部2にて耕耘(反転)して、畝Uから長く伸びている根を切断し、株に光と酸素を供給し発芽を促す。
次に、畝成形作業では、ロータリ耕耘部2で耕耘された土が畝成形器9のガイド板29によって受け止められると共に左右に案内され、左右畝溝Eを形成することにより中央に畝Uが成形される。
その際、複数のローラ12によって畝巾方向において間隔をおいて上下位置の異なる複数の押え点8を形成でき、サトウキビの切り株Kなどの凹凸がある畝U上面に対しても、その凹凸に沿ってマルチフィルムMを押し付けることができ、隙間なくマルチフィルムMを敷設できる。
図3〜5に本発明の第2実施形態に係るマルチ作業機1を示す。
第2実施形態のマルチ作業機1が第1実施形態と最も異なるところは、押え部材7がブラシ13となっている点である。
図5に示すように、ブラシ13は、畝幅方向(左右方向)に多数本の毛を有しており、ブラシ13の左右方向の長さは既存の畝Uの幅と略同一である。また、ブラシ13は、毛を束ねるチャンネル部13Aと、ポリプロピレンなどのプラスチック素材やシダ等からなる毛部13Bとからなる。さらに、ブラシ13は、左右方向に毛部13Bをまとめたものを前後に2つ重ね、チャンネル部13Aの板材にて前後から挟み込みビス等にて固定することで、厚みを持たせている。
図4に示すように、ブラシ13を取り付ける連結体36は、横枠材27の左右方向中央に取り付けられていてもよい。この連結体36は、横枠材27の左右方向中央から後方へ延出する前後調節部36Eと、前後調節部36Eの後端から左方へ延出する左右調節部36Cと、左右調節部36Cの中途部から下方へ延出する上下調節部36Aとからなる。なお、上下調節部36Aは、下方へ延出したのち前方へ延出してブラシ13のチャンネル部13Aを後方から支持しており、連結体36は、全体として側面視コ字状に形成されている。
図4、5に示すように、第2実施形態における2つのガイド部材6は、ともにマルチフィルムMの上面側に配置されている。また、ガイド部材6は、横ガイド部材6Aと、左右一対の縦ガイド部材6Bからなる。
左右の縦ガイド部材6Bは、ブラシ13のチャンネル部13A左右側端の後面に、上下方向に摺動可能であって固定部材により位置固定可能に設けられ、背面視ハ字状に形成されている。また、縦ガイド部材6Bの先端は後方へ屈曲しており、マルチフィルムMをスムーズに後方の押え輪10へ案内できる。
ローラ12は、外周面が平坦なものであってもよく、外周面に山部と谷部とを畝幅方向に交互に形成したものであってもよい。
ブラシ13は、左右方向の軸心を中心に放射状に延びる多数本の毛を備えたロールブラシであってもよい。
2 ロータリ耕耘部
3 ロータリ機枠
4 マルチフィルム敷設装置
5 フィルムロール
6 ガイド部材
7 押え部材
8 押え点
9 畝成形器
10 フィルム側端押え部材(押え輪)
11 覆土器
12 ローラ
12A 軸心
13 ブラシ
U 畝
M マルチフィルム
E 畝溝
Claims (3)
- ロータリ耕耘部(2)を支持するロータリ機枠(3)の後方に、畝(U)にマルチフィルム(M)を敷設するマルチフィルム敷設装置(4)を設けており、
前記マルチフィルム敷設装置(4)は、フィルムロール(5)と、このフィルムロール(5)から巻き出されたマルチフィルム(M)を畝(U)に案内するガイド部材(6)と、マルチフィルム(M)を畝(U)上面に押し付ける押え部材(7)とを備え、
前記押え部材(7)は、畝幅方向に間隔をおいて独立して上下動する複数の押え点(8)を有しており、畝幅方向に多数本の毛を有するブラシ(13)で形成していることを特徴とするマルチ作業機。 - 既存の畝(U)の左右側方を耕耘するロータリ耕耘部(2)を支持するロータリ機枠(3)の後方に、畝溝(E)をつくる畝成形器(9)と、この畝成形器(9)の後方に畝(U)にマルチフィルム(M)を敷設するマルチフィルム敷設装置(4)とを設けており、
前記マルチフィルム敷設装置(4)は、フィルムロール(5)と、このフィルムロール(5)から巻き出されたマルチフィルム(M)を畝(U)に案内するガイド部材(6)と、このガイド部材(6)で案内されるマルチフィルム(M)の左右側端を左右畝溝(E)の底に押し付けるフィルム側端押え部材(10)と、このフィルム側端押え部材(10)付近でマルチフィルム(M)の左右側端に土を被せる覆土器(11)と、前記ガイド部材(6)で案内されるマルチフィルム(M)を畝(U)上面に押し付ける押え部材(7)とを備え、
前記押え部材(7)は、畝幅方向に間隔をおいて独立して上下動する複数の押え点(8)を有しており、畝幅方向に多数本の毛を有するブラシ(13)で形成していることを特徴とするマルチ作業機。 - 前記押え部材(7)は、畝幅方向に多数本の毛をまとめたものを前後に2つ重ねにして形成、または、畝幅方向の軸心を中心に放射状に多数本の毛を備えてロール状に形成していることを特徴とする請求項1又は2に記載のマルチ作業機。
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