JP4803643B2 - ガラス部材、それを用いた製品およびその製造方法 - Google Patents

ガラス部材、それを用いた製品およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス部材、それを用いた製品およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、電子部品実装用基板、電子デバイス用基板、液晶セルおよび光学素子に用いられる、化学的耐久性、低膨張性、耐熱性、高透過性、高強度性、軽量性などに優れる無アルカリガラスからなるガラス部材、このガラス部材を用いて得られた前記の各製品、およびそれらの製品の製造方法に関するものである。
化学的耐久性や熱衝撃性に優れた基板用ガラスとしては低アルカリ含有のボロシリケートガラスが広く用いられてきた。理化学用ガラスや管球用ガラスなど様々な用途に使用されている。
一方、ガラスの平滑性を活かして表面に配線を施し、高密度実装を実現する技術も開発されている。例えば、様々な低膨張ガラスにより作製されたガラス配線基板が提案されている(例えば、特許文献1、2、3、4、および5参照)。この技術に使用されるガラスとしては低膨張の無アルカリガラスが好ましいとされている。すなわち、実装基板は配線形成など急熱、急冷されるプロセスが多いため、低膨張ガラスでないと熱衝撃によりガラスが割れる可能性がある。また膨張収縮で寸法が変化すると、配線形成精度が悪くなる。さらに、ガラス中にアルカリ成分が含まれると、加熱や電圧印加によってアルカリイオンが移動し、配線をショートさせるいわゆるマイグレーションと言う欠陥が発生しやすくなる。
しかしながら、さらに製品の品質や精度を向上させようとすると次のような課題があった。すなわち、(1)温度変化によるガラスの膨張収縮の低減、(2)熱処理工程のガラスの歪みの緩和によるガラスの変形防止、(3)応力がかかった際の機械的変形の防止、(4)製品重量の軽量化、(5)化学的耐久性の向上、(6)ガラス溶解製造における安定性などである。
これらの課題を解決するには、次のようなガラスが必要である。(イ)膨張が小さい、(ロ)歪み点が高い、(ハ)ヤング率が大きい、(ニ)比重が小さい、(ホ)化学的耐久性に優れる、(ヘ)生産しやすいガラス。
従来のボロシリケートガラスはガラス転移点以上の温度で長時間保持すると分相を起こし、光の散乱によって透過率が悪化するという問題があった。また、この種の無アルカリ、低膨張ボロシリケートガラスの分相はSiOリッチ相とBリッチ相に分解するため、そのガラスを水や酸に浸せきするとB相が選択的に溶解し、化学的耐久性に問題があった。
特開平10−282145号公報 特開平11−145618号公報 特開平11−145619号公報 特開2000−1330号公報 特開2000−39451号公報
本発明は、このような事情のもとで、電子部品実装用基板、電子デバイス用基板、液晶セルおよび光学素子に用いられる、化学的耐久性、低膨張性、耐熱性、高透過性、高強度性、軽量性などに優れる無アルカリガラスからなるガラス部材、このガラス部材を用いて得られた前記の各製品を提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の性状を有する、あるいは特定の組成を有する無アルカリガラスにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) (a)電子部品実装用基板を作製するためのガラス基板、(b)半導体基板と接合するためのガラス基板、または(c)液晶表示装置における、駆動基板に対向して配置するための対向用ガラス基板からなるガラス部材であって、
実質的にBaO、ZnO、PbOを含まず、
SiO 65.0〜70.0モル%、
Al 9.5〜12.5モル%、
8.5〜11.5モル%
(ただし、SiO +Al +B 87.5〜90.0モル%)
/(SiO +Al ) 0.12〜0.14、
MgO 3.2〜4.0モル%未満、
CaO 5.0〜10.0モル%、
SrO 0.1〜2.5モル%、
(ただし、MgO+CaO+SrO 10.0〜12.5モル%)、
TiO 0〜1モル%未満、
清澄剤 0〜1モル%以下、
からなり、
30〜300℃における平均熱膨張係数が30〜35×10−7/℃、歪み点が670℃以上、ヤング率が70GPa以上、比重が2.4未満、液相温度が1200℃未満、101.5Pa・sの粘度を示す温度が1600℃未満、50℃の濃度1モル/Lの硝酸水溶液に50時間浸漬した際の質量減少が1mg/cm未満であり、分相していない無アルカリガラスからなる
ことを特徴とするガラス部材
(2) 上記(1)項に記載のガラス部材における(a)ガラス基板を用いてなる電子部品実装用基板、
) ガラス基板表面に、密着性向上膜を介して導電性材料膜を形成し、次いでフォトリソグラフィー法により配線パターンを形成することを特徴とする上記()項に記載の電子部品実装用基板の製造方法、
) 上記(1)項に記載のガラス部材における(b)ガラス基板と、半導体基板とを接合させてなる電子デバイス用基板、
) ガラス基板と半導体基板とを接合し、一体化することを特徴とする上記()項に記載の電子デバイス用基板の製造方法、
) 画素電極と該電極をスイッチング駆動するスイッチング素子とを有する駆動基板と、上記(1)項に記載のガラス部材における(c)対向用ガラス基板が、液晶を挟んで対向配置した構造を有する液晶セル、
) 駆動基板と対向用ガラス基板とで構成された空セル内に液晶を注入したのち、注入口をシールすることを特徴とする上記()項に記載の液晶セルの製造方法、
) 上記(1)項に記載のガラス部材における(d)窓材を用いてなる光学素子、および
) 窓材上に、光学素子用部材を、その受光面が対面するように載置し、封止材により封止することを特徴とする上記()項に記載の光学素子の製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、電子部品実装用基板、電子デバイス用基板、液晶セルおよび光学素子に用いられる、化学的耐久性、低膨張性、耐熱性、高透過性、高強度性、軽量性などに優れる無アルカリガラスからなるガラス部材を提供することができる。
さらに、このガラス部材を用いて得られた電子部品実装用基板、電子デバイス用基板、液晶セルおよび光学素子、並びにこれら製品の製造方法を提供することができる。
本発明のガラス部材としては、(a)電子部品実装用基板を作製するためのガラス基板、(b)半導体基板と接合するためのガラス基板、(c)液晶表示装置における、駆動基板に対向して配置するための対向用ガラス基板、または(d)光学素子用窓材からなるガラス部材が挙げられる。
まず、本発明のガラス部材を構成するガラスについて説明する。
[ガラスとその製造方法]
本発明のガラス部材を構成するガラスには2つの態様があり、まず第1の態様のガラス(以下、ガラスAと称する。)について説明する。
ガラスAは、30〜300℃における平均熱膨張係数が30〜35×10−7/℃、歪み点が670℃以上、ヤング率が70GPa以上、比重が2.4未満、液相温度が1200℃未満、101.5Pa・sの粘度を示す温度が1600℃未満であり、50℃の濃度1モル/Lの硝酸水溶液に50時間浸漬した際の質量減少が1mg/cm未満である無アルカリガラスである。
30〜300℃における平均熱膨張係数は、30〜35×10−7/℃、好ましくは30〜34×10−7/℃未満である。したがって、配線形成など急熱、急冷されるプロセスが多く、熱衝撃により割れにくい性質が求められる実装基板用のガラスとして好適である。また熱膨張収縮による寸法変化が小さいので、実装基板に用いた場合、高精度の配線形成精度を実現することができる。さらに、無アルカリなので、加熱や電圧印加によってアルカリイオンが移動し、配線をショートさせるマイグレーションの発生を防止することができる。また、熱膨張特性がシリコンに近いのでガラスとシリコン基板を高温で接合、接着した場合に、温度変化により接合、接着部分が剥離したり、接合、接着物が反ってしまうのを防止することができる。また、ガラス窓材上に光センサー、ラインセンサー、撮像素子などを接着したり、封止する際にも、ガラス窓材が反ったり、接着部分が剥離したりするのを防止できる。したがって、上記無アルカリガラスは電子部品、シリコン等の半導体基板を実装、接合する基板材料、液晶パネルの対向基板、ガラス窓材、特に光センサー、ラインセンサー、撮像素子の窓材として好適である。液晶プロジェクタ内の液晶パネルの対向基板の場合も、高輝度の投影光が基板に入射するため、高温に曝されることになるが、ガラスの低膨張特性により、基板の破損を防止することができる。また、画素電極と前記電極をスイッチング駆動するスイッチング素子を有する駆動基板を構成するガラスとの熱膨張特性が一致または近いので、液晶パネルを構成する部品を一体化した際に、対向基板が反って投影像の品質を低下させることもない。
また、ガラスAの歪み点は670℃以上、好ましくは680℃超である。ガラスの熱変形を防ぐには熱処理温度を歪み点未満に限定する必要があるが、ガラスAは歪み点が高いので高温の熱処理を行っても、熱変形によるガラスの寸法精度や平面精度の悪化を防ぐことができる。したがって、ガラスAは、前記(a)〜(c)のガラス基板および(d)の窓材として好適である。
ガラスAのヤング率は、70GPa以上、好ましくは72GPa超である。これによって運搬中の撓みや割れを抑えることができる。ガラス基板は大面積化するにつれて運搬中に撓みやすくなり、また割れやすくなる。特に薄板化するとこの傾向は顕著になる。したがって、ガラスAは、大面積かつ薄板状のガラス基板の材料、ガラス窓材として好適であり、板厚0.75mm以下の基板材料、ガラス窓材としてより好適である。
また、比重は2.4未満である。これによってガラス部材の軽量化を実現し、さらに運搬中の撓みや割れを抑えることができるため、大面積かつ薄板状の基板、窓材の材料として好適であり、板厚0.75mm以下のガラス基板材料、窓材としてより好適である。
さらに、ガラスAは、液相温度が1200℃未満、101.5Pa・sの粘度を示す温度が1600℃未満であるので、ガラスの溶融成形温度が従来のガラスと同等の温度範囲で行うことができ、製造装置のコストを抑えることができる。そして、ダウンドロー成形、特にオーバーフロー式ダウンドロー成形により板状ガラスを得るためのガラス材料として好適である。
また、ガラスAは、50℃の濃度1モル/Lの硝酸水溶液に50時間浸漬した際の質量減少が1mg/cm未満、好ましくは0.5mg/cm未満という優れた化学的耐久性を有しているので、ガラスの洗浄、経年変化などによるガラス表面のヤケ(変質)を低減、防止することができる。また、ガラス基板上に配線などを形成する際のエッチングによるガラス表面の変質も低減、防止することもできるし、対向基板表面や光学素子におけるガラス窓表面の品質を長期にわたり高い状態に保つことができる。
さらに、ガラスAにおいては、ガラス転移点以上かつ屈伏点未満の温度に100時間保持する前と後において、厚さ10mmに換算したときの波長400nmにおける透過率の低下が5%未満という、透過率低下が極めて少ない特性を有するものが好ましい。これは、ガラス転移点以上の高温、特に屈伏点近くの温度に保持してもガラス中で分相が起きないためである。このような性質により、高透過率のガラスを安定に供給することができる。この性質により、熱処理後も高透過率を保つことができる。
このような性状を有するガラスAは、SiO、Al、Bおよびアルカリ土類金属酸化物を含み、SiO+Al+Bが87.5〜90.0モル%、モル比B/(SiO+Al)が0.12〜0.14である組成のガラスの中から選択することができる。
従来のSiO、Al、Bおよびアルカリ土類金属酸化物を含む無アルカリガラスでは、低膨張かつ歪み点を高く保ちながら、ヤング率を高め、比重を小さくしようとすると、ガラスの成形性が低下したり、上記分相によって化学的耐久性が低下してしまう。そこで、ガラスAは、SiO、Al、Bの含有量を上記の範囲にすることにより、所望の特性を維持しつつ、上記分相を抑えることにより、優れた化学的耐久性を実現した。なお、SiO、AlおよびBの合計含有量、モル比B/(SiO+Al)の好ましい範囲は、以下に示すガラスBと同様である。
ガラスAにおいて、SiO含有量の好ましい範囲は65.0〜70.0モル%、より好ましい範囲は67.0〜69.0モル%である。また、Al含有量の好ましい範囲は9.5〜12.5モル%、より好ましい範囲は10〜12モル%である。さらに、B含有量の好ましい範囲は8.5〜11.5モル%、より好ましい範囲は9〜11モル%である。SiO、Al、Bの働きは下記のガラスBと同様である。また、ガラスAの好ましい組成範囲は下記のガラスBの組成範囲であり、清澄剤の添加ならびに添加量についても同様である。
次に、第2の態様のガラス(以下、ガラスBと称する。)は、無アルカリガラスであって、実質的にBaO、ZnO、PbOを含まず、
SiO 65.0〜70.0モル%、
Al 9.5〜12.5モル%、
8.5〜11.5モル%
(ただし、SiO+Al+B 87.5〜90.0モル%)
/(SiO+Al) 0.12〜0.14、
MgO 2.5〜4.0モル%未満、
CaO 5.0〜10.0モル%、
SrO 0.1〜2.5モル%
(ただし、MgO+CaO+SrO 10.0〜12.5モル%)
を含むものである。
以下、特記しないかぎり、ガラス成分、添加剤の含有量、合計含有量をモル%にて表示し、含有量と合計含有量の比はモル比にて表示するものとする。
SiOはガラスの基本成分であり、全ての特性においてに不可欠な成分である。65.0%未満では膨張係数が大きく、歪み点が低く、化学的耐久性が悪化する。逆に70.0%を越えるとガラスの粘度が101.5Pa・sを示す温度が1600℃を越え、溶融が困難になる。したがってSiOの含有量を65.0〜70.0%とする。好ましくは67.0〜69.0%である。
Alはガラスの膨張係数を下げ、歪み点を上げるのに不可欠な成分である。9.5%未満では歪み点が670℃に達しない上、分相も起こりやすくなる。逆に12.5%を越えるとガラスの液相温度が1200℃を越え、成形が困難になる。したがってAlの含有量を9.5〜12.5%とする。好ましくは10〜12%である。
はガラスの膨張係数を下げ、液相温度を下げると同時にガラスの粘度をも下げるため、溶融性を向上させるのに不可欠な成分である。Bが8.5%未満では液相温度が1200℃を越える上、ガラスの粘度が101.5Pa・sを示す温度が1600℃を越え、溶融成形が困難になる。逆に11.5%を越えると化学的耐久性が悪化し、分相も起こしやすくなる。従ってBの含有量を8.5〜11.5%とする。好ましくは9〜11%である。
本発明者は化学的耐久性と分相がAlとBの含有量に強い影響を受けていることを見出し、本発明においてそれらを最適化した。上記無アルカリガラスにおいてガラスの網目を形成する成分はSiO、Al、Bの3種類であり、各成分の含有量と同様にこれらの合計含有量も非常に重要である。合計含有量が87.5%未満では膨張係数が大きくなる他、歪み点が低い、化学的耐久性が劣るなどの問題が起こる。逆に90.0%を越えると熱膨張係数が小さくなる他、ヤング率が小さい、液相温度が1200℃を越える、ガラスの粘度が101.5Pa・sを示す温度が1600℃を越え溶融成形が困難になるなどの問題が起こる。そのため本発明者は合計含有量の最適範囲を87.5〜90.0%と規定した。さらに好ましくは88.0〜89.5%である。
さらに本発明者はSiOとAlの合計含有量に対するBの含有量の割合B/(SiO+Al)を規定することにより高温での分相を制御できることを見出した。B/(SiO+Al)が0.12〜0.14の場合、本発明の目的である膨張特性や機械的特性を維持しながら、分相を抑え、化学的耐久性も向上させることができる。さらに好ましくはB/(SiO+Al)を0.125〜0.135とする。
MgOはヤング率の向上、ガラスの溶融性の向上およびガラスの熱膨張係数の調整に有用な成分である。特に本発明のガラスにおいてはヤング率の向上に不可欠な成分である。MgOが2.5%未満ではヤング率が70GPaに達せず、逆に4.0%以上になると液相温度が1200℃を越え、ダウンドロー成形が困難になる。したがってMgOの含有量を2.5〜4.0%未満とする。好ましくは2.5〜3.5%である。
CaOも液相温度の低下、ガラスの溶融性の向上およびガラスの熱膨張係数の調整に有用な成分である。CaOが5.0%未満では液相温度が1200℃を越え、ダウンドロー成形が困難になる。逆に10.0%を越えると熱膨張係数が35x10−7/℃を越える。したがってCaOの含有量を5.0〜10.0%とする。好ましくは6.0〜8.0%である。
SrOは液相温度の低下およびガラスの熱膨張係数の調整に有用な成分である。SrOが0.1%未満では液相温度が1200℃を越え、ダウンドロー成形が困難になる。逆に2.5%を越えると比重が2.4を越える。したがってSrOの含有量を0.1〜2.5%とする。好ましくは0.5〜1.5%である。
MgO、CaOおよびSrOの合計含有量(MgO+CaO+SrO)は膨張係数の調整および液相温度の低下に重要である。MgO+CaO+SrOが10.0%未満では液相温度が1200℃を超え、ダウンドロー成形が困難になる。逆に12.5%を越えると膨張係数が35x10−7/℃を越える。従ってMgO+CaO+SrOを10.0〜12.5%とする。
ガラスBは、実質的にアルカリ金属を含まないが、BaO、ZnO、PbOも実質的に含まない。BaO、ZnO、PbOを含有すると比重が2.4以上となる上、ヤング率も70GPaに達しない。したがって、比重を小さくしつつ、ヤング率を高めるには、ガラス成分として、BaO、ZnO、PbOを排除する。
その他、紫外線着色防止の目的でTiOを1%未満であれば含有することができる。
また、ガラスBは清澄剤として、As、Sb、SnOのうち1種以上の清澄剤を添加することができる。ただしAsは人体に有害な成分であるので使用しないほうが好ましいが、清澄剤として非常に有効な成分であるため1%以下に限定して含有することができる。Asの代替としてSbやSnOを使用することができるが、これらもそれぞれ1%以下に限定される。Sb、SnO、Asの合計量は、0.01〜1%とすることが好ましい。
ガラスBとしては、SiO、Al、B、MgO、CaO、SrOおよび上記清澄剤からなるもの、または、前記成分および清澄剤にTiOを加えたものが特に好ましい。
ガラスBによれば、30〜300℃における平均熱膨張係数を30〜35×10−7/℃、好ましくは30〜34×10−7/℃未満とすることができる。
また、ガラスBによれば、歪み点を670℃以上、好ましくは680℃超にすることができ、ヤング率を70GPa以上、好ましくは72GPa超とすることができる。さらに、比重を2.4未満とすることができ、液相温度を1200℃未満、101.5Pa・sの粘度を示す温度を1600℃未満とすることができる。また、50℃の濃度1モル/Lの硝酸水溶液に50時間浸漬した際の質量減少が1mg/cm未満、好ましくは0.5mg/cm未満とすることができ、ガラス転移点以上かつ屈伏点未満の温度に100時間保持する前と後において、厚さ10mmに換算したときの波長400nmにおける透過率の低下が5%未満という、透過率低下を極めて少なくすることができる。
ガラスBにおける前記の性状については、前述のガラスAにおいて説明したとおりである。
次に、ガラスA、Bを製造する方法について説明する。
ガラスA、Bは、ガラス原料を加熱、溶解して製造するが、特に、ガラス原料として、マグネシウムおよび/またはストロンチウムの硝酸塩を用いて、ガラス成分として合計3.0〜6.5%未満のMgO、SrOを導入して、ガラスを溶解することが望ましい。
ガラスA、Bの製造において、調合原料の選定は非常に重要である。使用原料によって原料がガラス化する際の溶解性および清澄性に大きな影響を与える。特に、BaOを原料に使用しない無アルカリガラスの場合は原料中で分解して生成するガス成分としては二酸化炭素に偏る傾向がある。しかしガラスA、Bが硝酸塩導入成分としてMgOとSrOを3.0〜6.5%未満含んでいる。CaOも硝酸塩とすることができるが、Ca(NOは潮解性が強く、正確な原料の調合が困難な上、調合後の原料が水分で固まりやすいいという欠点がある。ガラスA、Bは比較的安定なMg(NOやSr(NOを適宜使用できるため、原料の溶解性が良く、しかも清澄性に優れる。そのため有害なAsをはじめとする清澄剤の含有量を減らすことができる。分解温度の高い硫酸塩も使用することができるが、分解生成ガスの安全性および白金に与えるダメージからは硝酸塩の方が好ましい。
その他については、従来慣用されている方法を用いることができる。例えば、ガラス原料として酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物などを適宜用い、所望の組成になるように秤量し、混合して調合原料とする。これを耐熱坩堝に入れ1500〜1600℃程度の温度で溶融し、清澄、攪拌して均質な溶融ガラスとする。次いで溶融ガラスをシート成形機などによって板状のガラスとする。
次に、本発明のガラス部材を作製する際の母材となる板状ガラスの製造方法について説明する。
[板状ガラスの製造方法]
以下に示す板状ガラスの製造方法は、本発明の前記(a)〜(c)のガラス基板および(d)の窓材の製法として特に優れたものであるが、前記ガラス基板および窓材の製法は、この方法に限定されるものではない。
この板状ガラスの製造方法は、樋状の成形体の上部より溶融ガラスを連続してオーバーフローするとともに、成形体の両側面にオーバーフローした溶融ガラス流を分流し、分流した溶融ガラス流を前記成形体の下方で合流させて下方に引っ張りながら板状に成形し、薄肉平板状ガラスを作製する方法である。
白金合金製の樋状の成形体を用い、樋の溝の部分に沿って溶融、清澄、均質化された溶融ガラスを連続して流し、成形体上部から成形体を挟んで両側に溶融ガラスを連続して溢れさせる。このようにして成形体の両側面に均等にオーバーフローした溶融ガラス流を分流する。溶融ガラス流は成形体の長手方向(樋の延びる方向)に所定の幅を有し、一方の面は成形体表面に接し、他方の面は成形体に触れることなく流れる。そして、成形体の下方で分流して2つの溶融ガラス流を合流させるが、その際、成形体表面に接してできた面同士が気泡等含まないように合わさるようにし、下方に引っ張り、板状に成形する。この方法はオーバーフロー式ダウンドロー成形法と呼ばれる。板状に成形されたガラスの表面は成形体等の固体に触れずに形成された面であり、固体に触れた跡がない。さらに、成形体直下の溶融ガラス流が合流して板状になる部分で両端部を局所的に冷却し、さらに中央部を保温して、中央部と両端部の間に大きな温度差を形成し、かつ両端部に中央部よりも大きな下方向の引っ張りの力を加えることにより、ガラスに縦横両方向に張力を加えた状態でガラスを固化することにより、大面積にわたり板状ガラスの平坦度を高めることができる。その際、平坦度を低下させる歪みを徐冷工程で十分除去することが望ましい。
このようにして平坦度が極めて高く、均一かつ所定の板厚を有し、両面ともに固体に触れた跡がない板状ガラスを製造することができる。この方法で所望の厚さの板状ガラスを成形し、板状ガラスを所望の形状に切断すれば、両面を研磨しなくても所望のガラス基板を得ることができる。
このような板状ガラスの製造方法は、本発明のガラス部材、すなわち(a)電子部品実装用基板を作製するためのガラス基板、(b)半導体基板と接合するためのガラス基板、(c)液晶表示装置における、駆動基板に対向して配置するための対向用ガラス基板、および(d)光学素子用窓材を得るための板状ガラスの製造に好適である。
次に、前記(a)〜(c)のガラス基板、それを用いた製品およびその製造方法について説明する。
[ガラス基板、それを用いた製品、その製造方法]
本発明の(a)電子部品実装用基板を作製するためのガラス基板(以下、ガラス基板(a)と称する。)、(b)半導体基板と接合するためのガラス基板(以下、ガラス基板(b)と称する。)、および(c)液晶表示装置における、駆動基板に対向して配置するための対向用ガラス基板(以下、ガラス基板(c)と称する。)は、前述のガラスA、Bからなるものである。したがって、ガラスA、Bが備える諸性質、具体的には、低膨張、低比重、高ヤング率、優れた化学的耐久性、熱処理時の透過率維持、無アルカリなどの性質を活かしたガラス基板を実現することができる。
ガラス基板(a)は、電子部品実装用基板を作製するためのガラス基板であり、本発明はまた、前記ガラス基板(a)を用いてなる電子部品実装用基板をも提供する。
この電子部品実装用基板は、本発明の方法によれば、ガラス基板表面に、密着性向上膜を介して導電性材料膜を形成し、次いでフォトリソグラフィー法により配線パターンを形成することにより製造することができる。具体的には、電子部品実装用基板は、能動型の薄膜素子を基板上に形成するものとは異なり、ガラス基板表面に配線材料との密着性を高めるために、まずNi膜などの密着性向上膜を形成する。その上に配線材料としてCu膜などの導電性材料膜を形成してからフォトリソグラフィーによって配線パターンを形成する。ガラスの化学的耐久性が低いと、配線パターン形成時のNi/Cu層のエッチングにより、配線として残すNi/Cu層の下地のガラスが侵蝕されてしまう。電子部品実装用基板では配線が極めて細いので、下地のガラスが僅かでも侵蝕されると配線が切断してしまう。ガラス基板(a)によれば、化学的耐久性が優れたガラスからなるので配線の切断などの不具合もなく、信頼性の高い基板を得ることができる。各種電子部品の実装では、電子部品の電極と基板上の配線をハンダで接続する。近年、環境への配慮から鉛フリーのハンダが多く使用されているが、旧来の鉛含有ハンダのフロー温度は240℃程度であるが、鉛フリーのハンダのフロー温度は280℃程度と高く、従来よりも大きな温度差に曝される。膨張係数が大きいとガラス基板の膨張収縮量が大きくなり、電子部品が反ってしまうが、ガラスA、Bからなる基板では大きな温度差に曝されても膨張収縮量を小さくできるので、上記反りのような不都合を回避することができる。基板に低融点ガラスを用いて部品や素子を着ける際にも同様の効果を得ることができる。
実装する電子部品としてはIC、LSI、超LSI、発光素子など各種部品がある。
ガラス基板(b)は、半導体基板と接合するためのガラス基板であり、本発明はまた、前記ガラス基板(b)と半導体基板とを接合させてなる電子デバイス用基板をも提供する。
この電子デバイス用基板を作製するためのガラス基板(b)と半導体基板の接合は、ガラス基板(b)を構成するガラスA、Bが無アルカリガラスであることから陽極接合には適さないが、その他、接着などの公知の接合方法を用いればよい。この場合も、シリコン基板などの半導体基板とガラス基板の膨張係数が近いので、膨張係数の不整合による不都合を解消することができる。
このガラス基板(b)と半導体基板とが接合、一体化された電子デバイス用基板を用い、例えばアクティブマトリクス型液晶表示装置に使用されるTFT(薄膜トランジスタ)アレイ基板を製造することができる。
ガラス基板(c)は、液晶表示装置における、駆動基板に対向して配置するための対向用ガラス基板であり、本発明はまた、画素電極と該電極をスイッチング駆動するスイッチング素子とを有する駆動基板と、前記ガラス基板(c)が、液晶を挟んで対向配置した構造を有する液晶セルをも提供する。
前記対向用ガラス基板としては、具体的には液晶プロジェクタの対向用基板などを例示することができる。液晶プロジェクタ搭載の液晶パネルにおける液晶セルは、画素電極と前記電極をスイッチング駆動するスイッチング素子を有する駆動基板、液晶および該液晶を挟んで駆動基板に対向して配置された対向用基板などにより構成される。
対向用基板には高輝度の投影光が入射するとともに、高パワーの投影光源が近くに配置されるため、プロジェクタ動作中は高温に曝されるが、本発明のガラス基板(c)は、ガラスA、Bが有する性質のため、熱膨張が小さく、また熱的な衝撃にも強いので、対向用の基板として好適である。また駆動基板の熱膨張特性に近い特性を有するため、液晶パネルが熱により反ってしまうこともない。
本発明の液晶セルは、本発明の方法によれば、前記駆動基板と対向用ガラス基板(c)とで構成された空セル内に液晶を注入したのち、注入口をシールすることにより製造することができる。前記空セルは、対向する2枚の基板の間にスペーサを入れて薄いすき間をつくり、液晶注入口を残して、基板の周囲をシール材でシールしたものである。
前記本発明のガラス基板(a)〜(c)の製造に当っては、まず前述の方法で板状ガラスを作製し、これを所望の形状、寸法に切断すればよい。このような方法を用いることによって、対向する2つの主表面が溶融ガラスの固化時に形成された基板が得られる。これらの主表面は平坦かつ平滑であるにもかかわらず、研磨されていないので、ガラスの化学的耐久性とあいまって、長期にわたり、変質しない性状の表面が保たれる。
次に、前記(d)の光学素子用窓材、それを用いた光学素子およびその製造方法について説明する。
[光学素子用窓材、光学素子、その製造方法]
本発明の光学素子用窓材は、ガラスAまたはガラスBからなるものである。具体的には光センサー、ラインセンサー、撮像素子などの窓材として使用できる。本発明はまた、光学素子用窓材を用いてなる光学素子をも提供する。該光学素子としては、光センサー、ラインセンサーおよびCCDやC−MOSなどの撮像素子等を内蔵したものを挙げることができる。
前記光学素子は、本発明の方法によれば、当該窓材上に、光学素子用部材を、その受光面が対面するように載置し、封止材により封止することにより、製造することができる。
前記本発明の光学素子用窓材の製造に当っては、まず前述の方法で板状ガラスを作製し、これを所望の形状、寸法に切断すればよい。このような方法を用いることによって、対向する2つの主表面が溶融ガラスの固化時に形成された光学素子用窓材が得られる。これらの主表面は平坦かつ平滑であるにもかかわらず、研磨されていないので、ガラスの化学的耐久性とあいまって、長期にわたり、変質しない性状の表面が保たれる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1〜5、比較例1〜3
原料は酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩を使用し、表1の組成になるように秤量、混合してバッチ原料を作製した。実施例1〜5および比較例1〜2はMgOおよびSrOに硝酸塩を使用した。比較例3はMgO、SrOを含まず、CaOは硝酸カルシウムの潮解性の問題から炭酸カルシウムだけを用いた。特性評価用のガラスは、この調合原料を白金坩堝に入れ、1500〜1600℃に加熱、溶融、撹拌し、均質化、清澄を行った後、鋳型に流し込み、ガラスが固化後、ガラスの徐冷点近くに加熱しておいた電気炉に移し、室温まで徐冷することにより作製した。
このようにして得られたガラスの物性を下記のようにして測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0004803643
平均熱膨張係数は熱機械分析装置(TMA)で測定した値から、30〜300℃の温度範囲における平均線膨張係数を算出したものである。(日本光学硝子工業会規格を準用し、温度範囲を100〜300℃から30〜300℃に修正した平均線膨張係数を用いた。)
歪み点はガラス糸に荷重をかけて糸の伸びる速さを測定する方法により求めた。
比重は日本光学硝子工業会規格に基づいて比重計で測定した。
ヤング率はシングアラウンド式音速測定装置を用いてガラス中を伝播する超音波の横波音速と縦波音速を測定することにより行った。
ガラスの粘度はJIS規格Z8803、共軸二重円筒形回転粘度計によって測定した。
液相温度は白金のボートに載せたガラスを傾斜炉にて24時間保持した後、室温まで冷却し、ガラスの内部に結晶が認められない最低温度とした。
耐分相性はガラス転移点以上屈伏点未満の温度(本実施例、比較例では800℃)に100時間保持したガラスの透過率低下を測定した。
実施例1と比較例1のガラスの処理前後の透過率をそれぞれ図1、2に示す。
化学的耐久性はガラスを50℃の濃度1モル/Lの硝酸水溶液に50時間浸せきした際の単位面積あたりの質量減少を測定した。
なお、比較例1の化学的耐久性試験後の表面観察の結果を図3に示す。B相が選択的に溶出したため、表面に引っ張り応力が生じ、細かいクラックが多量に発生した。
泡の数は集光ランプと顕微鏡で50μm以上の泡の数をカウントした。
次に実施例1のガラスを溶融し、撹拌、清澄して均質な溶融ガラスとした後、ガラスをダウンドロー成形機に導入することによって、厚さがそれぞれ0.7mm、0.63mm、0.6mm、0.5mmである4種類の薄板ガラスを作製した。また、同様の手法により、実施例2〜5の各ガラスを用いて、上記4種類の厚さを有する薄板ガラスをそれぞれ作製した。本方法で成形したガラス板は成形工程における軟化状態で流出スリットやローラー、溶融金属などに接触しないため表面がファイヤーポリッシュ状態である上、清浄であり、表面研磨無しで基板ガラスの製品とすることができる。
このようにして得られた実施例1〜5の各無アルカリガラスからなる板状ガラスを適切な寸法に切断し、電子部品実装用のガラス基板を得た。次いで、ガラス基板表面全体にNi膜をコートし、その上にCu膜を全面にわたり積層した。そして、フォトリソグラフィー技術を利用してガラス基板上のNi−Cu積層膜を選択的にエッチングし、前記積層膜からなる回路パターンを形成することにより、電子部品実装用基板を作製した。次いで、回路パターンを形成した基板上に電子部品をハンダ付けにより実装した。以上のプロセス中、基板や電子部品が反ったり、基板が割れたり、エッチング不良により配線が断線したりする不具合は生じなかった。
次に、同様にして板状ガラスを切断し、シリコン基板を接合するためのガラス基板を得た。そしてガラス基板表面にシリコン基板を接着により接合して、半導体−ガラスのハイブリッド基板からなる電子デバイス用基板とした。以上のプロセス中、半導体基板やガラス基板が反ったりするような不具合は生じなかった。
次に、同様にして板状ガラスを切断し、液晶表示装置の対向用ガラス基板を得た。得られた対向用ガラス基板と駆動基板との間に液晶を挟み込み、両基板の平行度、間隔を調整し、各部品を固定して液晶セルを作製した。この液晶セルを組み込んだ液晶プロジェクタによれば、長期にわたり良好な画質の画像を表示することができる。
次に、同様にして板状ガラスを切断し、光センサー用の窓材、ラインセンサー用の窓材、CCDやC−MOSなどの撮像素子用の窓材を得、次いで、上記各窓材を、それぞれ、光センサー内蔵のパッケージ、ラインセンサー内蔵のパッケージ、CCD内蔵のパッケージ、C−MOS内蔵のパッケージなど各種パッケージに取り付け、封止材により封止して各種光学素子を得た。上記各光学素子用窓材は化学的耐久性に優れるため、長期にわたり表面が変質することなく、良好な光透過性を維持することができる。
本発明のガラス部材は、化学的耐久性、低膨張性、耐熱性、高透過性、高強度性、軽量性などに優れる無アルカリガラスからなり、電子部品実装用基板、電子デバイス用基板、液晶セルおよび光学素子用として用いられる。
実施例1におけるガラスの加熱処理前後の透過率を示すチャートである。 比較例1におけるガラスの加熱処理前後の透過率を示すチャートである。 比較例におけるガラスの化学的耐久性試験後の表面観察の結果を示す顕微鏡写真図である。

Claims (9)

  1. (a)電子部品実装用基板を作製するためのガラス基板、(b)半導体基板と接合するためのガラス基板、または(c)液晶表示装置における、駆動基板に対向して配置するための対向用ガラス基板からなるガラス部材であって、
    実質的にBaO、ZnO、PbOを含まず、
    SiO 65.0〜70.0モル%、
    Al 9.5〜12.5モル%、
    8.5〜11.5モル%
    (ただし、SiO +Al +B 87.5〜90.0モル%)
    /(SiO +Al ) 0.12〜0.14、
    MgO 3.2〜4.0モル%未満、
    CaO 5.0〜10.0モル%、
    SrO 0.1〜2.5モル%、
    (ただし、MgO+CaO+SrO 10.0〜12.5モル%)、
    TiO 0〜1モル%未満、
    清澄剤 0〜1モル%以下、
    からなり、
    30〜300℃における平均熱膨張係数が30〜35×10−7/℃、歪み点が670℃以上、ヤング率が70GPa以上、比重が2.4未満、液相温度が1200℃未満、101.5Pa・sの粘度を示す温度が1600℃未満、50℃の濃度1モル/Lの硝酸水溶液に50時間浸漬した際の質量減少が1mg/cm未満であり、分相していない無アルカリガラスからなる
    ことを特徴とするガラス部材。
  2. 請求項1に記載のガラス部材における(a)ガラス基板を用いてなる電子部品実装用基板。
  3. ガラス基板表面に、密着性向上膜を介して導電性材料膜を形成し、次いでフォトリソグラフィー法により配線パターンを形成することを特徴とする請求項に記載の電子部品実装用基板の製造方法。
  4. 請求項1に記載のガラス部材における(b)ガラス基板と、半導体基板とを接合させてなる電子デバイス用基板。
  5. ガラス基板と半導体基板とを接合し、一体化することを特徴とする請求項に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
  6. 画素電極と該電極をスイッチング駆動するスイッチング素子とを有する駆動基板と、請求項1に記載のガラス部材における(c)対向用ガラス基板が、液晶を挟んで対向配置した構造を有する液晶セル。
  7. 駆動基板と対向用ガラス基板とで構成された空セル内に液晶を注入したのち、注入口をシールすることを特徴とする請求項に記載の液晶セルの製造方法。
  8. 請求項1に記載のガラス部材における(d)窓材を用いてなる光学素子。
  9. 窓材上に、光学素子用部材を、その受光面が対面するように載置し、封止材により封止することを特徴とする請求項に記載の光学素子の製造方法。
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