JP4805609B2 - 高温水中クラッドまたはイオンの除去方法および除去装置 - Google Patents

高温水中クラッドまたはイオンの除去方法および除去装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば原子力発電プラント等における高温配管中を通流する高温水中に存在する金属腐食生成物のクラッドやイオンなどの不純物を除去するための高温水中クラッドまたはイオンの除去方法および除去装置に関する。
従来、高温水中に存在する金属腐食生成物(以下、クラッドと記す)の除去装置としては、電磁フィルタや、金属材料や有機材料で形成した多数の細孔を有する高温用フィルタなどが開発されている。そして、前者の電磁フィルタでは、液中に存在する常磁性体のクラッドである例えばマグネタイト(Fe)等の磁性体粒子を、磁性を帯びたフィルタ部材の表面に捕集するものであり(例えば、特許文献1及び特許文献2、特許文献3を参照)、後者の高温用フィルタは、形成されている細孔の孔径より大きなクラッドである例えば酸化鉄等の不純物をフィルタ表面で捕集するものである(例えば、特許文献4及び特許文献5を参照)。
しかしながら上記の従来技術における電磁フィルタを用いたクラッドの除去装置は、常磁性体のクラッドを捕集するもので、マグネタイト等の磁性体粒子は捕集して除去可能であるものの、ヘマタイト(α−Fe)や含水酸化鉄(例えば、α−FeOOH(ゲータイト)など)、非晶質の水酸化鉄などは捕集できず、捕集物に対して選択性があるために、所望の鉄除去率を得ることができない。また、高温用フィルタを用いたクラッドの除去装置は、細孔の孔径より大きなクラッドは捕集して除去可能であるものの、高温水中に生成される一部の細孔の孔径より小さい一部の微細クラッドは、フィルタの細孔を通過してしまい、この場合においても、所望の鉄除去率を得ることができない。
特開平10−337420号公報 特開平11−221410号公報 特開平11−221411号公報 特開2001−17968号公報 特開2003−28401号公報
上記のような状況に鑑みて本発明はなされたもので、その目的とするところは、高温水中に存在するクラッドやイオンなどの不純物が、磁性体粒子であるか否か、その大きさが大きいか小さいかに関わらず微細なものまで捕集可能で、高温水のクラッド濃度、鉄イオン濃度が十分低い濃度となり、所望の鉄除去率とすることが簡素な構成によって実現することができる高温水中クラッドまたはイオンの除去方法および除去装置を提供することにある。
本発明の高温水中クラッドまたはイオンの除去方法および除去装置は、
高温水中クラッドまたはイオンの除去方法が、
不純物のクラッドやイオンの存在する原子力発電プラントや火力発電プラントの蒸気発
生器やボイラーの給水系における高温水中に、前記不純物のクラッドまたはイオンを表面
析出させる前記高温水の温度より高い温度に加熱した析出媒体部材を存在させ、該析出
媒体部材の表面に前記不純物のクラッドまたはイオンを析出させて除去することを特徴と
する方法であり、
さらに、前記析出媒体部材を誘導加熱法によって、前記高温水の温度より高い温度に加
熱することを特徴とする方法である。
また、高温水中クラッドまたはイオンの除去装置が、
不純物のクラッドやイオンの存在する原子力発電プラントや火力発電プラントの蒸気発生
器やボイラーの給水系における高温水が通流する流路と、この流路途中に挿入され前記高
温水が内部を通流する電気絶縁材料で形成された容器と、この容器の内部に充填された複
数の析出媒体部材と、この析出媒体部材を前記不純物のクラッドまたはイオンを表面に
出させる前記高温水の温度より高い温度に加熱する前記容器外に設けられた誘導加熱コイ
ルとを具備することを特徴とするものであり、
さらに、前記析出媒体部材が、球状、管状、多面体状、複数の析出面を有する形状のいず
れかの形状となっていることを特徴とするものであり、
さらに、前記析出媒体部材が、金属材料、黒鉛、導電性を有するセラミックスのいずれか
によって形成されていることを特徴とするものであり、
さらに、前記流路が、ヒータ伝熱管もしくはボイラー伝熱管に給水する発電所給水配管、
ヒータ加熱用配管、ヒータドレン配管のいずれかの配管であることを特徴とするものであ
り、
さらに、前記容器の前記高温水通流方向一側の前記流路に挿入された第1バルブと、この
第1バルブと前記容器の間の前記流路に第1分岐流路を設けて接続された薬剤用第1バル
ブと、前記容器の前記高温水通流方向他側の前記流路に挿入された第2バルブと、この第
2バルブと前記容器の間の前記流路に第2分岐流路を設けて接続された薬剤用第2バルブ
と、前記薬剤用第1バルブを介し前記容器内に洗浄用の薬剤を供給する薬剤供給部と、前
記薬剤用第2バルブを介し前記容器からの洗浄後の前記薬剤を回収する薬剤回収部を備え
ていることを特徴とするものである。
本発明によれば、高温水中に存在するクラッドやイオンなどの不純物の捕集物に対して選択性を有しておらず、それが磁性体粒子であるか否か、その大きさが大きいか小さいかに関わらず捕集可能であり、また所望の鉄除去率を簡素な構成で実現することができる。
以下本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
先ず第1の実施形態を図1及び図2により説明する。図1は一部を切欠いて示す正面図であり、図2はクラッドやイオンの除去性能を示す図である。
図1において、除去装置1は、例えば原子力発電プラントや火力発電プラント等の蒸気発生器やボイラーの給水系などにおける高温水中に存在するクラッド(金属腐食生成物)やイオンなどの不純物を除去するもので、高温水の流路を形成する配管2の途中に挿入するように構成されている。すなわち、除去装置1は、配管2と同直径の短管形状をなす電気絶縁材料で形成された容器3を備えており、管状の容器3の両端外側には、配管2に設けられたフランジ4に接続するためのフランジ5がそれぞれ設けられている。
また、容器3は、その両端の開口部分に、図示しないが高温水の流通孔を有する多孔壁部材が取り付けられており、さらに容器3の両多孔壁部材間内部には、導電性材料、例えば金属材料や黒鉛、導電性を有するセラミックス等で形成された析出媒体部材6が多数収納されている。また収納された析出媒体部材6は、流通孔を通過しない大きさであると共に、その形状は例えば球状、管状、多面体状、複数の析出面を有する形状等のうちのいずれかの形状をなすものとなっており、さらに、各形状のなかでも析出媒体部材6を入れたことにより生じる圧力損失が少なくなるように形状が選択される。
さらに、容器3の外側には、誘導加熱コイル7が巻回され、図示しない誘導加熱電源から電力供給がなされるようになっている。すなわち、誘導加熱電源から所定周波数の電力供給を行うと、容器3内に交番磁界が発生し、これにより交番磁界中におかれた導電性材料の析出媒体部材6には渦電流が流れ、析出媒体部材6は自己発熱することになる。なお、析出媒体部材6の発熱量の調節は、渦電流の量を例えば誘導加熱コイル7に流す電流量を変えるなどして調節することによっておこなう。
そして、このように構成された除去装置1では、発電プラントの給水系などでの例えば約230℃の高温水が通流する配管2の途中に、配管2のフランジ4と容器3のフランジ5を図示しないボルト、ナット等を用いて水密に接続するようにして挿入される。挿入後、高温水を配管2に通流させると共に誘導加熱コイル7に誘導加熱電源から所定周波数の電力供給を行い、容器3に収納された析出媒体部材6を、高温水の温度よりも高い所定の温度となるよう誘導加熱コイル7に流す電流量を変え、誘導加熱する。
この誘導加熱によって高温水の温度以上の所定温度となった析出媒体部材6の表面に接触するように高温水を流すと、これによって高温水はさらに加熱され、析出媒体部材6の表面に高温水中に存在するクラッドやイオンなどの不純物が析出する。この結果、高温水は上流側の配管2から除去装置1内に流入し、装置内部を通流する間に不純物が除去され、不純物の量が減少した高温水が下流側の配管2に流出する。
また、上記除去装置1の不純物の除去性能確認を、例えば揮発性水処理を行う加圧水型原子炉(PWR)プラントの給水系での除去性能確認として、所定濃度で所定範囲の粒径のクラッドや鉄イオンをそれぞれ含むように調整し、給水系設計温度の230℃とした模擬高温水を用い、この模擬高温水を配管2を介して除去装置1に通流させることにより行った。それによれば、図2に示すように、除去装置1の入口部では、クラッド濃度が4ppb、鉄イオン濃度が1ppbであったものが、除去装置1の出口部では、クラッド濃度が0.5ppbと1/8に、また鉄イオン濃度が0.3ppbと約1/3にそれぞれ大幅に低下する結果となった。
このように、誘導加熱によって析出媒体部材6を所定温度に加熱するといった簡素な構成の除去装置1によって、高温水中の不純物のクラッドやイオンを共に減少させることができ、配管2の下流に配置された機器において生じる不純物による不具合、例えば伝熱管でのスケール障害等を大幅に軽減できることになる。なお、析出媒体部材6を黒鉛、導電性を有するセラミックスで構成した場合には、金属材料で構成した場合に懸念される使用金属による腐食生成物の発生の虞がない。
次に第2の実施形態を図3により説明する。図3は一部を切欠いて示す正面図である。なお、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と異なる本実施形態の構成について説明する。
図3において、除去装置11は、第1の実施形態と同様に高温水中のクラッドやイオンなどの不純物を除去するもので、高温水の流路を形成する配管12の途中に挿入するように構成されている。除去装置11は、容器13が電気絶縁材料で形成された下部開口が閉塞された略円筒状の容器本体14と、同じく電気絶縁材料で形成された蓋体15によって構成されており、容器本体14には、その上部開口端外周にフランジ16が設けられ、蓋体15にも、その外周にフランジ17が設けられている。そして、フランジ16とフランジ17とを水密に取り付けることによって、容器本体14は、蓋体15により密閉される。
また、容器本体14の外底部の中央部分には、高温水を容器3内に実線矢印Aで示すように供給する配管12の供給管18が固着されており、蓋体15の中央部分には、高温水を容器3外に実線矢印Bで示すように排出する配管12の排出管19が固着されている。さらに、容器本体14の内底部中央部分には、図示しないが、供給管18に連通する内底部開口を覆うように、高温水の流通孔を有する多孔部材が取り付けられており、また蓋体15にも、排出管19に連通する内開口を覆うように、高温水の流通孔を有する多孔部材が取り付けられている。
さらに容器13の内部には、多孔部材の流通孔を通過しない大きさの導電性材料で形成された析出媒体部材6が多数収納されている。また容器13の外側には、誘導加熱コイル7が巻回され、図示しない誘導加熱電源から電力供給がなされるようになっている。
そして、このように構成された除去装置11は、発電プラントの給水系などでの例えば約230℃の高温水が通流する配管12の途中に、容器本体14の外底部に固着された供給管18を上流側に、蓋体15に固着された排出管19を下流側に設けるように挿入される。挿入後、高温水を配管12に通流させると共に誘導加熱コイル7に誘導加熱電源から所定周波数の電力供給を行い、容器13に収納された析出媒体部材6を、高温水の温度よりも高い所定の温度となるよう誘導加熱コイル7に流す電流量を変え、誘導加熱する。
この誘導加熱によって高温水の温度以上の所定温度となった析出媒体部材6の表面に接触するように高温水を流すと、第1の実施形態と同様に、高温水はさらに加熱され、析出媒体部材6の表面に高温水中に存在するクラッドやイオンなどの不純物が析出する。この結果、高温水は配管12の上流側である供給管18から除去装置11内に流入し、装置内部を通流する間に不純物が除去され、不純物の量が減少した高温水が下流側の排出管19に流出することとなり、本実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。
次に第3の実施形態を図4により説明する。図4は一部を切欠いて示す正面図である。なお、第1及び第2の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、第1及び第2の実施形態と異なる本実施形態の構成について説明する。
図4において、除去装置21は、第1及び第2の実施形態と同様に高温水中のクラッドやイオンなどの不純物を除去するもので、高温水の流路を形成する配管12の途中に挿入するように構成されている。除去装置21は、電気絶縁材料で形成された容器本体14と、これを覆う蓋体15によって構成された容器13を備えている。そして容器本体14は、蓋体15によって、それぞれのフランジ16,17とを水密に取り付けることによって密閉される。さらに、容器13の内部には、導電性材料で形成された析出媒体部材6が多数収納されており、容器13の外側には、誘導加熱コイル7が巻回され、図示しない誘導加熱電源から電力供給がなされるようになっている。
また、容器本体14の外底部に、高温水を供給する配管12の供給管18が固着され、蓋体15に、高温水を排出する配管12の排出管19が固着されている。さらに、供給管18には、高温水の供給を行ったり、停止したりできるように供給バルブ22が直列に挿入されており、また排出管19には、高温水の排出を行ったり、停止したりできるように排出バルブ23が直列に挿入されている。
またさらに、蓋体15と排出バルブ23の間の排出管19には、洗浄用の薬剤を白抜き矢印Cで示したように供給するための薬剤供給部24を一端に接続した薬剤供給分岐管25の他端が接続されており、また薬剤供給分岐管25の中間部には、薬剤の供給を行ったり、停止したりできるように薬剤供給バルブ26が直列に挿入されている。また、容器本体14と供給バルブ22の間の供給管18には、洗浄後の薬剤を白抜き矢印Dで示したように回収する薬剤回収部27を一端に接続した薬剤回収分岐管28の他端が接続されており、また薬剤回収分岐管28の中間部には、洗浄後の薬剤の回収を行ったり、停止したりできるように薬剤回収バルブ29が直列に挿入されている。なお、薬剤回収部27には、薬剤として例えば濃度が5%〜10%程度の塩酸、または硫酸、またはしゅう酸などの酸類、あるいは濃度が10%程度の水酸化ナトリウム等のアルカリ類が充填されている。
そして、このように構成された除去装置21は、発電プラントの給水系などでの例えば約230℃の高温水が通流する配管12の途中に、容器本体14の外底部に固着された供給管18を上流側に、蓋体15に固着された排出管19を下流側に設けるように挿入される。その後、供給バルブ22及び排出バルブ23を高温水が通流するよう開放し、また薬剤供給バルブ26及び薬剤回収バルブ29を閉止した状態とし、この状態で高温水を配管12に通流させると共に誘導加熱コイル7に誘導加熱電源から所定周波数の電力供給を行い、容器13に収納された析出媒体部材6を、高温水の温度よりも高い所定の温度となるよう誘導加熱コイル7に流す電流量を変え、誘導加熱する。
この誘導加熱によって高温水温度以上の所定温度となった析出媒体部材6の表面に接触するように高温水を流すと、第1の実施形態と同様に、高温水はさらに加熱され、析出媒体部材6の表面に高温水中に存在するクラッドやイオンなどの不純物が析出する。この結果、高温水は配管12の上流側である供給管18から除去装置11内に流入し、装置内部を通流する間に不純物が除去され、不純物の量が減少した高温水が下流側の排出管19に流出することとなり、本実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。
さらに、上記の除去装置21による高温水中の不純物の除去を継続して所定時間行い、析出媒体部材6への不純物析出量が多くなった時点で、供給バルブ22及び排出バルブ23を閉止して容器13内の高温水の通流を停止する。その後、薬剤供給バルブ26及び薬剤回収バルブ29を開放状態とし、薬剤供給部24から薬剤を、流量を調節しながら容器13内に、高温水の通流方向と逆方向に通流させる。この薬剤の通流を所定時間継続することで、析出媒体部材6の表面に析出し付着していた不純物が薬剤に溶解し、析出媒体部材6が洗浄される。そして、洗浄後の薬剤は、薬剤回収分岐管28を介して薬剤回収部27に回収される。これにより、析出媒体部材6は再使用可能となり、長期にわたって除去性能を維持することが可能となる。なお、薬剤回収部27に回収された洗浄後の薬剤については、再生処理等を施して再使用したり、適宜の処理を施して系外に排出するようにしたりしてもよい。また高温水、薬剤の通流方向については、上記実施形態に限るものでなく、同方向でも、また供給側と排出側が逆となるように通流させてもよい。
次に第4の実施形態を図5により説明する。図5は除去装置が配管に挿入された沸騰水型原子炉(BWR)プラントの概略構成を示す構成図である。
図5において、沸騰水型原子炉(BWR)プラント31は、原子炉32で生成した高温高圧の蒸気で高圧タービン33を回転させ、さらに低圧タービン34を回転させ、これによって図示しない発電機を回転させて発電を行う。低圧タービン34から排出された蒸気は、復水器35で水に戻され、続いて復水脱塩装置36で浄化された後に、再度給水系を構成する低圧ヒータ37と高圧ヒータ38、これらを接続する給水配管39、高圧ヒータ38と原子炉32を接続する給水配管40を通じて原子炉32に戻される。そして、給水配管39には、除去装置41が直列に挿入されている。なお、除去装置41は、上記各実施形態、例えば第1の実施形態の除去装置1のように構成されている。
こうした給水配管40を通じて原子炉32に戻す前に、水は低圧タービン34から低圧ヒータ配管42を通じて供給される蒸気を熱源とする低圧ヒータ37で加熱され、さらに高圧タービン33に流れ、高圧ヒータ配管43を通じて供給される蒸気の一部を熱源とする高圧ヒータ38で加熱され、その後に、原子炉32に戻される。なお、44は高圧ヒータドレン配管であり、45は低圧ヒータドレン配管であり、さらに、46,47はポンプである。
このように構成されたBWRプラント31においては、高温水は、給水配管39に挿入された除去装置41を通流する間に、誘導加熱されて高温水の温度より高い温度となっている析出媒体部材の表面に接触し、それにより存在するクラッドやイオンなどの不純物が析出され、除去される。そして、不純物の除去が行われた高温水は、さらに下流のポンプ47、高圧ヒータ38、給水配管40、原子炉32へと流下する。
その結果、除去装置41よりも下流の機器、配管、すなわち高圧ヒータ38の伝熱管表面や原子炉32のボイラー伝熱管表面、給水配管40の管内壁面等におけるクラッドまたはイオンの析出が抑制でき、伝熱効率の向上及び機器の寿命延長を図ることができる。
なお、上記の実施形態においては除去装置41を給水配管39に挿入したが、他の給水配管40や低圧ヒータ配管42、高圧ヒータ配管43、高圧ヒータドレン配管44、低圧ヒータドレン配管45に挿入するようにしてもよい。
次に第5の実施形態を図6により説明する。図6は除去装置が配管に挿入されたPWRプラント二次系の概略構成を示す構成図である。なお、第4の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、第4の実施形態と異なる本実施形態の構成について説明する。
図6において、PWRプラント二次系51は、図示しない原子炉の発生熱により蒸気発生器52で生成した高温高圧の蒸気で高圧タービン53を回転させ、さらに蒸気は湿分分離加熱器54を経由して低圧タービン55を回転させ、これによって図示しない発電機を回転させて発電を行う。低圧タービン55から排出された蒸気は、BWRプラントと同様に、復水器56で水に戻され、続いて復水脱塩装置57で浄化された後に、再度給水系を構成する低圧ヒータ58、給水配管59、脱気器60、給水配管61、高圧ヒータ62、給水配管63を通じて蒸気発生器52に戻される。そして、給水配管41には、除去装置41が直列に挿入されている。
こうした給水配管63を通じて蒸気発生器52に戻す前に、水は低圧タービン55から低圧ヒータ配管64を通じて供給される蒸気を熱源とする低圧ヒータ58で加熱され、脱気器60に給水配管59を介して収集される。また脱気器60には、湿分分離加熱器54からタンク65、湿分分離加熱器ドレン配管66を介してドレンが収集される。脱気器60に収集された回収水やドレンは、給水配管61を通じて高圧ヒータ62に流れ、ここで
湿分分離加熱器54からタンク67を介すると共に高圧ヒータ配管68を通じて供給される蒸気の一部を熱源とする高圧ヒータ62で加熱され、その後に、蒸気発生器52に戻される。なお、69は高圧ヒータドレン配管であり、70は低圧ヒータドレン配管であり、さらに、46,47はポンプである。
このように構成されたPWRプラント二次系51においては、高温水は、給水配管59に挿入された除去装置41を通流する間に、誘導加熱されて高温水の温度より高い温度となっている析出媒体部材の表面に接触し、それにより存在するクラッドやイオンなどの不純物が析出され、除去される。そして、不純物の除去が行われた高温水は、さらに下流の脱気器60、ポンプ47、高圧ヒータ62、給水配管63、蒸気発生器52へと流下する。
その結果、除去装置41よりも下流の機器、配管、すなわち高圧ヒータ62の伝熱管表面や蒸気発生器52のボイラー伝熱管表面、給水配管63の管内壁面等におけるクラッドまたはイオンの析出が抑制でき、伝熱効率の向上及び機器の寿命延長を図ることができる。
なお、上記の実施形態においては除去装置41を給水配管59に挿入したが、他の給水配管61,63や低圧ヒータ配管64、高圧ヒータ配管68、高圧ヒータドレン配管69、低圧ヒータドレン配管70、湿分分離加熱器ドレン配管66に挿入するようにしてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る除去装置を一部切欠いて示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係る除去装置におけるクラッドやイオンの除去性能を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る除去装置を一部切欠いて示す正面図である。 本発明の第3の実施形態に係る除去装置を一部切欠いて示す正面図である。 本発明に係る除去装置が配管に挿入された沸騰水型原子炉プラントの概略構成を示す構成図である。 本発明に係る除去装置が配管に挿入された加圧水型原子炉プラント二次系の概略構成を示す構成図である。
符号の説明
1,11,21,41…除去装置
2…配管(流路)
3,13…容器
6…析出媒体部材
7…誘導加熱コイル
14…容器本体
15…蓋体
18…供給管(流路)
19…排出管(流路)
22…供給バルブ(第2バルブ)
23…排出バルブ(第1バルブ)
24…薬剤供給部
25…薬剤供給分岐管(第1分岐流路)
26…薬剤供給バルブ(薬剤用第1バルブ)
27…薬剤回収部
28…薬剤回収分岐管(第2分岐流路)
29…薬剤回収バルブ(薬剤用第2バルブ)

Claims (7)

  1. 不純物のクラッドやイオンの存在する原子力発電プラントや火力発電プラントの蒸気発
    生器やボイラーの給水系における高温水中に、前記不純物のクラッドまたはイオンを表面
    析出させる前記高温水の温度より高い温度に加熱した析出媒体部材を存在させ、該析出
    媒体部材の表面に前記不純物のクラッドまたはイオンを析出させて除去することを特徴と
    する高温水中クラッドまたはイオンの除去方法。
  2. 前記析出媒体部材を誘導加熱法によって、前記高温水の温度より高い温度に加熱するこ
    とを特徴とする請求項1記載の高温水中クラッドまたはイオンの除去方法。
  3. 不純物のクラッドやイオンの存在する原子力発電プラントや火力発電プラントの蒸気発
    生器やボイラーの給水系における高温水が通流する流路と、この流路途中に挿入され前記
    高温水が内部を通流する電気絶縁材料で形成された容器と、この容器の内部に充填された
    複数の析出媒体部材と、この析出媒体部材を前記不純物のクラッドまたはイオンを表面に
    析出させる前記高温水の温度より高い温度に加熱する前記容器外に設けられた誘導加熱コ
    イルとを具備することを特徴とする高温水中クラッドまたはイオンの除去装置。
  4. 前記析出媒体部材が、球状、管状、多面体状、複数の析出面を有する形状のいずれかの
    形状となっていることを特徴とする請求項3記載の高温水中クラッドまたはイオンの除去
    装置。
  5. 前記析出媒体部材が、金属材料、黒鉛、導電性を有するセラミックスのいずれかによっ
    て形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4記載の高温水中クラッドまた
    はイオンの除去装置。
  6. 前記流路が、ヒータ伝熱管もしくはボイラー伝熱管に給水する発電所給水配管、ヒータ
    加熱用配管、ヒータドレン配管のいずれかの配管であることを特徴とする請求項3記載の
    高温水中クラッドまたはイオンの除去装置。
  7. 前記容器の前記高温水通流方向一側の前記流路に挿入された第1バルブと、この第1バ
    ルブと前記容器の間の前記流路に第1分岐流路を設けて接続された薬剤用第1バルブと、
    前記容器の前記高温水通流方向他側の前記流路に挿入された第2バルブと、この第2バル
    ブと前記容器の間の前記流路に第2分岐流路を設けて接続された薬剤用第2バルブと、前
    記薬剤用第1バルブを介し前記容器内に洗浄用の薬剤を供給する薬剤供給部と、前記薬剤
    用第2バルブを介し前記容器からの洗浄後の前記薬剤を回収する薬剤回収部を備えている
    ことを特徴とする請求項3記載の高温水中クラッドまたはイオンの除去装置。
JP2005153390A 2005-05-26 2005-05-26 高温水中クラッドまたはイオンの除去方法および除去装置 Expired - Fee Related JP4805609B2 (ja)

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