JP4792892B2 - シアノケトンのアルカリ金属塩の製法 - Google Patents

シアノケトンのアルカリ金属塩の製法 Download PDF

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Description

本発明は、カルボン酸エステルとアセトニトリルとからシアノケトンのアルカリ金属塩を製造する方法に関する。シアノケトンのアルカリ金属塩は、例えば、医薬・農薬等の原料や合成中間体として有用な化合物である。
従来、シアノケトンのアルカリ金属塩を製造する方法としては、例えば、ナトリウムメチラートの存在下、酢酸メチルとアセトニトリルとを反応させて、シアノアセトンのナトリウム塩を含量88〜98%で得る方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、目的物であるシアノアセトンのナトリウム塩を高速液体クロマトグラフィーで分析しているため、副生する酢酸ナトリウムの量を把握できていなかった。そこで、本発明者らが、当該方法の追試実験を行い、イオンクロマトグラフィーで分析したところ、多量の酢酸ナトリウムが目的物中に混入していることが判明した(後の比較例1〜2に記載)。
特開平6-312966号公報
本発明の課題は、即ち、簡便な方法によって、カルボン酸エステルとアセトニトリルとから、カルボン酸アルカリ金属塩の含有量が少ないシアノケトンのアルカリ金属塩の製法を提供することにある。
本発明の課題は、アルカリ金属を含有する塩基の存在下、一般式(1)
Figure 0004792892
(式中、R及びRは、同一又は異なっていても良く、炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数3〜8のシクロアルキル基を示す。)
で示されるカルボン酸エステルとアセトニトリルとを反応させた後、反応液にメタノールを加えて処理することを特徴とする、一般式(2)
Figure 0004792892
(式中、Rは、前記と同義であり、Mはアルカリ金属原子を示す。)
で示されるシアノケトンのアルカリ金属塩の製法によって解決される。
本発明により、簡便な方法によって、カルボン酸エステルとアセトニトリルとから、カルボン酸アルカリ金属塩の含有量が少ないシアノケトンのアルカリ金属塩の製法を提供することができる。
本発明の反応において使用するカルボン酸エステルは、前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、R及びRは、同一又は異なっていても良く、炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数3〜8のシクロアルキル基であり、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
本発明の反応において使用するアルカリ金属を含有する塩基とは、例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムt-ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が挙げられるが、好ましくはアルカリ金属水素化物、アルカリ金属アルコキシドが使用される。なお、これらのアルカリ金属を含有する塩基は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記アルカリ金属を含有する塩基の使用量は、カルボン酸エステル1モルに対して、好ましくは0.1〜10モル、更に好ましくは1.0〜5.0モルである。
本発明の反応は溶媒中で行っていても良く、使用される溶媒としては、反応に関与しないものならば特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t-ブチルアルコール等のアルコール類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド類;N,N'-ジメチルイミダゾリジノン等の尿素類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド類;ジイソプロピルエーテル、シクロプロピルメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記溶媒の使用量は、反応液の均一性や攪拌性により適宜調節するが、カルボン酸エステル1gに対して、好ましくは0〜50ml、更に好ましくは0〜10ml、特に好ましくは0〜5mlである。
本発明は、例えば、カルボン酸エステル、アセトニトリル及びアルカリ金属を含有する塩基を混合し攪拌させながら反応させた後、反応液にメタノールを加えて処理(例えば、メタノールを加えた反応液を攪拌させる等)する等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは50〜150℃、更に好ましくは60〜90℃であり、反応圧力は特に制限されない。又、メタノールを加えて処理する温度は、好ましくは0〜40℃、更に好ましくは0〜35℃、特に好ましくは0〜30℃であり、反応圧力は特に制限されない。なお、反応中に副生するアルコールを留去しながら反応を行っても良い。
前記メタノールの使用量は、カルボン酸エステル1gに対して、好ましくは1〜20ml、更に好ましくは1.5〜10ml、特に好ましくは2〜7mlである。
本発明により得られたシアノケトンのアルカリ金属塩は、例えば、抽出、濾過、濃縮、再結晶、カラムクロマトグラフィー等による一般的な方法によって単離・精製される。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例1(シアノアセトンのナトリウム塩の合成)
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流冷却器を備えた内容積500mlのガラス製容器に、酢酸エチル35.2g(0.4mol)、アセトニトリル65.7g(1.6mol)及びナトリウムメトキシド21.6g(0.4mol)を加え、攪拌しながら70〜80℃で4時間反応させた。反応終了後、反応液を20℃まで冷却した後にメタノール108mlを加え、同温度で30分間攪拌させた(処理した)。析出した結晶を濾過し、得られた結晶を減圧下で乾燥させ、白色結晶として、シアノアセトンのナトリウム塩16.2gを得た(単離収率;38.2%)。得られたシアノアセトンのナトリウム塩をイオンクラマトグラフィーで分析したところ、酢酸ナトリウムは僅か3.2質量%しか含まれていなかった。
実施例2(シアノアセトンのナトリウム塩の合成)
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流冷却器を備えた内容積1000mlのガラス製容器に、酢酸エチル264.3g(3.0mol)、アセトニトリル429.8g(12.0mol)及びナトリウムメトキシド162.1g(3.0mol)を加え、攪拌しながら70〜80℃で1時間反応させた後、更にアセトニトリル132.2g(3.3mmol)を加え、攪拌しながら70〜80℃で3時間反応させた。反応終了後、反応液を20℃まで冷却した後にメタノール793mlを加え、同温度で30分間攪拌させた(処理した)。析出した結晶を濾過し、得られた結晶を減圧下で乾燥させ、白色結晶として、シアノアセトンのナトリウム塩123.5gを得た(単離収率;39.0%)。得られたシアノアセトンのナトリウム塩をイオンクラマトグラフィーで分析したところ、酢酸ナトリウムは僅か1.0質量%しか含まれていなかった。
比較例1(シアノアセトンのナトリウム塩の合成)
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流冷却器を備えた内容積500mlのガラス製容器に、アセトニトリル16.4g(0.4mol)及びナトリウムメトキシド5.4g(0.1mol)を加え、攪拌しながら80℃まで加熱し、酢酸エチル8.99g(0.1mol)をゆるやかに加え、70〜80℃で4時間反応させた。反応終了後、反応液を20℃まで冷却した後に、析出した結晶を濾過し、得られた結晶を減圧下で乾燥させ、白色結晶として、シアノアセトンのナトリウム塩6.95gを得た(単離収率;57.0%)。得られたシアノアセトンのナトリウム塩をイオンクラマトグラフィーで分析したところ、酢酸ナトリウムが16.8質量%も含まれていた。
比較例2(シアノアセトンのナトリウム塩の合成)
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流冷却器を備えた内容積500mlのガラス製容器に、酢酸エチル8.99g(0.1mol)、アセトニトリル24.6g(0.6mol)及びナトリウムメトキシド5.4g(0.1mol)を加え、攪拌しながら70〜80℃で4時間反応させた。反応終了後、反応液を30℃まで冷却した後に、析出した結晶を濾過し、得られた結晶を減圧下で乾燥させ、白色結晶として、シアノアセトンのナトリウム塩6.45gを得た(単離収率;42.5%)。得られたシアノアセトンのナトリウム塩をイオンクラマトグラフィーで分析したところ、酢酸ナトリウムが14.5質量%も含まれていた。
本発明は、カルボン酸エステルとアセトニトリルとからシアノケトンのアルカリ金属塩を製造する方法に関する。シアノケトンのアルカリ金属塩は、例えば、医薬・農薬等の原料や合成中間体として有用な化合物である。

Claims (3)

  1. アルカリ金属を含有する塩基の存在下、一般式(1)
    Figure 0004792892
    (式中、R及びRは、同一又は異なっていても良く、炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数3〜8のシクロアルキル基を示す。)
    で示されるカルボン酸エステルとアセトニトリルとを反応させた後、反応液にメタノールを加えて処理することを特徴とする、一般式(2)
    Figure 0004792892
    (式中、Rは、前記と同義であり、Mはアルカリ金属原子を示す。)
    で示されるシアノケトンのアルカリ金属塩の製法。
  2. 処理に使用するメタノールの量が、カルボン酸エステル1gに対して1〜20mlである請求項1記載のシアノケトンのアルカリ金属塩の製法。
  3. 反応液にメタノールを加えて処理する際の温度が、0〜40℃である請求項1記載のシアノケトンのアルカリ金属塩の製法。
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