JP4796995B2 - 超伝導磁石装置、およびこれを用いた磁気共鳴撮像装置、並びに核磁気共鳴装置 - Google Patents

超伝導磁石装置、およびこれを用いた磁気共鳴撮像装置、並びに核磁気共鳴装置 Download PDF

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Description

本発明は、超伝導磁石装置、およびこれを用いた磁気共鳴撮像装置、並びに核磁気共鳴装置に関するものである。
超伝導磁石装置を構成する超伝導コイルは、これを臨界点以下に冷却するための液化した冷媒、例えは、液体ヘリウム等で冷却される。超伝導コイルおよび冷媒はコイル容器に収納され、そしてコイル容器は、断熱真空層を形成する真空容器に収納される。コイル容器と真空容器との間には熱シールドが設置されており、この熱シールドによってコイル容器は、さらに断熱保護されている。
また、コイル容器には、冷媒をコイル容器内に注入するための注入管路や、コイル容器内の気相の冷媒をコイル容器外に排気するための排気管路が適宜設けられている。
ところで、超伝導コイルが通電されて磁場を発生しているときに超伝導コイルの一部分のコイル導体が動いたり、コイル導体を被覆等している含浸材にクラックが発生したりする等の機械的擾乱が発生すると、これが熱擾乱となって、超伝導コイルの一部分が温度上昇し、常伝導に転移する。このような熱擾乱による温度上昇が、周囲の冷媒による冷却を大きく上回ると、常伝導転移が超伝導コイル全体に至る現象、いわゆるクエンチを生じる。
このようなクエンチが発生すると、超伝導コイルから多量の熱が生じ、この熱で周囲の冷媒が蒸発して多量の冷媒ガスが生じるためコイル容器の内部の圧力が急激に上昇する。
従来、このようなコイル容器の内部の圧力上昇を抑制するために、排気管路には破裂板が設けられており、排気管路を通じて真空容器の外部へ冷媒ガスが排出されるように設けられている。
また、真空容器の外壁に破裂部材を有する真空排気弁を設けて、真空容器の内部の圧力が上昇した際に、これを破裂させて真空容器の内部の圧力を真空容器の外部へ逃がすようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、コイル容器および真空容器にそれぞれ安全弁を設けて、コイル容器の内部の圧力が上昇した際に、コイル容器の安全弁を開放させてコイル容器の内部の圧力を真空容器の内部へ逃がし、さらに、真空容器の内部の圧力が上昇した際に、真空容器の安全弁を開放させて真空容器の内部の圧力を真空容器の外部へ逃がすようにした技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3674967号公報 特開平6−163253号公報
ところで、前記したように、クエンチの発生時には、排気管路に設けられた破裂板が破裂して真空容器の外部へ冷媒ガスが排出されるようになっているが、排出によりコイル容器の内部の冷媒が減少してくると圧力が次第に低下し、コイル容器の内部の圧力と真空容器の外部の大気圧とが吊り合う状態になる。そうすると、排気管路を通じて大気側から水分や空気等が装置内に侵入し易くなり、これらが排気管路の途中で凍結して排気管路を閉塞する可能性が生じてくる。
クエンチが生じた後、コイル容器の内部には、一部の冷媒が残留していることがあり、この状態からさらにコイル容器の内部でクエンチが発生したり真空容器の内部の真空状態が崩れたりして多量の入熱が起こると、冷媒が急激に蒸発して多量の冷媒ガスが生じることとなるが、排気管路が前記のように閉塞された状態では、これを排出することができない。このため、コイル容器の内部の圧力がコイル容器の耐圧以上に上昇してコイル容器が破損したり、排気管路に設けられた薄肉部分に耐圧以上の圧力が作用してこの薄肉部分から破損したりする等、真空容器の破損に至るおそれもある。
この点、前記した特許文献1,2では、真空容器に設けた破裂部材や安全弁で、真空容器の内部の圧力を逃がすことが可能である。しかしながら、真空容器の周囲に冷媒ガスが直接排出されるという難点を有していた。
このような観点から、本発明は、排気管路の凍結による閉塞が生じてもコイル容器および真空容器の破損を防止することができるとともに、真空容器の周囲に冷媒ガスが排出されるのを防止することができる超伝導磁石装置、およびこれを用いた磁気共鳴撮像装置、並びに核磁気共鳴装置を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するための手段として本発明は、一端側がコイル容器の内部に連通し、他端側がコイル容器から熱シールドを経て真空容器の外部の排出可能な場所に導かれて大気側に連通した第1の排気管路に、設定された圧力以上になると開く第1の連通手段を設け、さらに、一端側が真空容器の内部に連通する第2の排気管路に、設定された圧力以上になると開く第2の連通手段を設け、第2の排気管路の他端側を、第1の連通手段よりも大気側の第1の排気管路に連通して構成した。これにより、真空容器の内部の冷媒ガスを、第2の排気管路から第1の排気管路を通じて排出に支障のない場所へ導くことができ、大気側へ排出することができる。これにより、クエンチや真空破壊等が発生することによるコイル容器や真空容器の破損を防止することができる。
本発明によれば、排気管路の凍結による閉塞が生じてもコイル容器および真空容器の破損を防止することができるとともに、真空容器の周囲に冷媒ガスが排出されるのを防止することができる超伝導磁石装置、およびこれを用いた磁気共鳴撮像装置、並びに核磁気共鳴装置が得られる。
(第1実施形態)
以下、本発明の超伝導磁石装置の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の超伝導磁石装置1は、図1に示すように、超伝導コイル2を冷媒3とともに収容するコイル容器4、コイル容器4を覆うように形成された熱シールド5、コイル容器4および熱シールド5を囲繞し、内部を真空にした真空容器6等からなるクライオスタットを備えている。コイル容器4に収容される冷媒3としては、例えば液体ヘリウムなどの液化した冷媒が用いられており、この冷媒3と熱シールド5とを冷却するための冷凍機7が真空容器6に設置されている。
コイル容器4は、密閉可能な容器で形成されており、冷媒3を蓄えておくタンクの役割を果たす。このようなコイル容器4には、このコイル容器4の内部に冷媒3を注入するための図示しない注入管路が連結されており、また、コイル容器4の内部の気相状態の冷媒ガス(ヘリウムガス)を排出するための第1の排気管路10が連結されている。なお、コイル容器4の内部の圧力を検出するための図示しない管路等、幾つかの図示しない管路が真空容器6を貫通してコイル容器4に連結されている。
第1の排気管路10は、一端側10aがコイル容器4の内部に連通し、他端側10bがコイル容器4から熱シールド5を経て真空容器6の外部へ延設され、排出可能な場所に導かれて大気側に連通している。排出可能な場所としては、図示しない建物の外部等の、冷媒ガスを排出しても支障のない場所等が挙げられる。なお、冷媒ガスを回収することのできる冷媒ガス(ヘリウムガス)回収装置等に他端側10bを連結して、第1の排気管路10を通じて排出される冷媒ガスを回収するように構成してもよい。
第1の排気管路10には、真空容器6の外部において、第1の連通手段としての破裂板21を備えた第1の破裂装置20が介設されている。この第1の破裂装置20は、通常時、第1の排気管路10の連通を破裂板21が遮断しており、コイル容器4の内部の圧力が設定された圧力以上になると、その圧力を受けて破裂板21が変形して破裂し(開き)、第1の排気管路10のコイル容器4側と大気側とを連通するようになっている。これにより、破裂板21が破裂することで、クエンチの発生時等にコイル容器4の内部において所定の圧力に上昇された冷媒ガスは、第1の排気管路10を通じて大気側へ排出されるようになっている。
ここで、破裂板21は、例えば、樹脂製のディスクや薄い金属製の部材からなり、第1の排気管路10に気密に介設された支持体22の内部に気密溶接されて固定されている。破裂板21は、その板面が湾曲状部分を含んで形成されており、この例では、湾曲状部分がコイル容器4側に凸状(大気側へ凹状)となるように設けられている。なお、破裂板21の対峙する位置には、破裂板21を破裂させるための図示しない破裂用歯が設けられており、コイル容器4の内部の圧力が設定された圧力以上になると、変形した破裂板21がこの破裂用歯に押圧されて破裂するように構成されている。破裂板21の破裂強度の設定は、破裂板21の材質、大きさ、肉厚等を適宜選択することで行うことができる。
第1の排気管路10には、第1の破裂装置20を迂回するように分岐管路10Aが配設されており、この分岐管路10Aには、開閉弁10Bが介設されている。この開閉弁10Bは、通常時、閉じた状態にされ、例えば、図示しない注入管路を通じて冷媒3をコイル容器4に注入する際等に開かれた状態にされる。これにより、冷媒3の注入時には、コイル容器4の内部の冷媒ガスを第1の排気管路10の分岐管路10Aを通じて排出してコイル容器4の内部の圧力を低下させつつ、図示しない注入管路を通じてコイル容器4の内部への冷媒3を注入することが行われる。なお、分岐管路10Aを通じて排出された冷媒ガスは、第1の排気管路10の他端側10bから大気側へ好適に排出され、また、図示しない冷媒ガス回収装置等によって好適に回収される。
また、第1の排気管路10には、コイル容器4と熱シールド5との間、および熱シールド5と真空容器6との間に、薄肉部分となる蛇腹部10c,10dが設けられている。この蛇腹部10c,10dは、常温側からの熱侵入を軽減する役割をなすとともに、後記するように、凍結による第1の排気管路10の閉塞時に破断して、コイル容器4の内部の圧力を真空容器6の内部に排出する役割も有している。
また、第1の破裂装置20よりも大気側となる第1の排気管路10には、冷凍機7の第1段冷凍部7aから延設された熱シールド配管8が接続されている。この熱シールド配管8は、冷凍機7の停止時に増加する熱侵入によって蒸発された冷媒ガスを利用して、第1段冷凍部7aおよび熱シールド5を冷却する役割をなすものであり、その管路の途中には、大気側からの侵入を防止するための逆止弁8aが設けられている。
真空容器6は、密閉された容器で形成されており、その内部は、真空排気弁9を介して必要時に取り付けられる、図示しない真空ポンプによって真空状態にされている。そして、真空容器6には、第2の排気管路30が連結されている。
第2の排気管路30は、一端側30aが真空容器6の内部に連通し、他端側30bが第1の破裂装置20よりも大気側の第1の排気管路10に接続されて大気側へ連通している。
第2の排気管路30には、第2の連通手段としての破裂板41を備えた第2の破裂装置40が介設されている。この第2の破裂装置40は、通常時、第2の排気管路30の連通を破裂板41で遮断しており、真空容器6の内部の圧力が設定された圧力以上になると、その圧力を受けて破裂板41が変形して破裂し(開き)、第2の排気管路30の真空容器6側と大気側とを連通するようになっている。これにより、クエンチや真空破壊等により真空容器6の内部の圧力が所定の圧力に上昇されたときには、破裂板41が破裂することで、第2の排気管路30を通じて冷媒ガスが大気側へ排出されるようになっている。
本実施形態では、第2の破裂装置40の構成を前記した第1の破裂装置20と同様の構成としており、破裂板41は、例えば、薄い金属製の部材からなり、第2の排気管路30に気密に介設された支持体42の内部に気密溶接されて固定されている。そして、破裂板41は、その板面が湾曲状部分を含んで形成されており、この例では、湾曲状部分が真空容器6側に凸状(大気側へ凹状)となるように設けられている。また、破裂板41の対峙する位置には、破裂板41を破裂させるための図示しない破裂用歯が設けられており、真空容器6の内部の圧力が設定された圧力以上になると、変形した破裂板41がこの破裂用歯に押圧されて破裂するように構成されている。破裂板41の破裂強度の設定は、破裂板41の材質、大きさ、肉厚等を適宜選択することで行うことができる。
また、第2の破裂装置40は、真空容器6における第1の排気管路10の取出口6aよりも上方に位置している。
ここで、本実施形態の超伝導磁石装置1を用いて形成した磁気共鳴撮像装置(以下、MRIと略称する)と、核磁気共鳴装置(以下、NMRと略称する)の構成の一例について説明する。なお、図1で示した本実施形態の超伝導磁石装置1は、構成を説明するために模式的に示したものであるため、MRIやNMRに適用する場合には、コイル容器4や真空容器6などの形状、超伝導コイル2の位置などは適宜変更される。
MRIは、図2に示すように、超伝導磁石装置1と、被検体(不図示、以下同じ)を乗せるベッドBと、このベッドBに乗せられた被検体を超伝導磁石装置1によって磁場が形成される空間(磁場空間)Kへ搬送する搬送手段B1と、この搬送手段B1によって磁場空間Kに搬送された被検体からの核磁気共鳴信号を解析する解析手段としてのコンピュータ等の機器50などで構成され、被検体の断層撮影を行うものである。
一方、NMRは、図3に示すように、超伝導磁石装置1、超伝導磁石装置1が備えた対向する超伝導コイル2によって磁場が形成される空間Kに設置され、検体(不図示、以下同じ)を入れるサンプル管S、サンプル管Sに入れた検体からの核磁気共鳴信号を捉えるプローブP、プローブPで捉えた核磁気共鳴信号を解析するスペクトロメータSM、そして超伝導磁石装置1やスペクトロメータSMの動作を制御するコンピュータ等の機器50などで構成される。機器50と超伝導磁石装置1およびスペクトロメータSM、そしてスペクトロメータSMとプローブPは、各々、配線Wを介して電気的に接続されている。また、図3に示すようなNMRでは、冷凍機7(図1参照)による振動を防止するため、冷凍機7を設けない構成とする場合もある。
次に、本実施形態の超伝導磁石装置1における作用を説明する。超伝導磁石装置1の運転中にクエンチが発生すると、超伝導コイル2は、常伝導状態へ転移するため、超伝導コイル2内での電気的抵抗が大きくなり、多量の熱を発生させる。つまり、クエンチによって、超伝導磁石装置1が持つ磁気エネルギが熱エネルギに変換され、熱エネルギが、超伝導コイル2を覆う冷媒3に伝わって、冷媒3を蒸発させる。これにより、多量に発生した冷媒ガスで、コイル容器4の内部の圧力が急激に上昇する。このようにして、コイル容器4の内部の圧力が設定された圧力以上になると、第1の排気管路10に介設された第1の破裂装置20における破裂板21が破裂して、第1の排気管路10のコイル容器4側と大気側とが連通状態とされる。これによって、第1の排気管路10を通じてコイル容器4の内部の冷媒ガスが大気側へ排出されることとなる。
このような大気側への排出により、コイル容器4の内部の圧力が低下して、これが真空容器6の外部の大気圧と吊り合う状態となると、大気側から侵入した水分や空気等により第1の排気管路10が途中で凍結して閉塞する可能性がある。仮に、このような閉塞が生じた後、入熱等によってコイル容器4の内部に残留した冷媒3が急激に蒸発する現象が生じると、コイル容器4の内部で圧力が急激に上昇することとなるが、閉塞によりその圧力の行き場が失われているので、弱い部分、例えば、第1の排気管路10の蛇腹部10c,10d等がコイル容器4の内部の圧力の作用で破断し、熱シールド5の内側や真空容器6の内部に冷媒ガスが洩れる事態を生じる。
そうすると、真空容器6の内部の真空度が急激に劣化することとなるため、冷媒3の急激な蒸発を来し、真空容器6の内部の圧力が急激に上昇する。このようにして、真空容器6の内部の圧力が設定された圧力以上になると、第2の排気管路30に介設された第2の破裂装置40における破裂板41が破裂して、第2の排気管路30の真空容器6側と大気側とが連通状態とされる。これによって、真空容器6の内部の冷媒ガスが第2の排気管路30から第1の排気管路10を通じて大気側へ排出されることとなり、真空容器6の内部の圧力が低下されて真空容器6の破損等が好適に回避される。
以下では、本実施形態において得られる効果を説明する。
(1)本実施形態の超伝導磁石装置1では、一端側10aがコイル容器4の内部に連通し、他端側10bが真空容器6の外部の支障のない場所に導かれて大気側に連通した第1の排気管路10に、設定された圧力以上になると開く第1の破裂装置20が設けられ、さらに、一端側30aが真空容器6の内部に連通する第2の排気管路30に、設定された圧力以上になると開く第2の破裂装置40が設けられ、第2の排気管路30の他端側30bが、第1の破裂装置20よりも大気側の第1の排気管路10に連通して設けられているので、クエンチが発生してコイル容器4の内部の圧力が上昇したときには、第1の破裂装置20の破裂板21が破裂し、第1の排気管路10を通じて大気側の支障のない場所に冷媒ガスが排出されるので、コイル容器4の破損等を防止することができる。また、第1の排気管路10を通じて侵入した水分や空気等によって第1の排気管路10が凍結して閉塞し、その後の入熱等により蒸発した冷媒ガスがコイル容器4や第1の排気管路10から真空容器6の内部に洩れたり、真空容器6の真空破壊等が生じたときには、真空容器6の内部の圧力の上昇により第2の排気管路30に設けられた第2の破裂装置40の破裂板41が破裂し、第2の排気管路30から第1の排気管路10を通じて大気側の支障のない場所に冷媒ガスが排出されるので、真空容器6に破損等が生じるのを好適に防止することができる。
(2)破裂板41は、その板面が湾曲状部分を含んで形成されているので、板面全体が直線状に形成されたものに比べて表面積を大きくとることができ、仮に水分や空気等が侵入して、板面に凍結が生じた場合にも板面全体に凍結が及び難くなり、破裂板41の好適な作動を確保することができる。したがって、真空容器6の内部で急激に蒸発した冷媒ガスを確実に大気側へ排出することができる。
(3)第2の破裂装置40は、真空容器6における第1の排気管路10の取出口6aよりも上方に位置するので、仮に第1の排気管路10から水分や空気等が侵入した場合にも、これが第2の破裂装置40側に流れにくくなり、破裂板41の好適な作動を確保することができる。したがって、真空容器6の内部で急激に蒸発した冷媒ガスを確実に大気側へ排出することができる。
(4)第2の排気管路30が第1の破裂装置20よりも大気側の第1の排気管路10に連通しているので、通常運転時において、破裂板41が真空−冷媒ガスの境界部分とならず、冷媒ガスのリークによる真空度の低下で熱侵入量が増大するような事態に至ることがない。したがって、超伝導磁石装置1の信頼性の向上を図ることができる。
(第2実施形態)
図4に第2実施形態の超伝導磁石装置1を示す。本実施形態が前記第1実施形態と異なるところは、第2の排気管路30の破裂板41が、その板面を鉛直方向にして設置されている点にあり、その他の点に変わりはない。
このように構成することにより、クエンチ等により第1の破裂装置20の破裂板21が破裂し、その後、大気側から第1の排気管路10,第2の排気管路30を通じて水分や空気等が侵入した場合に、仮にこれが破裂板41上で凍結するような事態を生じても、破裂板41の板面が鉛直方向に設置されているので、破裂板41の上下に亘るような凍結が生じ難くなり、破裂板41の全面に凍結が及んで閉塞状態となることを確実に回避することができる。
したがって、真空容器6の内部で急激に圧力が上昇した際に、破裂板41を確実に破裂させて冷媒ガスを大気側へ排出することができるようになり、真空容器6に破損等が生じるのをより好適に防止することができる。
(第3実施形態)
図5に第3実施形態の超伝導磁石装置1を示す。本実施形態が前記第1,第2実施形態と異なるところは、第2の排気管路30が上方に凸状の管路30’を備えている点にある。
本実施形態では、第2の排気管路30における第2の破裂装置40よりも大気側の部位を、上方に湾曲するアーチ状(凸状)に形成することで管路30’を構成している。
第2の排気管路30にこのような管路30’を設けることによって、管路30’内に冷媒ガスを滞留させることができるようになり、この管路30’に滞留した冷媒ガスを、大気側から侵入する可能性のある水分や空気等の遮断要素として利用することができる。
したがって、真空容器6の内部で急激に圧力が上昇した際に、破裂板41を確実に破裂させて冷媒ガスを大気側へ排出することができるようになり、真空容器6に破損等が生じるのをより好適に防止することができる。
(第4実施形態)
図6に第4実施形態の超伝導磁石装置1を示す。本実施形態が前記第1〜第3実施形態と異なるところは、第2の排気管路30に加熱手段としてのヒータ32が設置されている点にある。
この例では、ヒータ32が第2の排気管路30における第2の破裂装置40の大気側に設置されている。ヒータ32としては、例えば、図示しない制御装置等の制御によって作動する電熱式等のものを用いることができる。
このようなヒータ32を設けることによって、通電により、第2の破裂装置40よりも大気側の第2の排気管路30を加熱することができる。したがって、第1の排気管路10から第2の排気管路30を通じて大気側から水分や空気等が浸入しても、これが第2の破裂装置40の大気側で凍結するのをヒータ32の加熱によって確実に防止したり、凍結を溶解したりすることができる。これにより、真空容器6の内部で急激に圧力が上昇した際に、破裂板41を確実に破裂させて冷媒ガスを大気側へ排出することができるようになり、真空容器6に破損等が生じるのをより確実に防止することができる。
なお、ヒータ32で第2の排気管路30および第2の破裂装置40の両方を加熱するように構成してもよいし、第2の破裂装置40のみを加熱するように構成してもよい。また、ヒータ32の通電制御は、例えば、コイル容器4、真空容器6、第1,第2の排気管路10,30等に設置した図示しない圧力計等による測定値に基づいて行われるように構成することができ、この場合には、例えば、その測定値が設定された圧力値以上となったときにヒータ32が通電されるように制御する構成とすることができる。これにより、ヒータ32の通電制御される圧力値の設定を適宜選択することによって、破裂板41が破裂する前の段階からヒータ32に通電して、第2の排気管路30等が凍結による閉塞不能に加熱されるように、構成することもできる。
さらに、ヒータ32は、第1の破裂装置20の大気側の第1の排気管路10に設けてもよく、また、第1の破裂装置20に設けてもよい。
なお、真空容器6の外壁に直接、第2の破裂装置40の支持体42を気密溶接により固定するように構成してもよい。このように構成することによって、真空容器6の内部へのリーク量が著しく低減されるようになり、真空度低下の要因を排除して、超伝導磁石装置1の信頼性の向上を図ることができる。
本発明の第1実施形態の超伝導磁石装置を示す説明図である。 本発明の超伝導磁石装置を備えた磁気共鳴撮像装置を示す説明図である。 本発明の超伝導磁石装置を備えた核磁気共鳴装置を示す説明図である。 本発明の第2実施形態の超伝導磁石装置を示す説明図である。 本発明の第3実施形態の超伝導磁石装置を示す説明図である。 本発明の第4実施形態の超伝導磁石装置を示す説明図である。
符号の説明
1 超伝導磁石装置
2 超伝導コイル
3 冷媒
4 コイル容器
5 熱シールド
6 真空容器
6a 取出口
7 冷凍機
10 第1の排気管路
10A 分岐管路
10B 開閉弁
10a 一端側
10b 他端側
20 第1の破裂装置
21 破裂板
30 第2の排気管路
30’ 管路
30a 一端側
30b 他端側
32 ヒータ
40 第2の破裂装置
41 破裂板
50 機器(解析手段)
B ベッド
B1 搬送手段
K 磁場空間
P プローブ
S サンプル管
SM スペクトロメータ

Claims (9)

  1. 超伝導コイルを冷媒とともに収容するコイル容器と、
    前記コイル容器を覆うように形成された熱シールドと、
    前記コイル容器および前記熱シールドを囲繞し、内部を真空にした真空容器と、を備え、
    一端側が前記コイル容器の内部に連通し、他端側が前記コイル容器から前記熱シールドを経て前記真空容器の外部の排出可能な場所に導かれて大気側に連通した第1の排気管路と、
    前記第1の排気管路に設けられ、前記コイル容器の内部の圧力が設定された圧力以上になると開いて当該第1の排気管路を連通する第1の連通手段と、
    一端側が前記真空容器の内部に連通し、他端側が前記第1の連通手段よりも大気側の前記第1の排気管路に連通した第2の排気管路と、
    前記第2の排気管路に設けられ、前記真空容器の内部の圧力が設定された圧力以上になると開いて当該第2の排気管路を連通する第2の連通手段と、
    を具備したことを特徴とする超伝導磁石装置。
  2. 前記第2の連通手段は、前記真空容器内の圧力が設定された圧力以上になると破裂して開くようにされた破裂板を含んで構成され、前記破裂板は、その板面が湾曲状部分を含んで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の超伝導磁石装置。
  3. 前記第2の連通手段は、前記真空容器の内部の圧力が設定された圧力以上になると破裂して開くようにされた破裂板を含んで構成され、前記破裂板は、その板面が鉛直方向に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の超伝導磁石装置。
  4. 前記第2の連通手段は、前記真空容器における前記第1の排気管路の取出口よりも上方に位置することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の超伝導磁石装置。
  5. 前記第2の排気管路は、前記第2の連通手段よりも大気側の部位に、上方に凸状の管路を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の超伝導磁石装置。
  6. 前記第1の連通手段よりも大気側の前記第1の排気管路、または前記第2の連通手段よりも大気側の前記第2の排気管路の少なくとも一方には、加熱手段が設置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の超伝導磁石装置。
  7. 前記破裂板は、金属製であり、当該破裂板を支持する支持体が前記真空容器に溶接されて固定されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の超伝導磁石装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の超伝導磁石装置を備えた磁気共鳴撮像装置であって、
    被検体を乗せるベッドと、このベッドに乗せられた前記被検体を前記超伝導磁石装置によって形成される磁場空間へ搬送する搬送手段と、この搬送手段によって前記磁場空間に搬送された前記被検体からの核磁気共鳴信号を解析する解析手段とを備えたことを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  9. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の超伝導磁石装置を備えた核磁気共鳴装置であって、
    試料を前記超伝導磁石装置の前記超伝導コイル間に形成される磁場空間内に移動させる機構と、この機構によって前記磁場空間内に移動された前記検体からの核磁気共鳴信号を捉えるプローブと、前記プローブで捉えた信号を解析手段とを有する核磁気共鳴装置。
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