JP4797889B2 - 転写方法 - Google Patents

転写方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4797889B2
JP4797889B2 JP2006237117A JP2006237117A JP4797889B2 JP 4797889 B2 JP4797889 B2 JP 4797889B2 JP 2006237117 A JP2006237117 A JP 2006237117A JP 2006237117 A JP2006237117 A JP 2006237117A JP 4797889 B2 JP4797889 B2 JP 4797889B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transfer
substrate
transfer substrate
atmosphere
transferred
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006237117A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008059961A (ja
Inventor
功 紙山
好吉 小日向
吉田  孝
一行 江嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2006237117A priority Critical patent/JP4797889B2/ja
Publication of JP2008059961A publication Critical patent/JP2008059961A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4797889B2 publication Critical patent/JP4797889B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Description

本発明は、転写方法に関し、特に、有機電界発光素子(有機EL素子)の発光層の熱転写に用いる転写方法に関するものである。
有機材料のエレクトロルミネッセンス(Electroluminescence)を利用した有機電界発光素子は、下部電極と上部電極との間に、正孔輸送層や発光層を積層させた有機層を設けてなり、低電圧直流駆動による高輝度発光が可能な発光素子として注目されている。
このような有機電界発光素子を用いたフルカラーの表示装置は、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色の有機電界発光素子を基板上に配列形成してなる。このような表示装置の製造においては、少なくとも各色に発光する有機発光材料からなる発光層を、発光素子毎にパターン形成する必要がある。
この発光層のパターン形成方法の一つとして、エネルギー源(熱源)を用いた転写法(すなわち熱転写法)がある。転写法による薄膜のパターニングは、従来から液晶表示装置のカラーフィルタ(CF)の製造工程でよく行われてきた。この場合の転写方法としては、大気中で、一主面側に転写層が設けられた転写用基板を、転写層を被転写基板側に向けた状態で、被転写基板上に重ね合わせる。その後、転写用基板と被転写基板とを密着させるために、基板間を真空引きした後、押圧、加熱、レーザー照射等で転写を行う。
しかし、この方法では、パターニングの精度は問題がないものの、被転写基板と転写用基板を重ね合わせた状態で、基板間の真空引きを行うため、被転写基板と転写用基板の間の雰囲気はほとんど制御することができず、特に、例えば370mm×470mm以上の大型基板では、基板中央部の真空引きが困難である。このため、大気中の水や酸素により劣化する有機発光材料からなる発光層の転写への適用が難しい。
そこで、有機電界発光素子の発光層の転写方法として、真空チャンバー内で転写用基板と被転写基板を重ね合わせ、真空チャンバーを構成する厚みを有したガラス窓越しにレーザー光等を照射して転写を行う転写方法がある。
また、パターニングの精度を向上させるために、真空チャンバー内で転写用基板と被転写基板とを重ね合わせた後に、真空チャンバーの一部を構成する可動部材を開放し、この可動部材の開放により生じた真空チャンバーの開口を、被転写基板に重ね合わせた転写用基板で塞いだ状態で、転写用基板に直接レーザー光を照射する転写方法も報告されている(例えば、特許文献1参照)。
上述した2つの方法では、被転写基板と転写用基板の間を確実に真空雰囲気にすることができるとともに、基板間が大気中の水や酸素に晒されることがないため、大型基板や有機発光材料からなる発光層の転写にも適用可能である。
特開2003−308974号公報
しかしながら、上述した真空チャンバーを構成する厚みを有したガラス窓越しにレーザー光を照射して転写を行う方法では、厚みを有したガラス板を介した分、レーザー光の集光性が不安定となるため、パターニングの精度が悪くなる。さらに、被転写基板に大型基板を用いた場合には、レーザー光を導入するための真空チャンバーのガラス窓が巨大化するため、設備上、実現が困難である。また、特許文献1に記載された方法では、真空チャンバーの一部を構成する可動部材を開放して、転写用基板に直接レーザー光を照射するため、可動部材を開閉する設備が必要となる。さらに、どちらの方法であっても、1つの真空チャンバー内で、基板の重ね合わせ工程と転写工程とを行うため、スループットが悪く、高価格で煩雑な複合工程機が必要になる、という問題がある。
本発明は、大型基板への転写および有機発光材料からなる発光層の転写にも適用可能であり、スループットが改善されるとともに装置構成が簡略化された転写方法を提供することを目的とする。
上述したような目的を達成するために、本発明の転写方法は、次のような工程を順次行うことを特徴としている。まず、真空雰囲気下で、一主面側に転写層が設けられた転写用基板を、転写層を被転写基板側に向けた状態で、被転写基板に重ね合わせる重ね合わせ工程を行う。次に、被転写基板と転写用基板の間の真空雰囲気を維持した状態で、重ね合わせた被転写基板と転写用基板とを大気中に搬出する搬出工程を行う。次いで、大気中で、転写用基板に輻射線を照射することにより、転写層を被転写基板に転写する転写工程を行う。
このような転写方法によれば、真空雰囲気下で、転写用基板を被転写基板に重ね合わせるため、被転写基板が大型基板であっても、転写用基板と被転写基板との間は確実に真空雰囲気となる。これにより、例えば転写層が発光層を含む有機層であっても、大気中の水や酸素に有機層が晒されることなく、転写を精度よく行うことが可能である。また、重ね合わせた被転写基板と転写用基板とを、真空雰囲気から大気中に搬出した後、大気中で、転写層を被転写基板に転写するため、真空雰囲気下で行う基板の重ね合わせ工程と、大気中で行う転写工程とを分割して行うことができる。これにより、複数の被転写基板に転写を行う場合には、装置内で上記工程を並行して行うことができるため、スループットを向上させることができる。また、この転写方法に用いる装置も、真空チャンバーを必要とする基板の重ね合わせ装置と真空チャンバーを必要としない転写装置とに機能分離することができるため、煩雑な複合工程機を必要とせず、装置の簡略化が図れる。
以上説明したように、本発明における転写方法によれば、大型基板への転写および有機発光材料からなる発光層の転写にも適用可能であるとともに、スループットの向上と装置の簡略化が図れるため、コストを抑制し、生産性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態では、基板上に赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の有機電界発光素子を配列してなるフルカラー表示の表示装置の製造方法に、本発明の転写方法を適用した実施の形態を説明する。
<被転写基板>
まず、図1の要部拡大断面図を用いて、本発明の転写方法に用いる被転写基板10について説明する。この図に示すように、被転写基板10には、TFT(thin film transistor)(図示省略)を配列形成してなる例えば矩形状のガラス基板からなる基板11上に、層間絶縁膜(図示省略)を介して、例えばクロム(Cr)からなる複数の下部電極(陽極)12が各画素毎にパターン形成されている。また、基板11上には、上記下部電極12を露出する状態の開口を有する各画素を分離する絶縁層13が設けられている。
また、ここでの図示は省略したが、下部電極12上には、真空蒸着法により、RGB全ての画素に共通して、正孔注入層と正孔輸送層とが順次積層されている。
なお、複数の画素を配列形成してなる画素領域よりも外側の基板11の隅部には、後述するレーザー照射部との位置合わせを行う際の基準となる基準マーク(図示省略)が設けられている。
<転写用基板>
次に、図2の断面模式図を用いて、本実施形態の転写方法に用いる転写用基板20について説明する。
この図に示すように、転写用基板20には、被転写基板10と略同等の大きさを有する、例えば矩形状のガラス基板からなる支持基板21上に、光熱変換層(光吸収層)22を介して、発光層23(転写層)が設けられている。
ここで、支持基板21としては、上述したガラス基板の他に、フィルム基材を用いてもよい。また、光熱変換層22は、後述する転写工程において、転写用基板20に向けてレーザー光を照射する際、レーザー光を熱に変換する材質で形成され、ここでは、例えばクロム(Cr)で形成されることとする。さらに、転写層となる発光層23は、上述した被転写基板10上にマトリクス状に配置された複数の表示画素R、G、Bを発光してカラー表示を行うために、R用、G用、B用とでそれぞれ異なる有機発光材料を用いて形成される。
ここで、上記光熱変換層22および発光層23の成膜範囲は、図1を用いて説明した被転写基板10と重ね合わせた際に、基板11上の隅部に設けられた基準マークを覆わないようなエリアになるようにする。
なお、ここでは、支持基板21上に光熱変換層22を介して発光層23が設けられることとしたが、発光層23が熱線を吸収する材質で形成されている場合には、上記光熱変換層22は形成しなくてもよい。また、ここでは、支持基板21が平板状であることとしたが、支持基板21の表面側に凹凸が設けられており、この凹凸形状に倣って発光層23が設けられてもよい。ただし、この構成の転写用基板20は、後述する転写工程において、加圧により転写用基板20から被転写基板10に転写する場合に用いられる。
<転写方法>
次いで、転写用基板20から被転写基板10に、RGBのうち、例えばRの発光層23を転写する転写方法について、図3〜図4を用いて説明する。
まず、図3(a)の斜視図および図3(b)のA−A’断面図に示すように、真空チャンバー1内に、被転写基板10と転写用基板20を導入するとともに、重ね合わせた状態の被転写基板10と転写用基板20とを搬出するための治具30を導入する。
ここで、治具30は、被転写基板10を支持する治具基体31と、被転写基板10に転写用基板20を重ね合わせた状態で、治具基体31との間にこれらを挟持する蓋体32とを備えている。
上記治具基体31は、例えばステンレス製であって、被転写基板10および転写用基板20よりも一回り大きい矩形状の板状部材で形成されている。
また、上記蓋体32は、例えばステンレス製であって、重ね合わせた被転写基板10と転写用基板20とを収納可能な箱状の枠体で構成されている。具体的には、蓋体32は、
治具基体31上に載置された重ね合わせた状態の被転写基板10と転写用基板20の側周面に対向配置される側壁32aと、この側壁32aに連続して設けられ、上記治具基体31に対向配置される枠状の上部32bとを有している。
上記側壁32aは、被転写基板10と転写用基板20を重ね合わせた状態の厚みと同程度の高さとなるように構成されており、この側壁32aの底部には気密シール33が設けられている。また、上部32bには、転写用基板20にレーザー光を照射するための開口部32cが設けられており、開口部32cは被転写基板10の画素領域よりも大きくなるように開口されている。そして、この蓋体32の内壁側における開口部32cの周縁には、気密シール34が設けられている。
そして、上述したように、真空チャンバー1内に導入された治具30のうち、治具基体31を、真空チャンバー1の底部に載置し、この治具基体31上に、被転写面となる下部電極12(前記図1参照)の形成面側を上方に向けた状態で、被転写基板10を載置する。ここで、下部電極12上には、図1を用いて説明した正孔注入層、正孔輸送層が順次積層されているため、被転写面は正孔輸送層となる。
なお、ここでは、真空チャンバー1の底部に治具基体31を載置する例について説明するが、真空チャンバー1内に治具基体31の保持部材が配置されており、保持部材により治具基体31が保持されてもよい。
一方、治具基体31上に載置された上記被転写基板10の上方に、発光層23の形成面側を被転写基板10側に向けた状態で、転写用基板20を対向配置する。転写用基板20は、真空チャンバー1内に配置された保持部材(図示省略)により、保持されることとする。また、保持部材により保持された転写用基板20の上方に、気密シール33、34の形成面側を治具基体31側に向けた状態で、蓋体32を配置する。この蓋体32も真空チャンバー1内に配置された保持部材(図示省略)により、保持されることとする。
次に、ここでの図示を省略した排気口から真空チャンバー1内を減圧し、真空チャンバー1内を真空雰囲気にする。ここで、真空雰囲気とは、減圧窒素雰囲気、または減圧ドライエア雰囲気等の減圧雰囲気も含まれることとする。
その後、転写用基板20が保持された保持部材を下方向に移動させて、被転写基板10上に転写用基板20を重ね合わせる。これにより、真空雰囲気下で、被転写基板10に転写用基板20を重ね合わせることから、重ね合わせた被転写基板10と転写用基板20の間は真空雰囲気となる。
次いで、真空雰囲気下で蓋体32を下方向に移動させて、治具基体31上に重ね合わせた状態で載置された被転写基板10と転写用基板20を収納するように、気密シール33を介して蓋体32を治具基体31に当接させる。これにより、治具基体31と蓋体32とで、重ね合わせた状態の被転写基板10と転写用基板20とが挟持されるとともに、蓋体32の開口部32cが気密シール34を介して転写用基板20に塞がれるため、治具基体31と蓋体32の間は真空雰囲気の気密状態となる。
次に、図4(a)の斜視図および図4(b)のB-B’断面図に示すように、治具30により挟持された状態の被転写基板10と転写用基板20とを真空雰囲気下から大気中に搬出する。この際、被転写基板10と転写用基板20との間は真空雰囲気で維持されるとともに、治具基体31と蓋体32の間も真空雰囲気で維持されることから、被転写基板10と転写用基板20の側周面近傍も真空雰囲気で維持される。これにより、転写用基板20に設けられた発光層23が大気中の水や酸素に晒されることが防止されるため、発光層23を構成する有機発光材料の劣化が防止され、純度が維持される。また、大気中に搬出されることで、治具30で挟持された状態の被転写基板10と転写用基板20は、上下方向から大気圧で押されるため、密着した状態となる。
次いで、上記治具30により挟持された状態の被転写基板10と転写用基板20とを、レーザー照射部40を備えたチャンバー(図示省略)内に搬送する。レーザー照射部40は、治具30を載置する載置台41と、この載置台41の上方に配置され、例えばレーザー光hからなる輻射線を照射するレーザー光源42とを備えている。また、レーザー照射部40は、レーザー光源42をXY方向に移動させることで、レーザー光hをスポット照射しつつ走査するXYスキャナ(図示省略)を備えている。さらに、レーザー光源42には、レーザー光源42と被転写基板10との位置合わせを行うアライメントカメラ(図示省略)が隣接して設けられている。
そして、上述したようなレーザー照射部40の載置台41上に、枠状の蓋体32側を上方に向けた状態で、被転写基板10と転写用基板20とが挟持された状態の治具30を載置する。次いで、蓋体32の開口部32cに露出された転写用基板20を介して被転写基板10の基準マークを、レーザー照射部40のアライメントカメラに取り込むことで、被転写基板10とレーザー光源42との位置合わせを行う。続いて、レーザー光源42から、レーザー光hを転写用基板20にスポット照射して、転写用基板20の光熱変換層22に吸収させる。そして、この熱を利用して、転写用基板20の発光層23を昇華させることで、被処理基板10におけるRの発光素子の下部電極12上方に成膜された正孔輸送層15上に選択的に発光層23を転写する。
この際、被転写基板10と転写用基板20の間は真空雰囲気で維持されており、レーザー光hを転写用基板20に直接照射することができるため、被転写基板10に例えば370mm×470mm以上の大型基板を用いた場合であっても、高精度の発光層23のパターニングを行うことが可能となる。
なお、ここでは、スポット照射させたレーザー光hをXY方向に走査して選択的に照射する転写工程について説明したが、レーザー光源42と転写用基板20との間にレーザー光hを照射する部分のみが開口された遮光マスク(図示省略)を配置して、全面にレーザー光hを照射してもよい。
また、ここでは、レーザー光hを照射することとしたが、ヒートバー、サーマルヘッドなどにより熱を与えることで転写してもよい。この場合には、転写用基板20に直接熱を与えられるため、転写用基板20に光熱変換層22を形成しなくてもよい。
さらには、転写用基板20を支持基板21側から加圧することで、発光層23を被転写基板10に転写してもよい。例えば加圧ヘッドで局所的に転写用基板20の支持基板21を押圧することにより、発光層23を被転写基板10に転写してもよい。この場合には、転写用基板20を構成する支持基板21をフィルム基材とすることで、押圧による転写が容易になるため、好ましい。また、転写用基板20の欄で説明したように、表面側に凹凸が設けられた例えばガラス基板からなる支持基板21の表面に、その表面形状に倣って発光層23が形成された転写用基板20を用いて、加圧転写により、被転写基板10に発光層23を転写してもよい。この場合には、真空チャンバーから大気中に搬出された、治具30で挟持された状態の被転写基板10と転写用基板20が、上下方向から大気圧で押されることにより、支持基板21の凸部の頂面の発光層23が被転写基板10に転写される。
そして、上述したように、転写用基板20にレーザー光hを照射することで、発光層23を被転写基板10に転写した後、治具30により挟持された被転写基板10と転写用基板20とを、再び真空チャンバー1(図3参照)に搬送する。続いて、真空チャンバー1内を減圧し、真空雰囲気とした後、蓋体32の保持部材により蓋体32を上昇させる。その後、転写用基板20の保持部材により、転写用基板20を上方に移動させることで、被転写基板10から転写用基板20を離脱させる。
この後の工程は、図3〜図4を用いて説明した工程を繰り返して行うことで、GまたはBの発光層が設けられた転写用基板20を用いて、Rの発光層と同様に、被転写基板10への転写を行う。
そして、各色の発光層23が形成された後の製造工程は、通常の有機電界発光素子の製造方法と同様の工程で行う。すなわち、表示エリアの全面にベタ付けにする状態で、発光層23上に電子輸送層を成膜した後、真空蒸着法により、電子注入層として、フッ化リチウム(LiF)を形成し、次いで、真空蒸着法により、上部電極として、マグネシウム銀(MgAg)からなる陰極を形成する。この陰極は、共通の上部共通電極として形成される。
以上の後、上述した上部共通電極上に、例えば絶縁性の保護膜を形成する。その後、必要に応じて保護膜上に紫外線硬化樹脂を介してガラス基板を固着し、表示装置を完成させる。
なお、ここでは、有機電界発光素子を構成する有機層のうち発光層23のみを熱転写法により形成する例について説明したが、発光層23に限らず、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層等、他の有機層やそれらが積層された有機層群であっても、本発明は適用可能である。
また、本実施形態では、有機電界発光素子を用いた上面発光型の表示装置の製造方法の例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されず、下面発光型(透過型)の表示装置であってもよい。この場合には、下部電極12をITO等透明性の高い導電材料を用いて形成し、上部電極を反射性の高い導電材料で形成する。
さらに、本実施形態では、下部電極12を陽極、上部電極を陰極とする例について説明したが、下部電極12を陰極、上部電極を陽極とした表示装置であっても、本発明は適用可能である。この場合には、下部電極12上に電子注入層、電子輸送層が積層された状態で発光層23が形成される。
以上説明したような転写方法によれば、真空雰囲気下で、転写用基板20を被転写基板10に重ね合わせる工程を行うため、被転写基板10が大型基板であっても、転写用基板20と被転写基板10との間は、確実に真空雰囲気となる。これにより、大気中の水や酸素に発光層23が晒されることなく、発光層23の転写を精度よく均一に行うことが可能である。
また、真空雰囲気から、重ね合わせた被転写基板10と転写用基板20とを大気中に搬出した後、発光層23を被転写基板10に転写するため、真空雰囲気下で行う基板の重ね合わせ工程と、大気中で行う転写工程とを分割して行うことができる。これにより、複数の被転写基板10に転写を行う場合には、装置内で上記工程を並行して行うことができるため、スループットを向上させることができる。また、この転写方法に用いる装置も、真空チャンバーを必要とする基板の重ね合わせ装置と真空チャンバーを必要としない転写装置とに機能分離することができるため、煩雑な複合工程機を必要とせず、装置の簡略化が図れる。したがって、コストを抑制し、生産性を向上させることができる。
さらに、本実施形態の転写方法によれば、治具30を用いることで、重ね合わせた状態の被転写基板10と転写用基板20の間だけでなく、これらの側周面近傍も真空雰囲気にすることができるため、基板間を確実に真空雰囲気で維持することができる。このため、上記発光層23の転写をさらに精度よく、均一に行うことができる。
なお、上述した実施形態では、治具30が、板状の治具基体31と、箱状の枠体からなる蓋体32とで構成される例について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、治具基体31が被転写基板10と転写用基板20とを収納可能な箱状であり、蓋体32が平板状の枠体で構成されていてもよい。
また、図5に示すように、平板の枠体からなる治具基体31’と蓋体32とで構成された治具30’であってもよい。この場合には、治具基体31’に開口部31a’が設けられ、治具基体31’の内壁側における開口部31a’の周縁には、気密シール35が設けられている。そして、蓋体32と治具基体31’とが当接した際には、重ね合わせた状態の被転写基板10と転写用基板20とが挟持されるとともに、開口部32cが転写用基板20で塞がれ、開口部31a’が被転写基板10で塞がれた状態となるため、蓋体32と治具基体31’との間も真空雰囲気の気密状態となる。
上述したような構成の治具31’により、挟持された状態の被転写基板10と転写用基板20とを大気中に搬出する場合には、実施形態において図3を用いて説明した板状部材からなる治具基体31と比較して、治具基体31’が枠状であるため、治具基体31’が軽くなる。これにより、被転写基板10が大型基板である場合に、大気中への搬送を容易に行うことができる。また、治具基体31’が枠状であることで、転写工程においては、載置台41上に被転写基板10を直接載置することができるため、治具基体31’を介さない分、安定した状態でレーザー光hを照射することができる。したがって、パターニング精度をより向上させることができる。
なお、本発明には、上述したような治具30、30’を用いずに、重ね合わせた状態の被転写基板10と転写用基板20を大気中に搬出する場合も含まれることとする。この場合であっても、重ね合わせた被転写基板10と転写用基板20は大気圧により上下方向から押されるため、基板間は真空雰囲気で維持される。
また、図6に示すように、平板状の治具30''により、重ね合わせた被転写基板10と転写用基板20の被転写基板10側を支持する状態で大気中に搬出してもよい。この場合には、大気中で、治具30''により、被転写基板10側が支持されるため、重力による被転写基板10の歪みを防止することができる。これにより、特に、被転写基板10が大型基板である場合に、重力による歪みにより基板間の真空雰囲気が解除されることが防止される。したがって、発光層23のパターニング精度の悪化を防止することができる。
ただし、被転写基板10と転写用基板20との間を真空雰囲気で確実に維持したい場合には、図4および図5を用いて説明したように、被転写基板10と転写用基板20とを挟持可能な治具30、30’を用いて大気中に搬出した方が、被転写基板10と転写用基板20の側周面側の雰囲気も真空雰囲気で維持されるため、好ましい。
本発明の転写方法に係る実施の形態に用いる被転写基板の要部拡大断面図である。 本発明の転写方法に係る実施の形態に用いる転写用基板の断面図である。 本発明の転写方法に係る実施の形態を説明するための斜視図(a)と断面図(b)(その1)である。 本発明の転写方法に係る実施の形態を説明するための斜視図(a)と断面図(b)(その2)である。 本発明の転写方法に係る実施の形態の治具の例を示す断面図(その1)である。 本発明の転写方法に係る実施の形態の治具の例を示す断面図(その2)である。
符号の説明
10…被転写基板、12…下部電極、20…転写用基板、23…発光層(転写層)、30…治具、31…治具基体、32…蓋体、32c…開口部

Claims (5)

  1. 真空雰囲気下で、一主面側に転写層が設けられた転写用基板を、前記転写層を被転写基板側に向けた状態で、当該被転写基板に重ね合わせる重ね合わせ工程と、
    前記被転写基板と前記転写用基板の間の真空雰囲気を維持した状態で、重ね合わせた前記被転写基板と前記転写用基板とを大気中に搬出する搬出工程と、
    大気中で、前記転写用基板から前記転写層を前記被転写基板に転写する転写工程とを有する
    ことを特徴とする転写方法。
  2. 前記搬出工程では、前記被転写基板側を支持する治具基体と、枠状の蓋体とを備えた治具を用い、前記治具基体と前記蓋体とで重ね合わせた前記被転写基板と前記転写用基板を挟持した状態で、大気中に搬出する
    ことを特徴とする請求項1記載の転写方法。
  3. 前記搬出工程では、板状部材からなる治具により、重ね合わせた前記被転写基板と前記転写用基板の当該被転写基板側を支持した状態で、大気中に搬出する
    ことを特徴とする請求項1記載の転写方法。
  4. 前記転写工程では、前記転写用基板に輻射線を照射することにより、前記転写層を前記被転写基板に転写する
    ことを特徴とする請求項1記載の転写方法。
  5. 前記被転写基板は、有機電界発光素子に用いる基板の一主面側に電極を設けてなり、
    前記転写層は、少なくとも発光層を含む有機層である
    ことを特徴とする請求項1記載の転写方法。
JP2006237117A 2006-09-01 2006-09-01 転写方法 Expired - Fee Related JP4797889B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006237117A JP4797889B2 (ja) 2006-09-01 2006-09-01 転写方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006237117A JP4797889B2 (ja) 2006-09-01 2006-09-01 転写方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008059961A JP2008059961A (ja) 2008-03-13
JP4797889B2 true JP4797889B2 (ja) 2011-10-19

Family

ID=39242441

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006237117A Expired - Fee Related JP4797889B2 (ja) 2006-09-01 2006-09-01 転写方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4797889B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5111427B2 (ja) * 2009-04-16 2013-01-09 株式会社半導体エネルギー研究所 成膜用基板および成膜方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6688365B2 (en) * 2001-12-19 2004-02-10 Eastman Kodak Company Method for transferring of organic material from a donor to form a layer in an OLED device
US6703179B2 (en) * 2002-03-13 2004-03-09 Eastman Kodak Company Transfer of organic material from a donor to form a layer in an OLED device

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008059961A (ja) 2008-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7648944B2 (en) Transfer method and transfer apparatus
JP2006344459A (ja) 転写方法および転写装置
US6688365B2 (en) Method for transferring of organic material from a donor to form a layer in an OLED device
JP4227134B2 (ja) 平板表示装置の製造方法、平板表示装置、及び平板表示装置のパネル
JP5307091B2 (ja) レーザ熱転写装置及びこれを利用した有機発光表示装置の製造方法
JP4957375B2 (ja) 有機el表示装置の製造装置
JP2006309994A (ja) 転写用基板および転写方法ならびに表示装置の製造方法
US7942716B2 (en) Frit sealing system and method of manufacturing organic light emitting display device
WO2011001596A1 (ja) 有機層の形成方法、有機電界発光素子の製造方法、有機電界発光素子、及び有機電界発光表示装置
Hirano et al. 53.2: Distinguished Paper: Novel Laser Transfer Technology for Manufacturing Large‐Sized OLED Displays
KR20170125384A (ko) 박막 소자 장치의 제조 방법 및 그것에 사용하는 광조사 장치
KR20180088379A (ko) 디스플레이 기판 및 그것의 제조 방법, 디스플레이 디바이스
JP4398358B2 (ja) レーザ熱転写装置
US20150214509A1 (en) Method for producing el display device and transfer substrate used in producing el display device
JP4797889B2 (ja) 転写方法
JP2010027210A (ja) 有機発光素子の製造方法及び有機発光素子
TWI594474B (zh) Device manufacturing method and device manufacturing device
JP2014186868A (ja) 転写装置、転写方法、及びデバイス製造方法
KR100696543B1 (ko) 기판 접합장치
US20150221870A1 (en) Method for producing el display device, transfer substrate used in production of el display device, and method for producing transfer substrate used in production of el display device
WO2014049903A1 (ja) El表示装置の製造方法
JP2008204767A (ja) 電子デバイス装置の製造方法および電子デバイス装置の製造装置
JP5136865B2 (ja) 有機elパネルの封止方法及び封止装置
JP2012089522A (ja) 有機el表示装置の製造方法
JP4531531B2 (ja) 有機el表示装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090116

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20091021

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20091026

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20091106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110705

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110718

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees