JP4796352B2 - 熱処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、熱処理装置に関し、特に乾燥炉や焼成炉等の熱処理炉内のガスを排出する排気管に関するものである。
熱処理装置によりペースト、フリット等が塗布された基板、塗布ピース及び部品に乾燥あるいは焼成等の熱処理を行う際、熱処理が行われる炉内に有機溶剤を含むガスが発生する。このガスを炉外に排出する際、有機溶剤はガス配管内で凝集し易く、部分的に堆積する。その結果、ガスの流れの阻害、排気管の腐食、及び凝集物の飛散や液だれによる基板の汚染等が起こる。
従来、有機溶剤のガス配管内での凝集を防ぐために、ガス配管を断熱材等で保温する、又はガス配管を電気ヒーター等で外部から加熱する等の対応策がとられている。このような対応策がとられた熱処理装置としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。図13は特許文献1に記載のタール対策構造を有するガス配管を示す図である。
このガス配管は、図13に示すように、熱分解炉(図示せず)から改質炉(図示せず)に熱分解ガスを送給するための熱分解ガス配管2を備える。熱分解ガス配管2は、中心部の熱分解ガス送給管21の外周にスパイラル壁25を連設して、スパイラルな加熱ガス流路22を形成した2重壁管2aでもって構成されている。この2重壁管2aの両端には、開口24a、24bを有するフランジ23a、23bが設けられ、熱分解ガスが一方の開口24aから送入され他方の開口24bから送出される。また、この2重壁管2aの両端近傍には、開口27a、27bを有するフランジ26a、26bを持つ加熱ガス連結管28a、28bが、加熱ガス流路22に通じる状態で配設されている。
上記のように、従来のガス配管は、熱分解ガス配管2を2重管構造にし、中央の熱分解ガス送給管21の外周に燃料の燃焼排ガスを加熱ガスとして導入し、熱分解ガス送給管21を外部から加熱する。よって、ヒーター装置等を用いることなく、ガス配管を加熱することができるので、外部からのエネルギーを使用することなく、熱分解ガス配管内のタール分の凝集を抑制し、タールの発生を抑制することが可能となる。
特開2004−277551号公報(第3頁、図1)
しかしながら、特許文献1に記載の従来のガス配管は、次のような解決すべき課題を有する。すなわち、従来のガス配管が熱処理装置の排気管として用いられた場合、排気ガス量を調整する排気量調整バルブの箇所において、排気ガス流路径が急拡大することにより排気ガスが冷やされてタールが発生する。よって、従来のガス配管では、排気管として用いられた場合における管内でのタールの発生を防止することができないという問題がある。
上記のような問題は、図14に示すような、多段に積層された炉10を有し、多段の炉10から引き出された複数の排気管11が共通排気管12と接続された熱処理装置において特に顕著になる。これは、上記熱処理装置においては、同じ流量で共通排気管12に排気するために、排気ファン13に近い上段の炉10と接続された排気量調整バルブ14は排気ファン13から遠い下段の炉10と接続された排気量調整バルブ14よりも大きく閉められ、上段の炉10と接続された排気管11において排気ガス流路径の急拡大が発生することに起因する。
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑み、多段に積載された炉に使用される場合でも、排気管内におけるタールの発生を防止することが可能な熱処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の熱処理装置は、第1の熱処理部及び第2の熱処理部と、前記第1の熱処理部及び第2の熱処理部のガスを排出する排気管とを備え、前記第1の熱処理部は、前記排気管におけるガス流の上流側と接続され、前記第2の熱処理部は、前記排気管におけるガス流の下流側と接続され、前記排気管におけるガス流の下流側の断面積は、前記排気管におけるガス流の上流側の断面積よりも大きく、前記排気管の断面積は、前記排気管の第1の熱処理部との接続部分における断面積をS 1 、前記排気管の第2の熱処理部との接続部分における断面積をS 2 、前記第1の熱処理部内部の高さをH 1 、前記第1の熱処理部内部の高さと第2の熱処理部内部の高さとの合計をH 2 としたとき、下記の式を満足することを特徴とする。
2 /S 1 =(H 2 /H 1 a (0.1≦a≦0.9)
本構成によって、異なる熱処理部と接続された排気管を複数本集合させた場合における、ガス流の下流側の排気管と接続された熱処理部の排気ガス経路での熱処理部内の圧力と排気管入口の圧力との差が小さくなるので、排気量調整バルブ部分での排気ガスの急拡大を抑制し、タールの発生を防止することができる。その結果、有機溶剤及び水分を含有する材料が塗布された基板を乾燥するにあたり、材料から揮発した有機溶剤を含むガスのタールと、それに起因する配管の腐食や基板の汚染、また水蒸気の結露による滴下や錆が生じなくなり、メンテナンス時の生産停止によるロスを低減することが可能となる。
また、異なる熱処理部と接続された排気管を複数本集合させた場合における、ガス流の下流側の排気管での有機溶媒濃度の上昇を抑えることができ、溶媒濃度が高くなることにより起こりうる爆発を防止することができる。
また、多段に積載された熱処理部、直列に並べられた熱処理部、又は多段に積載され、直列に並べられた熱処理部を持つ熱処理装置において、給排気管の数を減らすことができるので、給排気管の取り付けやメンテナンスの負荷を軽減することができる。また、製造コストを安くすることもできる。また、複数の給排気管を集合させることで、熱処理装置の外部に逃げる熱を抑えることができ、省エネルギーを実現することもできる。
また、ガス流の下流側の排気管から排出される排気ガスのガス流量を減らし、ガス流の下流側の排気管から排出される排気ガスのガス流量を排気量調整バルブ等の絞り機構による大幅な流量調整をすることなくガス流の上流側の排気管から排出される排気ガスのガス流量に近付けることができる。よって、排気量調整バルブ等の絞り機構を設ける必要が無くなり、絞り機構による流量調整に伴う排気ガスの急拡大が低減されるので、排気ガスの温度低下を抑制でき、それに伴うタール発生を防止することができる。また、排気量調整バルブ等の絞り機構による圧力損失を低減することができるので、熱処理装置の排気効率を上げることもできる。
また、前記排気管は、管壁の一部として仕切り板を有し、前記仕切り板を管壁の一部とし、前記第1の熱処理部及び第2の熱処理部にガスを供給する給気管を備えてもよい。
本構成によって、給気管と排気管とが一体化され、給気管に高温のガスを流すことで排気管を加熱することができるので、事前に加熱された給気ガスの熱により排気管を加熱することができ、排気ガスが冷えることにより起こるタールの発生を防止することができる。また、給気管と排気管とを一体にすることで、外気にさらされる表面積を減らすことができるので、省エネルギーも実現することができる。
また、前記仕切り板には、前記給気管と排気管とをつなぐガス経路と、前記ガス経路を開閉する開閉部材とが設けられてもよい。
本構成によって、給気ガスを排気管に注入し、排気ガス中の溶媒濃度を低減させることができるので、排気管を複数本集合させた場合における溶媒濃度の上昇による爆発を防ぐことができる。また、事前に加熱された給気ガスの熱を排気管に伝えることで、排気ガスの温度を高めることができ、排気ガスが冷やされることで起こるタールの発生も防止することができる。
また、前記開閉部材の開閉を制御する制御手段を備えてもよい。
本構成によって、排気管外部からの流量調整が可能となるので、タクト搬送等において、排出する有機溶媒の濃度が熱処理部内の排気管付近の同じ場所で基板がある時とない時とで時事刻々と変わる場合も、適切な流量を選択して排気管に給気ガスを送り込む事ができ、給気ガスの消費量を減らすことができる。
また、前記仕切り板を加熱するヒーターを備えてもよい。
本構成によって、内部からの排気ガスの加熱が可能となるので、排気ガスが冷やされてタールが発生し易い箇所を選択的に暖めることができる。また、排気ガスを外部からではなく内部から直接暖めるので、ヒーターの熱効率が良い。
また、前記仕切り板には、前記給気管と排気管とをつなぐ開口部と、前記開口部を閉塞する透明部材とが設けられてもよい。
本構成によって、赤外線センサー等を用いてタールによる透明部材の曇り度合いを判断し、メンテナンスによる生産停止の頻度を抑えることができる。
また、前記排気管の管壁は、前記第1の熱処理部及び第2の熱処理部の壁面と接してもよい。
本構成によって、熱処理部の壁の熱を利用して排気管を加熱することができるので、温度が排気ガスより高い熱処理部の壁の熱により排気管を加熱することができ、排気ガスが冷えることにより起こるタールの発生を防止することができる。また、熱処理部の壁と排気管の管壁とを隣接させることで、外部に逃げる熱を抑えることができ、省エネルギーも実現することができる。
また、前記排気管の第1の熱処理部及び第2の熱処理部の壁と接する管壁には、前記排気管と前記第1の熱処理部及び第2の熱処理部とをつなぐガス経路と、前記ガス経路を開閉する開閉部材とが設けられてもよい。
本構成によって、熱処理部内のガスを排気ガスに注入することが可能となるので、熱処理部内のガスを排気管に注入して排気ガス中の溶媒濃度を低減させ、排気管を複数本集合させた場合における溶媒濃度の上昇による爆発を防ぐことができる。また、熱処理部内のガス熱を直接排気管内に送ることで、排気ガスの温度低下を防ぐことができ、排気ガスが冷やされることに起こるタールの発生も防止することができる。
また、前記排気管には、内部を開放する開口部と、前記開口部を閉塞する扉とが設けられてもよい。
本構成によって、タールが排気管内部に生じた場合でも扉を開けることにより簡単にメンテナンスすることができる。
また、前記第1の熱処理部及び第2の熱処理部からそれぞれ構成され、隣接して配設される複数の集合熱処理部を備え、前記排気管は、隣接する2つの集合熱処理部の間に配設されてもよい。
本構成によって、排気管を取り外すことなく熱処理部内部のメンテナンスを行うことができ、熱処理装置の作業性を向上させることができる。
本発明に係る熱処理装置は、以上説明したように構成されているので、排気管内での有機溶剤を含むガスのタールの発生を防止し、タールの発生に起因する排気管の閉塞又は腐食や基板の汚染を防止でき、乾燥炉や焼成炉等の熱処理炉を有する熱処理装置の運転効率やメンテナンス性を向上させることができる。
よって、本発明は、従来の問題点を解消した乾燥炉や焼成炉等の熱処理炉を有する熱処理装置の排気管として、実用的価値はきわめて大なるものがある。
以下、本発明の実施の形態における熱処理装置について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における熱処理装置の構造を示す側面図である。
この熱処理装置は、多段に縦方向に順次積載された第1の炉100a、第2の炉100b及び第3の炉100cと、第1の炉100a、第2の炉100b及び第3の炉100cと接続され、各炉内部のガスを排気する排気管を集合して形成された集合排気管200と、集合排気管200と排気ファン(図外)との間に接続された排気部203とから構成される。なお、第1の炉100a、第2の炉100b及び第3の炉100cは、それぞれ本発明の熱処理部の一例である。
第1の炉100a、第2の炉100b及び第3の炉100cは、例えば有機溶剤を含有する材料が塗布された基板を乾燥又は焼成する乾燥炉や焼成炉であり、給気管を通して炉内への空気の注入を受け、温度をかけることでガラス基板の乾燥又は焼成を行う。このとき、乾燥又は焼成により、ガラス基板に塗布されたペースト、フリット等に含有される有機溶剤が揮発して、炉内に有機溶剤を含むガスが発生する。
集合排気管200は、円筒状の排気管であって、排気管本体201と、排気管本体201と第1の炉100a、第2の炉100b及び第3の炉100cとをそれぞれつなぐ第1の排気口202a、第2の排気口202b及び第3の排気口202cとから構成され、各炉内で発生したガスを熱処理装置外部に排出する。
なお、集合排気管200は、耐熱性、耐腐食性及び耐変形性を有する材料で形成することが望ましい。そのような材料としては、具体的には、ステンレス鋼、アルミニウム、セラミック、ニッケルとクロムを主成分とする耐熱/耐食材料インコネル(登録商標)、又はフッ素系樹脂でテフロン(登録商標)のような耐熱性樹脂がある。
上記構造を有する熱処理装置においては、炉内で発生したガスは集合排気管200の第1の排気口202a、第2の排気口202b及び第3の排気口202cを通じて集合排気管200の排気管本体201に送られ、排気部203を通り排出される。
ここで、熱処理装置の排気機構において、排気流量を調整するために例えば集合排気管200の各排気口に排気量調整バルブが設けられるが、集合排気管200の断面積と排気量調整バルブの開口面積との差が大きいと排気量調整バルブの出口において排気ガスの急拡大が起こる。この現象が連続的に起こると排気量調整バルブの周辺が冷え、それに伴い排気ガスが冷やされ、タールが発生する。従って、溶剤を含んだガスを排気する際には、集合排気管200内部の排気流路における急拡大を防止することが必要となる。
そこで、本発明者らは、2段以上に炉が縦方向に積載された熱処理装置において、各炉から排出される排気ガスの流れを従来のものと異なるようにする排気機構を形成するため、断面積がガス流の上流側の排気管からガス流の下流側の排気管に向かうに従い漸増するテーパ形状を有する集合排気管200を採用し、排気量調整バルブ箇所でのタールの発生を低減した。例えば、第1の炉100aと接続されたガス流の上流側の排気管から第2の炉100bと接続されたガス流の下流側の排気管に向かうに従い断面積が漸増する集合排気管200が採用される。
すなわち、2段以上に炉が積載された熱処理装置の排気機構において、炉内の圧力と排気ファンで発生させた圧力との差から発生する力により炉内のガスが排気される。排気管を集合させて一度に炉内のガスを排気する場合、炉内の圧力と排気管入口の圧力との差がそれぞれの排気ガス経路により異なり、排気ファンに近いガス流の下流側の排気管と接続された炉の排気ガスを引き上げる為のエネルギーは、排気ファンから遠いガス流の上流側の排気管と接続された炉の排気ガスを引き上げる為のエネルギーよりも小さくて済むため、排気ファンに近い炉の排気ガスは排気ファンから遠い炉の排気ガスよりも排出され易い。よって、ガス流の下流側の排気管と接続された排気量調整バルブの開口面積はガス流の上流側の排気管と接続された排気量調整バルブの開口面積よりも小さくされるので、ガス流の下流側の排気管と接続された排気量調整バルブ箇所で排気ガスの急拡大によりタールが発生する。しかしながら、集合排気管200は、上記テーパ形状を有するため、排気ファンに近い炉の排気ガス経路における排気管入口の圧力が大きくなる。その結果、排気ファンに近い炉の排気ガス経路における、炉内の圧力と排気管入口の圧力との差が小さくなり、排気ガスの急拡大が抑制されてタールの発生が防止されるのである。
このとき、集合排気管200の直径(面積)がガス流の上流側の排気管からガス流の下流側の排気管に向かうに従い漸増する場合、漸増率(ガス流の下流側の排気管の直径(面積)/ガス流の上流側の排気管の直径(面積))が小さいと、排気ファンに近い炉の排気ガス経路における単位時間当たりに排出される排気ガスの量が多く、排気ガスの流速が大きくなる。よって、排気ファンに近い炉の排気ガス経路における排気管入口の圧力が排気ガスの急拡大を抑制できる程度に小さくならず、タールの発生が起こる。一方、漸増率(ガス流の下流側の排気管の直径(面積)/ガス流の上流側の排気管の直径(面積))が大きいと、排気ガスが集合排気管200内で拡大されることにより排気ガスの急拡大が起こり、タールが発生する。
従って、集合排気管200の直径(面積)を適度なものになるように設定する必要があり、集合排気管200の直径(面積)は下記の式1あるいは式2を満足するように設定される。
(式1)
N/D1=(HN/H1a 0.05≦a≦0.45
(式2)
N/S1=(HN/H1a 0.1≦a≦0.9
なお、式1、2で使用される、変数DNはN(Nは1より大きい自然数)段目の炉と集合排気管200との接続部分における排気管の中央部の直径(m)を示し、変数D1は最下段の炉と集合排気管200との接続部分における排気管の中央部の直径(m)を示し、変数HNは最下段の炉からN段目の炉までの炉内部の高さの合計(m)を示し、変数H1は最下段の炉内部の高さ(m)を示し、変数SNはN段目の炉と集合排気管200との接続部分における排気管の中央部の断面積(m2)を示し、変数S1は最下段の炉と集合排気管200との接続部分における排気管の中央部の断面積(m2)を示している。また、ここで示すDN、D1は集合排気管200の直径の代表長さである。
図2は集合排気管200の形状とタールの発生量との関係を示す図である。図2において、縦軸は集合排気管200の直径の漸増率(N段目の炉と集合排気管200との接続部分における集合排気管200の中央部の直径DN/最下段の炉と集合排気管200との接続部分における集合排気管200の中央部の直径D1)を示し、横軸は炉高さ(最下段の炉からN段目の炉までの炉内部の高さの合計HN/最下段の炉内部の高さH1)を示している。なお、図2において、有機溶剤が塗布された基板を50枚熱処理した場合に排気量調整バルブ付近にタールが発生したものを「×」、100枚を熱処理した場合にタールが発生したものを「△」、100枚熱処理した時点でタールが発生しなかったものを「○」として表している。また、集合排気管200の直径がガス流の下流側の排気管とガス流の上流側の排気管とで変わらない直管の場合、つまり式1においてa=0.0の場合を破線で示している。また同様に、集合排気管200の断面積が排気ガス流量に1対1で比例して大きくなる場合、つまり式1においてa=0.5の場合も破線で示している。
図2から、式1においてa=0.0の場合及びa=0.5の場合にはタールが付着することがわかる。また、式1において0.05≦a≦0.45の場合には、つまり図2において斜線で示される範囲にある場合には、タールが付着しないことがわかる。さらに、集合排気管200の直径がガス流の上流側の排気管からガス流の下流側の排気管にいくに従い漸増し、漸増率(DN/D1)が非常に小さい場合には、つまり式1でa<0.05の場合には、タールが付着することがわかる。これは、単位時間当たりに排出される排気ガスの流量が多く、排気ガスの流速が大きいため、排気ファンに近い炉の排気ガス経路における排気管入口の圧力が排気ガスの急拡大を抑制できる程度に小さくならず、タールの発生が起こることが原因と考えられる。さらにまた、漸増率(DN/D1)が大きい場合には、つまり式1でa>0.45の場合には、タールが付着することがわかる。これは、排気ガスが集合排気管200内で急拡大されることによりタールの発生が起こることが原因と考えられる。
以上のように本実施の形態の熱処理装置によれば、集合排気管200は、断面積がガス流の上流側の排気管からガス流の下流側の排気管に向かうに従い漸増するテーパ形状を有する。よって、排気ファンに近い上段の炉の排気ガス経路における、炉内の圧力と排気管入口の圧力との差が小さくなるので、排気ガスの急拡大を抑制し、タールの発生を防止することができる。また、排気管の断面積がガス流の下流側の排気管に行くに従い漸増する形となっているため、異なる炉と接続された排気管を複数本集合させる場合における、ガス流の下流側の排気管での有機溶媒濃度の上昇を抑えることができ、溶媒濃度が高くなることにより起こりうる爆発を防止することができる。
また、本実施の形態の熱処理装置によれば、上段の炉と接続されたガス流の下流側の排気管から排出される排気ガスの流量を減らし、上段の炉と接続された排気管から排出される排気ガスの流量を排気量調整バルブ等の絞り機構による大幅な流量調整をすることなく下段の炉と接続されたガス流の上流側の排気管から排出される排気ガスの流量に近付けることができる。よって、排気量調整バルブ等の絞り機構を設ける必要が無くなり、流量調整に伴う排気ガスの急拡大が低減されるので、排気ガスの温度低下を抑制でき、それに伴うタール発生を防止することができる。これによって、メンテナンス時の生産停止によるロスを低減し、熱処理装置の生産性を向上させることができる。また、排気量調整バルブ等の絞り機構による圧力損失を低減することができるので、熱処理装置の排気効率を上げることができる。
また、本実施の形態の熱処理装置によれば、異なる炉と接続された排気管を複数本集合させて構成される集合排気管200を備える。よって、多段炉、直列炉又は多段直列炉において、給排気管の数を減らすことができるので、給排気管の取り付けやメンテナンスの負荷を軽減することができる。また、製造コストも安くすることができる。さらに、複数の給排気管を集合させることで、熱処理装置の外部に逃げる熱を抑えることができ、省エネルギーを実現することができる。
なお、本実施の形態の熱処理装置において、縦方向に積載された炉の排気管を集合させた集合排気管について説明したが、集合排気管は水平方向に並べられた排気管を集合させたものであってもよい。この場合には、炉内部の高さHを実質流動直線長さとして考えてやればよい。
また、本実施の形態の熱処理装置において、集合排気管は炉の積載方向と平行であるとしたが、炉の積載方向から傾いていてもよい。
また、本実施の形態の熱処理装置において、集合排気管は円管であるとしたが、断面積がガス流の上流側の排気管からガス流の下流側の排気管に向かうに従い漸増する形状であればこれに限られず、例えば断面が四角形の四角管であってもよい。
また、本実施の形態の熱処理装置において、集合排気管は、テーパ形状を有するとしたが、図3に示すような断面積がガス流の上流側の排気管からガス流の下流側の排気管に向かうに従い漸増する階段形状を有してもよい。
(実施の形態2)
図4(a)、図4(b)は、本発明の実施の形態2における熱処理装置の構造を示す上面図及び側面図であり、図5は、同熱処理装置が備える集合給排気管400の構造を示す図である。
この熱処理装置は、多段に縦方向に順次積載された第1の炉100a、第2の炉100b及び第3の炉100cと、第1の炉100a、第2の炉100b及び第3の炉100cと接続され、各炉内部のガスを排気する排気管及び各炉内部にガスを供給する給気管を集合して形成された集合給排気管400とから構成される。
第1の炉100a、第2の炉100b及び第3の炉100cは、例えば有機溶剤を含有する材料が塗布された基板を乾燥又は焼成する乾燥炉や焼成炉であり、集合給排気管400を通して炉内への高温空気の注入を受け、温度をかけることでガラス基板の乾燥又は焼成を行う。このとき、ガラス基板に塗布されたペースト、フリット等に含有される有機溶剤が揮発して、炉内に有機溶剤を含むガスが発生する。
集合給排気管400は、管壁の一面が炉壁500と接するように配置された箱型の給排気管であって、排気管本体401と、給気管本体404と、第1の排気口402a、第2の排気口402b、第3の排気口402c及び第4の排気口402dと、第1の給気口403a、第2の給気口403b、第3の給気口403c及び第4の給気口403dとから構成され、各炉内で発生したガスを熱処理装置外部に排出し、また各炉内にガスを熱処理装置外部から供給する。
排気管本体401は、断面積がガス流の上流側の排気管からガス流の下流側の排気管に向かうに従い漸増するテーパ形状を有する。
第1の排気口402a、第2の排気口402b及び第3の排気口402cは、排気管本体401と第1の炉100a、第2の炉100b及び第3の炉100cとをそれぞれつなぎ、炉から排気管本体401に排気ガスを送る。
第1の給気口403a、第2の給気口403b及び第3の給気口403cは、排気管本体401と第1の炉100a、第2の炉100b及び第3の炉100cとをそれぞれつなぎ、給気管本体404から炉に給気ガスを送る。
第4の排気口402dは、排気管本体401と外部とをつなぎ、排気管本体401から外に排気ガスを送る。
第4の給気口403dは、給気管本体404と外部とをつなぎ、外部から給気管本体404に給気ガスを送る。
ここで、集合給排気管400内部には仕切り板490が配設されており、仕切り板490により分離された左側の部屋である給気管本体404は集合給気管として機能し、右側の部屋である排気管本体401は集合排気管として機能する。従って、集合給排気管400内部には、仕切り板490を管壁の一部として共有する集合給気管及び集合排気管が形成される。仕切り板490には、集合給気管と集合排気管とをつなぐガス経路(図外)と、ガス経路を開閉して集合給気管から集合排気管にガスを送る開閉部材である仕切り板シャッター470と、集合給気管と集合排気管とをつなぐ開口部を閉塞する透明部材であるガラス窓471と、集合排気管内に位置し、仕切り板490を加熱する薄型ヒーター472とが形成されている。なお、仕切り板シャッター470としては、仕切り板490に穴を開ける構造や、ガスの逆流を防ぐための弁構造等が考えられる。
また、集合給排気管400の内部には、排気量調整バルブ411と、炉壁シャッター460と、集合給気管内に位置する赤外線センサー480とが配設され、集合給排気管400の外部には、断熱材450が配設されている。
炉壁シャッター460は、炉壁500に設けられた集合排気管と炉とをつなぐガス経路を開閉する開閉部材である。これによって、炉内の熱を直接集合排気管に取り込んで排気ガスの温度を上げることができるので、排気ガスが冷やされることにより起こるタールの発生を防止することができる。従って、この炉壁シャッター460は、特に排気ガスが冷え易い排気量調整バルブ411付近やガス流の下流側の排気管部分を選択的に暖めるように取り付けられた場合により効果的となる。
また、集合給排気管400には、図6(a)、図6(b)の集合給排気管400の外観図及び図6(c)の集合給排気管400の断面図(図6(b)のA−A’における断面図)に示すように、集合給排気管400内部を開放する開口部を閉塞する扉700が設けられている。これによって、タールが集合給排気管400内部に生じた場合でも扉700を開けることにより簡単にメンテナンスすることができる。扉700としては、図6(a)に示すような両端がビス止めされた構造の扉700や、図6(b)に示すような一端がビス止めされた構造の扉700が考えられる。
また、集合給排気管400は、図4に示すように、第1の炉100a、第2の炉100b及び第3の炉100cからそれぞれ構成され、隣接して横方向に並べられた複数の集合炉から構成される連続炉の炉間に配備される。これによって、集合給排気管400を取り外すことなく炉内部のメンテナンスを行うことができ、熱処理装置の作業性を向上させることができる。なお、集合炉は、本発明の集合熱処理部の一例である。
上記構造を有する熱処理装置において、炉から排出された排気ガスは第1の排気口402a、第2の排気口402b及び第3の排気口402cを通じて排気管本体401に送られ、第4の排気口402dから集合給排気管400外部に出ていく。また、第4の給気口403dから給気管本体404に送られた給気ガスの一部は仕切り板490に取り付けられた仕切り板シャッター470により排気管本体401に送られ、残りは第1の給気口403a、第2の給気口403b及び第3の給気口403cを通じて炉内に送られる。
以上のように本実施の形態の熱処理装置によれば、実施の形態1の熱処理装置と同様の理由により、タールの発生を防止することができる。
また、本実施の形態の熱処理装置によれば、集合給排気管400は、仕切り板490で区分されて形成された、炉外からガスを炉内に供給する集合給気管と、炉内のガスを炉外に排出する集合排気管とを有する。つまり、集合給排気管400は、一体構造となった集合給気管と集合排気管とを有する。よって、集合給気管に高温のガスを流すことで集合排気管を加熱することができるので、事前に加熱された給気ガスの熱により集合排気管を加熱することができ、排気ガスが冷えることにより起こるタールの発生を防止することができる。また、集合給気管と集合排気管とを一体にすることで、外気にさらされる表面積を減らすことができるので、省エネルギーを実現することができる。
また、本実施の形態の熱処理装置によれば、集合給排気管400は、集合給気管と集合排気管とを区分する仕切り板490に、給気ガスを排気ガスに注入する仕切り板シャッター470が形成されたシャッター構造を有する。よって、給気ガスを集合排気管に注入し、排気ガス中の溶媒濃度を低減させることができるので、排気管を複数本集合させた場合における溶媒濃度の上昇による爆発を防ぐことができる。従って、この仕切り板シャッター470は、特にガス流の下流側の排気管に取り付けられた場合により効果的となる。また、事前に加熱された給気ガスの熱を集合排気管に伝えることで、排気ガスの温度を高めることができ、排気ガスが冷やされることで起こるタールの発生を防止することができる。従って、この仕切り板シャッター470は、特に排気ガスが冷え易い排気量調整バルブ411付近を暖めるように取り付けられた場合により効果的となる。
また、本実施の形態の熱処理装置によれば、集合給気管と集合排気管とを区分する仕切り板490に設けられた仕切り板シャッター470は、集合給排気管400外部の制御部により開閉制御される。よって、集合給排気管400外部からの流量調整が可能となるので、タクト搬送等において、排出する有機溶媒の濃度が炉内の排気管付近の同じ場所で基板がある時とない時とで時事刻々と変わる場合も、適切な流量を選択して集合排気管に給気ガスを送り込む事ができ、給気ガスの消費量を減らすことができる。仕切り板シャッター470の制御方法としては、流量測定センサーを用い測定した流量をフィードバック制御して仕切り板シャッター470を自動開閉させること等が考えられる。また、流量測定センサーとしては流量計や排気管内に排気ガスを妨げるように取り付けられ、機械的変位で流量を感知するもの等が考えられる。
また、本実施の形態の熱処理装置によれば、集合給気管と集合排気管とを区分する仕切り板490の集合排気管側の面には、薄型ヒーター472が取り付けられる。よって、内部からの排気ガスの加熱が可能となるので、排気ガスが冷やされてタールが発生し易い箇所を選択的に暖めることができる。従って、この薄型ヒーター472は、特に排気ガスが冷え易い排気量調整バルブ411付近を選択的に暖めるように取り付けられた場合により効果的となる。また、排気ガスを外部からではなく内部から直接暖めるので、ヒーターの熱効率が良い。薄型ヒーター472としては、薄型のセラミックヒーター等が考えられる。
また、本実施の形態の熱処理装置によれば、集合給排気管400は、集合給気管と集合排気管とを区分する仕切り板490にガラス窓471が形成された窓構造を有し、集合給気管内部には仕切り板490のガラス窓471に向けて赤外線センサー480が配設されている。よって、タールによるガラス窓471の曇り度合いを赤外線センサー480の閾値から判断することができ、メンテナンスによる生産停止の頻度を抑えることができる。また、赤外線センサー480が集合給気管内に配設されているので、赤外線センサー480に排気ガスがかかることなくなり、熱処理装置の長期使用が可能になる。
また、本実施の形態の熱処理装置によれば、集合給排気管400の管壁は、炉壁500に接する。よって、炉壁500の熱を利用して集合給排気管400を加熱することができるので、温度が排気ガスより高い炉壁500の熱により集合給排気管400(特に集合排気管)を加熱することができ、排気ガスが冷えることにより起こるタールの発生を防止することができる。また炉壁500と集合排気管の管壁とを隣接させることで、外部に逃げる熱を抑えることができ、省エネルギーを実現することができる。このとき、炉内の熱を集合給排気管400に伝わり易くするため、集合給排気管400の管壁と接する炉壁500は断熱されていないことが好ましい。また、炉壁500と排気管本体401との間に、外気にさらされないように第1の排気口402a、第2の排気口402b及び第3の排気口402cを配備することで、排気口で排気ガスが冷やされることを防ぐことができる。
また、本実施の形態の熱処理装置によれば、集合給排気管400は、炉壁500と集合排気管の炉壁500と接する管壁とに炉壁シャッター460が配設された構造を有する。よって、炉内のガスを排気ガスに注入することが可能となるので、炉内のガスを集合排気管に注入して排気ガス中の溶媒濃度を低減させ、排気管を複数本集合させた場合における溶媒濃度の上昇による爆発を防ぐことができる。従って、この炉壁シャッター460は、特にガス流の下流側の排気管に取り付けられた場合により効果的となる。また、炉内のガス熱を直接集合排気管内に送ることで、排気ガスの温度低下を防ぐことができ、排気ガスが冷やされることに起こるタールの発生を防止することができる。従って、この炉壁シャッター460は、特に排気ガスが冷え易い排気量調整バルブ411付近を暖めるように取り付けられた場合により効果的となる。炉壁シャッター460としては、仕切り板490に穴を開ける構造や、ガスの逆流を防ぐための弁構造等が考えられる。
また、本実施の形態の熱処理装置によれば、排気量調整バルブ411は、集合排気管の内部に配設される。よって、排気ガス熱を利用して排気量調整バルブ411を加熱することが可能となるので、排気量調整バルブ411を常に排気ガス熱で暖めることができ、ガス流の下流側の排気管と接続された排気量調整バルブ411でガス流路径が急拡大することにより排気ガスが冷えるという現象が継続して起こる場合でも、排気量調整バルブ411が冷えることがなくなる。その結果、排気量調整バルブ411付近で排気ガスが冷えることによるタールの発生を防止することができる。この排気量調整バルブ411は、バルブのほかにオリフィスや、図7に示すような簡単なものであってもよい。図7に示すような排気量調整機構においては第1の排気口402a、第2の排気口402bあるいは第3の排気口402cの出口に、排気口にフタをするように排気流量調節部材610を取り付け、排気管排気ガス流路の断面積を変化させて排気ガスの排出量を調整する。この機構は簡単な構造であり、熱処理装置の低コスト化を実現できる。
なお、本実施の形態の熱処理装置において、集合給排気管400は、図8(a)の熱処理装置の断面図(図5のA−A’における断面図)に示すような長方形の断面形状を有する直方体の管であってもよい。これによって、集合給排気管400は製造が容易な長方形の断面形状を有することになるので、低コストの熱処理装置を実現することができる。また、集合給排気管400は、図8(b)の熱処理装置の断面図(図5のA−A’における断面図)に示すような半円形の断面形状を有する半円柱の管であってもよい。これによって、集合給排気管400は炉壁500と接触する面積が大きく、外気にさらされる表面積が小さい半円形の断面形状を有することになるので、高効率な熱処理装置を実現することができる。
また、本実施の形態の熱処理装置において、仕切り板490は、図8(a)の熱処理装置の断面図に示すように炉壁500と垂直になるように配置されてもよいし、図8(c)の熱処理装置の断面図(図5のA−A’における断面図)に示すように炉壁500に平行になるように配置されてもよい。これによって、排気を壁側、給気を炉壁500と反対側に配置することができ、炉壁500の熱を効率良く利用し、排気ガスが冷やされることによるタールの発生を防止することができる。また、仕切り板490は、図8(d)の熱処理装置の断面図(図5のA−A’における断面図)に示すように炉壁500に対して斜めに配置されてもよい。これによって、排気を炉壁500側、給気を炉壁500と反対側に配置することができ、炉壁500の熱を効率良く利用し、タールの発生を防止することができる。また同時に、集合給排気管400の側部(図8(d)の右側短辺Aを含む部分)を開閉可能な構造とすることで、熱処理装置のメンテナンス性を良くすることができる。さらに、集合給排気管400を図8(e)の熱処理装置の断面図(図5のA−A’における断面図)に示すように、半円形の断面形状を有する半円柱の管にし、半円形の断面形状の集合排気管が形成されるように仕切り板490を配置してもよい。これによって、集合排気管が集合給気管で覆われ、集合排気管の外気にさらされる面積を減らすことができるので、集合排気管が冷やされることによる排気ガスのタールの発生を防止することができる。
また、本実施の形態の熱処理装置において、図9(a)の熱処理装置の断面図(図5のB−B’における断面図)に示すように、集合給排気管400の底部に対して仕切り板490を傾けることで、排気管の断面積がガス流の上流側の排気管からガス流の下流側の排気管に向かうに従い漸増するようにした。しかし、図9(b)、図9(c)の熱処理装置の断面図(図5のB−B’における断面図)に示すように、集合給排気管400の内部形状を台形にすることで、排気管の断面積がガス流の上流側の排気管からガス流の下流側の排気管に向かうに従い漸増するようにしてもよい。また、図10の熱処理装置の断面図(図5のB−B’における断面図)に示すように、集合給排気管400の内部形状を階段状にすることで、排気管の断面積がガス流の上流側の排気管からガス流の下流側の排気管に向かうに従い漸増するようにしてもよい。
また、本実施の形態の熱処理装置において、排気量調整バルブ411により排気ガスの流量を調節したが、図10の熱処理装置の断面図に示すように、集合排気管と炉とをつなぐ排気口の断面積を変えることにより排気ガスの流量を調節してもよい。
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3における熱処理装置が備える集合給排気管800の構造を示す図である。
この集合給排気管800は、仕切り板810を可動構造とし、集合排気管の排気ガス流路断面積を調整可能な構造としたという点で実施の形態2の集合給排気管とは異なる。集合給排気管800の集合排気管において、仕切り板810を動かし排気ガスの流路断面積を調整することで集合排気管内の圧力を調整することができる。従来は排気量調整バルブ等の絞り機構を集合排気管に設け排気流路断面積を変えることで、圧力差の違う流路においても流量が一定となる様に調整してきた。しかしこの構造により、排気量調整バルブ等の流量調整機構を設けることなく集合排気管の流路断面積を変化させて各段の炉から排気される排気ガスの流量を調整することができる。なお、排気量調整バルブ等の絞り機構と組み合わせて排気ガスの流量を調整してもよい。
(実施の形態4)
図12は、本発明の実施の形態4における熱処理装置が備える集合給排気管900の構造を示す図である。
この集合給排気管900は、集合排気管内部に取り付けられた排気流れ変更部材910を有し、排気流れ変更部材910により集合排気管入口の圧力を変更させることで各排気口から出る流量を調整する構造を有するという点で実施の形態2の集合給排気管とは異なる。この排気流れ変更部材910による排気流れ変更により圧力変動が起こる。従って、排気ガスが膨張することで排気流れ変更部材910周辺の温度が一時的に下がっても、排気流れ変更部材910は集合排気管内部に設けられており、排気ガスにより常時温められているため、排気流れ変更部材910周辺の温度低下が起こらず、タールの発生を防ぐことができる。このとき、排気流れ変更部材910として、回動可能な状態で集合排気管内部に配設される平板が考えられる。これによって、簡素な構造で排気流れ変更機構を形成することができるので、コストダウンを実現することができる。なお、排気流れ変更機構として、流線型構造を用いて流れの抵抗を減らしてもよいし、メッシュ構造を用いてもよい。
以上、本発明の熱処理装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態の限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。
例えば、式1、式2に示したように、炉の高さHを変数として集合排気管の直径(面積)を定義したが、炉の容積を変数として集合排気管の直径(面積)を定義してもよい。すなわち、集合排気管の直径(面積)は下記の式3、4を満足するように設定されてもよい。
(式3)
N/D1=(VN/V1a 0.05≦a≦0.45
(式4)
N/S1=(VN/H1a 0.1≦a≦0.9
なお、式3、4で使用される、変数VNは最下段の炉からN段目の炉までの炉内部の容積の合計(m3)を示し、変数H1は最下段の炉内部の容積(m3)を示している。
本発明は、熱処理装置に利用でき、特に複数の炉を有する熱処理装置の排気管等に利用することができる。
本発明の実施の形態1における熱処理装置の構造を示す側面図である。 同実施の形態1における集合排気管の形状とタールの発生量との関係を示すグラフである。 同実施の形態1における熱処理装置の変形例の構造を示す側面図である。 (a)本発明の実施の形態2における熱処理装置の構造を示す上面図である。(b)同実施の形態2における熱処理装置の構造を示す側面図である。 同実施の形態2における集合給排気管の構造を示す図である。 (a)同実施の形態2における集合給排気管の外観図である。(b)同実施の形態2における集合給排気管の外観図である。(c)同実施の形態2における集合給排気管の断面図(図6(b)のA−A’における断面図)である。 同実施の形態2における排気量調整機構の変形例を示す図である。 (a)同実施の形態2における集合給排気管の形状及び仕切り板の構造を説明するための熱処理装置の断面図(図5のA−A’における断面図)である。(b)同実施の形態2における集合給排気管の形状及び仕切り板の構造を説明するための熱処理装置の断面図(図5のA−A’における断面図)である。(c)同実施の形態2における集合給排気管の形状及び仕切り板の構造を説明するための熱処理装置の断面図(図5のA−A’における断面図)である。(d)同実施の形態2における集合給排気管の形状及び仕切り板の構造を説明するための熱処理装置の断面図(図5のA−A’における断面図)である。(e)同実施の形態2における集合給排気管の形状及び仕切り板の構造を説明するための熱処理装置の断面図(図5のA−A’における断面図)である。 (a)同実施の形態2における集合給排気管の形状及び仕切り板の構造を説明するための熱処理装置の断面図(図5のB−B’における断面図)である。(b)同実施の形態2における集合給排気管の形状及び仕切り板の構造を説明するための熱処理装置の断面図(図5のB−B’における断面図)である。(c)同実施の形態2における集合給排気管の形状及び仕切り板の構造を説明するための熱処理装置の断面図(図5のB−B’における断面図)である。 同実施の形態2における集合給排気管の形状を説明するための熱処理装置の断面図(図5のB−B’における断面図)である。 本発明の実施の形態3における熱処理装置が備える集合給排気管の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態4における熱処理装置が備える集合給排気管の構造を示す断面図である。 特許文献1に記載のタール対策構造を有するガス配管を示す図である。 多段炉を有する熱処理装置の全体図である。
符号の説明
2 熱分解ガス配管
2a 2重壁管
10 炉
11 排気管
12 共通排気管
13 排気ファン
14、411 排気量調整バルブ
21 熱分解ガス送給管
22 加熱ガス流路
23a、23b、26a、26b フランジ
24a、24b、27a、27b 開口
25 スパイラル壁
28a、28b 加熱ガス連結管
100a 第1の炉
100b 第2の炉
100c 第3の炉
200 集合排気管
201、401 排気管本体
202a、402a 第1の排気口
202b、402b 第2の排気口
202c、402c 第3の排気口
203 排気部
400、800、900 集合給排気管
402d 第4の排気口
403a 第1の給気口
403b 第2の給気口
403c 第3の給気口
403d 第4の給気口
404 給気管本体
450 断熱材
460 炉壁シャッター
470 仕切り板シャッター
471 ガラス窓
472 薄型ヒーター
480 赤外線センサー
490、810 仕切り板
500 炉壁
610 排気流量調節部材
700 扉
910 排気流れ変更部材

Claims (3)

  1. 第1の熱処理部及び第2の熱処理部と、
    前記第1の熱処理部及び第2の熱処理部のガスを排出する排気管とを備え、
    前記第1の熱処理部は、前記排気管におけるガス流の上流側と接続され、
    前記第2の熱処理部は、前記排気管におけるガス流の下流側と接続され、
    前記排気管におけるガス流の下流側の断面積は、前記排気管におけるガス流の上流側の断面積よりも大きく、
    前記排気管の断面積は、前記排気管の第1の熱処理部との接続部分における断面積をS 1 、前記排気管の第2の熱処理部との接続部分における断面積をS 2 、前記第1の熱処理部内部の高さをH 1 、前記第1の熱処理部内部の高さと第2の熱処理部内部の高さとの合計をH 2 としたとき、下記の式を満足する
    2 /S 1 =(H 2 /H 1 a (0.1≦a≦0.9)
    ことを特徴とする熱処理装置。
  2. 前記排気管は、管壁の一部として仕切り板を有し、
    前記仕切り板を管壁の一部とし、前記第1の熱処理部及び第2の熱処理部にガスを供給する給気管を備える
    ことを特徴とする請求項記載の熱処理装置。
  3. 前記排気管の管壁は、前記第1の熱処理部及び第2の熱処理部の壁面と接する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の熱処理装置。
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