JP4794185B2 - 圧力センサ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に取付けることにより燃焼室の圧力を検出する際などに用いて好適な圧力センサに関する。
従来、内燃機関の燃焼室(シリンダ内)のように高温かつ高圧となる空間内の圧力を検出する際に適した圧力センサとしては、特開2004−264037号公報で開示される圧力センサが知られている。
同公報で開示される圧力センサは、筒状に形成された本体の前端部にダイアフラムが封着され、ダイアフラムが受ける圧力を圧力伝達部材を介してダイアフラムの後方に配置された圧電素子に伝達し、圧電素子に生じる電荷信号を検知することにより圧力を計測する圧力センサであって、圧電素子として、厚さ方向を正負の電極とし、軸心中央に貫通孔を有する一対の圧電素子を同極側を向かい合わせて導電材からなる電極板を中間に挟圧する配置として設け、電極板の中央部にリードピンの一端を接続し、圧電素子の開口部および本体の貫通孔を通過してリードピンの他端側を本体の後端側へ引出して圧電素子の電極面に生じる電荷信号を検知可能に設けたものであり、これにより、圧電素子から確実に電荷信号を取り出すことができるとともに、圧力センサの小径化及び小型化を小型を図ることができる。
そして、このような用途の圧力センサに好適な圧電素子として、同公報や特許第3256799号等に開示されるランガサイト系の単結晶材料も用いられるに至っている。ランガサイト系の単結晶材料は、高温での使用が可能であり、かつ広い温度範囲において安定した圧電特性が得られる特長がある。
特開2004−264037号 特許第3256799号
ところで、このような単結晶材料を圧電素子として用いる場合、通常、直方体状にカッティングするとともに、特許第3256799号公報にも開示されるように、圧電素子の各カット角が、結晶学上の座標軸x,y,zに対して平行となるように選定している。一方、圧電素子の感度(公称電荷感度)は、付加される圧力に対する発生電荷の量で表すことができ、圧力に対する発生電荷量が多いほど感度が高く、圧力センサには望ましい。このため、従来、圧電素子の感度を確保する場合、圧電素子材料を選定した後、専ら電荷発生面積の確保や圧電横効果を用いた際の面比率を設計するなどの手法に頼っていた。
しかし、このような面積の確保や面比率を設計する手法では、内燃機関(エンジン)のように取付部位が狭くて制限されるような場合、必要な感度及びS/N比を高めるには限界を生じるとともに、他方において、必要な感度及びS/N比を確保するには、圧力センサ自身の大型化やコストアップを招いてしまう。また、温度による発生電荷量の変動が10〔%〕程度に達するなど、温度ドリフトに対しても十分とは言えない問題があった。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した圧力センサの提供を目的とするものである。
本発明は、上述した課題を解決するため、単結晶材料による圧電素子Cを用いたセンサ部2を備える圧力センサ1を構成するに際して、圧電素子Cとして、単結晶材料をカッティングする際の角度となる結晶学上のx軸を中心にyz面の面方向に振ったy軸に対するカット角θを、5°≦θ≦30°の範囲に選定したランガテイト(La3Ta0.5Ga5.514:LTG)を用いるとともに、圧力作用方向Ffに対して垂直方向Fsに電荷が発生する圧電横効果を用いたことを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、圧力センサ1には、筒状のボディ部11における前端部11fに設けたダイアフラム部12とこのダイアフラム部12の受けた圧力をセンサ部2に伝達する圧力伝達部13を有する圧力伝達構造U1を設けることができるとともに、センサ部2は、複数の圧電素子C…を積層した積層構造U2により構成できる。特に、圧力センサ1は、内燃機関15に取付けることにより燃焼室16の圧力を検出する際に用いることができる。
このような構成を有する本発明に係る圧力センサ1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 単結晶材料をカッティングする際の角度となる結晶学上のx軸を中心にyz面の面方向に振ったy軸に対するカット角θを、5°≦θ≦30°の範囲に選定したランガテイト(LTG)を用いたため、圧電素子Cにおける発生電荷量を最大領域まで増加させることができ、圧電素子Cの感度、更にはS/N比をより高めることができる。
(2) 圧電素子Cの発生電荷量を最大領域まで増加させ得ることから、その分、圧電素子Cのサイズダウンが可能となり、圧力センサ1全体の小型コンパクト化やコストダウンに寄与できるとともに、設計自由度の向上にも寄与できる。
(3) 単結晶材料を直方体状にカッティングする際のカット角θが最適化されることに伴って圧電特性も安定化し、結果的に、温度による発生電荷量の変動、即ち、温度ドリフトを低減することができる。
(4) 圧電素子Cとして、圧力作用方向Ffに対して垂直方向Fsに電荷が発生する圧電横効果を用いたため、圧電縦効果を用いた際には得ることができないカット角θの選定に伴う有効性を確実に確保することができる。
(5) 好適な態様により、圧力センサ1に、筒状のボディ部11における前端部11fに設けたダイアフラム部12とこのダイアフラム部12の受けた圧力をセンサ部2に伝達する圧力伝達部13を有する圧力伝達構造U1を設ければ、本発明による基本的効果を享受できる実用的な圧力センサ1を容易かつ確実に得ることができる。
(6) 好適な態様により、センサ部2を、複数の圧電素子C…を積層した積層構造U2により構成すれば、感度及びS/N比の更なる向上やセンサ部2の強度アップ及び圧力の検出範囲拡大に寄与できる。
(7) 好適な態様により、圧力センサ1を、内燃機関15に取付けることにより燃焼室16の圧力を検出するようにすれば、高温環境下における内燃機関15の燃焼室16の圧力検出にとって最適となる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る圧力センサ1に用いる圧電素子Cについて、図1〜図5を参照して説明する。
本実施形態に係る圧力センサ1は、主に、図4に示すような内燃機関(エンジン)15に取付けることにより燃焼室(シリンダ内部)16の圧力(燃焼圧)を検出する場合を想定している。図4中、17はシリンダ、18はピストン、19は点火プラグをそれぞれ示し、圧力センサ1は、シリンダ17におけるシリンダヘッド17hに取付けることができる。これにより、圧力センサ1の先端部は燃焼室16の内部に臨み、燃焼室16の圧力を検出することができる。このため、圧力センサ1に使用する圧電素子Cとしては、通常、800〜1000〔℃〕程度の高温にも十分に耐える材料選定が行われる。
本発明は、圧電素子Cとして、ランガサイト系の単結晶材料であるLTG(ランガテイト)に着目し、このLTGに対して、理論上の確認,シミレーションの実施及びサンプルの実測等のアプローチを行うことにより最適なカット角θの取得を実現したものである。即ち、図1に示すように、LTG(単結晶材料)をカッティングする際の角度となる結晶学上のx軸を中心にyz面の面方向に振ったy軸に対するカット角θを、5°≦θ≦30°の範囲(図2中、カット角範囲Zm)に選定、望ましくは10°≦θ≦25°の範囲(図2中、カット角範囲Zn)に選定し、これにより、発生電荷量の最大領域を確保したものである。
以下、発生電荷量の最大領域が5°≦θ≦30°(望ましくは10°≦θ≦25°)のカット角θにより得られる理由について、フローチャート(図3)を参照して具体的に説明する。
LTGは、高温に十分に耐え、かつ圧力センサにおける諸特性を満足する点群32のランガサイト系の単結晶材料である。LTGは、融液からの大型結晶の成長が可能であり、融点まで相転移がないこと、非強誘電体の有極性圧電結晶であり、分極処理の必要がなく、焦電性を持たないこと、温度安定性に優れ、電気機械結合係数が大きいこと、弾性表面波の速度が遅く、圧電素子の小型化に有利であること、等の様々な利点を有していることが知られている。なお、点群32とは、一本の三回回転軸と三本の二回回転軸を有する点群のことであり、LTGは、水晶やランガサイト(La3Ga5SiO14)と同様、点群32に属している。
ところで、LTGの結晶学上におけるxy面の面方向及びxz面の面方向にカット角を振っても圧電定数は、0〔°〕に比べて小さくなるのみであって大きくなる現象は見られない。これに対して、yz面の方向にカット角θを振った場合には、圧電定数d14が関与し、理論上、xy面及びxz面の場合とは異なる変化(現象)を示すことが知られている(ステップS1)。なお、この現象は実験的にも確認できた。
そして、この場合の圧電定数d12´は、
12´=−(1/2)・cos2θd11+(1/2)・sin2θd14 …(a)
で表される。(a)式において、圧電定数d14は、d14=d123で表わすことができる。d123において、「1」は、電荷の発生方向となるx軸を示し、「23」は、圧力作用方向となるyz面の方向に対する剪断応力を示す。(a)式から明らかなように、角度を異ならせた二つのカット角θ…による圧電定数d12´を測定すれば、連立一次方程式から圧電定数d14を求めることができるため、あらゆる圧電定数d12´をシミレーションすることができる。
このため、まず、カット角θを異ならせた0〔°〕と14.8〔°〕の二つのサンプルワーク(図5中、符号Ws)を用意した(ステップS2)。なお、14.8〔°〕は、文献等により公知であるd11とd14から得られた理論上における最大の電荷量を発生するカット角である。サンプルワークは、LTGを直方体状にカッティングしたx平板(y軸方向:20〔mm〕,z軸方向:4〔mm〕,x軸方向:0.5〔mm〕)を使用した。そして、図5に示す測定装置20を利用して各種物理量の測定を行い、温度変化に対する圧電定数d12の変化を求めた(ステップS3)。
図5に示す測定装置20は、次のような構成を備えている。21は電気炉(均熱管状炉)であり、内部空間を加熱する加熱用ヒータ22を内蔵する。また、電気炉21の内部には、内部空間の温度を検出する温度センサ23を配設し、この温度センサ23と加熱用ヒータ22は、温調機24に接続する。これにより、電気炉21の内部空間は、目的の温度、少なくとも本実施形態に係るサンプルワークWsを加熱する25℃(常温)〜500℃が得られるように温度制御が行われる。一方、電気炉21の内部には、ワーク支持機構25を配設し、このワーク支持機構25によりサンプルワークWsを支持する。サンプルワークWsは、図中、上下方向がx軸方向となり、上下面にyz面が位置する。この上下のyz面にはワーク電極面Wsu,Wsdを設け、このワーク電極面Wsu,Wsdに金電極26u,26dをそれぞれ接触させる。そして、金電極26u,26dは、インピーダンスアナライザ27に接続する。
これにより、サンプルワークWsの圧電定数d12は、次の手順により求めることができる。まず、インピーダンスアナライザ27に内蔵するキャパシタンスメータを使用し、サンプルワークWsの静電容量を測定するとともに、この測定結果(静電容量)から誘電率を求める。一方、測定装置20を使用し、インピーダンスアナライザ27により各温度下における各周波数に対応するインピーダンス特性を求める。得られる周波数データから公知の算出式を用いて圧電定数d12を求めることができる。図6に、カット角θを0〔°〕と14.8〔°〕にしたサンプルワークWsの温度に対する圧電定数d12の変化特性を示す。図6中、Poが0〔°〕の場合の変化特性、Ppが14.8〔°〕の場合の変化特性をそれぞれ示す。
また、得られた圧電定数d12は、圧電定数d11に対して、d11=−d12の関係が成立するため、圧電定数d12から圧電定数d11が得られる。これにより、圧電定数d11とd12を(a)式に代入して圧電定数d14を求めることができる。図7に、求めた圧電定数d14の温度に対する変化特性Peを示す。よって、パラメータとなる圧電定数d11とd14が得られる(ステップS4)。
さらに、得られた圧電定数d11とd14は、パラメータとして(a)式に設定する。そして、(a)式におけるカット角θを1〔°〕ずつ変化させ、発生電荷量(d12)のシミレーションを行う(ステップS5)。シミレーションを行った結果、最大電荷量(d12)を発生するカット角θとして17.8〔°〕を得た。図6に、17.8〔°〕のカット角θによるシミレーション結果である温度に対する圧電定数d12の変化特性Pdを示す。この17.8〔°〕のカット角θは、シミレーション上の最適値として設定する(ステップS6)。
一方、最適値としたカット角θ(17.8〔°〕)の前後における発生電荷量を実測するためのカット角θを選定し、対応するサンプル単板を用意する(ステップS7)。具体的には、17.8〔°〕を中心として、0〔°〕,10〔°〕,17,8〔°〕,20〔°〕,30〔°〕,40〔°〕の六つのカット角θを選定し、各カット角θによりカッティングしたLTGのサンプル単板を用意した。サンプル単板は、x軸方向長さを3.0〔mm〕,y軸方向長さを1.9〔mm〕,z軸方向長さを1.8〔mm〕に選定した直方体状にカッティングしたものを各カット角θ毎に六個、計三十六個用意した。そして、各カット角θにおける発生電荷量〔pC/bar〕の測定を行った(ステップS8)。この場合、各サンプル単板は、後述する実際の圧力センサに使用するボディ部11に組込み、規定の手順で組み上げるとともに、完成した圧力センサを静圧測定機にセットし、この後、200〔bar〕までの圧力を加えることにより、基準センサとの相関値から発生感度となる発生電荷量〔pC/bar〕を求めた。
求めた発生電荷量のデータを図2に示す。同図は、カット角θ毎に得られた発生電荷量をグラフ化したものであり、カット角θに対する発生電荷量の変化特性を示す(ステップS9)。図2中、pa,pb,pc,pd,pe,pfは、各サンプル単板を実測して得た発生電荷量の数値をプロットした際の数値範囲を示している。また、Piで示す変化特性は実測データの近似曲線であり、Psで示す変化特性は理論曲線である。
図2に示す変化特性(近似曲線)Piから明らかなように、実測データはシミレーション結果ともほぼ一致している。即ち、上述した17.8〔°〕のカット角θ付近が発生電荷量の最大領域となり、その前後では緩やかに低下する曲線となる。カット角θが0〔°〕の場合、発生電荷量は概ね3.60〔pC/bar〕であるのに対し、カット角θが17.8〔°〕付近での発生電荷量がピーク値である4.06〔pC/bar〕となり、この場合、13〔%〕程度増加する。そして、図2中、Znで示す10°≦θ≦25°の範囲では、0〔°〕に対して、概ね10〔%〕以上の増加率を確保している。また、図2中、Zmで示す5°≦θ≦30°の範囲であっても、0〔°〕に対して概ね5〔%〕以上の増加率を確保しており、これらの条件により本実施形態に係る圧力センサ1に用いる圧電素子Cとしての優位性が確保される(ステップS10)。
次に、このようにして得られる圧電素子Cを用いて好適な圧力センサ1について、図8〜図11を参照して説明する。
圧力センサ1は、図8に示すように、円筒状に形成したボディ部11の内部に、上述した圧電素子C…を用いたセンサ部2を配設したものであり、基本的な構成として、ボディ部11における前端部11fに設けたダイアフラム部12とこのダイアフラム部12の受けた圧力をセンサ部2に伝達する圧力伝達部13を有する圧力伝達構造U1を備える。
この場合、センサ部2は、図10及び図11に示すように、複数の圧電素子C…を積層した積層構造U2により構成し、具体的には、次のように製作することができる。
まず、前述したカット角θの条件によりカッティングしたLTGを用いたy軸寸法×z軸(光学軸)寸法×x軸寸法が20〔mm〕×20〔mm〕×0.34〔mm〕となる圧電素子基材を用意する。これにより、y軸方向に力を作用させた際にx軸方向に電荷が発生する圧電横効果を利用することができる。
実施形態は四枚の圧電素子基材をx軸方向に順次積層した場合を例示する。この際、各圧電素子基材のx軸方向における正極と負極は交互に反転するように積層し、各圧電素子基材の相対向する面を同極にする(図10参照)。各圧電素子基材の接合面はスパッタリング或いは蒸着等により下地膜を形成し、半田等の導電材を用いて一体化した積層体として構成する。これにより、各接合面には電荷を取り出すための導体層31p…,31nが形成される。この後、y軸方向寸法が3.0〔mm〕となるようにカッティング及び寸法出しを行う。
また、積層体におけるx軸方向とy軸方向の4面にはメタライズを施し、y軸方向の両端面に電極膜32p,32nを形成するとともに、x軸方向の両端面に導体膜33,33を形成する。これにより、導体膜33,33,電極膜32p,32n及び導体層31p…,31nの全てが連続した状態となる。次いで、センサ部2のy軸方向の両端面における各圧電素子基材の接合位置をU形の断面形状により研削し、電極分離溝34…を形成する(図10及び図11参照)。各電極分離溝34…は各端面において各圧電素子基材の二枚毎に研削し、積層体における一方の端面と他方の端面では電極分離溝34…を形成する位置が一段ずつ異なる。このような電極分離溝34…により、y軸方向の端面の一方が正極の電極膜32pとなり、他方が負極の電極膜32nとなる。そして、積層体をz軸方向長さが1.4〔mm〕となるように順次カッティング及び寸法出しを行うとともに、y軸方向の電極膜32pと32nを除いた他の四面及び電極分離溝34…に絶縁コート材を塗布する。これにより、図11に示すような圧電素子C…が四枚積層され、かつ全体形状が直方体状となるセンサ部2を得ることができる。したがって、例示したセンサ部2の大きさは、1.4〔mm〕(x軸方向)×3.0〔mm〕(y軸方向)×1.4〔mm〕(z軸方向)となる。
圧力センサ1は、このようにして製作したセンサ部2を内蔵する。圧力センサ1は、図8に示すように、筒状に形成したボディ部11を備え、このボディ部11の前端部11fにダイアフラムヘッド36を溶接する。これにより、前端部11fは、ダイアフラムヘッド36により閉塞される。ダイアフラムヘッド36は、被測定体の圧力が作用するように被測定体に向けて露出するダイアフラム部12と、ダイアフラムヘッド36の周縁部を形成するフランジ部37と、ダイアフラム部12の後面に一体形成した電極部38を有し、この電極部38は、ダイアフラム部12の受けた圧力をセンサ部2に伝達する圧力伝達部13を兼用する。したがって、電極部38(圧力伝達部13)の端面は圧力伝達面13sとなり、この圧力伝達面13sはセンサ部2の端面(電極膜32n)のほぼ全面に接触する。この際、圧力伝達面13sを、ダイアフラム部12に対して平行面に形成し、かつ平滑面に形成することにより、ダイアフラム部12が受ける圧力を均等にセンサ部2に作用させることができる。なお、例示の電極部38(圧力伝達部13),ダイアフラム部12及びフランジ部37は一体形成するため、部品点数の削減及び組立の容易化を図ることができる。また、溶接部が圧力や高湿に曝され腐蝕する問題を解消でき、圧力センサ1の耐久性を向上させることができる。さらに、ダイアフラム部12と電極部38を一体構造としたため、ダイアフラム部12が受ける圧力を電極部38を介してセンサ部2に効率的に伝達することができる。
一方、39はセンサ部2の他方の端面(電極膜32p)に当接する電極部である。この電極部39にはリードピン40の先端を固定する。これにより、電極部39から電荷信号(検出信号)を取り出すことができる。なお、41は絶縁部材としての絶縁リングであり、電極部39を電気的に絶縁する機能を有する。また、42は断面円筒形状の絶縁スリーブであり、絶縁リング41,電極部39及びセンサ部2の外周部分をガイドして支持する機能を有する。この場合、絶縁リング41及び絶縁スリーブ42はアルミナセラミック等により形成する。
さらに、センサ部2は、圧力作用方向に一定の予圧を加えた状態で使用するため、電極部39には、センサ部2を押圧し、電極部38との間でセンサ部2に対して一定の予圧を付与する機能を兼用させている。このため、絶縁リング41の後面には前インナブロック43を当接させるとともに、前インナブロック43の後面には後インナブロック44を当接させる。この場合、後インナブロック44はボディ部11に収容し、外周面に設けた雄ネジ部をボディ部11の内周面に設けた雌ネジ部に螺合する。これにより、後インナブロック44は、予圧ネジとして機能する。また、前インナブロック43の後部は円錐状の凹面として形成するとともに、後インナブロック44の前部は球面状の凸面として形成する。これにより、アライメントの予圧時において、前インナブロック43に後インナブロック44が当接した際に自動的に軸心を一致させることができ、前インナブロック43への偏荷重を防止できる。しかも、ダイアフラムヘッド36に衝撃や振動が作用した際には、センサ部2に偏荷重が作用することを抑制でき、センサ部2における欠け等を防止し、センサ部2の耐久性を向上させることができる。センサ部2に作用させる予圧力は、後インナブロック44のねじ込み位置によって調整できる。予圧力の調整は、後インナブロック44を所定のねじ込み位置にセットし、ボディ部11の外側方から前インナブロック43をボディ部11にレーザ溶接部J等で溶接して固定すればよい。なお、後インナブロック44は、この後、前インナブロック43と同様にレーザ溶接部等によってボディ部11に固定してもよいし、前インナブロック43をボディ部11に固定した後、ボディ部11から取り外してもよい。
一方、リードピン40は前インナブロック43及び後インナブロック44の中心空間を貫通させることによりボディ部11の他端側(後端側)へ導出し、レセプタクル45に接続する。このレセプタクル45には検出装置側のコネクタが接続される。なお、46はリードピン40に装着した絶縁パイプである。絶縁パイプ46はリードピン40が振動等して前インナブロック43や後インナブロック44に接触することを防止するものであり、アルミナセラミック等により形成する。
このように構成される圧力センサ1は、内燃機関15のシリンダヘッド17hにねじ込んで取り付けることができる。これにより、ダイアフラムヘッド36のダイアフラム部12には被測定体の圧力変動が付与されるため、電極部38と電極部39によって挟圧されたセンサ部2に圧力変動が作用することにより、センサ部2に生じた電荷がリードピン40を介して出力する。
よって、本実施形態に係る圧力センサ1によれば、単結晶材料をカッティングする際の角度となる結晶学上のx軸を中心にyz面の面方向に振ったy軸に対するカット角θを、5°≦θ≦30°の範囲に選定したLTGを用いたため、圧電素子Cにおける発生電荷量を最大領域まで増加させることができ、圧電素子Cの感度、更にはS/N比をより高めることができる。また、圧電素子Cの発生電荷量を最大領域まで増加させ得ることから、その分、圧電素子Cのサイズダウンが可能となり、圧力センサ1全体の小型コンパクト化やコストダウンに寄与できるとともに、設計自由度の向上にも寄与できる。しかも、単結晶材料を直方体状にカッティングする際のカット角θが最適化されることに伴って圧電特性も安定化し、結果的に、温度による発生電荷量の変動、即ち、温度ドリフトを低減することができる。
特に、圧力センサ1は、筒状のボディ部11における前端部11fに設けたダイアフラム部12とこのダイアフラム部12の受けた圧力をセンサ部2に伝達する圧力伝達部13を有する圧力伝達構造U1を設けたため、本発明による基本的効果を享受できる実用的な圧力センサ1を容易かつ確実に得ることができる。また、センサ部2は、複数の圧電素子C…を積層した積層構造U2により構成するため、より感度及びS/N比の向上に寄与できるとともに、単体では脆くて大きな外力を付与し難い圧電素子C…に対しても内燃機関15のシリンダ17で発生するような大きな圧力を付与することができるなど、センサ部2の強度アップ及び圧力の検出範囲拡大に寄与できる。
さらに、圧電素子C…は、圧力作用方向に対して垂直方向に電荷が発生する圧電横効果を用いるため、圧電縦効果を用いた際には得ることができないカット角θの選定に伴う有効性を確実に確保することができる。加えて、センサ部2の両端面に電極部38,39を面接触する配置となるため、ダイアフラムヘッド36で受ける熱が速やかに内部構造体へ伝達する構成となり、前インナブロック43がボディ部11と強固に接触する配置となる等、圧力センサ1全体の温度が短時間のうちに均一になる。これによって、温度ドリフトを抑えることが可能になり、圧力の検知精度を向上させることができる。
以上、最良の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。例えば、圧力センサ1の構造は、例示の構造に限定されるものではなく、要部となるセンサ部2を用いる以上、任意の構造により実施することができる。また、センサ部2は、複数の圧電素子C…を積層した積層構造U2により構成した場合を示したが勿論積層することなく単体で用いてもよい。さらに、用途として、内燃機関15に取付けることにより燃焼室16の圧力を検出する際に用いる場合を例示したが、排気圧や燃料噴射圧などを始め、各種用途における圧力測定用として利用することができる。
本発明の最良の実施形態に係る圧力センサに用いる圧電素子のカット角を説明するための原理説明図、 同圧力センサに用いる圧電素子のカット角に対する発生電荷量の関係を示す変化特性図、 同圧力センサに用いる圧電素子における発生電荷量の最大領域が得られる理由を説明するためのフローチャート、 同圧力センサを取付けた状態を示す内燃機関の構造図、 圧電素子の圧電定数を測定する測定装置のブロック系統図、 圧電素子の温度に対する圧電定数の変化特性図、 圧電素子の温度に対する他の圧電定数の変化特性図、 同圧力センサの断面側面図、 同圧力センサの一部を拡大して示す断面側面図、 同圧力センサに用いるセンサ部の構成説明図、 同圧力センサに用いるセンサ部の外観斜視図、
符号の説明
1 圧力センサ
2 センサ部
11 ボディ部
11f 前端部
12 ダイアフラム部
13 圧力伝達部
15 内燃機関
16 燃焼室
C 圧電素子
θ カット角
LTG ランガテイト
Ff 圧力作用方向
Fs 垂直方向
U1 圧力伝達構造
U2 積層構造

Claims (4)

  1. 単結晶材料による圧電素子を用いたセンサ部を備える圧力センサにおいて、前記圧電素子として、単結晶材料をカッティングする際の角度となる結晶学上のx軸を中心にyz面の面方向に振ったy軸に対するカット角θを、5°≦θ≦30°の範囲に選定したランガテイト(La3Ta0.5Ga5.514:LTG)を用いるとともに、圧力作用方向に対して垂直方向に電荷が発生する圧電横効果を用いたことを特徴とする圧力センサ。
  2. 筒状のボディ部における前端部に設けたダイアフラム部とこのダイアフラム部の受けた圧力を前記センサ部に伝達する圧力伝達部を有する圧力伝達構造を備えることを特徴とする請求項1記載の圧力センサ。
  3. 前記センサ部は、複数の前記圧電素子を積層した積層構造を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の圧力センサ。
  4. 内燃機関に取付けることにより燃焼室の圧力を検出することを特徴とする請求項1記載の圧力センサ。
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