JP4802985B2 - スピーカ - Google Patents
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制御手段は、周囲の湿度が変化しても振動板に加わるバイアス電圧を一定に制御する。これにより、例えば湿度の上昇にともなって振動板と電極板との間の絶縁抵抗が低下しても、制御手段は振動板に加えるバイアス電圧を一定に制御し、振動板と電極板との間の電位差は一定に維持される。また、振動板のバイアス電圧を制御するため、振動板および電極板には湿度を低減するための加工は不要である。したがって、加工工数の増加を招くことなく、湿度による音圧の変化が低減され、湿度に関わらず一定の音圧を維持することができる。
また、本発明では、周囲の湿度を検出する湿度検出手段を有し、前記制御手段は、前記湿度検出手段で検出した湿度に基づいて前記振動板に加えるバイアス電圧を設定する。
制御手段は、湿度検出手段で周囲の湿度を検出している。そして、制御手段は、検出した湿度から振動板に加えるバイアス電圧を設定する。例えば制御手段は、湿度と振動板に加えるバイアス電圧との関係をマップとして有している。これにより、制御手段は、検出した湿度に応じてバイアス電圧を設定する。したがって、湿度による音圧の変化が低減され、湿度に関わらず一定の音圧を維持することができる。
スペーサを設けることにより、振動板の中央に保持する効果があるものの、周囲の湿度が電極板と振動板との間の絶縁抵抗に与える影響は大きくなる。これは、スペーサを設けると、湿度の上昇にともないスペーサに捕捉される水分子が増大し、電極板と振動板との間の導電率が増大するためである。本発明では、振動板に加わるバイアス電圧を制御するため、スペーサを設ける場合でも、湿度の影響は低減される。したがって、スペーサによる音圧の増大を維持しつつ、湿度による音圧の変化を低減し、一定の音圧を維持することができる。
(第1参考例)
本発明の第1参考例によるスピーカを図1に示す。図1(A)は、第1参考例によるスピーカの要部の概略を示す断面図であり、(B)は(A)の矢印B方向から見た矢視図である。
電極板11および電極板12と振動板14との間の絶縁抵抗は、図3に示すようにスピーカ10の周囲の湿度によって変化する。すなわち、絶縁抵抗は、スピーカ10の周囲の湿度が上昇するにしたがって減少する。これは、水は空気と比較して導電性が高く、湿度が上昇すると、電極板11および電極板12と振動板14との間に存在する空気中の水分子が増加し、この水分子によって絶縁抵抗が低下するためと考えられる。絶縁抵抗が低下すると、電極板11および電極板12と振動板14との間の電位差が減少し、振動板14のバイアス電圧が低下する。その結果、振動板14の振動が小さくなり、振動板14の振動によって発生する音の音圧が低下する。
また、第1参考例では、スピーカ10の電極板11、12および振動板14に湿度を低減するための加工は不要である。したがって、電極板11、12および振動板14の構造の複雑化および加工工数の増大を抑えることができる。
本発明の第2参考例によるスピーカの制御部を図4に示す。
第2参考例の場合、制御部40は音圧測定部45を有している。音圧測定部45は、第1参考例のバイアス電圧測定部41に代えて設けられている。音圧測定部45は、スピーカ10から発せられる音の音圧を測定する。音圧測定部45は、測定した平均音圧にしたがって出力値の電圧が変化する。スピーカ10の周囲の湿度が上昇すると、上述のように電極板11および電極板12と振動板14との間の絶縁抵抗の低下にともない、スピーカ10から発生する音の音圧が低下する。そこで、第2参考例では、スピーカ10から発生する音の音圧を音圧測定部45で測定し、測定した音圧に基づいて振動板14に加えるバイアス電圧を調整する。
本発明の第1実施形態によるスピーカの制御部を図5に示す。
第1実施形態では、制御部50は、CPU51、ROM52およびRAM53を有するマイクロコンピュータで構成されている。制御部50は、CPU51、ROM52およびRAM53に加えて、制御信号生成部54を有している。また、制御部50には、湿度検出手段としての湿度センサ55が接続している。湿度センサ55は、検出したスピーカ10の周囲の湿度に基づいた電気信号を制御部50へ出力する。制御部50のROM52には、湿度センサ55で検出した湿度と、制御信号生成部54で生成する制御信号の出力値との関係がマップとして保存されている。そのため、制御部50は、湿度センサ55で検出した湿度に基づいて制御信号の出力値を設定し、制御信号生成部54からパワーアンプ17へ制御信号を出力する。制御信号生成部54では、湿度に応じて変化する振動板14のバイアス電圧を一定に維持する制御信号が生成される。
本発明の第3参考例によるスピーカを図6に示し、第3参考例によるスピーカの加熱制御部を図7に示す。
第3参考例では、スピーカ10は、第1参考例の構成に加え、加熱制御部60およびヒータ70を有している。加熱制御部60およびヒータ70は、特許請求の範囲の温度制御手段を構成している。加熱制御部60は、図7に示すようにバイアス電圧測定部61、基準電圧発生器62、減算器63およびヒータ制御部64を有している。バイアス電圧測定部61、基準電圧発生器62および減算器63は、第1参考例と同様である。第3参考例では、加熱制御部60は音声信号についての補正は行わない。そのため、音声信号は、直接パワーアンプ17へ入力される。
以上説明した第3参考例では、振動板14のバイアス電圧を検出しつつヒータ70を制御する構成について説明した。しかし、例えば湿度センサおよびマイクロコンピュータから構成される加熱制御部を設け、湿度センサからの出力値に応じて加熱制御部がヒータ70を制御する構成としてもよい。また、ヒータ70に代えて例えばペルチェ素子などの冷却および加熱が可能な温度制御部を設け、バイアス電圧を一定にするために、加熱に限らず、冷却を行う構成としてもよい。
また、上記の複数の参考例および実施形態では、電極板11および電極板12と振動板14との間にスペーサ31およびスペーサ32を設ける例を説明した。しかし、スペーサ31およびスペーサ32は、必要に応じて取り外してもよい。
Claims (2)
- 対向して配置されている一対の電極板と、
一対の前記電極板の間に、前記電極板とそれぞれ所定の距離を形成して挟まれている振動板と、
周囲の湿度を検出する湿度検出手段と、
前記湿度検出手段で検出した湿度に基づいて前記振動板に加えるバイアス電圧を設定することで、周囲の湿度に応じて前記振動板に加わるバイアス電圧を一定に制御する制御手段と、
を備えるスピーカ。 - 前記電極板と前記振動板との間にそれぞれ設けられ、前記電極板と前記振動板との間を所定の間隔で支持するスペーサをさらに備える請求項1に記載のスピーカ。
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Family Applications (1)
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