JP2006165009A - 超電導磁石装置、及びこの超電導磁石装置を用いたnmr分析装置、mri装置又はicr質量分析装置 - Google Patents

超電導磁石装置、及びこの超電導磁石装置を用いたnmr分析装置、mri装置又はicr質量分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 液体冷媒槽内の圧力異常を未然に防止可能な超電導磁石装置を提供する。そして、この超電導磁石装置の性質を専ら利用するNMR分析装置、MRI装置又はICR質量分析装置を提供する。
【解決手段】 ヘリウム槽がポンプ59により減圧され、大気圧より低い状態で超電導磁石装置が運転されており、磁場検知器32を用いて、超電導磁石の超電導状態が破壊されたことを検知した際、遮断弁58が連動してヘリウム槽とポンプ59との連通を遮断する。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷媒型の超電導磁石装置、及びこの超電導磁石装置を用いたNMR分析装置、MRI装置又はICR質量分析装置に関するものである。
NMR等の超電導磁石は、磁場を発生させるコイルを液体ヘリウムで冷却しているタイプのものがある。このタイプの超電導磁石は、超電導コイルと、液体ヘリウムが収容された液体ヘリウム槽とを備えており、超電導コイルを液体ヘリウムに浸漬させることによって、超電導コイルを冷却している。また、液体ヘリウム槽に収容された液体ヘリウムの蒸発量を抑制するために、液体ヘリウム槽とこれを囲むように配置された真空断熱槽との間を真空状態に保つとともに、真空断熱槽と液体ヘリウム槽の間に、液体窒素槽や輻射シールドを備えていることが多い。また、液体ヘリウム槽内の圧力が高くならないように、液体ヘリウム槽に収容される液体ヘリウムから気化したヘリウムガスを排気するためのヘリウムガス排気管が、液体ヘリウム槽に取り付けられている。このヘリウムガス排気管の壁面は、液体ヘリウム槽から蒸発した冷たいヘリウムガスによって冷却されている。
このような超電導磁石は、10-8/hr以下の非常に高い磁場安定度が求められることがある。例えば、高分解能NMR装置、高分解能MRI装置、高分解能ICR質量分析装置等に用いられる場合である。上述したように、超電導磁石は液体ヘリウムで冷却されているが、このときの温度は大気圧における液体ヘリウムの沸点で決められる。このため気象条件により大気圧が変動すると液体ヘリウムの沸点温度がわずかに変化し、温度に依存する超電導線の臨界電流値も変化することになる。磁場安定度は臨界電流値のような超電導特性に依存するので、結果的に磁場安定度は気象条件(大気圧の変化)の影響を受けることになる。したがって磁場安定度は一定にはならず常に変動しており、NMR測定等に支障をきたすことがある。
このような状況を避けるため、例えば下記特許文献1に示すような超電動磁石装置がある。この超電動磁石装置は、真空断熱容器(1)と、該真空断熱容器(1)内に配置され且つ液体ヘリウム(4)が充填された液体ヘリウム槽(3)と、該液体ヘリウム槽(3)内に配置された超電導磁石(2)と、前記真空容器(1)内であって前記液体ヘリウム槽(3)を外周から囲繞する様に配置され且つ液体窒素(6)が充填された液体窒素槽(5)とを有する超電導磁石装置において、前記液体ヘリウム槽(3)の上部に前記真空断熱容器(1)を貫通して外部に連通するヘリウム配管(3a)を形成し、該ヘリウム配管(3a)を真空ポンプ(9)に接続し、これにより、前記超伝導磁石(2)に通電・励磁して永久電流モードになした後に前記真空ポンプ(9)を作動させて前記液体ヘリウム槽(3)内を減圧し、液体ヘリウム(4)温度を低下させて前記超伝導磁石(2)の臨界電流値を高く設定できる様にした事を特徴とするものである。そして、圧力センサ(7)と自動弁(V1)と真空ポンプ(9)とが配管(10)に直列に配置されると共に、前記圧力センサ(7)からの信号に基づいて前記自動弁(V1)又は前記真空ポンプ(9)の制御を行う制御部(8)を有してなる事を特徴とする、超伝導磁石装置の液体ヘリウム槽(3)に接続して該液体ヘリウム槽(3)内の圧力を常圧以下の所定の圧力に保持して超伝導磁石の臨界電流値(IC)を上げるための減圧装置ユニットを有している。
特開2003−69092号公報(図1)
特許文献1に記載の超電動磁石装置においては、超電導磁石が何らかの原因でクエンチ(超電導磁石の超電導状態が破壊され、常電導状態に転移すること)すると、超電導磁石に蓄積されていたエネルギが熱に変わって液体ヘリウムを瞬間的に蒸発させ、通常、ヘリウム槽に設けられた安全弁(一時的に解放状態となる弁)や破裂弁(恒久的に解放状態となる弁)からヘリウムガスが噴出する。このときでも、減圧装置ユニットは動作を続けているので、上述の弁を通じて空気を大量にヘリウム槽内に吸い込んでしまうことになる。ヘリウム槽内に混入した空気は冷却され氷結するが、ヘリウム槽と外部とを連通させているヘリウム配管内において氷結すると、この配管を閉塞させてしまうことがある。ヘリウム配管内が閉塞すると、蒸発したヘリウムガスが行き場を無くすので、温めたヘリウムガスを配管内に流して氷結部分を解かす等のしかるべき処置を取らないと、ヘリウム槽内の圧力が上昇して破裂してしまうことがある。
なお、かかる課題は、液体ヘリウム槽のみでなく、液体ヘリウム槽を取り囲むようにして配置される液体窒素槽についても同様のことがいえる。
また、大学の低温センターのようにヘリウムガスを回収して再液化しているような場合、回収ラインに大量の空気を混入させると、ヘリウムガスの再液化装置にトラブルを起こすおそれがある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、液体冷媒槽内の圧力異常を未然に防止可能な超電導磁石装置を提供することを第1の目的とする。そして、この超電導磁石の性質を専ら利用するNMR分析装置、MRI装置又はICR質量分析装置の提供も目的とする。
課題を解決するための手段及び効果
本発明において、以下の特徴は単独で、若しくは、適宜組合わされて備えられている。前記課題を解決するための本発明は、ヘリウム槽がポンプにより減圧され、大気圧より低い状態で運転される超電導磁石装置であって、超電導磁石の超電導状態が破壊されたことを検知可能なクエンチ検知手段と、前記ヘリウム槽とポンプとを連通する管の途中に設けられた遮断弁とを備え、前記クエンチ検知手段が、超電導磁石の超電導状態が破壊されたことを検知した際、前記遮断弁が連動して前記ヘリウム槽と前記ポンプとの連通を遮断するものである。
この超電導磁石装置によれば、クエンチ検知手段が、超電導磁石の超電導状態が破壊されたことを検知した際、クエンチ検知手段から信号が出力される。この信号を受けて遮断弁がヘリウム槽とポンプとの連通を遮断する。したがって、ヘリウム槽内への空気の吸引を防止することが可能となり、配管内における空気の氷結を防止できる。即ち、液体冷媒槽内の圧力異常を未然に防止することができるので、液体冷媒槽の損傷又は破裂といったトラブルを回避できる。
また、本発明に係る超電導磁石装置は、前記クエンチ検知手段が磁場検知器であることが好ましい。磁場検知器によれば、確実かつ迅速にクエンチを検知することができる。
また、本発明に係る超電導磁石装置は、前記磁場検知器が、所定値以上の漏れ磁場領域に配置されており、この所定値未満の漏れ磁場を検知した際に遮断弁を作動させることが好ましい。ここで、所定値は、地磁気や他の機器等の磁気の影響を考慮して、100Gauss以上であることが望ましい。
所定値以上の漏れ磁場領域に配置し、この所定値未満の漏れ磁場を検知した際に遮断弁を作動させることで、誤動作なくクエンチを検出できる。
また、本発明に係る超電導磁石装置は、前記ヘリウム槽が、内部でヘリウムが多量に蒸発した際に、ヘリウムガスを放出する安全弁をさらに有するものであり、前記クエンチ検知手段が、前記安全弁からヘリウムガスが放出されたことを検知するセンサであることが好ましい。なお、前記安全弁からヘリウムガスが放出されたことを検知するセンサは、ヘリウムガスの放出音を検知する音センサ、前記安全弁が解放状態となったことを検知するもの、前記安全弁と連通するヘリウムガス放出口の温度が−100℃以下となったことを検知する温度センサのうち、少なくとも1つであることが好ましい。
これらのセンサによれば、確実かつ迅速にクエンチを検知することができる。
本発明に係るNMR分析装置、MRI装置及びICR質量分析装置は、上記のいずれかに記載の超電導磁石を備えるものであることが好ましい。
上記構成により、上記各効果を有するNMR分析装置、MRI装置及びICR質量分析装置を提供できる。
以下、本発明に係る超電導磁石の実施形態について、図1及び図2を用いて説明する。なお、図1は、本発明の実施形態に係る超電導磁石装置の超電導磁石1の要部概略断面図であり、図2は、本発明の実施形態に係る超電導磁石装置の圧力調整機構4を示す概略図である。本発明の実施形態に係る超電導磁石装置の超電導磁石1は、超電導コイル5を収容する液体ヘリウム槽2、ヘリウムガス排気管3A・3B、液体窒素槽10、及び真空断熱槽12などを主要な構成部とする。本発明の実施形態に係る超電導磁石装置の圧力調整機構4は、圧力スタビライザー51、ヘリウムガスボンベ52などを主要な構成部とする。
図1において、液体ヘリウム槽2は、その内部に超電導コイル5と液体ヘリウム6とを収容している。液体ヘリウム6は、超電導コイル5を冷却するためのものであり、超電導コイル5を極低温に保持している。
超電導コイル5は筒状の形状をしている。また、内部に中空部25を有し、液体ヘリウム槽2や真空断熱槽12の内側に配置される中空筒26・27・28のうち、最も外側に配置される中空筒28の外周部に、超電導コイル5の内面が沿うように設けられている。そして、最も内側に配置される中空筒26の中空部25に磁場を発生させている。また、中空筒26・27・28は、この中空部25が外部と連通する態様で鉛直に配置されている。ただし、中空筒26・27・28は、MRI用又はICR用の超電導磁石のように、中空部25が外部と連通する態様で水平に配置されていてもよい。
なお、超電導磁石1がNMR分析装置、MRI装置やICR質量分析装置において利用されるときは、最も内側に配置される中空筒26の中空部25が、試料空間又は被験空間となる。また、MRI装置において超電導磁石1を利用する場合、中空部25の口径は、試料となる動物又は被験者がこの中空部25を仰向けの状態で通過できる程度の大きさとなる。
ヘリウムガス排気管3A・3Bは、液体ヘリウム槽2に収容される液体ヘリウム6から気化したヘリウムガス7を液体ヘリウム槽2の外部に排気するためのものである。そして、ヘリウムガス排気管3A・3Bの管内を流れるヘリウムガス7が上方に向かうように、ヘリウムガス排気管3A・3Bの下端3Aa・3Baが、液体ヘリウム槽2の上部に接続して取り付けられている。
また、このヘリウムガス排気管3A・3Bの周囲には、真空断熱槽12から突出した外管18A・18Bが配置されている。なお、図示されていないが、ヘリウムガス排気管3A・3Bの上端は、外管18A・18Bのフランジ部40A・40Bで、外管18A・18Bとヘリウムガス排気管3A・3Bとの隙間を塞ぐように溶接して固定されている。したがって、フランジ部40A・40Bよりも上方側、即ち、ヘリウムガス7が流れる方向の下流側では、外管18A・18Bの管内をヘリウムガス7が流れることとなる。
また、外管18A・18Bは、フランジ部40A・40Bよりも上方側、即ち、ヘリウムガス7が流れる方向の下流側で、各々の管内が連通する連通部29を備えている。
また、外管18A・18Bのフランジ部40A・40Bよりも下方側、即ち、ヘリウムガス7が流れる方向の上流側では、外管18A・18Bとヘリウムガス排気管3A・3Bとの間に、第1の真空層13が形成されている。これは、対流熱、及びヘリウムガス排気管3A・3Bを通じての伝導熱など、超電導磁石1の外部からヘリウムガス排気管3A・3Bへの熱の侵入を防止するためである。
また、フランジ部40A・40Bよりも上方側、即ち、ヘリウムガス7が流れる方向の下流側であって、一方の外管18Aの途中から、枝管16が水平方向に分岐している。そして、2本のヘリウムガス排気管3A・3Bの管内を通って流れてきたヘリウムガス7は合流されたのち、枝管16及び枝管16と連通する枝管65を通って圧力調整機構4に吸気される。
圧力スタビライザー51は、圧力調整機構4の本体部であり、圧力コントローラ54と、圧力センサ55と、スロットルバルブ56と、磁場検知器32と、遮断弁58と、ポンプ59とを備えている。圧力センサ55、スロットルバルブ56、遮断弁58、及びポンプ59は、この順に配管を介して連通している。
圧力コントローラ54は、圧力センサ55から配管内における現在の圧力値を得て、ポンプ59で引く圧力が所望する値となるように、スロットルバルブ56で圧力を自動調節するものである。
磁場検知器32は、検知した値が予め設定された漏れ磁場強度以上であれば、磁場検知器32が遮断弁58を解放状態とする命令を出力する。設定された漏れ磁場強度未満になった際には、磁場検知器32が遮断弁58に命令を出力して、ポンプ59とヘリウム槽2との連通を遮断させる。
遮断弁58は、どのような弁でも構わないが、応答性、確実性の面で電磁弁であることが好ましい。また、この遮断弁58は、圧力調整バルブ60と、配管66、逆止弁64、配管67を介して接続されている。
ヘリウムガスボンベ52は、ヘリウムガス圧力調整器71、配管72、ガス導入バルブ73を介して、圧力スタビライザー51や逆止弁61等と連通している。ヘリウムガスボンベ52は、液体ヘリウム槽2に注入口(図示せず)から液体ヘリウムを移送(注液)する際に、以下のように用いられる。液体ヘリウムの移送時には、逆止弁61が取り外され、ヘリウムガス放出口として用いられるが、ヘリウム槽2内が減圧された状態のまま逆止弁61をはずすと空気を吸い込んでしまう。そのため、前もってガス導入バルブ73を開けてヘリウム槽2と配管65、29、3、7等へ、ヘリウムガスボンベ52からヘリウムガスを導入し、ヘリウム槽2内を大気圧まで戻す。なお、このとき圧力調整バルブ60は閉じられている。ヘリウム槽2内の圧力は圧力計53でモニターできるので、大気圧まで戻ったかを確認できる。
逆止弁61は、圧力スタビライザー51が停電等で停止した場合に、ガスを放出させるための安全弁である。
逆止弁64は、配管66を介して圧力調整バルブ60に、配管67を介して遮断弁58にそれぞれ接続されている。なお、逆止弁64は、圧力調整バルブ60を閉じて作業し、その後解放した際に逆流が起きないようにするための安全弁である。
液体窒素槽10は、液体ヘリウム槽2と輻射シールド9を取り囲むようにして配置されている。液体窒素槽10は、その内部に液体窒素11を収容しており、超電導磁石1の外部から液体ヘリウム槽2への熱の侵入を低減する役割を果たしている。なお、液体窒素槽10に収容されている液体窒素11から気化した窒素ガスは、窒素ガス排気管19の管内を通って排気されている。
真空断熱槽12は、液体ヘリウム槽2、輻射シールド9、及び液体窒素槽10などを囲むように配置されている。ここで、真空断熱槽12は、隙間なく密閉して構成されており、真空断熱槽12の内部は、予め真空ポンプによって吸引され、真空状態が維持されている。したがって、真空断熱槽12と液体窒素槽10の間には第2の真空層20が形成されることとなる。第2の真空層20は断熱作用を有するため、超電導磁石1の外部から、真空断熱槽12に囲まれた液体窒素槽11や液体ヘリウム槽2への熱の侵入を低減することができる。
なお、前述した外管18A・18Bは、第1の真空層13と第2の真空層20とが連通するように真空断熱槽12から突出しており、外管18A・18Bと真空断熱槽12とは一体構成となっている。
また、真空断熱槽12には、2個の安全弁30とドロップオフプレート31と磁場検知器32とが備えられている。安全弁30は、液体ヘリウム6からヘリウムガス7への気化による急激な膨張によって、液体ヘリウム槽2が破損又は破裂することを防止するためのものであり、連通部29に設けられている。一方、ドロップオフプレート31は、真空断熱槽12の下部に設けられている。磁場検知器32は、100〜2500Gaussの漏れ磁場が検知できる位置に配置されていることが好ましい。
安全弁30は、設定された圧力に達するまでは弁が閉じた状態となっているが、設定された圧力に達すると弁が開放される。
ドロップオフプレート31は、真空断熱槽12内部の真空状態が破れたときに開放される破裂弁である。
磁場検知器32は、漏れ磁場強度を検知して、超電導磁石が磁場を発生しているかを検知するものである。
また、本実施形態における超電導磁石1は、超電導磁石1の外部から液体ヘリウム槽2への熱の侵入を極力低減させるために、あらゆる工夫がなされている。例えば、液体ヘリウム槽2を囲むように輻射シールド9を配置することによって、超電導磁石1の外部から液体ヘリウム槽2への熱の侵入を低減している。
また、同様に、本実施形態における超電導磁石1は、超電導磁石1の外部からヘリウムガス排気管3A・3Bへの熱の侵入を極力低減させるためにも、あらゆる工夫がなされている。
例えば、ヘリウムガス排気管3A・3Bは、液体ヘリウム槽2の上面を貫通し、液体ヘリウム槽2の上部で外管18A・18Bと固定されている。さらに、ヘリウムガス排気管3A・3Bは、液体窒素槽10と輻射シールド9を貫通しており、ヘリウムガス排気管3A・3Bと液体ヘリウム槽2は、各々互いに隙間なく固定されている。
上記構成によって、ヘリウムガス7は、周囲に第1の真空層13が形成されたヘリウムガス排気管3A・3Bの管内を流れることとなるので、第1の真空層13の断熱作用によって、超電導磁石1の外部からヘリウムガス排気管3A・3Bの管内への熱の侵入を低減することができる。
さらに、ヘリウムガス排気管3A・3Bの管内を流れるヘリウムガス7は、液体ヘリウム槽2の内部からその外部に向かって流れるので、ヘリウムガス排気管3A・3Bの内壁は常に冷却された状態となっている。また、ヘリウムガス排気管3A・3Bの肉厚を可能な限り薄くすることで、外部の熱が熱伝導によって管内に伝達されにくくされている。
このように、第1の真空層13が形成されていること、ヘリウムガス排気管3A・3Bの内壁が冷却されていること、及びヘリウムガス排気管3A・3Bの肉厚が薄いことなどの相乗効果によって、超電導磁石1の外部からヘリウムガス排気管3A・3Bへの熱侵入の防止が図られている。
なお、本実施形態で説明した各構成については、これに限られるものではない。
例えば、本実施形態では、2本のヘリウムガス排気管3A・3Bが液体ヘリウム槽2に取り付けられているが、本数はこれに限られるものではない。
また、一方のヘリウムガス排気管3Aの途中から水平方向に枝管16を分岐させているが、連通部29から枝管16を分岐させるようにしてもよい。
次に、超電導磁石1の作用について説明する。
液体ヘリウム槽2に収容される液体ヘリウム6は、沸点が低く、輻射や伝導による僅かな熱の侵入によって、絶え間なくヘリウムガス7に気化されている。ところが、液体ヘリウム槽2は、ステンレス合金やFRPなどの部材で構成されているため、ヘリウムガス7を収容可能な容積は可変するものではない。したがって、液体ヘリウム槽2が仮に密閉空間であるとすると、液体ヘリウム6からヘリウムガス7への気化によって液体ヘリウム槽2の内部圧力が上昇し、液体ヘリウム槽2の亀裂又は破裂に至ってしまう。それを防止しているのが、ヘリウムガス排気管3A・3Bである。
なお、液体ヘリウム槽2に収容された液体ヘリウムは気化されてはいるが、液体ヘリウム槽2の内部圧力は、圧力調整機構4におけるポンプ59によって、大気圧よりも極僅かに低い負圧となっている。したがって、液体ヘリウム槽2に収容された液体ヘリウム6から気化したヘリウムガス7は、外気と連通するヘリウムガス排気管3A・3Bを通って枝管16及び枝管65を介して圧力調整機構4に排気されることとなる。具体的には、その後、圧力調整機構4の枝管65、圧力計53、圧力調整バルブ60、逆止弁64、配管67、圧力スタビライザー51の順に排気され、最終的には屋外へ排出、又は回収配管へと排出される。
このように、ヘリウム槽2内は、圧力調整機構4におけるポンプ59で減圧されているので、超電導磁石1がクエンチすると安全弁30等が開いて気密状態ではなくなり、ヘリウムガス排気管3A・3Bを介して外気が混入してしまうことがある。
ヘリウムガス排気管3A・3B内に外気が流入すると、ヘリウムガス排気管3A・3B内で凍結して閉塞してしまう可能性が高い。ヘリウムガス排気管3A・3B内には、液体ヘリウム槽2の内部からその外部に向かってヘリウムガス7の流れがあることから、温度が低いヘリウムガス7によって外気が冷却されるからである。
これを防止するための本実施形態にかかる超電導磁石装置の動作が以下のものである。磁場検知器32は、超電導磁石1の漏れ磁場強度を検知し、遮断弁58を解放させる信号又は遮断させる信号を出力するものである。つまり、漏れ磁場が検知されているときは、遮断弁58を解放させる信号が出力され、遮断弁58が解放状態となる。また、何らかの理由で超電導磁石1がクエンチした際には、磁場強度がほとんどなくなるので、それを磁場検知器32が検知し、設定された磁場強度(例えば1000Gauss)未満であると判断して、遮断弁58を遮断させる信号が遮断弁58に出力され、遮断弁58が遮断状態となる。
このようにして、圧力調整機構4を用いていても、超電導磁石1がクエンチした際に確実かつ迅速にクエンチを検知することができ、ポンプ59とヘリウム槽2とが遮断され、ヘリウムガス排気管3A・3B内に外気が流入することを防止することができるので、液体冷媒槽内の圧力異常を未然に防止可能な超電導磁石装置を提供することができる。
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、コイル軸心が水平に対し斜めの超電導磁石が用いられてもよい。
また、図示しないが、磁場検知器32の代わりに、安全弁(逆止弁)からヘリウムガスが放出されたことを検知するセンサであってもよい。このセンサによってもクエンチを検知できる。なお、安全弁からヘリウムガスが放出されたことを検知するセンサは、例えば、ヘリウムガスの放出音を検知する音センサ、安全弁が解放状態となったことを機械的に検知するもの、安全弁と連通するヘリウムガス放出口の温度が−100℃以下となったことを検知する温度センサのうち、少なくとも1つを用いることもできる。これらのセンサの信号を受信する機器を用いて遮断弁58を作動させ、ポンプ59とヘリウム槽2とを遮断・解放してもよい。
また、これらの超電導磁石装置を用いたNMR分析装置、MRI装置又はICR質量分析装置を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る超電導磁石装置の超電導磁石の要部概略断面図である。 本発明の第1実施形態に係る超電導磁石装置の圧力制御機構の概略図である。
符号の説明
1 超電導磁石
2 液体ヘリウム槽
3A,3B ヘリウムガス排気管
3Aa,3Ba ヘリウムガス排気管の下端
5 超電導コイル
6 液体ヘリウム
7 ヘリウムガス
9 輻射シールド
10 液体窒素槽
11 液体窒素
12 真空断熱槽
13 第1の真空層
14 本実施形態に係る超電導磁石の制御部
15 逆止弁
16、65 枝管
17 平フランジ
18A,18B 外管
19 窒素ガス排気管
20 第2の真空層
25 最も内側に配置される中空筒の中空部
26,27,28 中空筒
29 連通部
30 安全弁
31 ドロップオフプレート
40A,40B 外管のフランジ部
51 圧力スタビライザー
52 ヘリウムガスボンベ
53 圧力計
54 圧力コントローラ
55 圧力センサ
56 スロットルバルブ
58 遮断弁
59 ポンプ
60 圧力調整バルブ
61、64 逆止弁
63 ガス導入バルブ

Claims (8)

  1. ヘリウム槽がポンプにより減圧され、大気圧より低い状態で運転される超電導磁石装置であって、
    超電導磁石の超電導状態が破壊されたことを検知可能なクエンチ検知手段と、前記ヘリウム槽とポンプとを連通する管の途中に設けられた遮断弁とを備え、
    前記クエンチ検知手段が、超電導磁石の超電導状態が破壊されたことを検知した際、前記遮断弁が連動して前記ヘリウム槽と前記ポンプとの連通を遮断する超電導磁石装置。
  2. 前記クエンチ検知手段が、磁場検知器である請求項1に記載の超電導磁石装置。
  3. 前記磁場検知器が、100Gauss以上の漏れ磁場領域に配置されている請求項2に記載の超電導磁石装置。
  4. 前記ヘリウム槽が、内部でヘリウムが多量に蒸発した際に、ヘリウムガスを放出する安全弁をさらに有するものであり、
    前記クエンチ検知手段が、前記安全弁からヘリウムガスが放出されたことを検知するセンサである請求項1に記載の超電導磁石装置。
  5. 前記安全弁からヘリウムガスが放出されたことを検知するセンサが、ヘリウムガスの放出音を検知する音センサである請求項4に記載の超電導磁石装置。
  6. 前記安全弁からヘリウムガスが放出されたことを検知するセンサが、前記安全弁が解放状態となったことを検知するものである請求項4に記載の超電導磁石装置。
  7. 前記安全弁からヘリウムガスが放出されたことを検知するセンサが、前記安全弁と連通するヘリウムガス放出口の温度が−100℃以下となったことを検知する温度センサである請求項4に記載の超電導磁石装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の超電導磁石装置を備えるNMR分析装置、MRI装置又はICR質量分析装置。
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