JP4808018B2 - 組立式基礎ブロック及びその設置方法 - Google Patents
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上記タイプの電気給湯器に適したコンクリート基盤を形成する場合には、通常、18cm以上の厚さと、タンク底面よりも外径側へ60mm程度張り出した面積となるように寸法設定される。従って、縦横長さが75cm程度の矩形環状のコンクリート基盤を現場打ちによって形成することとなる。
完成したコンクリート基盤に対する電気給湯器の設置工事(アンカー工事)においては、コンクリート基盤上面に打ち込んだアンカーボルトの上端ネジ部を給湯器底部の脚部(通常、3本又は4本)に対してナット等を用いて固定する作業が行われる。
しかし、給湯器の小売り業者、設置業者等が購入者の家屋に給湯器を設置する際には十分な基礎工事を行わないケースが多く、不十分な基礎工事に起因して地震発生時に給湯器が転倒する事故が過去に起きている。
また、上記従来技術に係る基礎ブロックは、電気給湯器を設置するための専用ブロックであり、形状、構造が異なる他の重量物、例えば自動販売機等を設置するための基礎ブロックに利用することはできなかった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、設置手数、コストの削減を図るために基礎ブロックを複数のブロック片にて構成した組立式基礎ブロックにおいて、運搬、組立て等の取扱性を更に高めるとともに、設置対象物としての重量物のサイズ、形状、脚部の配置等の変化に追随して任意形状の基礎ブロック(コンクリート基盤)を構築することができる組立式基礎ブロックを提供することを目的としている。
つまり、本発明では、現場でのコンクリート打設工程をなくして、材料費及び人件費に係るコストと、乾燥時間を削減することによって、安全性に優れたコンクリート基盤を短時間に構築するとともに、このコンクリート基盤上に重量物を固定する作業をも確実に実施し得るようにした組立式基礎ブロックを提供することを目的としている。
請求項2の発明に係る組立式基礎ブロックは、請求項1において、前記各分割ブロック層を構成する前記各ブロック小片間の接合面の位置関係が重ならないように積層されていることを特徴とする。
本発明では、基礎ブロックを更に小単位のブロック小片(重量5〜7kg)によって構成すると共に、ブロック小片同士を現場にてジグソーパズル式に連結できるように構成したので、材料費、人件費等のコスト削減を図ることができる。更に、ブロック小片を組合せ使用することにより、任意の形状の基礎ブロックを構築できるので、種々のタイプの重量物に対応することができる。例えば、基礎ブロックの寸法、形状を変更することで、電気給湯器、業務用エアコンの室外機、自動販売機などの基礎としても使用できる。
個々のブロック小片は鉄筋により補強されており、十分な強度を備える。
パーツ間の固定をボルト類により行うことにより、作業性を更に向上できる。
図1(a)は本発明の一実施形態に係る組立式基礎ブロックを構成する上側ブロック層と下側ブロック層の平面図であり、(b)は両ブロック層を積層した状態を示す正面図であり、(c)はブロック小片の構成を示す斜視図である。図2は複数のブロック小片から成るL字形の分割ブロック層の構成を示す斜視図である。図3は完成した組立式基礎ブロック上に電気給湯器を設置した状態を示す図である。
本発明の組立式基礎ブロック(以下、基礎ブロック、という)1は、地盤等の設置面30上に設置されてその上面に重量物、例えば電気給湯器35を搭載するための手段である。
各ブロック層2、3は、複数のコンクリート製ブロック小片(以下、ブロック小片、という)4をジグソーパズル式に着脱自在に連結した構成を備えている。この実施形態では、複数(4個)のブロック小片4をL字形に組み付けることによって一つの分割ブロック層5を構築しており、2つのL字形分割ブロック層5を図1(a)のように矩形環状に組み付けることにより、各ブロック層2、3が形成される。
各ブロック小片4は、外周縁の適所に他のブロック小片と着脱自在に連結するための凸部4a、及び凹部4bを少なくとも一箇所ずつ備えると共に、層間連結部材10、及び重量物固定部材15の各打ち込み領域を回避した箇所に鉄筋20を埋設した構成を備えている。図1(a)中において符号10aで示したのは、層間連結部材10を打ち込む位置の一例であり、実際の打ち込みは2つのブロック層2、3を積層した状態で実施される。
各ブロック小片(4−1〜4−4)は、凸部4a、及び凹部4bの形成位置等が異なっているが、本体が矩形である点では共通しており、これらを組み合わせることによってL字形以外の任意の形状の分割ブロック層5を形成することができる。
各ブロック層2、3は、2つのL字状の分割ブロック層5から成る矩形環状体であり、各ブロック層2、3における各分割ブロック層5間の接合面5aの位置が重ならないように積層されている。分割ブロック層5間の接合面5a同士が重ならないように組み付けると共に、各ブロック小片4間の接合面(凸部4a、凹部4bの位置関係)が完全に重ならないように構成することにより、上下位置関係にあるブロック小片間の位置ずれを防止できることとなる。
層間連結部材10による連結工程では、まず、図5(a)に示すように鉄筋20を埋設した箇所を回避した打ち込み領域にドリルを用いて両ブロック層2、3に跨る穴6を形成し、この穴6内に樹脂系セッター11を充填してから、ネジ部を有したアンカーボルト12を打ち込み、約一時間後に樹脂系セッター11が乾燥固化することにより、両ブロック層2、3間が固定された状態となる。なお、各ブロック層2、3は、複数のブロック小片4から構成されているが、隣接し合うブロック小片4同士は凸部4aと凹部4bにより凹凸嵌合しており、横方向へ位置ずれが発生する懸念は少ない。しかし、各ブロック層2、3間での横方向へのずれ発生を防止するために、上下位置関係で対向し合っている全てのブロック小片4同士を層間連結部材10により連結しておいてもよいし、上下位置関係にあるブロック小片同士のうちの一部を連結固定するようにしてもよい。
以上の手順により設置面30上に基礎ブロック1を設置する工程が完了する。
なお、ブロック層2、3間を固定するための層間連結部材10を電気給湯器の脚部36を固定するための重量物固定部材15と兼用してもよい。即ち、この場合には、重量物固定部材15により2つのブロック2、3間を連結するように基礎ブロック上面から所要深さまでアンカーボルトを打ち込むと共に、アンカーボルト上端部のネジ部15aを基礎ブロック上面から所要長突出させておき、このネジ部15aを利用して電気給湯器35の脚部36を固定することとなる。
基礎ブロック1上に搭載しようとする電気給湯器の脚部36の位置、個数によって重量物固定部材15を打ち込む位置が異なってくるが、本発明では鉄筋20と、接合面5aと、ブロック小片間の接合面さえ回避した位置であれば、任意の位置に打ち込むことができる。このため、異なった機種の電気給湯器に適用することができる。
また、図1中に破線で示すように各分割ブロック層5の端縁に位置するブロック小片4の端縁に凸部4a、及び/又は、凹部4bを設けて、分割ブロック層5同士の接合面5aを強固に接続するように構成してもよい。
また、図6に示すようにブロック小片を組み合わせて平板状の基礎ブロックを構築することにより、電気給湯器以外の重量物、例えば自動販売機、エアコンの室外機等を支持するように構成してもよい。
Claims (3)
- 設置面上に設置され、上面に重量物を搭載する組立式基礎ブロックにおいて、
上下に積層される少なくとも2層のコンクリート製ブロック層と、各ブロック層間を固定する層間連結部材と、上側のブロック層上面に上端部を突出させた状態で固定された重量物固定部材と、を備え、
前記各ブロック層は、2つのL字形の分割ブロック層から成る矩形環状体であり、各ブロック層を構成する各分割ブロック層間の接合面の位置関係が重ならないように積層されており、
個々の前記各分割ブロック層は、複数のコンクリート製ブロック小片を着脱自在に連結した構成を備え、
前記ブロック小片は外周縁に他のブロック小片と着脱自在に連結するための凸部、及び/又は、凹部を備えると共に、前記層間連結部材、及び前記重量物固定部材の各打ち込み領域を回避した箇所に鉄筋を埋設した構成を備えていることを特徴とする組立式基礎ブロック。 - 前記各分割ブロック層を構成する前記各ブロック小片間の接合面の位置関係が重ならないように積層されていることを特徴とする請求項1に記載の組立式基礎ブロック。
- 地盤面に請求項1又は2に記載された組立式基礎ブロックを設置する方法であって、
前記地盤面に所要深さの設置凹所を掘削により形成する工程と、
前記設置凹所内を整地して地盤が安定するように砕石を敷き詰める工程と、
複数の前記ブロック小片を任意形状に組み付けた前記分割ブロック層から成る前記下側ブロック層を設置凹所内に配置する工程と、
前記下側ブロック層上に、前記各分割ブロック層間の接合面同士が重ならないように前記上側ブロック層を位置合わせしつつ積層する工程と、
前記鉄筋を回避した個所に対してドリルを用いて上側ブロック層から下側ブロック層にかけて穴を形成する工程と、
前記穴内に前記層間連結部材を挿着して上下のブロック層間を連結する工程と、
を備えたことを特徴とする組立式基礎ブロックの設置方法。
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