JP4804048B2 - タイダウンとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイダウンとその製造方法に関する。具体的には、本発明は、所望の強度を有したまま軽量化及び製造コスト低減を図ることができるタイダウンとその製造方法に関する。
環境問題や経済性を背景として、自動車車体の軽量化要請は近年益々高まっている。これに伴って、個々の自動車用部品(以下、単に「部品」ともいう。)に対しても軽量化が求められている。薄鋼板からなる従来の自動車用部品は、必要な強度性能を満たすため、本体をなす本体部品の一部に補強部品をスポット溶接等により接合したものが多く、必然的にその重量は増加する。
このため、本体部品をハイテン等の高強度材により構成して薄肉化を図ることによって軽量化を図る、いわゆる高ハイテン化も行われている。しかし、高ハイテン化は、素材を本体部品の形状へ加工する際のスプリングバック変形や割れ等といった成形不良の原因となる。
そこで、成形性に優れた引張強度440MPa級程度の低強度素材を所望の自動車用部品の形状に成形した後に、レーザ焼入装置を用いて加熱及び焼入れすることによって、高強度化する技術が開示されている。
例えば、特許文献1〜3には、安価で成形性に優れた軟鋼板を所望の自動車用部品の形状に成形した後、成形品の長さ方向に沿って高密度エネルギ源(実質的にはレーザ)を照射してビード状の焼入硬化部を形成することにより高強度プレス成形品を製造する発明が開示されている。
特開昭61−99620号公報 特開平4−72010号公報 特開平6−73438号公報
これらの特許文献1〜3により開示された焼入強化法によって十分な強度を得るためには、必然的に多くのレーザ照射本数を必要とする。このため、レーザ設備そのものが高価であることに加えてレーザ照射工程が不可欠になることにより生産性が低下し、自動車用部品の製造コストの上昇は免れない。このように、特許文献1〜3により開示された方法では、高密度エネルギの照射が不可欠であることに伴って、処理コストが嵩むといった問題や生産性が低下するといった問題がある。
また、生産性の低下を甘受し、特許文献1〜3により開示された発明にしたがって多くの焼き入れ強化部を形成すれば、相応の強度向上を図ることは確かに可能ではあるものの、得られる強度向上の程度にも限界があり、要求される強度のレベルによっては、所望の強度を得られないこともある。
さらに、自動車用部品のうちでも特に、完成車両を例えばトラックや鉄道車両等の輸送車両に搭載して輸送する際に、輸送車両の搭載部に取り付けられたタイダウンフックを掛止して完成車両を輸送車両に固定して搭載するためのタイダウンフック取付穴(バーリング穴)を有し、完成車両の床板下面にスポット溶接等により接合される部品(以下、「タイダウン」という)では、荷重が入力されるバーリング穴の周囲の高強度化を図るために、この部分を補強部材により別部品として構成せざるを得ず、重量およびコストの両面で不利であった。
本発明の目的は、所望の強度を有したまま軽量化および製造コスト低減が、いずれも図られた、タイダウンとその製造方法を提供することである。
本発明は、補強部品を用いない一体成形加工品である自動車用部品の形状を工夫することによって面剛性を向上させる形状強化と、高周波焼入れによる部分的な焼入強化とを併用すれば、所望の強度を有したまま軽量化および製造コスト低減が、いずれも図られた一体成形加工品である自動車用部品を容易に提供できるという、独創的な技術思想に基づくものである。
本発明は、鋼板からなるとともに、周囲に円筒状フランジを伴うバーリング穴であってその縁部に輸送時の自動車を拘束するタイダウンフックを掛止されるタイダウンフック取付穴を形成された一の外面を有する一体成形加工品により構成されるとともに前記バーリング穴の周囲を高強度化するための補強部材を有さない部品であるタイダウンであって、該バーリング穴の輪郭線からの距離が31.5mmまでの範囲に、円筒状フランジの立ち上がり部の外郭に略沿う方向へ環状に1又は2以上形成される凹状又は凸状のビードと、このビードの形成範囲を含む範囲であって、かつバーリング穴の輪郭線からの距離が31.5mmまでの範囲に形成される高周波焼入れ組織とを、ともに有することを特徴とするタイダウンである。
別の観点からは、本発明は、鋼板からなる一体成形加工品により構成されるとともに前記バーリング穴の周囲を高強度化するための補強部材を有さない部品であるタイダウンの一の外面に形成された、周囲に円筒状フランジを伴うバーリング穴であってその縁部に輸送時の自動車を拘束するタイダウンフックを掛止されるタイダウンフック取付穴の輪郭線からの距離が31.5mmまでの範囲に、円筒状フランジの立ち上がり部の外郭に略沿う方向へ環状に凹状又は凸状のビードを1又は2以上設けるとともに、このビードの形成範囲を含む範囲であって、かつバーリング穴の輪郭線からの距離が31.5mmまでの範囲に高周波焼入れを行うことを特徴とするタイダウンの製造法である。
本発明により、所望の強度を有したまま軽量化および製造コスト低減が図られたタイダ ウンを、容易に提供できる。
以下、本発明にかかるタイダウンおよびその製造法を実施するための最良の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する
図1は、本実施の形態のタイダウン1の構成例を示す説明図である。また、図2は、図1におけるA−A断面を、タイダウンフック7とともに示す説明図である。
同図に示すように、このタイダウン1は、素材である鋼板2にプレス成形を行うことにより略溝状に成形された一体成形加工品である。
本例では、鋼板2の板厚は1.4mm以上1.8mm以下の範囲にあるものを用いた。また、鋼板2は、高周波焼入れに供することができるものであればよく、特定の鋼種には限定されない。本例では、炭素を含有する一般的な普通鋼からなるものを用いたが、これに限定されるものではなく、例えばマルテンサイト系ステンレス鋼からなるものを用いてもよい。
タイダウン1の一の外面をなす底面1aには、図2にも示すように、輸送時の自動車を拘束するタイダウンフック7を掛止するためのタイダウンフック取付穴である貫通穴3が形成されている。この貫通穴3は、その周囲に形成された円筒状フランジ4を伴うバーリング穴である。この貫通穴3は、通常、素材である鋼板2の所定の位置に下穴を穿孔しておき、この鋼板2にプレス成形加工を行って所定の形状の一体成形加工品とした後に、形成された下穴にバーリング加工を行うことにより、円筒状にストレッチフランジングされて、穿孔される。
この貫通穴3の縁から底面1aに沿う方向へ所定の距離(本例では31.5mm)離れた位置までの範囲内に凹状又は凸状に形成されたビード5が存在するとともに、この範囲に高周波焼入れ組織6が存在する。
ビード5は、バーリング穴3の縁に、円筒状フランジ4の形成方向(バーリング加工方向)と略平行な方向へ負荷される荷重によって円筒状フランジ4の立ち上がり部の外郭に略沿う方向へ発生する最大主応力の発生方向と略平行な方向へ向けて、1又は2以上設けられる。図1に示す例では、ビード5は、円筒状フランジ4の立ち上がり部の外郭に沿って環状に設けられる。
図3は、短冊状の片持ち長方形平板8(50×100mm)の先端に荷重Fを負荷すれば片持ち長方形平板8は荷重方向へ撓むが、同じ寸法の平板8’の長さ方向、すなわち最大主応力の発生する方向と平行な方向へ、凹状あるいは凸状のビード9を設ければ荷重Fを負荷した際の撓み量が減少する、という材料力学的知見を示す説明図である。本実施の形態において形成するビード5は、この材料力学的知見に基づくものである。
貫通穴3の近傍に配置するビード5は、この貫通穴3の輪郭線から、この輪郭線からの距離が31.5mmとなる位置までの領域に形成することが望ましい。また、貫通穴3に周囲に形成された円筒状フランジ4の立ち上がり部の外郭に沿って環状に設けられることが望ましい。貫通穴3に対して荷重が垂直方向に作用した場合、最大主応力は貫通穴3の輪郭に略平行な方向に発生するため、上述した材料力学的知見に基づけば、最大主応力の発生する方向と平行な方向へビード5を設けることにより、剛性向上効果が最も高まるからである。
本実施の形態における高周波焼入れ組織6は、マルテンサイトを主体とする組織である。
高周波焼入れは、ビード5の形成範囲を含む貫通穴3の周辺部に対して行う。具体的には、貫通穴3の輪郭線上からの距離が少なくとも21.5mmまでの範囲、最大でこの距離が31.5mmまでの範囲に対して高周波焼入れを行うことが望ましい。その理由は、高周波焼入れの範囲が狭小であれば十分な高強度化を図ることができず、一方、必要以上に広範囲に高周波焼入れを行っても応力低減割合は焼入範囲と比例しなくなるとともに焼入れ変形が増大し、タイダウン1の寸法精度を損なうためである。
本実施の形態のタイダウン1が、所定の範囲にビード5と高周波焼入れ組織6とをともに有することの技術的意義を説明する。
図4は、従来のタイダウン10の構成例を示す説明図である。このタイダウン10は、本体部品11の所定の位置に補強部品12を重ね合わせ、両者をスポット溶接により接合することによって構成されるものである。
ここで、従来のタイダウン10において補強部品12を省略して本体部品11だけで構成できれば、当然のことながら、軽量化ならびに一体成形化(部品単品化)を図ることが可能になるとともに補強部品12を本体部品11に接合する工程を省略でき、製造コストの大幅な低下を図ることが可能になるが、タイダウン10として要求される強度を満足できなくなる。
また、本体部品11の材質、板厚はSPFC590、1.4mmであるのに対し、補強部品12の材質、板厚は、バーリング加工を行い得る成形加工性を確保するために、SPFC440、2.0mmである。補強部品12を省略する場合、補強部品12に設けられていたバーリング穴12aを本体部品11に直接設けることとなるため、本体部品11を成形加工性が良好なSPFC440により構成せざるをえなくなり、従来のタイダウン10の本体部品11を構成するSPFC590よりも強度が低下する。
このように、従来のタイダウン10から補強部品12を省略して本体部品11だけにより構成しようとすると、単に補強部品12を省略することだけにはとどまらず、本体部品11の強度の低下という問題も生じる。
一般的に、部品の強度低下を補うために慣用される手段の一つとして、荷重入力点近傍の形状を工夫することによって面剛性を高めることが知られている。そこで、様々なビードを有する数値解析モデルを作成し、2つの部品からなる従来のタイダウンとの強度比較を行った。その結果、強度を向上させるために好適なビードの形状が存在することは確認できたものの、いかなる形状のビードを形成しても、これだけでは、従来のタイダウン10の強度レベルを得ることはできないことがわかった。
一方、ビードの形成以外に慣用される手段の一つとして、荷重入力点近傍を高周波焼入れして強化することが知られている。そこで、高周波焼入れによる材料強度の上昇を考慮した数値解析モデルを作成し、2つの部品からなる従来のタイダウンとの強度比較を行った。その結果、高周波焼入れによる強化だけでは、従来のタイダウン10の強度レベルを得ることはできないことがわかった。
そこで、本実施の形態では、上述したように、ビード5を有する一体成形加工品の図1に示す領域にさらに高周波焼入れを行って、この領域の鋼板2の組織を高周波焼入れ組織6とする。これにより、従来のタイダウン10と同等かそれ以上の強度レベルを、一体成形加工品であるタイダウン1の所定の範囲について確保することができる。
このように、本実施の形態のタイダウン1は、強度が必要とされる荷重入力点近傍である円筒状フランジ4の立ち上がり部の外郭の面剛性を向上するためにビード5を形成するとともに、このビード5を含む範囲に高周波焼き入れを行う。これにより、円筒状フランジ4の立ち上がり部及びその外郭を高強度の補強部材により構成せずにタイダウン1を一体成形加工品として構成しても、貫通穴3の縁部を含む所望の範囲の強度を効果的に高めることができ、所望の強度を有するタイダウン1を一体成形加工品として提供することができる。
本実施の形態のタイダウン1は以上のように構成される。次に、このタイダウン1の製造工程を説明する。
はじめに、素材である鋼板2にプレス成形を行うことにより、所定の位置に、凹状または凸状に設けられたビード5を備える一体成形加工品を製造する。
ビード5は、プレスの上金型及び下金型間に、貫通穴3であるバーリング加工穴を予め穿孔された鋼板2あるいは穿孔されていない鋼板2を挟み、プレス成形を行うことによって、形成される。なお、バーリング加工穴3を穿孔されていない鋼板2にプレス成形を行う場合には、プレス成形によってビード5を成形した後に後続する工程でバーリング加工を行って、バーリング加工穴3を穿孔するようにしてもよい。すなわち、バーリング加工は、プレス成形の先でも後でもよい。
次に、このようにして一の外面である底面にバーリング加工穴3及びビード5を設けられた一体成形加工品の上述した範囲に高周波焼入れを行って、この範囲を、マルテンサイトを主体とする高周波焼入れ組織6とする。
この高周波焼入れは、高周波焼入れしようとする範囲に対応した外径を有する円形渦巻状の加熱コイル(後述する図6参照)をバーリング加工穴3の直上に配置し、加熱コイルに交流電流を印加して誘導加熱することにより、行うことが例示される。
加熱コイルへ通電する電流条件は、加熱範囲や目標加熱温度によって調整する。加熱温度は、冷却後にマルテンサイト組織を得ることができる温度、すなわちAc3点以上とし、その上限は約950℃とすることが好ましい。加熱温度が950℃を超えるとオーステナイト粒が粗大化し、変態後の組織の機械的性質が劣化するおそれがあるとともに、被加熱部品である一体成形加工品の表面に例えば亜鉛メッキ皮膜が形成されている場合には、亜鉛が溶融及び蒸発してしまうおそれがあるからである。
このようにして目標温度に加熱した後、加熱コイルをバーリング加工穴3の直上から速やかに退避させ、冷却ジャケットから冷却水を噴出し、マルテンサイト組織を得るための臨界冷却速度以上での急速冷却、すなわち焼入れを行う。このような冷却速度は、通常の水焼入れであれば、十分に確保される速度である。
このようにして、本実施の形態により、所望の強度を有したまま軽量化及び製造コスト低減がともに図られたタイダウン1を、容易に提供できる。
すなわち、本実施の形態では、ビード5を形成されて補強効果を高められた一体プレス成形加工品のビード5の形成領域に高周波焼入れを行う。このプレス成形は、ビード5の形状を有するプレス金型を準備するだけで行うことができるために特段のコスト上昇を招かないとともに、ビード5を形成してから高周波焼入れを行うために高周波焼入れの際に懸念される焼入れ変形も可及的低減できる。このため、本実施の形態によれば、極めて簡便な構成であるにもかかわらず、補強部材を用いず一体成形され、所望の強度および優れた寸法精度を有し、これにより、軽量化および製造コスト低減がともに図られたタイダウン1を製造することができる。
なお、自動車車体の軽量化では、高々数パーセント程度の軽量化であっても極めて有用かつ重要であるとされるが、本実施の形態によれば、条件にもよるが後述する実施例において開示するように、タイダウン1の重量を約20%超も軽量化できる。
また、本実施の形態によれば、従来のタイダウンでは不可欠であった補強部品を省略できることから、部品点数の削減や補強部品の接合工程の省略、さらには、補強部品の周囲における防錆処理(補強部品の端部や、補強部品と本体部品とのあわせ部等の早期の発錆が予想される部位へのワックス塗布等)の省略も図ることができる。このため、自動車の生産工程の合理化にも極めて有用である。
さらに、本実施の形態によれば、一体成形加工品であるタイダウン1の素材として、良好な成形性を有するとともに安価な低強度鋼板を用い、これを所望の形状に成形した後に高周波焼入れを行うことによって高強度化を図ることができるため、例えば590MPa級のハイテン等を用いた従来のタイダウンよりも、極めて安価にタイダウンを提供することもできる。
本発明を実施例を参照しながら、さらに具体的に説明する。
本実施例では、図1及び図2により示す形状を有するタイダウン1を用いる。
タイダウン1の貫通穴3の近傍には、輸送時における振動による一方向の繰り返し低曲げ荷重が作用するため、このような繰り返し曲げ荷重が作用した場合に破壊しないことが求められる。また、例えば運送車両の追突事故や障害物への乗り上げ等といった輸送中に発生する不測の事故による過大荷重も作用することがあり、タイダウン1の貫通穴3の近傍は、このような過大荷重が作用した場合においても破壊することなく自動車を安全に固定することが求められる。
すなわち、タイダウン1には、定常的な繰り返し低荷重負荷および非定常的な過大荷重負荷に対しても破壊しないことが、必要強度要件として求められる。
一方、比較例として、図4に示す従来のタイダウン10を用いる。
上述したように、本体部品11の材料及び板厚は、JIS G 3135に規定された自動車用加工性冷間圧延高張力鋼板SPFC590、1.4mmであり、補強部品12の材料、板厚は、JIS G 3135に規定された自動車用加工性冷間圧延高張力鋼板SPFC440、2.0mmである。本体部品11及び補強部品12は所定の位置でスポット溶接され、タイダウン10の総重量は961gである。貫通穴12aはバーリング加工によりSPFC440からなる補強部品12に穿孔されている。
本実施例では、この従来のタイダウン10と同重量のタイダウン1(板厚1.8t、重量961g)について、有限要素法による弾塑性応力解析を行った。
応力解析での境界条件として、タイダウン1、10は、いずれも自動車車体のフロアパネルやサイドフレームにスポット溶接により接合されることから、スポット溶接部を完全拘束し、貫通穴3の稜線上に荷重を与えた。従来のタイダウン10の貫通穴3の穿孔位置はタイダウン10の幅方向中央部よりも片側の縦壁側にオフセットされるため、本発明例のタイダウン1においても同様な位置に貫通穴3を設け、貫通穴3の稜線と縦壁との距離の長い側、すなわち、より高応力を発生させる位置を荷重入力点とした。
解析は、タイダウン1、10の両者に対して行い、強度比較を行った。
タイダウン1では、ビード5の導入による高強度化の効果を確認するため、様々な形状のビードを貫通穴3の回りに配したモデルを作成し、強度検討を行った。図5(a)〜図5(c)は、それらの中の代表例である3種類のビードの形状を示す説明図である。
図5(a)に示すTypeAは貫通穴3の中心方向に向けて3つのビード5aを設けたもの、図5(b)に示すTypeBは横一文字にビード5bを設けたもの、さらに、図5(c)に示すTypeCは貫通穴3の回りを1周するビード5cを設けたものである。なお、各ビード5a〜5cの横断面形状の詳細は図2に示した通りである。
応力解析の結果、ビード5を有さないタイダウンは勿論のこと、ビード5a〜5cだけを設け高周波焼入れを行わないタイダウンには、従来のタイダウン10の強度性能を凌駕するものは存在しなかった。
そこで、ビード5a〜5cのいずれかを有するタイダウンに対して、貫通穴3回りに高周波焼入れを行って高周波焼入れ組織6を形成したモデルを作成し、ビード5及び高周波焼入れ組織6の形成による強度向上効果を、以下の方法により高周波焼入れ部の材料強度を定めて数値解析に反映して、確認した。
図6に示す概楕円形状(長径:78mm、短径:65mm)を有する渦巻き状のコイル13を、その中央部がビード5a〜5cのいずれかを有するタイダウンの貫通穴3の中央部に一致するようにして、貫通穴3の直上10mmの位置に配置し、コイル13に電流400A、周波数10kHzの交流電流を印加して磁場解析を行い、発生する渦電流分布からジュール熱を推定演算により求めた。
磁場解析により求めたジュール発熱分布を入熱条件として、温度解析を行い、このジュール発熱による加熱温度Tからオーステナイト体積分率ξAを推定演算した。この際、加熱温度TがAc1点(740℃)未満であるならはオーステナイト体積分率ξAは0.0とし、加熱温度TがAc3点(880℃)以上であるならばオーステナイト体積分率ξAは1.0とし、加熱温度Tがその範囲内であるならば、下記(1)式として規定される実験式を適用して、オーステナイト体積分率を求めた。(1)式においてC、Dは、温度とオーステナイト変態率の関係を調査した実験結果と、(1)式による近似結果の差が最小となるように最小2乗法によって定めた、材料に依存する係数である。
ξA=1.0−exp(−C*((T−Ac1)/(Ac3−Ac1))D) ・・・・・・・(1)
そして、冷却により体積分率ξAのオーステナイトが全てマルテンサイトに変態すると仮定し、マルテンサイト体積分率ξM=ξAとして、(2)式の線形混合則を適用して混合相の材料強度Pmixtureを求めた。
Pmixture=PM×ξM+PF×(1.0−ξF) ・・・・・・・(2)
(2)式において、PMはマルテンサイト単相の材料強度、PFは母材の材料強度である。ここで、「材料強度」とは、弾性係数、降伏応力さらには加工硬化係数等の機械的特性をいう。なお、母相とマルテンサイト相の体積分率の総和である(ξF+ξM)は1.0である。
なお、冷却速度によっては板内部においてパーライトやベイナイトといった中間組織が出現するが、薄板材を急冷した場合の相変態はオーステナイトが全てマルテンサイトに変態すると考えて差し支えない。後述する強度評価基準を得るため、実際に焼入材を作成してその機械的材料特性を調査したが、この試験片の硬さ測定ならびに組織観察においても変態相はマルテンサイト単相組織であった。
図7は、磁場解析及び温度−組織解析から推定したマルテンサイト硬化領域の分布の一例を示す説明図である。図7中に記載した百分率で表示した数値は、マルテンサイト体積分率であり、例えば「80%」と表示した部分は、80%がマルテンサイトで残り20%が母相であることを示す。この混合相領域の材料強度は(2)式から計算される。貫通穴3の形成位置が部品(幅方向)中央より片側の縦壁側にオフセットしているため、縦壁との距離が近い側の渦電流密度が高くなりマルテンサイト相の分布は若干偏るものの、貫通穴3の周りでは70%以上がマルテンサイトの、マルテンサイトを主体とする組織となった。
表1に、解析結果をまとめて示す。また、図8は、高周波焼入れを行った範囲を示す平面図である。
Figure 0004804048
表1における解析番号1は、従来のタイダウン10に関するものであり、解析番号2は従来のタイダウン10から補強部品12を取り除いたものであり、ビード5は設けていないものである。解析番号3〜5は、前述したTypeA、TypeB、TypeCの補強ビード5a、5b、5cを導入したものである。解析番号2〜5では高周波焼入れを行わず、ビード5a〜5cの違いによる優位差を見出そうとしたものである。解析番号6は解析番号2のビード5がないモデルに焼入れを施した場合である。さらに、解析番号7、8、9はケース3〜5の中で面剛性向上効果が最も高かったTypeCのビードモデルについて高周波焼入れを行う範囲を変化させ、強度に及ぼす焼入れ範囲の影響を調べたものである。
また、表1では、タイダウン1、10に要求される2つの強度性能である破断強度評価と疲労強度評価とに分けて示す。それぞれの評価基準は別途採取して表2に示したSPFC440の母材と高周波焼入れ材の引張試験結果ならびに、平面曲げ疲労試験結果に基づいて、以下に示す方法により評価した。なお、高周波焼入れ材の焼入れ温度は950℃であり、疲労試験は完全片振り(応力比R=0.0)で行った。また、表1および図8における高周波焼入れ強化範囲Lは、マルテンサイト体積分率ξMが90%以上になる点と荷重点との距離で示す。
Figure 0004804048
[破断強度評価]
荷重負荷により発生する最大応力σmaxが引張強度TSに到達する荷重で評価した。ここで、最大応力とは最大主応力の最大値であり、何れの解析番号も解析番号2の荷重2000Nにおける応力分布状況では、図9に例示するように、荷重入力点近傍の円筒状フランジ4のR底付近において発生する。高周波焼入れを行わない解析番号1〜5では母材の引張強度TSを指標とし、また高周波焼入れを行う解析番号6〜9では高周波焼入れ材の引張強度TSを指標として、破断荷重を求めた。各解析番号の荷重と発生応力の関係を図10にグラフで示す。
[疲労強度評価]
定常走行時の荷重条件として2000Nの荷重が繰り返し作用する場合を想定し、図11のグラフに示すように、2000N負荷時に発生する最大応力をS−N線図上に重ね合わせることによって耐用繰り返し回数(寿命)を評価した。
なお、定常時の荷重を2000Nと定めたのは、この荷重において従来のタイダウン10での最大発生応力σmaxが母材の疲労限σwと略等しくなるからである。すなわち、これを超える荷重では従来のタイダウン10であっても疲労破壊する荷重であることによる。高周波焼入れを行っていない解析番号1〜5の寿命は母材の疲労試験結果から評価し、高周波焼入れを行った解析番号6〜9の寿命は、高周波焼入れ材の疲労試験結果から評価した。
表1、図10のグラフ、および図11のグラフから、以下に列記する事項(a)〜(e)がわかる。
(a)ビード5及び高周波焼入れ組織6の形成を行わず、単に補強部品を除去した一体成形加工品からなるタイダウン(解析番号2)では、従来のタイダウン10の58%の荷重で破断する。
(b)解析番号2のタイダウンにおけるL=31.5mmの範囲に高周波焼入れを行ったタイダウン(解析番号6)の破断荷重は、従来のタイダウン10の84%に上昇する。
(c)ビード5を導入して形状強化を図った解析番号3〜5では、解析番号5のTypeCのビード5cの補強効果が最も高い。焼入強化なしでも破断荷重は従来のタイダウン10の98%まで上昇し、定常荷重(2000N)負荷時の発生応力は疲労限以下となる。
(d)解析番号5のTypeCのビード5cを有するタイダウンに、強化範囲L=11.5mmで焼入強化した解析番号7の破断荷重は、従来のタイダウン10と略同等であり、補強部品を省略して一体成形加工品とすることが可能となる。疲労限σwに対する2000N負荷時の発生応力σIの比は、従来のタイダウン10の1.78倍に上昇し、疲労破壊に対して有利になる。
(e)解析番号8、9のように焼入強化範囲が広くなるほど破断荷重は上昇し、疲労限σwと発生応力σIの比も大きくなる。ただし、焼入強化範囲の拡大に伴う破断荷重ならびに疲労限σwとσI比の上昇率は収束傾向にあり、必要以上に広範囲を焼入れても高強度化効果には限界がある。
これらの知見(a)〜(e)から、ビード5の形成による形状強化、高周波焼入れによる焼入強化をそれぞれ単独に行っても、タイダウンの破断強度および疲労強度の両方を従来のタイダウン10以上にすることは不可能であり、ビード5の形成による形状強化と高周波焼入れによる焼入強化とを併用することが有効であることがわかる。
特に、貫通穴3の周りを取り囲むようにビード5cを導入したTypeCの一体成形加工品に、少なくともL=11.5〜31.5mmの範囲を高周波焼入れすることにより、破断強度および疲労強度をともに従来のタイダウン10と同等以上に確実に高めることができ、望ましい。
特に、解析番号9の条件(TypeCのビード5c、かつL=31.5mmの高周波焼入れ)での破断強度は、従来のタイダウン10の1.5倍であるとともに疲労強度は2.0倍である。このため、従来のタイダウン10と同等の性能確保を目標とするならば、タイダウン本体部品の薄肉化による軽量化を図ることができる。
表3および図12のグラフには、解析番号9の条件で板厚を変更した場合の、破断荷重と2000N負荷時の発生応力を検討した結果を示す。
Figure 0004804048
表3および図12のグラフに示す結果から、次のことが分かる。
(f)板厚を1.4mmまで薄くしても、従来のタイダウン10の破断荷重より僅かに高い。
(g)板厚を1.4mmまで薄くしても、2000N負荷時の発生応力は焼入れ材の疲労限σw以下である。
(h)従来のタイダウン10と同等の性能とする最小板厚は1.4mmであり、この場合には従来のタイダウン10や、補強部品を有さない板厚1.8mmの一体成形加工品からなるタイダウンに比較して、実に約22%の軽量化を達成できる。
なお、TypeCのビード5cの形状で応力低減効果が特に高かったことに関して、ビードを導入しない解析番号2の最大主応力は、図13に黒矢印で示すように、貫通穴3を取り囲むような方向、すなわち貫通穴3と略平行して発生しており、ビード5は最大主応力方向と平行な方向に向けて形成することが、応力低減に効果的であることがわかる。このことは、本発明においてビードを形成することの原点となった、図3を参照しながら説明した片持ち長方形平板8の曲げ変形において、最大主応力の発生方向と平行な方向にビード9を導入することにより低変形となることと、同様である。
実施の形態のタイダウンの構成例を示す説明図である。 図1におけるA−A断面を、タイダウンフックととともに示す説明図である。 片持ち長方形平板の先端に荷重Fを負荷すれば片持ち長方形平板は荷重方向へ撓むが、最大主応力の発生する方向と平行な方向へ、凹状あるいは凸状のビードを設ければ撓み量が減少するという材料力学的知見を示す説明図である。 本体部品の所定の位置に補強部品を重ね合わせてスポット溶接することにより構成される従来のタイダウンの構成を示す説明図である。 図5(a)〜図5(c)は、それぞれ、強度検討に供した3種類のビードを形成されたTypeA〜Cのタイダウンを示す説明図である。 概楕円形状を有する渦巻き状のコイルを示す説明図である。 磁場解析および温度−組織解析から推定したマルテンサイト硬化領域の分布の一例を示す説明図である。 高周波焼入れを行った範囲を示す平面図である。 荷重入力点近傍の応力分布状況を示す説明図である。 荷重と発生応力の関係を示すグラフである。 2000N負荷時に発生する最大応力をS−N線図上に重ね合わせて示すグラフである。 解析番号9の条件で板厚を変更した場合の、破断荷重と2000N負荷時の発生応力を示すグラフである。 最大主応力の発生方向を示す説明図である。
符号の説明
1 タイダウン
1a 底面
2 鋼板
3 貫通穴(バーリング穴)
4 円筒状フランジ
5 ビード
6 高周波焼入れ組織
7 タイダウンフック
8 片持ち長方形平板
9 ビード
10 タイダウン
11 本体部品
12 補強部品
13 加熱コイル

Claims (2)

  1. 鋼板からなるとともに、周囲に円筒状フランジを伴うバーリング穴であってその縁部に輸送時の自動車を拘束するタイダウンフックを掛止されるタイダウンフック取付穴を形成された一の外面を有する一体成形加工品により構成されるとともに前記バーリング穴の周囲を高強度化するための補強部材を有さない部品であるタイダウンであって、該バーリング穴の輪郭線からの距離が31.5mmまでの範囲に、前記円筒状フランジの立ち上がり部の外郭に略沿う方向へ環状に1又は2以上形成される凹状又は凸状のビードと、該ビードの形成範囲を含む範囲であって、かつ前記バーリング穴の輪郭線からの距離が31.5mmまでの範囲に形成される高周波焼入れ組織とを、ともに有することを特徴とするタイ ダウン
  2. 鋼板からなる一体成形加工品により構成されるとともに前記バーリング穴の周囲を高強度化するための補強部材を有さない部品であるタイダウンの一の外面に形成された、周囲に円筒状フランジを伴うバーリング穴であってその縁部に輸送時の自動車を拘束するタイダウンフックを掛止されるタイダウンフック取付穴の輪郭線からの距離が31.5mmまでの範囲に、前記円筒状フランジの立ち上がり部の外郭に略沿う方向へ環状に凹状又は凸状のビードを1又は2以上設けるとともに、該ビードの形成範囲を含む範囲であって、かつ前記バーリング穴の輪郭線からの距離が31.5mmまでの範囲に高周波焼入れを行うことを特徴とするタイダウンの製造法。
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