JP2000298087A - 小型材料試験装置および材料試験方法 - Google Patents

小型材料試験装置および材料試験方法

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JP2000298087A
JP2000298087A JP11107107A JP10710799A JP2000298087A JP 2000298087 A JP2000298087 A JP 2000298087A JP 11107107 A JP11107107 A JP 11107107A JP 10710799 A JP10710799 A JP 10710799A JP 2000298087 A JP2000298087 A JP 2000298087A
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Masayuki Arai
正行 荒井
Takashi Ogata
隆志 緒方
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Central Research Institute of Electric Power Industry
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微小な大きさの試料の材料試験を行う。材料
試験装置自体を小型化する。 【構成】 材料試験装置1は、試験台6上に固着され試
料2の一端側を支持する固定支持手段3と、試験台6上
に軸方向に移動可能に設けられ試料2の他端側を支持す
る可動支持手段4と、試験台6上に一端が固定されると
ともに他端が可動支持手段4に軸方向が一致しあるいは
平行となるように直接あるいは間接的に接続される圧電
アクチュエータ5とを備え、小型に構成されている。こ
の小型材料試験装置1は、電圧変化時の圧電アクチュエ
ータ5の伸縮作用によって可動支持手段4を軸方向へ移
動させ試料2に垂直荷重をかけることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型材料試験装置
および材料試験方法に関する。さらに詳述すると、本発
明は、小型材料試験装置および材料試験方法において試
料に垂直荷重をかけるための手段の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】金属材料や非金属材料の材料特性を明ら
かにするために、引張り試験、クリープ試験、疲労試験
が多数行われている。これらの試験では、構造物などか
ら直接、平板形状や丸棒形状の試料が切り出される。そ
して、油圧アクチュエータなどの手段を用いて試料に負
荷を連続的にかけ、上述した種々の試験を行うというの
が一般的な材料試験方法である。
【0003】ところで、上記試験で用いられる試料の大
きさは数十センチ以上と大きく、試料を構造物などから
直接採取するために構造物への機能上、あるいは経済的
な観点からの損失は非常に大きいことが知られている。
このため、これまでの試験精度を維持しながらより小さ
な試料に対して試験が行えるような試験装置の開発に多
大な努力が払われてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、油圧ア
クチュエータを荷重発生源として用いた場合は、小さく
しうる試料の大きさに限界があることが明らかとなって
きている。すなわち、油圧アクチュエータは油を媒体に
してピストン方式によって荷重を増幅するというもので
あるから、その原理に起因してアクチュエータ部の構造
が複雑となり、かつ精密な変位制御をとることが困難で
あるため、小型化には自ずと限界が生ずるという問題が
ある。
【0005】そこで、本発明は、微小な大きさの試料を
試験することができるようにした材料試験装置および材
料試験方法を提供することを目的とする。また本発明
は、装置自体を小型化した小型材料試験装置を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の発明の小型材料試験装置は、試験台
上に固着され試料の一端側を支持する固定支持手段と、
試験台上に軸方向に移動可能に設けられ試料の他端側を
支持する可動支持手段と、試験台上に一端が固定される
とともに他端が可動支持手段に軸方向が一致しあるいは
平行となるように直接あるいは間接的に接続される圧電
アクチュエータとを備え、電圧変化時の圧電アクチュエ
ータの伸縮作用によって可動支持手段を軸方向へ移動さ
せ試料に垂直荷重をかけるようにしたものである。
【0007】この小型材料試験装置では、圧電アクチュ
エータの伸縮作用が直接あるいは間接的に可動支持手段
に伝えられるように構成されていることから、圧電アク
チュエータにかかる電圧が変化すると試料の他端側を支
持する可動支持手段が移動する。一方、試料の一端側は
固定的な固定支持手段によって支持されているため、結
局、この試料には可動支持手段の軸方向に平行な垂直荷
重が作用し、垂直ひずみが生じることとなる。そして、
試料に生じるひずみはこの試料上あるいは可動支持手段
に設けられたひずみゲージなどにより測定することがで
きるから、圧電アクチュエータを荷重発生源とした小型
材料試験装置により材料試験を行うことが可能となる。
また、本小型材料試験装置によれば構造材のごく一部か
ら試料を採取して材料試験を行うことができ、構造物へ
の損失も非常に小さい。
【0008】請求項2記載の発明は請求項1記載の小型
材料試験装置において、圧電アクチュエータを、複数の
板状圧電素子を軸方向に積層して構成したものである。
このように構成された圧電アクチュエータは、構造が比
較的簡単で小型化も可能であることに加え、積層数に伴
い同一荷重に対して発生する変位を線形的に大きくする
ことができる。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の小型材料試験装置において、少なくとも2つ圧電
アクチュエータを、可動支持手段に関して対称に配置
し、かつ当該圧電アクチュエータの他端を連結部材を介
して可動支持手段に接続するようにしたものである。こ
の場合、可動支持部材に対して軸方向への荷重を偏りな
く与えることができ、測定誤差もきわめて少ないものと
することができる。また、軸方向に沿って荷重を与える
ことができるので、試験時において圧電アクチュエータ
自体にかかる反力も軸方向に沿ったものとなってバラン
スがとれるので、アクチュエータに斜め方向の荷重がか
かることがなくなる結果アクチュエータそのものが破壊
することもない。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項3記載の小
型材料試験装置において、圧電アクチュエータと連結部
材との間に球面部材を介在させるように設けたものであ
る。例えば、圧電アクチュエータの両端をボルトなどで
固着すると試験中に試験装置全体で発生したゆがみなど
をこの圧電アクチュエータが直接受け止めることになる
が、球面部材を介在させることによって点接触を確保
し、試験中に生じるせん断力などを回避させることがで
きる。また、圧電アクチュエータが発生する荷重を接触
点に集中させ、連結部材に十分かつ正確に伝達すること
ができる。
【0011】また請求項5記載の発明の材料試験方法
は、試験台上に固定して設けられる固定支持手段と試験
台上に軸方向に移動可能に設けられる可動支持手段とで
試料を支持し、可動支持手段に対し当該可動支持手段の
可動方向と軸方向とが一致するように接続された圧電ア
クチュエータに印加する電圧を変化させ、この電圧変化
時の圧電アクチュエータの伸縮作用によって可動支持手
段を軸方向へ移動させ試料に垂直荷重をかけるようにし
たものである。
【0012】この材料試験方法では、圧電アクチュエー
タの伸縮作用が直接あるいは間接的に可動支持手段に伝
えられることから、圧電アクチュエータにかかる電圧が
変化すると試料の一端を支持する可動支持手段が移動す
る。一方、試料のもう一端は固定的な固定支持手段によ
って支持されているため、この試料には可動支持手段の
軸方向に平行な垂直荷重が作用して垂直ひずみが生じ
る。そして、試料に生じるひずみはこの試料上あるいは
可動支持手段に設けられたひずみゲージなどにより測定
することができるから、圧電アクチュエータを荷重発生
源とした小型材料試験装置により材料試験を行うことが
可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0014】図1〜図5に、本発明の小型材料試験装置
および材料試験方法の一実施形態を示す。この小型材料
試験装置1は、材料から採取した試料2に垂直荷重によ
る応力を生じさせて引張試験をするものであり、試料2
を支持する固定支持手段3と可動支持手段4ならびに圧
電アクチュエータ5を備え、電圧変化時の圧電アクチュ
エータ5の伸縮作用によって可動支持手段4を移動さ
せ、試験対象である試料2に荷重を与えるように構成さ
れている。
【0015】試料2は対象となる構造物から採取され、
あるいは当初から試料2として形成された試験片であ
り、例えば本実施形態では図3に示すように矩形の板状
であって中央部分両側に略半円形の切り欠き2a,2a
が設けられた形状とされている。また試料2の長手方向
両端部にはこの試料2を固定支持手段3,可動支持手段
4に取り付けるためのねじ孔2b,2bが設けられてい
る。
【0016】固定支持手段3は試料2の一端側を支持す
るためのものであり、試験台6上に取り付けられ固定さ
れた部材によって構成される。例えば、本実施形態の固
定支持手段3は、試験台6に固着されるL形のブラケッ
ト7とこのブラケット7に取り付けられる支持ピン8と
で構成されている。ブラケット7は、その垂直壁部のほ
ぼ中央に支持ピン8を貫通させるための孔7aが形成さ
れており、試験台6にあらかじめ設けられているT形溝
6bの一部にはめ込まれ、ねじ9,9で固着されて取り
付けられる。
【0017】支持ピン8は試料2の一端を直接支持する
部材である。この支持ピン8は図示するように試料2を
支持する側の先端の周面の一部が削り取られて平状とさ
れ、さらにこの平状部分にねじ孔が設けられ、試料2を
ねじ26でねじ止めして簡単かつ確実に固定できるよう
に設計されている。一方、支持ピン8の基端側にはねじ
が切られ、孔7aに差し込んだ後に例えばナット13で
止めることによってこの支持ピン8が試料2側に抜け出
ないようにされている。
【0018】可動支持手段4は、試料2を他端側から支
持しつつ引張荷重を与えて当該試料2にひずみを生じさ
せるものであり、試験台6からみて一方向に前後動し得
る例えば棒状の部材(本実施形態では以下「支持棒」と
いう)によって構成されている。この支持棒4は例えば
丸棒や角棒を用いたものでも構わなく、形状は特に限定
されることはない。
【0019】この場合、支持棒4は、試料2を支持する
側の端部が支持ピン8の先端形状と同様に試料2をねじ
止めして簡単かつ確実に固定し得るよう平状とされ、さ
らにねじ孔が設けられている。そして、この支持棒4は
その軸方向に摺動可能に設けられるとともに、摺動時に
径方向にぶれることがないよう、試験台6に固着される
別の固定支持手段(以下「第2ブラケット」という)1
1、および同じく試験台6に固着される案内部材12の
各丸孔11a,12aを通されて案内されている。支持
棒4の他端部には周方向に沿ってねじ(あるいは溝)が
切られており、試験台6に固定されない連結部材10の
貫通孔10aに通されてからナット14で止められて連
結部材10から抜け出ないように連結されている。
【0020】また、このように支持棒4の他端部が接続
される連結部材10は、圧電アクチュエータ5の伸縮作
用を受けてこの動きを支持棒4に伝達する部材であり、
支持棒4を移動させ得るように試験台6に対して固着さ
れずに移動自在に設けられる。本実施形態の連結部材1
0は、支持棒4および圧電アクチュエータ5の各端部が
それぞれ取り付けられる角棒状の部材から形成されてい
る。この連結部材10のほぼ中央には支持棒4の他端部
を貫通させる貫通孔10aが設けられるとともに、この
貫通孔10aに通された支持棒4の端部の溝と係合し固
定状態で連結させるためのねじ18を通す鉛直孔10b
も併せて設けられている。
【0021】一方、第2ブラケット11はブラケット7
と同様に試験台6のT形溝6bにはめ込まれてねじ16
で固着される部材であり、その垂直壁部の中央には支持
棒4を貫通させる貫通孔11aが設けられている。ま
た、これらブラケット7,11と同じくL形に形成され
ている案内部材12もねじ17によって試験台6の上面
に固着されている。
【0022】圧電アクチュエータ5は、電圧変化時にお
けるその伸縮作用によって試料2に与える荷重を生み出
す荷重発生装置として機能する部材であり、支持棒4を
軸方向に移動させ試料2に垂直ひずみを生じさせること
ができる。この場合の圧電アクチュエータ5は単一の棒
状圧電素子から構成されたものでも構わないが、本実施
形態では、圧電素子全体の変位量を十分に確保するた
め、この圧電アクチュエータ5として円盤型セラミック
スからなる薄板状圧電素子を軸方向に積層したマルチレ
イヤー型圧電アクチュエータ5を使用している。本実施
形態では材料試験装置として望まれる最大変位量を得る
最小の圧電素子として例えば50層の圧電アクチュエー
タ5が使用されるが、この圧電素子の積層数は特に限定
されることなく必要に応じて適宜設定し得るものであ
る。ただし、圧電素子の積層数に伴い同一荷重に対して
発生する変位が線形的に大きくなることからすればこの
積層数は多い方が好ましい。
【0023】このように積層されたセラミックス製圧電
素子は例えばステンレス鋼製の円筒容器27の中に挿入
されてアクチュエータとして機能する。この円筒容器2
7の端部にはセラミックス製圧電素子に積層方向への予
圧をかけるとともに圧電アクチュエータ5が伸縮したと
きの伸びあるいは縮みを吸収できるベローズ27aが形
成されている。したがって、圧電素子への電圧印加が解
除されたときに、ベローズ27aによる予圧でセラミッ
クス製圧電素子間の隙間をなくして密着させ、圧電アク
チュエータ5の変位を元に復帰させることができる。
【0024】なお、具体的な圧電アクチュエータ5とし
ては例えば複合ペロブスカイト型複合酸化物といったセ
ラミックスに外部から電界負荷をかけることで生じた結
晶構造の変化を利用し、これによって結晶格子間に生じ
た変位を伸縮作用としてとり出すようにしたものが挙げ
られるがこれは一例であり特にこのようなものに限られ
ることはない。
【0025】そして本実施形態では、上述のように形成
された圧電アクチュエータ5が、図示するように支持棒
4の両側の対称位置に支持棒4と平行となるように配置
され、その一端が第2ブラケット11に、そして他端が
連結部材10にそれぞれ固着されている。したがって、
圧電アクチュエータ5の伸縮作用は軸方向に移動可能な
連結部材10を介して支持棒4に伝達されることとな
り、この支持棒4を移動させることによって試料2に荷
重をかけることができる。この場合、支持棒4に対して
軸方向への荷重を偏りなく与えることができ、測定誤差
もきわめて少なくなることに加え、試験時において圧電
アクチュエータ5自体にかかる反力も軸方向に沿ったも
のとなり、アクチュエータ5に斜め方向の荷重がかかる
ことがなくなる結果アクチュエータ5そのものが破壊す
るおそれもなくなる。
【0026】また、圧電アクチュエータ5の一端は、例
えばその端部に設けられたフランジ5aのねじ孔にねじ
を通して第2ブラケット11に取り付けられている。一
方、圧電アクチュエータ5の他端は連結部材10に直接
取り付けられても良いが、本実施形態では試験中に生じ
る圧電アクチュエータ5へのせん断力を回避するため、
この他端と連結部材10との間に微小なボールなどから
成る球面部材15を介在させるようにしている。この球
面部材15によれば、圧電アクチュエータ5が発生する
荷重を接触点に集中させ、連結部材10に十分に伝達す
ることができるようになる。また、球面部材15表面の
接触可能領域のいずれにおいても点接触を保ち得ること
から、圧電アクチュエータ5などへせん断力がかかるの
を回避するほか、圧電アクチュエータ5からの荷重を一
方向へ正確に伝えることも可能となる。本発明者が、こ
の構造において支持棒4にひずみゲージを多数接着して
曲げ応力を測定したところ、支持棒4にはほとんど曲げ
応力が作用していないこと、すなわち、本構造を採用す
ることでほとんどロスなしで圧電アクチュエータ5から
発生した荷重が試料2に伝わっていることが判明した。
なお、各圧電アクチュエータ5には、圧電素子に通電す
るためのリード線19が例えば図1に示すように接続さ
れている。
【0027】なお、特に図示していないが、球面部材1
5は、圧電アクチュエータ5の他端に設けた転がり玉軸
受によって回転自在に支持しても良いし、あるいは圧電
アクチュエータ5の他端に固着するようにしても良い。
固着する場合、球面部材15は必ずしも微小ボールであ
る必要はなく、接触領域を少なくするよう接触面が曲面
によって形成された部材であれば足りる。あるいは、こ
の球面部材15を連結部材10側に取付けるようにする
こともできる。
【0028】以上のように構成された小型材料試験装置
1では以下のように材料試験が行われる。
【0029】まず、構造物などから採取された試料2を
図3に示すように成形する。そして、試料2の変位を測
定するために、試料2の標点間(図3(A)中、中央の
くびれた部分)にひずみゲージ28を装着するかあるい
はU字型クリップゲージを使用する。また、ロードセル
として支持棒4にひずみゲージ20を図1に示すように
装着し、予め測定しておいた荷重−ひずみ検定曲線にも
とづいて試料2にかけられる荷重を測定する。すなわ
ち、本実施形態では、支持棒4と試料2とにそれぞれひ
ずみゲージ20,28を取り付けておき、支持棒4側の
ひずみゲージ20により試料2への荷重を測定すると共
に、試料2側のひずみゲージ28により試料2のひずみ
(変位)を測定する。各ひずみゲージ20,28からの
検出値は、図5に示すようにブリッジ回路21を介して
ストレインアンプ22にて増幅される。一方、圧電アク
チュエータ5においては、150V電圧まで増幅可能な
電圧増幅装置23を用いる。それぞれのアンプは全て最
大5Vの電圧信号に変換され、デジタル・アナログ変換
器24を介してパーソナルコンピュータ25に送られ
る。
【0030】そして実際の試験においては、パーソナル
コンピュータ25にて、試験者が図4に示すいずれかの
荷重(ひずみ)と時間波形を定める。この図4では、荷
重あるいはひずみが縦軸、時間が横軸とされていて、こ
の図に示すように、(A)荷重制御下、ひずみ制御下引
張り試験、(B)クリープ試験、応力緩和試験、(C)
荷重制御下、ひずみ制御下三角波疲労試験、(D)荷重
制御下、ひずみ制御下台形波疲労試験のそれぞれを行う
ことができる。
【0031】試験者が荷重(ひずみ)と時間波形を定め
る際は、例えば、荷重を制御しながら試験を行うものと
すれば、適当な電圧を圧電アクチュエータ5に作用さ
せ、試料2に変位を発生させる。ロードセル(ひずみゲ
ージ20)から得られた荷重が、定めた荷重−時間波形
に一致していればそのまま圧電アクチュエータ5への電
圧を増加させ、そうでなければ修正する。一方で、試料
2に取り付けたひずみゲージ28からひずみを測定する
ことで、試料2にかかる荷重とひずみとの関係を測定す
ることができる。この場合、試料2の断面積で荷重を割
ることで応力を求めることができるので、応力−ひずみ
曲線も求めることができる。なお、圧電アクチュエータ
5そのものの電圧−荷重曲線、変位荷重曲線において
は、おおきなヒステリシスを伴うことから、上述したよ
うなフィードバック制御を行うようにすることが望まし
い。
【0032】以上説明したように、本発明では小型材料
試験装置1に圧電アクチュエータ5を用いることによ
り、試験精度を保持しつつ、微小な大きさの試料2を試
験することを可能としている。これにより、試料2の採
取場所やその種類に限定を与えずに済むため、発電所な
どの大型構造物で使用することが可能となる。また本発
明によれば、使用された部材のごく一部から試料2を採
取して材料試験を行うことができるため構造物への損失
も非常に小さい。
【0033】また、近年、医学分野においてガンや骨の
密度低下などの解明あるいは生体物質の力学的挙動を明
らかにすることが求められているところ、実際に患者か
ら試料を取り出し、本発明を実施して試験をすることも
できるため、この様な分野での適用・応用も可能であ
る。
【0034】さらに、材料試験をするのみではなく、観
察装置と併用すれば破壊メカニズムを解明することにも
使用できる。例えば、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡、
透過型電子顕微鏡、原子間力顕微鏡など数多くの観察装
置があるものの観察のための試料室内は非常に狭くなっ
ている状況に関しては、本発明にかかる小型材料試験装
置1を用いれば、上記のような環境にとらわれることな
く表面観察しながら種々の試験をすることができ、今後
種々の興味深い現象とそのメカニズムを明らかにするこ
とに資することもできる。
【0035】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実
施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。例えば上述した実施形態では、圧電アクチュエー
タ5の電圧変化時における伸縮作用を利用して試料2に
引張荷重を与える小型材料試験装置1およびこの装置1
を用いた試験方法について説明したが、これとは逆に、
試料2に圧縮荷重を与えるように構成することも可能で
ある。
【0036】すなわち、図6に示す第2の実施形態のよ
うに、試験台6の両端に固定支持手段3と第2ブラケッ
ト11を固着するとともに、移動可能な連結部材10を
試験台6上の中央付近に設け、さらに、固定支持手段3
と連結部材10の間に支持棒4を設け、かつ、連結部材
10と第2ブラケット11の間に2本の圧電アクチュエ
ータ5を設置して小型材料試験装置1を構成することも
できる。この場合、図6からも明らかなように、圧電ア
クチュエータ5を伸長させれば試料2には圧縮荷重がか
かるので、このような小型材料試験装置1を利用して圧
縮試験を行うことも可能である。
【0037】
【実施例】図3に示した試料2において、厚さ1mm、
試験のための標点間距離を3mmとした平板試験片を成
形し、本発明の小型材料試験装置1で引張試験を行った
ところ、データ内容としても問題のない試験結果を得る
ことができた。なお、試料2の厚さ、標点間距離などは
さらに小さくすることが可能であるが、試料2の両端部
における支持部はねじ固定とするため、図面に示すよう
なある程度の大きさを有していることが好ましい。
【0038】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1記載の小型材料試験装置によれば、構造が比較的簡単
で小型化も可能な圧電アクチュエータの伸縮作用を利用
しているため、試験精度を保持しつつ小型材料試験装置
自体を小型化することができる。この際、装置のサイズ
の割には大きな荷重を発生させることが可能であるし、
従来の材料試験と比較して試験精度が劣るようなことも
ない。
【0039】しかも本発明では、圧電アクチュエータの
採用により、大きな荷重を発生させると同時に変位量を
微妙に制御することができるようにしているので、微小
な大きさの試料の試験を可能としている。このため、試
料の採取場所やその種類に限定を与えずに構造物への損
失を小さくすることができる。
【0040】また請求項2記載の小型材料試験装置によ
れば、複数の板状圧電素子を軸方向に積層して圧電アク
チュエータを構成しているため、発生する変位を積層数
に応じて線形的に大きくすることができる。
【0041】さらに請求項3記載の小型材料試験装置に
よれば、可動支持部材に対して軸方向への荷重を偏りな
く与えることができ、測定誤差もきわめて少ないものと
することができる。しかも、軸方向に沿って荷重を与え
ることができるので、試験時において圧電アクチュエー
タ自体にかかる反力バランスをとり、アクチュエータそ
のものを破壊から防止することができる。
【0042】また請求項4記載の小型材料試験装置によ
れば、圧電アクチュエータと連結部材との間に球面部材
を介在させているため、試験中に生じる圧電アクチュエ
ータへのせん断力を回避することができることに加え、
圧電アクチュエータからの荷重を一方向へ正確かつ十分
に伝えることが可能となる。
【0043】請求項5記載の材料試験方法によれば、構
造が比較的簡単で小型化も可能な圧電アクチュエータの
伸縮作用を利用して微小試料の材料試験を可能としてい
ることから、試験精度を保持しつつ、試料の採取場所や
その種類に限定を与えずに構造物への損失を小さくする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す圧電アクチュエータ
を用いた小型材料試験装置の斜視図である。
【図2】図1に示す圧電アクチュエータを用いた小型材
料試験装置の分解斜視図である。
【図3】試験対象となる試料の形状の一例を示す(A)
平面図と(B)側面図である。
【図4】荷重(ひずみ)と時間との関係を示す波形の一
例を示すグラフであり、(A)は荷重制御下、ひずみ制
御下引張り試験、(B)はクリープ試験、応力緩和試
験、(C)は荷重制御下、ひずみ制御下三角波疲労試
験、(D)は荷重制御下、ひずみ制御下台形波疲労試験
の場合である。
【図5】測定された荷重を増幅し変換した後パーソナル
コンピュータに送るまでの流れの一例を示す図である。
【図6】本発明の別の実施形態を示す圧電アクチュエー
タを用いた小型材料試験装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 小型材料試験装置 2 試料 3 固定支持手段 4 支持棒(可動支持手段) 5 圧電アクチュエータ 6 試験台 10 連結部材 15 球面部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F063 AA26 EC00 EC22 2G061 AA01 AA02 AB02 AB07 CA11 CA20 CB01 DA03 DA08 EA01 EA02 EA04 EB05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試験台上に固着され試料の一端側を支持
    する固定支持手段と、前記試験台上に軸方向に移動可能
    に設けられ前記試料の他端側を支持する可動支持手段
    と、前記試験台上に一端が固定されるとともに他端が前
    記可動支持手段に軸方向が一致しあるいは平行となるよ
    うに直接あるいは間接的に接続される圧電アクチュエー
    タとを備え、電圧変化時の前記圧電アクチュエータの伸
    縮作用によって前記可動支持手段を軸方向へ移動させ前
    記試料に垂直荷重をかけることを特徴とする小型材料試
    験装置。
  2. 【請求項2】 前記圧電アクチュエータは、複数の板状
    圧電素子が軸方向に積層されて構成されたものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の小型材料試験装置。
  3. 【請求項3】 前記圧電アクチュエータは、少なくとも
    2つが前記可動支持手段に関して対称に配置され、かつ
    当該圧電アクチュエータの前記他端が連結部材を介して
    前記可動支持手段に接続されていることを特徴とする請
    求項1または2記載の小型材料試験装置。
  4. 【請求項4】 前記圧電アクチュエータと前記連結部材
    との間に球面部材が介在するように設けられていること
    を特徴とする請求項3記載の小型材料試験装置。
  5. 【請求項5】 試験台上に固定して設けられる固定支持
    手段と前記試験台上に軸方向に移動可能に設けられる可
    動支持手段とで試料を支持し、前記可動支持手段に対し
    当該可動支持手段の可動方向と軸方向とが一致するよう
    に接続された圧電アクチュエータに印加する電圧を変化
    させ、この電圧変化時の前記圧電アクチュエータの伸縮
    作用によって前記可動支持手段を軸方向へ移動させ前記
    試料に垂直荷重をかけることを特徴とする材料試験方
    法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007285932A (ja) * 2006-04-18 2007-11-01 Central Res Inst Of Electric Power Ind 小型材料試験装置
JP2012225724A (ja) * 2011-04-19 2012-11-15 Futaba Kogyo Kk 圧縮試験における被試験物の固定方法
KR101307874B1 (ko) 2011-09-20 2013-09-12 한국기초과학지원연구원 금속시편의 집속이온빔 가공을 위한 시편보호블럭 및 그 고정장치
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CN110057657A (zh) * 2019-04-12 2019-07-26 金华职业技术学院 一种样品应力施加装置
CN110132717A (zh) * 2019-04-12 2019-08-16 金华职业技术学院 一种高均匀性应力施加方法

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