JP4793370B2 - 歩行者用エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の前端側に搭載されて、膨張完了時に、フードパネルの前縁側を左右方向の略全域にわたって覆い可能なエアバッグを備える構成の歩行者用エアバッグ装置に関する。
従来、歩行者用エアバッグ装置では、車両の前端側における左右方向の中央付近において車両前方側を開口させて構成される収納部位に折り畳まれて収納され、1つの膨張部から構成されるエアバッグが、上下の幅寸法と左右の幅寸法を縮めるように折り畳まれて収納されて、展開膨張時に、収納部位の開口から車両前方側に突出しつつ左右両側に展開して、車両の前端側を左右方向の略全域にわたって覆うように膨張する構成であった(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この従来の歩行者用エアバッグ装置では、エアバッグが、1つの膨張部のみから構成されることから、車両の前端側を左右方向の略全域にわたって覆う構成とするためには、容積が大きくなり、エアバッグを迅速に膨張完了させる点に改善の余地があった。
また、歩行者用エアバッグ装置として、エアバッグが、膨張完了時に左右方向に沿って棒状に配置される複数のセルに分割されて構成され、膨張を完了させたエアバッグにより、フードパネルの前縁側を左右方向の略全域にわたって覆う構成のものもあった(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−294108公報 特開2006−240370公報
しかし、特許文献2に記載の歩行者用エアバッグ装置では、折り畳まれたエアバッグを収納する収納部位の配置位置が不明であり、エアバッグの折り畳み収納形状も不明であった。通常、歩行者用エアバッグ装置が搭載されるフードパネルの前縁の下方位置は、搭載スペースを確保し難く、エアバッグを収納する収納部位は極力小さくすることが望ましい。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、車両の前端側における左右方向の中央付近に配置される収納部位に、左右の幅寸法を縮めるように折り畳まれて収納される構成であっても、安定して迅速にエアバッグを膨張させることが可能な歩行者用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る歩行者用エアバッグ装置は、車両の前端側に搭載されて、膨張完了時に、フードパネルの前縁側を左右方向の略全域にわたって覆い可能なエアバッグを備える構成とされ、
エアバッグを収納させる収納部位が、フードパネルの前縁の下方位置であって、かつ、車両の前端側における左右方向の中央付近となる位置に配置されるとともに、膨張時のエアバッグを突出可能に、車両前方側を開口させるように構成されて、
エアバッグが、左右の幅寸法と上下の幅寸法とを縮めるように折り畳まれて、収納部位内に収納される構成の歩行者用エアバッグ装置であって、
エアバッグが、収納部位側に取り付けられる取付膨張部と、膨張完了時に収納部位から突出してフードパネルの前縁側を覆う保護膨張部と、を備える構成とされ、
取付膨張部が、エアバッグの膨張完了時に、収納部位内で充満するように膨張して、保護膨張部の後面側を支持する構成とされ、
保護膨張部が、膨張完了時に略左右方向に沿って配設される長尺状のセルを、上下方向に沿って複数個並設させて構成され、
各セルが、それぞれ、膨張完了時における車両の左右方向の領域内の取付膨張部の前方側の領域に配置される中央側膨張部と、膨張完了時に中央側膨張部から左右両側に延びるように配置される端側膨張部と、を備える構成とされるとともに、取付膨張部の前方に位置する1つのセルにおける中央側膨張部の部位に、取付膨張部と連通される第1連通孔を、配設させ、セル相互を第2連通孔により連通させる構成とされて、
保護膨張部の左右方向の幅寸法を縮めるような折り畳みが、各端側膨張部の領域だけを折り畳んで、中央側膨張部の領域に前後方向に沿って重ねるように折り畳む構成とされ、
第2連通孔が、中央側膨張部の領域内に、配設されていることを特徴とする。
本発明の歩行者用エアバッグ装置では、エアバッグの膨張初期において、取付膨張部内に膨張用ガスが流入すると、取付膨張部が膨張して、保護膨張部を収納部位から車両前方に押し出し、収納部位の開口から車両前方側に押し出された保護膨張部は、第1連通孔から流入する膨張用ガスにより、折りを解消しつつ膨張することとなるが、取付膨張部は、収納部位内において、保護膨張部の後面側を支持するように膨張することから、保護膨張部を必要以上に車両前方側へ大きく突出させることなく、保護膨張部を、ばたつきを抑えて迅速に折りを解消させるように展開させることができる。
そして、本発明の歩行者用エアバッグ装置では、保護膨張部が、膨張完了時に略左右方向に沿って配設される長尺状のセルを、上下方向に沿って複数個並設させて構成されることから、保護膨張部を1つの袋状とする場合と比較して、厚さ寸法を薄くすることができて、容積を小さくすることができる。そのため、保護膨張部を1つの袋状とする場合と比較して、迅速にエアバッグを膨張完了させることができる。
また、本発明の歩行者用エアバッグ装置では、セル間を連通させる第2連通孔が、保護膨張部において、膨張完了時に取付膨張部の前方側に配置される中央側膨張部の領域内に配置されている。換言すれば、本発明の歩行者用エアバッグ装置では、セル間を連通させる第2連通孔は、保護膨張部を左右方向の幅寸法を縮めるように折り畳む際に折り畳まれないエリアに、配置されることとなる。そのため、取付膨張部が膨張して、保護膨張部が収納部位から車両前方側に押し出され、取付膨張部の前方に位置する1つのセルにおける中央側膨張部内に、第1連通孔を介して取付膨張部から膨張用ガスが流入すると略同時に、他のセルにおける中央側膨張部内にも、第2連通孔を介して、膨張用ガスが円滑かつ迅速に流入することとなる。そして、各セルにおける中央側膨張部が膨張した後、各セルの端側膨張部内に膨張用ガスが流入して、保護膨張部全体が膨張することとなり、各セルの端側膨張部に安定して膨張用ガスを流入させることができることから、保護膨張部における左右両端側を、ぶれを抑えて安定して膨張させることができる。
したがって、本発明の歩行者用エアバッグ装置では、車両の前端側における左右方向の中央付近に配置される収納部位に、左右の幅寸法を縮めるように折り畳まれて収納される構成であっても、安定して迅速にエアバッグを膨張させることができる。
また、本発明の歩行者用エアバッグ装置において、第1連通孔を、2箇所に配置させるとともに、左右方向に沿って離れて、中央側膨張部の左右方向の中央を中心とした略左右対称の位置に配置させ、
第2連通孔を、左右方向における2つの第1連通孔間の略中央となる位置に、配置させる構成とすることが好ましい。
上記構成の歩行者用エアバッグ装置では、第2連通孔を経てセル内に流入する膨張用ガスを、一旦左右の中央に集めて中央側膨張部の左右方向の中央を膨らませた状態から、左右両端側の各端側膨張部の端部側に、左右均等に流すことができることから、左右の端側膨張部が相互に内側に倒れるように膨張することを防止でき、各セルを、ねじれを防止して、膨張完了形状を安定させることができる。なお、第2連通孔を左右方向に沿って離れた2箇所に配置させる構成のエアバッグでは、第2連通孔を経てセル内に流入する膨張用ガスが、このセルにおける第2連通孔間の中央側膨張部の領域に流入しがたく、この部位を折曲ポイントとして、端側膨張部への膨張用ガスの流入時、左右の端側膨張部が相互に内側に倒れ、エアバッグの膨張完了直後、端側膨張部が左右にぶれて、車両の前端面における左右両端側の部位、例えば、ヘッドランプの前面側を迅速に覆うことができない虞れが生ずる。
さらに、上記構成の歩行者用エアバッグ装置において、取付膨張部を、
第1連通孔を備える連通側壁部と、単体で膨張させた状態で連通側壁部と前後方向で対向する取付側壁部と、を備える構成として、
エアバッグの折り畳み収納時に、連通側壁部と取付側壁部とを前後方向で相互に重ねるように平らに展開した状態で、収納部位における開口と対向する後壁側の内周側に沿うように配置させる構成とすることが好ましい。
上記構成の歩行者用エアバッグ装置では、取付膨張部が、上下左右の幅寸法を縮めるように折り畳まれない状態で、収納部位内に収納されることから、エアバッグの膨張初期において、取付膨張部を、内部に膨張用ガスを流入させて迅速に膨張させることができる。そして、上記構成の歩行者用エアバッグ装置では、取付膨張部と保護膨張部とを連通する第1連通孔の部位も、折目をつけて折り畳まれていないことから、保護膨張部内に迅速に安定して膨張用ガスを流入させることができる。
さらにまた、上記構成の歩行者用エアバッグ装置において、保護膨張部を、
膨張完了時に上側に配置される上側セルと、上側セルの下側に配置される下側セルと、の2つのセルから構成し、下側セルを第1連通孔を介して取付膨張部に連通させるとともに、上側セル及び下側セルにおいて上下方向に連ならせるように構成されて膨張完了時に前面側に配置される前側壁部と、後面側に配置される後側壁部と、を備える構成として、
前側壁部と後側壁部とを相互に重ねるように平らに展開した状態から、上側セルの領域を上縁側から後側壁部側に巻くようにロール折りしてロール折り部位を形成し、下側セルの領域を蛇腹折りして蛇腹折り部位を形成して、上下方向の幅寸法を縮めるように折り畳まれた後、左右方向の幅寸法を縮めるように端側膨張部を折り畳まれて、
中央側膨張部の部位において、ロール折り部位を蛇腹折り部位の車両前方側に位置させるように、収納部位内に収納させる構成とすることが好ましい。
上記構成の歩行者用エアバッグ装置では、膨張用ガスの流れの下流側となる下側セルの領域が、第1連通孔を介して取付膨張部に連通されており、下側セルの領域が、折りを迅速に解消して膨張可能な蛇腹折りされていることから、下側セルが迅速に展開膨張し、その上方の上側セルの展開膨張を促進させることとなって、保護膨張部全体を一層迅速に展開させることができる。また、上側セルは、上縁側から後側壁部側に巻くようなロール折りとされていることから、ロール折りを解くように展開する際に、車両の前端面に沿うように展開することとなり、歩行者側に突出するように膨張することを防止することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mは、図1〜4に示すように、車両Vの前端側における左右方向の中央付近で、かつ、フードパネル9の前縁9aの下方位置に、配設されている。実施形態の場合、歩行者用エアバッグ装置Mは、フードパネル9の前縁9aとフロントバンパ5との間であって、左右のヘッドランプ7L,7Rの間となる、通常、車両においてフロントグリルが配設される部位に、配設されている。
なお、本明細書では、特に断らない限り、前後と上下の方向は、それぞれ、車両Vの前後と上下と一致する方向を基準とし、左右の方向は、車両Vの前方側から後方側を見た際の左右の方向を基準とする。
実施形態の場合、車両Vは、歩行者用エアバッグ装置Mが配設されるフロントバンパ5の上方のエリアの前端面Vaを、図4に示すように、下側を前方に位置させ、上側を後方に位置させるように、上下方向(鉛直方向)に対して傾斜させた構成とされている。また、車両Vの前端面Vaは、図3に示すように、上方から見て、左右の中央を前方に位置させ、左右両端側を後方に位置させるように、緩やかに湾曲している。さらに、実施形態の場合、車両Vは、アンダーボディを高くして、フロントバンパ5を高い位置に配置させたSUV車としている。
実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mは、エアバッグ28、エアバッグ28に膨張用ガスGを供給するインフレーター23、エアバッグ28とインフレーター23とを収納する収納部位としてのケース12、及び、折り畳まれたエアバッグ28を覆うエアバッグカバー17、を備える構成である。
収納部位としてのケース12は、板金製とされて、図4に示すように、車両前方側を開口させた有底の箱形状とされるもので、前後方向に略沿って配設される略四角筒形状の周壁部13と、周壁部13の後方を塞ぐように開口12aと対向して配置される後壁部14と、から構成されている。実施形態の場合、ケース12は、左右の幅寸法を、車両Vにおけるヘッドランプ7L,7R間の幅寸法より若干小さくして、構成されている。周壁部13における下壁部13aには、インフレーター23をケース12に取り付けるためのボルト24aを挿通させる挿通孔13bが、形成され、底壁部14には、エアバッグ28の後述する取付膨張部30をケース12に取り付けるためのボルト60を挿通させる挿通孔14aが、形成されている(図17,18参照)。また、実施形態の場合、ケース12は、ブラケット6を利用して、車両Vのボディ1側の部材であるラジエーターサポートメンバー2及びバンパリインフォースメント3に、固定されている(図4参照)。
エアバッグカバー17は、オレフィン系熱可塑性エラストマー等の合成樹脂製とされるもので、ケース12の開口12aを覆うようにケース12の車両前方側に配置される天井壁部18と、天井壁部18の周縁から後方に向かって突出するように配置される周壁部21と、を備えている。天井壁部18には、エアバッグ28の展開膨張時に、膨張するエアバッグ28に押されて開き可能な扉部19が、周囲に破断予定部20を配置させるようにして、配設されている。扉部19は、実施形態の場合、下縁側を除いた周囲に正面側から見て略逆U字形状の破断予定部20を配置させて、開き時に、下方側に向かって開く構成とされている。周壁部21は、ケース12の周壁部13に隣接して配置されるもので、実施形態の場合、エアバッグカバー17は、周壁部21の部位において、ケース12の周壁部13に形成される図示しない係止爪等の連結手段を利用して、ケース12に連結されている。
インフレーター23は、実施形態の場合、図2に示すように、ケース12の左右両端側となる2箇所に配設されるもので、それぞれ、軸方向を左右方向に略沿って配置させたシリンダタイプとされている。実施形態の場合、各インフレーター23は、それぞれ、図示しないガス吐出口を備えるとともに、板金製のディフューザー24により周囲を保持されるもので、後述するエアバッグ28の取付膨張部30内に収納された状態で、ディフューザー24に形成されたボルト24aを、取付膨張部30から突出させ、さらに、ケース12における周壁部13の下壁部13aから突出させてナット25止めすることにより、エアバッグ28とともに、ケース12に固定されている。
エアバッグ28は、可撓性を有した袋状とされて、インフレーター23から吐出される膨張用ガスを内部に流入させて展開膨張するもので、実施形態の場合、ポリエステル糸やポリアミド糸等を使用した織布から形成され、基材や布材を縫合して形成した縫製タイプとしている。実施形態の場合、エアバッグ28は、膨張用ガスGを内部に流入可能なバッグ本体29と、バッグ本体29をケース12に保持させるとともに、バッグ本体29の膨張完了時の位置や形状を規制する複数のストラップ55及びテザー57,58と、から構成されている。実施形態の場合、エアバッグ28は、平らに展開した状態を略左右対称形とされるとともに、車両搭載時の膨張完了形状も、車両Vの左右方向の中央を中心とした略左右対称形とされている。
バッグ本体29は、実施形態の場合、それぞれ別体として構成されるとともに、ケース12側に取り付けられる取付膨張部30と、膨張完了時にケース12から車両前方側に突出してフードパネル9の前縁9a側を覆う保護膨張部35と、を備えている。保護膨張部35は、後述する下側セル40の部位において、取付膨張部30に対して、後述する第1連通孔48を介して連通されている。なお、実施形態の場合、取付膨張部30と保護膨張部35とは、それぞれ、外形形状を同一とした2枚の基布の周縁相互を縫着して構成される平面バッグ状とされている。
取付膨張部30は、ディフューザー24のボルト24aを突出させるようにして内部にインフレーター23を収納させる構成とされるもので、インフレーター23を介してケース12に固定され、ケース12内で膨張する構成とされている。実施形態の場合、取付膨張部30は、第1連通孔48を介して、保護膨張部35の下側セル40と連通される構成であり、第1連通孔48を構成する開口31aを有した連通側壁部31と、取付側壁部32と、を備えている。第1連通孔48を構成する開口31aは、実施形態の場合、連通側壁部31の左右両端側であって、短手方向(上下方向)側の略中央となる位置に、長手方向を左右方向に沿わせた略長円形状として、形成されている。具体的には、開口31aは、連通側壁部31の左右方向の中央を中心として左右対称となる位置に、形成されている。取付側壁部32は、図7〜9に示すように、単体で膨張させた状態において、連通側壁部31と前後方向で対向するように構成されている。実施形態の場合、取付側壁部32と連通側壁部31とは、外形形状を同一として、長手方向を左右方向に沿わせた略長円形状とされるもので、周縁相互を縫着されて、取付膨張部30を構成している。取付側壁部32には、インフレーター23のボルト24aを挿通可能な挿通孔32aが、形成されている。実施形態の場合、挿通孔32aは、連通側壁部31における開口31aの位置と略一致するような左右両端側となる位置に、それぞれ、インフレーター23の軸方向に沿うような左右方向に沿って、2箇所ずつ形成されるもので、図6に示すように、取付膨張部30を平らに展開した状態(単体で膨張させた状態)において、上下方向の中央よりも下方となる位置に、形成されている。すなわち、実施形態の場合、挿通孔32aは、取付膨張部30を平らに展開した状態(単体で膨張させた状態)において、第1連通孔48を構成する開口31aよりも下方(下縁側)に、位置することとなる。
そして、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mでは、上述したごとく、インフレーター23は、ケース12の下壁部13a側に取付固定されることから、この取付膨張部30も、取付側壁部32における挿通孔32aの周縁の部位を下壁部13a側に向けるようにして、ケース12に取り付けられることとなり、エアバッグ28の膨張完了時において、膨張した取付膨張部30は、平らに展開した状態(単体で膨張させた状態)の上縁30aを後方側(後壁部14側)に向けるようにして、配置されることとなる(図10参照)。なお、実施形態の場合、取付膨張部30は、平らに展開した状態の左右の幅寸法を、ケース12の左右の幅寸法と略一致させるように、構成されている。また、取付膨張部30は、ケース12内に充満されるように膨張するもので、膨張完了時に、図16に示すごとく、保護膨張部35と連通させる第1連通孔48の開口面を、車両Vの前端面Vaに略沿わせるとともに、連通側壁部31における第1連通孔48(開口31a)の周縁部位31bで、保護膨張部35の後面側を支持する構成とされている。
保護膨張部35は、左右方向に沿った長尺状とされるもので、膨張完了時に、フードパネル9の前縁9a側を、ヘッドランプ7L,7Rの前面側も含めて、左右方向の略全域にわたって覆い可能なように、左右方向の幅寸法を、取付膨張部30の左右方向の幅寸法(ケース12の左右方向の幅寸法)より、大きく設定されている。実施形態の場合、保護膨張部35は、それぞれ、膨張完了時に略左右方向に沿って配設される長尺状とされるとともに、膨張完了時に上側に配置される上側セル36と、上側セル36の下側に配置される下側セル40と、の2つのセルを上下方向で並設させて構成されている。そして、上側セル36と下側セル40とは、それぞれ、膨張完了時における車両Vの左右方向の領域内の取付膨張部30の前方に配置される中央側膨張部37,41と、膨張完了時に中央側膨張部37,41から左右両側に延びるように配置される端側膨張部38L,38R,42L,42Rと、を備えている。実施形態の場合、保護膨張部35は、上側セル36と下側セル40とを上下方向に連ならせるように構成されて、膨張完了時に前面側に配置される前側壁部44と、後面側に配置される後側壁部45と、を備えている。具体的には、前側壁部44と後側壁部45とは、外形形状を同一とされて、周縁相互を縫着されることにより、保護膨張部35を構成するものであり、保護膨張部35における上下方向の略中央において、左右方向に沿って配設される区画部46により、上側セル36と下側セル40とを区画させている構成である。区画部46は、実施形態の場合、前側壁部44と後側壁部45とを縫着させて、構成されている。
エアバッグ28の膨張完了時に、取付膨張部30の前方に位置する下側セル40の中央側膨張部41の部位には、取付膨張部30と連通される第1連通孔48が、形成されている。具体的には、後側壁部45における下側セル40の中央側膨張部41を構成する部位において、取付膨張部30の連通側壁部31に形成される開口31aに対応した位置に、第1連通孔48を構成する開口45aが、形成されている。実施形態の場合、第1連通孔48は、後側壁部45における開口45aの周縁と、連通側壁部31における開口31aの周縁と、を縫着させて構成されるもので、長手方向に沿った略長円状に開口して、2箇所に配置されるとともに、左右方向に沿って離れて、中央側膨張部41の左右方向の中央を中心として左右対称の位置に、形成されている。なお、実施形態のエアバッグ28では、第1連通孔48を構成する各開口31a,45aの周縁に、第1連通孔48の周縁を補強するためのパッチ布52が、それぞれ、内周側から当てられて共縫いされている。
また、各上側セル36,下側セル40における中央側膨張部37,41の領域内には、上側セル36と下側セル40とを連通させる第2連通孔49が、形成されている。第2連通孔49は、実施形態の場合、上側セル36と下側セル40とを区画している区画部46を左右方向の中央付近で分断させて、この分断された区画部46間の隙間から構成されるもので、中央側膨張部37,41の左右の略中央となる位置に、形成されている。すなわち、第2連通孔49は、左右方向における2つの第1連通孔48,48間の略中央となる位置に、形成されている。また、実施形態のエアバッグ28では、第2連通孔49の周縁を構成する区画部46の端部46aは、強度補強のために、別体の略円形のパッチ布53を当てられて、パッチ布53の周縁となる部位において略円形に縫着されている。
また、実施形態のエアバッグ28では、平らに展開した状態の各上側セル36,下側セル40において、それぞれ、端側膨張部38L,38R,42L,42Rが、中央側膨張部37,41に対して屈曲するように構成されている。そして、中央側膨張部37,41は、実施形態の場合、平らに展開した状態の左右方向の幅寸法を、取付膨張部30を平らに展開した状態の左右方向の幅寸法より、若干小さくするように、構成されている(図6参照)。この端側膨張部38L,38R,42L,42Rの中央側膨張部37,41に対する屈曲状態は、エアバッグ28の膨張完了時にも維持されることとなる(図1〜3の二点鎖線参照)。そして、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mでは、エアバッグ28の膨張完了時において、端側膨張部38L,38R,42L,42Rが、端部38a,42aを上方に向けるように、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mが搭載される車両Vのごとく、中央側膨張部37,41に対して屈曲して配置されることから、図3に示すように、左右のヘッドランプ7L,7Rが、フードパネル9の前縁9aにおける左右の中央部位9dより後方側に配置されて、フードパネル9の前縁9aにおける左右両端側の部位9b,9cが、左右の縁部側を後方に向けるように傾斜している形状の車両Vにおいても、上側セル36の端側膨張部38L,38Rにより、このフードパネル9の前縁9aを、左右両端側の部位9b,9cも含めて、左右方向の全域にわたって、覆うことができる。
ストラップ55及びテザー57,58は、保護膨張部35の膨張完了時における上縁35a側と、取付膨張部30の膨張完了時における上縁(後縁)30a側と左右方向の端部30b,30c側と、の3箇所に、形成されている。
ストラップ55は、保護膨張部35の上縁35a側から延びるように構成されるもので、実施形態の場合、上側セル36における中央側膨張部37の左右両端側となる2箇所に配設されている。また、実施形態の場合、ストラップ55は、バッグ本体29と別体の帯状の布材から、構成されている。ストラップ55は、エアバッグ28の膨張完了時に、保護膨張部35の後側壁部45側(膨張完了時の後面側)において、略前後方向に沿うように配設されるもので、元部55a側を保護膨張部35の上縁35a側に縫着され、先端55b側に、インフレーター23のボルト24aを挿通可能な挿通孔55cを備えている。そして、ストラップ55は、先端55b側を、インフレーター23とともに、ケース12における下壁部13aに共締めされて、保護膨張部35の上縁35aとケース12とを連結させることとなる。また、ストラップ55は、エアバッグ28の膨張完了時において、保護膨張部35の上縁35a側をケース12側(後方側)に向かって牽引可能な長さ寸法に設定されるもので、具体的には、長さ寸法を、平らに展開した状態の保護膨張部35の上下の幅寸法よりも小さくするように、構成されている。
テザー57は、図6に示すように、平らに展開した状態の取付膨張部30の上縁30a側から延びるように構成されるもので、実施形態の場合、左右方向の中央付近の2箇所に、形成されている。また、テザー57は、バッグ本体29と一体とされて、取付膨張部30を構成する基布の上縁30aから延びるように構成されている。テザー57には、ボルト60を挿通させるための挿通孔57aが形成されており、テザー57は、図17に示すように、挿通孔54aに挿通されたボルト60をケース12における後壁部14に形成された挿通孔14aから突出させてナット61止めすることにより、取付膨張部30の上縁30a側を、ケース12の後壁部14に連結させる構成である。
テザー58は、平らに展開した状態の取付膨張部30における左右方向の端部30b,30cから、それぞれ、延びるように構成されている(図6参照)。実施形態の場合、テザー58は、バッグ本体29と別体の帯状の布材から、構成されるもので、元部58aを取付膨張部30における左右の端部30b,30cにおける上下方向の略中央に縫着させ、先端58b側に、ボルト60を挿通させるための挿通孔58cを配設させている。そして、テザー58は、図18に示すように、挿通孔58cに挿通させたボルト60をケース12における後壁部14に形成された挿通孔14aから突出させてナット61止めすることにより、取付膨張部30の左右方向の端部30b,30c側を、ケース12の後壁部14に連結させる構成である。
また、車両Vには、図1,2に示すように、フロントバンパ5の所定箇所に、歩行者との接触を予測(接近を予知)する接触予測センサ(接触検知センサ)63が配設され、図示しないエアバッグ作動回路が、歩行者との接触を予測した信号を接触予測センサ63から入力させた際に、インフレーター23を作動させて、エアバッグ28を展開膨張させるように、構成されている。
次に、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mの車両Vへの搭載について述べると、まず、エアバッグ28を折り畳む。エアバッグ28は、インフレーター23を、ボルト24aを挿通孔32aから突出させるようにして、取付膨張部30内に収納させ、取付膨張部30と保護膨張部35とを、それぞれ、連通側壁部31と取付側壁部32、前側壁部44と後側壁部45、を、相互に重ねるようにして、平らに展開した状態から、横折りと縦折りとを経て折り畳まれることとなる。まず、図11,12のAに示すように、ストラップ55を後側壁部45に重ねて平らに展開した状態の保護膨張部35における上側セル36の領域を、ストラップ55とともに、上縁35a側から後側壁部45側に向かって巻くように、左右方向に沿った折目を付けつつ、ロール折りして第1ロール折り部位66を形成する。そして、下側セル40の領域を、第1連通孔48の配置部位まで、ストラップ55を除いて、左右方向に沿った折目を付けつつ蛇腹折りして、蛇腹折り部位67を形成し、保護膨張部35の上下(前後)の幅寸法を縮めるように、横折りする(図12のB参照)。そして、第1ロール折り部位66と蛇腹折り部位67との間から突出しているストラップ55の先端55bの挿通孔55cに、インフレーター23のボルト24aを挿通させて、ストラップ55の先端55b側をインフレーター23に連結させる。
その後、図12のB,13のAに示すように、第1ロール折り部位66と蛇腹折り部位67とから構成される横折り部位68において、端側膨張部38L,38R,42L,42Rの領域を、それぞれ、端部68a側から後側壁部45側に向かって巻くように、上下方向に沿った折目を付けつつロール折りして、第2ロール折り部位69L,69Rを形成し、この第2ロール折り部位69L,69Rを、中央側膨張部37,41上に載せるように折り返して(図13のA,B参照)、保護膨張部35の左右方向の幅寸法を縮めるように縦折りする。縦折り後には、折り畳まれた保護膨張部71は、上下左右の幅寸法を、ケース12内に収納可能な寸法とされることとなり、具体的には、折り畳まれた保護膨張部71の左右方向の幅寸法は、平らに展開した状態の取付膨張部30の左右方向の幅寸法と略一致することとなる。そして、実施形態のエアバッグ28では、保護膨張部35における中央側膨張部37,41の左右方向の幅寸法は、取付膨張部30の左右方向の幅寸法より小さく設定されていることから、保護膨張部35の左右方向の幅寸法を縮めるような縦折りは、端側膨張部38L,38R,42L,42Rの領域だけを折り畳んで、中央側膨張部37,41の領域は縦折り時には折り畳まれないこととなる。
そして、平らに展開した状態の取付膨張部30を、折り畳まれた保護膨張部71の周囲において、図13のCに示すように、上方側から後方を含めて下方側にかけてくるむように配置させれば、エアバッグ28の折り畳みが完了することとなる。そして、インフレーター23のボルト24a、テザー57,58を露出させるようにして、折り畳んだエアバッグ28の周囲に、折り崩れを防止するとともに、エアバッグ28の展開膨張時に破断可能とされる図示しないラッピング財を配設させておく。また、テザー57,58の挿通孔57a,58aには、それぞれ、ボルト60を挿通させておく。
その後、挿通孔14aからボルト60を突出させ、挿通孔13bからボルト24aを突出させるようにして、折り畳まれたエアバッグ28をインフレーター23とともに、ケース12内に収納させ、各ボルト24a,60に、ナット25,61を締結させれば、エアバッグ28とインフレーター23とをケース12に取付固定することができる。このとき、図4に示すように、エアバッグ28における取付膨張部30は、ケース12における開口12aと対向する後壁部14から、周壁部13の上壁部13cと下壁部13aとにかけて、内周側に沿うように、配置されることとなる。また、上側セル36を折り畳んで構成される第1ロール折り部位66は、下側セル40を折り畳んで構成される蛇腹折り部位67の車両前方側に位置するように、配置されることとなる。
次いで、エアバッグカバー17をケース12に連結固定させ、ケース12の所定箇所を、ボディ1側のラジエーターサポートメンバー2及びバンパリインフォースメント3から延びるブラケット6に固定させれば、歩行者用エアバッグ装置Mを車両Vに搭載することができる。
歩行者用エアバッグ装置Mの車両Vへの搭載後、フロントバンパ5に配設される接触予測センサ63が車両Vの歩行者との接触を予測し、インフレーター23に作動信号が入力されれば、インフレーター23から膨張用ガスが吐出され、エアバッグ28が、内部に膨張用ガスGを流入させて膨張することとなる。そして、膨張するエアバッグ28に押されてエアバッグカバー17に設けられた破断予定部20が破断して、扉部19が下方に開き、扉部19が開いて形成されたケース12の開口12aから、エアバッグ28が、前方側へ突出しつつ、上方側と左右両側とに広がるように展開膨張して、図1〜3の二点鎖線、及び、図16〜18に示すごとく、車両Vの前端面Vaに沿うように、下端側を前方に位置させ、上端側を後方に向けるように傾斜した状態で、膨張を完了させることとなる。
実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mでは、エアバッグ28の膨張初期において、取付膨張部30内に膨張用ガスが流入すると、図14,15に示すように、取付膨張部30が膨張して、保護膨張部35を収納部位としてのケース12から車両前方に押し出し、ケース12の開口12aから車両前方側に押し出された保護膨張部35は、第1連通孔48から流入する膨張用ガスにより、折りを解消しつつ膨張することとなるが、取付膨張部30は、ケース12内において、連通部48の周縁部位31bにより保護膨張部35の後面側を支持するように膨張することから、保護膨張部35を必要以上に車両前方側へ大きく突出させることなく、保護膨張部35を、ばたつきを抑えて迅速に折りを解消させるように展開させることができる。
そして、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mでは、保護膨張部35が、膨張完了時に略左右方向に沿って配設される長尺状の上側セル36と下側セル40とを、上下方向に沿って並設させて構成されることから、保護膨張部を1つの袋状とする場合と比較して、厚さ寸法を薄くすることができて、容積を小さくすることができる。そのため、保護膨張部を1つの袋状とする場合と比較して、迅速にエアバッグ28を膨張完了させることができる。
また、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mでは、上側セル36と下側セル40とを連通させる第2連通孔49が、保護膨張部35において、膨張完了時に取付膨張部30の前方側に配置される中央側膨張部37,41の領域内に配置されている。換言すれば、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mでは、上側セル36と下側セル40とを連通させる第2連通孔49は、保護膨張部35を左右方向の幅寸法を縮めるように折り畳む際に折り畳まれないエリアに、配置されることとなる。そのため、取付膨張部30が膨張して、保護膨張部35がケース12から車両前方側に押し出され、取付膨張部30の前方に位置する下側セル40における中央側膨張部41内に、第1連通孔48を介して取付膨張部30から膨張用ガスが流入すると略同時に、上側セル36における中央側膨張部37内にも、第2連通孔49を介して、膨張用ガスが円滑かつ迅速に流入することとなる。そして、上側セル36と下側セル40とにおける中央側膨張部37,41が膨張した後、上側セル36及び下側セル40の端側膨張部38L,38R,42L,42R内に膨張用ガスが流入して、保護膨張部35全体が膨張することとなり、上側セル36及び下側セル40の端側膨張部38L,38R,42L,42Rに安定して膨張用ガスを流入させることができることから、保護膨張部35における左右両端側の部位35b,35cを、ぶれを抑えて安定して膨張させることができる。
したがって、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mでは、車両Vの前端側における左右方向の中央付近に配置される収納部位としてのケース12に、左右の幅寸法を縮めるように折り畳まれて収納される構成であっても、安定して迅速にエアバッグ28を膨張させることができる。
また、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mでは、取付膨張部30と下側セル40とを連通する第1連通孔48,48を、2箇所に配置させるとともに、左右方向に沿って離れて、中央側膨張部41の左右方向の中央を中心として略左右対称の位置に配置させ、下側セル40と上側セル36とを連通する第2連通孔49を、左右方向における2つの第1連通孔48,48間の略中央となる位置に、配置させていることから、第2連通孔49を経て上側セル36内に流入する膨張用ガスGを、一旦左右の中央に集めて中央側膨張部37の左右方向の中央を膨らませた状態から、左右両端側の端側膨張部38L,38Rの端部側に、左右均等に流すことができる(図5の二点鎖線参照)。そのため、左右の端側膨張部38L,38Rが相互に内側に倒れるように膨張することを防止でき、各上側セル36と下側セル40とを、ねじれを防止して、膨張完了形状を安定させることができる。特に、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mのエアバッグ28では、膨張完了時に、各上側セル36,下側セル40の端側膨張部38L,38R,42L,42Rが、中央側膨張部37,41に対して屈曲している構成とされているが、端側膨張部38L,38R,42L,42Rが、屈曲角度を超えて、大きく左右方向の内側に倒れこむように膨張することを、的確に防止することができる。
なお、第2連通孔を左右方向に沿って離れた2箇所に配置させる構成のエアバッグでは、第2連通孔を経てセル内に流入する膨張用ガスが、このセルにおける第2連通孔間の中央側膨張部の領域に流入しがたく、この部位を折曲ポイントとして、端側膨張部への膨張用ガスの流入時、左右の端側膨張部が相互に内側に倒れ、エアバッグの膨張完了直後、端側膨張部が左右にぶれて、車両の前端面における左右両端側の部位、例えば、ヘッドランプの前面側を迅速に覆うことができない虞れが生ずる。
さらに、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mでは、エアバッグ28の折畳収納時に、取付膨張部30が、連通側壁部31と取付側壁部32とを前後方向で相互に重ねるように平らに展開した状態で、ケース12における開口12aと対向する後壁部14から上壁部13c及び下壁部13aの内周側に沿うように配置されている。すなわち、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mでは、取付膨張部30が、上下左右の幅寸法を縮めるように折り畳まれない状態で、ケース12内に収納される構成である。そのため、エアバッグ28の膨張初期において、内部に膨張用ガスを流入させて迅速に膨張させることができる。そして、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mでは、取付膨張部30と保護膨張部35とを連通する第1連通孔48の部位も、折目をつけて折り畳まれていないことから、保護膨張部35内に、第1連通孔48を介して、迅速に安定して膨張用ガスを流入させることができる。勿論、このような点を考慮しなければ、取付膨張部を、上下左右の幅寸法を縮めるように折目を付けて折り畳んだ状態で、ケース内に収納させる構成としてもよい。
さらにまた、実施形態の歩行者用エアバッグ装置では、エアバッグ28は、保護膨張部35を、前側壁部44と後側壁部45とを相互に重ねるように平らに展開した状態から、上側セル36の領域を上縁35a側から後側壁部45側に巻くようにロール折りし、下側セル40の領域を蛇腹折りして、上下方向の幅寸法を縮めるように折り畳んだ後、左右方向の幅寸法を縮めるように端側膨張部38L,38R,42L,42Rを折り畳んで、中央側膨張部37,41の部位において、上側セル36を折り畳んで構成される第1ロール折り部位66を、下側セル40を折り畳んで構成される蛇腹折り部位67の車両前方側に位置させるように、ケース12内に収納されている。すなわち、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mでは、膨張用ガスの流れの下流側となる下側セル40の領域が、第1連通孔48を介して取付膨張部30に連通されており、下側セル40の領域が、折りを迅速に解消して膨張可能な蛇腹折りされていることから、下側セル40が迅速に展開膨張し、その上方の上側セル36の展開膨張を促進させることとなって、保護膨張部35全体を一層迅速に展開させることができる。また、上側セル36は、上縁35a側から後側壁部45側に巻くようなロール折りとされていることから、ロール折りを解くように展開する際に、車両Vの前端面Vaに沿うように展開することとなり(図14,15参照)、歩行者側に突出するように膨張することを防止することができる。勿論、このような点を考慮しなければ、単に、保護膨張部全体を、上下方向の幅寸法を縮めるようにロール折りしてもよく、さらには、ロール折りの向きを逆にして、上縁側を前側壁部側にまくようにロール折りしてもよい。
特に、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mでは、エアバッグ28の取付膨張部30において、単体で膨張させた状態で連通側壁部31(連通孔47)と前後方向で対向する取付側壁部32の部位を、下方に向けるようにして、ケース12の下壁部13aに取り付ける構成である。そのため、エアバッグ28の膨張完了時において、取付膨張部30の後面側における下壁部13aへの取付部位から上方にかけての部位が、下方へ引っ張られるような態様となって、保護膨張部35に、上縁35a側を後方に向けるような回転モーメントを作用させることとなる。その結果、エアバッグ28の保護膨張部35は、車両Vの前端面Va側、すなわち、後面側に向かうような力を受けつつ、前端面Vaに沿って展開することとなり、歩行者側に突出するように膨張することを極力抑えることができる。また、エアバッグ28の膨張完了時においても、保護膨張部35の後面側(特に上縁35a側)が、車両Vの前端面Vaに押し付けられて支持されるような態様となることから、保護膨張部35に歩行者が当たった際に、後面を車両Vの前端面Vaにより支持されて、充分な反力を保持している保護膨張部35により、歩行者を的確に保護することができる。
なお、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Mでは、保護膨張部35は、上側セル36と下側セル40との2つのセルを備えるとともに、下側セル40を、取付膨張部30に連通させている構成とされているが、保護膨張部を構成するセルの数や、取付膨張部に連通されるセルは、これに限られるものではなく、例えば、エアバッグとして、保護膨張部を3つのセルを備える構成として、上下の中間に配置されるセルを、取付膨張部に連通させる構成のものを使用してもよい。
また、実施形態では、エアバッグ28は、外形形状を同一とした2枚の基材の周縁相互を縫着させた平面バッグ状とされているが、本発明を適用可能なエアバッグはこれに限られるものではなく、壁部相互を重ねて折り畳むことができれば、所定形状の基布の周縁相互を結合させて立体的に構成した立体バッグを使用してもよい。
本発明の一実施形態である歩行者用エアバッグ装置を搭載させた車両の概略斜視図である。 同実施形態の歩行者用エアバッグ装置を搭載させた車両の概略部分正面図である。 同実施形態の歩行者用エアバッグ装置を搭載させた車両の概略部分平面図である。 同実施形態の歩行者用エアバッグ装置の概略縦断面図であり、図2のIV−IV部位に対応する図である。 同実施形態の歩行者用エアバッグ装置に使用されるエアバッグを平らに展開した状態の平面図である。 図5のエアバッグを平らに展開した状態の底面図である。 図5のエアバッグを単体で膨張させた状態の断面であって、図5のVII−VII部位に対応する図である。 図5のエアバッグを単体で膨張させた状態の断面であって、図5のVIII−VIII部位に対応する図である。 図5のエアバッグを単体で膨張させた状態の断面であって、図5のIX−IX部位に対応する図である。 図5のエアバッグをインフレーターを利用してケースに取り付けた状態で膨張させた状態を示す概略断面図である。 同実施形態の歩行者用エアバッグ装置において、エアバッグの折畳工程を示す概略図である。 エアバッグの折畳工程を示す概略図であり、図11の後の工程を示す。 エアバッグの折畳工程を示す概略図であり、図12の後の工程を示す。 同実施形態の歩行者用エアバッグ装置において、エアバッグの展開膨張過程を説明する概略断面図である。 同実施形態の歩行者用エアバッグ装置において、エアバッグの展開膨張過程を説明する概略断面図であり、図14の後の過程を示す。 同実施形態の歩行者用エアバッグ装置において、エアバッグの膨張完了状態を示す概略断面図であり、エアバッグにおけるストラップの部位を示す図である。 同実施形態の歩行者用エアバッグ装置において、エアバッグの膨張完了状態を示す概略断面図であり、エアバッグにおける中央側のテザーの部位を示す図である。 同実施形態の歩行者用エアバッグ装置において、エアバッグの膨張完了状態を示す概略断面図であり、エアバッグにおける端側のテザーの部位を示す図である。
符号の説明
7L,7R…ヘッドランプ、
9…フードパネル、
9a…前縁、
12…ケース(収納部位)、
12a…開口、
23…インフレーター、
28…エアバッグ、
30…取付膨張部、
31…連通側壁部、
32…取付側壁部、
35…保護膨張部、
35a…上縁、
36…上側セル、
37…中央側膨張部、
38L,38R…端側膨張部、
40…下側セル、
41…中央側膨張部、
42L,42R…端側膨張部、
44…前側壁部、
45…後側壁部、
48…第1連通孔、
49…第2連通孔、
66…第1ロール折り部位、
67…蛇腹折り部位、
69…第2ロール折り部位、
Va…前端面、
V…車両、
M…歩行者用エアバッグ装置。

Claims (4)

  1. 車両の前端側に搭載されて、膨張完了時に、フードパネルの前縁側を左右方向の略全域にわたって覆い可能なエアバッグを備える構成とされ、
    該エアバッグを収納させる収納部位が、前記フードパネルの前縁の下方位置であって、かつ、車両の前端側における左右方向の中央付近となる位置に配置されるとともに、膨張時の前記エアバッグを突出可能に、車両前方側を開口させるように構成されて、
    前記エアバッグが、左右の幅寸法と上下の幅寸法とを縮めるように折り畳まれて、前記収納部位内に収納される構成の歩行者用エアバッグ装置であって、
    前記エアバッグが、前記収納部位側に取り付けられる取付膨張部と、膨張完了時に前記収納部位から突出して前記フードパネルの前縁側を覆う保護膨張部と、を備える構成とされ、
    前記取付膨張部が、前記エアバッグの膨張完了時に、前記収納部位内で充満するように膨張して、前記保護膨張部の後面側を支持する構成とされ、
    前記保護膨張部が、膨張完了時に略左右方向に沿って配設される長尺状のセルを、上下方向に沿って複数個並設させて構成され、
    前記各セルが、それぞれ、膨張完了時における車両の左右方向の領域内の前記取付膨張部の前方側の領域に配置される中央側膨張部と、膨張完了時に該中央側膨張部から左右両側に延びるように配置される端側膨張部と、を備える構成とされるとともに、前記取付膨張部の前方に位置する1つの前記セルにおける前記中央側膨張部の部位に、前記取付膨張部と連通される第1連通孔を、配設させ、前記セル相互を第2連通孔により連通させる構成とされて、
    前記保護膨張部の左右方向の幅寸法を縮めるような折り畳みが、前記各端側膨張部の領域だけを折り畳んで、前記中央側膨張部の領域に前後方向に沿って重ねるように折り畳む構成とされ、
    前記第2連通孔が、前記中央側膨張部の領域内に、配設されていることを特徴とする歩行者用エアバッグ装置。
  2. 前記第1連通孔が、2箇所に配置されるとともに、左右方向に沿って離れて、前記中央側膨張部の左右方向の中央を中心とした略左右対称の位置に配置され、
    前記第2連通孔が、左右方向における2つの前記第1連通孔間の略中央となる位置に、配置されていることを特徴とする請求項1に記載の歩行者用エアバッグ装置。
  3. 前記取付膨張部が、
    前記第1連通孔を備える連通側壁部と、単体で膨張させた状態で前記連通側壁部と前後方向で対向する取付側壁部と、を備える構成とされ、
    前記エアバッグの折り畳み収納時に、前記連通側壁部と前記取付側壁部とを前後方向で相互に重ねるように平らに展開した状態で、前記収納部位における前記開口と対向する後壁側の内周側に沿うように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の歩行者用エアバッグ装置。
  4. 前記保護膨張部が、
    膨張完了時に上側に配置される上側セルと、該上側セルの下側に配置される下側セルと、の2つのセルから構成され、該下側セルを、前記第1連通孔を介して前記取付膨張部に連通させた構成とされるとともに、前記上側セル及び前記下側セルにおいて上下方向に連ならせるように構成されて膨張完了時に前面側に配置される前側壁部と、後面側に配置される後側壁部と、を備える構成とされ、
    前記前側壁部と前記後側壁部とを相互に重ねるように平らに展開した状態から、前記上側セルの領域を上縁側から前記後側壁部側に巻くようにロール折りしてロール折り部位を形成し、前記下側セルの領域を蛇腹折りして蛇腹折り部位を形成して、上下方向の幅寸法を縮めるように折り畳まれた後、左右方向の幅寸法を縮めるように前記端側膨張部を折り畳まれて、
    前記中央側膨張部の部位において、前記ロール折り部位を前記蛇腹折り部位の車両前方側に位置させるように、前記収納部位内に収納されることを特徴とする請求項3に記載の歩行者用エアバッグ装置。
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