JP4805716B2 - 小型材料試験装置 - Google Patents

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この発明は、基準軸上に設けられた固定支持部材と可動支持部材とで試験片を支持し、可動支持部材を軸方向に移動させることによって試験片の材料試験を行う小型材料試験装置に関し、特に、試験片のサイズが微少であったり薄膜状であったりする場合であっても、高精度の材料試験を行うことができるとともに、持ち運び可能なサイズの材料試験装置に関する。
従来、基準軸上に設けられた固定支持部材と可動支持部材とで試験片を支持し、可動支持部材を軸方向に移動させることによって試験片の引っ張り試験などの材料試験を行う材料試験装置が知られている。
たとえば、特許文献1には、可動支持部材を移動させる二個のアクチュエータを基準軸と平行に、かつ、基準軸について左右対称位置に設置し、これらのアクチュエータを基準軸と垂直方向に連結する連結部材のたわみを利用して試験片の変位を算出する材料試験装置が開示されている。
また、特許文献2には、基準軸上に設けた一個のアクチュエータを可動支持部材と連結し、試験片への印加応力を測定するロードセルを可動支持部材に配置した材料試験装置が開示されている。この材料試験装置では、試験片に二個の穴を設ける加工を施したうえで、これらの穴に一端が閉じられたピンを通し、試験片の変位量をピンの先端側で増幅することによって測定することとしている。
特開平5−87718号公報 特開2005−69794号公報
しかしながら、上記した特許文献1の材料試験装置は、連結部材のたわみを利用することによって、試験片の変位量を間接的に測定しようとするものであり、変位量の測定精度が十分に高くないという問題があった。すなわち、連結部材の材質の均質性や加工精度、連結部材とアクチュエータなどとの接合精度といった要因の影響を受けやすく、これらの影響によって測定精度を十分に高く保つことが困難であるという問題があった。このため微少な試験片や薄膜状の試験片の試験には不向きであった。
また、上記した特許文献2の材料試験装置は、可動支持部材にロードセルを設けているために、試験片への応力印加を繰り返す振動試験を行った場合には、ロードセルが共振してしまい十分な精度の測定を行うことができないという問題があった。また、この材料試験装置では、試験片に対してピン用の穴をあける加工が必要であり、微少な試験片や薄膜状の試験片の試験には不向きであった。
さらに、従来の材料試験装置は、そのサイズが大きいことから、研究室などに据えつけられて利用されることが通常であり、試験片を採取した場所においてすぐに材料試験を行うことができないという問題もあった。
これらのことから、試験片のサイズが微少であったり薄膜状であったりする場合であっても、高精度の材料試験を行うことができるとともに、持ち運び可能なサイズの材料試験装置をいかにして実現するかが大きな課題となっていた。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、試験片のサイズが微少であったり薄膜状であったりする場合であっても、高精度の材料試験を行うことができるとともに、持ち運び可能なサイズの材料試験装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、発明は、基準軸上に設けられた固定支持部材と可動支持部材とで試験片を支持し、前記可動支持部材を軸方向に移動させることによって前記試験片の材料試験を行う小型材料試験装置であって、前記基準軸について線対称の位置に該基準軸と平行に設けられた一対の圧電アクチュエータを含んだ駆動手段と、前記圧電アクチュエータと前記可動支持部材とを連結する剛体の連結手段とを備えたことを特徴とする。
また、発明は、上記の発明において、前記試験片に印加される加重を測定するロードセルを、前記固定支持部材に設けたことを特徴とする。
また、発明は、上記の発明において、一端が前記固定支持部材に固定されるとともに他端が前記可動支持部材に固定され、前記試験片の変位量を直接計測する変位計をさらに備えたことを特徴とする。
また、発明は、上記の発明において、前記固定支持部材および前記可動支持部材は、前記試験片を挟み込むことによって固定する試験片固定手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、発明は、上記の発明において、前記連結手段を前記圧電アクチュエータに押しつける支持バネをさらに備えたことを特徴とする。
また、発明は、上記の発明において、前記連結手段は、前記基準軸方向以外への変位を制限する制限手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、発明は、上記の発明において、前記圧電アクチュエータと前記連結手段との間に球面部材を設けたことを特徴とする。
また、発明は、上記の発明において、前記可動支持部材と前記固定支持部材との相対距離を微調整するマイクロメータを、前記固定支持部材に設けたことを特徴とする。
また、発明は、上記の発明において、前記一対の圧電アクチュエータで囲まれた矩形領域に、前記固定指示部材および前記可動支持部材を配置したことを特徴とする。
また、発明は、上記の発明において、前記駆動手段の前記圧電アクチュエータは、前記基準軸方向に、複数の板状圧電素子を積層することによって形成されたことを特徴とする。
発明によれば、基準軸について線対称の位置にこの基準軸と平行に設けられた一対の圧電アクチュエータを含んだ駆動手段と、圧電アクチュエータと可動支持部材とを連結する剛体の連結手段とを備えるよう構成したので、圧電アクチュエータが発生した応力を試験片に対して正確に伝達することによって、試験片のサイズが微少であったり薄膜状であったりする場合であっても、高精度の材料試験を行うことができるという効果を奏する。また、圧電アクチュエータを用いることによって、持ち運び可能なサイズの材料試験装置を提供することができるという効果を奏する。
また、発明によれば、試験片に印加される加重を測定するロードセルを、固定支持部材に設けるよう構成したので、加重測定用のロードセルを、可動支持部材側ではなく固定支持部材側に設けることによって、試験片に対する振動試験を行う場合であっても、ロードセルが共振することがないので高精度な応力測定を行うことができるとともに、周波数範囲を広くとることができる。したがって、微小、薄膜状の試験片に対する材料試験を高精度に行うことができるとともに、さまざまな周波数の振動試験を行うことができるという効果を奏する。
また、発明によれば、一端が固定支持部材に固定されるとともに他端が可動支持部材に固定され、試験片の変位量を直接計測する変位計をさらに備えるよう構成したので、間接部材を介することなく試験片の変位量を直接的に計測することによって、高精度な変位測定を行うことができる。したがって、微小、薄膜状の試験片に対する材料試験を高精度に行うことができるという効果を奏する。
また、発明によれば、固定支持部材および可動支持部材は、試験片を挟み込むことによって固定する試験片固定手段をさらに備えるよう構成したので、試験片に対して固定用の穴を設けたり、試験片の形状を固定に適した形状に加工したりする必要がない。したがって、微小、薄膜状の試験片を容易に固定することができるので、材料試験の試験効率を高めることができるという効果を奏する。
また、発明によれば、連結手段を圧電アクチュエータに押しつける支持バネをさらに備えるよう構成したので、連結手段と圧電アクチュエータを密着させることによって、圧電アクチュエータが発生した応力を連結手段に正確に伝達することができる。また、圧電アクチュエータの収縮動作を促進するとともに、連結手段と圧電アクチュエータとを一体化して連動させることができるという効果を奏する。
また、発明によれば、連結手段は、基準軸方向以外への変位を制限する制限手段をさらに備えるよう構成したので、試験片に対して基準軸方向の変位のみを正確に与えることができる。したがって、微小、薄膜状の試験片に対する材料試験を高精度に行うことができるという効果を奏する。
また、発明によれば、圧電アクチュエータと連結手段との間に球面部材を設けるよう構成したので、圧電アクチュエータにせん断力がかかることを効果的に防止することができる。また、圧電アクチュエータが発生した応力を点状の接点を介して連結手段に対して効率的に伝達することができるという効果を奏する。
また、発明によれば、可動支持部材と固定支持部材との相対距離を微調整するマイクロメータを、固定支持部材に設けるよう構成したので、試験片の大きさに合わせた微調整を行うことによって、試験片に対する材料試験を的確に行うことができる。また、マイクロメータを可動支持部材側ではなく固定支持部材側に設けることによって、試験片に対する振動試験を行う場合であっても、マイクロメータが共振することがないので高精度な材料試験を行うことができるという効果を奏する。
また、発明によれば、一対の圧電アクチュエータで囲まれた矩形領域に、固定指示部材および可動支持部材を配置するよう構成したので、小型材料試験装置の支持枠内に各構成部材および測定装置をコンパクトに配置することによって、小型材料試験装置自体のサイズを、持ち運びや、加熱試験装置のチャンバ内への設置、電子顕微鏡装置の観測エリアへの配置に適したサイズにすることができるという効果を奏する。
また、発明によれば、駆動手段の圧電アクチュエータは、基準軸方向に、複数の板状圧電素子を積層することによって形成されるよう構成したので、電圧印加時の変位量を十分に大きくすることができるとともに、試験片に対して微小な変位量を与えることもできるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る小型材料試験装置の実施例を詳細に説明する。なお、この小型材料試験装置の試験対象となる試験片としては、厚さ10μm程度、幅1.0〜0.5mm程度のサイズのものを想定している。
また、本発明に係る小型材料試験装置は、各種装置の構造材のごく一部から試料を採取し、採取した試料の材料試験を行うことによって、構造材を破壊することなく引っ張り試験、疲労試験といった各種材料試験を行うことができる装置である。
まず、本実施例に係る小型材料試験装置の構成について図1を用いて説明する。図1は、本実施例に係る小型材料試験装置1の構成を示す図である。なお、同図の左側には小型材料試験装置1の正面図を、同図の右側にはかかる正面図のA−A軸における側面図をそれぞれ示している。また、この小型材料試験装置1のサイズは、たとえば、正面図の各片が10〜20cm程度、厚さが5〜10cm程度とすることが可能である。
図1の正面図に示すように、小型材料試験装置1は、基準軸(図1のA−A軸)上に設けられた固定支持部材15と可動支持部材14とで試験片2を支持し、可動支持部材14を軸方向に移動させることによって試験片2の材料試験を行うものである。この小型材料試験装置1では、可動支持部材14の移動に圧電セラミックアクチュエータ12を用いる。
圧電セラミックアクチュエータ12は、基準軸(A−A軸)の左右対称位置に一対(二個)設けられており、その一端が固定支持部材15側の試験機枠11に固定されるとともに、他端が上記した可動支持部材14と連結された剛体の連結部材13と、円形部材12aを介して接している。そして、圧電セラミックアクチュエータ12に電圧が印加されて軸方向に膨張すると、連結部材13によって可動支持部材14を同図の上方向に移動させ、試験片2を基準軸(A−A軸)方向に変位させる。
ここで、連結部材13は、圧電セラミックアクチュエータ12による印加応力を受けた場合であっても変形しない剛性を備えた剛体であり、圧電セラミックアクチュエータ12の変位量をそのまま試験片2に伝達する。また、試験片に対する印加応力を測定するためのロードセル15aは、固定支持部材15上に設けられている。
さらに、上記した固定支持部材15および可動支持部材14には、それぞれ試験片2を固定するための試験片チャック16が設けられており、微小、薄膜状の試験片2を挟み込むことによって保持する。したがって、試験片2に固定用の穴を設けたり、所定の形状に揃えたりといった加工を施す必要がない。
そして、小型材料試験装置1は、一端が固定支持部材15に固定されるとともに他端が可動支持部材14に固定された変位計20を備えており、試験片2の変位量を直接計測する。また、上記したように、応力測定用のロードセル15aを基準軸(A−A軸)上に配置しているので、試験片2に対する応力を正確に計測することができる。
また、この小型材料試験装置1を用いて試験片2に対する振動試験を行う場合には、圧電セラミックアクチュエータ12に所定の周期で電圧を印加する。電圧が印加された圧電セラミックアクチュエータ12は膨張して試験片2を引っ張り、印加された電圧が遮られると、圧電セラミックアクチュエータ12は収縮しようとする。この際、可動支持部材14と連結された連結部材13は、基準軸(A−A軸)に設けられた支持バネ19によって圧電セラミックアクチュエータ12に接したままの状態で同図の下向き方向に引き戻される。
このように、本実施例に係る小型材料試験装置1は、基準軸(A−A軸)について左右対称に配置した圧電セラミックアクチュエータ12を剛体の連結部材13で連結し、試験片2を変位させることとしている。すなわち、微小、薄膜状の試験片2に対して正確な垂直変位(A−A軸方向の変位)を与えることができるので、試験片2の材料試験を高精度に行うことが可能である。
また、垂直応力(A−A軸方向の応力)を測定するロードセル15aを、固定支持部材15側に設けることとしたので、試験片2に対する連続的な応力印加試験(振動試験)を行う場合であっても、ロードセル15aが共振することがないので高精度な応力測定が可能である。
また、本実施例に係る小型材料試験装置1では、圧電セラミックアクチュエータ12を基準軸(A−A軸)について左右対称位置に配置するとともに、連結部材13と接する面には円形部材12aを設け、支持バネ19によって両部材(圧電セラミックアクチュエータ12および連結部材13)を密着させることとした。したがって、せん断力による圧電セラミックアクチュエータ12の破壊を効果的に防止することができる。
さらに、試験片2の保持部材として、固定支持部材15および可動支持部材14のそれぞれに試験片チャック16を設けたので、微小、薄膜状の試験片2に加工を施すことなく材料試験を行うことができる。したがって、試験対象となる装置の部材から削りとったり、剥離させたりした試験片2をそのまま試験することができる。
以下では、小型材料試験装置1の各構成部品についてさらに詳細に説明する。図1に示したように、小型材料試験装置1は、試験機枠11と、圧電セラミックアクチュエータ12と、連結部材13と、可動支持部材14と、固定支持部材15と、ロードセル15aと、試験片チャック16と、スピンドル17と、マイクロメータヘッド18と、支持バネ19と、変位計20とを備えている。
試験機枠11は、小型材料試験装置1の外枠を構成する部材であり、圧電セラミックアクチュエータ12を作動させた場合であっても変形することのない剛性を有した材料によって形成される。そして、この試験機枠11は、固定支持部材15、圧電セラミックアクチュエータ12、支持バネ19の一端を固定するとともに、可動支持部材14に連結された連結部材13を基準軸(A−A軸)方向に移動可能な態様で保持する。
また、試験機枠11内に上記した各部材を包み込むよう部材配置を行ったので、小型材料試験装置1をコンパクトな直方体の形状にすることができる。したがって、小型材料試験装置1を容易に持ち運ぶことができるとともに、加熱試験装置のチャンバ内に設置したり、電子顕微鏡装置の観測エリアに配置したりすることも容易である。
特に、試験片2に通電した状態で、この試験片2の材料試験を実施する場合には、試験片2が酸化しやすいので、この酸化を防止するために材料試験を真空のチャンバ内で実施する必要がある。本実施例に係る小型材料試験装置1は、上記したようにコンパクトであるので、このようなチャンバ内にも容易に設置することができる。
圧電セラミックアクチュエータ12は、電圧変化時における伸縮作用によって試験片2に対する加重(応力印加)を生み出す加重発生装置として機能する部材である。この圧電セラミックアクチュエータ12は、円盤形セラミックスからなる薄板状圧電素子を基準軸(A−A軸)方向に積層した積層型アクチュエータである。
このように、薄板状の圧電素子を積層することによって、圧電セラミックアクチュエータ12の変位量を十分に確保することができる。なお、本実施例においては、圧電セラミックアクチュエータ12として上記した積層型アクチュエータを用いることとしたが、単一の圧電素子からなる棒型アクチュエータを用いることとしてもよい。
この圧電セラミックアクチュエータ12は、基準軸(A−A軸)について左右対称位置に一対(二個)設けられるとともに、可動支持部材14と連結された連結部材13とは円形部材12aを介して接触するよう構成される。したがって、圧電セラミックアクチュエータ12自体にせん断力がかかることがないので、圧電セラミックアクチュエータ12の破壊を効果的に防止することができる。また、円形部材12aは、たとえば、微小なボールなどからなる部材である。
連結部材13は、上記した二個の圧電セラミックアクチュエータ12が発生した加重を、可動支持部材14と連結された連結部材13を介することにより、試験片2に対して伝達する剛体の部材である。従来の材料試験装置の中には、この連結部材13のたわみを利用することによって、試験片2の変位量を間接的に測定しようとするものがあった。しかし、この従来技術のように連結部材13のたわみを利用する手法では、試験片2に大きな変位量を与えることができないうえ、連結部材の材質の均質性や加工精度、連結部材とアクチュエータなどとの接合精度といった要因の影響を受けやすく、試験片2に対する材料試験を高精度に行うことができないという問題があった。
そこで、本実施例に係る小型材料試験装置1では、連結部材13を剛体とし、圧電セラミックアクチュエータ12で発生させた応力を、そのまま試験片2に伝達することとしている。したがって、試験片2に対して大きな変位量を与えることができ、高精度な材料試験を行うことが可能となる。
ここで、この連結部材13の構成および取付手法について図2を用いて説明しておく。図2は、連結部材13の構成および取付手法を示す図である。なお、図2は、図1に示した小型材料試験装置1の側面図から連結部材13周辺部分を切り出し、右向きに九十度回転させた図である。
図2に示すように、連結部材13は、切り欠きのある固定平板13bで薄板バネ13aの両面を挟み込んだ取付部材によって試験機枠11の底面に取り付けられる。連結部材13は、上記した圧電セラミックアクチュエータ12が膨張すると図2の右向き方向に移動し、圧電セラミックアクチュエータ12が収縮すると図2の左向きに移動する(同図の両矢印参照)。
この際、上記した取付部材によって、図2の上下方向の移動が制限されるとともに、図2の前面あるいは底面方向の移動が制限される。すなわち、図1に示した基準軸(A−A軸)方向以外の変位が制限されるので、試験片2に対して正確な垂直変位(A−A軸方向の変位)を与えることが可能となる。
図1の説明に戻り、可動支持部材14について説明する。可動支持部材14は、基準軸(A−A軸)上に設けられた棒状の部材であり、一端が連結部材13に固定されるとともに、他端には後述する試験片チャック16が設けられている。この可動支持部材14は、試験片チャック16によって保持された試験片2に対して圧電セラミックアクチュエータ12が発生させた応力を伝達する。
固定支持部材15は、基準軸(A−A軸)上に設けられた棒状の部材であり、一端が試験機枠11に微調整可能な態様で固定されるとともに、他端には後述する試験片チャック16が設けられている。また、この固定支持部材15には、試験片に印加した応力を測定するためのロードセル15aと、可動支持部材14とこの固定支持部材15との相対距離を微調整するためのマイクロメータとが設けられている。
ロードセル15aは、固定支持部材15に設けられ、試験片2に印加した応力を測定する応力測定装置である。従来の材料試験装置の中には、このロードセル15aを可動支持部材14側に設けたものが存在した。しかし、この従来技術のようにロードセル15aを可動支持部材14側に設けることとすると、ロードセル15aが可動支持部材14とともに移動するので、振動試験などの際にロードセル15aが共振してしまい正確な応力測定ができないという問題があった。
そこで、本実施例に係る小型材料試験装置1では、ロードセル15aを固定支持部材15側に設けることとしたので、試験片に対して連続的な応力負荷試験を行う場合であっても、試験片2に印加される応力を高精度に測定することができる。また、連続的な応力負荷試験の周波数範囲を広くとることができる。
試験片チャック16は、可動支持部材14および固定支持部材15にそれぞれ設けられ、試験片2の両端を保持する部材である。この試験片チャック16は、試験片2を挟み込むことによって保持するので、試験片2に特殊な加工を施す必要がない。ここで、この試験片チャック16の構成について図3を用いて説明しておく。図3は、試験片チャック16の構成を示す図である。
図3に示すように、試験片チャック16は、受け側部材16aと、爪部材16bと、締め付けボルト16cとを備えている。受け側部材16aは試験片チャック16の本体部分をなす部材であり、この受け側部材16bには、試験片2を挟み込むための爪部材16bが設けられている。そして、爪部材16bには締め付けボルト16cが設けられており、この締め付けボルト16cの先端は、爪部材16bを貫通して受け側部材16aに固定可能な形状を有している。
すなわち、試験片2を固定する際には、締め付けボルト16cを緩めて受け側部材16aと爪部材16bの隙間に試験片2を挿入し、締め付けボルト16cを締めつけることによって、試験片2を固定することになる。なお、本実施例においては、締め付けボルト16cを用いて試験片2を固定することとしたが、バネ応力や機械的なロック機構を用いて試験片2を固定することとしてもよい。
図1の説明に戻って、スピンドル17およびマイクロメータヘッド18について説明する。スピンドル17およびマイクロメータヘッド18は、上記したマイクロメータを構成する部材である。たとえば、マイクロメータヘッド18を図1の下方に示した円形矢印の方向に回転させると、スピンドル17が回転することによって、固定支持部材15を同図の103の矢印に示した方向に移動させることができる。
このように、本実施例に係る小型材料試験装置1では、試験片2の大きさに応じて可動支持部材14と固定支持部材15との相対距離を容易に微調整することができる。また、これらの各部材は、基準軸(A−A軸)上に設けられているので、測定誤差を抑制することができる。
支持バネ19は、試験機枠11に設けられ、連結部材13を、圧電セラミックアクチュエータ12に対して図1に示す102の矢印に示した方向に押し付ける部材である。連結部材13は図1に示す101の両矢印方向に移動するが、この支持バネ19を用いて圧電セラミックアクチュエータ12と連結部材13とを密着させることで、特に、圧電セラミックアクチュエータ12の収縮動作を促進するとともに、連結部材13と圧電セラミックアクチュエータ12とを一体化して連動させることができる。
変位計20は、試験片2の変位(基準軸方向の変位)を計測するための計測器である。図1に示したように、この変位計20は、その一端が可動支持部材14に固定されるとともに、他端が固定支持部材15に固定される。すなわち、リンク機構などの間接部材を介することなく試験片2の変位を直接計測することによって、測定誤差を排除して正確な変位計測を行うことができる。
また、図1の側面図に示した基準面(図1の側面図に示した一点鎖線参照)に沿って、圧電セラミックアクチュエータ12、可動支持部材14、固定支持部材15、ロードセル15a、試験片チャック16、支持バネ19、変位計20といった構成部材および計測器を配置したので、試験片2の垂直変位および垂直加重を高精度に測定することができる。
次に、小型材料試験装置1の制御系統について図4を用いて説明する。図4は、小型材料試験装置1の制御系統を示す図である。同図に示すように、PID制御コントローラ201からの指示をパワーアンプ202で増幅することによって、圧電セラミックアクチュエータ12を作動させる。このPID制御コントローラ201は、比例動作出力、積分動作出力および微分動作出力を行う装置であり、圧電セラミックアクチュエータ12の伸縮動作を制御する。
また、このPID制御コントローラ201は、ロードセル15aが計測した応力をフィードバックすることによって、圧電セラミックアクチュエータ12に対する作動指示を微調整する。そして、ロードセル15aが計測した応力および変位計20が計測した変位は、デジタル記録計203によって記録されていく。
上述してきたように、本実施例に係る小型材料試験装置では、基準軸上に設けられた固定支持部材と可動支持部材とで試験片を支持し、基準軸について対称位置に配置した一対の圧電セラミックアクチュエータが発生した応力を剛体の連結部材を介して可動支持部材に伝達し、可動支持部材を軸方向に移動させることによって、試験片に垂直応力を印加するよう構成した。したがって、試験片に対して正確な垂直応力を印加し、垂直変位を与えることが可能となり、微小、薄膜状の試験片に対して高精度な材料試験を実施することができる。
また、本実施例に係る小型材料試験装置では、試験片に印加した応力を測定するロードセルを固定支持部材側に配置するとともに、固定支持部材および可動支持部材に各端点を固定した変位計によって試験片の変位量を直接計測するよう構成した。したがって、試験片に対して振動試験を実施する場合であっても、ロードセルが共振することがないので試験片に印加した応力を精度良く測定することができる。また、間接部材を介することなく試験片の変量を直接計測することとしたので試験片の変位量を正確に測定することができる。
また、本実施例に係る小型材料試験装置では、固定支持部材および可動支持部材に設けた試験片チャックによって試験片を挟み込んで支持するよう構成したので、試験片に対する加工が不要となり、材料試験を効率良く行うことができる。そして、圧電アクチュエータと連結部材とを円形部材を介して接触させるとともに、支持バネによって密着させるよう構成したので、圧電アクチュエータが発生した応力を効率良く伝達することができるとともに、せん断力による圧電アクチュエータの破壊を効果的に防止することができる。
さらに、本実施例に係る小型材料試験装置では、可動支持部材を、薄板バネの両面に切り欠きのある固定片板を積層した取付部材を介して試験機枠に取り付けるよう構成したので、基準軸方向以外の変位を制限することによって、試験片に対して正確な垂直応力を印加することができる。
なお、上記した実施例においては、微小、薄膜状の試験片を試験対象とした小型材料試験装置について記載したが、試験片のサイズが大きい場合であっても、同様の構成部材を有する小型材料試験装置で高精度な材料試験を実施することができる。
また、近年、医学分野において体内器官や骨を構成する生体物質の力学的挙動を明らかにすることが求められており、患者から取り出した微細な試料を、本実施例に係る小型材料試験装置で試験することも可能である。したがって、本実施例に係る小型材料試験装置を、このような医学分野に適用あるいは応用することもできる。
以上のように、本発明に係る小型材料試験装置は、微小、薄膜状の試験片に対する材料試験を高精度に行いたい場合に有用であり、特に、試験対象の構成部材などから試験片を採取して迅速に材料試験を行いたい場合に適している。
本実施例に係る小型材料試験装置の構成を示す図である。 連結部材の構成および取付手法を示す図である。 試験片チャックの構成を示す図である。 小型材料試験装置の制御系統を示す図である。
符号の説明
1 小型材料試験装置
2 試験片
11 試験機枠
12 圧電セラミックアクチュエータ
12a 円形部材
13 連結部材
13a 薄板バネ
13b 固定平板
14 可動支持部材
15 固定支持部材
15a ロードセル
16 試験片チャック
16a 受け側部材
16b 爪部材
16c 締め付けボルト
17 スピンドル
18 マイクロメータヘッド
19 支持バネ
20 変位計
101 可動支持部材の変位方向
102 支持バネの押し付け方向
103 スピンドル変位方向
201 PID制御コントローラ
202 パワーアンプ
203 デジタル記録計

Claims (8)

  1. 基準軸上に設けられた固定支持部材と可動支持部材とで試験片を支持し、前記可動支持部材を軸方向に移動させることによって前記試験片の材料試験を行う小型材料試験装置であって、
    前記基準軸について線対称の位置に該基準軸と平行に設けられた一対の圧電アクチュエータを含んだ駆動手段と、
    前記圧電アクチュエータと前記可動支持部材とを連結する剛体の連結手段と
    前記連結手段を前記圧電アクチュエータに押しつけることで前記連結手段と前記圧電アクチュエータとを密着させる支持バネと、
    一端が前記固定支持部材に固定されるとともに他端が前記可動支持部材に固定され、前記試験片の変位量を計測する変位計と、
    を備え
    前記圧電アクチュエータは、電圧が印加されて軸方向に膨張すると、前記支持バネによって前記圧電アクチュエータと密着された前記連結部材を介して前記可動支持部材を前記固定支持部材から離れる方向に移動させ、印加された電圧が遮られて軸方向に収縮すると、前記支持バネによって前記圧電アクチュエータと密着された前記連結部材を介して前記可動支持部材を前記固定支持部材に近づく方向に移動させ、
    前記変位計は、前記可動支持部材と前記固定支持部材との変位量から前記試験片の変位量を計測することを特徴とする小型材料試験装置。
  2. 前記試験片に印加される加重を測定するロードセルを、前記固定支持部材に設けたことを特徴とする請求項1に記載の小型材料試験装置。
  3. 前記固定支持部材および前記可動支持部材は、
    前記試験片を挟み込むことによって固定する試験片固定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の小型材料試験装置。
  4. 前記連結手段は、
    前記基準軸方向以外への変位を制限する制限手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の小型材料試験装置。
  5. 前記圧電アクチュエータと前記連結手段との間に球面部材を設けたことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の小型材料試験装置。
  6. 前記可動支持部材と前記固定支持部材との相対距離を微調整するマイクロメータを、前記固定支持部材に設けたことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の小型材料試験装置。
  7. 前記一対の圧電アクチュエータで囲まれた矩形領域に、前記固定指示部材および前記可動支持部材を配置したことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の小型材料試験装置。
  8. 前記駆動手段の前記圧電アクチュエータは、
    前記基準軸方向に、複数の板状圧電素子を積層することによって形成されたことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の小型材料試験装置。
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