以下、本発明の一態様について説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる。
(実施の形態1)
本発明の画素の基本構成について、図1を用いて説明する。図1に示す画素は、トランジスタ110、第1のスイッチ111、第2のスイッチ112、第3のスイッチ113、第4のスイッチ114、容量素子115、発光素子116を有する。なお、画素は、信号線117、第1の走査線118、第2の走査線119、第3の走査線120、第4の走査線121、電源線122、及び電位供給線123に接続されている。本実施の形態において、トランジスタ110はNチャネル型トランジスタとし、そのゲート・ソース間電圧(Vgs)がしきい値電圧(Vth)を上回ったとき、導通状態になるものとする。また、発光素子116には図48に示すように画素電極4811から対向電極124に電流が流れるEL素子を用いた例について説明する。その際、発光素子116の画素電極4811は陽極、対向電極124は陰極として機能する。なお、トランジスタのゲート・ソース間電圧はVgs、ドレイン・ソース間電圧はVds、しきい値電圧はVth、容量素子に蓄積された電圧はVcsと記し、電源線122、電位供給線123及び信号線117を、それぞれ第1の配線、第2の配線、第3の配線とも呼ぶ。また、第1の走査線118、第2の走査線119、第3の走査線120及び第4の走査線121を、それぞれ第4の配線、第5の配線、第6の配線、第7の配線と呼んでも良い。
トランジスタ110の第1の電極(ソース電極及びドレイン電極の一方)は、発光素子116の画素電極に接続され、第2の電極(ソース電極及びドレイン電極の他方)は電源線122に接続され、ゲート電極は第4のスイッチ114及び第2のスイッチ112を介して電源線122と接続されている。なお、第4のスイッチ114は、トランジスタ110のゲート電極と第2のスイッチ112の間に接続されている。また、第4のスイッチ114と第2のスイッチ112との接続箇所をノード130とすると、ノード130は第1のスイッチ111を介して信号線117と接続されている。また、トランジスタ110の第1の電極は第3のスイッチ113を介して電位供給線123とも接続されている。
さらに、ノード130とトランジスタ110の第1の電極との間に容量素子115が接続されている。つまり、容量素子115の第1の電極が第4のスイッチ114を介しトランジスタ110のゲート電極に、第2の電極がトランジスタ110の第1の電極に接続されている。容量素子115は、配線、半導体層や電極によって絶縁膜を挟むことで形成しても良いし、場合によってはトランジスタ110のゲート容量を用いて省略することもできる。これらの電圧を保持する手段を保持容量と言う。また、ノード130と、第1のスイッチ111と容量素子115の第1の電極とが接続されている配線との接続箇所をノード131とし、トランジスタ110の第1の電極と、容量素子115の第2の電極と発光素子116の画素電極とが接続されている配線との接続箇所をノード132とする。
なお、第1の走査線118、第2の走査線119、第3の走査線120、第4の走査線121に信号を入力することにより、それぞれ第1のスイッチ111、第2のスイッチ112、第3のスイッチ113、第4のスイッチ114のオンオフが制御される。
信号線117には、ビデオ信号に相当する画素の階調に従った信号、即ち輝度データに応じた電位が入力される。
次に、図1で示した画素の動作について図2のタイミングチャート及び図3を用いて説明する。なお、図2において1画面分の画像を表示する期間に相当する1フレーム期間は、初期化期間、しきい値電圧書き込み期間、データ書き込み期間及び発光期間に分割される。また、初期化期間、しきい値電圧書き込み期間、データ書き込み期間をまとめてアドレス期間と呼ぶ。1フレーム期間は特に限定はないが、画像をみる人がちらつき(フリッカ)を感じないように少なくとも1/60秒以下とすることが好ましい。
なお、発光素子116の対向電極124にはV1の電位が、電位供給線123にはV1−Vth−α(α:任意の正の数)の電位が入力される。また、電源線122には、アドレス期間はV1、発光期間ではV2の電位が入力される。ただし、V2>V1とする。すなわち、初期化期間における電源線122及び電位供給線123の電位は、両者の電位差がトランジスタ110がオンするような電圧にあれば良い。
ここでは動作を説明するために、発光素子116の対向電極124の電位は、アドレス期間における電源線122の電位と同じであるとしたが、発光素子116が発光するために少なくとも必要とする電位差をVELとすると、対向電極124の電位はV1−Vth−α―VELの電位より高い値であれば良い。すなわち、アドレス期間においては、発光素子116の両端の電位が発光素子116に電流が流れないような電位になっていれば良い。また、発光期間における電源線122の電位V2は、対向電極124の電位に発光素子116が発光するために少なくとも必要とする電位差(VEL)を加算した値より大きい値であれば良いが、説明上ここでは対向電極124の電位をV1としたため、V2はV1+VELより大きい値であれば良いということになる。
まず、図2(A)及び図3(A)に示すように初期化期間では、第1のスイッチ111をオフとし、第2のスイッチ112、第3のスイッチ113及び第4のスイッチ114をオンとする。このとき、トランジスタ110の第1の電極はソース電極となり、その電位は電位供給線123と等しくなるためV1−Vth−αとなる。一方、ゲート電極の電位はV1となる。よって、トランジスタ110のゲート・ソース間電圧VgsはVth+αとなり、トランジスタ110は導通状態となる。そして、トランジスタ110のゲート電極と第1の電極との間に設けられた容量素子115にVth+αが保持される。なお、第4のスイッチ114をオンとした場合について説明したが、容量素子115にトランジスタ110が導通状態なるような電圧を保持させることができれば良いので、第4のスイッチはオフとしても良い。ただし、次のしきい値電圧書き込み期間では第4のスイッチ114はオンとしなければならない。
図2(B)及び図3(B)に示すしきい値電圧書き込み期間では、第3のスイッチ113をオフとする。そのため、トランジスタ110の第1の電極即ちソース電極の電位は次第に上昇しV1−Vthとなったところ、つまりトランジスタ110のゲート・ソース間電圧Vgsがしきい値電圧(Vth)となったところで、トランジスタ110は非導通状態となる。よって、容量素子115に保持される電圧はおおむねVthとなる。
その後の図2(C)及び図3(C)に示すデータ書き込み期間においては、第2のスイッチ112及び第4のスイッチ114をオフとした後、第1のスイッチ111をオンとし、信号線117より輝度データに応じた電位(V1+Vdata)を入力する。この期間に第4のスイッチ114をオフにすることにより、トランジスタ110を非導通状態に保つことができる。そのため、データ書き込み時の電源線122から供給される電流による、容量素子115の第2の電極における電位の変動を抑制することができる。よって、このとき容量素子115に保持される電圧Vcsは、容量素子115及び発光素子116の静電容量をそれぞれC1、C2とすると式(1)のように表すことができる。
ただし、発光素子116は容量素子115に比べ膜厚が薄いうえ電極面積が大きいため、C2>>C1となる。よって、C2/(C1+C2)≒1より容量素子115に保持される電圧Vcsは式(2)となる。なお、次の発光期間において発光素子116を非発光としたい場合には、Vdata≦0の電位を入力すれば良い。
次に、図2(D)及び図3(D)に示す発光期間では、第1のスイッチ111をオフとし、電源線122の電位をV2とした後、第4のスイッチ114をオンとする。このとき、トランジスタ110のゲート・ソース間電圧はVgs=Vth+Vdataとなり、トランジスタ110が導通状態になる。よって、輝度データに応じた電流がトランジスタ110及び発光素子116に流れ、発光素子116が発光する。
なお、発光素子116に流れる電流Iは、トランジスタ110を飽和領域で動作させた場合、式(3)で表される。
また、トランジスタ110を線形領域で動作させた場合、発光素子に流れる電流Iは式(4)で表される。
ここで、Wはトランジスタ110のチャネル幅、Lはチャネル長、μは移動度、Coxは蓄積容量を指す。
式(3)及び式(4)より、トランジスタ110の動作領域が飽和領域、線形領域のいずれの場合においても、発光素子116に流れる電流は、トランジスタ110のしきい値電圧(Vth)に依存しない。よって、トランジスタ110のしきい値電圧のばらつきに起因した電流値のばらつきを抑制し、輝度データに対応した電流を発光素子116に供給することができる。
以上のことから、トランジスタ110のしきい値電圧のばらつきに起因した輝度のばらつきを抑制することができる。また、対向電極の電位を一定として動作させるため消費電力を低くすることが可能となる。
さらに、トランジスタ110を飽和領域で動作させた場合においては、発光素子116の劣化による輝度のばらつきも抑制できる。発光素子116が劣化すると、発光素子116のVELは増大し、トランジスタ110の第1の電極、即ちソース電極の電位は上昇する。このとき、トランジスタ110のソース電極は容量素子115の第2の電極に、トランジスタ110のゲート電極は容量素子115の第1の電極に接続されており、なおかつゲート電極側は浮遊状態となっている。そのため、ソース電位の上昇に伴い、同じ電位だけトランジスタ110のゲート電位も上昇する。よって、トランジスタ110のVgsは変化しないため、たとえ発光素子が劣化してもトランジスタ110及び発光素子116に流れる電流に影響しない。なお、式(3)においても発光素子に流れる電流Iはソース電位やドレイン電位に依存しないことがわかる。
よって、トランジスタ110を飽和領域で動作させた場合においては、トランジスタ110のしきい値電圧のばらつき及び発光素子116の劣化に起因したトランジスタ110に流れる電流のばらつきを抑制することができる。
なお、トランジスタ110を飽和領域で動作させた場合、チャネル長Lが短いほど、降伏現象によりドレイン電圧を著しく増大させると電流が大量に流れやすい。
また、ドレイン電圧をピンチオフ電圧より増大させるとピンチオフ点がソース側に移動し、実質チャネルとして機能する実効的なチャネル長は減少する。これにより、電流値が増大する。この現象をチャネル長変調と呼ぶ。なお、ピンチオフ点とはチャネルが消滅していきゲート下においてチャネルの厚さが0となる境界箇所であり、ピンチオフ電圧とはピンチオフ点がドレイン端となる時の電圧を指す。この現象も、チャネル長Lが短いほど起こり易い。例えば、チャネル長変調による電圧−電流特性のモデル図を図4に示す。なお、図4において、トランジスタのチャネル長Lは(a)>(b)>(c)である。
以上のことから、トランジスタ110を飽和領域で動作させる場合、ドレイン・ソース間電圧Vdsに対する電流Iはより一定に近い方が好ましい。よって、トランジスタ110のチャネル長Lは長い方がより好ましい。たとえば、トランジスタのチャネル長Lはチャネル幅Wより大きい方が好ましい。また、チャネル長Lは10μm以上50μm以下、より望ましくは15μm以上40μm以下が好ましい。ただし、チャネル長L及びチャネル幅Wはこれに限定されない。
また、初期化期間において発光素子116に逆方向のバイアス電圧を印加しているため、発光素子における短絡箇所を絶縁化したり、発光素子の劣化を抑制することができる。よって、発光素子の寿命を延ばすことができる。
なお、トランジスタのしきい値電圧のばらつきに起因する電流値のばらつきを抑制することができるため、そのトランジスタによって制御された電流の供給先は特に限定されない。そのため、図1に示した発光素子116は、EL素子(有機EL素子、無機EL素子又は有機物及び無機物を含むEL素子)、電子放出素子、液晶素子、電子インクなどを適用することができる。
また、トランジスタ110は発光素子116に供給する電流値を制御する機能を有していれば良く、トランジスタの種類は特に限定されず、様々なものを用いることができる。そのため、結晶性半導体膜を用いた薄膜トランジスタ(TFT)、非晶質シリコンや多結晶シリコンに代表される非単結晶半導体膜を用いた薄膜トランジスタ、半導体基板やSOI基板を用いて形成されるトランジスタ、MOS型トランジスタ、接合型トランジスタ、バイポーラトランジスタ、ZnOやa−InGaZnOなどの化合物半導体を用いたトランジスタ、有機半導体やカーボンナノチューブを用いたトランジスタ、その他のトランジスタを適用することができる。
第1のスイッチ111は画素の階調に従った信号を信号線117より画素に入力するタイミングを選択し、トランジスタ110のゲート電極に供給する信号を制御するものであり、第2のスイッチ112はトランジスタ110のゲート電極に所定の電位を与えるタイミングを選択し、トランジスタ110のゲート電極に所定の電位を供給するか否かを制御するものであり、第3のスイッチ113は容量素子115に書き込まれた電位を初期化するための所定の電位を与えるタイミングを選択したり、トランジスタ110の第1の電極の電位を低くするものである。なお、第4のスイッチ114はデータ書き込み時における容量素子115の第2の電極の電位の変動を抑制するものである。そのため、第1のスイッチ111、第2のスイッチ112、第3のスイッチ113、第4のスイッチ114は、上記機能を有していれば特に限定されない。たとえば、トランジスタやダイオードでもよいし、それらを組み合わせた論理回路でもよい。なお、第1乃至第3のスイッチは、上記のタイミングで信号もしくは電位を画素に与えることができれば特に必要はない。
次に、図5に第1のスイッチ111、第2のスイッチ112、第3のスイッチ113、第4のスイッチ114にNチャネル型のトランジスタを適用した場合について示す。なお、図1の構成と共通するところは共通の符号を用いてその説明を省略する。
第1のスイッチングトランジスタ511が図1における第1のスイッチ111に相当し、第2のスイッチングトランジスタ512が第2のスイッチ112に相当し、第3のスイッチングトランジスタ513が第3のスイッチ113に相当し、第4のスイッチングトランジスタ514が第4のスイッチ114に相当する。なお、トランジスタ110のチャネル長は、第1のスイッチングトランジスタ511、第2のスイッチングトランジスタ512、第3のスイッチングトランジスタ513及び第4のスイッチングトランジスタ514のいずれのトランジスタのチャネル長より長い方が好ましい。
第1のスイッチングトランジスタ511はゲート電極が第1の走査線118に接続され、第1の電極が信号線117に接続され、第2の電極がノード131に接続されている。
また、第2のスイッチングトランジスタ512はゲート電極が第2の走査線119に接続され、第1の電極が電源線122に接続され、第2の電極がノード130に接続されている。
第3のスイッチングトランジスタ513はゲート電極が第3の走査線120に接続され、第1の電極がノード132に接続され、第2の電極が電位供給線123に接続されている。
また、第4のスイッチングトランジスタ514はゲート電極が第4の走査線121に接続され、第1の電極がトランジスタ110のゲート電極に接続され、第2の電極がノード130に接続されている。
各々のスイッチングトランジスタは、それぞれの走査線に入力される信号がHレベルのときにオンとなり、入力される信号がLレベルのときにオフとなる。
図5に示した画素の上面図の一形態を図38に示す。導電層3810は、第1の走査線118と第1のスイッチングトランジスタ511のゲート電極として機能する部分を含み、導電層3811は信号線117と第1のスイッチングトランジスタ511の第1の電極として機能する部分を含む。また、導電層3812は、第1のスイッチングトランジスタ511の第2の電極として機能する部分と、容量素子115の第1の電極と、第2のスイッチングトランジスタ512の第2の電極として機能する部分と、第4のスイッチングトランジスタ514の第2の電極として機能する部分を含む。導電層3813は、第2のスイッチングトランジスタ512のゲート電極として機能する部分を含み、配線3821を介して第2の走査線119と接続されている。導電層3814は、第2のスイッチングトランジスタ512の第1の電極として機能する部分と、トランジスタ110の第2の電極として機能する部分を含み、配線3822を介して電源線122と接続されている。導電層3815は、第4のスイッチングトランジスタ514の第1の電極として機能する部分を含み、配線3823を介してトランジスタ110のゲート電極として機能する部分を含む導電層3816と接続されている。また、導電層3817は、第4のスイッチングトランジスタ514のゲート電極として機能する部分を含み、配線3824を介して第4の走査線121と接続されている。導電層3818は、トランジスタ110の第1の電極として機能する部分を含み、発光素子の画素電極3844と接続されている。導電層3819は第3の走査線120と第3のスイッチングトランジスタ513のゲート電極として機能する部分を含む。導電層3820は第3のスイッチングトランジスタ513の第1の電極として機能する部分を含み、画素電極3844と接続されている。また、第3のスイッチングトランジスタ513の第2の電極として機能する部分を含む導電層3825は、配線3826を介して電位供給線123と接続されている。
なお、第1のスイッチングトランジスタ511のゲート電極、第1の電極及び第2の電極として機能する部分は、それぞれを含む導電層と半導体層3831とが重なって形成されている部分であり、第2のスイッチングトランジスタ512のゲート電極、第1の電極及び第2の電極として機能する部分は、それぞれを含む導電層と半導体層3832とが重なって形成されている部分である。また、第3のスイッチングトランジスタ513のゲート電極、第1の電極及び第2の電極として機能する部分は、それぞれを含む導電層と半導体層3833と重なって形成されている部分であり、第4のスイッチングトランジスタ514のゲート電極、第1の電極及び第2の電極として機能する部分は、それぞれを含む導電層と半導体層3834とが重なって形成されている部分である。同様に、トランジスタ110においても、ゲート電極、第1の電極及び第2の電極として機能する部分は、それぞれを含む導電層と半導体層3830と重なって形成されている部分である。なお、容量素子115は、導電層3812と画素電極3844が重なっている部分に形成されている。
図5の画素構成においても、図1と同様の動作方法によりトランジスタ110のしきい値電圧のばらつきに起因した電流値のばらつきを抑制することができる。よって、輝度データに対応した電流を発光素子116に供給することができ、輝度のばらつきを抑制することが可能となる。また、トランジスタ110を飽和領域で動作させた場合においては、発光素子116の劣化に起因した輝度のばらつきも抑制することができる。また、各々のトランジスタにおいて、ソース電極及びドレイン電極の一方が他方の電極を包み囲むような構造とすることで、チャネル幅をかせぐことができる。よって、後述するように画素を構成するトランジスタの半導体層に、結晶性半導体層より移動度の低い非晶質半導体層を用いた際には特に有効である。
また、Nチャネル型のトランジスタのみで画素を構成することができるため、製造工程の簡略化を図ることができる。また、画素を構成するトランジスタの半導体層にアモルファス半導体やセミアモルファス半導体(若しくは微結晶半導体ともいう)などの非晶質半導体を用いることができる。例えば、アモルファス半導体としてアモルファスシリコン(a−Si:H)が挙げられる。これら非晶質半導体を用いることにより、さらに製造工程の簡略化が可能である。したがって、製造コストの削減や歩留まりの向上を図ることができる。
なお、第1のスイッチングトランジスタ511、第2のスイッチングトランジスタ512、第3のスイッチングトランジスタ513及び第4のスイッチングトランジスタ514は、単なるスイッチとして動作させるため、トランジスタの極性(導電型)は特に限定されない。ただし、オフ電流が少ないトランジスタを用いることが望ましい。オフ電流が少ないトランジスタとしては、LDD領域を設けているものやマルチゲート構造にしているものなどがある。また、Nチャネル型とPチャネル型の両方を用いて、CMOS型のスイッチにしてもよい。
また、図1と同様の動作を行うものであれば、スイッチの接続は様々な構成をとることができ、図1に限定されない。図1の画素構成における動作を説明した図3からわかるように、本発明では初期化期間、しきい値電圧書き込み期間、データ書き込み期間及び発光期間は、それぞれ図44(A)乃至(D)に示す実線のように導通がとれていれば良い。よって、これを満たすようにスイッチ等を配置し動作させうる構成であれば良い。例えば、図1に示した第4のスイッチ114は、ノード130とノード131の間に接続しても良く、このような構成を図6に示す。なお、図1における第4のスイッチ114は、第4のスイッチ614に相当し、図1の構成と共通するところは共通の符号を用いてその説明を省略する。
図6の画素構成においても、図1と同様の動作方法によりトランジスタ110のしきい値電圧のばらつきに起因した電流値のばらつきを抑制することができる。よって、輝度データに対応した電流を発光素子116に供給することができ、輝度のばらつきを抑制することが可能となる。また、トランジスタ110を飽和領域で動作させた場合においては、発光素子116の劣化に起因した輝度のばらつきも抑制することができる。
また、図1に示した第4のスイッチ114は、ノード132からトランジスタ110の第2の電極と電源線122との接続箇所までの経路に設けても良い。
このような構成の一つを図7に示す。なお、トランジスタ110の第2の電極と電源線122との接続箇所をノード134とする。図7の構成において、図1における第4のスイッチ114は第4のスイッチ714に相当し、第4のスイッチ714はトランジスタ110の第2の電極とノード134との間に接続されている。なお、図1の構成と共通するところは共通の符号を用いてその説明を省略する。
第4のスイッチ714により、データ書き込み時においてトランジスタ110が導通状態となった場合においても、第4のスイッチ714をオフにすることによりトランジスタ110への電流を遮断することができる。よって、データ書き込み期間における容量素子115の第2の電極の電位の変動を抑制することができる。
したがって、図7の画素構成においても、図1と同様の動作方法によりトランジスタ110のしきい値電圧のばらつきに起因した電流値のばらつきを抑制することができる。よって、輝度データに対応した電流を発光素子116に供給することができ、輝度のばらつきを抑制することが可能となる。さらに、トランジスタ110を飽和領域で動作させた場合においては、発光素子116の劣化に起因した輝度のばらつきも抑制することができる。また、初期化期間において、第4のスイッチ114をオフさせた場合には消費電力の低減が可能である。ただし、ノード134と第2のスイッチ112との接続箇所をノード135とすると、図45に示すように第4のスイッチ714がノード134とノード135との間に接続されている場合には、初期化期間において第4のスイッチ714をオフさせることはできない。
なお、上述したように第1のスイッチ111は画素の階調に従った信号を信号線117より画素に入力するタイミングを選択し、トランジスタ110のゲート電極に供給する信号を制御するものであり、第2のスイッチ112はトランジスタ110のゲート電極に所定の電位を与えるタイミングを選択し、トランジスタ110のゲート電極に所定の電位を供給するか否かを制御するものであり、第3のスイッチ113は容量素子115に書き込まれた電位を初期化するための所定の電位を与えるタイミングを選択したり、トランジスタ110の第1の電極の電位を低くするものであれば特に限定されない。また、第1乃至第3のスイッチは、上記のタイミングで信号もしくは電位を画素に与えることができれば特に必要はない。例えば、画素の階調に従った信号を画素に入力することができる場合には、図16に示すように第1のスイッチ111を設けなくても良い。図16に示す画素は、トランジスタ110、第2のスイッチ112、第3のスイッチ113、第4のスイッチ714、画素電極1640を有する。トランジスタ110の第1の電極(ソース電極及びドレイン電極の一方)は画素電極1640に接続され、第2の電極(ソース電極及びドレイン電極の他方)は第4のスイッチ714を介して電源線122に接続され、ゲート電極は第2のスイッチ112を介して電源線122と接続されている。また、トランジスタ110の第1の電極は第3のスイッチ113を介して電位供給線120とも接続されている。なお、トランジスタ110のゲート容量1615を保持容量として利用しているため、図1における容量素子115を特に設ける必要なない。このような画素においても、図2に示すタイミングチャートに従って各スイッチを動作させ、それぞれの電極に所望の電位を供給することで、トランジスタ110のしきい値電圧のばらつきに起因した電流値のばらつきを抑制することができる。つまり、画素電極1640に所望の電流を供給することができる。
また、他の構成の一つを図8に示す。図8の構成において、図1における第4のスイッチ114は第4のスイッチ814に相当し、第4のスイッチ814はトランジスタ110の第1の電極とノード132との間に接続されている。なお、図1の構成と共通するところは共通の符号を用いてその説明を省略する。
第4のスイッチ814により、データ書き込み時においてトランジスタ110が導通状態となった場合においても、第4のスイッチ814をオフにすることによりノード132に流れる電流を遮断することができる。よって、データ書き込み期間における容量素子115の第2の電極の電位の変動を抑制することができる。
したがって、図8の画素構成においても、図1と同様の動作方法によりトランジスタ110のしきい値電圧のばらつきに起因した電流値のばらつきを抑制することができる。よって、輝度データに対応した電流を発光素子116に供給することができ、輝度のばらつきを抑制することが可能となる。また、トランジスタ110を飽和領域で動作させた場合においては、発光素子116の劣化に起因した輝度のばらつきも抑制することができる。また、初期化期間において、第4のスイッチ114をオフさせた場合には消費電力の低減が可能である。
なお、第4のスイッチ614、第4のスイッチ714及び第4のスイッチ814においても、第1乃至第3のスイッチと同様、トランジスタやダイオードでもよいし、それらを組み合わせた論理回路でもよい。
また、図7及び8で示したように第4のスイッチをノード132からトランジスタ110の第2の電極と電源線122との接続箇所までの経路に設けた場合、発光期間のにおいて第4のスイッチをオフすることにより強制的に非発光状態を作ることも可能である。このような動作によって発光期間の一部に非発光期間を設けることで、発光時間を自由に設定できる。また、黒表示を挿入することで、残像を見えにくくし、動画特性の向上を図ることも可能である。
続いて、上述した本発明の画素を有する表示装置について図9を用いて説明する。
表示装置は、信号線駆動回路911、走査線駆動回路912及び画素部913を有し、画素部913には、信号線駆動回路911から列方向に伸張して配置された複数の信号線S1〜Sm、走査線駆動回路912から行方向に伸張して配置された複数の第1の走査線G1_1〜Gn_1、第2の走査線G1_2〜Gn_2、第3の走査線G1_3〜Gn_3、第4の走査線G1_4〜Gn_4、電源線P1_1〜Pn_1及び電位供給線P1_2〜Pn_2、並びに信号線S1〜Smに対応してマトリクス状に配置された複数の画素914を有する。そして、各画素914は、信号線Sj(信号線S1〜Smのうちいずれか一)、第1の走査線Gi_1(走査線G1_1〜Gn_1のうちいずれか一)、第2の走査線Gi_2、第3の走査線Gi_3、第4の走査線Gi_4、電源線Pi_1及び電位供給線Pi_2と接続されている。
なお、信号線Sj、第1の走査線Gi_1、第2の走査線Gi_2、第3の走査線Gi_3、第4の走査線Gi_4、電源線Pi_1、電位供給線Pi_2は、それぞれ図1の信号線117、第1の走査線118、第2の走査線119、第3の走査線120、第4の走査線121、電源線122、電位供給線123に相当する。
走査線駆動回路912から出力される信号により、動作させる画素の行を選択すると共に同行に属するそれぞれの画素に対し同時に図2に示した動作を行う。なお、図2のデータ書き込み期間においては、選択された行の画素に信号線駆動回路911から出力されたビデオ信号を書き込む。このとき、それぞれの画素の輝度データに応じた電位が各信号線S1〜Smに入力される。
図10に示すように、例えばi行目のデータ書き込み期間を終えるとi+1行目に属する画素へ信号の書き込みを行う。なお、図10には、各行におけるデータ書き込み期間を表すためにこれを忠実に表すことができる図2の第1のスイッチ111の動作を抜粋し記載している。そして、i行目においてデータ書き込み期間を終えた画素は、発光期間に移り、その画素へ書き込まれた信号にしたがって発光する。
よって、各行におけるデータ書き込み期間さえ重複しなければ、各行自由に初期化開始時期を設定することができる。また、各画素は自身のアドレス期間を除き発光することが可能であるため、1フレーム期間における発光期間の割合(即ち、デューティー比)を非常に大きくでき、おおむね100%にすることも可能となる。よって、輝度のばらつきが少なくデューティー比が高い表示装置を得ることができる。
また、しきい値電圧書き込み期間を長く設定することも可能であるため、トランジスタのしきい値電圧をより正確に容量素子に書き込むことができる。よって、表示装置としての信頼性を向上させることができる。
なお、図9に示した表示装置の構成は一例であって本発明はこれに限定されない。例えば、電位供給線P1_2〜Pn_2は第1の走査線G1_1〜Gn_1と平行に配置されている必要はなく、信号線S1〜Smと平行に配置されていても良い。
ところで、表示装置の階調を表現する駆動方式には、アナログ階調方式とデジタル階調方式がある。アナログ階調方式には、発光素子の発光強度をアナログ制御する方式と発光素子の発光時間をアナログ制御する方式がある。アナログ階調方式においては発光素子の発光強度をアナログ制御する方式がよく用いられている。一方、デジタル階調方式はデジタル制御で発光素子をオンオフさせ、階調を表現している。デジタル階調方式の場合、デジタル信号で処理できるためノイズに強いというメリットがあるが、発光・非発光の2状態しかないため、このままでは2階調しか表現できない。そこで、別の手法を組み合わせて、多階調化を図ることが行われている。多階調化のための手法としては、画素の発光面積に重みをつけてその選択により階調表示を行う面積階調方式と、発光時間に重みをつけてその選択により階調表示を行う時間階調方式とがある。
このデジタル階調方式と時間階調方式とを組み合わせた場合、図43に示すように、1フレーム期間を複数のサブフレーム期間(SFn)に分割する。各サブフレーム期間は、初期化期間、しきい値電圧書き込み期間及びデータ書き込み期間を有するアドレス期間(Ta)と、発光期間(Ts)とを有する。なお、サブフレーム期間は表示ビット数nに応じた数を1フレーム期間に設ける。また、1フレーム期間において各々のサブフレーム期間における発光期間の長さの比を2(n−1):2(n−2):・・・:2:1とし、各発光期間で発光素子の発光、もしくは非発光を選択し、発光素子が発光している1フレーム期間中の合計時間の差を利用して階調表現を行う。1フレーム期間において、発光している合計時間が長ければ輝度が高く、短ければ輝度が低くなる。なお、図43においては4ビット階調の例を示しており、1フレーム期間は4つのサブフレーム期間に分割され、発光期間の組み合わせによって、24=16階調を表現できる。なお、発光期間の長さの比は、特に2のべき乗の比としなくても、階調表現は可能である。また、あるサブフレーム期間をさらに分割していても良い。
なお、上記のように時間階調方式を用いて多階調化を図る場合、下位ビットの発光期間の長さは短いため、発光期間の終了後直ちに次のサブフレーム期間のデータ書き込み動作を開始しようとすると、前のサブフレーム期間のデータ書き込み動作と重複してしまい、正常な動作ができなくなる。そのため、図7及び図8で示したように第4のスイッチをノード132からトランジスタ110の第2の電極と電源線122との接続箇所までの間に設け、発光期間の一部において第4のスイッチをオフし強制的に非発光状態を作ることで、全行に要するデータ書き込み期間より短い発光も表現することができる。よって、アナログ階調において特に有効であることはもちろんであるが、デジタル階調方式と時間階調方式とを組み合わせた方式においても有効である。なお、非発光状態に作るには発光素子に電流が流れなければ良いため、上述したように第4のスイッチをオフさせる他、電源線122の電位を下げたり、第3のスイッチ113をオンにすることで非発光状態を得ることができる。また、トランジスタ110のゲート・ソース間電圧をしきい値電圧以下にしても得ることが可能であり、例えば、容量素子115と並列に新たなスイッチを設け、そのスイッチを用いてトランジスタ110のゲート・ソース間を導通させることで非発光状態を得ることもできる。
なお、しきい値電圧のばらつきには、画素間における各トランジスタのしきい値電圧の違いのほか、1つのトランジスタに注目した場合において経時的なしきい値電圧の変化も含むものとする。さらに、各トランジスタのしきい値電圧の違いは、トランジスタの作製時におけるトランジスタ特性の違いによるものも含まれるものとする。なお、ここでいうトランジスタは発光素子等の負荷に電流を供給する機能を有するトランジスタを指す。
(実施の形態2)
本実施形態では、実施の形態1とは異なる構成の画素を図11に示す。なお、実施の形態1と同様のものに関しては共通の符号を用いて示し、同一部分又は同様な機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
図11(A)に示す画素は、トランジスタ110、第1のスイッチ111、第2のスイッチ112、第4のスイッチ114、整流素子1113、容量素子115、発光素子116を有する。なお、画素は、信号線117、第1の走査線118、第2の走査線119、第3の走査線1120、第4の走査線121及び電源線122に接続されている。図11(A)に示した画素は、図1における第3のスイッチ113に整流素子1113を用いた構成となっており、容量素子115の第2の電極、トランジスタ110の第1の電極及び発光素子116の画素電極は、整流素子1113を介して第3の走査線1120と接続されている。つまり、整流素子1113はトランジスタ110の第1の電極から第3の走査線1120に電流が流れるように接続されている。もちろん、実施の形態1に示したように第1のスイッチ111、第2のスイッチ112及び第4のスイッチ114については、トランジスタ等を用いてもよい。また、整流素子1113には、図11(B)に示すショットキー・バリア型1151、PIN型1152、PN型1153などのダイオードの他、ダイオード接続されているトランジスタ1154、1155等を用いることができる。ただし、トランジスタ1154及びトランジスタ1155は、電流を流す方向によってトランジスタの極性を適宜選択する必要がある。
整流素子1113は、第3の走査線1120にHレベルの信号が入力されたときには電流が流れず、Lレベルの信号が入力されたときには整流素子1113に電流が流れる。よって、図11の画素を図1に示した画素と同様に動作させる際には、初期化期間において第3の走査線1120にLレベルの信号を入力し、それ以外の期間においてはHレベルの信号を入力する。ただし、Lレベルの信号は整流素子1113にただ電流が流れるだけではなく容量素子115の第2の電極の電位をV1−Vth−α(α:任意の正の数)にまで下げる必要があるため、V1−Vth−α−β(α:任意の正の数)の電位であることとする。なお、βは整流素子1113の順方向におけるしきい値電圧を指す。また、Lレベルの信号を発光素子の対向電極124の電位より下げ、初期化期間に発光素子116に逆方向のバイアス電圧を印加しても良い。一方、Hレベルの信号は、上述したように整流素子1113に電流が流れなければ良いため、V1−Vthから整流素子1113のしきい値電圧を引いた値、即ちV1−Vth−βより大きければ良い。
上記事項を考慮し、図11の画素構成においても図1と同様に動作させることによりトランジスタ110のしきい値電圧のばらつきに起因した電流値のばらつきを抑制することができる。よって、輝度データに対応した電流を発光素子116に供給することができ、輝度のばらつきを抑制することが可能となる。また、トランジスタ110を飽和領域で動作させた場合においては、発光素子116の劣化に起因した輝度のばらつきも抑制することができる。さらに、整流素子1113を用いることで、配線数を減らすことが可能となり、開口率を向上させることができる。
また、本実施形態に示した画素を図9の表示装置に適用することができる。実施の形態1と同様、各行におけるデータ書き込み期間さえ重複しなければ、各行自由に初期化開始時期を設定することができる。また、各画素は自身のアドレス期間を除き発光することが可能であるため、1フレーム期間における発光期間の割合(即ち、デューティー比)を非常に大きくでき、おおむね100%にすることもできる。よって、輝度のばらつきが少なくデューティー比が高い表示装置を得ることができる。
また、しきい値電圧書き込み期間を長く設定することも可能であるため、発光素子に流れる電流値を制御するトランジスタのしきい値電圧をより正確に容量素子に書き込むことができる。よって、表示装置としての信頼性が向上する。
本実施形態は、上述した図1以外にもその他の実施の形態に示した画素構成とも自由に組み合わせることができる。例えば、第4のスイッチ114がノード130とノード131との間やトランジスタ110の第1の電極とノード132との間に接続されている場合や、トランジスタ110の第2の電極が第4のスイッチ114を介して電源線122と接続されている場合が挙げられる。これらに限らず、整流素子1113は、他の実施形態に示した画素にも適用することが可能である。
(実施の形態3)
本実施形態では、実施の形態1及び2とは異なる構成の画素を図12乃至15に示す。なお、実施の形態1及び2においては一画素に注目して述べたが、各画素に接続された配線を画素間で共有して用いることにより配線数を減らすことが可能である。この場合、正常に動作をするのであれば様々な配線を画素間で共有することができる。例えば、隣の画素と配線を共有することが可能であり、その方法の一例について本実施形態で述べる。なお、実施の形態1と同様のものに関しては共通の符号を用いて示し、同一部分又は同様な機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
図12に示す画素1200はトランジスタ110、第1のスイッチ111、第2のスイッチ112、第3のスイッチ113、第4のスイッチ114、容量素子115、発光素子116を有する。なお、画素は、信号線117、第1の走査線1218、第2の走査線119、第3の走査線120、第4の走査線121、電源線122及び次行の第1の走査線1218に接続されている。
実施の形態1に示した図1の画素では容量素子115の第2の電極が第3のスイッチ113を介して電位供給線123に接続されていたのに対し、図12では次行の第1の走査線1218に接続することができる。これは、電位供給線123に限らず、初期化期間において容量素子115の第2の電極に所定の電位を供給できれば良いからである。そのため、初期化期間において所定の電位を容量素子115の第2の電極に供給できれば、供給する配線は絶えず一定の電位である必要はない。よって、電位供給線のかわりに次行の第1の走査線1218を用いることができる。このように、次行と配線を共有することで配線数を減らすことが可能となり、開口率を向上させることができる。
なお、図12に示した画素構成においても、実施の形態1と同様の動作をさせることにより、トランジスタ110のしきい値電圧のばらつきに起因した電流値のばらつきを抑制することができる。よって、輝度データに対応した電流を発光素子116に供給することができ、輝度のばらつきを抑制することが可能となる。また、対向電極の電位を一定として動作させるため消費電力を低くすることが可能である。なお、トランジスタ110の動作領域は特に限定されないが、飽和領域の場合の方が効果は顕著にあらわれる。さらに、トランジスタ110を飽和領域で動作させた場合には、発光素子116の劣化に起因したトランジスタ110に流れる電流のばらつきを抑制することができる。
ただし、第1の走査線1218において第1のスイッチ111をオフさせる信号はV1−Vth−α(α:任意の正の数)の電位となる。そのため、V1−Vth−α(α:任意の正の数)の電位でオフとなる第1のスイッチ111を使用する必要がある。また、画素1200が属する行の初期化期間は配線を共有した行のデータ書き込み期間と重ならないように動作させる必要がある。
なお、第3のスイッチ113にNチャネル型トランジスタを用いた場合、第3の走査線120において第3のスイッチ113をオフさせる電位は、第1の走査線1218において第1のスイッチ111をオフさせる信号であるV1−Vth−αの電位より下げてもよく、この場合トランジスタがオフとなる際のゲート・ソース間電圧を負の値とすることが可能となる。よって、第3のスイッチ113がオフした際の電流漏れを少なくすることができる。
上記では、V1−Vth−αの電位を第1のスイッチ111をオフさせる信号として用いたが、第1のスイッチ111をオンさせる信号として用いてもよい。ただし、動作の制約は異なる。
また、図13の画素1300に示すように図1の電位供給線123を次行の第2の走査線1319と共有しても良い。画素1300においても、実施の形態1と同様の動作をさせることができる。ただし、第2の走査線1319において第2のスイッチ112をオフさせる信号はV1−Vth−α(α:任意の正の数)の電位とすることが好ましい。この場合、V1−Vth−α(α:任意の正の数)の電位でオフとなる第2のスイッチ112を使用する必要がある。また、画素1300が属する行の初期化期間は配線を共有した行のしきい値電圧書き込み期間と重ならないように動作させる必要がある。
なお、第3のスイッチ113にNチャネル型トランジスタを用いた場合、第3の走査線120において第3のスイッチ113をオフさせる信号は、第2の走査線1319において第2のスイッチ112をオフさせる信号であるV1−Vth−αの電位より下げてもよく、この場合第3のスイッチ113がオフした際の電流漏れを少なくすることができる。
上記では、V1−Vth−αの電位を第2のスイッチ112をオフさせる信号として用いたが、第2のスイッチ112をオンさせる信号として用いてもよい。ただし、動作の制約は異なる。
また、図14の画素1400に示すように図1の電位供給線123を前行の第3の走査線1420と共有しても良い。画素1400においても、実施の形態1と同様の動作をさせることができる。ただし、第3の走査線1420において第3のスイッチ113をオフさせる信号はV1−Vth−α(α:任意の正の数)の電位となる。そのため、V1−Vth−α(α:任意の正の数)の電位でオフとなる第3のスイッチ113を使用する必要がある。この際、画素1400が属する行の初期化期間は配線を共有した行の初期化期間と重ならないように動作させる必要があるが、初期化期間がデータ書き込み期間より短く設定されている場合には特に問題はない。
上記では、V1−Vth−αの電位を第3のスイッチ113をオフさせる信号として用いたが、第3のスイッチ113をオンさせる信号として用いてもよい。ただし、動作の制約は異なる。
また、図15の画素1500に示すように図1の電位供給線123を次行の第4の走査線1521と共有しても良い。画素1500においても、実施の形態1と同様の動作をさせることができる。ただし、第4の走査線1521においてV1−Vth−α(α:任意の正の数)の電位が入力された場合にオンとなる第4のスイッチ114を用いることが好ましい。この場合、画素1500が属する行の初期化期間は配線を共有した行のデータ書き込み期間と重ならないように動作させる必要がある。また、初期化期間において第4のスイッチ114をオフとさせる場合には、配線を共有した行の初期化期間と重ならないように動作させる必要がある。
上記では、V1−Vth−αの電位を第4のスイッチ114をオンさせる信号として用いたが、第4のスイッチ114をオフさせる信号として用いてもよい。ただし、動作の制約は異なる。
また、上記の他、図1の電位供給線123を次行の電源線122と共有しても良い。その場合、電源線122には、V1、V2の他、V1−Vth−α(α:任意の正の数)の計3種の電位を供給し、実施の形態1と同様の動作が可能なような画素構成とすれば良い。
なお、本実施形態では図1の電位供給線123が次行もしくは前行の走査線と共有する場合について示したが、初期化期間にV1−Vth−α(α:任意の正の数)の電位を供給することが可能な配線であればそれ以外でも良い。
さらに、本実施形態で示した画素を図9の表示装置に適用することができる。なお、表示装置において、図12乃至図15に記載した画素ごとの動作の制約及び各行におけるデータ書き込み期間が重複しない範囲内で、各行自由に初期化開始時期を設定することができる。また、各画素は自身のアドレス期間を除き発光することが可能であるため、1フレーム期間における発光期間の割合(即ち、デューティー比)を非常に大きくでき、おおむね100%にすることも可能となる。よって、輝度のばらつきが少なくデューティー比が高い表示装置を得ることができる。
また、しきい値電圧書き込み期間を長く設定することも可能であるため、発光素子に流れる電流値を制御するトランジスタのしきい値電圧をより正確に容量素子に書き込むことができる。よって、表示装置としての信頼性が向上する。
なお、第4のスイッチ114は、ノード130とトランジスタ110のゲート電極との間に接続されたものに限らず、ノード130とノード131との間やトランジスタ110の第1の電極とノード132との間に接続されていてもよい。また、トランジスタ110の第2の電極が第4のスイッチ114を介して電源線122と接続されていてもよい。
上記に限らず、本実施の形態は、他の実施形態に示した画素構成とも自由に組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施形態では、実施の形態1とは異なる構成の画素について図29に示す。なお、実施の形態1と同様のものに関しては共通の符号を用いて示し、同一部分又は同様な機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
図29に示す画素は、、トランジスタ2910、第1のスイッチ111、第2のスイッチ112、第3のスイッチ113、第4のスイッチ114、容量素子115、発光素子116を有する。なお、画素は、信号線117、第1の走査線118、第2の走査線119、第3の走査線120、第4の走査線121、電源線122及び電位供給線123に接続されている。
本実施形態におけるトランジスタ2910は、トランジスタを2つ直列に接続したマルチゲート型トランジスタであり、実施の形態1のトランジスタ110と同じ位置に設けられている。ただし、直列に接続されるトランジスタの数は特に限定されない。
図1の画素と同様に図29に示した画素を動作させることにより、トランジスタ2910のしきい値電圧のばらつきに起因した電流値のばらつきを抑制することができる。よって、輝度データに対応した電流を発光素子116に供給することができ、輝度のばらつきを抑制することが可能となる。また、対向電極の電位を一定として動作させるため消費電力を低くすることが可能である。なお、トランジスタ2910の動作領域は特に限定されないが、飽和領域の場合の方が効果は顕著にあらわれる。
さらに、トランジスタ2910を飽和領域で動作させた場合には、発光素子116の劣化に起因したトランジスタ2910に流れる電流のばらつきを抑制することができる。
本実施形態におけるトランジスタ2910のチャネル長Lは、直列に接続された2つのトランジスタのチャネル幅が等しい場合、各トランジスタのチャネル長の合計として作用する。よって、飽和領域においてドレイン・ソース間電圧Vdsにかかわらず、より一定に近い電流値を得られやすい。特に、トランジスタ2910は長いチャネル長Lを有するトランジスタの作製が困難な場合に有効である。なお、2つのトランジスタの接続部は抵抗として機能する。
なお、トランジスタ2910は発光素子116に供給する電流値を制御する機能を有していれば良く、トランジスタの種類は特に限定されない。そのため、結晶性半導体膜を用いた薄膜トランジスタ(TFT)、非晶質シリコンや多結晶シリコンに代表される非単結晶半導体膜を用いた薄膜トランジスタ、半導体基板やSOI基板を用いて形成されるトランジスタ、MOS型トランジスタ、接合型トランジスタ、バイポーラトランジスタ、ZnOやa−InGaZnOなどの化合物半導体を用いたトランジスタ、有機半導体やカーボンナノチューブを用いたトランジスタ、その他のトランジスタを適用することができる。
また、図29に示した画素は、図1に示した画素と同様、第1のスイッチ111、第2のスイッチ112、第3のスイッチ113、第4のスイッチ114はトランジスタ等を用いることができる。
なお、第4のスイッチ114は、ノード130とトランジスタ2910のゲート電極との間に接続されたものに限らず、ノード130とノード131との間やトランジスタ2910の第1の電極とノード132との間に接続されていてもよい。また、トランジスタ2910の第2の電極が第4のスイッチ114を介して電源線122と接続されていてもよい。
さらに、図9の表示装置に本実施形態で示した画素を適用することができる。実施の形態1と同様、各行におけるデータ書き込み期間さえ重複しなければ、各行自由に初期化開始時期を設定することができる。また、各画素は自身のアドレス期間を除き発光することが可能であるため、1フレーム期間における発光期間の割合(即ち、デューティー比)を非常に大きくでき、おおむね100%にすることも可能となる。よって、輝度のばらつきが少なくデューティー比が高い表示装置を得ることができる。
また、しきい値電圧書き込み期間を長く設定することも可能であるため、発光素子に流れる電流値を制御するトランジスタのしきい値電圧をより正確に容量素子に書き込むことができる。よって、表示装置としての信頼性が向上する。
なお、トランジスタ2910は直列に接続されたトランジスタに限らず、図30のトランジスタ3010に示すような並列にトランジスタが接続された構成であっても良い。トランジスタ3010によって、より大きな電流を発光素子116に供給することができる。また、並列に接続した2つのトランジスタによってトランジスタの特性が平均化されるため、トランジスタ3010を構成するトランジスタ本来の特性ばらつきをより小さくすることができる。よって、ばらつきが小さいとトランジスタのしきい値電圧のばらつきに起因する電流値のばらつきをより抑制しやすくすることができる。
また、トランジスタ3010に示した並列に接続されたトランジスタの各々をさらに図29に示したトランジスタ2910のように直列に接続しても良い。
上記に限らず、本実施の形態は、他の実施形態に示した画素構成とも自由に組み合わせることができる。つまり、トランジスタ2910もしくはトランジスタ3010は、他の実施の形態に示した画素構成にも適用することが可能である。
(実施の形態5)
本実施形態では、本発明の画素において、発光素子に供給する電流値を制御するトランジスタを期間毎に切り替えることにより、トランジスタの経時的な劣化を平均化する画素構成について図31を用いて説明する。
図31に示す画素は、第1のトランジスタ3101、第2のトランジスタ3102、第1のスイッチ3111、第2のスイッチ3112、第3のスイッチ3113、第4のスイッチ3114、第5のスイッチ3103、第6のスイッチ3104、容量素子3115、発光素子3116を有する。なお、画素は、信号線3117、第1の走査線3118、第2の走査線3119、第3の走査線3120、第4の走査線3121、電源線3122及び電位供給線3123に接続されている。さらに図31には図示していないが、第5のスイッチ3103及び第6のスイッチ3104のオン、オフを制御する第5及び第6の走査線にも接続されている。なお、本実施形態において、第1のトランジスタ3101及び第2のトランジスタ3102はNチャネル型トランジスタとし、それぞれのトランジスタはゲート・ソース間電圧(Vgs)がしきい値電圧を上回ったとき、導通状態になるものとする。また、発光素子3116の画素電極は陽極、対向電極3124は陰極とする。なお、トランジスタのゲート・ソース間電圧はVgs、容量素子に蓄積された電圧はVcsと記す。また、第1のトランジスタ3101のしきい値電圧をVth1、第2のトランジスタ3102のしきい値電圧をVth2と記す。電源線3122、電位供給線3123及び信号線3117を、それぞれ第1の配線、第2の配線、第3の配線とも呼ぶ。
第1のトランジスタ3101の第1の電極(ソース電極及びドレイン電極の一方)は、第5のスイッチ3103を介して発光素子3116の画素電極に接続され、第2の電極(ソース電極及びドレイン電極の他方)は電源線3122に接続され、ゲート電極は第4のスイッチ3114及び第2のスイッチ3112を介して電源線3122と接続されている。なお、第4のスイッチ3114は、第1のトランジスタ3101のゲート電極と第2のスイッチ3112の間に接続されている。また、第4のスイッチ3114と第2のスイッチ3112との接続箇所をノード3130とすると、ノード3130は第1のスイッチ3111を介して信号線3117と接続されている。また、第1のトランジスタ3101の第1の電極は第5のスイッチ3103及び第3のスイッチ3113を介して電位供給線3123とも接続されている。
第2のトランジスタ3102の第1の電極(ソース電極及びドレイン電極の一方)は、第6のスイッチ3104を介して発光素子3116の画素電極に接続され、第2の電極(ソース電極及びドレイン電極の他方)は電源線3122に接続され、ゲート電極は第4のスイッチ3114を介してノード3130と接続されている。また、第2のトランジスタ3102の第1の電極は第6のスイッチ3104及び第3のスイッチ3113を介して電位供給線3123とも接続されている。なお、第1のトランジスタ3101のゲート電極と第2のトランジスタ3102のゲート電極とは接続されている。また、第1のトランジスタ3101の第1の電極と第2のトランジスタ3102の第1の電極とは、第5のスイッチ3103及び第6のスイッチ3104を介して接続されており、第5のスイッチ3103と第6のスイッチ3104との接続箇所をノード3133とする。
さらに、ノード3133とノード3130との間に容量素子3115が接続されている。つまり、容量素子3115の第1の電極は第4のスイッチ3114を介し接続された第1のトランジスタ3101と第2のトランジスタ3102のゲート電極に、容量素子3115の第2の電極は第5のスイッチ3103を介して第1のトランジスタ3101の第1の電極及び第6のスイッチ3104を介して第2のトランジスタ3102の第1の電極に接続されている。容量素子3115は、配線、半導体層や電極によって絶縁膜を挟むことで形成しても良いし、場合によっては接続された第1のトランジスタ3101と第2のトランジスタ3102のゲート容量を用いて省略することもできる。また、容量素子3115の第1の電極と、第1のスイッチ3111とノード3130とが接続された配線との接続箇所をノード3131とし、ノード3133と容量素子3115の第2の電極とが接続された配線と発光素子3116の画素電極との接続箇所をノード3132とする。
なお、第1の走査線3118、第2の走査線3119、第3の走査線3120、第4の走査線3121に信号を入力することにより、それぞれ第1のスイッチ3111、第2のスイッチ3112、第3のスイッチ3113、第4のスイッチ3114のオンオフが制御される。図31においては、第5のスイッチ3103及び第6のスイッチ3104のオンオフを制御する走査線は省略している。
信号線3117には、ビデオ信号に相当する画素の階調に従った信号、即ち輝度データに応じた電位が入力される。
次に、図31で示した画素の動作について図32のタイミングチャートを用いて説明する。なお、図32において1画面分の画像を表示する期間に相当する1フレーム期間は、初期化期間、しきい値電圧書き込み期間、データ書き込み期間及び発光期間に分割される。
なお、発光素子3116の対向電極3124にはV1の電位が、電位供給線3123にはV1−Vth−α(α:任意の正の数)の電位が入力される。Vthは、Vth1もしくはVth2の大きい方の値とする。また、電源線3122には、アドレス期間はV1、発光期間ではV2の電位が入力される。ただし、V2>V1とする。
ここでは動作を説明するために、発光素子3116の対向電極3124の電位は、アドレス期間における電源線3122の電位と同じであるとしたが、発光素子3116が発光するために少なくとも必要とする電位差をVELとすると、対向電極3124の電位はV1−Vth−α―VELの電位より高い値であれば良い。また、発光期間における電源線3122の電位V2は、対向電極3124の電位に発光素子3116が発光するために少なくとも必要とする電位差(VEL)を加算した値より大きい値であれば良いが、説明上ここでは対向電極3124の電位をV1としたため、V2はV1+VELより大きい値であれば良いということになる。
まず、図32(A)に示すように初期化期間では、第1のスイッチ3111及び第6のスイッチ3104をオフとし、第2のスイッチ3112、第3のスイッチ3113、第4のスイッチ3114及び第5のスイッチ3103をオンとする。このとき、第1のトランジスタ3101の第1の電極はソース電極となり、その電位は電位供給線3123と等しくなるためV1−Vth−αとなる。一方、ゲート電極の電位はV1となる。よって、第1のトランジスタ3101のゲート・ソース間電圧VgsはVth+αとなり第1のトランジスタ3101は導通状態となる。そして、第1のトランジスタ3101のゲート電極と第1の電極との間に設けられた容量素子3115にVth+αが保持される。なお、第4のスイッチ3114をオンとした場合について説明したが、オフとしても良い。ただし、次のしきい値電圧書き込み期間では第4のスイッチ3114はオンとしなければならない。
図32(B)に示すしきい値電圧書き込み期間では、第3のスイッチ3113をオフとする。そのため、第1のトランジスタ3101の第1の電極即ちソース電極の電位は次第に上昇しV1−Vth1となったところ、つまり第1のトランジスタ3101のゲート・ソース間電圧Vgsがしきい値電圧(Vth1)となったところで、第1のトランジスタ3101は非導通状態となる。よって、容量素子3115に保持される電圧はVth1となる。
その後、図32(C)に示すデータ書き込み期間においては、第2のスイッチ3112及び第4のスイッチ3114をオフとした後、第1のスイッチ3111をオンとし、信号線3117より輝度データに応じた電位(V1+Vdata)を入力する。なお、第4のスイッチ3114をオフにすることにより、第1のトランジスタ3101を非導通状態に保つことができる。そのため、データ書き込み時の電源線3122から供給される電流による容量素子3115の第2の電極の電位の変動を抑制することができる。よって、このとき容量素子3115に保持される電圧Vcsは、Vth1+Vdataとなる。なお、次の発光期間において発光素子3116を非発光としたい場合には、Vdata≦0の電位を入力する。
次に、図32(D)に示す発光期間では、第1のスイッチ3111をオフとし、電源線3122の電位をV2とした後、第4のスイッチ3114をオンとする。このとき、第1のトランジスタ3101のゲート・ソース間電圧はVgs=Vth1+Vdataとなり、第1のトランジスタ3101が導通状態になる。よって、輝度データに応じた電流が第1のトランジスタ3101及び発光素子3116に流れ、発光素子3116が発光する。
このような動作により、発光素子3116に流れる電流は、第1のトランジスタ3101の動作領域が飽和領域、線形領域のいずれの場合においても、第1のトランジスタ3101のしきい値電圧(Vth1)に依存しない。
さらに、図32(E)に示す次の1フレーム期間における初期化期間では、第5のスイッチ3103をオフとし、第2のスイッチ3112、第3のスイッチ3113、第4のスイッチ3114及び第6のスイッチ3104をオンとする。このとき、第2のトランジスタ3102の第1の電極はソース電極となり、その電位は電位供給線3123と等しくなるためV1−Vth−αとなる。一方、ゲート電極の電位はV1となる。よって、第2のトランジスタ3102のゲート・ソース間電圧VgsはVth+αとなり、第2のトランジスタ3102は導通状態となる。そして、第2のトランジスタ3102のゲート電極と第1の電極との間に設けられた容量素子3115にVth+αが保持される。なお、第4のスイッチ3114をオンとした場合について説明したが、オフとしても良い。ただし、次のしきい値電圧書き込み期間では第4のスイッチ3114はオンとしなければならない。
次に、図32(F)に示すしきい値電圧書き込み期間では、第3のスイッチ3113をオフとする。そのため、第2のトランジスタ3102の第1の電極即ちソース電極の電位は次第に上昇しV1−Vth2となったところ、つまり第2のトランジスタ3102のゲート・ソース間電圧Vgsがしきい値電圧(Vth2)となったところで、第2のトランジスタ3102は非導通状態となる。よって、容量素子3115に保持される電圧はVth2となる。
その後の図32(G)に示すデータ書き込み期間においては、第2のスイッチ3112及び第4のスイッチ3114をオフとした後、第1のスイッチ3111をオンとし、信号線3117より輝度データに応じた電位(V1+Vdata)を入力する。なお、第4のスイッチ3114をオフにすることにより、第2のトランジスタ3102を非導通状態に保つことができる。そのため、データ書き込み時の電源線3122から供給される電流による、容量素子3115の第2の電極の電位の変動を抑制することができる。よって、このとき容量素子3115に保持される電圧Vcsは、Vth2+Vdataとなる。
次に、図32(H)に示す発光期間では、第1のスイッチ3111をオフとし、電源線3122の電位をV2とした後、第4のスイッチ3114をオンとする。このとき、第2のトランジスタ3102のゲート・ソース間電圧はVgs=Vth2+Vdataとなり、第2のトランジスタ3102が導通状態になる。よって、輝度データに応じた電流が第2のトランジスタ3102及び発光素子3116に流れ、発光素子3116が発光する。
また、第2のトランジスタ3102の動作領域が飽和領域、線形領域のいずれの場合においても、発光素子3116に流れる電流はしきい値電圧(Vth2)に依存しない。
よって、第1のトランジスタ3101、第2のトランジスタ3102のいずれのトランジスタを用いて発光素子に供給する電流を制御してもトランジスタのしきい値電圧のばらつきに起因した電流値のばらつきを抑制し、輝度データに対応した電流値を発光素子3116に供給することができる。なお、第1のトランジスタ3101、第2のトランジスタ3102を切り替えて用いることにより一つのトランジスタに加わる負荷を軽くすることによりトランジスタの経時的なしきい値電圧の変化を小さいものとすることができる。
以上のことから、第1のトランジスタ3101、第2のトランジスタ3102のしきい値電圧に起因した輝度のばらつきを抑制することができる。また、対向電極の電位を一定とするため消費電力を低くすることが可能である。
さらに、第1のトランジスタ3101、第2のトランジスタ3102を飽和領域で動作させた場合においては、発光素子3116の劣化による各々のトランジスタに流れる電流のばらつきも抑制できる。
なお、第1のトランジスタ3101、第2のトランジスタ3102を飽和領域で動作させた場合、これらトランジスタのチャネル長Lは長い方がより好ましい。
また、初期化期間において発光素子3116に逆方向のバイアス電圧を印加しているため、発光素子における短絡箇所を絶縁化したり、発光素子の劣化を抑制することができる。よって、発光素子の寿命を延ばすことができる。
なお、トランジスタのしきい値電圧のばらつきに起因する電流値のばらつきを抑制することができるため、そのトランジスタによって制御された電流の供給先は特に限定されない。そのため、図31に示した発光素子3116は、EL素子(有機EL素子、無機EL素子又は有機物及び無機物を含むEL素子)、電子放出素子、液晶素子、電子インクなどを適用することができる。
また、第1のトランジスタ3101、第2のトランジスタ3102は発光素子3116に供給する電流値を制御する機能を有していれば良く、トランジスタの種類は特に限定されない。そのため、結晶性半導体膜を用いた薄膜トランジスタ(TFT)、非晶質シリコンや多結晶シリコンに代表される非単結晶半導体膜を用いた薄膜トランジスタ、半導体基板やSOI基板を用いて形成されるトランジスタ、MOS型トランジスタ、接合型トランジスタ、バイポーラトランジスタ、ZnOやa−InGaZnOなどの化合物半導体を用いたトランジスタ、有機半導体やカーボンナノチューブを用いたトランジスタ、その他のトランジスタを適用することができる。
第1のスイッチ3111は画素の階調に従った信号を信号線3117より画素に入力するタイミングを選択するものであり、第2のスイッチ3112は第1のトランジスタ3101もしくは第2のトランジスタ3102のゲート電極に所定の電位を与えるタイミングを選択するものであり、第3のスイッチ3113は容量素子3115に書き込まれた電位を初期化するための所定の電位を与えるタイミングを選択するものであり、第4のスイッチ3114はデータ書き込み時における容量素子3115の第2の電極の電位の変動を抑制するものである。そのため、第1のスイッチ3111、第2のスイッチ3112、第3のスイッチ3113、第4のスイッチ3114は、上記機能を有していれば特に限定されない。たとえば、トランジスタやダイオードでもよいし、それらを組み合わせた論理回路でもよい。また、第5のスイッチ3103及び第6のスイッチ3104についても特に限定されず、たとえばトランジスタやダイオードでもよいし、それらを組み合わせた論理回路でもよい。
第1のスイッチ3111、第2のスイッチ3112、第3のスイッチ3113、第4のスイッチ3114、第5のスイッチ3103、第6のスイッチ3104にNチャネル型のトランジスタを用いた場合、Nチャネル型のトランジスタのみで画素を構成することができるため、製造工程の簡略化を図ることができる。また、画素を構成するトランジスタの半導体層にアモルファス半導体やセミアモルファス半導体(若しくは微結晶半導体ともいう)などの非晶質半導体を用いることができる。例えば、アモルファス半導体としてアモルファスシリコン(a−Si:H)が挙げられる。これら非晶質半導体を用いることにより、さらに製造工程の簡略化が可能である。したがって、製造コストの削減や歩留まりの向上を図ることができる。
なお、第1のスイッチ3111、第2のスイッチ3112、第3のスイッチ3113、第4のスイッチ3114、第5のスイッチ3103、第6のスイッチ3104にトランジスタを用いた場合、トランジスタの極性(導電型)は特に限定されない。ただし、オフ電流が少ないトランジスタを用いることが望ましい。
また、第1のトランジスタ3101及び第5のスイッチ3103と第2のトランジスタ3102及び第6のスイッチ3104は、図37に示すようにそれぞれ入れ替わっていても良い。つまり、第1のトランジスタ3101及び第2のトランジスタ3102の第1の電極は容量素子3115及び第4のスイッチ3114を介して第1のトランジスタ3101及び第2のトランジスタ3102のゲート電極に接続されている。また、第1のトランジスタ3101の第2の電極は第5のスイッチ3103を介して電源線3122と接続され、第2のトランジスタ3102の第2の電極は第6のスイッチ3104を介して電源線3122と接続されている。
また、図31及び図37ではトランジスタとスイッチをセットにして、つまり第1のトランジスタ3101と第5のスイッチ3103、第2のトランジスタ3102と第6のスイッチ3104をセットにして並列数が2の場合について記載したが、並列に配置する数は特に限定されない。
なお、第4のスイッチ3114は、ノード3130と第1のトランジスタ3101のゲート電極との間に接続されたものに限らず、ノード3130とノード3131との間やノード3133とノード3132との間に接続されていてもよい。
また、図42に示すように第4のスイッチ3114は特に設けなくてもよい。本実施形態に示した画素では、第5のスイッチ3103及び第6のスイッチ3104の両方をデータ書き込み期間にオフさせることにより、第4のスイッチ3114を有さなくても電源線3122からノード3133に供給される電流を遮断することができる。よって、容量素子3115の第2の電極の電位の変動を抑制することができるため、特に第4のスイッチ3114を必要とすることなく容量素子3115にVth1+VdataもしくはVth2+Vdataの電圧を保持させることが可能である。したがって、第4のスイッチ3114を用いることなく、発光期間に輝度データに応じたより正確な電流を発光素子3116に供給することができる。もちろん、図31に示した画素、即ち第5のスイッチ3103及び第6のスイッチ3104がそれぞれ第1のトランジスタ3101、第2のトランジスタ3102の第1の電極とノード3133との間に接続されている場合においても同様のことが言える。
また、発光期間において第5のスイッチ3103及び第6のスイッチ3104の両方をオフさせることにより、強制的に非発光状態を作ることも可能である。このような動作によって、発光期間を自由に設定することができる。また、黒表示を挿入することで、残像を見えにくくし、動画特性の向上を図ることも可能である。
また、図9の表示装置に本実施形態で示した画素を適用することで、実施の形態1と同様、各行におけるデータ書き込み期間さえ重複しなければ、各行自由に初期化開始時期を設定することができる。また、各画素は自身のアドレス期間を除き発光することが可能であるため、1フレーム期間における発光期間の割合(即ち、デューティー比)を非常に大きくでき、おおむね100%にすることもできる。よって、輝度のばらつきが少なくデューティー比が高い表示装置を得ることができる。
また、しきい値電圧書き込み期間を長く設定することも可能であるため、発光素子に流れる電流値を制御するトランジスタのしきい値電圧をより正確に容量素子に書き込むことができる。よって、表示装置としての信頼性が向上する。
なお、本実施形態においても、実施の形態4と同様、電位供給線3123は他の行の配線と共有することができる。また、第1のトランジスタ3101及び第2のトランジスタ3102のそれぞれに、トランジスタが直列に接続されたマルチゲート型トランジスタや並列に配置されたトランジスタを用いても良い。これらに限らず、本実施の形態は、実施の形態1乃至4に示した画素構成に適用することが可能である。
(実施の形態6)
本実施形態では、発光素子に供給する電流値を制御するトランジスタにPチャネル型トランジスタを適用した場合について図39を用いて説明する。
図39に示す画素は、トランジスタ3910、第1のスイッチ3911、第2のスイッチ3912、第3のスイッチ3913、第4のスイッチ3914、容量素子3915、発光素子3916を有する。なお、画素は、信号線3917、第1の走査線3918、第2の走査線3919、第3の走査線3920、第4の走査線3921、電源線3922及び電位供給線3923に接続されている。本実施の形態において、トランジスタ3910はPチャネル型トランジスタとし、そのゲート・ソース間電圧の絶対値(|Vgs|)がしきい値電圧(|Vth|)を上回ったとき(VgsがVthを下回ったとき)、導通状態になるものとする。また、発光素子3916には図49に示すように対向電極3924から画素電極4911に電流が流れるEL素子を用いた例について説明する。その際、画素電極4911は陰極、対向電極3924は陽極として機能する。なお、トランジスタのゲート・ソース間電圧の絶対値を|Vgs|、しきい値電圧の絶対値を|Vth|と記し、電源線3922、電位供給線3923及び信号線3917を、それぞれ第1の配線、第2の配線、第3の配線とも呼ぶ。また、第1の走査線3918、第2の走査線3919、第3の走査線3920及び第4の走査線3921を、それぞれ第4の配線、第5の配線、第6の配線、第7の配線と呼んでも良い。
トランジスタ3910の第1の電極(ソース電極及びドレイン電極の一方)は、発光素子3916の画素電極に接続され、第2の電極(ソース電極及びドレイン電極の他方)は電源線3922に接続され、ゲート電極は第4のスイッチ3914及び第2のスイッチ3912を介して電源線3922と接続されている。なお、第4のスイッチ3914は、トランジスタ3910のゲート電極と第2のスイッチ3912の間に接続されている。また、第4のスイッチ3914と第2のスイッチ3912との接続箇所をノード3930とすると、ノード3930は第1のスイッチ3911を介して信号線3917と接続されている。また、トランジスタ3910の第1の電極は第3のスイッチ3913を介して電位供給線3923とも接続されている。
さらに、ノード3930とトランジスタ3910の第1の電極との間に容量素子3915が接続されている。つまり、容量素子3915の第1の電極が第4のスイッチ3914を介しトランジスタ3910のゲート電極に、第2の電極がトランジスタ3910の第1の電極に接続されている。容量素子3915は、配線、半導体層や電極によって絶縁膜を挟むことで形成しても良いし、場合によってはトランジスタ3910のゲート容量を用いて省略することもできる。これらの電圧を保持する手段を保持容量と言う。また、ノード3930と、第1のスイッチ3911と容量素子3915の第1の電極とが接続されている配線との接続箇所をノード3931とし、トランジスタ3910の第1の電極と、容量素子3915の第2の電極と発光素子3916の画素電極とが接続されている配線との接続箇所をノード3932とする。
なお、第1の走査線3918、第2の走査線3919、第3の走査線3920、第4の走査線3921に信号を入力することにより、それぞれ第1のスイッチ3911、第2のスイッチ3912、第3のスイッチ3913、第4のスイッチ3914のオンオフが制御される。
信号線3917には、ビデオ信号に相当する画素の階調に従った信号、即ち輝度データに応じた電位が入力される。
次に、図39で示した画素の動作について図40のタイミングチャート及び図41を用いて説明する。なお、図40において1画面分の画像を表示する期間に相当する1フレーム期間は、初期化期間、しきい値電圧書き込み期間、データ書き込み期間及び発光期間に分割される。また、初期化期間、しきい値電圧書き込み期間、データ書き込み期間をまとめてアドレス期間と呼ぶ。1フレーム期間は特に限定はないが、画像をみる人がちらつき(フリッカ)を感じないように少なくとも1/60秒以下とすることが好ましい。
なお、発光素子3916の対向電極3924にはV1の電位が、電位供給線3923にはV1+|Vth|+α(α:任意の正の数)の電位が入力される。また、電源線3922には、アドレス期間はV1、発光期間ではV2の電位が入力される。ただし、V2<V1とする。
ここでは動作を説明するために、発光素子3916の対向電極3924の電位は、アドレス期間における電源線3922の電位と同じであるとしたが、発光素子3916が発光するために少なくとも必要とする電位差をVELとすると、対向電極3924の電位は、電位供給線3923の電位にVELを加算した値より低ければ良い。すなわち、アドレス期間においては、発光素子3916の両端の電位が発光素子3916に電流が流れないような電位になっていれば良い。また、発光期間における電源線3922の電位V2は、対向電極3924の電位から発光素子3116が発光するために少なくとも必要とする電位差(VEL)を引いた値より小さい値であれば良いが、説明上ここでは対向電極3924の電位をV1としたため、V2はV1−VELより小さい値であれば良いということになる。
まず、図40(A)及び図41(A)に示すように初期化期間では、第1のスイッチ3911をオフとし、第2のスイッチ3912、第3のスイッチ3913及び第4のスイッチ3914をオンとする。このとき、トランジスタ3910の第1の電極はソース電極となり、その電位は電位供給線3923と等しくなるためV1+|Vth|+αとなる。一方、ゲート電極の電位はV1となる。よって、トランジスタ3910のゲート・ソース間電圧の絶対値|Vgs|は|Vth|+αとなり、トランジスタ3910は導通状態となる。そして、トランジスタ3910のゲート電極と第1の電極との間に設けられた容量素子3915に|Vth|+αが保持される。なお、第4のスイッチ3914をオンとした場合について説明したが、オフとしても良い。ただし、次のしきい値電圧書き込み期間では第4のスイッチ3914はオンとしなければならない。
図40(B)及び図41(B)に示すしきい値電圧書き込み期間では、第3のスイッチ3913をオフとする。そのため、トランジスタ3910の第1の電極即ちソース電極の電位は次第に下降しV1+|Vth|となったところで、トランジスタ3910は非導通状態となる。よって、容量素子3915に保持される電圧はおおむね|Vth|となる。
その後の図40(C)及び図41(C)に示すデータ書き込み期間においては、第2のスイッチ3912及び第4のスイッチ3914をオフとした後、第1のスイッチ3911をオンとし、信号線3917より輝度データに応じた電位(V1−Vdata)を入力する。この期間に第4のスイッチ3914をオフにすることにより、トランジスタ3910を非導通状態に保つことができる。そのため、データ書き込み時の電源線3922から供給される電流による、容量素子3915の第2の電極における電位の変動を抑制することができる。よって、このとき容量素子3915に保持される電圧Vcsは、容量素子3915及び発光素子3916の静電容量をそれぞれC1、C2とすると式(5)のように表すことができる。
ただし、発光素子3916は容量素子3915に比べ膜厚が薄いうえ電極面積が大きいため、C2>>C1となる。よって、C2/(C1+C2)≒1より容量素子3915に保持される電圧Vcsは式(6)となる。なお、次の発光期間において発光素子3916を非発光としたい場合には、Vdata≦0の電位を入力すれば良い。
次に、図40(D)及び図41(D)に示す発光期間では、第1のスイッチ3911をオフとし、電源線3922の電位をV2とした後、第4のスイッチ3914をオンとする。このとき、トランジスタ3910のゲート・ソース間電圧はVgs=−Vdata−|Vth|となり、トランジスタ3910が導通状態になる。よって、輝度データに応じた電流がトランジスタ3910及び発光素子3916に流れ、発光素子3916が発光する。
なお、発光素子3916に流れる電流Iは、トランジスタ3910を飽和領域で動作させた場合、式(7)で表される。
トランジスタ3910はPチャネル型のトランジスタであるため、Vth<0である。よって、式(7)は式(8)に変形できる。
また、トランジスタ3910を線形領域で動作させた場合、発光素子に流れる電流Iは式(9)で表される。
Vth<0より、式(9)は式(10)に変形できる。
ここで、Wはトランジスタ3910のチャネル幅、Lはチャネル長、μは移動度、Coxは蓄積容量を指す。
式(8)及び式(10)より、トランジスタ3910の動作領域が飽和領域、線形領域のいずれの場合においても、発光素子3916に流れる電流は、トランジスタ3910のしきい値電圧(Vth)に依存しない。よって、トランジスタ3910のしきい値電圧のばらつきに起因した電流値のばらつきを抑制し、輝度データに対応した電流を発光素子3916に供給することができる。
以上のことから、トランジスタ3910のしきい値電圧のばらつきに起因した輝度のばらつきを抑制することができる。また、対向電極の電位を一定として動作させるため消費電力を低くすることが可能となる。
さらに、トランジスタ3910を飽和領域で動作させた場合においては、発光素子3916の劣化による輝度のばらつきも抑制できる。発光素子3916が劣化すると、発光素子3916のVELは増大し、トランジスタ3910の第1の電極、即ちソース電極の電位は減少する。このとき、トランジスタ3910のソース電極は容量素子3915の第2の電極に、トランジスタ3910のゲート電極は容量素子3915の第1の電極に接続されており、なおかつゲート電極側は浮遊状態となっている。そのため、ソース電位の減少に伴い、同じ電位だけトランジスタ3910のゲート電位も減少する。よって、トランジスタ3910のVgsは変化しないため、たとえ発光素子が劣化してもトランジスタ3910及び発光素子3916に流れる電流に影響しない。なお、式(8)においても発光素子に流れる電流Iはソース電位やドレイン電位に依存しないことがわかる。
よって、トランジスタ3910を飽和領域で動作させた場合においては、トランジスタ3910のしきい値電圧のばらつき及び発光素子3916の劣化に起因したトランジスタ3910に流れる電流のばらつきを抑制することができる。
なお、トランジスタ3910を飽和領域で動作させた場合、降伏現象やチャネル長変調による電流量の増加を抑制するために、トランジスタ3910のチャネル長Lは長い方がより好ましい。
また、初期化期間において発光素子3916に逆方向のバイアス電圧を印加しているため、発光素子における短絡箇所を絶縁化したり、発光素子の劣化を抑制することができる。よって、発光素子の寿命を延ばすことができる。
なお、図39に示した発光素子3916は、特に限定されずEL素子(有機EL素子、無機EL素子又は有機物及び無機物を含むEL素子)、電子放出素子、液晶素子、電子インクなどを適用することができる。
また、トランジスタ3910は発光素子3916に供給する電流値を制御する機能を有していれば良く、トランジスタの種類は特に限定されない。そのため、結晶性半導体膜を用いた薄膜トランジスタ(TFT)、非晶質シリコンや多結晶シリコンに代表される非単結晶半導体膜を用いた薄膜トランジスタ、半導体基板やSOI基板を用いて形成されるトランジスタ、MOS型トランジスタ、接合型トランジスタ、バイポーラトランジスタ、ZnOやa−InGaZnOなどの化合物半導体を用いたトランジスタ、有機半導体やカーボンナノチューブを用いたトランジスタ、その他のトランジスタを適用することができる。
第1のスイッチ3911は画素の階調に従った信号を信号線3917より画素に入力するタイミングを選択するものであり、第2のスイッチ3912はトランジスタ3910のゲート電極に所定の電位を与えるタイミングを選択し、トランジスタ3910のゲート電極に所定の電位を供給するか否かを制御するものであり、第3のスイッチ3913は容量素子3915に書き込まれた電位を初期化するための所定の電位を与えるタイミングを選択したり、トランジスタ3910の第1の電極の電位を高くするものである。なお、第4のスイッチ3914はデータ書き込み時における容量素子3915の第2の電極の電位の変動を抑制するものである。そのため、第1のスイッチ3911、第2のスイッチ3912、第3のスイッチ3913、第4のスイッチ3914は、上記機能を有していれば特に限定されない。たとえば、トランジスタやダイオードでもよいし、それらを組み合わせた論理回路でもよい。
なお、トランジスタを用いた場合、トランジスタの極性(導電型)は特に限定されない。ただし、オフ電流が少ないトランジスタを用いることが望ましい。オフ電流が少ないトランジスタとしては、LDD領域を設けているものやマルチゲート構造にしているものなどがある。また、Nチャネル型とPチャネル型の両方を用いて、CMOS型のスイッチにしてもよい。
たとえば、第1のスイッチ3911、第2のスイッチ3912、第3のスイッチ3913、第4のスイッチ3914にPチャネル型のトランジスタを適用した場合、それぞれのスイッチのオンオフを制御する走査線にはオンさせたいときにはLレベルの信号が、オフさせたいときにはHレベルの信号が入力される。
この場合、Pチャネル型のトランジスタのみで画素を構成することができるため、製造工程の簡略化を図ることができる。
さらに、図9の表示装置に本実施形態で示した画素を適用することでき、実施の形態1と同様、各行におけるデータ書き込み期間さえ重複しなければ、各行自由に初期化開始時期を設定することができる。また、各画素は自身のアドレス期間を除き発光することが可能であるため、1フレーム期間における発光期間の割合(即ち、デューティー比)を非常に大きくでき、おおむね100%にすることもできる。よって、輝度のばらつきが少なくデューティー比が高い表示装置を得ることができる。
また、しきい値書き込み期間を長く設定することも可能であるため、発光素子に流れる電流値を制御するトランジスタのしきい値電圧をより正確に容量素子に書き込むことができる。よって、表示装置としての信頼性が向上する。
なお、本実施形態は、その他の実施の形態に示した画素構成とも自由に組み合わせることができる。例えば、第4のスイッチ3914がノード3930とノード3931との間やトランジスタ3910の第1の電極とノード3932との間に接続されている場合や、トランジスタ3910の第2の電極が第4のスイッチ3914を介して電源線3922と接続されている場合などがある。ただし、電源線3922と、第2のスイッチ3912とトランジスタ3910の第2の電極とを接続した配線との接続箇所をノード3935とすると、第4のスイッチ3914がノード3935と電源線3922との間に接続されている場合には、初期化期間において第4のスイッチ3914をオフさせることはできない。
上記に限らず、本実施形態に記載したトランジスタ3910は、他の実施形態に示した画素にも適用することが可能である。
(実施の形態7)
本実施形態では、本発明の画素の部分断面図の一形態について図17を用いて説明する。なお、本実施形態における部分断面図に示されているトランジスタは、発光素子に供給する電流値を制御する機能を有するトランジスタである。
まず、絶縁表面を有する基板1711上に下地膜1712を形成する。絶縁表面を有する基板1711としては、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板(ポリイミド、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン等)、セラミックス基板等の絶縁性基板の他、金属基板(タンタル、タングステン、モリブデン等)や半導体基板等の表面に絶縁膜を形成したものも用いることができる。ただし、少なくともプロセス中に発生する熱に耐えうる基板を使用する必要がある。
下地膜1712としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜または酸化窒化珪素膜(SiOxNy)等の絶縁膜を用い、これら絶縁膜を単層又は2以上の複数層で形成する。なお、下地膜1712は、スパッタ法、CVD法等を用いて形成すればよい。本実施形態では下地膜1712を単層としているが、もちろん2以上の複数層でも構わない。
次に、下地膜1712上にトランジスタ1713を形成する。トランジスタ1713は、少なくとも半導体層1714と、半導体層1714上に形成されたゲート絶縁膜1715と、半導体層1714上にゲート絶縁膜1715を介して形成されたゲート電極1716から構成されており、半導体層1714は、ソース領域及びドレイン領域を有する。
半導体層1714は、アモルファスシリコン(a−Si:H)の他、シリコン、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)等を主成分とする非晶質半導体、非晶質状態と結晶状態とが混在したセミアモルファス半導体、及び非晶質半導体中に0.5nm〜20nmの結晶粒を観察することができる微結晶半導体から選ばれたいずれかの非結晶性状態を有する膜(即ち、非結晶性半導体膜)やポリシリコン(p−Si:H)等の結晶性半導体膜を用いることができる。なお、0.5nm〜20nmの結晶粒を観察することができる微結晶状態はいわゆるマイクロクリスタルと呼ばれている。なお、半導体層1714に非結晶性半導体膜を用いる場合には、スパッタ法、CVD法等を用いて形成すれば良く、結晶性半導体膜を用いる場合には、例えば非結晶性半導体膜を形成した後さらに結晶化すれば良い。また、必要があればトランジスタのしきい値電圧を制御するために上記主成分の他に、微量の不純物元素(リン、ヒ素、ボロン等)が含まれていても良い。
次に、半導体層1714を覆ってゲート絶縁膜1715を形成する。ゲート絶縁膜1715には、例えば酸化珪素、窒化珪素または窒化酸化珪素等を用いて単層または複数の膜を積層させて形成する。なお、成膜方法には、CVD法、スパッタ法等を用いることができる。
続いて、半導体層1714の上方にゲート絶縁膜1715を介してそれぞれゲート電極1716を形成する。ゲート電極1716は単層で形成してもよいし、複数の金属膜を積層して形成してもよい。なお、ゲート電極は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)等から選ばれた金属元素の他にも、前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成することができる。例えば、第1の導電層として窒化タンタル(TaN)を用い、第2の導電層としてタングステン(W)を用いた、第1の導電膜と第2の導電膜からなるゲート電極としてもよい。
次に、ゲート電極1716またはレジストを形成し所望の形状にしたものをマスクとして用い、半導体層1714にn型またはp型の導電性を付与する不純物を選択的に添加する。このようにして、半導体層1714に、チャネル形成領域および不純物領域(ソース領域、ドレイン領域、GOLD領域、LDD領域を含む)が形成される。また、添加される不純物元素の導電型によりNチャネル型トランジスタ、またはPチャネル型トランジスタとを区別して作製することができる。
なお、図17は、LDD領域1720を自己整合的に作製するために、ゲート電極1716を覆うようにシリコン化合物、例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜若しくは酸化窒化シリコン膜を形成した後、エッチバックしてサイドウォール1717を形成する。その後、半導体層1714に導電性を付与する不純物を添加することにより、ソース領域1718、ドレイン領域1719及びLDD領域1720を形成することができる。そのため、LDD領域1720はサイドウォール1717の下部に位置する。なお、サイドウォール1717は、LDD領域1720を自己整合的に形成するために設けるのであって、必ずしも設けなくてもよい。なお、導電性を付与する不純物としてはリン、ヒ素、ボロン等が用いられる。
次に、ゲート電極1716を覆って、第1の層間絶縁膜1730として第1の絶縁膜1721、第2の絶縁膜1722を積層し形成する。第1の絶縁膜1721、第2の絶縁膜1722としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜または酸化窒化珪素膜(SiOxNy)等の無機絶縁膜、もしくは低誘電率の有機樹脂膜(感光性や非感光性の有機樹脂膜)を用いることができる。また、シロキサンを含む膜を用いてもよい。なお、シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される材料であり、置換基としては、有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。また、置換基にフルオロ基を含んでいても良い。
なお、第1の絶縁膜1721、第2の絶縁膜1722に同一材料の絶縁膜を用いても良い。本実施形態では第1の層間絶縁膜1730を2層の積層構造としたが、1層としても良いし、3層以上の積層構造としても良い。
なお、第1の絶縁膜1721、第2の絶縁膜1722は、スパッタ法、CVD法、スピンコーティング法等を用いて形成すればよく、有機樹脂膜やシロキサンを含む膜を用いる場合には塗布法を用いて形成すればよい。
その後、第1の層間絶縁膜1730上にソース電極及びドレイン電極1723を形成する。なお、ソース電極及びドレイン電極1723は、それぞれコンタクトホールを介してソース領域1718、ドレイン領域1719に接続されている。
なお、ソース電極及びドレイン電極1723は、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、カドミウム(Cd)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、珪素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ジルコニウム(Zr)、バリウム(Ba)等の金属又はその合金、若しくはその金属窒化物、又はこれらの積層膜を用いることができる。
次に、ソース電極及びドレイン電極1723を覆って第2の層間絶縁膜1731を形成する。第2の層間絶縁膜1731としては、無機絶縁膜や、樹脂膜、又はこれらの積層を用いることができる。無機絶縁膜としては、窒化珪素膜、酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜又はこれらを積層した膜を用いることができる。樹脂膜としては、ポリイミド、ポリアミド、アクリル、ポリイミドアミド、エポキシなどを用いることができる。
第2の層間絶縁膜1731上には画素電極1724を形成する。次に、画素電極1724の端部を覆うように絶縁物1725を形成する。絶縁物1725は、後に形成される発光物質を含む層1726の成膜を良好なものとするため、絶縁物1725の上端部または下端部が曲率を有する曲面となるように形成することが好ましい。例えば、絶縁物1725の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物1725の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物1725として、感光性の光によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、あるいは光によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。さらには、絶縁物1725の材料として有機物に限らず酸化珪素、酸窒化珪素等の無機物も用いることできる。
次に、画素電極1724及び絶縁物1725上に発光物質を含む層1726及び対向電極1727を形成する。
なお、画素電極1724と対向電極1727とにより発光物質を含む層1726が挟まれた領域では発光素子1728が形成されている。
次に、発光素子1728の詳細について図18を用いて説明する。なお、図17における画素電極1724及び対向電極1727は、それぞれ図18の画素電極1801、対向電極1802に相当する。また、図18(a)においては、画素電極を陽極、対向電極を陰極とする。
図18(a)に示すように、画素電極1801と対向電極1802との間には、発光層1813の他、正孔注入層1811、正孔輸送層1812、電子輸送層1814、電子注入層1815等も設けられている。これらの層は、画素電極1801の電位が対向電極1802の電位よりも高くなるように電圧を印加したときに、画素電極1801側から正孔が注入され対向電極1802側から電子が注入されるように積層されている。
このような発光素子において、画素電極1801から注入された正孔と、対向電極1802から注入された電子とは、発光層1813において再結合し、発光物質を励起状態にする。そして、励起状態の発光物質が基底状態に戻るときに発光する。なお、発光物質とは、ルミネセンス(エレクトロルミネセンス)が得られる物質であれば良い。
発光層1813を形成する物質について特に限定はなく、発光物質のみから形成された層であっても良いが、濃度消光を生じる場合には発光物質が有するエネルギーギャップよりも大きいエネルギーギャップを有する物質(ホスト)からなる層中に発光物質が分散するように混合された層であることが好ましい。これによって、発光物質の濃度消光を防ぐことができる。なお、エネルギーギャップとは最低空分子軌道(LUMO:Lowest Unoccupied Molecular Orbital)準位と最高被占分子軌道(HOMO:Highest Occupied Molecular Orbital)準位とのエネルギー差をいう。
また、発光物質についても特に限定はなく、所望の発光波長の発光をし得る物質を用いればよい。例えば、赤色系の発光を得たいときには、4−ジシアノメチレン−2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTI)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTB)やペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]ベンゼン等、600nmから680nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。また、緑色系の発光を得たいときは、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6やクマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、N,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)等、500nmから550nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。また、青色系の発光を得たいときは、9,10−ビス(2−ナフチル)−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)や9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−ガリウム(BGaq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(BAlq)等、420nmから500nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。
発光物質を分散状態にするために用いる物質についても特に限定はなく、例えば、9,10−ジ(2−ナフチル)−2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)等のアントラセン誘導体、または4,4’−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)等のカルバゾール誘導体の他、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(略称:Znpp2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:ZnBOX)等の金属錯体等を用いることができる。
画素電極1801を形成する陽極材料は特に限定はされないが、仕事関数の大きい(仕事関数4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物などを用いることが好ましい。このような陽極材料の具体例としては、金属材料の酸化物として、インジウム錫酸化物(略称:ITO)、酸化珪素を含有するITO(略称:ITSO)、酸化インジウムに2〜20[wt%]の酸化亜鉛(ZnO)を混合したターゲットを用いて形成されるインジウム亜鉛酸化物(略称:IZO)の他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(例えば、TiN)等を挙げることができる。
一方、対向電極1802を形成する物質としては、仕事関数の小さい(仕事関数3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物などを用いることができる。このような陰極材料の具体例としては、周期表の1族または2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属またはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、及びこれらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li)が挙げられる。また、対向電極1802と発光層1813との間に、電子注入性に優れた層を当該対向電極と積層して設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITOや酸化珪素を含有するITO等の画素電極1801の材料として挙げた材料も含めた様々な導電性材料を対向電極1802として用いることができる。また、後述する電子注入層1815に、特に電子を注入する機能に優れた材料を用いることにより同様の効果を得ることができる。
なお、発光した光を外部に取り出すために、画素電極1801と対向電極1802のいずれか一または両方がITO等の透明電極、または可視光が透過出来るような数〜数十nmの厚さで形成された電極であることが好ましい。
画素電極1801と発光層1813との間には、図18(a)に示すように正孔輸送層1812を有する。正孔輸送層とは、画素電極1801から注入された正孔を発光層1813へ輸送する機能を有する層である。このように、正孔輸送層1812を設け、画素電極1801と発光層1813とを離すことによって、発光が金属に起因して消光することを防ぐことができる。
なお、正孔輸送層1812には、正孔輸送性の高い物質を用いて形成することが好ましく、特に1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質を用いて形成することが好ましい。なお、正孔輸送性の高い物質とは、電子よりも正孔の移動度が高い物質をいう。正孔輸送層1812を形成するのに用いることができる物質の具体例としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス{N−[4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル]−N−フェニルアミノ}ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、フタロシアニン(略称:H2Pc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等が挙げられる。また、正孔輸送層1812は、以上に述べた物質から成る層を二以上組み合わせて形成した多層構造の層であってもよい。
また、対向電極1802と発光層1813との間には、図18(a)に示すように電子輸送層1814を有していてもよい。ここで、電子輸送層とは、対向電極1802から注入された電子を発光層1813へ輸送する機能を有する層である。このように、電子輸送層1814を設け、対向電極1802と発光層1813とを離すことによって発光が電極材料の金属に起因して消光することを防ぐことができる。
電子輸送層1814について特に限定はなく、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等によって形成されたものを用いることができる。この他、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体等によって形成されたものであってもよい。また、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)等を用いて形成されたものであってもよい。電子輸送層1814は、以上に記載したような正孔の移動度よりも電子の移動度が高い物質を用いて形成することが好ましい。また、電子輸送層1814は、10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質を用いて形成することがより好ましい。なお、電子輸送層1814は、以上に述べた物質から成る層を二以上組み合わせて形成した多層構造であってもよい。
さらに、画素電極1801と正孔輸送層1812との間には、図18(a)に示すように、正孔注入層1811を有していてもよい。ここで、正孔注入層とは、陽極として機能する電極から正孔輸送層1812へ正孔の注入を促す機能を有する層である。
正孔注入層1811について特に限定はなく、モリブデン酸化物(MoOx)やバナジウム酸化物(VOx)、ルテニウム酸化物(RuOx)、タングステン酸化物(WOx)、マンガン酸化物(MnOx)等の金属酸化物によって形成されたものを用いることができる。この他、フタロシアニン(略称:H2Pc)や銅フタロシアニン(CuPc)等のフタロシアニン系の化合物、4,4−ビス(N−(4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)等の芳香族アミン系の化合物、或いはポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)等の高分子等によっても正孔注入層1811を形成することができる。
また、前記金属酸化物と、正孔輸送性の高い物質とを混合したものを、画素電極1801と正孔輸送層1812との間に設けても良い。このような層は、厚膜化しても駆動電圧の上昇を伴わないため、層の膜厚を調整することでマイクロキャビティ効果や光の干渉効果を利用した光学設計を行うことができる。そのため、色純度に優れ、視野角に依存する色変化などが小さい高品質な発光素子を作製することができる。また、画素電極1801の表面に成膜時に発生する凹凸や電極表面に残った微少な残渣の影響で画素電極1801と対向電極1802がショートすることを防ぐ膜厚を選ぶことができる。
また、対向電極1802と電子輸送層1814との間には、図18(a)に示すように、電子注入層1815を有していてもよい。ここで、電子注入層とは、陰極として機能する電極から電子輸送層1814へ電子の注入を促す機能を有する層である。なお、電子輸送層を特に設けない場合は、陰極として機能する電極と発光層との間に電子注入層を設け、発光層への電子の注入を補助してもよい。
電子注入層1815について特に限定はなく、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物を用いて形成されたものを用いることができる。この他、Alqまたは4,4−ビス(5−メチルベンズオキサゾル−2−イル)スチルベン(BzOs)等のように電子輸送性の高い物質と、マグネシウムまたはリチウム等のようにアルカリ金属又はアルカリ土類金属とを混合したものも、電子注入層1815として用いることができる。
なお、正孔注入層1811、正孔輸送層1812、発光層1813、電子輸送層1814、電子注入層1815は、それぞれ、蒸着法、インクジェット法、または塗布法等、いずれの方法で形成しても構わない。また、画素電極1801または対向電極1802についても、スパッタ法または蒸着法等、いずれの方法を用いて形成しても構わない。
また、発光素子の層構造は、図18(a)に記載したものに限定されず、図18(b)に示すように陰極として機能する電極から順に作製してもよい。つまり、画素電極1801を陰極とし、画素電極1801上に電子注入層1815、電子輸送層1814、発光層1813、正孔輸送層1812、正孔注入層1811、対向電極1802の順で積層しても良い。なお、対向電極1802は陽極として機能する。
なお、発光素子は、発光層が一層のものについて記載したが、複数の発光層を有するものであってもよい。複数の発光層を設け、それぞれの発光層からの発光を混合することで、白色光を得ることができる。たとえば2層の発光層を有する発光素子の場合、第1の発光層と第2の発光層との間には、間隔層や、正孔を発生する層及び電子を発生する層を設けることが好ましい。このような構成により、外部に射出したそれぞれの発光は、視覚的に混合され、白色光として視認される。よって、白色光を得ることができる。
また、発光は、図17において画素電極1724または対向電極1727のいずれか一方または両方を通って外部に取り出される。従って、画素電極1724または対向電極1727のいずれか一方または両方は、透光性を有する物質で成る。
対向電極1727のみが透光性を有する物質からなる場合、図19(a)に示すように発光は対向電極1727を通って基板と逆側から取り出される。また、画素電極1724のみが透光性を有する物質からなる場合、図19(b)に示すように発光は画素電極1724を通って基板側から取り出される。画素電極1724および対向電極1727がいずれも透光性を有する物質からなるものである場合、図19(c)に示すように発光は画素電極1724および対向電極1727を通って、基板側および基板と逆側の両方から取り出される。
配線や電極は、上述した材料に限らず、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ネオジム(Nd)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、スカンジウム(Sc)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、ニオブ(Nb)、シリコン(Si)、リン(P)、ボロン(B)、ヒ素(As)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、錫(Sn)の群から選ばれた一つ又は複数の元素、もしくは前記群から選ばれた一つ又は複数の元素を成分とする化合物や合金材料(例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化珪素を含有するITO(ITSO)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミネオジム(Al−Nd)、マグネシウム銀(Mg−Ag)など)、もしくはこれらの化合物を組み合わせた物質などを用いて形成することができる。また、これらとシリコンの化合物(シリサイド)(例えば、アルミシリコン、モリブデンシリコン、ニッケルシリサイドなど)や窒素の化合物(例えば、窒化チタン、窒化タンタル、窒化モリブデン等)を用いて形成しても良い。なお、シリコン(Si)には、n型不純物(リンなど)やp型不純物(ボロンなど)が多く含まれていても良い。これらの不純物を含むことにより導電率が向上し、通常の導体と同様の振る舞いをするため配線や電極として利用しやすくなる。なお、シリコンには、単結晶、多結晶(ポリシリコン)、非晶質(アモルファスシリコン)のいずれを用いてもよく、単結晶シリコンや多結晶シリコンを用いた際には抵抗を小さくすることができ、非晶質シリコンでは簡単な製造工程で作ることができる。
また、アルミニウムや銀を用いた際には、導電率が高いため信号遅延を低減することが可能である。また、エッチングが容易であるため、パターニングしやすく微細加工を行うことができる。また、銅においても、導電率が高いため信号遅延を低減することができる。モリブデンは、ITO、IZOなどの酸化物半導体やシリコンと接触しても、材質不良を起こす等の問題を生じることなく製造できる。また、パターニングやエッチングを行いやすく耐熱性が高いため望ましい。チタンにおいても、ITO、IZOなどの酸化物半導体やシリコンと接触しても材質不良を起こす等の問題を生じることなく製造でき、なおかつ優れた耐熱性を有するため望ましい。また、タングステンやネオジムは、優れた耐熱性を有するため望ましい。なお、ネオジムはアルミニウムとの合金にすると耐熱性が向上し、アルミニウムのヒロックを抑制することができる。また、シリコンは、トランジスタが有する半導体層と同時に形成することが可能であり、高い耐熱性を有する。また、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化珪素を含有するITO(ITSO)、酸化亜鉛(ZnO)、シリコン(Si)は透光性を有するため、光を透過させるような部分に用いる際には特に望ましい。これらは、例えば画素電極や共通電極として用いることができる。
なお、配線や電極は、上記材料を用いて形成された単層構造もしくは多層構造であってもよい。例えば、単層構造で形成する場合には、製造工程を簡略化することができ、コストを低減することができる。また、多層構造では、それぞれの材料のメリットを生かし、デメリットを低減させることが可能であるため、性能に優れた配線や電極を形成することができる。たとえば、抵抗の低い材料(アルミニウムなど)を多層構造の中に含むように形成することにより、配線の低抵抗化を図ることができる。また、耐熱性の高い材料を含むような構成(例えば、耐熱性が低いが他のメリットを有する材料を耐熱性が高い材料で挟むような積層構造)にすれば、耐熱性を向上でき、なおかつ単層では生かせなかったメリットを生かすことが可能となる。例えば、アルミニウムを含む層をモリブデンやチタンを含む層により挟む構成の配線や電極を用いると望ましい。また、配線や電極が他の材料の配線や電極等と直接接するような部分がある場合、お互いに悪影響を及ぼすことがある。例えば、一方の材料が他方の材料の中に混入し、各々の材料の性質を変えてしまい、本来の目的を果たせなくなったり、製造する際に問題が生じ正常に製造できなくなったりすることがある。このような場合、ある層を他の層で挟んだり、覆ったりすることにより解決することができる。例えば、インジウム錫酸化物(ITO)とアルミニウムを接触させたい場合は、間にチタンやモリブデンを挟むことが望ましい。また、シリコンとアルミニウムを接触させたい場合も同様に、間にチタンやモリブデンを挟むことが望ましい。
次に、トランジスタ1713に非結晶性の半導体膜を半導体層に用いた順スタガ構造のトランジスタについて説明する。画素の部分断面図を図20に示す。なお、図20では、順スタガ構造のトランジスタを記すと共に、画素が有する容量素子についても合わせて説明する。
図20に示すように、基板2011上に下地膜2012が形成されている。さらに下地膜2012上に画素電極2013が形成されている。また、画素電極2013と同層に同じ材料からなる第1の電極2014が形成されている。
さらに、下地膜2012上に配線2015及び配線2016が形成され、画素電極2013の端部は配線2015で覆われている。配線2015及び配線2016の上部にN型の導電型を有するN型半導体層2017及びN型半導体層2018が形成されている。また、配線2015と配線2016の間であって、下地膜2012上に半導体層2019が形成されている。そして、半導体層2019の一部はN型半導体層2017及びN型半導体層2018上にまで延長されている。なお、この半導体層はアモルファスシリコン(a−Si:H)等の非晶質半導体、セミアモルファス半導体、微結晶半導体等の非結晶性の半導体膜で形成されている。また、半導体層2019上にゲート絶縁膜2020が形成されている。また、ゲート絶縁膜2020と同層の同じ材料からなる絶縁膜2021が第1の電極2014上にも形成されている。
さらに、ゲート絶縁膜2020上に、ゲート電極2022が形成され、トランジスタ2025が形成されている。また、ゲート電極2022と同層に同じ材料でなる第2の電極2023が第1の電極2014上に絶縁膜2021を介して形成され、絶縁膜2021が第1の電極2014と第2の電極2023とで挟まれた構成の容量素子2024が形成されている。また、画素電極2013の端部、トランジスタ2025及び容量素子2024を覆って、層間絶縁膜2026が形成されている。
層間絶縁膜2026及びその開口部に位置する画素電極2013上に発光物質を含む層2027及び対向電極2028が形成され、発光物質を含む層2027が画素電極2013と対向電極2028とで挟まれた領域で発光素子2029が形成されている。
また、図20(a)に示す第1の電極2014を図20(b)に示すように配線2015及び2016と同層の同一材料で形成し、絶縁膜2021が第1の電極2030と第2の電極2023とで挟まれた構成の容量素子2031としても良い。また、図20において、トランジスタ2025にNチャネル型トランジスタを用いたが、Pチャネル型トランジスタでも良い。
基板2011、下地膜2012、画素電極2013、ゲート絶縁膜2020、ゲート電極2022、層間絶縁膜2026、発光物質を含む層2027及び対向電極2028に用いられる材料は、図17において説明した基板1711、下地膜1712、画素電極1724、ゲート絶縁膜1715、ゲート電極1716、層間絶縁膜1730及び1731、発光物質を含む層1726及び対向電極1727と同様の材料をそれぞれ用いることができる。また、配線2015、配線2016は、図17におけるソース電極及びドレイン電極1723と同様の材料を用いれば良い。
次に、半導体層に非結晶性の半導体膜を用いたトランジスタの他の構成として、基板と半導体層の間にゲート電極が挟まれた構造、つまり半導体層の下にゲート電極が位置するボトムゲート型のトランジスタを有する画素の部分断面図を図21に示す。
基板2111上に下地膜2112が形成されている。さらに下地膜2112上にゲート電極2113が形成されている。また、ゲート電極2113と同層に同じ材料からなる第1の電極2114が形成されている。ゲート電極2113の材料には図17におけるゲート電極1716に使用される材料の他、リンが添加された多結晶シリコンや金属とシリコンの化合物であるシリサイドでもよい。
また、ゲート電極2113及び第1の電極2114を覆うようにゲート絶縁膜2115が形成されている。
ゲート絶縁膜2115上に、半導体層2116が形成されている。また、半導体層2116と同層に同じ材料からなる半導体層2117が第1の電極2114上に形成されている。なお、この半導体層はアモルファスシリコン(a−Si:H)等の非晶質半導体、セミアモルファス半導体、微結晶半導体等の非結晶性の半導体膜で形成されている。
半導体層2116上にはN型の導電型を有するN型半導体層2118及びN型半導体層2119が形成され、半導体層2117上にはN型半導体層2120が形成されている。
N型半導体層2118及びN型半導体層2119上にはそれぞれ配線2121、配線2122が形成され、トランジスタ2129が形成された。また、N型半導体層2120上には配線2121及び配線2122と同層の同一材料からなる導電層2123が形成され、この導電層2123と、N型半導体層2120と、半導体層2117とで第2の電極を構成している。なお、この第2の電極と第1の電極2114とでゲート絶縁膜2115が挟み込まれた構成の容量素子2130が形成されている。
また、配線2121の一方の端部は延在し、その延在した配線2121上部に接して画素電極2124が形成されている。
また、画素電極2124の端部、トランジスタ2129及び容量素子2130を覆うように絶縁物2125が形成されている。
画素電極2124及び絶縁物2125上には発光物質を含む層2126及び対向電極2127が形成され、画素電極2124と対向電極2127とで発光物質を含む層2126が挟まれた領域では発光素子2128が形成されている。
容量素子2130の第2の電極の一部となる半導体層2117及びN型半導体層2120は特に設けなくても良い。つまり、第2の電極を導電層2123とし、第1の電極2114と導電層2123とでゲート絶縁膜2115が挟まれた構造の容量素子としてもよい。
また、トランジスタ2129にNチャネル型トランジスタを用いたが、Pチャネル型トランジスタでも良い。
なお、図21(a)において、配線2121を形成する前に画素電極2124を形成することで、図21(b)に示すような画素電極2124と同層の同一材料からなる第2の電極2131と第1の電極2114とでゲート絶縁膜2115が挟まれた構成の容量素子2132を形成することができる。
逆スタガ型のチャネルエッチ構造のトランジスタについて示したが、もちろんチャネル保護構造のトランジスタでも良い。次に、チャネル保護構造のトランジスタの場合について図22を用いて説明する。なお、図22において、図21と同様のものに関しては共通の符号を用いて示す。
図22(a)に示すチャネル保護型構造のトランジスタ2201は、図21(a)に示したチャネルエッチ構造のトランジスタ2129とは半導体層2116においてチャネルが形成される領域上にエッチングのマスクとなる絶縁物2202が設けられている点で異なる。
同様に、図22(b)に示すチャネル保護型構造のトランジスタ2201は、図21(b)に示したチャネルエッチ構造のトランジスタ2129とは半導体層2116においてチャネルが形成される領域上にエッチングのマスクとなる絶縁物2202が設けられている点で異なる。
本発明の画素を構成するトランジスタの半導体層に非結晶性の半導体膜を用いることで、製造コストを削減することができる。なお、各材料には図17において説明したものを用いることができる。
また、トランジスタの構造や容量素子の構成は上述したものに限られず、さまざまな構造もしくは構成のトランジスタや容量素子を用いることができる。
また、トランジスタの半導体層にはアモルファスシリコン(a−Si:H)等の非晶質半導体、セミアモルファス半導体、微結晶半導体等の非結晶性の半導体膜の他、ポリシリコン(p−Si:H)等の結晶性半導体膜を用いても良い。
図23に、半導体層に結晶性半導体膜を用いたトランジスタを有する画素の部分断面図を示し、以下に説明する。なお、図23に示すトランジスタ2318は、図29で示したマルチゲート型のトランジスタである。
図23に示すように、基板2301上に下地膜2302が形成され、その上に半導体層2303が形成されている。なお、半導体層2303は、結晶性半導体膜を所望の形状にパターニングし形成する。
結晶性半導体膜の作製方法の一例を以下に記す。まず、基板2301上にスパッタ法、CVD法等によりアモルファスシリコン膜を成膜する。成膜材料は、アモルファスシリコン膜に限定する必要はなく、非晶質半導体、セミアモルファス半導体、微結晶半導体等の非結晶性半導体膜であれば良い。また、非晶質シリコンゲルマニウム膜などの非晶質構造を含む化合物半導体膜を用いても良い。
そして、成膜したアモルファスシリコン膜を熱結晶化法、レーザー結晶化法、またはニッケルなどの触媒元素を用いた熱結晶化法等を用いて結晶化し、結晶性半導体膜を得る。なお、これらの結晶化方法を組み合わせて結晶化しても良い。
熱結晶化法により結晶性半導体膜を形成する場合には、加熱炉、レーザ照射、若しくはRTA(Rapid Thermal Annealing)、又はこれらを組み合わせて用いることができる。
また、レーザー結晶化法により結晶性半導体膜を形成する場合には、連続発振型のレーザビーム(CWレーザビーム)やパルス発振型のレーザビーム(パルスレーザビーム)を用いることができる。ここで用いることができるレーザビームは、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザなどの気体レーザ、単結晶のYAG、YVO4、フォルステライト(Mg2SiO4)、YAlO3、GdVO4、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y2O3、YVO4、YAlO3、GdVO4に、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザのうち一種または複数種から発振されるものを用いることができる。このようなレーザビームの基本波、及びこれらの基本波の第2高調波から第4高調波のレーザビームを照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、Nd:YVO4レーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いることができる。このときレーザのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)必要である。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度として照射する。
なお、単結晶のYAG、YVO4、フォルステライト(Mg2SiO4)、YAlO3、GdVO4、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y2O3、YVO4、YAlO3、GdVO4に、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、Arイオンレーザ、またはTi:サファイアレーザは、連続発振をさせることが可能であり、Qスイッチ動作やモード同期などを行うことによって10MHz以上の発振周波数でパルス発振をさせることも可能である。10MHz以上の発振周波数でレーザビームを発振させると、半導体膜がレーザによって溶融してから固化するまでの間に、次のパルスが半導体膜に照射される。従って、発振周波数が低いパルスレーザを用いる場合と異なり、半導体膜中において固液界面を連続的に移動させることができるため、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を得ることができる。
また、ニッケルなどの触媒元素を用いた熱結晶化法により結晶性半導体膜を形成する場合には、結晶化後にニッケルなどの触媒元素を除去するゲッタリング処理を行うことが好ましい。
上述した結晶化によって、非晶質半導体膜に部分的に結晶化された領域が形成される。この部分的に結晶化された結晶性半導体膜を所望の形状にパターニングして島状の半導体膜を形成する。この半導体膜をトランジスタの半導体層2303に用いる。
また、結晶性半導体層は、トランジスタ2318のチャネル形成領域2304及びソース領域又はドレイン領域となる不純物領域2305に用いられる他、容量素子2319の下部電極となる半導体層2306及び不純物領域2308にも用いられる。なお、不純物領域2308は特に設ける必要はない。また、チャネル形成領域2304及び半導体層2306にはチャネルドープが行われていても良い。
次に、半導体層2303及び容量素子2319の下部電極上にはゲート絶縁膜2309が形成されている。さらに、半導体層2303上にはゲート絶縁膜2309を介してゲート電極2310が、容量素子2319の半導体層2306上にはゲート絶縁膜2309を介してゲート電極2310と同層に同じ材料からなる上部電極2311が形成されている。このようにして、トランジスタ2318及び容量素子2319が作製される。
次に、トランジスタ2318及び容量素子2319を覆って層間絶縁膜2312が形成され、層間絶縁膜2312上にはコンタクトホールを介して不純物領域2305と接する配線2313が形成されている。そして、配線2313に接して層間絶縁膜2312上には画素電極2314が形成され、画素電極2314の端部及び配線2313を覆って絶縁物2315が形成されている。さらに、画素電極2314上に発光物質を含む層2316及び対向電極2317が形成され、画素電極2314と対向電極2317とで発光物質を含む層2316が挟まれた領域では発光素子2320が形成されている。
また、半導体層にポリシリコン(p−Si:H)等の結晶性半導体膜を用いたボトムゲート型のトランジスタを有する画素の部分断面を図24に示す。
基板2401上に下地膜2402が形成され、その上にゲート電極2403が形成されている。また、ゲート電極2403と同層に同じ材料からなる容量素子2423の第1の電極2404が形成されている。
また、ゲート電極2403及び第1の電極2404を覆うようにゲート絶縁膜2405が形成されている。
また、ゲート絶縁膜2405上に、半導体層が形成されている。なお、半導体膜は、非晶質半導体、セミアモルファス半導体、微結晶半導体等の非結晶性半導体膜を熱結晶化法、レーザー結晶化法、またはニッケルなどの触媒元素を用いた熱結晶化法等を用いて結晶化し、所望の形状にパターニングして半導体層を形成する。
なお、半導体層を用いてトランジスタ2422のチャネル形成領域2406、LDD領域2407及びソース領域又はドレイン領域となる不純物領域2408、並びに容量素子2423の第2の電極となる領域2409、不純物領域2410及び不純物領域2411が形成される。なお、不純物領域2410及び不純物領域2411は特に設けなくても良い。また、チャネル形成領域2406及び領域2409は不純物が添加されていても良い。
なお、容量素子2423はゲート絶縁膜2405が第1の電極2404及び半導体層から形成された領域2409等からなる第2の電極で挟まれた構成である。
次に、半導体層を覆って第1の層間絶縁膜2412が形成され、第1の層間絶縁膜2412上にコンタクトホールを介して不純物領域2408と接する配線2413が形成されている。
また、第1の層間絶縁膜2412には開口部2415が形成されている。トランジスタ2422、容量素子2423及び開口部2415を覆うように第2の層間絶縁膜2416が形成され、第2の層間絶縁膜2416上にコンタクトホールを介して、配線2413と接続された画素電極2417が形成されている。また、画素電極2417の端部を覆って絶縁物2418が形成されている。そして、画素電極2417上に発光物質を含む層2419及び対向電極2420が形成され、画素電極2417と対向電極2420とで発光物質を含む層2419が挟まれた領域では発光素子2421が形成されている。なお、発光素子2421の下部に開口部2415が位置している。つまり、発光素子2421からの発光を基板側から取り出すときには第1の層間絶縁膜2412に開口部2415を有するため透過率を高めることができる。
本発明の画素を構成するトランジスタの半導体層に結晶性半導体膜を用いることで、例えば、図9における走査線駆動回路912及び信号線駆動回路911を画素部913と一体形成することが容易になる。
なお、半導体層に結晶性半導体膜を用いたトランジスタにおいても構造は上述したものに限られず、さまざまな構造をとることができる。なお、容量素子においても同様である。また、本実施形態において、特に断りがない限り図17における材料を適宜使用することができる。
本実施形態で示したトランジスタは、実施の形態1乃至6に記載した画素において発光素子に供給する電流値を制御するトランジスタとして利用することができる。よって、実施の形態1乃至6に記載したように画素を動作させることで、トランジスタのしきい値電圧のばらつきに起因した電流値のばらつきを抑制することができる。よって、輝度データに対応した電流を発光素子に供給することができ、輝度のばらつきを抑制することが可能となる。また、対向電極の電位を一定として動作させるため消費電力を低くすることが可能である。
また、このような画素を図9の表示装置に適用することにより、各画素は自身のアドレス期間を除き発光することが可能であるため、1フレーム期間における発光期間の割合(即ち、デューティー比)を非常に大きくでき、おおむね100%にすることもできる。よって、輝度のばらつきが少なくデューティー比が高い表示装置を得ることができる。
また、しきい値電圧書き込み期間を長く設定することも可能であるため、発光素子に流れる電流値を制御するトランジスタのしきい値電圧をより正確に容量素子に書き込むことができる。よって、表示装置としての信頼性が向上する。
(実施の形態8)
本実施形態では、実施の形態7に示した発光素子とは異なる構成を有する素子について説明する。
エレクトロルミネセンスを利用する発光素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。前者は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有し、後者は、発光材料の薄膜からなる発光層を有している点に違いはあるが、高電界で加速された電子を必要とする点では共通である。なお、得られる発光のメカニズムとしては、ドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光と、金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光とがある。一般的に、分散型無機EL素子ではドナー−アクセプター再結合型発光、薄膜型無機EL素子では局在型発光である場合が多い。
本実施形態で使用される発光材料は、少なくとも母体材料と発光中心となる不純物元素(発光物質とも言う)とで構成される。含有させる不純物元素を変化させることで、様々な色の発光を得ることができる。発光材料の作製方法としては、固相法や液相法(共沈法)などの様々な方法を用いることができる。また、噴霧熱分解法、複分解法、プレカーサーの熱分解反応による方法、逆ミセル法やこれらの方法と高温焼成を組み合わせた方法、凍結乾燥法などの液相法なども用いることができる。
固相法は、母体材料と、不純物元素又は不純物元素を含む化合物を秤量し、乳鉢で混合、電気炉で加熱、焼成を行い反応させ、母体材料に不純物元素を含有させる方法である。焼成温度は、700〜1500℃が好ましい。温度が低すぎる場合は固相反応が進まず、温度が高すぎる場合は母体材料が分解してしまうからである。なお、粉末状態で焼成を行ってもよいが、ペレット状態で焼成を行うことが好ましい。比較的高温での焼成を必要とするが、簡単な方法であるため、生産性がよく大量生産に適している。
液相法(共沈法)は、母体材料又は母体材料を含む化合物と、不純物元素又は不純物元素を含む化合物を溶液中で反応させ、乾燥させた後、焼成を行う方法である。発光材料の粒子が均一に分布し、粒径が小さく低い焼成温度でも反応が進むことができる。
発光材料に用いる母体材料としては、硫化物、酸化物、窒化物を用いることができる。硫化物としては、例えば、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化カルシウム(CaS)、硫化イットリウム(Y2S3)、硫化ガリウム(Ga2S3)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化バリウム(BaS)等を用いることができる。また、酸化物としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y2O3)等を用いることができる。また、窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)等を用いることができる。さらに、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)等も用いることができ、硫化カルシウム−ガリウム(CaGa2S4)、硫化ストロンチウム−ガリウム(SrGa2S4)、硫化バリウム−ガリウム(BaGa2S4)等の3元系の混晶であってもよい。
局在型発光の発光中心として、マンガン(Mn)、銅(Cu)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)などを用いることができる。なお、電荷補償として、フッ素(F)、塩素(Cl)などのハロゲン元素が添加されていてもよい。
一方、ドナー−アクセプター再結合型発光の発光中心として、ドナー準位を形成する第1の不純物元素及びアクセプター準位を形成する第2の不純物元素を含む発光材料を用いることができる。第1の不純物元素は、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、アルミニウム(Al)等を用いることができる。第2の不純物元素としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)等を用いることができる。
ドナー−アクセプター再結合型発光の発光材料を固相法を用いて合成する場合、母体材料と、第1の不純物元素又は第1の不純物元素を含む化合物と、第2の不純物元素又は第2の不純物元素を含む化合物をそれぞれ秤量し、乳鉢で混合した後、電気炉で加熱、焼成を行う。母体材料としては、上述した母体材料を用いることができ、第1の不純物元素又は第1の不純物元素を含む化合物としては、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、硫化アルミニウム(Al2S3)等を用いることができ、第2の不純物元素又は第2の不純物元素を含む化合物としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、硫化銅(Cu2S)、硫化銀(Ag2S)等を用いることができる。焼成温度は、700〜1500℃が好ましい。温度が低すぎる場合は固相反応が進まず、温度が高すぎる場合は母体材料が分解してしまうからである。なお、粉末状態で焼成を行ってもよいが、ペレット状態で焼成を行うことが好ましい。
また、固相反応を利用する場合の不純物元素として、第1の不純物元素と第2の不純物元素で構成される化合物を組み合わせて用いてもよい。この場合、不純物元素が拡散されやすく、固相反応が進みやすくなるため、均一な発光材料を得ることができる。さらに、余分な不純物元素が入らないため、純度の高い発光材料が得ることができる。第1の不純物元素と第2の不純物元素で構成される化合物としては、例えば、塩化銅(CuCl)、塩化銀(AgCl)等を用いることができる。
なお、これらの不純物元素の濃度は、母体材料に対して0.01〜10atom%であればよく、好ましくは0.05〜5atom%の範囲である。
薄膜型無機EL素子の場合、発光層は、上記発光材料を含む層であり、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着(EB蒸着)法等の真空蒸着法、スパッタリング法等の物理気相成長法(PVD)、有機金属CVD法、ハイドライド輸送減圧CVD法等の化学気相成長法(CVD)、原子エピタキシ法(ALE)等を用いて形成することができる。
図46(A)乃至(C)に発光素子として用いることのできる薄膜型無機EL素子の一例を示す。図46(A)乃至(C)において、発光素子は、第1の電極4601、発光層4602、第2の電極4603を含む。
図46(B)及び図46(C)に示す発光素子は、図46(A)の発光素子の電極と発光層との間に絶縁層を設けた構造である。図46(B)に示す発光素子は、第1の電極4601と発光層4602との間に絶縁層4604を有し、図46(C)に示す発光素子は、第1の電極4601と発光層4602との間に絶縁層4604aを、第2の電極4603と発光層4603との間に絶縁層4604bを有している。このように絶縁層を発光層を挟持する一対の電極のうちの一方と発光層との間にのみ設けてもよいし、両方の間に設けてもよい。また、絶縁層は単層でもよいし複数層からなる積層でもよい。
図46(B)では第1の電極4601に接するように絶縁層4604が設けられているが、絶縁層と発光層の順番を逆にして、第2の電極4603に接するように絶縁層4604を設けてもよい。
分散型無機EL素子の場合、粒子状の発光材料をバインダ中に分散させ膜状の発光層を形成する。発光材料の作製方法によって、所望の大きさの粒子が得られない場合は、乳鉢等で粉砕などによって粒子状に加工すればよい。バインダとは、粒状の発光材料を分散した状態で固定し、発光層としての形状に保持するための物質である。発光材料は、バインダによって発光層中に均一に分散し固定される。
分散型無機EL素子の場合、発光層の形成方法は、選択的に発光層を形成できる液滴吐出法や、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷など)、スピンコート法などの塗布法、ディッピング法、ディスペンサ法などを用いることもできる。膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは10〜1000nmの範囲である。また、発光材料及びバインダを含む発光層において、発光材料の割合は50wt%以上80wt%以下とするよい。
図47(A)乃至(C)に発光素子として用いることのできる分散型無機EL素子の一例を示す。図47(A)における発光素子は、第1の電極4601、発光層4702、第2の電極4603の積層構造を有し、発光層4702中にバインダによって保持された発光材料4710を含む。
本実施の形態に用いることのできるバインダとしては、絶縁性を有する有機材料や、無機材料を用いることができる。なお、有機材料及び無機材料の混合材料を用いてもよい。有機材料としては、シアノエチルセルロース系樹脂のように、比較的誘電率の高いポリマーや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ化ビニリデンなどの樹脂を用いることができる。また、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazole)などの耐熱性高分子、又はシロキサン樹脂を用いてもよい。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基として少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、アリール基)が用いられる。この他、置換基としてフルオロ基を用いてもよい。また、置換基として少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。また、有機材料は上記の他、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニル樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、オキサゾール樹脂(ポリベンゾオキサゾール)等の樹脂材料を用いてもよい。これらの樹脂に、チタン酸バリウム(BaTiO3)やチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)などの高誘電率の微粒子を適度に混合して誘電率を調整することもできる。
また、バインダに含まれる無機材料としては、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸素及び窒素を含む珪素、窒化アルミニウム(AlN)、酸素及び窒素を含むアルミニウムまたは酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化チタン(TiO2)、BaTiO3、SrTiO3、チタン酸鉛(PbTiO3)、ニオブ酸カリウム(KNbO3)、ニオブ酸鉛(PbNbO3)、酸化タンタル(Ta2O5)、タンタル酸バリウム(BaTa2O6)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、硫化亜鉛(ZnS)その他の無機材料を含む物質から選ばれる材料で形成することができる。有機材料に、誘電率の高い無機材料を含ませる(添加等によって)ことによって、発光材料及びバインダよりなる発光層の誘電率をより大きくすることができる。
作製工程において、発光材料はバインダを含む溶液中に分散されるが本実施の形態に用いることのできるバインダを含む溶液の溶媒としては、バインダ材料が溶解し、発光層を形成する方法(各種ウエットプロセス)及び所望の膜厚に適した粘度の溶液を作製できるような溶媒を適宜選択すればよい。有機溶媒等を用いることができ、例えばバインダとしてシロキサン樹脂を用いる場合は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEAともいう)、3−メトシキ−3メチル−1−ブタノール(MMBともいう)などを用いることができる。
図47(B)及び図47(C)に示す発光素子は、図47(A)の発光素子の電極と発光層間に絶縁層を設けた構造である。図47(B)に示す発光素子は、第1の電極4601と発光層4702との間に絶縁層4604を有し、図47(C)に示す発光素子は、第1の電極4601と発光層4702との間に絶縁層4604a、第2の電極4603と発光層4702との間に絶縁層4604bとを有している。このように絶縁層を発光層を挟持する一対の電極のうちの一方と発光層との間にのみ設けてもよいし、両方の間に設けてもよい。また、絶縁層は単層でもよいし複数層からなる積層でもよい。
図47(B)では第1の電極4601に接するように絶縁層4604が設けられているが、絶縁層と発光層の順序を逆にして、第2の電極4603に接するように絶縁層4604を設けてもよい。
図46及び図47における絶縁層4604、4604a、4604bは、特に限定されることはないが、絶縁耐性が高く、緻密な膜質であることが好ましく、さらには、誘電率が高いことが好ましい。例えば、酸化シリコン(SiO2)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、窒化シリコン(Si3N4)、酸化ジルコニウム(ZrO2)等やこれらの混合膜又は2種以上の積層膜を用いることができる。これらの絶縁膜は、スパッタリング、蒸着、CVD等により成膜することができる。また、絶縁層はこれら絶縁材料の粒子をバインダ中に分散して成膜してもよい。バインダ材料は、発光層に含まれるバインダと同様な材料、方法を用いて形成すればよい。膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは10〜1000nmの範囲である。
なお、第1の電極4601及び第2の電極4603には、金属、合金、導電性化合物、及びこれらの混合物などを用いることができる。例えば、実施の形態7に記載した画素電極1801及び対向電極1802に用いた材料を適宜選択して用いることができる。
なお、本実施の形態で示す発光素子は、発光層を挟持する一対の電極間、すなわち第1の電極4601及び第2の電極4603に電圧を印加することで発光が得られる。
以上のようにして得られた無機EL素子は、実施の形態7における発光素子として用いることができる他、他の実施の形態とも自由に組み合わせることができる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、本発明の表示装置の一形態について図25を用いて説明する。
図25(a)は、表示装置を示す上面図、図25(b)は図25(a)中A−A’線断面図(A−A’で切断した断面図)である。表示装置は、基板2510上に図中において点線で示された信号線駆動回路2501、画素部2502、第1の走査線駆動回路2503、第2の走査線駆動回路2506を有する。さらに、封止基板2504、シール材2505を有し、これらで囲まれた表示装置の内側は、空間2507となっている。
なお、配線2508は第1の走査線駆動回路2503、第2の走査線駆動回路2506及び信号線駆動回路2501に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)2509からビデオ信号、クロック信号、スタート信号等を受け取る。FPC2509と表示装置との接続部上にはICチップ(メモリ回路や、バッファ回路などが形成された半導体チップ)2518及び2519がCOG(Chip On Glass)等で実装されている。なお、ここではFPCしか図示していないが、このFPCにはプリント配線基盤(PWB)が取り付けられていてもよい。本発明の表示装置とは、表示装置本体だけでなく、FPCもしくはPWBが取り付けられた状態も含むものとする。また、ICチップなどが実装されたものを含むものとする。
断面構造について図25(b)を用いて説明する。基板2510上には画素部2502とその周辺駆動回路(第1の走査線駆動回路2503、第2の走査線駆動回路2506及び信号線駆動回路2501)が形成されているが、ここでは、信号線駆動回路2501と、画素部2502が示されている。
なお、信号線駆動回路2501はNチャネル型トランジスタ2520、2521のように同一導電型のトランジスタで構成されている。もちろん、Pチャネル型トランジスタや同一導電型のトランジスタだけでなくPチャネル型トランジスタも用いてCMOS回路を形成しても良い。また、本実施形態では、基板上に周辺駆動回路を一体形成した表示パネルを示しているが、必ずしもその必要はなく、周辺駆動回路の全てもしくは一部をICチップなどに形成し、COGなどで実装しても良い。
画素部2502は、実施の形態1乃至6に記載した画素が用いられている。なお、図25(b)にはスイッチとして機能するトランジスタ2511と、発光素子に供給する電流値を制御するトランジスタ2512と、発光素子2528が示されている。なお、トランジスタ2512の第1の電極は発光素子2528の画素電極2513と接続されている。また、画素電極2513の端部を覆って絶縁物2514が形成されている。ここでは、絶縁物2514はポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成する。
また、カバレッジを良好なものとするため、絶縁物2514の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物2514の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物2514の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物2514として、感光性の光によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。
また、画素電極2513上には、発光物質を含む層2516および対向電極2517が形成される。発光物質を含む層2516には、少なくとも発光層が設けられていれば、その他の層については特には限定されず、適宜選択することができる。
さらにシール材2505を用いて封止基板2504と基板2510とを貼り合わせることにより、基板2510、封止基板2504、およびシール材2505で囲まれた空間2507に発光素子2528が備えられた構造になっている。なお、空間2507には、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材2505で充填される構成も含むものとする。
なお、シール材2505にはエポキシ系樹脂を用いることが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。封止基板2504に用いる材料としては、ガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
画素部2502に実施の形態1乃至6に記載した画素を用い動作させることで、画素間もしくは画素における経時的な輝度のばらつきを抑制することができ、さらにデューティー比が高い高品質な表示装置を得ることができる。また、本発明では、対向電極の電位を一定とし動作させるため消費電力を低くすることが可能である。
図25示すように、信号線駆動回路2501、画素部2502、第1の走査線駆動回路2503及び第2の走査線駆動回路2506を一体形成することで、表示装置の低コスト化が図れる。また、この場合において、信号線駆動回路2501、画素部2502、第1の走査線駆動回路2503及び第2の走査線駆動回路2506に用いられるトランジスタを同一導電型とすることで作製工程の簡略化が図れるためさらなる低コスト化を図ることができる。
以上のようにして、本発明の表示装置を得ることができる。なお、上述した構成は一例であって本発明の表示装置の構成はこれに限定されない。
なお、表示装置の構成としては、図26に示すように信号線駆動回路2601をICチップ上に形成して、COG等で表示装置に実装した構成としても良い。なお、図26(a)における基板2600、画素部2602、第1の走査線駆動回路2603、第2の走査線駆動回路2604、FPC2605、ICチップ2606、ICチップ2607、封止基板2608、シール材2609はそれぞれ図25(a)における基板2510、画素部2502、第1の走査線駆動回路2503、第2の走査線駆動回路2506、FPC2509、ICチップ2518、ICチップ2519、封止基板2504、シール材2505に相当する。
つまり、駆動回路の高速動作が要求される信号線駆動回路のみを、CMOS等を用いてICチップに形成し、低消費電力化を図る。また、ICチップはシリコンウエハ等の半導体チップとすることで、より高速動作且つ低消費電力化を図ることが可能である。
なお、第1の走査線駆動回路2603や第2の走査線駆動回路2604を画素部2602と一体形成することで、低コスト化が図れる。そして、この第1の走査線駆動回路2603、第2の走査線駆動回路2604及び画素部2602は同一導電型のトランジスタで構成することでさらなる低コスト化が図れる。そのとき、第1の走査線駆動回路2603及び第2の走査線駆動回路2604にブートトラップ回路を用いることにより出力電位が低くなってしまうことを防止することができる。また、第1の走査線駆動回路2603及び第2の走査線駆動回路2604を構成するトランジスタの半導体層にアモルファスシリコンを用いた場合、劣化によりしきい値電圧が変動するため、これを補正する機能を有することが好ましい。
なお、画素部2602に実施の形態1乃至6に記載した画素を用い動作させることで、画素間もしくは画素における経時的な輝度のばらつきを抑制することができ、さらにデューティー比が高い高品質な表示装置を得ることができる。また、本発明では、対向電極の電位を一定とし動作させるため消費電力を低くすることが可能である。また、FPC2605と基板2600との接続部において機能回路(メモリやバッファ)が形成されたICチップを実装することで基板面積を有効利用することができる。
また、図25(a)の信号線駆動回路2501、第1の走査線駆動回路2503及び第2の走査線駆動回路2506に相当する信号線駆動回路2611、第1の走査線駆動回路2613及び第2の走査線駆動回路2614を、図26(b)に示すようにICチップ上に形成して、COG等で表示パネルに実装した構成としても良い。なお、図26(b)における基板2610、画素部2612、FPC2615、ICチップ2616、ICチップ2617、封止基板2618、シール材2619はそれぞれ図25(a)における基板2510、画素部2502、FPC2509、ICチップ2518、ICチップ2519、封止基板2504、シール材2505に相当する。
また、画素部2612のトランジスタの半導体層に非結晶性の半導体膜、例えばアモルファスシリコン(a−Si:H)を用いることにより低コスト化を図ることができる。さらに、大型の表示パネルを作製することも可能となる。
また、画素の行方向及び列方向に第1の走査線駆動回路、第2の走査線駆動回路及び信号線駆動回路を設けなくても良い。例えば、図27(a)に示すようにICチップ上に形成された周辺駆動回路2701が図26(b)に示す第1の走査線駆動回路2613、第2の走査線駆動回路2614及び信号線駆動回路2611の機能を有するようにしても良い。なお、図27(a)における基板2700、画素部2702、FPC2704、ICチップ2705、ICチップ2706、封止基板2707、シール材2708はそれぞれ図25(a)の基板2510、画素部2502、FPC2509、ICチップ2518、ICチップ2519、封止基板2504、シール材2505に相当する。
なお、図27(a)の表示装置の配線の接続を説明する模式図を図27(b)に示す。なお、図27(b)には、基板2710、周辺駆動回路2711、画素部2712、FPC2713、FPC2714が図示されている。
FPC2713及びFPC2714は周辺駆動回路2711に外部からの信号及び電源電位を入力する。そして、周辺駆動回路2711からの出力は、画素部2712の有する画素に接続された行方向及び列方向の配線に入力される。
また、発光素子に白色の発光素子を用いる場合、封止基板にカラーフィルターを設けることでフルカラー表示を実現することができる。このような表示装置にも本発明を適用することが可能である。図28に、画素部の部分断面図の一例を示す。
図28に示すように、基板2800上に下地膜2802が形成され、その上に発光素子に供給する電流値を制御するトランジスタ2801が形成され、トランジスタ2801の第1の電極に接して画素電極2803が形成され、その上に発光物質を含む層2804と対向電極2805が形成されている。
なお、画素電極2803と対向電極2805とで発光物質を含む層2804が挟まれているところが発光素子となる。なお、図28においては白色光を発光するものとする。そして、発光素子の上部には赤色のカラーフィルター2806R、緑色のカラーフィルター2806G、青色のカラーフィルター2806Bが設けられており、フルカラー表示を行うことができる。また、これらのカラーフィルターを隔離するためにブラックマトリクス(BMともいう)2807が設けられている。
本実施形態の表示装置は実施の形態1乃至6だけではなく、実施の形態7または8に記載した構成とも適宜組み合わせることが可能である。また、表示装置の構成は上記に限らず、本発明を他の構成の表示装置においても適用することができる。
(実施の形態10)
本発明の表示装置は様々な電子機器に適用することができる。具体的には、電子機器の表示部に適用することができる。なお、電子機器として、ビデオカメラやデジタルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。
図33(A)はディスプレイであり、筐体3301、支持台3302、表示部3303、スピーカー部3304、ビデオ入力端子3305等を含む。
なお、表示部3303には実施の形態1乃至6に記載した画素が用いられている。本発明により、画素間もしくは画素における経時的な輝度のばらつきを抑制することができ、さらにデューティー比が高い高品質な表示部を有するディスプレイを得ることができる。また、本発明では、対向電極の電位を一定とし動作させるため消費電力を低くすることが可能である。なお、ディスプレイは、パーソナルコンピュータ用、テレビジョン放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
なお、近年、ディスプレイの大型化のニーズが強くなっているなか、ディスプレイの大型化に伴い価格の上昇が問題となっている。そのため、いかに製造コストの削減を図り、高品質な製品を少しでも低価格に抑えるかが課題となる。
本発明の画素は、同一導電型のトランジスタで作製することができるため、工程数を減らし製造コストを削減することができる。また、画素を構成するトランジスタの半導体層に非結晶性の半導体膜、例えばアモルファスシリコン(a−Si:H)を用いることで、工程を簡略化し、さらなるコストダウンが図れる。この場合には、画素部周辺の駆動回路をICチップ上に形成し、COG(Chip On Glass)等で表示パネルに実装すると良い。なお、動作速度の高い信号線駆動回路はICチップ上に形成し、比較的動作速度の低い走査線駆動回路は画素部と共に同一導電型のトランジスタで構成される回路で一体形成しても良い。
図33(B)はカメラであり、本体3311、表示部3312、受像部3313、操作キー3314、外部接続ポート3315、シャッター3316等を含む。
なお、表示部3312には実施の形態1乃至6に記載した画素が用いられている。本発明により、画素間もしくは画素における経時的な輝度のばらつきを抑制することができ、さらにデューティー比が高い高品質な表示部を有するカメラを得ることができる。また、本発明では、対向電極の電位を一定とし動作させるため消費電力を低くすることが可能である。
また、近年、デジタルカメラなどの高性能化に伴い、生産競争は激化している。そして、高性能なものをいかに低価格に抑えるかが重要となる。
本発明の画素は、同一導電型のトランジスタで作製することができるため、工程数を減らし製造コストを削減することができる。また、画素を構成するトランジスタの半導体層に非結晶性の半導体膜、例えばアモルファスシリコン(a−Si:H)を用いることで、工程を簡略化し、さらなるコストダウンが図れる。この場合には、画素部周辺の駆動回路をICチップ上に形成し、COG等で表示パネルに実装すると良い。なお、動作速度の高い信号線駆動回路はICチップ上に形成し、比較的動作速度の低い走査線駆動回路は画素部と共に同一導電型のトランジスタで構成される回路で一体形成しても良い。
図33(C)はコンピュータであり、本体3321、筐体3322、表示部3323、キーボード3324、外部接続ポート3325、ポインティングデバイス3326等を含む。なお、表示部3323には実施の形態1乃至6に記載した画素が用いられている。本発明により、画素間もしくは画素における経時的な輝度のばらつきを抑制することができ、さらにデューティー比が高い高品質な表示部を有するコンピュータを得ることができる。また、本発明では、対向電極の電位を一定とし動作させるため消費電力を低くすることが可能である。また、画素部を構成するトランジスタに同一導電型のトランジスタやトランジスタの半導体層に非結晶性の半導体膜を用いることで低コスト化を図ることができる。
図33(D)はモバイルコンピュータであり、本体3331、表示部3332、スイッチ3333、操作キー3334、赤外線ポート3335等を含む。なお、表示部3332には実施の形態1乃至6に記載した画素が用いられている。本発明により、画素間もしくは画素における経時的な輝度のばらつきを抑制することができ、さらにデューティー比が高い高品質な表示部を有するモバイルコンピュータを得ることができる。また、本発明では、対向電極の電位を一定とし動作させるため消費電力を低くすることが可能である。また、画素部を構成するトランジスタに同一導電型のトランジスタやトランジスタの半導体層に非結晶性の半導体膜を用いることで低コスト化を図ることができる。
図33(E)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体3341、筐体3342、表示部A3343、表示部B3344、記録媒体(DVD等)読み込み部3345、操作キー3346、スピーカー部3347等を含む。表示部A3343は主として画像情報を表示し、表示部B3344は主として文字情報を表示することができる。なお、表示部A3343や表示部B3344には実施の形態1乃至6に記載した画素が用いられている。本発明により、画素間もしくは画素における経時的な輝度のばらつきを抑制することができ、さらにデューティー比が高い高品質な表示部を有する画像再生装置を得ることができる。また、本発明では、対向電極の電位を一定とし動作させるため消費電力を低くすることが可能である。また、画素部を構成するトランジスタに同一導電型のトランジスタやトランジスタの半導体層に非結晶性の半導体膜を用いることで低コスト化を図ることができる。
図33(F)はゴーグル型ディスプレイであり、本体3351、表示部3352、アーム部3353を含む。なお、表示部3352には実施の形態1乃至6に記載した画素が用いられている。本発明により、画素間もしくは画素における経時的な輝度のばらつきを抑制することができ、さらにデューティー比が高い高品質な表示部を有するゴーグル型ディスプレイを得ることができる。また、本発明では、対向電極の電位を一定とし動作させるため消費電力を低くすることが可能である。また、画素部を構成するトランジスタに同一導電型のトランジスタやトランジスタの半導体層に非結晶性の半導体膜を用いることで低コスト化を図ることができる。
図33(G)はビデオカメラであり、本体3361、表示部3362、筐体3363、外部接続ポート3364、リモコン受信部3365、受像部3366、バッテリー3367、音声入力部3368、操作キー3369、接眼部3360等を含む。なお、表示部3362には実施の形態1乃至6に記載した画素が用いられている。本発明により、画素間もしくは画素における経時的な輝度のばらつきを抑制することができ、さらにデューティー比が高い高品質な表示部を有するビデオカメラを得ることができる。また、本発明では、対向電極の電位を一定とし動作させるため消費電力を低くすることが可能である。また、画素部を構成するトランジスタに同一導電型のトランジスタやトランジスタの半導体層に非結晶性の半導体膜を用いることで低コスト化を図ることができる。
図33(H)は携帯電話機であり、本体3371、筐体3372、表示部3373、音声入力部3374、音声出力部3375、操作キー3376、外部接続ポート3377、アンテナ3378等を含む。なお、表示部3373には実施の形態1乃至6に記載した画素が用いられている。本発明により、画素間もしくは画素における経時的な輝度のばらつきを抑制することができ、さらにデューティー比が高い高品質な表示部を有する携帯電話機を得ることができる。また、本発明では、対向電極の電位を一定とし動作させるため消費電力を低くすることが可能である。また、画素部を構成するトランジスタに同一導電型のトランジスタやトランジスタの半導体層に非結晶性の半導体膜を用いることで低コスト化を図ることができる。
このように本発明は、あらゆる電子機器に適用することが可能である。
(実施の形態11)
本実施の形態において、本発明の表示装置を表示部に有する携帯電話の構成例について図34を用いて説明する。
表示パネル3410はハウジング3400に脱着自在に組み込まれる。ハウジング3400は表示パネル3410のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。表示パネル3410を固定したハウジング3400はプリント基板3401に嵌入されモジュールとして組み立てられる。
表示パネル3410はFPC3411を介してプリント基板3401に接続される。プリント基板3401には、スピーカー3402、マイクロフォン3403、送受信回路3404、CPU及びコントローラなどを含む信号処理回路3405が形成されている。このようなモジュールと、入力手段3406、バッテリ3407を組み合わせ、筐体3409及び筐体3412に収納する。なお、表示パネル3410の画素部は筐体3412に形成された開口窓から視認できように配置する。
表示パネル3410は、画素部と一部の周辺駆動回路(複数の駆動回路のうち動作周波数の低い駆動回路)をトランジスタを用いて基板上に一体形成し、他の一部の周辺駆動回路(複数の駆動回路のうち動作周波数の高い駆動回路)をICチップ上に形成し、そのICチップをCOG(Chip On Glass)で表示パネル3410に実装しても良い。あるいは、そのICチップをTAB(Tape Automated Bonding)やプリント基板を用いてガラス基板と接続してもよい。また、全ての周辺駆動回路をICチップ上に形成し、そのICチップをCOGなどで表示パネルに実装しても良い。
なお、画素部には、実施の形態1乃至6に記載した画素を用いる。本発明により、画素間もしくは画素における経時的な輝度のばらつきを抑制することができ、さらにデューティー比が高い高品質な表示部を有する表示パネル3410を得ることができる。また、本発明では、対向電極の電位を一定とし動作させるため消費電力を低くすることが可能である。また、画素部を構成するトランジスタに同一導電型のトランジスタやトランジスタの半導体層に非結晶性の半導体膜を用いることで低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態に示した構成は携帯電話の一例であって、このような構成の携帯電話に限られず様々な構成の携帯電話に適用することができる。
(実施の形態12)
本実施形態では、表示パネルと、回路基板を組み合わせたELモジュールについて図35及び図36を用いて説明する。
図35に示すように、表示パネル3501は画素部3503、走査線駆動回路3504及び信号線駆動回路3505を有している。回路基板3502には、例えば、コントロール回路3506や信号分割回路3507などが形成されている。なお、表示パネル3501と回路基板3502は接続配線3508によって接続されている。接続配線3508にはFPC等を用いることができる。
表示パネル3501は、画素部と一部の周辺駆動回路(複数の駆動回路のうち動作周波数の低い駆動回路)をトランジスタを用いて基板上に一体形成し、他の一部の周辺駆動回路(複数の駆動回路のうち動作周波数の高い駆動回路)をICチップ上に形成し、そのICチップをCOG(Chip On Glass)で表示パネル3501に実装しても良い。あるいは、そのICチップをTAB(Tape Automated Bonding)やプリント基板を用いてガラス基板と接続してもよい。また、全ての周辺駆動回路をICチップ上に形成し、そのICチップをCOGなどで表示パネルに実装しても良い。
なお、画素部には、実施の形態1乃至6に記載した画素を用いる。本発明により、画素間もしくは画素における経時的な輝度のばらつきを抑制することができ、さらにデューティー比が高い高品質な表示パネル3501を得ることができる。また、本発明では、対向電極の電位を一定とし動作させるため消費電力を低くすることが可能である。また、画素部を構成するトランジスタに同一導電型のトランジスタやトランジスタの半導体層に非結晶性の半導体膜を用いることで低コスト化を図ることができる。
このようなELモジュールによりELテレビ受像機を完成させることができる。図36は、ELテレビ受像機の主要な構成を示すブロック図である。チューナ3601は映像信号と音声信号を受信する。映像信号は、映像信号増幅回路3602と、そこから出力される信号を赤、緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路3603と、その映像信号を駆動回路の入力仕様に変換するためのコントロール回路3506により処理される。コントロール回路3506は、走査線側と信号線側にそれぞれ信号を出力する。デジタル駆動する場合には、信号線側に信号分割回路3507を設け、入力デジタル信号をm個に分割して供給する構成としても良い。
チューナ3601で受信した信号のうち、音声信号は音声信号増幅回路3604に送られ、その出力は音声信号処理回路3605を経てスピーカー3606に供給される。制御回路3607は受信局(受信周波数)や音量の制御情報を入力部3608から受け、チューナ3601や音声信号処理回路3605に信号を送出する。
実施の形態10に記載した図33(A)の筐体3301に、図35のELモジュールを組みこんで、テレビ受像機を完成させることができる。
もちろん、本発明はテレビ受像機に限定されず、パーソナルコンピュータのモニタをはじめ、鉄道の駅や空港などにおける情報表示盤や、街頭における広告表示盤など特に大面積の表示媒体として様々な用途に適用することができる。