以下、本発明の一態様について説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の半導体装置について、図1を用いて説明する。基板101上には絶縁層102が設けられている。そして、絶縁層102上には、半導体層103とゲート絶縁層104と、ゲート電極105とを含むトランジスタ111が設けられている。トランジスタ111は、開口部を有する絶縁層106に覆われている。絶縁層106の上には導電層107a、導電層107bが設けられている。また、導電層107aと導電層107bとは、それぞれ絶縁層106及びゲート絶縁層104に設けられた開口部を通って半導体層103と接している。なお、半導体層103のうち、導電層107aと接する部分、導電層107bと接する部分は高濃度の不純物を含んでいる。導電層107a、導電層107bは、開口部を有する絶縁層108に覆われている。そして、絶縁層108上には第1の層109aと第2の層109bとを含む電極109が設けられている。電極109は、絶縁層108に設けられた開口部を通って導電層107aと接している。つまり、電極109とトランジスタ111とは導電層107aを介して電気的に接続している。また、電極109の端部は隔壁層110によって覆われている。
第1の層109aについて特に限定はなく、インジウム錫酸化物、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、アルミニウム、タングステン、窒化タンタル、銅 クロム、チタン、タンタル等の導電性を有する物質を、物質の仕事関数に拘わらずに用いて形成することができる。例えば、電極109を介して外部に光を採りだしたいときは、インジウム錫酸化物、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物等を用いて第1の層109aを形成し、電極109から可視光を取り出せるようにすればよい。また、電極109において光を反射させたい場合は、アルミニウム等を用いて第1の層109aを形成すればよい。
第2の層109bは金属酸化物と有機化合物とを含む層である。金属酸化物としては、正孔輸送性物質に対して電子受容性を示す物質、及び電子輸送性物質に対して電子供与性を示す物質の中から選ばれた物質であることが好ましい。このような物質の具体例として、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、コバルト酸化物、銅酸化物等の他、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、マグネシウム酸化物、ナトリウム酸化物等、アルカリ金属酸化物若しくはアルカリ土類金属酸化物等が挙げられる。正孔輸送性物質及び電子輸送性物質の中から選ばれる物質であることが好ましい。ここで、正孔輸送性物質とは、電子よりも正孔の輸送性が高い物質であり、好ましくは正孔の移動度が1×10-6cm2/Vs以上である物質である。また、電子輸送性物質とは、正孔よりも電子の輸送性が高い物質であり、好ましくは電子の移動度が1×10-6cm2/Vs以上である物質である。正孔輸送性物質及の具体例としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:α−NPD)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス{N−[4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル]−N−フェニルアミノ}ビフェニル(略称:DNTPD)等の芳香族アミン化合物や、フタロシアニン(略称:H2Pc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等のフタロシアニン化合物が挙げられる。中でも、芳香族アミン化合物を用いること好ましい。なお、芳香族アミン化合物とは下記構造式(1)で表されるような構造を含む化合物である。芳香族アミン化合物を用いることによって、正孔輸送性物質に対して電子受容性を示す物質と、正孔輸送性物質との間の電子の授受がより円滑になる。
また、電子輸送性物質の具体例としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq
3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq
3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq
2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)
2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)
2)等の金属錯体の他、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)等が挙げられる。
第2の層109bの厚さについて特に限定はないが、50nm〜1000nmであることが好ましく、100〜300nmであることがより好ましい。このような厚さにすることによって、第1の層109aの表面に形成された凹凸を緩和することができる。なお、第2の層109bは、金属酸化物を含んでるため、有機化合物が結晶化し難く平滑性を保ちやすい層である。このように、第1の層109aの上に第2の層109bが積層した電極109は平滑性が高いため、電極109の上にさらに別の層を積層させるときに、被覆性良く、つまり段切れが少なくなるように、積層させることができる。
また、金属酸化物と有機物との組み合わせの態様としては、特に正孔輸送性物質に対し電子受容性を示す物質と正孔輸送性物質とを組み合わせたものであるか、または電子輸送性物質に対し電子供与性を示す物質と電子輸送性物質とを組み合わせたものであることが好ましい。金属酸化物と有機化合物とをこのように組み合わせて用いることによって、電極109から正孔若しくは電子を発生し易くなる。
以上のように、第1の層109aの上に第2の層109bが積層した電極109は、発光素子の電極として用いることができる。本形態の半導体装置のように電極109を有する半導体装置を用いることによって、電極109の凹凸に起因した発光素子の電極間の短絡等の不具合が低減された良好な発光装置を作製することができる。また、本形態の半導体装置のように、電極109の端部を隔壁層110によって覆うことにより、電極109の端部に集中した電界によって、発光素子が短絡等の不良を引き起こすことを防ぐことができ、良好な発光装置を作製することができる。また、本発明の半導体装置ではそれぞれの発光素子に対応した電極109がそれぞれ分離して設けられている為、隣接した電極109間のクロストークがなく、特に高精細な画素を有する発光装置を作製するのに有用である。
なお、基板101について特に限定はなく、ガラス、石英等の他、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のプラスチック等の可撓性を有するものを用いることができる。
また、絶縁層102について特に限定はなく、酸化珪素または窒化珪素等の絶縁物を用いて形成することができる。なお、絶縁層102は、単層でもよいし、若しくは複数の層が積層した多層でもよい。絶縁層102を基板101とトランジスタ111との間に設けることによって、基板101からトランジスタ111への不純物の拡散を防ぐことができる。
なお、トランジスタ111について特に限定はなく、シングルゲート型のトランジスタでもよいし、複数のゲート電極を有するマルチゲート型のトランジスタでもよい。また、チャネル形成領域とドレインとの間にドレインよりも低濃度不純物領域を有するLDD構造のトランジスタでもよい。また、チャネル形成領域とドレインとの間に設けられる低濃度不純物領域がゲート電極と重畳したゲートオーバーラップLDD構造のトランジスタであってもよい。また、トップゲート型のトランジスタであってもよいし、ボトムゲート型のトランジスタであってもよい。
また、トランジスタ111に含まれる半導体層103、ゲート絶縁層104、ゲート電極105のそれぞれについても特に限定はない。
半導体層103は、この他、セミアモルファス半導体を用いて形成されていてもよい。なお、セミアモルファスな半導体とは、次のようなものである。非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造を有し、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な領域を含んでいるものである。また少なくとも膜中の一部の領域には、0.5〜20nmの結晶粒を含んでいる。ラマンスペクトルが520cm-1よりも低波数側にシフトしている。X線回折ではSi結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。未結合手(ダングリングボンド)を終端するために水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。所謂微結晶半導体(マイクロクリスタル半導体)とも言われている。珪化物気体をグロー放電分解(プラズマCVD)して形成する。珪化物気体としては、SiH4、その他にもSi2H6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などを用いることができる。この珪化物気体をH2、又は、H2とHe、Ar、Kr、Neから選ばれた一種または複数種の希ガス元素で希釈しても良い。希釈率は2〜1000倍の範囲。圧力は概略0.1Pa〜133Paの範囲、電源周波数は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHz。基板加熱温度は300℃以下でよく、好ましくは100〜250℃。膜中の不純物元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分の不純物は1×1020/cm3以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は5×1019/cm3以下、好ましくは1×1019/cm3以下とする。以上のように、半導体層103は結晶性について特に限定がなく、例えば珪素、シリコンゲルマニウム等の半導体を用いて形成される層である。
ゲート絶縁層104は、酸化珪素、窒化珪素等の絶縁物を用いて形成することができる。なお、酸化珪素には微量の窒素が含まれていてもよいし、窒化珪素には微量の酸素が含まれていてもよい。また、ゲート絶縁層104は、一層の絶縁層によって形成されていてもよいし、若しくは複数の絶縁層が積層して形成されていてもよい。
ゲート電極105は、タングステン、アルミニウム、モリブデン、銅等の金属の他、窒化タンタル、窒化チタン等の金属窒化物を用いて形成することができる。また、ゲート電極105は、一層の導電層によって形成されていてもよいし、若しくは複数の導電層が積層して形成されていてもよい。例えば図13に示すように、導電層105aと、導電層105aよりも内側に側壁を有する導電層105bとが積層して成るゲート電極105であってもよい。また導電層105a、導電層105bは、それぞれ側壁に傾斜を有する形状であってもよい。また導電層105aと導電層105bとは、それぞれ異なる物質を用いて形成されていてもよい。
また、導電層107a、導電層107bについても特に限定はなく、タングステン、アルミニウム、モリブデン、銅等の金属の他、窒化タンタル、窒化チタン等の金属窒化物を用いて形成することができる。また、導電層107a、導電層107bは、一層の絶縁層によって形成されていてもよいし、若しくは複数の絶縁層が積層して形成されていてもよい。
また、絶縁層106、絶縁層108についても特に限定はなく、それぞれ、酸化珪素、窒化珪素等の絶縁物を用いて形成することができる。なお、酸化珪素には微量の窒素が含まれていてもよいし、窒化珪素には微量の酸素が含まれていてもよい。また、窒化珪素は水素を含むものであってもよい。また、絶縁層106、絶縁層108は、それぞれ、アクリル、ポリイミド等の有機化合物、またはシロキサン等の絶縁物を用いて形成されていてもよい。なお、シロキサンとは、珪素(Si)、酸素(O)、水素(H)等の元素を含み、さらにSi−O−Si結合(シロキサン結合)を含む化合物である(Hはアルキル基またはアリール基等に置換されていてもよい)。アクリル、ポリイミド、シロキサン等を用いることによって、図1の絶縁層108で表されるように、表面が平坦になるように絶縁層を形成することができる。また、絶縁層106、絶縁層108は、それぞれ、単層でもよいし、若しくは複数の層が積層した多層でもよい。
隔壁層110についても特に限定はないが、側壁に曲率を有する形状となるように形成されていることが好ましい。隔壁層110は、アクリル、ポリイミド、レジスト等の有機化合物の他、酸化珪素、窒化珪素、シロキサン等を用いて形成してもよい。
(実施の形態2)
本形態では、実施の形態1で説明したような本発明の半導体装置を用いて作製された発光装置の一態様について図2を用いて説明する。
図2(A)は本発明の半導体装置の一の断面図である。基板301上には、トランジスタ302、トランジスタ303、トランジスタ304、トランジスタ305を有する。トランジスタ302、トランジスタ303は、いずれも基板301上の画素領域に設けられている。また、トランジスタ304、トランジスタ305は、基板301上の駆動回路領域に設けられている。トランジスタ302〜トランジスタ305は、開口部を有する絶縁層306によって覆われている。絶縁層306上には所望の形状に加工された導電層が設けられている。導電層のうち幾つかは、例えば導電層307、導電層308、導電層309等は、それぞれ、信号を入力したり若しくは電流を供給したりする為の配線として機能する。導電層310は絶縁層306の開口部を覆うように形成されており、トランジスタ302に接続している。さらに、導電層307〜導電層309は開口部を有する絶縁層311によって覆われている。絶縁層311上には、第1の層312aと第2の層312bとを含む電極312を有する。第1の層312aと第2の層312bとは、第1の層312aが絶縁層311側になるように積層している。また、電極312は、絶縁層311の開口部を覆い、導電層310に接続している。さらに、電極312の端部は、隔壁層313によって覆われ、また電極312の一部は隔壁層313の開口部から露出している。
第1の層312aは第1の層109aに相当し、第2の層312bは第2の層109bに相当する。また、トランジスタ302はトランジスタ111に相当し、絶縁層306は絶縁層106に相当する。導電層310は導電層107aに相当する。また、絶縁層311は絶縁層108に相当する。また、隔壁層313は隔壁層110に相当する。
半導体装置には、図2(A)に示す半導体装置のように、駆動回路用のトランジスタ304、トランジスタ305、配線等として機能する導電層307〜導電層309等が含まれていてもよい。また、画素回路用のトランジスタ303等が設けられていてもよい。
図2(A)で表される半導体装置を用いて発光装置を作製する方法について説明する。
先ず、電極312を覆うように発光層314を形成する。そして、発光層314の上にさらに電極315を形成する。電極312と発光層314と電極315との重畳部は発光素子316として機能する。
発光層314は、電極312と電極315の間に電流が流れ、電子と正孔が再結合したときに、発光物質が発光するように構成されていればよい。ここで、発光物質とは、発光効率が良好で、所望の発光波長の発光をし得る物質である。
発光層314の形成方法について特に限定はなく、蒸着法、スパッタリング法、スピンコート法、インクジェット法等、いずれの方法を用いてもよい。また、発光層314は、有機物の他、無機物等を用いて形成してもよい。
発光層314は発光物質を用いて形成する。この時、発光層314は、発光物質の有するエネルギーギャップよりも大きいエネルギーギャップを有する物質からなる層中に発光物質が分散して含まれるように形成してもよい。発光物質を分散させることで、濃度に起因した消光が生じることを防ぐことができる。ここで、発光物質について特に限定はなく、赤色系の発光を得たい場合は、例えば、4−ジシアノメチレン−2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTI)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTB)やペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]ベンゼン等、600nmから680nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を発光物質として用いればよい。また、緑色系の発光を得たいときは、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6やクマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)等、500nmから550nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を発光物質として用いればよい。また、青色系の発光を得たいときは、9,10−ビス(2−ナフチル)−2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−ガリウム(略称:BGaq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等、420nmから500nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を発光物質として用いればよい。また、発光物質を分散させるために発光物質と共に用いる物質についても特に限定はなく、例えば、9,10−ジ(2−ナフチル)−2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)等のアントラセン誘導体、または4,4’−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)等のカルバゾール誘導体の他、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(略称:Znpp2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)等の金属錯体等を用いることができる。
電極315について特に限定はなく、インジウム錫酸化物等の他、珪素を含むインジウム錫酸化物、アルミニウム、タングステン、窒化タンタルの他、銅、クロム、チタン、タンタル、窒化タンタル等、その他の導電性を有する物質を用いて形成すればよい。また、電極315の形成方法について特に限定はなく、蒸着法、スパッタリング法、インクジェット法、スピンコート法等、何れの方法を用いて形成してもよい。
なお、電極312と発光層314との間には、図14(A)に示すように、第1の輸送層351が設けられていてもよい。なお、図14(A)は、電極312と発光層314と電極315との重畳部(図14(B)において点線で囲まれた部分)を拡大して表した図である。電極312側から正孔が注入されるとき、正孔輸送性物質を用いて第1の輸送層351を形成することが好ましい。また、電極312側から電子が注入されるとき、電子輸送性物質を用いて第1の輸送層351を形成することが好ましい。このように、第1の輸送層351を設けることによって、電極312と発光層314とが近接することを防ぐことができ、その結果、電極312に含まれる金属に起因した消光を防ぐことができる。なお、第1の輸送層351は単層であってもよいし、または図15(A)に示すように第1の輸送層351a、第1の輸送層351b、或いはこの他の層を含む多層であってもよい。なお、図15(A)は、電極312と発光層314と電極315との重畳部(図15(B)において点線で囲まれた部分)を拡大して表した図である。また第1の輸送層351が多層である場合であって、電極312側から正孔が注入されるときは、正孔輸送性物質に加えてさらにモリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物等の金属酸化物を含む層と、正孔輸送性物質のみを含む層とが積層されていてもよい。特に正孔輸送性物質が結晶化し易いという性質を有する場合は、金属酸化物を含ませることによって結晶化を妨げることができ、結晶化に起因した発光素子の電極間の短絡を防ぐことが出来る。なお、第1の輸送層351aと第1の輸送層351bとの界面は図16(A)の点線で表されるように、不明確であってもよい。特に第1の輸送層351aと第1の輸送層351bとの間に生じるエネルギー障壁が滑らかに変化するように、第1の輸送層351aと第1の輸送層351bを混合した領域を設けることが好ましい。また第1の輸送層351が多層である場合であって、電極312側から電子が注入されるときは、電子輸送性物質に加えてさらにリチウム酸化物、カルシウム酸化物、マグネシウム酸化物等の金属酸化物を含む層と、電子輸送性物質のみを含む層とが積層されていてもよい。特に電子輸送性物質が結晶化し易いという性質を有する場合は、金属酸化物を含ませることによって結晶化を防ぐことができ、結晶化に起因した発光素子の電極間の短絡を防ぐことが出来る。なお、図16(A)は、電極312と発光層314と電極315との重畳部(図16(B)において点線で囲まれた部分)を拡大して表した図である。
また、電極315と発光層314との間には、図14にしめすように、第2の輸送層352が設けられていてもよい。電極315側から電子が注入されるとき、電子輸送性物質を用いて第2の輸送層352を形成することが好ましい。また、電極315側から正孔が注入されるとき、正孔輸送性物質を用いて第2の輸送層352を形成することが好ましい。このように、第2の輸送層352を設けることによって、電極315と発光層314とが近接することを防ぐことができ、その結果、電極315に含まれる金属に起因した消光を防ぐことができる。なお、第2の輸送層352は単層であってもよいし、または図15(A)に示すように第2の輸送層352a、第2の輸送層352b、或いはこの他の層を含む多層であってもよい。また第2の輸送層352が多層であって、電極315側から電子が注入されるとき、電子輸送性物質に加えてさらにリチウム酸化物、カルシウム酸化物、マグネシウム酸化物等の金属酸化物を含む層と、電子輸送性物質のみを含む層とが積層されていてもよい。特に電子輸送性物質が結晶化し易いという性質を有する場合は、金属酸化物を含ませることによって結晶化を防ぐことができ、結晶化に起因した発光素子の電極間の短絡を防ぐことが出来る。なお、第2の輸送層352aと第2の輸送層352bとの界面は図16(A)の点線で表されるように、不明確であってもよい。特に第2の輸送層352aと第2の輸送層352bとの間に生じるエネルギー障壁が滑らかに変化するように、第2の輸送層352aと第2の輸送層352bを混合した領域を設けることが好ましい。また第2の輸送層352が多層であって、電極315側から正孔が注入されるとき、正孔輸送性物質に加えてさらにモリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物等の金属酸化物を含む層と、正孔輸送性物質のみを含む層とが積層されていてもよい。特に正孔輸送性物質が結晶化し易いという性質を有する場合は、金属酸化物を含ませることによって結晶化を防ぐことができ、結晶化に起因した発光素子の電極間の短絡を防ぐことが出来る。
また、発光層314と第1の輸送層351、発光層314と第2の輸送層352との界面も図17(A)の点線で表されるように不明確であってもよい。なお、図17(A)は、電極312と発光層314と電極315との重畳部(図17(B)において点線で囲まれた部分)を拡大して表した図である。特に発光層314と第1の輸送層351との間に生じるエネルギー障壁が滑らかに変化するように、発光層314と第1の輸送層351bを混合した領域を設けることが好ましい。また、特に発光層314と第2の輸送層352との間に生じるエネルギー障壁が滑らかに変化するように、発光層314と第2の輸送層352bを混合した領域を設けることが好ましい。
なお、電極315は、第2の層315bが第1の層315aよりも発光層314側となるように、第1の層315aと第2の層315bとを積層させて形成されたものであってもよい。ここで、第2の層315bは、金属酸化物と有機化合物とを含む層であることが好ましい。電極315側から正孔を注入するときは、有機化合物として正孔輸送性物質を用い、金属酸化物として正孔輸送性物質に対して電子受容性を示す物質を用いることが好ましい。また、電極315側から電子を注入するときは、有機化合物として電子輸送性物質を用い、金属酸化物として電子輸送性物質に対して電子供与性を示す物質の中から選ばれた物質を用いることが好ましい。また、第2の層315bの厚さを調整することによって、発光した光の光路長を調整してもよい。光路長を調整することによって、色純度が良く、また効率よく発光を取り出すことができる。
以上のような、発光装置において、発光層314からの発光は、電極312側若しくは電極315側のいずれか一方の側からのみ取り出してもよいし、または両側から取り出してもよい。図7(A)の白抜きの矢印で表すように電極312側から発光を取り出すときは、第1の層312aをインジウム錫酸化物等を用いて形成し、可視光を透過できるようにすればよい。また、図7(B)の白抜きの矢印で表すように電極315側から発光を取り出すときは、電極315をインジウム錫酸化物等を用いて形成し、可視光を透過できるようにすればよい。また、図7(C)の白抜きの矢印で表すように電極312及び電極315の両側から発光を取り出すときは、第1の層312aおよび電極315のいずれもインジウム錫酸化物等を用いて形成し、可視光を透過できるようにすればよい。
発光素子316が設けられた発光装置は、図2(C)に表されるように、封止して、発光素子316が大気に触れないようにすることが好ましい。図2(C)において、発光素子316が内側に封じ込められるように、基板301と基板320とは、シール材321によって貼り合わせられている。基板301、320シール材321に囲まれた内部には、窒素、若しくは不活性ガス、若しくは樹脂等が充填されている。また、導電層307とフレキシブルプリントサーキット322とは導電性接着剤323によって接続されている。
以上のような発光装置は、本発明の半導体装置を用いて作製しているため、発光層314が電極315を被覆性良く覆うことができ、電極312と電極315との間での短絡等が生じ難いものである。また、電極312の端部を隔壁層313が覆っているため、電極312の端部に集中した電界に起因して、電極312と電極315との間で短絡等が生じることも防ぐことができる。このように、本発明の半導体装置を用いることで、電極間の短絡等の不具合が生じ難い良好な発光装置を作製することができる。
(実施の形態3)
本発明の半導体装置の一態様について図3を用いて説明する。基板151上には絶縁層152が設けられている。そして、絶縁層152上には、半導体層153とゲート絶縁層154と、ゲート電極155とを含むトランジスタ161が設けられている。トランジスタ161は、開口部を有する絶縁層156および絶縁層157に覆われている。絶縁層156及び絶縁層157の上には導電層158a、導電層158bが設けられている。また、導電層158aと導電層158bとは、それぞれ絶縁層156、ゲート絶縁層154に設けられた開口部を通って半導体層153と接している。そして、絶縁層157上には第1の層159aと第2の層159bとを含む電極159が設けられている。電極159は、第1の層159aの一部が導電層158aと積層し、導電層158aと電気的に接続している。また、電極159の端部は隔壁層160によって覆われている。
なお、基板151は基板101についての記載を、絶縁層152は絶縁層102についての記載を、半導体層153は半導体層103の記載を、ゲート絶縁層154はゲート絶縁層104の記載を、ゲート電極155はゲート電極105の記載をそれぞれ準用する。また、絶縁層156は絶縁層106の記載を、絶縁層157は絶縁層108の記載をそれぞれ準用する。
図3に示した半導体装置のように、導電層158aと電極159とは積層することによって電気的に接続していてもよい。
第1の層159aは第1の層109aに相当し、第2の層159bは第2の層109bに相当する。従って、第1の層159aと第2の層159bについても、第1の層109aについての記載と第2の層109bについての記載とをそれぞれ準用する。
図3の半導体装置のように第1の層159aと第2の層159bとを含む電極159を、電極159の端部が隔壁層160によって覆われるようにして設けた半導体装置を用いることによって、電極159の凹凸に起因した短絡等の不具合の低減された発光装置を作製することができる。また、電極の端部に生じる電界に起因した短絡等の不具合の少ない発光装置を作製することができる。
(実施の形態4)
本形態では、チャネルエッチ型のボトムゲートのトランジスタを含む本発明の半導体装置の一態様について図4を用いて説明する。
基板201上にはゲート電極203とゲート絶縁層204と第1の半導体層205と第2の半導体層206aと第2の半導体層206bとを含むトランジスタ211が設けられている。ゲート電極203は、基板201上に設けられている。そして、ゲート絶縁層204は、ゲート電極203を覆うように設けられている。また、第1の半導体層205は、ゲート電極203とゲート絶縁層204との重畳部の上方に、ゲート絶縁層204と接するように設けられている。第2の半導体層206aと第2の半導体層206bとは、それぞれ、第1の半導体層205と接し、何れか一方がトランジスタのソースとして機能し、他方がドレインとして機能するように設けられている。第2の半導体層206aは導電層206cと積層している。また第2の半導体層206bは導電層206dと積層している。開口部を有する絶縁層207は、トランジスタ211及び導電層206c、206d等を覆うように設けられている。絶縁層207上には、電極208を有する。電極208は第1の層208aと第2の層208bとから成り、第1の層208aは絶縁層207と接する。また、電極208は、絶縁層207に設けられた開口部を覆い、導電層206cに接する。また、絶縁層207上には、開口部を有する隔壁層209が、電極208の端部を覆うように設けられている。そして、隔壁層209に設けられた開口部からは、電極208が露出している。
電極208は、発光素子の電極として用いることができる。ここで、第1の層208aは実施の形態1に記載の第1の層109aと同様に導電性を有する物質を用いて形成される層である。また、第2の層208bは実施の形態1に記載の第2の層109bと同様に金属酸化物と有機化合物とを含む層である。第1の層208a、第2の層208bは、それぞれ、第1の層109a、第2の層109bと同様にして形成されたものであることが好ましい。
電極208は、第1の層208aが第2の層208bによって覆われているため、第1の層の表面に形成された凹凸が緩和され、平滑性が良い電極である。このような電極を含む本発明の半導体装置を用いることで、電極208の凹凸に起因した発光素子の電極間の短絡等の不具合が低減された良好な発光装置を作製することができる。
なお、基板201については基板101についての記載を準用する。また、ゲート電極203についてはゲート電極105についての記載を、ゲート絶縁層204についてはゲート絶縁層104についての記載を、第1の半導体層205については半導体層103についての記載を、それぞれ準用する。第2の半導体層206a、206bは、それぞれ、n型の不純物を含み、珪素若しくはシリコンゲルマニウム等の半導体を用いて形成された層である。第2の半導体層206a、206bの結晶性についても特に限定はなく、非晶質半導体若しくは結晶質半導体のいずれか一または両方を含むものを用いればよい。導電層206c、206dについては、導電層107a、導電層107bについての記載を準用する。また、絶縁層207については絶縁層106についての記載を、隔壁層209については隔壁層110についての記載を、それぞれ準用する。
(実施の形態5)
本形態では、チャネルストップ型のボトムゲートのトランジスタを含む本発明の半導体装置の一態様について図5を用いて説明する。
基板251上にはゲート電極253とゲート絶縁層254と第1の半導体層255と第2の半導体層257aと第2の半導体層257bとを含むトランジスタ261が設けられている。ゲート電極253は、基板251上に設けられている。そして、ゲート絶縁層254は、ゲート電極253を覆うように設けられている。また、第1の半導体層255は、ゲート電極253とゲート絶縁層254との重畳部の上方に、ゲート絶縁層254と接するように設けられている。第2の半導体層257aと第2の半導体層257bとは、それぞれ、第1の半導体層255と接し、何れか一方がトランジスタのソースとして機能し、他方がドレインとして機能するように設けられている。また、第1の半導体層255においてチャネルが形成される領域の上方には保護層256が設けられている。第2の半導体層257aは導電層257cと積層している。また第2の半導体層257bは導電層257dと積層している。開口部を有する絶縁層258は、トランジスタ261及び導電層257c、257d等を覆うように設けられている。絶縁層258上には、電極259を有する。電極259は第1の層259aと第2の層259bとから成り、第1の層259aは絶縁層258と接する。また、電極259は、絶縁層258に設けられた開口部を覆い、導電層257cに接する。また、絶縁層258上には、開口部を有する隔壁層260が、電極259の端部を覆うように設けられている。そして、隔壁層260に設けられた開口部からは、電極259が露出している。
以上のように、図5に示した半導体装置は、実施の形態4で示したボトムゲート型のトランジスタと、異なった形態を有するボトムゲート型のトランジスタを含む半導体装置である。
電極259は、発光素子の電極として用いることができる。ここで、第1の層259aは実施の形態1に記載の第1の層109aと同様に導電性を有する物質を用いて形成される層である。また、第2の層259bは実施の形態1に記載の第2の層109bと同様に金属酸化物と有機化合物とを含む層である。第1の層259a、第2の層259bは、それぞれ、第1の層109a、第2の層109bと同様にして形成されたものであることが好ましい。
電極259は、第1の層259aが第2の層259bによって覆われているため、第1の層の表面に形成された凹凸が緩和され、平滑性が良い電極である。このような電極を含む本発明の半導体装置を用いることで、電極259の凹凸に起因した発光素子の電極間の短絡等の不具合が低減された良好な発光装置を作製することができる。
なお、基板251については基板101についての記載を準用する。また、ゲート電極253についてはゲート電極105についての記載を、ゲート絶縁層254についてはゲート絶縁層104についての記載を、第1の半導体層255については半導体層103についての記載を、それぞれ準用する。第2の半導体層257a、257bは、それぞれ、n型の不純物を含み、珪素若しくはシリコンゲルマニウム等の半導体を用いて形成された層である。第2の半導体層257a、257bの結晶性についても特に限定はなく、非晶質半導体若しくは結晶質半導体のいずれか一または両方を含むものを用いればよい。導電層257c、257dについては、導電層107a、導電層107bについての記載を準用する。また、絶縁層258については絶縁層106についての記載を、隔壁層260については隔壁層110についての記載を、それぞれ準用する。また、保護層256は、第2の半導体層257a、257bおよび導電層257c、257dを加工するときに、第1の半導体層255がエッチングされてしまわないように、第1の半導体層255を保護する機能を有する層である。保護層256は、窒化珪素等を用いて形成すればよい。
(実施の形態6)
図1で表されるような本発明の半導体装置を用いた発光装置の一態様について、図6を用いて説明する。図6で表される発光装置は、それぞれの層の厚さが異なるように形成された第2の層109c、第2の層109d、第2の層109eを有する半導体装置を用いて作製されたものである。
第1の層109aは、アルミニウム等を用いて形成されており、反射率の高い層である。第2の層109c上には、赤色系の発光を呈する発光物質を含む発光層120aが設けられている。また、第2の層109d上には、緑色系の発光を呈する発光物質を含む発光層120bが設けられている。また、第2の層109e上には、青色系の発光を呈する発光物質を含む発光層120cが設けられている。また、電極121は、インジウム錫酸化物等を用いて形成されており、可視光を透過できる電極である。
発光素子123a、発光素子123b、発光素子123cのそれぞれからの発光は、電極121側から取り出される。
第2の層109cは、電極121側から色純度の良い発光を取り出せるように、発光する光の波長に合わせて厚さを調整されている。また、第2の層109dも、電極121側から色純度の良い発光を取り出せるように、発光する光の波長に合わせて厚さを調整されている。また、第2の層109eは、電極121側から色純度の良い発光を取り出せるように、発光する光の波長に合わせて厚さを調整されている。
以上のように、本発明の半導体装置を用いて、発光色の異なる複数の発光素子を含む発光装置を作製することができる。また、本発明の半導体装置は、それぞれの発光素子から色純度の良い発光を取り出せるように、光の光路長も調整できるものである。
(実施の形態7)
本形態では、表示機能を有する発光装置に含まれる回路構成および駆動方法について図8〜11を用いて説明する。なお、本形態の発光装置は、実施の形態2若しくは実施の形態6で説明したような本発明の半導体装置を用いて作製された発光装置である。
図8は本発明の半導体装置を用いて作製した発光装置を上面からみた模式図である。図8において、基板6500上には、画素部6511と、ソース信号線駆動回路6512と、書込用ゲート信号線駆動回路6513と、消去用ゲート信号線駆動回路6514とが設けられている。ソース信号線駆動回路6512と、書込用ゲート信号線駆動回路6513と、消去用ゲート信号線駆動回路6514とは、それぞれ、配線群を介して、外部入力端子であるFPC(フレキシブルプリントサーキット)6503と接続している。そして、ソース信号線駆動回路6512と、書込用ゲート信号線駆動回路6513と、消去用ゲート信号線駆動回路6514とは、それぞれ、FPC6503からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。またFPC6503にはプリント配線基板(PWB)6504が取り付けられている。なお、駆動回路部は、上記のように必ずしも画素部6511と同一基板上に設けられている必要はなく、例えば、配線パターンが形成されたFPC上にICチップを実装したもの(TCP)等を利用し、基板外部に設けられていてもよい。
画素部6511には、列方向に延びた複数のソース信号線が行方向に並んで配列している。また、電流供給線が行方向に並んで配列している。また、画素部6511には、行方向に延びた複数のゲート信号線が列方向に並んで配列している。また画素部6511には、発光素子を含む一組の回路が複数配列している。
図9は、一画素を動作するための回路を表した図である。図9に示す回路には、第1のトランジスタ901と第2のトランジスタ902と発光素子903とが含まれている。
第1のトランジスタ901と、第2のトランジスタ902とは、それぞれ、ゲート電極と、ドレイン領域と、ソース領域とを含む三端子の素子であり、ドレイン領域とソース領域の間にチャネル領域を有する。ここで、ソース領域とドレイン領域とは、トランジスタの構造や動作条件等によって変わるため、いずれがソース領域またはドレイン領域であるかを限定することが困難である。そこで、本形態においては、ソースまたはドレインとして機能する領域を、それぞれ第1電極、第2電極と表記する。
ゲート信号線911と、書込用ゲート信号線駆動回路913とはスイッチ918によって電気的に接続または非接続の状態になるように設けられている。また、ゲート信号線911と、消去用ゲート信号線駆動回路914とはスイッチ919によって電気的に接続または非接続の状態になるように設けられている。また、ソース信号線912は、スイッチ920によってソース信号線駆動回路915または電源916のいずれかに電気的に接続するように設けられている。そして、第1のトランジスタ901のゲートはゲート信号線911に電気的に接続している。また、第1のトランジスタの第1電極はソース信号線912に電気的に接続し、第2電極は第2のトランジスタ902のゲート電極と電気的に接続している。第2のトランジスタ902の第1電極は電流供給線917と電気的に接続し、第2電極は発光素子903に含まれる一の電極と電気的に接続している。なお、スイッチ918は、書込用ゲート信号線駆動回路913に含まれていてもよい。またスイッチ919についても消去用ゲート信号線駆動回路914の中に含まれていてもよい。また、スイッチ920についてもソース信号線駆動回路915の中に含まれていてもよい。
また画素部におけるトランジスタや発光素子等の配置について特に限定はないが、例えば図10の上面図に表すように配置することができる。図10において、第1のトランジスタ1001の第1電極はソース信号線1004に接続し、第2の電極は第2のトランジスタ1002のゲート電極に接続している。また第2トランジスタの第1電極は電流供給線1005に接続し、第2電極は発光素子の電極1006に接続している。ゲート信号線1003の一部は第1のトランジスタ1001のゲート電極として機能する。
次に、駆動方法について説明する。図11は時間経過に伴ったフレームの動作について説明する図である。図11において、横方向は時間経過を表し、縦方向はゲート信号線の走査段数を表している。
本発明を適用した発光装置を用いて画像表示を行うとき、表示期間においては、画面の書き換え動作と表示動作とが繰り返し行われる。この書き換え回数について特に限定はないが、画像をみる人がちらつき(フリッカ)を感じないように少なくとも1秒間に60回程度とすることが好ましい。ここで、一画面(1フレーム)の書き換え動作と表示動作を行う期間を1フレーム期間という。
1フレームは、図11に示すように、書き込み期間501a、502a、503a、504aと保持期間501b、502b、503b、504bとを含む4つのサブフレーム501、502、503、504に時分割されている。発光するための信号を与えられた発光素子は、保持期間において発光状態となっている。各々のサブフレームにおける保持期間の長さの比は、第1のサブフレーム501:第2のサブフレーム502:第3のサブフレーム503:第4のサブフレーム504=23:22:21:20=8:4:2:1となっている。これによって4ビット階調を表現することができる。但し、ビット数及び階調数はここに記すものに限定されず、例えば8つのサブフレームを設け8ビット階調を行えるようにしてもよい。
1フレームにおける動作について説明する。まず、サブフレーム501において、1行目から最終行まで順に書き込み動作が行われる。従って、行によって書き込み期間の開始時間が異なる。書き込み期間501aが終了した行から順に保持期間501bへと移る。当該保持期間において、発光するための信号を与えられている発光素子は発光状態となっている。また、保持期間501bが終了した行から順に次のサブフレーム502へ移り、サブフレーム501の場合と同様に1行目から最終行まで順に書き込み動作が行われる。以上のような動作を繰り返し、サブフレーム504の保持期間504b迄終了する。サブフレーム504における動作を終了したら次のフレームへ移る。このように、各サブフレームにおいて発光した時間の積算時間が、1フレームにおける各々の発光素子の発光時間となる。この発光時間を発光素子ごとに変えて一画素内で様々に組み合わせることによって、明度および色度の異なる様々な表示色を形成することができる。
サブフレーム504のように、最終行目までの書込が終了する前に、既に書込を終え、保持期間に移行した行における保持期間を強制的に終了させたいときは、保持期間504bの後に消去期間504cを設け、強制的に非発光の状態となるように制御することが好ましい。そして、強制的に非発光状態にした行については、一定期間、非発光の状態を保つ(この期間を非発光期間504dとする。)。そして、最終行目の書込期間が終了したら直ちに、一行目から順に次の(またはフレーム)の書込期間に移行する。これによって、サブフレーム504の書き込み期間と、その次のサブフレームの書き込み期間とが重畳することを防ぐことができる。
なお、本形態では、サブフレーム501乃至504は保持期間の長いものから順に並んでいるが、必ずしも本実施例のような並びにする必要はなく、例えば保持期間の短いものから順に並べられていてもよいし、または保持期間の長いものと短いものとがランダムに並んでいてもよい。また、サブフレームは、さらに複数のフレームに分割されていてもよい。つまり、同じ映像信号を与えている期間、ゲート信号線の走査を複数回行ってもよい。
ここで、書込期間および消去期間における、図9で示す回路の動作について説明する。
まず書込期間における動作について説明する。書込期間において、n行目(nは自然数)のゲート信号線911は、スイッチ918を介して書込用ゲート信号線駆動回路913と電気的に接続し、消去用ゲート信号線駆動回路914とは非接続である。また、ソース信号線912はスイッチ920を介してソース信号線駆動回路と電気的に接続している。ここで、n行目(nは自然数)のゲート信号線911に接続した第1のトランジスタ901のゲートに信号が入力され、第1のトランジスタ901はオンとなる。そして、この時、1列目から最終列目迄のソース信号線に同時に映像信号が入力される。なお、各列のソース信号線912から入力される映像信号は互いに独立したものである。ソース信号線912から入力された映像信号は、各々のソース信号線に接続した第1のトランジスタ901を介して第2のトランジスタ902のゲート電極に入力される。この時第2のトランジスタ902に入力された信号によって、電流供給線917から発光素子903へ供給される電流値が決まる。そして、その電流値に依存して発光素子903は発光または非発光が決まる。例えば、第2のトランジスタ902がPチャネル型である場合は、第2のトランジスタ902のゲート電極にLow Levelの信号が入力されることによって発光素子903が発光する。一方、第2のトランジスタ902がNチャネル型である場合は、第2のトランジスタ902のゲート電極にHigh Levelの信号が入力されることによって発光素子903が発光する。
次に消去期間における動作について説明する。消去期間において、n行目(nは自然数)のゲート信号線911は、スイッチ919を介して消去用ゲート信号線駆動回路914と電気的に接続し、書込用ゲート信号線駆動回路913とは非接続である。また、ソース信号線912はスイッチ920を介して電源916と電気的に接続している。ここで、n行目のゲート信号線911に接続した第1のトランジスタ901のゲートに信号が入力され、第1のトランジスタ901はオンとなる。そして、この時、1列目から最終列目迄のソース信号線に同時に消去信号が入力される。ソース信号線912から入力された消去信号は、各々のソース信号線に接続した第1のトランジスタ901を介して第2のトランジスタ902のゲート電極に入力される。この時第2のトランジスタ902に入力された信号によって、電流供給線917から発光素子903への電流の供給が阻止される。そして、発光素子903は強制的に非発光となる。例えば、第2のトランジスタ902がPチャネル型である場合は、第2のトランジスタ902のゲート電極にHigh Levelの信号が入力されることによって発光素子903は非発光となる。一方、第2のトランジスタ902がNチャネル型である場合は、第2のトランジスタ902のゲート電極にLow Levelの信号が入力されることによって発光素子903は非発光となる。
なお、消去期間では、n行目(nは自然数)については、以上に説明したような動作によって消去する為の信号を入力する。しかし、前述のように、n行目が消去期間であると共に、他の行(m行目(mは自然数)とする。)については書込期間となる場合がある。このような場合、同じ列のソース信号線を利用してn行目には消去の為の信号を、m行目には書込の為の信号を入力する必要があるため、以下に説明するような動作させることが好ましい。
先に説明した消去期間における動作によって、n行目の発光素子903が非発光となった後、直ちに、ゲート信号線911と消去用ゲート信号線駆動回路914とを非接続の状態とすると共に、スイッチ920を切り替えてソース信号線912とソース信号線駆動回路915と接続させる。そして、ソース信号線912とソース信号線駆動回路915とを接続させると共に、ゲート信号線911と書込用ゲート信号線駆動回路913とを接続させる。そして、書込用ゲート信号線駆動回路913からm行目の信号線に選択的に信号が入力され、第1のトランジスタがオンすると共に、ソース信号線駆動回路915からは、1列目から最終列目迄のソース信号線に書込の為の信号が入力される。この信号によって、m行目の発光素子は、発光または非発光となる。
以上のようにしてm行目について書込期間を終えたら、直ちに、n+1行目の消去期間に移行する。その為に、ゲート信号線911と書込用ゲート信号線駆動回路913を非接続とすると共に、スイッチ920を切り替えてソース信号線912を電源916と接続する。また、ゲート信号線911と書込用ゲート信号線駆動回路913を非接続とすると共に、ゲート信号線911については、消去用ゲート信号線駆動回路914と接続状態にする。そして、消去用ゲート信号線駆動回路914からn+1行目のゲート信号線に選択的に信号を入力して第1のトランジスタをオンすると共に、電源916から消去信号が入力される。このようにして、n+1行目の消去期間を終えたら、直ちに、m+1行目の書込期間に移行する。以下、同様に、消去期間と書込期間とを繰り返し、最終行目の消去期間まで動作させればよい。
なお、本形態では、n行目の消去期間とn+1行目の消去期間との間にm行目の書込期間を設ける態様について説明したが、これに限らず、n−1行目の消去期間とn行目の消去期間との間にm行目の書込期間を設けてもよい。
また、本形態では、サブフレーム504のように非発光期間504dを設けるときにおいて、消去用ゲート信号線駆動回路914と或る一のゲート信号線とを非接続状態にすると共に、書込用ゲート信号線駆動回路913と他のゲート信号線とを接続状態にする動作を繰り返している。このような動作は、特に非発光期間を設けないフレームにおいて行っても構わない。
(実施の形態8)
本発明の半導体装置を用いて作製された発光装置等を有する電子機器の態様について説明する。本形態で説明する電子機器に組み込まれた発光装置は本発明を適用して作製されているため、発光素子の電極間の短絡等に起因した動作不良が抑制されており、良好な画像を表示できる。その為、そのような発光装置を実装した電子機器においては、電子機器の利用者に、様々な情報を、画像の乱れに起因した情報の欠如、誤認を引き起こすことなく、提供することができる。
図12(A)は、本発明を適用して作製したノート型のパーソナルコンピュータであり、本体5521、筐体5522、表示部5523、キーボード5524などによって構成されている。本発明の半導体装置を用いて作製した発光装置を表示部として組み込むことでパーソナルコンピュータを完成できる。
図12(B)は、本発明を適用して作製した電話機であり、本体5552には表示部5551と、音声出力部5554、音声入力部5555、操作スイッチ5556、5557、アンテナ5553等によって構成されている。本発明の半導体装置を用いて作製した発光装置を表示部として組み込むことで電話機を完成できる。
図12(C)は、本発明を適用して作製したテレビ受像機であり、表示部5531、筐体5532、スピーカー5533などによって構成されている。本発明の半導体装置を用いて作製した発光装置を表示部として組み込むことでテレビ受像機を完成できる。
以上のように本発明の発光装置は、各種電子機器の表示部として用いるのに非常に適している。
なお、本形態では、パーソナルコンピュータ、電話機、テレビ受像機について述べているが、この他にナビゲイション装置、或いは照明機器等に半導体装置を用いて作製した発光装置を実装しても構わない。