JP4804990B2 - 部材設計支援装置及び部材設計支援方法 - Google Patents
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3次元形状より抽出した2次元断面モデルから高い精度で部材強度を模擬できる部材設計支援装置が得られる。
まず、断面モデル生成部10aにより、部材モデル100を切断したときの切断面に係る2次元断面モデルが生成される(ステップS101)。ここでは、図2の一点鎖線で示した位置における2次元断面モデルについて説明する。
次に、データ変換部10hにより、3次元CADシステムに対応した2次元断面モデルデータのデータ形式が、座屈範囲導出部10bで読み込みが可能なデータ形式に変換される(ステップS102)。
次に、座屈範囲導出部10bにおいて、断面モデル生成部10aにより生成された2次元断面モデル100aにおける部材壁面座屈が生じる座屈範囲が導出される(ステップS103)。以下に、図3、図4を用いて座屈範囲の導出について説明する。
be/b
=√(σcr/σy)
=(t/b)*√[(kπ2E)/{12σy(1−ν2)}]
以上より、
be=t*√[(kπ2E)/{12σy(1−ν2)}] (1)
be:有効幅[m]
σy:降伏応力[N/m2]
σcr:座屈応力[N/m2]
t:部材厚み[m]
a:断面高さ[m]
b:断面幅[m]
k:座屈係数[−]
π:円周率[−]
ν:ポアソン比[%]
E:ヤング率[N/m2]
(モデル修正ステップ)
次に、強度導出部10dにおいて、モデル修正部10cにより修正された2次元断面モデルについての断面強度が、降伏後ひずみ硬化を考慮し、且つ、有効幅に基づいた耐力予測から導出される(ステップS105)。
Mp=∫σyydA (2)
ここで、dAは微小面積を、yは中立軸からの距離を、σyは降伏応力をそれぞれ示している。ここで導出される断面強度は、図4の形状から座屈範囲J、I及び式Kを除いた状態で(2)を用いて計算した全塑性モーメントMpの値となる。このようにして、部材壁面座屈を考慮し、耐荷力に寄与しない部分を除いて断面強度が計算される。
σT=F(Eo+εp)n (3)
ここで、各変数は以下の通りである。
σT:真の応力
F、n:材料の種類で決まる定数
Eo:降伏ひずみ
εp:対数塑性ひずみ
次に、強度判断部10eにおいて、強度導出部10dにより導出された2次元断面モデルの断面強度が入力条件によって規定される必要断面強度を満たすか否かが判断される(S106)。ここで、導出された断面強度が、必要断面強度を満たさない場合には、再び2次元断面モデルが修正され(ステップS104)、断面強度が導出され(ステップS105)、2次元断面モデルの断面強度が判断される(ステップS106)。これらが、導出された断面強度が必要断面強度を満たすまで繰り返される。また、ここでの必要断面強度は、部材モデル100の形状及び材料から決定されるものである。
そして、最適化部10fにおいて、2次元断面モデルの断面強度が必要断面強度を満たし且つ2次元断面モデルの重量が最小となるように2次元断面モデルが最適化される。ここで、最適化後の2次元断面モデルの重量が最小でない場合には再び2次元断面モデルが修正され(S104)、断面強度が導出され(ステップS105)、2次元断面モデルの断面強度が判断され(ステップS106)、重量が最小か判断される(ステップS107)。これらが、導出された断面強度が必要断面強度を満たし且つ2次元断面モデルの重量が最小となるまで繰り返される。
次に、データ変換部10hにより、最適化された2次元断面モデルデータのデータ形式が、3次元CADシステムに対応するデータ形式に変換される(ステップS108)。
次に、3次元CADシステムにおいて、最適化された2次元断面モデルデータより3次元形状が再構築され、モニター20へ出力される。そして、再構築された3次元形状のデータは記憶部10gへ記憶される(ステップS109)。ここでは1つの2次元断面モデル100aの最適化についてのみ説明しているが、実際には複数の2次元断面モデルをサンプリングして3次元形状を再構築することになる。再構築された部材モデル100tの3次元形状は図6のように表わされる。このようにして、対象部材モデルが必要断面強度を満たし、且つ重量が最小となるように部材設計支援が行なわれる。
R=√(σy/σcr)
=(b/πt)*√[{12σy(1−ν2)}/(kE)] (4)
ここで、各変数は以下の通りである。
R:幅圧比パラメータ[−]
σy:降伏応力[N/m2]
σcr:座屈応力[N/m2]
t:部材厚み[m]
b:断面幅[m]
k:座屈係数[−]
π:円周率[−]
ν:ポアソン比[%]
E:ヤング率[N/m2]
Mcr/Mp=1/R0.6 (5)
ここで、各変数は以下の通りである。
Mcr:座屈時の全塑性モーメント[Nm]
Mp:全塑性モーメント[Nm]
10 コンピュータ
10a 断面モデル生成部
10b 座屈範囲導出部
10c モデル修正部
10d 強度導出部
10e 強度判断部
10f 最適化部
100 部材モデル
100a 2次元断面モデル
I、J、K 座屈範囲
101、102、103 ビード
Claims (16)
- 3次元形状を有する部材モデルを切断したときの切断面に係る2次元断面モデルを生成する断面モデル生成手段と、
前記断面モデル生成手段が生成した前記2次元断面モデルの断面強度を、前記2次元断面モデルにおける部材壁面座屈が生じる座屈範囲を考慮して導出する強度導出手段とを備えていることを特徴とする部材設計支援装置。 - 3次元形状を有する部材モデルを切断したときの切断面に係る2次元断面モデルを生成する断面モデル生成手段と、
前記断面モデル生成手段が生成した前記2次元断面モデルにおける部材壁面座屈が生じる座屈範囲を導出する座屈範囲導出手段と、
前記座屈範囲導出手段が導出した座屈範囲を考慮して、前記断面モデル生成手段が生成した前記2次元断面モデルの形状及び材料の少なくともいずれか一方を修正するモデル修正手段と、
前記モデル修正手段が修正した後の前記2次元断面モデルの断面強度を導出する強度導出手段とを備えていることを特徴とする部材設計支援装置。 - 前記モデル修正手段が、
前記座屈範囲導出手段が導出した座屈範囲が断面欠損範囲となるように、前記モデル生成手段が生成した前記2次元断面モデルを修正することを特徴とする請求項2に記載の部材設計支援装置。 - 前記モデル修正手段が、
前記座屈範囲導出手段が導出した座屈範囲が断面欠損範囲とならないように、前記モデル生成手段が生成した前記2次元断面モデルの形状及び材料の少なくともいずれか一方を修正することを特徴とする請求項2に記載の部材設計支援装置。 - 前記強度導出手段は、降伏後ひずみ硬化を考慮して前記2次元断面モデルの断面強度を導出することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の部材設計支援装置。
- 前記強度導出手段が導出した前記2次元断面モデルの断面強度が入力条件によって規定される必要断面強度を満たすか否かを判断する強度判断手段と、
前記2次元断面モデルの断面強度が前記必要断面強度を満たし且つ前記2次元断面モデルの重量が最小となるように前記2次元断面モデルを最適化する最適化手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の部材設計支援装置。 - 前記強度導出手段は、有効幅に基づいた耐力予測から、前記2次元断面モデルの断面強度を導出することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の部材設計支援装置。
- 前記強度導出手段は、前記2次元断面モデルの幅厚比パラメータRを利用して、前記2次元断面モデルの断面強度を導出することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の部材設計支援装置。
- コンピュータ内でハードウェアとソフトウェアが組み合わさることによって構築される断面モデル生成手段により、3次元形状を有する部材モデルを切断したときの切断面に係る2次元断面モデルを生成する断面モデル生成ステップと、
コンピュータ内でハードウェアとソフトウェアが組み合わさることによって構築される強度導出手段により、前記断面モデル生成ステップにおいて生成された前記2次元断面モデルの断面強度を、前記2次元断面モデルにおける部材壁面座屈が生じる座屈範囲を考慮して導出する強度導出ステップとを備えていることを特徴とする部材設計支援方法。 - コンピュータ内でハードウェアとソフトウェアが組み合わさることによって構築される断面モデル生成手段により、3次元形状を有する部材モデルを切断したときの切断面に係る2次元断面モデルを生成する断面モデル生成ステップと、
コンピュータ内でハードウェアとソフトウェアが組み合わさることによって構築される座屈範囲導出手段により、前記断面モデル生成ステップにおいて生成された前記2次元断面モデルにおける部材壁面座屈が生じる座屈範囲を導出する座屈範囲導出ステップと、
コンピュータ内でハードウェアとソフトウェアが組み合わさることによって構築されるモデル修正手段により、前記座屈範囲導出ステップにおいて導出された座屈範囲を考慮して、前記断面モデル生成ステップにおいて生成された前記2次元断面モデルの形状及び材料の少なくともいずれか一方を修正するモデル修正ステップと、
コンピュータ内でハードウェアとソフトウェアが組み合わさることによって構築される強度導出手段により、前記モデル修正ステップにおいて修正された後の前記2次元断面モデルの断面強度を導出する強度導出ステップとを備えていることを特徴とする部材設計支援方法。 - 前記モデル修正ステップでは、
前記座屈範囲導出ステップにおいて導出された座屈範囲が断面欠損範囲となるように、前記モデル生成ステップにおいて生成された前記2次元断面モデルを修正することを特徴とする請求項10に記載の部材設計支援方法。 - 前記モデル修正ステップでは、
前記座屈範囲導出ステップにおいて導出された座屈範囲が断面欠損範囲とならないように、前記モデル生成ステップにおいて生成された前記2次元断面モデルの形状及び材料の少なくともいずれか一方を修正することを特徴とする請求項10に記載の部材設計支援方法。 - 前記強度導出ステップでは、降伏後ひずみ硬化を考慮して前記2次元断面モデルの断面強度を導出することを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の部材設計支援方法。
- コンピュータ内でハードウェアとソフトウェアが組み合わさることによって構築される強度判断手段により、前記強度導出ステップにおいて導出された前記2次元断面モデルの断面強度が入力条件によって規定される必要断面強度を満たすか否かを判断する強度判断ステップと、
コンピュータ内でハードウェアとソフトウェアが組み合わさることによって構築される最適化手段により、前記2次元断面モデルの断面強度が前記必要断面強度を満たし且つ前記2次元断面モデルの重量が最小となるように前記2次元断面モデルを最適化する最適化ステップとをさらに備えていることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の部材設計支援方法。 - 前記強度導出ステップでは、有効幅に基づいた耐力予測から、前記2次元断面モデルの断面強度を導出することを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の部材設計支援方法。
- 前記強度導出ステップでは、前記2次元断面モデルの幅厚比パラメータRを利用して、前記2次元断面モデルの断面強度を導出することを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の部材設計支援方法。
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JP2006100535A JP4804990B2 (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | 部材設計支援装置及び部材設計支援方法 |
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