JP4806770B2 - 固体酸触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸触媒に関する。
酸触媒は、現代の化学産業に不可欠なものであり、薬品、石油化学工業製品等の生産に使用されている。酸触媒の多くは、塩酸、硫酸等の液体酸触媒である。
液体酸触媒を用いて種々の製品を製造する際には、液相での反応を行うため液体酸触媒が系中に残るので、通常、アンモニア等の塩基による中和が必須となっている。そして、中和により生成する塩を除去することも必須となっている。この中和および塩の除去には、多大なエネルギーが必要である。また、回収される塩は、一般に供給過剰であり、その処理が困難であることが多い。
上述したような液体酸触媒の問題点を解決するものとして、シリカ−アルミナ複合酸化物、ゼオライト等の種々の固体酸触媒が提案されている。
また、固体酸触媒としては、Nb25−MoO3複合酸化物、Nb25・nH2O、プロトン型強酸性ビーズ状フッ素含有樹脂も知られている。
更に、特許文献1には、アルカリ金属カチオンを挟んでチタンニオブ酸の層状金属酸化物層からなるポリアニオンナノシートが規則正しく積層しているカチオン交換性層状金属酸化物を0.0001M〜1Mに調整された無機酸あるいは有機酸により前記アルカリ金属カチオンをプロトン交換し、次いで前記プロトン交換体の層間に有機アミン及び有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンを挿入し積層している各層を一旦剥離し、前記有機アミンまたは有機アンモニウムカチオンが吸着した金属酸化物シートのコロイド水溶液を得、次いで前記コロイド水溶液に0.0001M〜1Mに調整された無機酸あるいは有機酸を加え前記有機アミンまたは有機アンモニウムカチオンをプロトン交換すると共にチタンニオブ酸ナノシートに凝集させることによって得られたTi/Nb原子比zが1<z<1.5のHTixNbyO5〔xが1.1<x<1.2であり、yが0.9>y>0.8である〕で表される固体酸触媒が記載されている。
更に、シート状金属酸化物凝集体からなるHNb38ナノシートも知られている(非特許文献1〜3参照。)。
特開2004−174295号公報 Takagaki,A.;Lu,D.;Kondo,J.N.;Hara,M.;Hayashi,S.;Domen,K.Chemistry of Materials 2005,17,2487. 日本化学会第84春季年会(2004)「講演予稿集I」社団法人日本化学会、平成16年3月11日発行、第455頁(4L1−03) 「触媒」触媒学会、平成16年9月10日発行、第46巻、第6号、第513頁
本発明は、新規固体酸触媒を提供することを課題とする。
本発明者は、新規固体酸触媒を提供すべく鋭意研究した結果、シート状の金属酸化物が層状構造を形成している金属酸化物層と、前記金属酸化物層の層間に存在するプロトンとを有する固体酸触媒であって、前記金属酸化物が、ニオブおよび/またはタンタルと、モリブデンおよび/またはタングステンとを含有する、固体酸触媒が、触媒活性を示すことを見出した。
また、本発明者は、シート状の金属酸化物が凝集してなる金属酸化物凝集体と、前記金属酸化物凝集体の表面に存在するプロトンとを有する固体酸触媒であって、前記金属酸化物が、ニオブと、モリブデンおよび/またはタングステンとを含有する、固体酸触媒が、触媒活性を示すことを見出した。
本発明者は、これらの知見に基づき、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(i)〜(viii)を提供する。
(i)金属酸化物が層状構造を形成している金属酸化物層と、前記金属酸化物層の層間に存在するプロトンとを有する固体酸触媒であって、
前記金属酸化物が、ニオブおよび/またはタンタルと、モリブデンを含有する、固体酸触媒。
(ii)前記金属酸化物が、下記式(1)で表される、上記(i)に記載の固体酸触媒。
1 a2 b6 (1)
(上記式中、M1は、Nbおよび/またはTaを表し、M2は、Mo表し、aは、0.5〜1.5の数を表し、bは、0.5〜1.5の数を表し、a/bは、0.33〜3の数を表す。)
(iii)少なくとも、ニオブ化合物および/またはタンタル化合物と、モリブデン化合物、アルカリ金属を含有する化合物とを混合させて原料混合物を作製し、前記原料混合物を焼成することにより、層間にアルカリ金属イオンを有する層状金属酸化物を調製し、その後、酸水溶液を用いて前記層状金属酸化物が有する前記アルカリ金属イオンをプロトンに交換して得られる、上記(i)または(ii)に記載の固体酸触媒。
(iv)金属酸化物が凝集してなる金属酸化物凝集体と、前記金属酸化物凝集体の表面に存在するプロトンとを有する固体酸触媒であって、
前記金属酸化物が、ニオブと、モリブデンを含有する、固体酸触媒。
(v)前記金属酸化物が、下記式(2)で表される、上記(iv)に記載の固体酸触媒。
Nbc3 d6 (2)
(上記式中、M3は、Mo表し、cは0.5〜1.5の数を表し、dは0.5〜1.5の数を表し、c/dは、0.33〜3の数を表す。)
(vi)前記金属酸化物が、シート状である、上記(iv)または(v)に記載の固体酸触媒。
(vii)BET比表面積が1〜250m2/gである、上記(iv)〜(vi)のいずれかに記載の固体酸触媒。
(viii)少なくとも、ニオブ化合物と、モリブデン化合物、アルカリ金属を含有する化合物とを混合させて原料混合物を作製し、前記原料混合物を焼成することにより、層間にアルカリ金属イオンを有する層状金属酸化物を調製し、その後、酸水溶液を用いて前記層状金属酸化物が有する前記アルカリ金属イオンをプロトンに交換し、更に、有機アミンおよび/または有機アンモニウムイオンを含有する水溶液を用いて、プロトン交換された前記層状金属酸化物層の層状構造をはく離させて金属酸化物のコロイドとし、その後、酸水溶液を用いて有機アミンおよび/または有機アンモニウムイオンをプロトンに交換して得られる、上記(iv)〜(vii)のいずれかに記載の固体酸触媒。
本発明の固体酸触媒は、触媒活性を示す。
以下、本発明の固体酸触媒を詳細に説明する。初めに、本発明の第1の態様の固体酸触媒について説明する。
本発明の第1の態様の固体酸触媒は、金属酸化物が層状構造を形成している金属酸化物層と、前記金属酸化物層の層間に存在するプロトンとを有する固体酸触媒であって、前記金属酸化物が、ニオブおよび/またはタンタルと、モリブデンおよび/またはタングステンとを含有する、固体酸触媒である。
図1は、本発明の第1の態様の固体酸触媒を示す模式図である。
図1に示される本発明の第1の態様の固体酸触媒10は、金属酸化物が層状構造を形成している金属酸化物層2と、金属酸化物層2の層間に存在するプロトン4とを有する。
金属酸化物層2は、金属酸化物が層状構造を形成したものである。金属酸化物は、ニオブおよび/またはタンタルと、モリブデンおよび/またはタングステンとを含有するものであれば、特に限定されない。例えば、下記式(1)で表される金属酸化物が挙げられる。
1 a2 b6 (1)
上記式中、M1は、Nbおよび/またはTaを表し、M2は、Moおよび/またはWを表し、aは、0.5〜1.5の数を表し、bは、0.5〜1.5の数を表し、a/bは、0.33〜3の数を表す。
中でも、ニオブとモリブデンとを含有する金属酸化物、ニオブとタングステンを含有する金属酸化物が好適に例示される。特に、ニオブとモリブデンとを含有する金属酸化物が触媒活性に優れる点で好ましい。
ニオブとモリブデンとを含有する金属酸化物としては、例えば、下記式(1a)で表されるニオブ−モリブデン複合酸化物が挙げられる。
NbaMob6 (1a)
上記式中、aは、0.5〜1.5の数を表し、bは、0.5〜1.5の数を表し、a/bは、0.33〜3の数を表す。
ニオブ−モリブデン複合酸化物としては、例えば、八面体のNbO6と八面体のMoO6とからなる結晶構造を有するものが挙げられる。
ニオブとタングステンとを含有する金属酸化物としては、例えば、下記式(1b)で表されるニオブ−タングステン複合酸化物が挙げられる。
Nbab6 (1b)
上記式中、aは、0.5〜1.5の数を表し、bは、0.5〜1.5の数を表し、a/bは、0.33〜3の数を表す。
ニオブ−タングステン複合酸化物としては、例えば、八面体のNbO6と八面体のWO6とからなる結晶構造を有するものが挙げられる。
上述したように、金属酸化物層2は、金属酸化物が層状構造を形成したものである。
金属酸化物層2の層間距離は、特に限定されないが、通常、0.5〜2nm程度である。
プロトン4は、金属酸化物層2の層間に存在している。また、プロトン4は、図1に示されるように金属酸化物層2を構成する金属酸化物の表面に存在していてもよい。
本発明の第1の態様の固体酸触媒は、BET比表面積が、通常、1〜40m2/gである。
本発明の第1の態様の固体酸触媒は、製造方法を特に限定されないが、例えば、少なくとも、ニオブ化合物および/またはタンタル化合物と、モリブデン化合物および/またはタングステン化合物と、アルカリ金属を含有する化合物と、任意に用いられる有機化合物等とを混合させて原料混合物を作製し、原料混合物を焼成することにより、層間にアルカリ金属イオンを有する層状金属酸化物を調製し、その後、酸水溶液を用いて層状金属酸化物が有するアルカリ金属イオンをプロトンに交換する方法が挙げられる。
より具体的には、以下の(1)〜(3)を順に行う方法が好適に挙げられる。
(1)原料混合物の作製
後述する化合物を各構成元素が所定の組成比となるように混合して、原料混合物を得る。原料混合物に用いられる化合物は、目的とする組成を構成する元素に応じて選択される。
混合の方法は、特に限定されず、例えば、粉末状の化合物をそのまま混合して原料混合物とする方法;水および/または有機溶媒を用いてスラリー状として混合した後、乾燥させて原料混合物とする方法;上述した化合物の水溶液を混合して沈殿させ、得られた沈殿物を乾燥させて原料混合物とする方法;これらを併用する方法が挙げられる。
以下に、原料混合物に用いられる化合物を例示する。
ニオブ化合物は、特に限定されないが、例えば、Nb25、NbO、NbO2、Nb23、NbCl5、NbOCl3、NbBr5、NbF5、Nb(OCH35、Nb(OC255、Nb(O−i−C375、Nb(O−n−C375、Nb(O−i−C495、Nb(O−n−C495、Nb(O−sec−C495、LiNbO3、NaNbO3、KNbO3が挙げられる。
タンタル化合物は、特に限定されないが、例えば、Ta25、TaCl5、TabBr5、TaF5、Ta(OCH35、Ta(OC255、Ta(O−i−C375、Ta(O−n−C375、Ta(O−i−C495、Ta(O−n−C495、Ta(O−sec−C495、Ta(O−t−C495、LiTaO3、NaTaO3、KTaO3が挙げられる。
モリブデン化合物は、特に限定されないが、例えば、MoO2、MoO3、MoCl5、(NH46Mo724・4H2O、H2MoO4、C812Mo28、C410Cl4MoO2、C10146Mo、C1010Cl2Mo、Li2MoO4、Na2MoO4、5Na2O・12MoO3・36H2O、K2MoO4が挙げられる。
タングステン化合物は、特に限定されないが、例えば、WO2、WO3、WBr5、WCl5、WCl6、(NH4101241・5H2O、H2WO4、W(CO)6、W(OC255、W(O−i−C375、Li2WO4、Na2WO4、K2WO4が挙げられる。
アルカリ金属を含有する化合物としては、例えば、リチウム化合物、ナトリウム化合物、カリウム化合物、ルビジウム化合物、セシウム化合物、タリウム化合物が挙げられる。
リチウム化合物は、特に限定されないが、例えば、Li2CO3、LiOH、Li2O、Li22、LiCl、LiNO3、Li2SO4、LiHCO3、Li(CH3COO)、LiF、LiBr、LiI、Li224、Li3PO4、LiOCH3、LiOC25、LiO−i−C37、LiO−n−C37、LiO−i−C49、LiO−n−C49、LiO−sec−C49、LiO−t−C49が挙げられる。
ナトリウム化合物は、特に限定されないが、例えば、Na2CO3、NaOH、Na2O、NaCl、NaNO3、Na2SO4、NaHCO3、CH3COONa、NaF、NaBr、NaI、Na224、NaClO3、NaOCH3、NaOC25、NaO−i−C37、NaO−n−C37、NaO−i−C49、NaO−n−C49、NaO−sec−C49、NaO−t−C49が挙げられる。
カリウム化合物は、特に限定されないが、例えば、K2CO3、KOH、K2O、KCl、KNO3、K2SO4、KHCO3、CH3COOK、KF、KBr、KI、K224、KClO3、KIO3、KOCH3、KOC25、KO−i−C37、KO−n−C37、KO−i−C4H9、KO−n−C49、KO−sec−C49、KO−t−C49が挙げられる。
ルビジウム化合物は、特に限定されないが、例えば、Rb2CO3、RbOH、Rb2O、RbCl、RbNO3、Rb2SO4、RbHCO3、CH3COORb、RbF、RbBr、RbI、Rb224、RbOCH3、RbOC25が挙げられる。
セシウム化合物は、特に限定されないが、例えば、Cs2CO3、CsOH、Cs2O、CsCl、CsNO3、Cs2SO4、CsHCO3、CH3COOCs、CsF、CsBr、CsI、Cs224、CsOCH3、CsOC25が挙げられる。
タリウム化合物は、特に限定されないが、例えば、Tl2CO3、TlOH、Tl2O、TlCl、TlNO3、Tl2SO4、TlHCO3、CH3COOTl、TlF、TlBr、TlI、Tl224、TlOCH3、TlOC25が挙げられる。
有機化合物は、特に限定されないが、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、タルトロン酸、グリセリン酸、オキシ酪酸、ヒドロアクリル酸、乳酸、グリコール酸等のオキシカルボン酸;エチレンジアミンテトラ酢酸、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸、グリコールエーテルジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、ニトリロトリ酢酸、テトラエチレンペンタミンヘプタ酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン−N,N′,N′−トリ酢酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラプロピオニル酸、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミノキレート剤;エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のグリコールが挙げられる。
(2)原料混合物の焼成
ついで、原料混合物を焼成して、層間にアルカリ金属イオンを有する層状金属酸化物を得る。焼成の温度、時間、雰囲気等は、特に限定されず、目的に応じて適宜決定することができる。
焼成温度は、500〜1000℃であるのが好ましい。
焼成時間は、一般に、0.5〜200時間であるのが好ましい。
焼成の雰囲気は、例えば、大気、酸素ガス、これらと窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスとの混合ガス、酸素濃度(酸素分圧)を制御した雰囲気、弱酸化雰囲気が挙げられる。
(3)プロトン交換
得られた層状金属酸化物の層間のアルカリ金属イオンを酸水溶液を用いてプロトンに交換し、本発明の第1の態様の固体酸触媒を得る。
酸水溶液に用いられる酸は、特に限定されないが、例えば、硝酸、塩酸、過塩素酸、硫酸、クロロ硫酸、発煙硫酸、亜硫酸、リン酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、クエン酸、シュウ酸等の有機酸が挙げられる。
酸水溶液の濃度は、0.0001〜18mol/Lであるのが好ましい。酸水溶液の温度は、特に限定されないが、室温で行うことができる。
プロトン交換の方法は、特に限定されないが、上述した酸水溶液を層状金属酸化物に接触させて行うのが好ましい。酸水溶液を層状金属酸化物に接触させることにより、層状金属酸化物の層間のアルカリ金属イオンが、酸水溶液中のプロトンと交換する。なお、本発明においては、アルカリ金属イオンの一部が層間に残存していてもよい。
酸水溶液を層状金属酸化物に接触させる方法は、特に限定されず、例えば、酸水溶液中に層状金属酸化物を浸せきさせる方法、酸水溶液を層状金属酸化物に塗布する方法が挙げられる。
本発明の第1の態様の固体酸触媒は、種々の反応に対して触媒活性を示す。触媒活性を示す反応としては、例えば、アルキル化反応(例えば、フリーデルクラフツアルキル化反応)、アシル化反応、転位反応、異性化反応、水和反応、脱水反応(例えば、エステル脱水反応、アミド脱水反応)が挙げられる。したがって、本発明の第1の態様の固体酸触媒は、種々の化学工業プロセス、例えば、ナイロン原料であるラクタムの合成、ハイオクタン価ガソリンの製造、界面活性剤(長鎖アルキルベンゼン)の合成に用いることができる。
中でも、ニオブとモリブデンとを含有する金属酸化物を用いた本発明の第1の態様の固体酸触媒は、従来の固体酸触媒よりも優れた触媒活性を示す点で、極めて有用である。また、従来の固体酸触媒のうち、シリカ−アルミナ複合酸化物は、酸性が弱いため、また、ゼオライトはその多孔質からなる固体構造のため、反応温度や反応物が限定されているという問題があるが、ニオブとモリブデンとを含有する金属酸化物を用いた本発明の第1の態様の固体酸触媒は、このような問題がない。
つぎに、本発明の第2の態様の固体酸触媒について説明する。
本発明の第2の態様の固体酸触媒は、金属酸化物が凝集してなる金属酸化物凝集体と、前記金属酸化物凝集体の表面に存在するプロトンとを有する固体酸触媒であって、前記金属酸化物が、ニオブと、モリブデンおよび/またはタングステンとを含有する、固体酸触媒である。
図2は、本発明の第2の態様の固体酸触媒を示す模式図である。
図2に示される本発明の第2の態様の固体酸触媒20は、金属酸化物が凝集してなる金属酸化物凝集体12と、金属酸化物凝集体12の表面に存在するプロトン14とを有する。
金属酸化物凝集体12は、金属酸化物が凝集したものである。金属酸化物は、ニオブと、モリブデンおよび/またはタングステンとを含有するものであれば、特に限定されない。例えば、下記式(2)で表される金属酸化物が挙げられる。
Nbc3 d6 (2)
上記式中、M3は、Moおよび/またはWを表し、cは0.5〜1.5の数を表し、dは0.5〜1.5の数を表し、c/dは、0.33〜3の数を表す。
中でも、ニオブとモリブデンとを含有する金属酸化物、ニオブとタングステンを含有する金属酸化物が好適に例示される。
ニオブとモリブデンとを含有する金属酸化物としては、例えば、下記式(2a)で表されるニオブ−モリブデン複合酸化物が挙げられる。
NbcMod6 (2a)
上記式中、cは0.5〜1.5の数を表し、dは0.5〜1.5の数を表し、c/dは、0.33〜3の数を表す。
ニオブ−モリブデン複合酸化物としては、例えば、八面体のNbO6と八面体のMoO6とからなる結晶構造を有するものが挙げられる。
ニオブとタングステンとを含有する金属酸化物としては、例えば、下記式(2b)で表されるニオブ−タングステン複合酸化物が挙げられる。
Nbcd6 (2b)
上記式中、cは0.5〜1.5の数を表し、dは0.5〜1.5の数を表し、c/dは、0.33〜3の数を表す。
ニオブ−タングステン複合酸化物としては、例えば、八面体のNbO6と八面体のWO6とからなる結晶構造を有するものが挙げられる。
上述したように、金属酸化物凝集体12は、金属酸化物が凝集したものである。金属酸化物の形状は、特に限定されないが、例えば、図2に示されるようにシート状であるのが好ましい態様の一つである。
プロトン14は、金属酸化物凝集体12の表面に存在している。
本発明の第2の態様の固体酸触媒は、BET比表面積が、通常、1〜250m2/gである。
本発明の第2の態様の固体酸触媒は、製造方法を特に限定されないが、例えば、有機アミンおよび/または有機アンモニウムイオンを含有する水溶液を用いて、上述した本発明の第1の態様の固体酸触媒の金属酸化物(ニオブと、モリブデンおよび/またはタングステンとを含有するもの)の層状構造をはく離させて金属酸化物のコロイドとし、その後、酸水溶液を用いて有機アミンおよび/または有機アンモニウムイオンをプロトンに交換する方法が挙げられる。
より具体的には、以下の(4)および(5)を順に行う方法が好適に挙げられる。
(4)層状構造のはく離
有機アミンおよび/または有機アンモニウムイオンを含有する水溶液を用いて、上述した本発明の第1の態様の固体酸触媒の金属酸化物の層状構造をはく離させて、表面に有機アミンおよび/または有機アンモニウムイオンを有する金属酸化物のコロイドとする。
有機アミンおよび/または有機アンモニウムイオンを含有する水溶液に用いられる有機アミンおよび/または有機アンモニウムイオンは、特に限定されないが、例えば、有機アミンとして、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミンが挙げられ、また、有機アンモニウムイオンとして、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン等の第四級アルキルアンモニウムイオンが挙げられる。有機アンモニウムイオンの原料は、特に限定されないが、例えば、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムが挙げられる。
有機アミンおよび/または有機アンモニウムイオンを含有する水溶液の濃度は、0.0001〜2mol/Lであるのが好ましい。有機アミンおよび/または有機アンモニウムイオンを含有する水溶液の温度は、特に限定されないが、室温で行うことができる。
層状構造をはく離させる方法は、特に限定されないが、上述した有機アミンおよび/または有機アンモニウムイオンを含有する水溶液を本発明の第1の態様の固体酸触媒に接触させて行うのが好ましい。これにより、本発明の第1の態様の固体酸触媒の層間に有機アミンおよび/または有機アンモニウムイオンが挿入され、本発明の第1の態様の固体酸触媒の金属酸化物の層状構造がはく離してコロイドとなり、懸濁液が得られる。
有機アミンおよび/または有機アンモニウムイオンを含有する水溶液を本発明の第1の態様の固体酸触媒に接触させる方法は、特に限定されず、例えば、前記水溶液中に本発明の第1の態様の固体酸触媒を浸せきさせる方法、前記水溶液を本発明の第1の態様の固体酸触媒に塗布する方法が挙げられる。
得られたコロイドの懸濁液は、遠心分離を行い、得られた上澄みをコロイド溶液として、以下の工程に用いるのが好ましい(以下の工程においては遠心分離を行った場合について説明する。)。遠心分離の条件は、特に限定されない。
(5)プロトン交換
得られたコロイドの表面の有機アミンおよび/または有機アンモニウムイオンを酸水溶液を用いてプロトンに交換するとともに、金属酸化物を凝集させて、本発明の第2の態様の固体酸触媒を得る。
酸水溶液に用いられる酸は、特に限定されないが、例えば、硝酸、塩酸、過塩素酸、硫酸、クロロ硫酸、発煙硫酸、亜硫酸、リン酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、クエン酸、シュウ酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、アジピン酸等の有機酸が挙げられる。
酸水溶液の濃度は、0.0001〜3mol/Lであるのが好ましい。酸水溶液の温度は、特に限定されないが、室温で行うことができる。
プロトン交換の方法は、特に限定されないが、遠心分離を行って得たコロイド溶液に酸水溶液を添加して行うのが好ましい。コロイドの溶液に酸水溶液を添加することにより、コロイドの表面の有機アミンおよび/または有機アンモニウムイオンが、酸水溶液中のプロトンに交換するとともに、金属酸化物が凝集する。なお、本発明においては、有機アミンおよび/または有機アンモニウムイオンの一部が表面に残存していてもよい。
コロイドの溶液に酸水溶液を添加する方法は、特に限定されない。
本発明の第2の態様の固体酸触媒は、種々の反応に対して優れた触媒活性を示す。したがって、極めて有用である。触媒活性を示す反応としては、例えば、アルキル化反応(例えば、フリーデルクラフツアルキル化反応)、アシル化反応、転位反応、異性化反応、水和反応、脱水反応(例えば、エステル脱水反応、アミド脱水反応)が挙げられる。したがって、本発明の第2の態様の固体酸触媒は、種々の化学工業プロセス、例えば、ナイロン原料であるラクタムの合成、ハイオクタン価ガソリンの製造、界面活性剤(長鎖アルキルベンゼン)の合成に用いることができる。
また、従来の固体酸触媒のうち、シリカ−アルミナ複合酸化物は、酸性が弱いため、また、ゼオライトはその多孔質からなる固体構造のため、反応温度や反応物が限定されているという問題があるが、本発明の第2の態様の固体酸触媒は、このような問題がない。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限られるものではない。
1.固体酸触媒の調製
(実施例1)
Li2CO3粉末、Nb25粉末およびMoO3粉末を物質量比1:1:1で混合させ、得られた混合物を空気中、580℃で24時間焼成することによって、層状金属酸化物であるLiNbMoO6の粉末を得た。得られたLiNbMoO6の粉末のBET比表面積は、表面積測定器(COULTER社製)で測定したところ、1m2/gであった。
約2gのLiNbMoO6の粉末を200mLの1mol/L硝酸水溶液に浸せきさせ、14日間かくはんした後、ろ過して、上記層状金属酸化物のプロトン交換体であるHNbMoO6の粉末を得た。得られたHNbMoO6の粉末の走査型電子顕微鏡写真(倍率2500倍)を図3に示す。図3から、HNbMoO6の粉末において、NbMoO6が層状構造を形成していることが分かる。
得られたHNbMoO6(層状)を固体酸触媒として、後述する実験例に用いた。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で得られた約2gのHNbMoO6の粉末を150mLの蒸留水に分散させ、15質量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液を添加してかくはんし、pH9.0〜10.0の範囲にした。その後、pHを測定しつつ、pH9.0〜10.0の範囲に維持されるように、15質量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液を添加しながら、かくはんを約14日間行い、コロイド状の懸濁液を得た。
得られた懸濁液について、2000rpm、15分間の条件で、遠心分離を行い、上澄み液として、テトラブチルアンモニウムイオンが吸着したNbMoO6のシートのコロイド溶液を得た。得られたNbMoO6のシートのコロイド溶液の透過型電子顕微鏡写真(倍率10000倍)を図4に示す。
150mLのNbMoO6のシートのコロイド溶液に50mLの0.1mol/L硝酸水溶液を添加したところ、NbMoO6のシートのコロイドが沈殿し、HNbMoO6の凝集体が得られた。得られたHNbMoO6の凝集体の走査型電子顕微鏡写真(倍率20000倍)を図5に示す。得られたHNbMoO6の凝集体のBET比表面積は、表面積測定器(COULTER社製)で測定したところ、5m2/gであった。
得られたHNbMoO6の凝集体を固体酸触媒として、後述する実験例に用いた。
比較例7
Li2CO3粉末、Nb25粉末およびWO3粉末を物質量比1:1:1で混合させ、得られた混合物を空気中、750℃で24時間焼成することによって、層状金属酸化物であるLiNbWO6の粉末を得た。得られたLiNbWO6の粉末のBET比表面積は、表面積測定器(COULTER社製)で測定したところ、1m2/gであった。
約2gのLiNbWO6の粉末を200mLの1mol/L硝酸水溶液に浸せきさせ、14日間かくはんした後、ろ過して、上記層状金属酸化物のプロトン交換体であるHNbWO6の粉末を得た。
得られたHNbWO6(層状)を固体酸触媒として、後述する実験例に用いた。
(実施例4)
Li2CO3粉末、Ta25粉末およびMoO3粉末を物質量比1:1:1で混合させ、得られた混合物を600℃で24時間焼成することによって、層状金属酸化物であるLiTaMoO6の粉末を得た。得られたLiTaMoO6の粉末のBET比表面積は、表面積測定器(COULTER社製)で測定したところ、1m2/gであった。
約2gのLiTaMoO6の粉末を200mLの1mol/L硝酸水溶液に浸せきさせ、14日間かくはんした後、ろ過して、上記層状金属酸化物のプロトン交換体であるHTaMoO6の粉末を得た。
得られたHTaMoO6(層状)を固体酸触媒として、後述する実験例に用いた。
比較例8
Li2CO3粉末、Ta25粉末およびWO3粉末を物質量比1:1:1で混合させ、得られた混合物を750℃で24時間焼成することによって、層状金属酸化物であるLiTaWO6の粉末を得た。得られたLiTaWO6の粉末のBET比表面積は、表面積測定器(COULTER社製)で測定したところ、1m2/gであった。
約2gのLiTaWO6の粉末を200mLの1mol/L硝酸水溶液に浸せきさせ、14日間かくはんした後、ろ過して、上記層状金属酸化物のプロトン交換体であるHTaWO6の粉末を得た。
得られたHTaWO6(層状)を固体酸触媒として、後述する実験例に用いた。
(比較例1)
Nb25粉末を温度80℃のシュウ酸水溶液に溶解させ、(NH46Mo724・4H2Oの水溶液と、NbとMoとの物質量比が1:1となるように混合させ、蒸発乾固させた後、空気中、500℃で3時間焼成することによって、Nb25−MoO3複合酸化物を得た。
得られたNb25−MoO3複合酸化物を固体酸触媒として、後述する実験例に用いた。
(比較例2)
プロトン型強酸性ビーズ状フッ素含有樹脂(Nafion NR50、デュポン社製)を固体酸触媒として、後述する実験例に用いた。
(比較例3)
ゼオライト(触媒学会参照触媒委員会記号JRC−Z−HB25、SiO2/Al23比25±5、結晶型Beta)を固体酸触媒として、後述する実験例に用いた。
(比較例4)
2CO3粉末、TiO2粉末およびNb25粉末を物質量比1.1:1.1:0.9で混合させ、得られた混合物を空気中、800℃で12時間焼成することによって、層状金属酸化物であるK1.1Ti1.1Nb0.95の粉末を得た。得られたK1.1Ti1.1Nb0.95の粉末のBET比表面積は、表面積測定器(COULTER社製)で測定したところ、1m2/gであった。
約2gのK1.1Ti1.1Nb0.95の粉末を200mLの1mol/L硝酸水溶液に浸せきさせ、14日間かくはんした後、ろ過して、上記層状金属酸化物のプロトン交換体であるH1.1Ti1.1Nb0.95の粉末を得た。
約2gのH1.1Ti1.1Nb0.95の粉末を150mLの蒸留水に分散させ、15質量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液を添加してかくはんし、pH9.0〜10.0の範囲にした。その後、pHを測定しつつ、pH9.0〜10.0の範囲に維持されるように、15質量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液を添加しながら、かくはんを約14日間行い、コロイド状の懸濁液を得た。
得られた懸濁液について、3000rpm、10分間の条件で、遠心分離を行い、上澄み液として、テトラブチルアンモニウムイオンが吸着したTi1.1Nb0.95のシートのコロイド溶液を得た。
30mLのTi1.1Nb0.95のシートのコロイド溶液に20mLの0.1mol/L硝酸水溶液を添加したところ、Ti1.1Nb0.95のシートのコロイドが沈殿し、凝集体が得られた。得られたHTi1.1Nb0.95の凝集体のBET比表面積は、表面積測定器(COULTER社製)で測定したところ、153m2/gであった。
得られたHTi1.1Nb0.95の凝集体(ナノシート)を固体酸触媒として、後述する実験例に用いた。
(比較例5)
2CO3粉末およびNb25粉末を物質量比1:3で混合させ、得られた混合物を空気中、1100℃で30時間焼成することによって、金属酸化物であるKNb38の粉末を得た。得られたKNb38の粉末のBET比表面積は、表面積測定器(COULTER社製)で測定したところ、1m2/gであった。
約2gのKNb38の粉末を200mLの1mol/L硝酸水溶液に浸せきさせ、14日間かくはんした後、ろ過して、上記層状金属酸化物のプロトン交換体であるHNb38の粉末を得た。
約2gのHNb38の粉末を150mLの蒸留水に分散させ、15質量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液を添加してかくはんし、pH9.0〜10.0の範囲にした。その後、pHを測定しつつ、pH9.0〜10.0の範囲に維持されるように、15質量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液を添加しながら、かくはんを約14日間行い、コロイド状の懸濁液を得た。
得られた懸濁液について、3000rpm、10分間の条件で、遠心分離を行い、上澄み液として、テトラブチルアンモニウムイオンが吸着したNb38のシートのコロイド溶液を得た。
30mLのNb38のシートのコロイド溶液に20mLの0.1mol/L硝酸水溶液を添加したところ、Nb38のシートのコロイドが沈殿し、凝集体が得られた。得られたHNb38の凝集体のBET比表面積は、表面積測定器(COULTER社製)で測定したところ、101m2/gであった。
得られたHNb38の凝集体(ナノシート)を固体酸触媒として、後述する実験例に用いた。
(比較例6)
Nb25・nH2O(HYDRATED NIOBIUM OXIDE、CBMM社製)を固体酸触媒として、後述する実験例に用いた。
2.固体酸触媒の評価
(実験例1〜12)
上記で得られた固体酸触媒の触媒活性の評価を、アニソールとベンジルアルコールからベンジルアニソールを得るフリーデルクラフツアルキル化反応(アニソールのアルキル化反応)について行った。
具体的には、第1表に示される固体酸触媒約0.2gを150℃で1時間真空排気した後、アルゴン雰囲気下で、100mmolのアニソールおよび10mmolのベンジルアルコールの混合液に添加し、第1表に示される反応温度および反応時間の条件でかくはんしてアニソールとベンジルアルコールとを反応させ、生成したベンジルアニソールの量、ベンジルアルコール同士のエーテル化反応により副生したジベンジルエーテルの量および残存したベンジルアルコールの量を、ガスクロマトグラフィーにより測定した。
ベンジルアルコールの減少量を仕込量(10mmol)で除して、転化率を算出した。また、生成したベンジルアニソールの量を生成したベンジルアニソールの量および副生したジベンジルエーテルの量の和で除して、ベンジルアニソール選択率を算出した。
結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、本発明の第1の態様の固体酸触媒(実施例1および)および本発明の第2の態様の固体酸触媒(実施例2)は、いずれも触媒活性を示した。中でも、ニオブとモリブデンとを含有する金属酸化物を用いた本発明の第1の態様の固体酸触媒(実施例1および2)および本発明の第2の態様の固体酸触媒(実施例2)は、従来の固体酸触媒(比較例1〜6)と比べて、転化率およびベンジルアニソール選択率のいずれについても優れていた。
本発明の第1の態様の固体酸触媒を示す模式図である。 本発明の第2の態様の固体酸触媒を示す模式図である。 実施例1で得られたHNbMoO6の粉末の走査型電子顕微鏡写真(倍率2500倍)である。 実施例2で得られたNbMoO6のシートのコロイド溶液の透過型電子顕微鏡写真(倍率10000倍)である。 実施例2で得られたHNbMoO6の凝集体の走査型電子顕微鏡写真(倍率20000倍)である。
符号の説明
2 金属酸化物層
4、14 プロトン
10 本発明の第1の態様の固体酸触媒
12 金属酸化物凝集体
20 本発明の第2の態様の固体酸触媒

Claims (8)

  1. 金属酸化物が層状構造を形成している金属酸化物層と、前記金属酸化物層の層間に存在するプロトンとを有する固体酸触媒であって、
    前記金属酸化物が、ニオブおよび/またはタンタルと、モリブデンを含有する、固体酸触媒。
  2. 前記金属酸化物が、下記式(1)で表される、請求項1に記載の固体酸触媒。
    1 a2 b6 (1)
    (上記式中、M1は、Nbおよび/またはTaを表し、M2は、Mo表し、aは、0.5〜1.5の数を表し、bは、0.5〜1.5の数を表し、a/bは、0.33〜3の数を表す。)
  3. 少なくとも、ニオブ化合物および/またはタンタル化合物と、モリブデン化合物、アルカリ金属を含有する化合物とを混合させて原料混合物を作製し、前記原料混合物を焼成することにより、層間にアルカリ金属イオンを有する層状金属酸化物を調製し、その後、酸水溶液を用いて前記層状金属酸化物が有する前記アルカリ金属イオンをプロトンに交換して得られる、請求項1または2に記載の固体酸触媒。
  4. 金属酸化物が凝集してなる金属酸化物凝集体と、前記金属酸化物凝集体の表面に存在するプロトンとを有する固体酸触媒であって、
    前記金属酸化物が、ニオブと、モリブデンを含有する、固体酸触媒。
  5. 前記金属酸化物が、下記式(2)で表される、請求項4に記載の固体酸触媒。
    Nbc3 d6 (2)
    (上記式中、M3は、Mo表し、cは0.5〜1.5の数を表し、dは0.5〜1.5の数を表し、c/dは、0.33〜3の数を表す。)
  6. 前記金属酸化物が、シート状である、請求項4または5に記載の固体酸触媒。
  7. BET比表面積が1〜250m2/gである、請求項4〜6のいずれかに記載の固体酸触媒。
  8. 少なくとも、ニオブ化合物と、モリブデン化合物、アルカリ金属を含有する化合物とを混合させて原料混合物を作製し、前記原料混合物を焼成することにより、層間にアルカリ金属イオンを有する層状金属酸化物を調製し、その後、酸水溶液を用いて前記層状金属酸化物が有する前記アルカリ金属イオンをプロトンに交換し、更に、有機アミンおよび/または有機アンモニウムイオンを含有する水溶液を用いて、プロトン交換された前記層状金属酸化物層の層状構造をはく離させて金属酸化物のコロイドとし、その後、酸水溶液を用いて有機アミンおよび/または有機アンモニウムイオンをプロトンに交換して得られる、請求項4〜7のいずれかに記載の固体酸触媒。
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