JP4807708B2 - 画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば立体的二次元画像を表示可能であり、更に該立体的二次元画像が表示された空間に進入する被検出物の位置を特定するのに適した画像表示装置に関する。
この種の画像表示装置として、例えば、二次元画像を表示する表示装置と、該表示装置の前方空間に二次元画像の実像を結像する光学パネルとを備え、その前方空間にいる目視者に対して二次元画像を立体的に表示する技術(即ち、立体的二次元画像を表示する技術)が提案されている(特許文献1参照)。この画像表示装置は、前方空間に挿入された被検出物を検出するために、空間中に挿入された被検出物の位置に対応した出力信号を出力する位置検出センサを更に備える。
特開2005−141102号公報
しかしながら、例えば前述の特許文献1に開示されている技術によれば、位置検出センサは、例えば、前方空間を囲むような枠状であり、装置全体の小型化の障害となる虞がある。特に、立体的二次元画像の浮き出し効果・意外性を向上させるという、画像表示装置そのものの工夫を凝らす余裕が相対的に低下する虞がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みてなされたものであり、立体的二次元画像を表示可能であり、更に比較的簡単にして該立体的二次元画像が表示された空間に進入する被検出物の位置を好適に特定するのに適した画像表示装置を提供することを課題とする。
(画像表示装置)
本発明に係る画像表示装置は上述の課題を解決するために、表示画面を夫々有し該表示画面上に二次元画像を夫々表示すると共に、該二次元画像を構成する表示光の光路が相互に重なるように配列された複数の表示手段と、前記光路上に配置され、前記二次元画像の像を前記表示画面と反対側の空間に表示するように前記表示光を伝達させる画像伝達パネルと、前記複数の表示手段が夫々有する前記表示画面と一体的に又は前記表示画面に隣接して設けられており、前記空間に進入する被検出物を、前記画像伝達パネルを介して撮像する撮像手段と、該撮像された被検出物の前記空間内における位置を、前記撮像手段による撮像の結果に基いて特定する位置特定手段と、該特定された位置に基いて、前記二次元画像を切り換えるように前記複数の表示手段を制御する画像制御手段とを備える。
本発明によれば、表示手段は、二次元画像を表示する表示画面と、表示画面と一体的に又は表示画面に隣接して設けられており、像が表示された空間に進入する被検出物を画像伝達パネルを介して撮像する撮像手段とを有しており、典型的には、所謂「インプットディスプレイパネル」から構成されている。より具体的には、表示手段は、例えば、ほぼ同一平面上に並べられた表示用のカラー液晶表示装置(liquid crystal display:LCD)と撮像用のCCD(Charge Coupled Devices:CCD)とを含んで構成されている。このような表示手段の複数が、それらの表示光の光路が相互に重なるように配列されている。尚、本発明において「一体的に設けられる」とは、表示手段が有する「表示画面」を構成する部材と、撮像手段を構成する部分とが少なくとも部分的に共通であり、表示及び撮像の両機能を維持したまま、表示画面又は撮像手段を表示手段から取り外すことはできない意味である。また、本発明において「隣接して設けられる」とは、表示画面を構成する部材の位置及び撮像手段を構成する部材の位置が、表示光の光路に交わる同一平面上で横並びに位置する場合と、光路に沿って相互に密着又は近接して位置する場合との両方を含み、複数の表示手段間の光路に沿った距離と比べて、同一表示手段における表示画面及び撮像手段間の距離が明らかに小さいという意味である。
その動作時には、複数の表示手段によって、表示画面上に二次元画像が夫々表示される。ここに、「二次元画像」は、二次元、即ち平面状の表示画面に表示される静止画像のみならず動画像をも含む概念である。
このように複数の二次元画像の表示が行われると、例えば凸レンズをアレイ状に配置してなる、画像伝達パネルによって、各二次元画像に対応する像が、画像伝達パネルから見て表示画面と反対側の空間内に位置する、各表示画面位置に対応する各結像面上に結像され表示される。この画像伝達パネルは、例えば、凸レンズアレイを含んでなり、複数の凸レンズの光軸を略平行にして縦横マトリックス状に配置する型のパネル、つまり3Dフローティングビジョン(本願出願人の登録商標)方式用の画像伝達パネルを利用可能である。このように各結像面上にある像から、立体的二次元画像が構成される。ここに、「立体的二次元画像」とは、目視者にとってあたかも空中に浮かんでいるかのように見える画像のことであり、画像伝達パネルによって結像された実像から構成される。例えば、前述の3Dフローティングビジョン方式であれば、立体的二次元画像は、凸レンズアレイによって結像された実像から構成される。更に本発明では特に、複数の立体的二次元画像から、より立体的な立体的二次元画像が構築される。即ち、空中に浮いたような立体的二次元画像が、異なる位置に複数見えることになる。
ここで、上記立体的二次元画像が表示されている際に、立体的二次元画像が表示された空間に、例えば目視者の指等の被検出物が進入すると、画像伝達パネルを介して撮像手段によって、この被検出物は撮像される。ここに「撮像」或いは「撮像する」とは、典型的にはカメラ撮影の如く高解像度で撮像することを意味するが、これに限らず、ごく低い解像度で或いは何らかの意味で被検出物に係る画像を撮像すれば足りる意味も含む。いずれにせよ、被検出物からの光は、各結像面に対応する像として、撮像手段により撮像される。ここで特に、撮像手段は、表示画面と一体的に又は表示画面に隣接して設けられているので、撮像結果に応じて、立体的二次元画像が表示された空間内に並ぶ結像面毎の被検出物の面内位置が判明可能となると共に、該結像面毎の被検出物のフォーカス具合も判明可能となる。即ち、各結像面上でどの面内位置に被検出物が位置するかが判明可能となると共に、どの結像面上に又は相対的にどの結像面の近くに被検出物が位置するかが判明可能となる。更に、ここでの「位置」は、静的な位置に限らず、例えば被検出物が動く場合などに、動的な位置(例えば、現在に至るまでの動作軌跡)であっても同様に判明可能となる。
上記撮像が行われると、続いて、例えばCPU(Central Processing Unit:CPU)及びメモリを含んでなる、位置特定手段が、撮像の結果に基いて、例えば撮像された被検出物の位置やエッジの鋭さ等をパターン認識等の画像処理によって評価することで、被検出物の空間における位置を特定する。ここに、「位置」とは、文字通りの位置のみならず、空間において被検出物が占める領域、或いは位置の時間変化(即ち、速度や方向)をも含む包括的な概念である。このように位置特定手段によって、非常に確実にして、被検出物の空間内の位置を特定できる。
そして、特定された被検出物の空間における位置に基いて、例えばCPU及びメモリを含んで成る、画像制御手段が、現在表示中の二次元画像を切り換えるように複数の表示手段を制御する。例えば、制御テーブルに、被検出物が空間における所定の位置にあると特定された場合に、複数の二次元画像をどう切り換えるかという内容を定義しておき、この制御テーブルに基いて、複数の表示手段に表示される複数の二次元画像が切り換えられる。この結果、次のような制御が行われる。例えば、目視者の指が、複数の立体的二次元画像が表示された空間に進入するとする。この際、指の空間における位置に基いて、複数のうちのある立体的二次元画像の一部(例えば、ボタン画像)の空間における位置と、指の空間における位置が略一致する場合には、このボタン画像が指によって押されたものとして、制御テーブルに基いて、ボタン画像を表示する立体的二次元画像が、指から離れる側に、或いは近づく側に切り換えられる。このように、特定された被検出物に応じて、前後に並ぶ立体的二次元画像の表示内容が切り換えられることで、奥行き方向の表現性が向上し、一層効果的かつインタラクティブな演出が可能となる。
尚、このように二次元画像が切り換えられる際、前記画像制御手段は、切り換えられる二次元画像に対応する立体的二次元画像の少なくとも一部が被検出物から相対的に遠ざかる場合には、該少なくとも一部のサイズを相対的に小さくするように複数の表示手段を制御してもよい。逆に、切り換えられる二次元画像に対応する立体的二次元画像の少なくとも一部が被検出物に相対的に近づく場合には、該少なくとも一部のサイズを相対的に大きくするように複数の表示手段を制御してもよい。
このように構成すれば、被検出物が複数の二次元画像のうちの一の二次元画像に対応する立体的二次元画像の少なくとも一部(例えばボタン画像)に進入或いは接触する際、該被検出物に進入或いは接触された少なくとも一部が被検出物から相対的に遠ざかる場合には、この少なくとも一部のサイズを相対的に小さくするように画像制御手段は複数の表示手段を制御する。例えば、立体的二次元画像の少なくとも一部としてボタン画像が表示されており、目視者がこのボタン画像に触れるとする。この際、目視者から見て、ボタン画像を表示する立体的二次元画像が、元の位置よりも手前側(前側)に表示される場合には、表示手段が表示するボタン画像自体を相対的に大きくし、他方、元の位置よりも奥側(後側)に表示される場合には、表示手段が表示するボタン画像自体を相対的に小さくすることで、遠近感を強調した表現が可能となる。例えば、目視者が空中に浮かんで見える立体的二次元画像のボタン画像を押すと立体的二次元画像が奥に引っ込み、逆に、何も表示されていなくても、位置特定手段によって位置が特定される場所(結像面に接触している場合のみならず、フォーカスがボケていながらも撮像画像として認識されるような場合、つまり被検出物が結像面に接近している場合も含む)に、目視者が指を近づけると、目視者から見て奥に浮かんでいた立体的二次元画像のキャラクターが、手前に接近してくるような表現も可能である。加えて、被検出物の位置に応じて、他の要素と絡めた効果を付け加えてもよい。例えば、特定された被検出物の空間における位置に基いて、表示される二次元画像を変形してもよい(例えば、へこませてもよい)し、効果音を鳴らしても良い。このようにして、一層豊かな表現が可能となる。
以上の結果、本発明によれば、立体的二次元画像が表示された空間に進入する被検出物の位置を、典型的には複数のインプットディスプレイパネルという比較的簡単な構成を用いつつ、好適に特定することが可能となる。これにより、画像表示装置全体のコスト削減、或いは小型化・薄型化も期待される。加えて、特定された被検出物に応じて、前後に並ぶ立体的二次元画像の表示内容が切り換えられることで、奥行き方向の表現性が向上し、一層効果的かつインタラクティブな演出が可能となる。
この位置特定手段を備えた態様では、前記位置特定手段は、前記撮像された被検出物の前記空間内における、前記像が結像している結像面上における面内位置を特定してもよい。
このように構成すれば、位置特定手段によって、各結像面上でどの面内位置(例えば、光路に垂直な各結像面における2次元座標位置)に被検出物が位置するかを、確実に特定できる。
この位置特定手段を備えた態様では、前記位置特定手段は、前記撮像された被検出物の前記空間内における、前記光路に沿った方向の位置を特定してもよい。
このように構成すれば、位置特定手段によって、どの結像面上に又は相対的にどの結像面の近く(例えば、光路に沿った方向についての座標位置)に被検出物が位置するかを、確実に特定できる。
この態様では例えば、前記位置特定手段は、被検出物の撮像結果におけるフォーカス評価要素に基いて、被検出物の空間における位置を特定してもよい。
このように構成すれば、位置特定手段によって、撮像画像における、被検出物の平面的な位置情報(例えば、撮像画像における、被検出物のxy座標)に加えて、被検出物のフォーカス評価要素(例えば、フォーカス感、つまりエッジの鋭さのような、フォーカスが定まっているか否かを示す定量的な指標のみならず、撮像画像における被検出物のサイズ或いは形状の変化)に基くので、撮像画像に対して垂直(z)方向における被検出物の位置、即ち被検出物の空間における位置を特定可能となる。特に、1つでなく、複数の撮像画像におけるフォーカス評価要素を比較することで、被検出物の空間における位置や移動する方向をより正確に特定出来る。例えば、仮に1枚の撮像画像におけるフォーカス評価要素のみから被検出物の位置特定しようにも、フォーカスが合っている場合以外(つまり、ピンぼけしている場合)は、被検出物が前後いずれにずれの方向にズレていても同程度にピンぼけを生じるため、どちらの方向にズレているか判断し難い。しかし、この態様によれば、他の撮像画像におけるフォーカス評価要素も考慮出来るので、フォーカスが合っている他の撮像画像を特定することで、撮像画像におけるどちらの方向にズレているかを判断でき、撮像画像に対して垂直(z)方向における被検出物の位置、即ち被検出物の空間における位置を特定可能となるのである。
この場合更に、位置特定手段は、撮像画像における、被検出物のフォーカス評価要素の時間的な変化に基いて、被検出物の空間における位置に加えて動作を特定してもよい。
このように構成すれば、被検出物のフォーカス評価要素の時間的な変化(フォーカスが徐々に合ってくる等)に基くので、被検出物の空間における位置のみならず、動作までも特定可能となる。例えば、被検出物の、隣接する撮像画像におけるフォーカス評価要素の時間的な変化を比較すれば、その被検出物が、ある撮像画像に対応する立体的二次元画像に近づいているのか、或いは遠ざかっているのかを判断可能となる。
本発明に係る画像表示装置の他の態様では少なくとも部分的に光を透過可能であり、前記光路に沿った方向に所定距離を隔てて重ねられている。
この態様によれば、表示手段は、例えば透過型有機ELパネル、透過型液晶パネルのように、少なくとも部分的に光を透過可能であるので、これらを光路に沿って重ねて配置するという比較的簡単な構成を用いつつ、複数の表示手段の配列間隔に応じた立体感を有する、立体的二次元画像を表示すると共に、立体的二次元画像が表示された空間に進入する被検出物の位置を、好適に特定することが可能となる。
或いは本発明に係る画像表示装置の他の態様では、前記光路が相互に重なるように、前記表示画面各々から前記画像伝達パネルへと向かう前記表示光を合成すると共に、前記被検出物から前記撮像手段各々へ向かう光を分離する光合成分離手段を更に備える。
この態様によれば、例えばハーフミラー、プリズム、ビームスプリッタ等の光合成分離手段によって、表示光が合成された後に、画像伝達パネルによって、各二次元画像に対応する像が、各結像面上に表示され、立体的二次元画像が表示される。更に、光合成分離手段によって、被検出物からの光が分離された後に、各結像面に対応する像として、撮像手段により撮像される。このように、光合成分離手段という比較的簡単な構成を用いつつ、各表示手段から画像伝達パネルまでの光学距離の差に応じた立体感を有する、立体的二次元画像を表示できる。特に、光学的なレイアウト(配置)の自由度が増すことになる。加えて、例えば一の二次元画像を形成する光が、他の二次元画像を表示する表示手段を迂回するような配置が可能であり、他の表示手段は必ずしも光を透過できなくてよくなる。即ち、表示手段を実現するデバイスの選択肢が広がる。尚、複数の表示手段の配置として、この態様に係る配置と、そうでない配置(例えば前述の態様の如くに透過型の表示装置を重ねる配置)とを混在させることも可能である。
本発明に係る画像表示装置の他の態様では、前記複数の表示手段の少なくとも一部は、非自発光型であると共に、少なくとも部分的に光を透過可能であり、該少なくとも一部に向かって前記画像伝達パネルとは反対側から光を出射するバックライトを更に備える。
この態様によれば、複数の表示手段は、少なくとも一部が非自発光型であっても、少なくとも部分的に光を透過可能であれば、バックライトから照射される光によって、複数の二次元画像を表示出来る。特に、複数の表示手段が、同一光路上に重ねて配置されていれば、一のバックライトを複数の表示手段で共有することができ、コストが削減される。
本発明に係る画像表示装置の他の態様では、前記複数の表示手段の少なくとも一部は、自発光型である。
この態様によれば、複数の表示手段の少なくとも一部は、例えば有機ELのような自発光であるので、その一部に対してはバックライトが不要となり、バックライトの配置を考える必要がない。即ち、表示手段の配置の自由度が増す。尚、自発光型と非自発光型とを組み合わせることも可能である。
以上、説明したように、本発明の画像表示装置によれば、表示手段、画像伝達パネル、及び撮像手段を備えるので、立体的二次元画像を表示可能であり、更に比較的簡単にして該立体的二次元画像が表示された空間に進入する被検出物の位置を好適に特定するのに適していると言えよう。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされよう。
本発明の第1実施例に係る、画像表示装置の基本構成を概念的に示す模式的断面図及び表示部と撮像部とを拡大した平面図である。 第1実施例に係る、被検出物が移動する前の複数の撮像画像を概念的に示す模式図である。 第1実施例に係る、被検出物が移動した後の複数の撮像画像を概念的に示す模式図である。 第1実施例に係る、被検出物が進入する前の立体的二次元画像を概念的に示す斜視図である。 第1実施例に係る、被検出物が進入した後の立体的二次元画像を概念的に示す斜視図である。 第2実施例に係る、画像表示装置の基本構成を概念的に示す模式図である。
符号の説明
1 画像表示装置
11 インプットディスプレイパネル
11A 表示部
11B 撮像部
12 インプットディスプレイパネル
13 インプットディスプレイパネル
20 凸レンズアレイ
31 立体的二次元画像
32 立体的二次元画像
33 立体的二次元画像
40 バックライト
51 偏光板
53 偏光板
100 画像制御部
110 位置特定部
120 被検出物
121 被検出物
122 被検出物
11IMG 撮像画像
12IMG 撮像画像
13IMG 撮像画像
123 被検出物
112D ボタンの二次元画像
313D ボタンの立体的二次元画像
122D ボタンの二次元画像
323D ボタンの立体的二次元画像
11s インプットディスプレイパネル
12s インプットディスプレイパネル
60 ハーフミラー
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例毎に順に図面に基づいて説明する。
(1)第1実施例
第1実施例に係る画像表示装置の基本的な構成及び動作処理を図1を参照して説明する。ここに、図1は、本発明の第1実施例に係る、画像表示装置の基本構成を概念的に示す模式的断面図及び表示部と撮像部とを拡大した平面図である。図1において、光軸方向をz方向とし、z方向に垂直な面をxy平面とする。
図1に示すように、本実施例に係る画像表示装置1は、インプットディスプレイパネル11と、それに備わる表示部11A及び撮像部11Bと、凸レンズアレイ20と、バックライト40と、偏光板51及び偏光板53と、画像制御部100と、位置特定部110とを備えており、例えばアミューズメントシアター、商品説明用ディスプレイ、ゲーム機器等に使用さるインタラクティブな立体的二次元画像の表示・認識装置として用いられる。
インプットディスプレイパネル11、インプットディスプレイパネル12、及びインプットディスプレイパネル13は、表示部11A及び撮像部11Bを含む画素を、例えば640×480のマトリクス状に配置した画面を備えて構成され、凸レンズアレイ20へと向かう一の光軸上に多層的に離間して配置される。
ここに、表示部11Aは、本発明に係る「表示手段」が有する「表示画面」の一例を構成しており、例えばカラー液晶表示装置(LCD)を含んで構成され、マトリクス状に配置された複数の表示部11Aによって、二次元画像が夫々の画面に表示される。表示部11Aは、多層的に配置するための制約上、透過型であれば、他の方式のディスプレイ、例えば有機EL表示装置であってよい。
ここに、撮像部11Bは、本発明に係る「表示手段」が有する「撮像手段」の一例であり、例えばCCDを含んで構成され、複数の表示部11Aの個々と一体的に又は前記表示画面に隣接して設けられている。そして、撮像部11Bは、被検出物120からの光を受光し、この被検出物120の撮像画像を生成する。より具体的には、撮像部11Bにおいて、受光した光が例えば赤・青・緑夫々の撮像データとして光から電気に変換され、カラーの撮像画像を示す画像信号が生成される。
尚、上記インプットディスプレイパネルの枚数は便宜上3枚としてあるが、枚数はこれに限られない。即ち、光の減衰率或いは偏光方向等を考慮すれば、インプットディスプレイパネルの枚数を更に多くして、より多層的な表現も可能である。
凸レンズアレイ20は、本発明に係る「画像伝達パネル」の一例であり、典型的には3Dフローティングビジョン(本願出願人の登録商標)方式のように、複数の凸レンズを互いの光軸が略平行になるよう縦横マトリックス状に配置される。そして、例えばインプットディスプレイパネル11側からの表示光を立体的二次元画像31側に伝達すると共に、逆に立体的二次元画像31側からの光をインプットディスプレイパネル11側に伝達する。
立体的二次元画像31、立体的二次元画像32、及び立体的二次元画像33は、インプットディスプレイパネル11、インプットディスプレイパネル12、及びインプットディスプレイパネル13の画面に表示された二次元画像が空中に結像された像(典型的には、等倍正立像)である。これら立体的二次元画像は実際には平面であるが、空中に浮かんで見えるため、目視者は二次元画像を立体的に感じることができ、それ故、立体的二次元画像と呼ばれる。更に本実施例では特に、相互に異なる結像面に位置する空中に夫々浮かんだ複数の画像が存在するので、より立体的な画像表示が行われているといえる。これら立体的二次元画像は、加えて、被検出物120の位置が特定される面でもある。
バックライト40は、例えば発光ダイオードを含んで成り、表示部11Aを含む各表示部が非自発光型である場合には外部光源として背面から表示光を照射する。尚、各表示部が自発光型の場合はバックライト40は不要である。
偏光板51及び偏光板53は、表示手段が液晶表示装置の場合、夫々インプットディスプレイパネル11の背面(バックライト40側)及びインプットディスプレイパネル13の表面(凸レンズアレイ20側)に備えられる。また、その偏光方向を考慮することによって、それ以上に偏光板、例えば、偏光板を全ての表示手段の表面及び裏面に配置することも可能である。尚、各表示手段が液晶表示装置でない場合は、偏光板51及び偏光板53は不要である。
画像制御部100は、本発明に係る「画像制御手段」の一例であり、例えばCPU、メモリ、画像表示ドライバを備え、表示部11Aをはじめとする縦横マトリクス状に配置された表示部と夫々電気的に接続され、二次元画像を表示するための映像信号を各表示部へと供給可能に構成されている。
被検出物120は、例えば実物のボールや目視者の指であり、位置特定部110によって位置が特定される対象である。
位置特定部110は、本発明に係る「位置特定手段」の一例であり、例えばCPU、メモリを備え、複数の撮像画像に基いて、被検出物120の空間における位置を特定する。具体的には、立体的二次元画像31が表示されている空間に被検出物120が進入する際、に撮像部11B等によって受光信号が得られ、その受光信号によって生成される複数の撮像画像に基いて、位置特定部110は、被検出物120の空間における位置を特定する。特に、本実施例では、インプットディスプレイパネルが奥行き方向に複数枚配置されているので、被検出物120の平面的な位置情報(例えば、撮像画像における、被検出物のxy座標)に加えて、各インプットディスプレイパネルにおける被検出物のフォーカス評価要素も考慮することで、一層正確な位置の特定が可能となる。加えて、位置特定部110は、特定された被検出物120の位置に関する情報を電気信号として画像制御部100へと供給し、こうして特定された位置に基いて、画像制御部100は二次元画像を切り換えたり、新たな画像を表示するようにしてもよい。
以上のように構成された画像表示装置は、例えば下記の如く動作する。先ず、画像制御部100が、映像信号をインプットディスプレイパネル11からインプットディスプレイパネル13へと供給する。供給された映像信号に基いて、各インプットディスプレイパネルの表示部は二次元画像を表示する。この際、表示部が自発光でなければ、バックライト40が背面から表示光を照射する。そして、表示光は、凸レンズアレイ20を介して結像され、立体的二次元画像31から立体的二次元画像33を空中に表示する。このようにして、相互に異なる結像面に位置する空中に夫々浮かんだ複数の画像が存在するので、目視者から見てより立体的な画像表示が行われているといえる。加えて、目視者の指のような被検出物120が例えば立体的二次元画像31の結像面に進入する場合には、その被検出物120からの光が凸レンズアレイ20を介してその結像面に対応するインプットディスプレイパネル(この場合は、インプットディスプレイパネル11)の撮像部11Bによって撮像画像として認識される。そして、位置特定部110は、撮像画像における被検出物のxy座標、フォーカス評価要素のみならず、他のインプットディスプレイパネルに係る撮像画像等を考慮することで、被検出物の空間における位置(つまり、被検出物のxyz座標)を、一層正確に特定出来る。更に、特定された位置に基いて、画像制御部100が表示する二次元画像を切り換えてもよい。
以上、図1に示すように、本実施例に係る画像表示装置は、立体的二次元画像を表示可能であり、更に1枚ではなく複数の撮像画像に基くので、立体的二次元画像が表示された空間に進入する被検出物の位置を好適に特定することが可能となり、一層インタラクティブで表現豊かな立体的二次元画像を表示出来る。
<<被検出物が移動する際の撮像画像の変化について>>
次に、本実施例に係る被検出物が移動する際の撮像画像の変化について図2及び図3を参照して説明を加える。尚、図2及び図3において、図1の構成と同一の構成については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を適宜省略する。ここに、図2は、本実施例に係る、被検出物が移動する前の複数の撮像画像を概念的に示す模式図である。
図2において、撮像画像11IMG、撮像画像12IMG、及び撮像画像13IMGは、被検出物121が移動する前のインプットディスプレイパネル11、インプットディスプレイパネル12、及びインプットディスプレイパネル13に係る撮像画像を夫々示す。このような撮像画像が複数得られると、各撮像画像における、被検出物121及び被検出物122の像のxy座標に加えて、フォーカス評価要素(ここでは、被検出物121及び被検出物122の像の大きさやエッジの鋭さ)からz座標も特定出来る。例えば、図2に示す撮像画像からは、被検出物121の像のエッジは11IMGが最も鋭く、被検出物122の像のエッジは12IMGが最も鋭いので、被検出物121は立体的二次元画像31上に、被検出物122は立体的二次元画像32上にあると特定可能となる。また、被検出物121の像が、11IMGと比較して、12IMGから13IMGへと、段々とフォーカス感が悪化したり、サイズが大きくなったりすることからも、被検出物121は立体的二次元画像31上にあるとの特定材料となり得る。同様に、被検出物122の像が、12IMGと比較して、11IMGと13IMGのフォーカス感の変化やサイズの変化が、ほぼ同等であることからも、被検出物122は立体的二次元画像32上にあるとの特定材料となり得る。
続いて、図3は、本実施例に係る、被検出物が移動した後の複数の撮像画像を概念的に示す模式図である。
図3において、図2と異なるのは、被検出物121の位置である。この位置の違いは、各撮像画像における被検出物121の像のエッジを比較することで特定出来る。具体的には、被検出物121の像のエッジは12IMGが最も鋭いので、被検出物121は立体的二次元画像32の結像面上(或いは、その近辺)にあると特定でき、その結果、被検出物121は立体的二次元画像31上から立体的二次元画像32上へと、z方向に移動したと推定される。
以上、図2及び図3を用いて説明したように、本実施例に係る画像表示装置1は、被検出物121及び被検出物122の空間における位置を特定出来る。加えて、被検出物121及び被検出物122のフォーカス評価要素の時間的な変化に基けば、空間における位置のみならず、動作までも特定可能となる。
<<被検出物が進入する際の立体的二次元画像の変化について>>
次に、本実施例に係る被検出物が進入する際の立体的二次元画像の変化について図4及び図5を参照して説明を加える。尚、図4及び図5において、前出の図面に係る構成と同一の構成については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を適宜省略する。ここに、図4は、本実施例に係る、被検出物が進入する前の立体的二次元画像を概念的に示す斜視図である。
図4において、被検出物123は、例えば目視者の指であり、未だ、立体的二次元画像31には進入していない。
ボタンの二次元画像112Dは、インプットディスプレイパネル11の画面上に表示されたあるオブジェクト(例えばボタン)である。
ボタンの立体的二次元画像313Dは、画像伝達パネルによって結像されたボタンの二次元画像112Dの実像である。
続いて、図5は、本実施例に係る、被検出物が進入した後の立体的二次元画像を概念的に示す斜視図である。
図5において、図4と異なるのは、被検出物123の位置及びそれに応じて切り換えられたボタンの二次元画像122Dとボタンの立体的二次元画像323Dの位置である。
具体的には、図5における被検出物123は、例えば目視者の指が立体的二次元画像31に進入している状態を表す。
ボタンの二次元画像122Dは、インプットディスプレイパネル12の画面上に表示されたあるオブジェクト(例えばボタン)である。
ボタンの立体的二次元画像323Dは、画像伝達パネルによって結像されたボタンの二次元画像122Dの実像である。
上述した図4及び図5を用いて、画像制御部100の制御について説明を加える。
画像制御部100には、予め例えばボタンの立体的二次元画像313Dが何らかの被検出物に押される(進入される)と、各インプットディスプレイパネルに係る二次元画像を切り換える旨のプログラムが記憶されているとする。そして、この際、本実施例に係る画像表示装置1の使用時には、定期的に或いは不定期的に、立体的二次元画像の各々に係る撮像画像が得られる。この際、図2及び図3で示したように位置特定部110によって、その撮像画像に基いて、進入してくる被検出物123の空間における位置が特定される。こうして特定された被検出物123の位置に基いて、ボタンの立体的二次元画像313Dが被検出物123によって押されているか否かを画像制御部100が判定する。ここで、被検出物123によって押されていない場合(図4)には、特に何もなされない。他方、被検出物123によって押されている場合(図5)には、ボタンを被検出物123からz方向に遠ざかるように、複数の二次元画像を切り換えるよう複数のインプットディスプレイパネルに係る表示部を制御する。これにより例えばボタンが押されて奥へ移動する様子が表される。更に、この際、遠近感を誇張するために、ボタンの二次元画像122Dのサイズをボタンの二次元画像112Dに比べて小さくしてもよい。この際、加えて、ボタンの二次元画像112D、122Dを変形してもよい(例えば、へこませてもよい)し、効果音を鳴らしても良い。
以上、図4及び図5によると、立体的二次元画像(例えばボタンの立体的二次元画像313D)が表示された空間に進入する被検出物123の位置が好適に特定され、特定された被検出物123の位置に応じて複数の二次元画像が切り換わるので、一層豊かな表現・インタラクティビティが実現可能となる。
(2)第2実施例
次に、第2実施例に係る画像表示装置1の基本的な構成及び動作処理を図6を参照して説明する。ここに、図6は、第2実施例に係る、画像表示装置1の基本構成を概念的に示す模式図である。尚、図6において、図1の構成と同一の構成については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を適宜省略する。
図6において、本実施例に係る画像表示装置1は、特に、インプットディスプレイパネル11s及びインプットディスプレイパネル12sと、本発明に係る「光路合成分離手段」としてのハーフミラー60とを備える。
インプットディスプレイパネル11s及びインプットディスプレイパネル12sは、好適には有機ELのような自発光型のインプットディスプレイパネルであり、互いの光軸が略直行するように配置されている。このように夫々のインプットディスプレイパネルが一の光軸上に重ならないような場合には、自発光型であれば、レイアウト上の制約が軽減される。勿論、制約の軽減を期待しないのであれば、非自発光型で、複数のバックライトを各インプットディスプレイパネルの背面に設置してもよい。
ハーフミラー60は、インプットディスプレイパネル11s及びインプットディスプレイパネル12sの画面に表示される二次元画像に係る光軸の略交点上に配置され、インプットディスプレイパネル11sからの表示光を透過し、加えて、インプットディスプレイパネル12sの表示光を反射することで、これら二つの表示光を凸レンズアレイ20へと向かう一の光軸上に合成して、立体的二次元画像31及び立体的二次元画像32を多層的に表示するよう構成されている。他方、被検出物120からの光は、ハーフミラー60によってインプットディスプレイパネル11s及びインプットディスプレイパネル12sへと分離されて夫々の撮像部を介して認識される。
以上、図6を用いて説明したように、本実施例に係る画像表示装置1は、自発光型のインプットディスプレイパネル11s及びインプットディスプレイパネル12sと、ハーフミラー60とを用いるので、レイアウトの自由度が増すのである。加えて、例えばインプットディスプレイパネル11sに係る二次元画像を形成する光が、インプットディスプレイパネル12sを迂回するような配置が可能であり、インプットディスプレイパネル12sは必ずしも光を透過できなくてもよくなる。尚、本実施例においても、複数のインプットディスプレイパネルを多層的に配置させることも当然可能である。
尚、本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う画像表示装置もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明に係る画像表示装置は、例えば立体的二次元画像を表示可能であり、更に該立体的二次元画像が表示された空間に進入する被検出物の位置を特定するのに適した画像表示装置に利用可能である。

Claims (7)

  1. 表示画面を夫々有し該表示画面上に二次元画像を夫々表示すると共に、該二次元画像を構成する表示光の光路が相互に重なるように配列された複数の表示手段と、
    前記光路上に配置され、前記二次元画像の像を前記表示画面と反対側の空間に表示するように前記表示光を伝達させる画像伝達パネルと、
    前記複数の表示手段が夫々有する前記表示画面と一体的に又は前記表示画面に隣接して設けられており、前記空間に進入する被検出物を、前記画像伝達パネルを介して撮像する撮像手段と、
    該撮像された被検出物の前記空間内における位置を、前記撮像手段による撮像の結果に基いて特定する位置特定手段と、
    該特定された位置に基いて、前記二次元画像を切り換えるように前記複数の表示手段を制御する画像制御手段と
    を備える
    ことを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記位置特定手段は、前記撮像された被検出物の前記空間内における、前記像が結像している結像面上における面内位置を特定することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
  3. 前記位置特定手段は、前記撮像された被検出物の前記空間内における、前記光路に沿った方向の位置を特定することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
  4. 前記複数の表示手段は、少なくとも部分的に光を透過可能であり、前記光路に沿った方向に所定距離を隔てて重ねられている
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
  5. 前記光路が相互に重なるように、前記表示画面各々から前記画像伝達パネルへと向かう前記表示光を合成すると共に、前記被検出物から前記撮像手段各々へ向かう光を分離する光合成分離手段を更に備える
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
  6. 前記複数の表示手段の少なくとも一部は、非自発光型であると共に、少なくとも部分的に光を透過可能であり、
    該少なくとも一部に向かって前記画像伝達パネルとは反対側から光を出射するバックライトを更に備える
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
  7. 前記複数の表示手段の少なくとも一部は、自発光型である
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
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