JP4800245B2 - 鋼片のスケール除去装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧延ライン上を搬送される鋼片に向けて高圧水を噴射し、スケールを除去する鋼片のスケール除去装置に関する。
一般に、鋼片を圧延ラインで熱間圧延処理する際には、加熱炉での加熱時又はその後に鋼片の表面に形成されるスケールを除去してから粗圧延、仕上げ圧延を行う。これは、残存するスケールによって、圧延した鋼板の表面に、スケール疵を生じてしまうことを防止するためである。特許文献1には、圧延ラインの上方及び下方に幅方向に沿って複数のノズルを設け、これら複数のノズルから圧延ライン上を搬送される鋼板に向けて高圧水を噴射し、鋼板の上下面のスケールを剥離させて除去する鋼板のスケール除去装置が開示されている。
上記特許文献1に記載のスケール除去装置では、鋼板の仕上げ圧延前の上面のスケール除去を目的に複数のノズルの噴射方向が、搬送方向と逆方向に高圧水を噴射するように、鉛直方向に対して10〜20度傾斜されている。また、複数のノズルは、各噴射口から噴射された高圧水が、水平面で見て圧延ラインの中心線(ラインセンター)に対して75度の角度をなして、圧延ラインの中心線側から外側に扇形状に広がりながら進行するように構成されている。
特開平9−85330号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のスケール除去装置では、鋼板の上下面のスケールだけしか除去することができない。圧延ライン上を搬送される鋼片には、上下面だけでなく、両側面にもスケールが存在し、これを除去する必要がある。また、鋼片の両側面のスケールを除去するように、上記特許文献1に記載のスケール除去装置とは別個のスケール除去装置を設置すると、設備費がかかる上に、装置が占める空間が大きくなりすぎてしまう。
特に加熱炉から出た鋼片には表面と側面とにもスケールが生成しており、側面のスケールを十分に除去しないと、引き続く粗圧延の直前に設置されているVSB(竪型のスケールブレーカ)に鋼片を噛み込んだ際にスケール疵が発生したり、VSBでスリップを起こす恐れが有った。従来はVSBでスケールを破壊した後に、上下面から高圧水をかけてスケールを除去することは行われていたが、側面のデスケーリング(スケール除去とも呼ぶ)はあまり行われていなかった。その理由は、鋼片の幅は一定では無く、側面のデスケーリングを十分に行おうとすると鋼片とスケール除去の為の高圧水ノズルとの間隔を適正に調整する装置が必要となってしまうためである。
また、VSB自体がスケール除去設備であるので、その前に敢えてデスケ−リング装置をつけること自体過剰な設備投資で有った。このVSB自体熱延コイルのエッジ疵を防止する為の設備である。しかし、ブリキ材や高炭素鋼など鋼種によっては側面にスケールが残存するとエッジ疵が残りやすいことも有り、更なる改善が必要となった。しかし、これらの鋼種は幅が一定では無いので、デスケーリング装置として多様な鋼片幅に対応する必要が有るが、前述したような鋼片幅に応じてノズルと鋼片側面の間隔を一定にするような設備は設備コストから適切でない。また、側面のスケール除去のみでなく上下面のスケールも同時に除去できれば、更に表面疵が低減する。しかし、全ての鋼種で使用することは無いので、過剰な設備投資はできないし、非稼動時にも鋼片からの放射熱で損傷しないような構造である必要もある。更に、鋼片の両縁部は上下面や側面よりも加熱時の温度が高くスケールが成長しやすいが、高圧水を用いた両縁部スケールの除去方法については知見が無かった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、多様の幅(サイズ)の鋼片に対して、圧延ライン上を搬送される鋼片の上下面及び両側面の両方のスケールを一度に除去することができ、設備費用及び設備空間が低減化された鋼片のスケール除去装置を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するために、本発明によれば、圧延ライン上を搬送される鋼片に向けて、該圧延ラインの上方及び下方に設けたノズルから流体を噴射し、スケールを除去する鋼片のスケール除去装置であって、鋼片の上方及び下方において、幅方向に1又は2以上の列に設置された、幅方向の中央部に流体をそれぞれ噴射する1又は2以上の中央ノズルと、鋼片の前記中央部の両側及び両側面に流体をそれぞれ噴射する1又は2以上の側面兼用ノズルとを有し、前記側面兼用ノズルの鋼片への噴射方向が、鋼片の搬送方向の上方から見た状態では、鋼片の搬送方向と逆方向に且つ内側に向かって傾斜し、且つ鋼片の搬送方向から見た状態では、内側に傾斜し、且つ鋼片の搬送方向の側方から見た状態では、鋼片の搬送方向と逆方向に傾斜し、前記中央ノズルの鋼片の上下面に対する噴射方向が、鋼片の搬送方向の側方から見た状態では、鋼片の搬送方向と逆方向に傾斜し、且つ前記側面兼用ノズルの鋼片との傾斜角度よりも小さいことを特徴とする、鋼片のスケール除去装置が提供される。
上記鋼片のスケール除去装置において、前記側面兼用ノズルは、鋼片の幅方向において外側に1列に配置された1又は2以上の外側面兼用ノズルと、別の列にそれよりも内側に配置された1又は2以上の内側面兼用ノズルとを有し、前記外側面兼用ノズル及び前記内側面兼用ノズルは、鋼片の幅に応じて、鋼片の上下面の前記中央位置の両側及び両側面に流体を噴射するようにしてもよい。
上記鋼片のスケール除去装置において、前記側面兼用ノズルが有する各々のノズルの鋼片への噴射方向が、鋼片の搬送方向から見た状態では、鉛直方向に対して5〜20度、内側に傾斜しており、上方から見た状態では、搬送方向と逆方向に10〜40度、内側に傾斜していてもよい。
上記鋼片のスケール除去装置は、前記圧延ラインにおいて、鋼片を幅方向に圧下する竪型ロール対又はサイジングプレスの上流に設けられていてもよい。
本発明によれば、圧延ライン上を搬送される鋼片に高圧の流体を噴射することによって、多様な幅(サイズ)の鋼片の上下面、両側面及び両縁部のスケールを一度に除去することができる。また、圧延ラインの設備費及び設備空間を低減化することが可能になる。特に、鋼片の上下面、両側面及び両縁部のスケールの除去を一度に行うことによって、鋼片に噴射する例えば水等の高圧の流体の量を低減することができ、圧延ラインのランニングコストを低減できる上に、噴射する水によって鋼片が過度に冷却されてしてしまうことも防止できる。更に、VSBを用いてもエッジ疵が発生することがある鋼種でのエッジ疵の発生を防止できる。
発明者らは、加熱炉の中で生成している鋼片表面のスケールを詳細に観察して以下のことを見出した。
1.加熱炉の中で、隣合う鋼片の間隔は加熱炉装入時には殆ど無いので、加熱中に鋼片の幅が熱膨張で大きくなると隣合う鋼片が接触して側面のスケールには亀裂が入ることが多い。
2.ウオーキングビームを用いる加熱炉の場合には移動時に鋼片を上下するのでこの際に鋼片が撓んで側面のスケールに亀裂が入ることがある。
3.連続鋳造で製造された鋼片の場合には、側面はオシレーションマークと呼ばれる縦皺が細かい間隔で残存して有るので、この皺に沿って亀裂が入り易い。
4.亀裂が有る状態で、スケールが高圧水に接すると、亀裂の間から水が入りスケール間もしくはスケールと鉄界面の水が水蒸気になることでスケールの剥離が促進される。この際に鋼片とスケールの界面に水が入り易いのは、上面と比べてスケールが重力方向に平行に付いている側面である。
5.したがって、鋼片側面のスケール除去を行う際には、側面に対して搬送方向に平行な面内(搬送方向をX軸、鋼片の幅方向をY軸方向とした時のX−Y面内)にノズルの軸を置いて鋼片に高圧水を吹き付けるよりも、図1に示すように、高圧水のノズルの軸を鋼片Iの上方及び下方で、鋼片Iの外側に設置して、側面に対して搬送方向Xに垂直な面内(鋼片Iの幅方向をY軸方向、鋼片Iの厚み方向をZ軸方向とした時のY−Z断面内)では、鋼片Iに向けて、側面に対して搬送方向Xに垂直な面内での角度を地面に下ろした垂線に対して傾けるよう角度α(後述する幅方向傾斜角度)をつけて設置すると、スケールと鋼片鉄界面に水が入りやすく、側面のスケール除去を促進で出来ることを見出した。更にこの角度αは5度から20度の範囲に傾けることが好ましいことを見出した。5度未満であると水は入りやすいが、スケールと鋼片鉄界面を剥がした後にスケールを吹き飛ばすエネルギーが鋼片側面に伝わり難い。20度を越えるとスケールを吹き飛ばすエネルギーは増えるが、スケールの亀裂内に水が入り難くなるので側面のスケールが剥がれ難い。
6.更に、鋼片Iの側面のスケール除去を行う際には、複数回に亘って、上記の側面スケール除去を行うと、スケールと鋼片鉄界面への水侵入とスケールの吹き飛ばし、が行われるのでスケールの剥離効果が増加する。1回の側面のスケール除去ではスケールが残存することを考えると少なくても2回以上の側面スケール除去が好ましい。この為に、図2に示すように、鋼片Iの幅方向Yに平行に設置されたパイプ15上で、且つ、鋼片幅を超える位置に2個以上の上記側面スケール除去を行うノズル20を設置する際に、側面に対して搬送方向Xに平行な面内(搬送方向をX軸、鋼片Iの幅方向をY軸方向とした時のX−Y面内)で、側面に向かった角度β(後述する水平面内傾斜角度)をつけることで、側面の異なる位置に高圧水が衝突することになるので、デスケーリング効率が増加する。
また、上記の様に角度βをつけたノズル配列にすると鋼片Iの幅が変化した際にも、複数のノズル20を用いて側面スケール除去を行うことが出来るので好ましい。この際に、この側面に向かった角度βは10度〜40度が好ましい。10度未満では、高圧水の衝突エネルギーが低くなりすぎてスケール剥離が起こりにくい。40度を越えると、後述するように側面スケール除去を行うノズル20を鋼片Iの上下面に設置する場合に、上下からの高圧水が互いに干渉する事態が生じやすくなり、デスケーリングエネルギーが低下するので好ましくない。
尚、図3に示すように、側面のスケール除去を行うノズル20は、鋼片Iの幅が広い時には、鋼片Iの上面又は下面のスケール除去を行うことが可能である(この理由により後述する実施の形態の説明では、側面のスケール除去を行うノズルを側面兼用ノズルと呼んでいる)。しかし、側面スケール除去を行うノズル20での高圧水の吐出方向は鋼片Iの上面の中央部に向かっているので上面でスケール除去されたスケールはこのままでは上面に残存する。この為に後述する図6の実施の具体的な形態で示す様に、上面(及び下面)のスケール除去を行うノズル20(20a、20d)の傾き角度(後述する搬送方向傾斜角度)を、側面スケール除去を行うノズル20(20b、20c、20e、20f、20g、20h、20i、20j)の傾き角度(後述する搬送方向傾斜角度)より小さくすることにより、図3で示すように、側面スケール除去を行うノズル20から噴射された高圧水が上面(および下面)のスケール除去を行った後に(搬送方向Xの下流側で)鋼片I表面上を流れる上面(及び下面)のスケール除去を行うノズル20からの高圧水に衝突するようにしている。これにより、側面スケール除去を行うノズル20でスケール除去された上面(および下面)のスケールを搬送方向Xの上流側に流し出すことができる。なお、図3において、ノズル20から噴射された高圧水の流れを説明するように、鋼片Iの上面に到達する前の高圧水の流れを実線矢印で示し、鋼片Iの上面に到達した後の鋼片Iの上面上での高圧水の流れを点線矢印で示した。
7.加えて、上記の側面スケール除去を行うノズル20は鋼片Iの上下に設置することが好ましい。側面スケール除去を行うノズル20の軸は、上述したように側面に向けて角度βだけ傾いて設置されているので縁部のスケール除去も同時に出来る。上下の両縁部のスケール除去を兼ねる為には、側面スケール除去を行うノズル20を鋼片Iの上下に設置することが好ましい。上下に設置することで、鋼片幅が非常に広くなり、側面スケール除去を行う複数のノズル20のうち、例えば鋼片Iの上側で1つのノズル20からの高圧水だけしか(一方の)側面に衝突していない場合でも、上下に設置していると側面スケール除去が少なくても2回以上行われるので好ましい。尚、上下に側面スケール除去を行うノズル20を設置すると上下から噴出した高圧水がぶつかって互いに干渉する恐れが有るので、図4に示すように、干渉しないような配置をする。図4では、側面スケール除去を行うノズル20のうち、上側に設置されたものを実線で示し、下側に設置されたものを点線で示している。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明をする。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図5は、本発明の実施の形態に係るスケール除去装置1が適用された鋼片の圧延ライン2の構成図である。圧延ライン2では、鋼片Iを矢印で示す搬送方向X(図5中、右向き)に搬送しながら熱間圧延が行われる。圧延ライン2には、搬送方向Xに沿って、鋼片Iを熱間圧延温度に加熱する加熱炉3、圧延前の鋼片Iを幅方向に圧下する竪型ロール(VSBロールとも呼ぶ)4、鋼片Iを粗圧延する粗圧延機5、中間圧延する中間圧延機6及び仕上げ圧延する仕上げ圧延機7が順に配置されている。本実施の形態では、スケール除去装置1を圧延ライン2において竪型ロール4の入側に配置している。
竪型ロール4は、軸の方向が鉛直方向に平行なロールを、圧延ライン2の搬送方向Xと直交する幅方向(後述する方向Y)の両側に対で配置した構成を有する。本実施の形態では、竪型ロール4として、表面に縁があるカリバーロールを用いている。竪型ロール4は、圧延ライン2上を搬送される鋼片Iを幅方向Yの両側から圧下し、鋼片Iの上下面のスケールを剥離させることが可能である。このようにして剥離されたスケールは、竪型ロール4の出側に設けた噴射ノズル(図示せず)から鋼片Iの上下面に高圧水を噴射することによって除去可能である。
図6は、本発明の実施の形態に係るスケール除去装置1の側面図である。図7は、図6のA−A矢視図である。図8は、図6のB−B矢視図である。また、以下の図で、ノズル20b、20c、20e、20f、20g、20h、20i、20jは上述した側面スケール除去を行う側面兼用ノズルであり、ノズル20aは上面スケール除去を行う中央ノズルであり、ノズル20dは下面スケール除去を行う中央ノズルである。
図6及び図7に示すように、スケール除去装置1は、第1の噴射部11及び第2の噴射部12を備えた構成を有する。これら第1の噴射部11及び第2の噴射部12は、圧延ライン2上を搬送ロール10によって搬送方向Xに搬送される鋼片Iに向けて、搬送方向Xと逆方向に高圧の流体としての高圧水を噴射する複数のノズル20を有する。第1の噴射部11は、圧延ライン2において、第2の噴射部12よりも下流に配置されている。
第1の噴射部11は、図7に示すように、搬送方向Xと直交する幅方向Yに配置した配管15を、圧延ライン2の上方及び下方に各々備えている。本実施の形態では、図6に示すように、上方の配管15は、下方の配管15より下流側に配置されて2列になっている。第1の噴射部11のノズル20は、配管15に設けられており、ノズル20が鋼片Iに向けて噴射する高圧水は、この配管15から供給される。ノズル20は、上方の配管15の下側に下向きに設けたノズル20a〜20cと、下方の配管15の上側に上向きに設けたノズル20d〜20fとを有する。本実施の形態では、第1の噴射部11のノズル20(即ち、ノズル20a〜20f)は、圧延ライン2の幅方向Yの中心位置Oの両側に対称的に配置されている。
本実施の形態では、上方の配管15に、中央ノズルとしてノズル20aが、圧延ライン2を搬送される鋼片Iの幅方向Yの中央部(即ち、中心位置O)の上方及び下方に設けられている。ノズル20aの両側には、内側面兼用ノズルとしてのノズル20b及びノズル20cがノズル20aを挟むようにして列をなして設けられている。ノズル20a〜20cは、いずれも、幅方向Yに互いに所定間隔をあけて配置されたノズルで構成されている。
下方の配管15にも、上方の配管15と同様に、中央ノズルとしてのノズル20dと、内側面兼用ノズルとしてのノズル20e及びノズル20fが列をなして設けられている。ノズル20d、20e、20fは、各々、上方の配管15のノズル20a、20b、20cと幅方向Yに関して対向する位置に配置されている。ノズル20d〜20fは、いずれも、幅方向Yに互いに所定間隔で配置されたノズルで構成されている。
ノズル20a〜20fは、圧延ライン2上を搬送される鋼片Iの幅方向Yの長さが所定の最小値Wminから所定の第1の最大値Wmax1までのいずれの値であっても、鋼片Iの上下面及び両側面の全域に向けて高圧水を噴射できるように幅方向Yに沿って連続的に圧延ライン2の上方及び下方に配置されている。本実施の形態では、所定の最小値Wminは、圧延ライン2上で搬送可能な鋼片Iの幅方向Yの長さの最小値である。また、圧延ライン2上を搬送される鋼片Iの幅方向Yの長さが最小値Wminから第1の最大値Wmax1までのいずれの値であっても、ノズル20b、20c、20e、20fは、鋼片Iの上下面の幅方向Yの両縁部(即ち、鋼片Iの上下面の幅方向Yの中央部の両側)及び鋼片Iの両側面全域に高圧水を噴射できるように幅方向Yに沿って配置されている。本実施の形態では、ノズル20a、20dはいずれも7つのノズルで構成され、ノズル20b、20c、20e、20fはいずれも5つのノズルで構成されている。
図6に示すように、ノズル20a〜20fの各噴射方向は、いずれも搬送方向Xの側方から見た状態では、鋼片Iの上下面に対して搬送方向Xの逆方向に、鉛直方向Zに対して所定角度(以下、搬送方向傾斜角度と称する)だけ傾斜している。本実施の形態では、ノズル20a、20dの搬送方向傾斜角度は共に15度程度であり、ノズル20aの両側にあるノズル20b、20cと、ノズル20dの両側にあるノズル20e、20fの搬送方向傾斜角度は、いずれも30度程度であり、ノズル20a、20dの搬送方向傾斜角度よりも大きくなっている。
また、図7に示すように、ノズル20aの両側にあるノズル20b、20cと、ノズル20dの両側にあるノズル20e、20fの噴射方向は、いずれも搬送方向Xから見た状態では、鋼片Iの上下面に対して内側に(即ち、圧延ライン2の中心位置O側に)、鉛直方向Zに対して所定角度(以下、幅方向傾斜角度と称する)だけ傾斜している。ノズル20b、20c、20e及び20fの幅方向傾斜角度は15度である。これに対して、ノズル20a、20dの幅方向傾斜角度は0度である。即ち、ノズル20a、20dの噴射方向は、いずれも搬送方向Xから見た状態では、鋼片Iの上下面に対して直交している。なお、ノズル20a、20dの噴射方向を、搬送方向Xから見た状態で、鋼片Iの上下面に対して外側に(即ち、圧延ライン2の外側に向かう方向に)、に傾斜させるように構成してもよい。
さらに、図2を用いて説明したように、ノズル20b、20c、20e及び20fの噴射方向は、上方から見た状態では、水平面内(XY平面内)で搬送方向と逆方向に所定角度(以下、水平面内傾斜角度と称する)だけ傾斜している。本実施の形態では、ノズル20b、20c、20e及び20fの水平面内傾斜角度は約25度である。これに対して、ノズル20a、20dの水平面内傾斜角度は0度である。
搬送方向傾斜角度、幅方向傾斜角度α及び水平面内傾斜角度βの3つの角度は、いずれか2つの値が決定すると残りの1つの値が決定する関係にあるので、例えば搬送方向傾斜角度及び幅方向傾斜角度αが分かっている場合には以下の計算により水平面内傾斜角度βの値を算出することが可能である。図9は、ノズル20cの1つを拡大して示した構成図である。図9を用いて搬送方向傾斜角度及び幅方向傾斜角度αから水平面内傾斜角度βを算出する計算方法の一例を説明する。図9において、点OはX軸、Y軸及びZ軸が交わる原点である。
図9において、ノズル20cの中心軸に沿って引かれた一点鎖線は、ノズル20cの噴射方向とみなすことができる。ノズル20c内の一点鎖線上に設定した点FからZ軸、YZ平面及びXZ平面に各々垂線を下ろし、これらの垂線とZ軸、YZ平面及びXZ平面との交点を各々、点D、点E及び点Gとする。ノズル20cの幅方向傾斜角度αは∠DOEとなり、その値は15度である。また、ノズル20cの搬送方向傾斜角度は∠DOGとなり、その値が30度である。この場合において求める水平面内傾斜角度βは∠DFEであるので、∠DFEの値を求めればよい。四角錐ODEFGの底辺DGの長さをLと仮定すると、搬送方向傾斜角度(∠DOG)が30度であることから∠OGD=60度と分かり、ODの長さは、L×tan60°=√3×Lである。さらに、幅方向傾斜角度α(∠DOE)が15度であることから底辺DEの長さは(ODの長さ)×tan15°=√3×L×tan15°と分かる。
従って、底辺DG及び底辺DEの値が分かったので、水平面内傾斜角度βに対して、tanβ=(底辺DEの長さ)/(底辺DGの長さ)=(√3×L×tan15°)/L=√3×tan15°の関係が成り立ち、β=約25°と算出することができる。なお、上述した計算では、側面兼用ノズル20cの搬送方向傾斜角度及び幅方向傾斜角度αが決定されていると仮定し、水平面内傾斜角度βの値を求める場合について説明したが、実際にノズル20cを配置する場合には、幅方向傾斜角度α及び水平面内傾斜角度βを決定するように配置する等、搬送方向傾斜角度、幅方向傾斜角度α及び水平面内傾斜角度βの3つの角度のうちの任意の2つの角度を決定するように配置してよい。
図9に示すように、ノズル20a〜20fは、いずれも、狭く細長い直線形状の噴射口Jを備えている。これにより、ノズル20a〜20fが噴射する高圧水は、鋼片Iに向かって同一平面内を左右対称的な扇状に広がるように進行する。従って、ノズル20a〜20fから噴射される流体は直線状になっていないが、ノズル20a〜20fから噴射される扇状の流体の中心を流れる流体の噴射方向(即ち、ノズル20a〜20fの中心軸方向)を上述した議論における噴射方向として考えて適用することができる。本実施の形態では、圧延ライン2の幅方向Yの中心位置Oの上方にあるノズル20aと、下方にあるノズル20dだけが、幅方向Yに水平な噴射口Jを備えている。ノズル20a、20dの残りと、ノズル20b、20c、20e、20fの噴射口Jは、噴射した高圧水が互いに阻害し合わないように、幅方向Yに対して所定角度(以下、ねじれ角度と称する)だけ傾けた構成を有する。
第2の噴射部12は、図8に示すように、搬送方向Xと直交する幅方向Yに配置した配管35を、圧延ライン2の上方及び下方に各々備えている。本実施の形態では、上方の配管35は、下方の配管35より下流側に配置されて2列になっている。第2の噴射部12のノズル20は、配管35に設けられており、ノズル20が鋼片Iに向けて噴射する高圧水は、この配管35から供給される。ノズル20は、上方の配管35の下側に下向きに設けたノズル20g、20hと、下方の配管35の上側に上向きに設けたノズル20i、20jとを有する。本実施の形態では、第2の噴射部12のノズル20(即ち、ノズル20g〜20j)は、圧延ライン2の幅方向Yの中心位置Oの両側に対称的に配置されている。
本実施の形態では、上方の配管35に、外側面兼用ノズルとしてのノズル20g及びノズル20hが、圧延ライン2の幅方向Yの中心位置Oから見て、別の列にある第1の噴射部11のノズル20b、20c(即ち、内側面兼用ノズル)よりも幅方向Yの外側に各々設けられている。ノズル20g、20hは、いずれも、幅方向Yに互いに所定間隔で配置されたノズルで構成されている。
下方の配管35にも、上方の配管35と同様に、外側面兼用ノズルとしてのノズル20i、20jが設けられている。ノズル20i、20jは、各々、上方の配管35のノズル20g、20hと幅方向Yに関して対向する位置に配置されている。ノズル20i、20jは、いずれも、幅方向Yに互いに所定間隔で配置されたノズルで構成されている。
ノズル20g〜20jは、第1の噴射部11のノズル20a〜20fと共に、圧延ライン2上を搬送される鋼片Iの幅方向Yの長さが最小値Wminから所定の第2の最大値Wmax2までのいずれの値であっても、鋼片Iの上下面及び両側面の全域に向けて高圧水を噴射できるように幅方向Yに沿って圧延ライン2の上方及び下方に連続的に配置されている。本実施の形態では、所定の第2の最大値Wmax2は、圧延ライン2上で搬送可能な鋼片Iの幅方向Yの長さの最大値である。また、圧延ライン2上を搬送される鋼片Iの幅方向Yの長さが第1の最大値Wmax1から第2の最大値Wmax2までのいずれの値であっても、ノズル20g〜20jは、鋼片Iの上下面の幅方向Yの両縁部及び鋼片Iの両側面全域に高圧水を噴射できるように幅方向Yに沿って配置されている。本実施の形態では、ノズル20g〜20jはいずれも5つのノズルで構成されている。
図6に示すように、本実施の形態では、ノズル20g〜20jの搬送方向傾斜角度は27.6度である。また、図8に示すように、ノズル20g〜20jの幅方向傾斜角度は、第1の噴射部11が備えるノズル20b、20c、20e、20fの幅方向傾斜角度と同じ15度である。さらに、ノズル20g〜20jの水平面内傾斜角度は、第1の噴射部11が備えるノズル20b、20c、20e、20fの水平面内傾斜角度と同じ約25度である。
以上のように構成された鋼片の圧延ライン2において、本発明の実施の形態に係るスケール除去装置1を用いて、鋼片Iをスケール除去する方法について説明する。
図5に示すように、圧延ライン2において、鋼片Iを加熱炉3で熱間圧延温度まで加熱してから下流に搬送し、本発明の実施の形態に係るスケール除去装置1に進入させる。
まず、鋼片Iの幅方向Yの長さが、最小値Wminと第1の最大値Wmax1の間の範囲にある場合について説明する。この場合には、第1の噴射部11だけを用いて鋼片Iのスケール除去を行う。この場合、図8に示す噴射部12は用いないが、鋼片Iの側面に位置して、鋼片Iからの放射熱は小さいので焼損防止用に僅かの冷却水を流しておけば良く、また、この冷却水が鋼片Iに流れ込むことは無い。
鋼片Iを加熱炉3から搬送方向Xに搬送し、第2の噴射部12はそのまま通過させ、下流の第1の噴射部11に進入させる。図7に示すように、鋼片Iを搬送方向Xに搬送し、第1の噴射部11を通過させながら、ノズル20a〜20fを用いて鋼片Iの上下面及び両側面に高圧水を噴射し、上下面及び両側面のスケールを一度に剥離させる。以下、ノズル20a〜20fを用いて鋼片Iの上下面及び両側面に高圧水を噴射する手順を説明する。
ノズル20aを用いて鋼片Iの上面に、上方から搬送方向Xと逆方向且つ鉛直方向下向きに高圧水を噴射する。また、ノズル20b、20cを用いて、ノズル20aによる高圧水の噴射が届かない鋼片Iの上面と、鋼片Iの上面の幅方向Yの両縁部とに向けて、上方から搬送方向Xと逆方向且つ圧延ライン2の中心位置O側に向かう方向に下向きに高圧水を噴射する。これにより、鋼片Iの上面全体のスケールを剥離し除去する。
ノズル20dを用いて鋼片Iの下面に、下方から搬送方向Xと逆方向且つ鉛直方向上向きに高圧水を噴射する。また、ノズル20e、20fを用いて、ノズル20dによる高圧水の噴射が届かない鋼片Iの下面と、鋼片Iの下面の幅方向Yの両縁部とに向けて、下方から搬送方向Xと逆方向且つ圧延ライン2の中心位置O側に向かう方向に上向きに高圧水を噴射する。これにより、鋼片Iの下面全体のスケールを剥離し除去する。
ノズル20b、20cを用いて、鋼片Iの両側面に、上方から搬送方向Xと逆方向且つ圧延ライン2の中心位置O側に向かう方向に下向きに高圧水を噴射する。同様にして、ノズル20e、20fを用いて鋼片Iの両側面に、下方から搬送方向Xと逆方向且つ圧延ライン2の中心位置O側に向かう方向に上向きに高圧水を噴射する。これにより、鋼片Iの両側面全体のスケールを剥離し除去する。
次に、鋼片Iの幅方向Yの長さが、第1の最大値Wmax1と第1の最大値Wmax2との間の範囲にある場合について説明する。この場合には、第1の噴射部11及び第2の噴射部12の両方を用いて鋼片Iのスケール除去を行う。
鋼片Iを加熱炉3から搬送方向Xに搬送し、第2の噴射部12に進入させる。図8に示すように、鋼片Iを搬送方向Xに搬送し、第2の噴射部12を通過させながら、ノズル20g〜20jを用いて鋼片Iの上下面及び両側面に高圧水を噴射し、上下面及び両側面のスケールを一度に剥離させる。以下、ノズル20g〜20jを用いて鋼片Iの上下面及び両側面に高圧水を噴射する手順を説明する。
ノズル20g、20hを用いて、第1の噴射部11のノズル20a〜20cによる高圧水の噴射が届かない鋼片Iの上面と、鋼片Iの上面の幅方向Yの両縁部とに向けて、上方から搬送方向Xと逆方向且つ圧延ライン2の中心位置O側に向かう方向に下向きに高圧水を噴射する。これにより、下流にある第1の噴射部11のノズル20a〜20cではスケール除去できない範囲にある鋼片Iの上面のスケールを剥離し除去する。
ノズル20i、20jを用いて、第1の噴射部11のノズル20d〜20fによる高圧水の噴射が届かない鋼片Iの下面と、鋼片Iの下面の幅方向Yの両縁部とに向けて、下方から搬送方向Xと逆方向且つ圧延ライン2の中心位置O側に向かう方向に上向きに高圧水を噴射する。これにより、下流にある第1の噴射部11のノズル20d〜20fではスケール除去できない範囲にある鋼片Iの下面のスケールを剥離し除去する。
ノズル20g、20hを用いて、鋼片Iの両側面に、上方から搬送方向Xと逆方向且つ圧延ライン2の中心位置O側に向かう方向に下向きに高圧水を噴射する。同様にして、ノズル20i、20jを用いて鋼片Iの両側面に、下方から搬送方向Xと逆方向且つ圧延ライン2の中心位置O側に向かう方向に上向きに高圧水を噴射する。これにより、鋼片Iの両側面全体のスケールを剥離し除去する。
鋼片Iを搬送方向Xに搬送し、第2の噴射部12から退出させ、下流にある第1の噴射部11に進入させる。第1の噴射部11では、上述した鋼片Iの幅方向Yの長さが、最小値Wminと第1の最大値Wmax1の間の範囲にある場合と同様の手順で、ノズル20a〜20fを用いて、第2の噴射部11のノズル20g〜20iでスケール除去していない鋼片Iの上下面の残りのスケールを剥離し除去する。以上で、スケール除去装置1を用いた鋼片Iのスケール除去は完了する。
スケール除去装置1を用いて下面及び両側面のスケールを除去した鋼片Iを、搬送方向Xに沿って搬送し、スケール除去装置1を退出させる。鋼片Iをスケール除去装置1の下流の竪型ロール4に進入させる。竪型ロール4を用いて鋼片Iを幅方向Yに圧下し、鋼片Iの上下面のスケールを剥離させる。次いで、鋼片Iを竪型ロール4から退出させ、竪型ロール4の出側に設けた噴射ノズルから鋼片Iの上下面に高圧水を噴射し、剥離させたスケールを除去する。
スケール除去装置1及び竪型ロール4を用いてスケール除去した鋼片Iを、竪型ロール4の下流に搬送し、粗圧延機5による粗圧延、中間圧延機6による中間圧延、及び仕上げ圧延機7による仕上げ圧延を順に行う。
以上の実施の形態によれば、スケール除去装置1は、鋼片Iの上下面の中央部に高圧水を噴射するノズル20a、20dと、噴射方向が鋼片Iの上下面に対して内側に傾斜し、鋼片Iの上下面だけでなく、鋼片Iの両側面に対しても高圧水を噴射することが可能なノズル20b、20c、20e、20fとを備えるようにしたことによって、鋼片Iの上下面及び両側面のスケールを一度に除去することができる。これにより、上下面用のスケール除去装置と、両側面用のスケール除去装置を別個に設ける必要がなくなり、設備費用及び設備費用を低減化することが可能である。
また、ノズル20b、20c、20e、20f及び20g〜20jを、圧延ライン2の幅方向Yにおいて、搬送される鋼片Iの幅方向Yの両端部が通過し得る範囲全域に高圧水を噴射できるように幅方向Yに沿って配置したことによって、鋼片Iの幅方向Yの長さが所定の範囲(即ち、最小値Wminから最大値Wmax2)で変化した場合にも、鋼片Iの上下面の両縁部及び両側面のスケールを除去することができる。
さらに、ノズル20b、20c、20e、20f及び20g〜20jの幅方向傾斜角度を5〜20度に設定したことによって、鋼片Iの上下面の両縁部及び両側面のスケール除去を従来よりも均一して行うことができる。これにより、スケール除去装置1の下流で竪型ロール4等のように鋼片Iを幅方向Yに圧下する装置を用いる場合に、鋼片Iがスリップすることを防止し,鋼片Iを確実に圧下できるようになる。
さらに、ノズル20b、20c、20e、20f及び20g〜20jの水平面内傾斜角度を10〜40度に設定したことによって、側面に対して最適なスケール除去を行うことができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上述した実施形態においては、スケール除去装置1が第1の噴射部11と第2の噴射部12を有する場合について説明したが、スケール除去装置1は、第1の噴射部11だけで構成される等、その他の構成であってもよい。
上述した実施形態においては、鋼片Iの上方又は下方において、ノズル20が幅方向に2列設置された構成を有する第1の噴射部11について説明したが、第1の噴射部11は、ノズル20が幅方向に1列又は3列以上設置されている構成であってもよい。また、第2の噴射部12についてもノズル20が幅方向に任意の数の列だけ設置されている構成であってよい。
上述した実施形態においては、鋼片Iを幅方向Yに圧下する竪型ロール4として、表面が平坦な円筒形状のフラットロールを用いる場合について説明したが、カリバーロール等、その他の形状のロールを用いてもよい。
上述した実施形態においては、鋼片Iを幅方向Yに圧下する装置として竪型ロール4を用いる場合について説明したが、サイジングプレス等その他の装置を用いてもよい。
ノズル20cの幅方向傾斜角度を種々の値に設定し、本発明のスケール除去装置1を用いた鋼片Iのスケール除去を行った。図10は、本発明のスケール除去装置1を用いてスケール除去を行う際に、鋼片Iの一方の側面に向けてノズル20cから高圧水を噴射している状態を示す構成図である。なお、図10では、鋼片Iを搬送方向Xに視ている。
本実施例では、Wminが550mm、Wmax1が1330mm、Wmax2が1650mmである。鋼片Iとしては、厚さが250mmのスラブを用いた。ノズル20cの噴射口の高さを搬送ロール10から400mm、ノズル20cから噴射する高圧水の流量を28L/min、デスケーリング圧を14.7MPa(=150kgf/cm)、ノズル20cのねじれ角度を15度とした。また、ノズル20cから噴射する高圧水の面内での広がり角度は35度とした。デスケーリング圧は14.7MPa(=150kgf/cm)程度が設備として経済的であるが更に高い圧力を用いても良い。また、9.8MPa(=100kgf/cm)程度の圧力でも良い。
表1に、搬送方向Xから見た状態での鉛直方向Zに対してのノズル20cの傾斜角度(即ち、既述した幅方向傾斜角度)αに対する1回のスケール除去でのスケール除去率を示す。表1で鋼片Iを上方から見た状態でのノズル20cの傾斜角度(即ち、既述した水平面内傾斜角度)βは20度としている。
Figure 0004800245
表1の結果から、幅方向傾斜角度αが5度から20度の範囲にある場合に、1回のスケール除去で50%以上の側面スケールが除去されており、2回以上の側面スケール除去で側面のスケールが除去されていることが分かる。
表2に、水平面内傾斜角度βと1回のスケール除去でのスケール除去率を示す。表2では幅方向傾斜角度αは15度としている。
Figure 0004800245
表2の結果から、水平面内傾斜角度βが10度以上の範囲で、1回のスケール除去で50%以上の側面スケールが除去されており、2回以上の側面スケール除去で側面のスケールが除去されていることが分かる。
尚、ノズル20cの幅方向傾斜角度αが5〜20度であり、水平面内傾斜角度βが10度以上の場合に、上面のスケール除去率は、ノズル20aの上面スケール除去ノズルでのスケール除去率と同等であった。また、縁部のスケール除去率も側面、上面のスケール除去率と同等であった。
本発明は、圧延ライン上において、竪型ロールの入側に配置され、鋼片のスケールを除去するスケール除去装置に特に有用であるが、その他の位置に配置されたスケール除去装置にも有用である。
本発明を説明する説明図である。 本発明を説明する説明図である。 本発明を説明する説明図である。 本発明を説明する説明図である。 本発明の実施の形態に係るスケール除去装置1が適用された鋼片の圧延ライン2の構成図である。 本発明の実施の形態に係るスケール除去装置1の側面図である。 図6のA−A矢視図である。 図6のB−B矢視図である。 ノズル20cの1つを拡大して示した構成図である。 本発明のスケール除去装置1を用いてスケール除去を行う際の、鋼片Iの一方の側の側面での様子を説明するように、鋼片Iを搬送方向Xに視た構成図である。
符号の説明
1 スケール除去装置
2 圧延ライン
3 加熱炉
4 竪型ロール
5 粗圧延機
6 中間圧延機
7 仕上げ圧延機
10 搬送ロール
11 第1の噴射部
12 第2の噴射部
15、35 配管
20、20a〜20j ノズル
D、E、F、G、O ノズルの角度を説明する点
I 鋼片
J 噴射口
min 鋼片Iの幅方向の長さの最小値
max1 鋼片Iの幅方向の長さの第1の最大値
max2 鋼片Iの幅方向の長さの第2の最大値
X 搬送方向
Y 幅方向
Z 鉛直方向
α ノズルの噴射方向の幅方向傾斜角度
β ノズルの噴射方向の水平面内傾斜角度

Claims (4)

  1. 圧延ライン上を搬送される鋼片に向けて、該圧延ラインの上方及び下方に設けたノズルから流体を噴射し、スケールを除去する鋼片のスケール除去装置であって、
    鋼片の上方及び下方において、幅方向に1又は2以上の列に設置された、幅方向の中央部に流体をそれぞれ噴射する1又は2以上の中央ノズルと、鋼片の前記中央部の両側及び両側面に流体をそれぞれ噴射する1又は2以上の側面兼用ノズルとを有し、
    前記側面兼用ノズルの鋼片への噴射方向が、鋼片の搬送方向の上方から見た状態では、鋼片の搬送方向と逆方向に且つ内側に向かって傾斜し、且つ鋼片の搬送方向から見た状態では、内側に傾斜し、且つ鋼片の搬送方向の側方から見た状態では、鋼片の搬送方向と逆方向に傾斜し、
    前記中央ノズルの鋼片の上下面に対する噴射方向が、鋼片の搬送方向の側方から見た状態では、鋼片の搬送方向と逆方向に傾斜し、且つ前記側面兼用ノズルの鋼片との傾斜角度よりも小さいことを特徴とする、鋼片のスケール除去装置。
  2. 前記側面兼用ノズルは、鋼片の幅方向において外側に1列に配置された1又は2以上の外側面兼用ノズルと、別の列にそれよりも内側に配置された1又は2以上の内側面兼用ノズルとを有し、前記外側面兼用ノズル及び前記内側面兼用ノズルは、鋼片の幅に応じて、鋼片の上下面の前記中央位置の両側及び両側面に流体を噴射することを特徴とする、請求項1に記載の鋼片のスケール除去装置。
  3. 前記側面兼用ノズルが有する各ノズルの鋼片への噴射方向が、鋼片の搬送方向から見た状態では、鉛直方向に対して5〜20度、内側に傾斜しており、上方から見た状態では、搬送方向と逆方向に10〜40度、内側に傾斜していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の鋼片のスケール除去装置。
  4. 前記圧延ラインにおいて、鋼片を幅方向に圧下する竪型ロール又はサイジングプレスの上流に設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の鋼片のスケール除去装置。
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