JP4807090B2 - 液体現像装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
この液体現像剤を用いる方法は、トナーを乾式状態で用いる乾式トナーに比べ、トナー粒子の凝集が効果的に防止されるため、微細なトナー粒子を用いることが可能であり、また、結着樹脂として、低軟化点(低軟化温度)のものを用いることができる。その結果、液体現像剤を用いた画像形成装置では、細線画像の再現性が良く、階調再現性が良好で、カラーの再現性に優れた画像を得ることができるという特徴を有している。
しかしながら、液体現像剤を用いた方法では、定着の際にトナー粒子の表面に付着した絶縁性液体が、記録媒体中に染み込み、定着強度を低下させるという問題があった。また、この染み込みにより、記録媒体に対してボールペン等で追記するのが困難となるという問題もあった。
しかしながら、特許文献1では、酸化重合を促進させる脂肪酸金属塩等の酸化重合促進剤を用いて定着特性を向上させているが、このような酸化重合促進剤は、得られる画像の色味を低下させるため、カラー現像に適用するのが困難であった。
本発明の液体現像装置は、不飽和脂肪酸成分を含む絶縁性液体中にトナー粒子が分散した液体現像剤を用いて、記録媒体上にカラー画像を形成する液体現像装置であって、
色の異なる複数の液体現像剤を用いて、各色に対応した単色像を形成する複数の現像部と、
複数の前記現像部で形成された複数の前記単色像が順次転写され、転写された複数の前記単色像を重ね合わせてなる中間転写像を形成する中間転写部と、
前記中間転写像を前記記録媒体に転写する2次転写部とを有し、
複数の前記現像部のうち、前記中間転写部に対して、最後に前記単色像を転写する前記現像部は、定着時において前記不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応を促進する酸化重合促進剤を含む液体現像剤を収容し、
複数の前記現像部のうち、前記中間転写部に対して、最後に前記単色像を転写する前記現像部以外の現像部は、前記酸化重合促進剤を実質的に含まない液体現像剤を収容し、
前記現像部は、前記液体現像剤を貯留する液体現像剤貯留部を有し、
少なくとも、最後に前記単色像を転写する前記現像部の前記液体現像剤貯留部には、酸化された前記不飽和脂肪酸成分を還元する、主としてゼオライトで構成された還元部材が配されていることを特徴とする。
これにより、得られる画像の画質の低下を防止しつつ、トナー粒子を記録媒体に強固に定着させることができ、かつ、環境に優しい液体現像装置を提供することができる。
これにより、得られる画像の画質の低下をより効果的に防止することができる。
本発明の液体現像装置では、前記酸化重合促進剤は、カプセル化された状態で前記液体現像剤中に含まれることが好ましい。
これにより、不飽和脂肪酸成分の不本意な酸化重合反応を防止することができ、かつ、定着時において、カプセルが定着時の圧力等によって潰れ、不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応を確実に進行させることができる。
前記第1現像部で現像された第1の像を担持する第1像担持体と、
前記第1像担持体に現像された前記第1の像が転写される転写媒体と、
前記転写媒体に前記第1の像を転写する第1転写部と、
前記第1のトナーとは異なる色の第2のトナー、前記不飽和脂肪酸成分を含む絶縁性液体、および前記不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応を促進する酸化重合促進剤を含む第2の液体現像剤を現像する第2現像部と、
前記第2現像部で現像された第2の像を担持する第2像担持体と、
前記第1の像が転写された前記転写媒体に前記第2の像を転写する第2転写部と、
前記第2の像が転写された転写媒体から記録媒体に前記第1の像および前記第2の像を転写する転写部と、
前記記録媒体に転写された像を加熱定着する定着部と、
を有し、
前記第2の像が最後に前記転写部へ転写される像であり、
前記第1の液体現像剤は、前記酸化重合促進剤を実質的に含まず、
前記第2現像部は、前記液体現像剤を貯留する液体現像剤貯留部を有し、
少なくとも前記第2現像部の前記液体現像剤貯留部には、酸化された前記不飽和脂肪酸成分を還元する、ゼオライトを含む還元部材が配されていることを特徴とする。
これにより、得られる画像の画質の低下を防止しつつ、トナー粒子を記録媒体に強固に定着させることができ、かつ、環境に優しい画像形成装置を提供することができる。
本発明の画像形成装置では、前記酸化重合促進剤は、カプセル化された状態で前記第2の液体現像剤中に含まれることが好ましい。
本発明の画像形成装置では、前記第2のトナーはブラックトナーであることが好ましい。
<液体現像剤>
まず、本発明の液体現像装置および画像形成装置の説明に先立ち、本発明の液体現像装置および画像形成装置に適用される液体現像剤について詳細に説明する。
本発明の液体現像装置および画像形成装置に適用される液体現像剤は、不飽和脂肪酸成分を含む絶縁性液体中にトナー粒子が分散したものである。
まず、絶縁性液体について説明する。
本発明の液体現像装置および画像形成装置で用いる液体現像剤を構成する絶縁性液体は、不飽和結合を有する不飽和脂肪酸成分を含んでいる。
この不飽和脂肪酸成分は、環境に優しい成分である。したがって、液体現像装置外への絶縁性液体の漏出や、使用済液体現像剤の廃棄等による絶縁性液体の環境への負荷を低減することができる。その結果、環境に優しい液体現像装置を提供することができる。
また、不飽和脂肪酸成分は、トナー粒子(トナー粒子を構成する樹脂材料)との親和性が高いため、本発明のように、絶縁性液体として不飽和脂肪酸成分を含むものを用いることにより、トナー粒子の分散性を向上させることができる。その結果、保存時等において、トナー粒子の沈降や凝集等を効果的に防止することができる。
このような共役不飽和脂肪酸成分としては、共役不飽和結合を有するものであれば、いかなるものを用いてもよく、例えば、合成されたものを用いてもよいし、植物油等から直接抽出したものを用いてもよいし、不飽和脂肪酸成分を共役化することにより得られるものを用いてもよい。
上述した中でも脱水ひまし油は、共役リノール酸成分(共役不飽和脂肪酸成分)を多く含むことから、好適に用いることができ、酸化重合反応をより効果的に進行させることができる。その結果、より強固にトナー画像を定着させることができる。
絶縁性液体中における全脂肪酸成分に対する不飽和脂肪酸成分の割合は、特に限定されないが、10mol%以上であるのが好ましく、20mol%以上であるのがより好ましく、20〜90mol%であるのがさらに好ましい。これにより、定着時において、酸化重合反応をより効果的に進行させることができる。
飽和脂肪酸成分は、液体現像剤の化学的安定性を高く保つ機能を有する成分である。従って、絶縁性液体中に、飽和脂肪酸成分を含む場合、液体現像剤の化学変化を効果的に防止することができ、その結果、得られる液体現像剤の保存性、長期安定性をより高いものとすることができる。
このような飽和脂肪酸成分を構成する飽和脂肪酸としては、例えば、酪酸(C4)、カプロン酸(C6)、カプリル酸(C8)、カプリン酸(C10)、ラウリン酸(C12)、ミスチリン酸(C14)、パルミチン酸(C16)、ステアリン酸(C18)、アラキジン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、リグノセリン酸(C24)等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。上記のような飽和脂肪酸の中でも、分子内の炭素数が、6〜22のものであるのが好ましく、8〜20のものであるのがより好ましく、10〜18のものであるのがさらに好ましい。このような飽和脂肪酸で構成された飽和脂肪酸成分を含むことにより、前述したような効果はさらに顕著なものとして発揮される。
上記のような飽和脂肪酸成分は、例えば、パーム油(特に、パーム核油)、ココナッツ油、ヤシ油等の植物由来の油脂、各種動物由来の油脂(例えば、バター等)等の天然由来の油脂から効率良く得ることができる。
上述したような酸化防止剤としては、例えば、トコフェローラ、d−トコフェローラ、dl−α−トコフェローラ、酢酸−α−トコフェローラ、酢酸dl−α−トコフェローラ、酢酸トコフェローラ、α−トコフェローラ等のビタミンE、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩類、アスコルビン酸ステアリン酸エステル等のビタミンC、緑茶抽出物、生コーヒー抽出物、セサモール、セサミノール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述したような絶縁性液体の室温(20℃)での電気抵抗は、1×109Ωcm以上であるのが好ましく、1×1011Ωcm以上であるのがより好ましく、1×1013Ωcm以上であるのがさらに好ましい。
また、絶縁性液体の誘電率は、3.5以下であるのが好ましい。
後に詳述する本発明の液体現像装置において、中間転写部に対して、最後に単色像を転写する液体現像剤は、上述した不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応(硬化反応)を促進する酸化重合促進剤(硬化促進剤)を含んでいる。
液体現像剤中に酸化重合促進剤が含まれる場合、当該酸化重合促進剤は、特に限定されないが、保存時等(画像形成装置のアイドリング時等を含む)においては、実質的に、絶縁性液体の酸化重合反応に寄与せず、定着時において不飽和脂肪酸成分の酸化重合(硬化)反応に寄与するものであるのが好ましい。
このような酸化重合促進剤としては、例えば、脂肪酸金属塩が挙げられる。
このような酸化重合促進剤は、一般に、それ自体が、例えば、褐色等の色を呈している。従って、通常、カラー現像に適用する場合、酸化重合促進剤が呈する色により、得られる画像の色味を低下させるという問題があるが、後述するような本発明の液体現像装置に適用することにより、このような問題を解決することができる。
まず、酸化重合促進剤を用意する。
次に、酸化重合促進剤を溶媒に溶解させる。
このような溶媒としては、酸化重合促進剤が溶解するものであれば、特に限定されず、例えば、二硫化炭素、四塩化炭素等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、2−ヘプタノン等のケトン系溶媒、ペンタノール、n−ヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、アニソール等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、イソプレン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒、フラン、チオフェン等の芳香族複素環化合物系溶媒、クロロホルム等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、アクリル酸エチル等のエステル系溶媒、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系溶媒等の有機溶媒等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を混合したものを用いることができる。
次に、溶液を吸着させた多孔質体とポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルとを加温しつつ混合する。
多孔質体とポリエーテルとの混合比は、重量比で、1:0.5〜1:10程度であるのが好ましく、1:1〜1:5程度であるのがより好ましい。
また、多孔質体とポリエーテルとを混合する際の温度は、5〜80℃であるのが好ましく、20〜80℃であるのがより好ましい。
その後、ろ過して石油系炭化水素を除去することにより、カプセル化した酸化重合促進剤が得られる。
次に、トナー粒子について説明する。
(トナー粒子の構成材料)
トナー粒子(トナー)は、少なくとも、結着樹脂(樹脂材料)を含むものである。
1.樹脂材料
液体現像剤を構成するトナーは、主成分としての樹脂材料を含む材料で構成されている。
本発明においては、樹脂(バインダー樹脂)は、特に限定されず、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クローラアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂等が挙げられる。これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。この中でも、ポリエステル樹脂を用いた場合、液体現像剤中でのトナー粒子の分散性を特に優れたものとすることができる。これは、ポリエステル樹脂と、植物油との親和性が高いためであると考えられる。
また、トナーは、着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、例えば、顔料、染料等を使用することができる。このような顔料、染料としては、例えば、カーボンブラック、スピリットブラック、ランプブラック(C.I.No.77266)、マグネタイト、チタンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、キノリンイエロー、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、カルコオイルブルー、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、ファイナルイエローグリーンG、ローダミン6G、キナクリドン、ローズベンガル(C.I.No.45432)、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー5:1、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー162、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、金属錯塩染料、シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、トナーは、上記以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、ワックス、帯電制御剤、磁性粉末等が挙げられる。
ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セルシン、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャー・トロプシュワックス等の炭化水素系ワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、キャンデリラワックス、綿ロウ、木ロウ、ミツロウ、ラノリン、モンタンワックス、脂肪酸エステル等のエステル系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等のオレフィン系ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド等のアミド系ワックス、ラウロン、ステアロン等のケトン系ワックス、エーテル系ワックス等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
磁性粉末としては、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料で構成されたもの等が挙げられる。
また、混練物の構成材料(成分)としては、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、脂肪酸、脂肪酸金属塩等を用いてもよい。
上記のような材料で構成されたトナー粒子の平均粒径は、0.1〜5μmであるのが好ましく、0.1〜4μmであるのがより好ましく、0.5〜3μmであるのがさらに好ましい。トナー粒子の平均粒径が前記範囲内の値であると、液体現像剤(トナー)により形成される画像の解像度を十分に高いものとすることができる。
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。)
液体現像剤中におけるトナー粒子の含有率は、10〜60wt%であるのが好ましく、10〜30wt%であるのがより好ましい。
次に、本発明の画像形成装置について説明する。
本発明の画像形成装置は、不飽和脂肪酸成分を含む絶縁性液体中にトナー粒子が分散した液体現像剤を用いて記録媒体上にカラー画像を形成するものである。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す模式図、図2は、本発明の液体現像装置が備える現像ユニットの一例を示す模式図、図3は、本発明の画像形成装置に適用される定着装置の一例を示す断面図である。なお、図1中、矢印は上下方向を示すものである。
画像形成装置1000は、図1に示すように、液体現像装置10と定着装置F40とを備えている。
まず、液体現像装置10について、添付図面を参照しつつ説明する。
液体現像装置10は、図1に示すように、4つの現像部15Y、15M、15C、15Kと、中間転写部70と、2次転写ユニット(2次転写部)80とを有している。
現像部15Y、15M、15C、15Kは、それぞれ、イエロー(Y)の液体現像剤、マゼンダ(M)の液体現像剤、シアン(C)の液体現像剤、ブラック(K)の液体現像剤で、潜像を現像し、各色に対応した単色像を形成する機能を有している。
現像部15Kは、図1に示すように、像担持体の一例としての感光体20Kと、感光体20Kの回転方向に沿って、帯電ユニット30Kと、露光ユニット40Kと、現像ユニット50Kと、一次転写ユニット60Kと、除電ユニット73Kと、感光体クリーニングユニット75Kとを有している。
帯電ユニット30Kは、感光体20Kを帯電するための装置であり、露光ユニット40Kは、レーザを照射することによって帯電された感光体20K上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット40Kは、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の不図示のホストコンピュータから入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体20K上に照射する。
現像ユニット50Kは、感光体20K上に形成された潜像を、ブラック(K)液体現像剤を用いて現像するための装置である。なお、現像ユニット50Kの詳細については後述する。
1次転写ユニット60Y、60M、60C、60Kにより、現像部15Y、15M、15C、15Kで形成された各色に対応した単色像が順次転写され、各色に対応した単色像が重ね合わされ、後述する中間転写部70にフルカラー現像剤像(中間転写像)が形成される。
2次転写ユニット80は、中間転写部70上に形成された中間転写像を紙、フィルム、布等の記録媒体2に転写するための装置である。
2次転写ユニット80により記録媒体2上に転写されたトナー像(転写像)2aは、後述する定着装置F40に送られ、定着が行われる。
感光体クリーニングユニット75Kは、感光体20Kの表面に当接されたゴム製の感光体クリーニングブレード76Kを有し、1次転写ユニット60Kによって中間転写部70上に現像剤像が転写された後に、感光体20K上に残存する液体現像剤を感光体クリーニングブレード76Kにより掻き落として除去するための装置である。
また、記録媒体側に酸化重合促進剤を含む層と記録媒体とが接触するように中間転写像が転写されるので、酸化重合促進剤を含む絶縁性液体が記録媒体に染み込み、その状態で定着により不飽和脂肪酸成分が固化するので、アンカー効果が働き、強固にトナー粒子を定着させることができる。
現像ユニット50Kは、図2に示すように、液体現像剤貯留部530と、液体現像剤供給ローラ550と、揚液ローラ540と、規制ブレード560と、現像ローラ510と、現像ローラクリーニングユニット570とを有している。
また、現像ユニット50Kの液体現像剤貯留部530には、図1、図2に示すように、酸化された不飽和脂肪酸成分を還元する還元部材590が設けられている。
この還元部材590は、液体現像剤貯留部530内の液体現像剤Dと接触するように、液体現像剤Dの液面付近に配されている。
そこで、このように液体現像剤貯留部530内に、酸化された不飽和脂肪酸成分を還元する還元部材590を設置することにより、絶縁性液体の機能の低下を長期にわたって防止することができ、その結果、得られる画像の画質の低下をより効果的に防止することができる。
ゼオライトは、縮合アルミノケイ酸塩の構造を有しており、SiO4四面体、または、Siの代わりにAlが置換したAlO4四面体が、酸素原子を共有して3次元網目状に結合した結晶である。
ゼオライトは、陽イオン交換能を有しており、この能力により、酸化された不飽和脂肪酸成分を還元しているものと考えられる。
還元部材590が多孔質体であると、液体現像剤Dとの接触面積が大きくなり、効率良く不飽和脂肪酸成分を還元することができる。また、液体現像剤1中に含まれる酸素を細孔中に取り込み、液体現像剤Dに含まれる不飽和脂肪酸成分の酸化を効果的に防止することができる。
また、還元部材590は、着脱可能となっており、これにより、還元能や吸着能が低下した還元部材を新しいものと交換することが可能となる。
また、現像剤供給ローラ550は、当該現像剤供給ローラ550上の液体現像剤Dを現像ローラ510に適切に転写するために、その表面が、当該現像ローラ510の後述する弾性体の層に圧接している。また、現像剤供給ローラ550は、その中心軸550aを中心として回転可能であり、当該中心軸550aは、現像ローラ510の回転中心軸よりも下方にある。また、現像剤供給ローラ550は、現像ローラ510の回転方向(図2において反時計方向)と逆の方向(図2において時計方向)に回転する。
揚液ローラ540は、その中心軸540aの軸方向が液体現像剤供給ローラ550の中心軸550aの軸方向に沿うように、かつ、前述した鉛直面Aから見て、液体現像剤供給ローラ550が回転して液体現像剤Dに進入する側(すなわち、鉛直面Aから見て図2中右側)に設けられている。また、揚液ローラ540の中心軸540aは、液体現像剤供給ローラ550の中心軸550aよりも、鉛直方向下方に位置し、かつ、揚液ローラ540の上端540bは、液体現像剤供給ローラ550の中心軸550aよりも、鉛直方向上方に位置している。さらに、揚液ローラ540は、液体現像剤供給ローラ550から、約2mmの幅を持って離間している。
また、揚液ローラ540は、その中心軸540aを中心として回転可能であり、液体現像剤供給ローラ550の回転方向(図2において時計方向)と同方向(図2において時計方向)に回転する。揚液ローラ540の回転速度は、液体現像剤供給ローラ550の回転速度と、線速度で同速である。
なお、揚液ローラ540は、上述した機能を有するとともに、液体現像剤貯留部530に収容されている液体現像剤Dを液体現像剤供給ローラ550へ向けて移動させることにより、液体現像剤Dを液体現像剤供給ローラ550へ供給する機能や、液体現像剤Dを適正な状態に維持するために液体現像剤Dを撹拌する機能をも有している。
このように構成された現像ユニット50Kにおいて、揚液ローラ540が、その中心軸540a回りに回転することによって、液体現像剤貯留部530に収容されている液体現像剤Dを液体現像剤供給ローラ550へ向けて移動させ、液体現像剤Dを液体現像剤供給ローラ550へ供給する。
液体現像剤供給ローラ550に保持された液体現像剤Dは、液体現像剤供給ローラ550のさらなる回転によって、現像ローラ510との圧接位置に至る。当該圧接位置に至った液体現像剤Dは、液体現像剤供給ローラ550と現像ローラ510が圧接することにより生ずる圧力の作用より、液体現像剤供給ローラ550から現像ローラ510へ転写され、現像ローラ510上には液体現像剤Dの薄膜が形成される。
なお、液体現像剤供給ローラ550の回転は、揚液ローラ540が回転している状態で開始する。すなわち、液体現像装置10は、揚液ローラ540を回転させた後に、液体現像剤供給ローラ550を回転させる。
次に、定着装置について説明する。
定着装置F40は、液体現像装置によって形成されたトナー画像2aを有する記録媒体2上に、トナー画像2aを定着させるものである。
定着装置F40は、図2に示すように、熱定着ローラF1と、加圧ローラF2と、耐熱ベルトF3と、ベルト張架部材F4と、クリーニング部材F6と、フレームF7と、スプリングF9とを有している。
熱定着ローラF1の弾性体F1cは、その表層に、離型層F11cを備えている。
離型層F11cは、定着の際に、トナー粒子が熱定着ローラF1の表面に付着するのを防止する機能を有している。
離型層F11cを構成宇する材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素ゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
また、加圧ローラF2は、パイプ材で構成されたローラ基材F2bと、その外周を被覆する弾性体F2cとを有し、図に矢印で示す時計方向に回転可能になっている。
前述した熱定着ローラF1の弾性体F1cと加圧ローラF2の弾性体F2cとは、略均一な弾性変形をして、いわゆる水平ニップを形成する。また、熱定着ローラF1の周速に対して、後述する耐熱ベルトF3または記録媒体2の搬送速度に差異が生じることもないので、極めて安定した画像定着が可能となる。
この耐熱ベルトF3は、0.03mm以上の厚みを有し、その表面(記録媒体2が接触する側の面)をPFAで形成し、裏面(加圧ローラF2およびベルト張架部材F4と接触する側の面)をポリイミドで形成した2層構成のシームレスチューブで形成されている。なお、耐熱ベルトF3は、これに限定されず、ステンレス管やニッケル電鋳管等の金属管、シリコーン等の耐熱樹脂管等の他の材料で形成することもできる。
ベルト張架部材F4は、記録媒体2が定着ニップ部を通過しない状態において、耐熱ベルトF3を熱定着ローラF1の接線方向に張架するように構成されている。記録媒体2が定着ニップ部に進入する初期位置で定着圧力が大きいと進入がスムーズに行われなくて、記録媒体2の先端が折れた状態で定着される場合があるが、このように耐熱ベルトF3を熱定着ローラF1の接線方向に張架する構成にすることで、記録媒体2の進入がスムーズに行われる記録媒体2の導入口部が形成でき、安定した記録媒体2の定着ニップ部への進入が可能となる。
ベルト張架部材F4が熱定着ローラF1に軽く押圧される位置がニップ初期位置とされ、また、熱定着ローラF1に加圧ローラF2が押圧する位置がニップ終了位置とされる。
このクリーニング部材F6は耐熱ベルトF3の内周面に摺接して耐熱ベルトF3の内周面の異物や摩耗粉等をクリーニングするものである。このように異物や摩耗粉等をクリーニングすることで、耐熱ベルトF3をリフレッシュし、前述の摩擦係数の不安定要因を除去している。また、ベルト張架部材F4に凹部F4fが設けられており、耐熱ベルトF3から除去した異物や摩耗粉等を収納するよう構成されている。
未定着トナー画像を定着する際の定着温度は、80〜200℃であるのが好ましく、80〜180℃であるのがより好ましい。このような定着温度であると、不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応をより効果的に進行させることができ、トナー粒子の定着強度をより効果的に向上させることができる。
例えば、本発明の液体現像装置および画像形成装置を構成する各部は、同様の機能を発揮する任意のものと置換、または、その他の構成を追加することもできる。
また、本発明の液体現像装置および画像形成装置は、図示の構成のものに限定されない。
また、前述した実施形態では、定着の際に熱をかける場合について説明したが、これに限定されず、例えば、紫外線を照射してもよい。
また、前述した実施形態では、定着ローラ側から加熱するものとして説明したが、加圧ローラ側から加熱するものであってもよい。
(ブラックの液体現像剤A−1)
まず、自己分散型樹脂としての、側鎖に多数の−SO3 −基(スルホン酸Na基)を有するポリエステル樹脂(ガラス転移点:55℃、軟化温度:123℃):80重量部と、着色剤としてのカーボンブラック:20重量部とを用意した。これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.0mm以下の粉末とした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
次に、混練物の粗粉砕物:100重量部をトルエン:250重量部に添加し、超音波ホモジナイザー(出力:400μA)を用いて、1時間処理することにより、混練物の自己分散型樹脂が溶解した溶液を得た。なお、この溶液中において、顔料は均一に微分散していた。
この水系液体をホモミキサー(特殊機化工業社製)で攪拌回転数を調整した。
このような攪拌状態の水系液体中に、上記溶液(混練物のトルエン溶液)を滴下した。これにより、平均粒径が1.2μmの分散質が均一に分散した水系乳化液が得られた。
その後、温度:100℃、雰囲気圧力:80kPaの条件下で、水系乳化液中のトルエンを除去し、さらに、室温まで冷却することにより、固形微粒子が分散した水系懸濁液を得た。得られた水系懸濁液中には、実質的にトルエンは残存していなかった。得られた水系懸濁液の固形分(分散質)濃度は30.5wt%であった。また、懸濁液中に分散している分散質(固形微粒子)の平均粒径は0.8μmであった。なお、分散質の平均粒径の測定は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920)を用いて行った。
得られたトナー粒子:100重量部と、絶縁性液体としての高ヨウ素価アマニ油(日清オイリオ社製):160重量部と、分散剤としてのポリアミン脂肪族縮重合体(日本ルーブリゾール社製、商品名「ソルスパース11200」):4重量部と、帯電制御剤としてのステアリン酸アルミニウム:0.56重量部とを用意した。
これらの成分を乳化分散機(エム・テクニック社製)を用いて回転数10000rpmで液温が樹脂のガラス転移温度以上にならないよう注意しながら分散させ、さらに、酸化重合促進剤としてのカプセル化したオクチル酸コバルト:1重量部を添加し、液体現像剤Kを得た。
得られた液体現像剤K中における、トナー粒子の平均粒径は1.0μm、各トナー粒子間での粒径の標準偏差は0.45μmであった。
まず、オクチル酸コバルト:10gをアセトン15mlに溶解させ、得られた溶液を多孔質親水性シリカゲルに吸着させ、芯材を得た。
次に、得られた芯材10gとポリエチレングリコール(PEG)20gとを加温混合し、混合物を得た。
次に、この混合物を日石三菱社製AF6号ソルベント400ml中に入れ、ホモミキサーにて十分分散させた後、徐冷してPEGを沈着させた。
その後、ろ過により溶剤を除去してカプセル化されたオクチル酸コバルトを得た。
酸化重合促進剤の添加を行わなかった以外は、前記液体現像剤A−1と同様にして液体現像剤A−1’を製造した。
(イエローの液体現像剤A−2)
着色剤としてイエロー系顔料(大日精化社製、ピグメントイエロー93)を用い、酸化重合促進剤の添加を行わなかった以外は、前記液体現像剤A−1と同様にして液体現像剤A−2を製造した。
(マゼンダの液体現像剤A−3)
着色剤としてマゼンダ系顔料(大日精化社製、ピグメントレッド122)を用い、酸化重合促進剤の添加を行わなかった以外は、前記液体現像剤A−1と同様にして液体現像剤A−3を製造した。
着色剤としてシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3)を用い、酸化重合促進剤の添加を行わなかった以外は、前記液体現像剤A−1と同様にして液体現像剤A−4を製造した。
(シアンの液体現像剤A−4’)
着色剤としてシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3)を用いた以外は、前記液体現像剤A−1と同様にして液体現像剤A−4’を製造した。
まず、樹脂材料としてのエポキシ樹脂(エピコート1004、軟化温度Tf:128℃):80重量部と、着色剤としてのカーボンブラック:20重量部とを用意した。これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
次に、この原料(混合物)を、2軸混練押出機を用いて、混練した。2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を、冷却機を用いて冷却した。冷却された混練物を粉砕し、平均粒径:1.0mm以下の粉末(粉砕物)とした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
次に、上記のようにして得られた粗粉砕物:100重量部と、第1の液体としてオレイン酸メチル:100重量部と、分散剤としてのポリアミン脂肪族縮重合体(日本ルーブリゾール社製、商品名「ソルスパース11200」):10重量部と、帯電制御剤としてのステアリン酸マグネシウム:1.4重量部とを用意した。
得られた液体現像剤B中における、トナー粒子の平均粒径は1.5μm、各トナー粒子間での粒径の標準偏差は0.48μmであった。
着色剤としてイエロー系顔料(大日精化社製、ピグメントイエロー93)を用い、酸化重合促進剤の添加を行わなかった以外は、前記液体現像剤B−1と同様にして液体現像剤B−2を製造した。
(マゼンダの液体現像剤B−3)
着色剤としてマゼンダ系顔料(大日精化社製、ピグメントレッド122)を用い、酸化重合促進剤の添加を行わなかった以外は、前記液体現像剤B−1と同様にして液体現像剤B−3を製造した。
(シアンの液体現像剤B−4)
着色剤としてシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3)を用い、酸化重合促進剤の添加を行わなかった以外は、前記液体現像剤B−1と同様にして液体現像剤B―4を製造した。
まず、樹脂材料としてのエポキシ樹脂(エピコート1004、軟化温度Tf:128℃):80重量部と、着色剤としてのカーボンブラック:20重量部とを用意した。これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
次に、この原料(混合物)を、2軸混練押出機を用いて、混練した。2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を、冷却機を用いて冷却した。冷却された混練物を粉砕し、平均粒径:1.0mm以下の粉末(粉砕物)とした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
次に、上記のようにして得られた粗粉砕物:100重量部と、アイソパーH(エクソン化学社の商品名):100重量部と、分散剤としてのポリアミン脂肪族縮重合体(日本ルーブリゾール社製、商品名「ソルスパース11200」):10重量部と、帯電制御剤としてのステアリン酸マグネシウム:1.4重量部とを用意した。
得られた液体現像剤C中における、トナー粒子の平均粒径は1.5μm、各トナー粒子間での粒径の標準偏差は0.48μmであった。
着色剤としてイエロー系顔料(大日精化社製、ピグメントイエロー93)を用いた以外は、前記液体現像剤C−1と同様にして液体現像剤C−2を製造した。
(マゼンダの液体現像剤C−3)
着色剤としてマゼンダ系顔料(大日精化社製、ピグメントレッド122)を用いた以外は、前記液体現像剤C−1と同様にして液体現像剤C−3を製造した。
(シアンの液体現像剤C−4)
着色剤としてシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3)を用いた以外は、前記液体現像剤C−1と同様にして液体現像剤C−4を製造した。
(実施例1)
図1に示すような液体現像装置10の現像部15Y、15M、15C、15Kに、それぞれ、液体現像剤A−2、A−3、A−4、A−1を投入し、室温条件下で、記録媒体(富士ゼロックスオフィスサプライ製、J紙)上に未定着の所定パターンのトナー像を形成し、その後、図3に示すような定着装置を用いて定着を行った。
図1に示すような液体現像装置10の現像部15Y、15M、15C、15Kに、それぞれ、液体現像剤A−2、A−3、A−1’、A−4’を投入し、室温条件下で、記録媒体(富士ゼロックスオフィスサプライ製、J紙)上に未定着の所定パターンのトナー像を形成し、その後、図3に示すような定着装置を用いて定着を行った。
図1に示すような液体現像装置10の現像部15Y、15M、15C、15Kに、それぞれ、液体現像剤B−2、B−3、B−4、B−1を投入し、室温条件下で、記録媒体(富士ゼロックスオフィスサプライ製、J紙)上に未定着の所定パターンのトナー像を形成し、その後、図3に示すような定着装置を用いて定着を行った。
以上の各実施例および各比較例について、各現像部に投入した液体現像剤の色、および酸化重合促進剤の有無を表1に示した。
図1に示すような液体現像装置10の現像部15Y、15M、15C、15Kに、それぞれ、液体現像剤A−1、A−2、A−3、A−4を投入し、室温条件下で、記録媒体(富士ゼロックスオフィスサプライ製、J紙)上に未定着の所定パターンのトナー像を形成し、その後、図3に示すような定着装置を用いて定着を行った。
図1に示すような液体現像装置10の現像部15Y、15M、15C、15Kに、それぞれ、液体現像剤A−2、A−3、A−4’、A−1’を投入し、室温条件下で、記録媒体(富士ゼロックスオフィスサプライ製、J紙)上に未定着の所定パターンのトナー像を形成し、その後、図3に示すような定着装置を用いて定着を行った。
図1に示すような液体現像装置10の現像部15Y、15M、15C、15Kに、それぞれ、液体現像剤A−2、A−3、A−4、A−1’を投入し、室温条件下で、記録媒体(富士ゼロックスオフィスサプライ製、J紙)上に未定着の所定パターンのトナー像を形成し、その後、図3に示すような定着装置を用いて定着を行った。
図1に示すような液体現像装置10の現像部15Y、15M、15C、15Kに、それぞれ、液体現像剤C−2、C−3、C−4、C−1を投入し、室温条件下で、記録媒体(富士ゼロックスオフィスサプライ製、J紙)上に未定着の所定パターンのトナー像を形成し、その後、図3に示すような定着装置を用いて定着を行った。
(3−1)定着強度
上記各実施例および各比較例で得られた記録媒体上の定着トナー画像を消しゴム(ライオン事務機社製、砂字消し「LION 261−11」)を押圧荷重1.0kgfで2回擦り、画像濃度の残存率をX−Rite Inc社製「X−Rite model 404」により測定し、以下の5段階の基準に従い評価した。
◎◎:画像濃度残存率が95%以上。
◎ :画像濃度残存率が90%以上95%未満。
○ :画像濃度残存率が80%以上90%未満。
△ :画像濃度残存率が70%以上80%未満。
× :画像濃度残存率が70%未満。
定着後のマゼンダ、イエロー、シアンの混色パッチおよびブラックのパッチをX−Rite968にて測色し、酸化重合促進剤を添加しなかった場合の定着パッチに対する色再現性を下記の基準で評価した。
○:原稿と差がない(△E≦3)
△:原稿の色とやや異なる(3<△E<5)
×:原稿の色と大きく異なる(△E≧5)
これらの結果を表2に示した。
Claims (6)
- 不飽和脂肪酸成分を含む絶縁性液体中にトナー粒子が分散した液体現像剤を用いて、記録媒体上にカラー画像を形成する液体現像装置であって、
色の異なる複数の液体現像剤を用いて、各色に対応した単色像を形成する複数の現像部と、
複数の前記現像部で形成された複数の前記単色像が順次転写され、転写された複数の前記単色像を重ね合わせてなる中間転写像を形成する中間転写部と、
前記中間転写像を前記記録媒体に転写する2次転写部とを有し、
複数の前記現像部のうち、前記中間転写部に対して、最後に前記単色像を転写する前記現像部は、定着時において前記不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応を促進する酸化重合促進剤を含む液体現像剤を収容し、
複数の前記現像部のうち、前記中間転写部に対して、最後に前記単色像を転写する前記現像部以外の現像部は、前記酸化重合促進剤を実質的に含まない液体現像剤を収容し、
前記現像部は、前記液体現像剤を貯留する液体現像剤貯留部を有し、
少なくとも、最後に前記単色像を転写する前記現像部の前記液体現像剤貯留部には、酸化された前記不飽和脂肪酸成分を還元する、主としてゼオライトで構成された還元部材が配されていることを特徴とする液体現像装置。 - 前記中間転写部に対して、最後に前記単色像を転写する前記現像部は、ブラックに対応した単色像を形成する現像部である請求項1に記載の液体現像装置。
- 前記酸化重合促進剤は、カプセル化された状態で前記液体現像剤中に含まれる請求項1または2に記載の液体現像装置。
- 不飽和脂肪酸成分を含む絶縁性液体および第1のトナーを有する第1の液体現像剤を現像する第1現像部と、
前記第1現像部で現像された第1の像を担持する第1像担持体と、
前記第1像担持体に現像された前記第1の像が転写される転写媒体と、
前記転写媒体に前記第1の像を転写する第1転写部と、
前記第1のトナーとは異なる色の第2のトナー、前記不飽和脂肪酸成分を含む絶縁性液体、および前記不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応を促進する酸化重合促進剤を含む第2の液体現像剤を現像する第2現像部と、
前記第2現像部で現像された第2の像を担持する第2像担持体と、
前記第1の像が転写された前記転写媒体に前記第2の像を転写する第2転写部と、
前記第2の像が転写された転写媒体から記録媒体に前記第1の像および前記第2の像を転写する転写部と、
前記記録媒体に転写された像を加熱定着する定着部と、
を有し、
前記第2の像が最後に前記転写部へ転写される像であり、
前記第1の液体現像剤は、前記酸化重合促進剤を実質的に含まず、
前記第2現像部は、前記液体現像剤を貯留する液体現像剤貯留部を有し、
少なくとも前記第2現像部の前記液体現像剤貯留部には、酸化された前記不飽和脂肪酸成分を還元する、ゼオライトを含む還元部材が配されていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記酸化重合促進剤は、カプセル化された状態で前記第2の液体現像剤中に含まれる請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記第2のトナーはブラックトナーである請求項4または5に記載の画像形成装置。
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