以下、図1〜図13を用いて、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の組立式結束バンドの1例を示す図である。図1(a)は、組立式結束バンドのバンド部材101の上面を示す図である。図1(b)は、組立式結束バンドのバンド部材101の正面を示す図である。図1(c)は、組立式結束バンドの係止機構部材201の左側面を示す図である。図1(d)は、組立式結束バンドの係止機構部材201の断面を示す図である。図1(e)と図1(f)は、バンド部材101の上面と下面を逆にしても、左右を逆にしても、係止機構部材201の係止機構部への挿入が可能なことを示す図である。
図1(a)に示す様に、バンド部材101は長尺状であり、その長手方向に、上面から下面に至るバンド貫通孔101aを複数有している。なお、図示の都合上、バンド部材の中ほどは同じ構造の繰り返しのため、省略している。
本発明内においては、バンド部材の隣り合う孔と孔の間の部分を孔間部分と言う。図1(a)に示すバンド部材101の孔間部分101bは、隣り合うバンド貫通孔101a同士の間の部分であり、複数存在する孔間部分101bの形状は、それぞれ同じ四角柱をしている。
図1(b)は、バンド部材101の正面を示す図であり、正面から見た透視図となっている。図中、上面から下面に至るバンド貫通孔101aを点線で描いている。また、図1(a)と同様に、図示の都合上、バンド部材の中ほどは同じ構造の繰り返しのため、省略している。なお、図1(b)におけるバンド部材101のバンド貫通孔101aはバンド部材101の上面から下面に至る垂直な孔として形成されている。
図1(c)は、係止機構部材201の左側面を示す図であり、係止機構部201aと係止機構部201bを備えている。係止機構部201aは図面の手前側から向こう側へ1方向にのみバンド部材101を挿入可能とする凸部201cを内部に持つ係止孔を有している。また、係止機構部201bは図面の向こう側から手前側へ1方向にのみバンド部材101を挿入可能とする凸部201cを内部に持つ係止孔を有している。また、係止機構部材201のA−A断面図を図1(d)に示す。
図1(d)は、係止機構部材201のA−A断面図を示す図であり、A−A断面を正面側から見た図となっている。係止機構部材201の上部に位置する係止機構部201aは、バンド部材101のバンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部201cを2つ内部に持つ係止孔を有している。バンド貫通孔101aの壁面は図1(b)に示す様にバンド部材101の長手方向に対して垂直となっている為、係止機構部201aの有する凸部201cは、その右面によりバンド貫通孔101aの右の壁面を係止することが出来る。また、係止機構部材201の下部に位置する係止機構部201bも、バンド部材101のバンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部201cを2つ内部に持つ係止孔を有している。係止機構部201aの有する凸部201cは、その左面によりバンド貫通孔101aの左の壁面を係止することが出来る。
図1(e)に示す係止機構部材201は、正面から見た透視図で描いている。図中、係止機構部材201に描かれた点線は、1方向にのみバンド部材101を挿入可能とする凸部201cを内部に持つ係止孔の存在を表現している。また、図示の都合上、図1(e)の左側に示したバンド部材101は中ほどから左側を省略して描いている。また、図1(e)の右側に示したバンド部材101は中ほどから右側を省略して描いている。
図1(e)に示す係止機構部材201の上部に位置する係止機構部201aは、バンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部201cを2つ内部に持つ係止孔を有し、凸部201cの左側には孔の方向に対して斜めとなるスライド面、右側には孔の方向に対して垂直となる係止面を有している。図1(e)に示す係止機構部201aは左側からのみバンド部材101の挿入が可能である。バンド部材101の右端の挿入に伴い、バンド部材101の下面で、凸部201cのスライド面が下方に押されることにより、係止孔の間隙が広がり、バンド部材101は、係止機構部材201の右側に移動することが可能となる。バンド部材101のバンド貫通孔101aが凸部201cのトップの位置に来ると、弾性による復元力で凸部201cが上方に移動してバンド貫通孔101aの内部に入り込む。凸部201cがバンド貫通孔101aの内部に位置する状態においては、凸部201cの右側の係止面がバンド貫通孔101aの右側の壁面と干渉する為、バンド部材101を係止機構部201aの左側に抜き出せなくなる。しかし、バンド部材101の下面で、凸部201cのスライド面を下方に押して、係止孔の間隙を再び広げることにより、係止機構部201aの右側には移動が可能である。つまり、バンド部材101は、その下面を凸部201c側に向けて、その右端側から係止機構部201aに挿入が可能な構造となっている。また、挿入方向と逆向きには抜去が出来ない構造となっている。
図1(e)に示す係止機構部材201の下部に位置する係止機構部201bは、バンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部201cを2つ内部に持つ係止孔を有し、凸部201cの右側には孔の方向に対して斜めとなるスライド面、左側には孔の方向に対して垂直となる係止面を有している。図1(e)に示す係止機構部201bは右側からのみバンド部材101の挿入が可能である。バンド部材101の左端の挿入に伴い、バンド部材101の下面で、凸部201cのスライド面が下方に押されることにより、係止孔の間隙が広がり、バンド部材101は、係止機構部材201の左側に移動することが可能となる。バンド部材101のバンド貫通孔101aが凸部201cのトップの位置に来ると、弾性による復元力で凸部201cが上方に移動してバンド貫通孔101aの内部に入り込む。凸部201cがバンド貫通孔101aの内部に位置する状態においては、凸部201cの左側の係止面がバンド貫通孔101aの左側の壁面と干渉する為、バンド部材101を係止機構部201aの右側に抜き出せなくなる。しかし、バンド部材101の下面で、凸部201cのスライド面を下方に押して、係止孔の間隙を再び広げることにより、係止機構部201aの左側には移動が可能である。つまり、バンド部材101は、その下面を凸部201c側に向けて、その左端側から係止機構部201aに挿入が可能な構造となっている。また、挿入方向と逆向きには抜去が出来ない構造となっている。
図1(f)に示す係止機構部材201は、図1(e)に示す係止機構部材201を180度回転させて、右側面と左側面を入れ換えた状態となっている。つまり、上面と下面が入れ代わった状態となっている。図1(f)に示す係止機構部材201の係止機構部201bに対して、バンド部材101は、その上面を凸部201c側に向けて、その右端側から挿入が可能な構造となっており、挿入方向と逆向きには抜去が出来ない構造となっている。また、係止機構部201aに対して、バンド部材101は、その上面を凸部201c側に向けて、その左端側から挿入が可能な構造となっており、挿入方向と逆向きには抜去が出来ない構造となっている。
図1(e)および図1(f)に示す通り、バンド部材101は、その上面を凸部201c側に向けても、その下面を凸部201c側に向けても、係止機構部に挿入が可能であり、更に左端側からでも、右端側からでも係止機構部に挿入が可能な構造になっている。つまり、上面と下面および左端側と右端側の区別無く、係止機構部に挿入可能で係止可能な構造となっている。つまり、バンド部材101は、その上面と下面を逆にしても、左右を逆にしても、係止機構部材201の係止機構部への挿入が可能な構造となっている。この構造により、バンドの状態の確認作業が省略可能となり、暗所などでの作業効率が向上する。
図2は、図1(a)および図1(b)に示したバンド部材101のバンド貫通孔101aの壁面を係止可能な係止孔を複数有する係止機構部材の例を示す図である。
図2(a)〜図2(j)に示す各係止機構部材は、それぞれ係止機構部を2つ備えており、図2(k)および図2(l)に示す各係止機構部材は、それぞれ係止機構部を3つ備えている。また、各係止機構部は、バンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部201cを2つ内部に持つ係止孔を有している。
図2(a)は、図1(c)〜図1(f)に示した係止機構部材201を正面から見た場合の透視図である。上部に位置する係止機構部201aも、下部に位置する係止機構部201bも、バンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部201cを2つ内部に持つ係止孔を有し、凸部201cは、バンド部材101を1方向に限り挿入可能とし、逆向きへの移動を制限する構造をしている。係止機構部201aの有する係止孔と係止機構部201bの有する係止孔の方向は、互いに平行となっている。
図2(a)に示す係止機構部201aの凸部201cは上向きで、左側にスライド面を有し、バンド部材101を左側からのみ挿入可能な構造となっている。挿入時、バンド部材101の下面側が、凸部201cの左側のスライド面を下方に押し下げながら右方向にスライドする。
図2(a)に示す係止機構部201bの凸部201cは上向きで、右側にスライド面を有し、バンド部材101を右側からのみ挿入可能な構造となっている。挿入時、バンド部材101の下面側が、凸部201cの右側のスライド面を下方に押し下げながら左方向にスライドする。
図2(b)は、係止機構部材202を正面から見た場合の透視図である。上部に位置する係止機構部202aも、下部に位置する係止機構部202bも、バンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部202cを2つ内部に持つ係止孔を有し、凸部202cは、バンド部材101を1方向に限り挿入可能とし、逆向きへの移動を制限する構造をしている。係止機構部202aの有する係止孔と係止機構部202bの有する係止孔の方向は、互いに平行となっている。
図2(b)に示す係止機構部202aの凸部202cは下向きで、右側にスライド面を有し、バンド部材101を右側からのみ挿入可能な構造となっている。挿入時、バンド部材101の上面側が、凸部202cの右側のスライド面を上方に押し上げながら左方向にスライドする。
図2(b)に示す係止機構部202bの凸部202cは上向きで、左側にスライド面を有し、バンド部材101を左側からのみ挿入可能な構造となっている。挿入時、バンド部材101の下面側が、凸部202cの左側のスライド面を下方に押し下げながら右方向にスライドする。
図2(c)は、係止機構部材203を正面から見た場合の透視図である。上部に位置する係止機構部203aも、下部に位置する係止機構部203bも、バンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部203cを2つ内部に持つ係止孔を有し、凸部203cは、バンド部材101を1方向に限り挿入可能とし、逆向きへの移動を制限する構造をしている。係止機構部203aの有する係止孔と係止機構部203bの有する係止孔の方向は、互いにねじれの位置で垂直となっている。
図2(c)に示す係止機構部203aの凸部203cは上向きで、正面側にスライド面を有し、バンド部材101を正面側からのみ挿入可能な構造となっている。挿入時、バンド部材101の下面側が、凸部203cの正面(前面)側のスライド面を下方に押し下げながら裏面(後面)方向にスライドする。
図2(c)に示す係止機構部203bの凸部203cは上向きで、右側にスライド面を有し、バンド部材101を右側からのみ挿入可能な構造となっている。挿入時、バンド部材101の下面側が、凸部203cの右側のスライド面を下方に押し下げながら左方向にスライドする。
図2(d)は、係止機構部材204を正面から見た場合の透視図である。上部に位置する係止機構部204aも、下部に位置する係止機構部204bも、バンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部204cを2つ内部に持つ係止孔を有し、凸部204cは、バンド部材101を1方向に限り挿入可能とし、逆向きへの移動を制限する構造をしている。係止機構部204aの有する係止孔と係止機構部204bの有する係止孔の方向は、互いにねじれの位置で垂直となっている。
図2(d)に示す係止機構部204aの凸部204cは上向きで、正面側にスライド面を有し、バンド部材101を正面側からのみ挿入可能な構造となっている。挿入時、バンド部材101の下面側が、凸部204cの正面(前面)側のスライド面を下方に押し下げながら裏面(後面)方向にスライドする。
図2(d)に示す係止機構部204bの凸部204cは上向きで、左側にスライド面を有し、バンド部材101を左側からのみ挿入可能な構造となっている。挿入時、バンド部材101の下面側が、凸部204cの左側のスライド面を下方に押し下げながら右方向にスライドする。
図2(e)〜図2(j)は、係止機構部を2つ有する係止機構部材のバリエーションを示す透視図である。点線は内部の係止孔を示している。
図2(e)〜図2(h)に示すそれぞれの係止機構部材が有する2つの係止孔の方向は、互いに平行となっている。
図2(i)に示す係止機構部材は、図2(c)に示す係止機構部材203の上部に位置する係止機構部203aを時計回りに90度回転させた構造となっている。また、図2(j)に示す係止機構部材は、図2(d)に示す係止機構部材204の上部に位置する係止機構部204aを時計回りに90度回転させた構造となっている。図2(i)および図2(j)に示すそれぞれの係止機構部材が有する2つの係止孔の方向は、互いにねじれの位置で垂直となっている。
図2(k)および図2(l)は、それぞれ係止機構部を3つ有する係止機構部材の透視図である。図2(k)および図2(l)に示す各係止機構部材は、互いに鏡面構造となっている。係止機構部材が、係止機構部を3つ以上備えることにより、1本のバンド部材で3次元的に結束することが可能となる。
図2(k)に示す係止機構部材209は、係止機構部を3つ備えており、それぞれの係止機構部は、バンド部材101が有するバンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部209cを2つ内部に持つ係止孔を有し、凸部209cは、バンド部材101を1方向に限り挿入可能とし、逆向きへの移動を制限する構造をしている。
図2(k)に示す係止機構部209aは、図2(k)において、係止機構部209aの有する係止孔の方向が上下方向となっている為、透視図として点線で描かれている。係止機構部209aの係止孔が有する凸部209cは図面向こう向きで、上側にスライド面を有し、下側に係止面を有している。その為、係止機構部209aは、バンド部材101を上側からのみ挿入可能な構造となっている。なお、図中の太い点線209wは、凸部209cが有する係止面を示しており、係止面209wは、係止孔の方向に対して垂直となっている。
図2(k)に示す係止機構部209bの有する係止孔の方向は、図面に対して垂直方向で、係止機構部209aの有する係止孔の方向とは、ねじれの位置の関係にある。係止機構部209bの係止孔が有する凸部209cと対向する、係止機構部209bの係止孔の壁面は、係止機構部209aの係止孔の方向に垂直な面に対して45度の角度となっている。係止機構部209bの係止孔が有する凸部209cのスライド面は図面向こう側に存在し、係止面は図面手前側に存在するので、バンド部材101は、係止機構部209bに対して、図面向こう側から挿入され、図面手前側に引き出されることになる。
図2(k)に示す係止機構部209kは、図2(k)において、係止機構部209kの有する係止孔の方向が左右方向となっている為、透視図として点線で描かれている。係止機構部209kの係止孔が有する凸部209cは図面向こう向きで、右側にスライド面を有し、左側に係止面を有している。その為、係止機構部209kは、バンド部材101を右側からのみ挿入可能な構造となっている。なお、図中の太い点線209wは、凸部209cが有する係止面を示しており、係止面209wは、係止孔の方向に対して垂直となっている。
図2(k)に示す係止機構部材209とバンド部材101を用いた結束の手順の一例を以下に示す。(第1段階)図1(a)に示した状態のバンド部材101を時計方向に90度回転させた後、バンド部材101の下方の端部Aを上方から係止機構部209aに挿入する。(第2段階)係止機構部209aに挿入した端部Aとは反対側の端部Bを、後方、下方、前方の順に回して結束対象物に巻きつける。(第3段階)バンド部材101の端部Bを、図面向こう側から係止機構部209bに挿入し、図面手前側に引き出す。(第4段階)バンド部材101の端部Bを、右方、後方、左方の順に回して結束対象物に巻きつける。(第5段階)バンド部材101の端部Bを、右側から係止機構部209kに挿入し、左側に引き出して結束を完了する。以上の手順で、バンド部材により2つの環状部が形成され、2つの環状部が形成するそれぞれの平面が、ほぼ垂直となる為、十字に交差するパイプなどの棒状物体やワイヤなどの線状物体の結束の実施が容易となる。
なお、凸部201c、凸部202c、凸部203c、凸部204c、凸部209cは、向きや方向が異なるものが存在するが、構造上の特徴は同じである。また、係止機構部材201、202、203、204、209が備える各係止機構部が有する係止孔は、向きや方向が異なるものが存在するが、構造上の特徴は同じである。
また、バンド部材101は、孔を有する両面共に、係止孔の凸部の係止面により係止可能な壁面を有している為、係止機構部209a、係止機構部209b、係止機構部209kの係止孔の凸部は係止孔内の対向する壁面側にあっても構わない。つまり、バンド部材101は、孔を有する両面共に係止可能な構造となっている為、係止用の凸部が係止孔内の反対側の壁面に存在する場合、バンド部材101は反対側の面から係止されることになる。
図2に示す係止孔は、バンド部材101が貫通可能な構造であったが、使用状況によっては、係止孔を貫通して脱出した部分の処理が必要となり、図2に示す係止機構部材の場合、バンド部材の両端共に処理を要し、時間と材料が無駄となると言った問題が生じる。
図3は、バンド部材101が貫通できない係止穴、係止孔またはスライド防止用のストッパーを有する係止機構部を備える係止機構部材を示す図である。
図3に示す係止機構部材は、最初に挿入したバンド部材の一端を貫通できない構造とすることにより、最初に挿入した端部の処理を不要として、時間と材料費を節約することを目的としている。
図3(a)に示す係止機構部材205は、係止機構部205aと係止機構部205dを備えている。左側に位置する係止機構部205aは、バンド部材101のバンド貫通孔101aを1方向にのみ挿入可能とする凸部205cを内部に持つ係止孔を有し、右側に位置する係止機構部205dは、バンド部材101のバンド貫通孔101aを1方向にのみ挿入可能とする凸部205cを内部に持つ係止穴を有している。バンド部材101は、係止機構部205aを貫通することは可能であるが、係止機構部205dを貫通することは出来ない。
バンド部材101と係止機構部材205とから成る組立式結束バンドの使用手順を以下に説明する。(第1段階)係止機構部材205の係止機構部205dにバンド部材101の一端を挿入し、係止させる。(第2段階)バンド部材101を結束対象物に巻きつける。(第3段階)係止機構部材205の係止機構部205aにバンド部材101の他端を挿入する。(第4段階)係止機構部205aの出口からバンド部材101の他端を引っ張りだし結束する。以上の4つの段階を経て、結束が完了する。(第1段階)で、係止機構部205dに挿入するバンド部材101の一端の処理が不要なため、結束に必要なバンド部材101を節約出来る上に、作業時間の短縮も可能である。
図3(b)に示す係止機構部材206は、係止機構部206aと係止機構部206bを備えている。上部に位置する係止機構部206aも、下部に位置する係止機構部206bも、バンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部206cを内部に持つ係止孔を有し、凸部206cは、バンド部材101を1方向に限り挿入可能とし、逆向きへの移動を制限する構造をしている。係止機構部206aの凸部206cのスライド面は図面向こう側に位置し、係止機構部206bの凸部206cのスライド面は図面手前側に位置している。つまり、係止機構部206aにバンド部材101を挿入する場合、バンド部材101を図面向こう側から図面手前側に挿入することになる。ここで、図3(b)に示す通り、図面手前側に、係止機構部206aは、バンド部材スライド防止用のストッパー206eを有している。図面向こう側から図面手前側に向かって挿入されたバンド部材101は、このストッパー206eに進路を阻まれ、図面手前側に脱出できなくなっている。つまり、図3(a)の係止機構部材205が備える係止機構部205dの係止穴と同様に、バンド部材101の挿入端の脱出が無い為、脱出端の処理が不要となる。また、係止機構部材206のB−B断面図を図3(c)に示す。
図3(c)に示す通り、係止機構部材206の上部に位置する係止機構部206aも、下部に位置する係止機構部206bも、バンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部206cを2つ内部に持つ係止孔を有しており、係止機構部206aは、その右側にバンド部材スライド防止用のストッパー206eを有している。係止機構部206aの左側から右側に向けて挿入されたバンド部材101はストッパー206eに進路を阻まれた状態で、そのバンド貫通孔101aの壁面を凸部206cの係止面で係止される。
図3(d)に示す係止機構部材211は、係止機構部211aと係止機構部211bを備えている。上部に位置する係止機構部211aも、下部に位置する係止機構部211bも、バンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部211cを内部に持つ係止孔を有し、凸部211cは、バンド部材101を1方向に限り挿入可能とし、逆向きへの移動を制限する構造をしている。係止機構部211aの凸部211cのスライド面は図面手前側に位置し、係止機構部211bの凸部206cのスライド面は図面向こう側に位置している。つまり、係止機構部211aにバンド部材101を挿入する場合、バンド部材101を図面手前側から図面向こう側に挿入することになる。ここで、図3(d)に示す通り、図面手前側に、係止機構部211aは、バンド部材スライド防止用のストッパー211eを有している。図面手前側から図面向こう側に向かって挿入されたバンド部材101は、このストッパー211eをバンド貫通孔101aに挿入することで、必要以上の挿入を阻まれ、図面向こう側に必要以上に脱出できなくなっている。つまり、挿入端から決まった位置の孔101aにストッパー211eを挿入することで、挿入端の脱出を防止し、脱出端の処理を不要とすることが可能である。また、係止機構部材211のC−C断面図を図3(e)に示す。
図3(e)は、係止機構部材211のC−C断面図を示す図であり、C−C断面を図3(d)の左方から見た図となっている。
図3(e)に示す通り、係止機構部材211の上部に位置する係止機構部211aも、下部に位置する係止機構部211bも、バンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部211cを2つ内部に持つ係止孔を有しており、係止機構部211aは、その右側にバンド部材スライド防止用のストッパー211eを有している。係止機構部211aの右側から左側に向けて挿入されたバンド部材101のバンド貫通孔101aにストッパー211eを挿入することで、バンド部材101の更なる左側へのスライドを防止することが可能となる。また、係止機構部211aの内部にあるバンド貫通孔101aの壁面が凸部206cの係止面で係止される。
図4は、係止機構部を備えるブロック同士が、お互いに相手に対して回転軸により回転可能である係止機構部材の例を示す図である。図4は、係止機構部の内部の状態を分りやすくする為に、一部の係止用の凸部を点線で描いた透視図となっている。また、ブロック内の回転軸部分も点線で描いている。
図4(a)は、回転軸を有する係止機構部材207を示す図である。係止機構部材207は、係止機構部207aを備えるブロック207X、係止機構部207bを備えるブロック207Yと回転軸207fから構成されている。
ブロック207Xの備える係止機構部207aも、ブロック207Yの備える係止機構部207bも、バンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部207cを2つ内部に持つ係止孔を有し、凸部207cは、バンド部材101を1方向に限り挿入可能とし、逆向きへの移動を制限する構造をしている。係止機構部207aの有する係止孔と係止機構部207bの有する係止孔の方向は、図4(a)の状態においては、ねじれの位置で垂直であるが、この状態に固定されている訳ではなく、回転軸207fにより、平行やねじれの位置で斜めに交差するように回転することが可能となっている。
図4(b)は、回転軸を有する係止機構部材208を示す図である。係止機構部材208は、係止機構部208aを備えるブロック208X、係止機構部208dを備えるブロック208Yと回転軸208fから構成されている。
ブロック208Xの備える係止機構部208aは、バンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部208cを2つ内部に持つ係止孔を有し、ブロック208Yの備える係止機構部208dは、バンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部208cを2つ内部に持つ係止穴を有している。凸部208cは、バンド部材101を1方向に限り挿入可能とし、逆向きへの移動を制限する構造をしている。係止機構部208aの有する係止孔と係止機構部208dの有する係止穴の方向は、図4(b)の状態に固定されている訳ではなく、回転軸208fにより、互いに回転することが可能となっている。
図4(a)および図4(b)に示すように、回転軸によって、係止孔や係止穴などの方向が変更可能となることにより、よりフレキシブルな結束が可能となり、バンド部材に歪みが生じにくくなる。
図5(a)〜図5(f)は、組立式結束バンドのバンド部材のバリエーションを示す斜視図である。
図5(a)は、図1(a)および図1(b)に示したバンド部材101の斜視図である。実際の使用に際しては、バンドの長さ、バンドの幅、バンドの厚さ、孔の数、孔の大きさ、孔の間隔などを、係止機構部材の係止機構部に応じて自由に変更することが可能である。図に示した形状に制限される必要はない。図5(b)〜図5(f)に示すバンド部材についても同様である。
図5(a)に示すバンド部材101の孔間部分101bは、隣り合うバンド貫通孔101a同士の間の部分であり、複数存在する孔間部分10bの形状は、それぞれ同じ四角柱をしている。
図5(b)は、バンド部材102を示す斜視図である。バンド部材102は、バンド部材101の長手方向に対して垂直となる、バンド部材101の孔間部分101bの角の部分を取り除いた形状となっている。つまり、バンド貫通孔102a間の孔間部分102bは、バンド部材101の孔間部分101bの角を取り除いた形状となる為、角を取り除いた部分に新たな面102cが形成される。面102cの形状は、平面や曲面や面を幾つも有する多面形状などが考えられる。これにより、凸部201c、凸部202c、凸部203cなどの係止面によるバンド部材に対する係止効果は減弱するが、バンド部材のスライド時に、凸部の受ける衝撃が軽減される。
図5(c)は、バンド部材103を示す斜視図である。バンド部材103はバンド貫通孔103aを複数有し、隣り合うバンド貫通孔103a同士の間の孔間部分103bは、それぞれ円柱形状をしている。
図5(d)は、バンド部材104を示す斜視図である。バンド部材104はバンド貫通孔104aを複数有し、バンド貫通孔104aは、図5(a)に示したバンド貫通孔101aの長方形の角部分をカーブさせて小判様形状としている。これにより、バンド貫通孔が角から裂けにくくなる効果がある。また、孔間部分104bは、隣り合うバンド貫通孔104a同士の間の部分となっている。
図5(e)は、バンド部材105を示す斜視図である。バンド部材105は、図5(d)に示したバンド部材104のバンド貫通孔104aの周囲の角の部分を取り除いた形状となっている。角を取り除いた部分が新たな面105cとなっており、面105cの形状は、曲面や面を幾つも有する多面形状などが考えられる。これにより、凸部201c、凸部202c、凸部203cなどの係止面によるバンド部材に対する係止効果は減弱するが、バンド部材のスライド時に、凸部の受ける衝撃が軽減される。また、孔間部分105bは、隣り合うバンド貫通孔105a同士の間の部分となっている。
図5(f)は、バンド部材106を示す斜視図である。バンド部材106は、その長手方向に円形のバンド貫通孔106aが並んでいる。バンド貫通孔106aを形成する壁面は、バンド部材106のバンド貫通孔106aを有する面に対して垂直となっている。図2に示した各係止機構部材の係止孔の有する凸部の係止面を、バンド貫通孔106aの形状に合わせて湾曲させれば、バンド部材106の係止が可能となる。また、図5(e)の様に、バンド貫通孔106aの周囲の角の部分を取り除いた形状としても良い。
図6は、図5(c)に示したバンド部材103に用いることができる係止機構部材210を示す透視図である。バンド部材103の隣り合うバンド貫通孔103a同士の間の部分である孔間部分103bが円柱形状の為、係止機構部材210が備える係止機構部210aと係止機構部210bが有する係止孔の係止用の凸部210cの係止面を湾曲形状として、孔間部分103bへの係止効果を向上させている。
この係止面の湾曲形状を、図2(a)〜図2(l)、図3(a)、図3(b)、図3(d)、図4(a)、図4(b)に示した係止機構部材に採用することにより、これらの係止機構部材もバンド部材103の係止機構部材として機能することが可能となる。
また、組立式結束バンドのバンド部材を結合させる結束補助具を用いると、より効果的な結束を実施することが可能となる。本発明の結束補助具は、結束時に1本のバンド部材が交差する部位で交差結合することが可能であり、また、複数のバンドがそれぞれ交差する部位で交差結合することも可能である。更に本発明の結束補助具は、係止機構部材とバンド部材が元々一体化した従来からの結束バンドに使用することも可能である。
本発明の結束補助具としては、結束対象物を結束するための結束バンドを結合して補助する結束補助具であって、前記結束バンドは、長尺状のバンド部材と、前記バンド部材を貫通させ、かつ任意の位置で係止する係止機構部を備え、前記結束補助具は、前記結束バンドの前記バンド部材を貫通させ、かつ任意の位置で係止することにより、前記結束バンドに係止結合する為の係止結合孔と、前記結束バンドの前記バンド部材または他の結束バンドのバンド部材を貫通させて結合する為の結合孔を備える結束補助具が考えられる。具体的には、例えば、図7(a)および図7(e)などの形態が考えられる。
また、本発明内において、結束補助具の結合孔とは、結束バンドのバンド部材をその中に通して結合する機能を有するが、孔の方向へのバンド部材に対する係止機能は有していない孔のことである。
また、本発明内における結束補助具の係止結合孔とは、結束バンドのバンド部材をその中に通して結合する機能を有し、孔の方向へのバンド部材に対する係止機能を有している孔のことである。
つまり、単に結合孔と呼ぶ場合には、結束バンドのバンド部材をその中に通して結合する機能を有するが、孔の方向へのバンド部材に対する係止機能は有していない孔のことである。
結束補助具が有する2つの孔が両方共に係止結合孔の場合、一方の係止結合孔を結束バンドのバンド部材に係止結合した後、残りの他方の係止結合孔にバンド部材を挿入することになるが、この場合、その他方の係止結合孔には、バンド部材の挿入方向の制限が存在するといった大きなデメリットが生じている。その為、その他方の係止結合孔に対するバンド部材の挿入方向を考慮して結束を施行しなければならなくなる。
しかし、結束補助具が有する2つの孔の一方が係止結合孔で、残りの他方が結合孔の場合、一方の係止結合孔を結束バンドのバンド部材に係止結合した後、残りの他方の結合孔にバンド部材を挿入することになるが、この場合、その他方の結合孔には、バンド部材の挿入方向の制限が存在しないといった大きなメリットが生じている。その為、その他方の結合孔に対するバンド部材の挿入方向を考慮せずに結束を施行することが可能となる。
図7は、バンド部材を結合する為の結束補助具を示す図である。図7(a)〜図7(d)に示す結束補助具301と、図7(e)〜図7(f)に示す結束補助具302は共に、係止結合孔と結合孔を備えている。
結束補助具301の正面(前面)図、背面(後面)図、右側面図、左側面図をそれぞれ順に、図7(a)、図7(b)、図7(c)、図7(d)に示している。
図7(a)は、結束補助具301を正面から見た場合の正面(前面)図であり、上側に結合孔301hを備え、下側に係止結合孔301gを備えている。図中、内部に存在する係止結合孔301gの凸部301cを点線で描いている。
図7(a)において、結束補助具301の上側に位置する結合孔301hは、バンド部材101を貫通させて結合するための孔であり、その内部には、バンド貫通孔101aの壁面を係止する為の凸部を有してはいない構造をしている。また、図7(a)において、結合孔301hは、図面垂直方向の孔となっており、結合孔301hが内部に係止用の凸部を有していない為、バンド部材101は、孔の方向に自由に挿抜が可能となる。
図7(a)において、結束補助具301の下側に位置する係止結合孔301gは、バンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部301cを2つ内部に有し、凸部301cは、バンド部材101を1方向に限り挿入可能とし、逆向きへの移動を制限する構造をしている。また、図7(a)において、係止結合孔301gは、図面左右方向の孔となっており、
凸部301cは上向きで、左側にスライド面を有し、バンド部材101を左側からのみ挿入可能な構造となっている。また、結合孔301hと係止結合孔301gの方向は、互いにねじれの位置で垂直となっている。
図7(b)は、結束補助具301を後方から見た場合の背面(後面)図であり、上側に結合孔301hを備え、下側に係止結合孔301gを備えている。図中、内部に存在する係止結合孔301gの凸部301cを点線で、図7(a)とは逆向きに描いている。図7(b)においても、結合孔301hは、図面垂直方向の孔となっている。
図7(c)は、結束補助具301を右方から見た場合の右側面図であり、上側に結合孔301hを備え、下側に係止結合孔301gを備えている。図中、結合孔301hを点線で描いており、内部にはバンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部301cが存在しないので、バンド部材101は、図7(c)において、図面右からでも図面左からでも結合孔301hに挿入が可能であり、抜去も可能である。また、図7(c)において、係止結合孔301gの凸部301cのスライド面は図面向こう側に存在し、図面手前側にバンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部301cの係止面が存在する為、バンド部材101は、図面向こう側から図面手前側へのみ挿入が可能で、逆向きに抜去が出来なくなっている。
図7(d)は、結束補助具301を左方から見た場合の左側面図であり、上側に結合孔301hを備え、下側に係止結合孔301gを備えている。図中、結合孔301hを点線で描いており、内部にはバンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部301cが存在しないので、バンド部材101は、図7(d)において、図面右からでも図面左からでも結合孔301hに挿入が可能であり、抜去も可能である。また、図7(d)において、係止結合孔301gの凸部301cのスライド面は図面手前側に存在し、図面向こう側にバンド貫通孔101aの壁面を係止する凸部301cの係止面が存在する為、バンド部材101は、図面手前側から図面向こう側へのみ挿入が可能で、逆向きに抜去が出来なくなっている。
図7(e)は、結合孔302hを備えるブロック302Xと係止結合孔302gを備えるブロック302Yが、お互いに相手に対して回転軸302fにより回転可能である結束補助具302を示す図である。つまり、結束補助具302は、結合孔302hを備えるブロック302X、係止結合孔302gを備えるブロック302Yと回転軸302fから構成されている。図7(e)は、係止結合孔302gの内部の状態を分りやすくする為に、係止用の凸部302cを点線で描いた透視図となっている。また、ブロック内の回転軸302fの部分も点線で描いている。
図7(e)に示す状態から、ブロック302Yの上面が図面手前側に来るように90度回転した状態が、図7(f)である。ブロック302Xとブロック302Yは、回転軸302fにより互いに回転可能で、結合孔302hの方向に対する係止結合孔302gの方向を自由に設定可能である。つまり、結合孔302hと係止結合孔302gの方向は、図7(e)の状態においては、ねじれの位置で垂直であるが、この状態に固定されている訳ではなく、回転軸207fにより、図7(f)に示すように平行やねじれの位置で斜めに交差するように回転することが可能となっている。
図7(e)および図7(f)に示すように、回転軸によって、結合孔や係止結合孔の方向が変更可能となることにより、よりフレキシブルな結束補助が可能となり、バンド部材に歪みが生じにくくなる。
以上のように、本発明の結束補助具は、1つのまたは複数の結束バンドのバンド部材を結合するための係止結合孔と結合孔を備える部材であり、結束バンドとは完全に独立した部材であり、結束補助具の有する係止結合孔によりバンド部材に係止結合は可能であるが、元々からバンド部材と一体化されているものではない。
図8は、図3(a)に示す係止機構部材205に、図1(a)および図1(b)に示したバンド部材101を挿入して係止してから、更に図7(a)に示した結束補助具301を装着する手順を示す図である。
図8(a)は、係止機構部材205の右側に位置する係止機構部205dが有する係止穴に、バンド部材101を右側から挿入する所を描いた図である。バンド部材101のバンド貫通孔101aを1方向にのみ挿入可能とする凸部205cを内部に持つ係止穴に対して、左向きの矢印の方向にバンド部材101を挿入する。なお、係止穴が有する凸部205cは下向きで、凸部205cは、スライド面(斜面)を右側に有し、係止面(垂直面)を左側に有している。
図8(b)は、バンド部材101が、係止機構部205dの有する係止穴に挿入され、凸部205cに係止された状態を示す図である。図8(a)の状態から、バンド部材101を挿入していくと、バンド部材101の上面が凸部205cの右側に位置するスライド面を押し上げて間隙が広がり、バンド部材101は左側に移動が可能となる。バンド貫通孔101aが凸部205cの最下部の下方に来ると、弾性により凸部205cは下方に移動し、左側の係止面でバンド貫通孔101aの左側の壁面を係止することが可能となる。
図8(c)は、図8(b)の状態になった組立式結束バンドに、図7(a)に示した結束補助具301を装着する方向を示す図である。
図8(d)は、図8(b)の状態になった組立式結束バンドに、結束補助具301の装着が完了した図である。図8(c)の状態から、結束補助具301を左側に移動させると、バンド部材101の下面により、結束補助具301が備える係止結合孔301gの凸部301cのスライド面(斜面)が下方に押されて間隙が広がり、結束補助具301は、左へのスライドが可能となる。結束補助具301は、係止機構部材205の右側に行き当たるまでスライドが可能である。
図9は、組立式結束バンドに、結束補助具301を装着して図8(d)の状態になった
ものを2つ結合させて結束した状態を示す図である。図示の都合上、結束対象物は省略している。
図9に示す左上に存在する係止機構部材205の係止機構部205dが有する係止穴に係止されたバンド部材101は、右下に存在する結束補助具301の結合孔301hを貫通した後、左上に存在する係止機構部材205の係止機構部205aが有する係止孔に挿入される。また、右下に存在する係止機構部材205の係止機構部205dが有する係止穴に係止されたバンド部材101は、左上に存在する結束補助具301の結合孔301hを貫通した後、右下に存在する係止機構部材205の係止機構部205aが有する係止孔に挿入される。なお、左上に存在する結束補助具301は、左上に存在する係止機構部材205の係止機構部205dが有する係止穴に係止されたバンド部材101に係止結合しており、右下に存在する結束補助具301は、右下に存在する係止機構部材205の係止機構部205dが有する係止穴に係止されたバンド部材101に係止結合している。
この結束方法は、使用する係止機構部材が、図3(a)に示す係止機構部材205以外の係止機構部材であっても行うことが可能である。
また、図8(d)に示した状態の組立式結束バンドと結束補助具を2つ用いて、図9に示した対向する2箇所で交差結合する結束を実施すると、各バンド部材101に係止結合した対向する結束補助具301の備えるそれぞれの結合孔301hの孔の方向がねじれの位置で交差することになるため、一方のバンド部材101のみが、結束対象物の周囲を回転またはスライドすることが無く、非常にずれにくい結束となる。更に、各係止機構部205aを貫通した各バンド部材101の端部付近を反対側に引っ張るだけで、極めて小さいものまで簡単に結束可能となる。つまり、各バンド部材101と係止機構部材で形成される閉鎖環状部は、理論上、独立して0の大きさまで小さく出来るという特徴も存在する。また、結合孔にはどちら側からでもバンド部材101の挿入が可能である為、一方のバンド部材101の締める方向を逆向きにしても、対向する2箇所で交差結合する結束を実施することが可能である。
この様に、本発明の組立式結束バンド2つと結束補助具2つを用いることにより、図9に示した効果的な結束を施行することが可能となる。
また、図1や図5に示したバンド部材の場合、強い力が加わると、バンド部材はバンド貫通孔の存在のために、伸展され、変形したり切れたりすることが考えられる。その為、バンド部材の長手方向に、バンド部材の伸び止めを施すことが考えられる。
図10は、図1(a)および図1(b)に示したバンド部材101のバンド貫通孔101aの中央付近に、バンド部材の長手方向となる方向に、バンド部材の伸び止めを施したバンド部材107を示す図である。図10(a)は、バンド部材107の上面を示す図であり、図10(b)は、バンド部材107のD−D断面を示す図である。
図10(a)に示す様に、バンド部材107は長尺状であり、その長手方向に、上面から下面に至るバンド貫通孔107aを複数有しており、隣り合う孔107a同士の間の部分である孔間部分107bも、バンド部材107の長手方向に、複数存在している。また、バンド部材の伸び止め107pは、バンド貫通孔107aの、バンド部材の長手方向に対して垂直となる対向する壁面を連結するようにして存在している。つまり、係止機構部材や結束補助具の凸部の係止面で係止可能な壁面の間を、帯状の伸び止め107pでつなげている。なお、図示の都合上、バンド部材107の中ほどは同じ構造の繰り返しのため、省略している。
図10(b)は、図10(a)に示すバンド部材107のD−D断面を示す図である。バンド貫通孔107aの中央付近に、バンド部材の長手方向となる方向に、バンド部材の伸び止め107pが存在している。
図11は、図10に示したバンド部材107に使用可能な係止機構部材212を示す図である。
図11(a)は、係止機構部材212の左側面図を示している。係止機構部材212は、係止機構部212aと係止機構部212bを備え、上部に位置する係止機構部212aも、下部に位置する係止機構部212bも、バンド貫通孔107aの壁面を係止する凸部212cを内部に持つ係止孔を有し、凸部212cは、バンド部材107を1方向に限り挿入可能とし、逆向きへの移動を制限する構造をしている。係止機構部212aの凸部212cのスライド面は図面手前側に位置し、係止機構部212bの凸部212cのスライド面は図面向こう側に位置している。係止機構部212aにバンド部材107を挿入する場合、バンド部材107を図面手前側から図面向こう側に挿入することになり、係止機構部212bにバンド部材107を挿入する場合、バンド部材107を図面向こう側から図面手前側に挿入することになる。係止機構部212aと212bの凸部212cは、バンド部材107の伸び止め107pと干渉しないように、溝212qを有している。また、係止機構部材212のE−E断面図を図11(b)に、F−F断面図を図11(c)に示す。
図11(b)は、係止機構部材212のE−E断面図を正面方向からみた図である。上部の係止機構部212aの凸部212cも、下部の係止機構部212bの凸部212cも溝212qがある所では、凸部212cの先端が低くなっている。
図11(c)は、係止機構部材212のF−F断面図を正面方向からみた図である。上部の係止機構部212aの凸部212cも、下部の係止機構部212bの凸部212cも溝212qがない所ではめ、凸部212cの先端が高くなっている。
図11(a)〜図11(c)に示す様に、凸部212cに溝212qを作製することにより、溝212qがない部分では、凸部212cの係止面の垂直方向の高さを低くしなくて良い為、バンド貫通孔の壁面を係止する効果が十分に保てると考えられる。
図12は、バンド部材のバンド貫通孔に挿入して使用するバンド部材スライド防止用のストッパーの例を示す図である。
図12(a)、図12(b)、図12(c)、図12(d)、図12(e)はそれぞれ、バンド部材スライド防止用のストッパー401の斜視図、上面図、正面図、右側面図、左側面図を示している。なお、斜視図においては、ストッパー401の正面側の右上方から見た図となっている。
図12(a)、図12(c)および図12(d)に示す様に、ストッパー401は、バンド部材101の孔間部分101b用の狭窄部である溝401rを有している。ストッパー401をバンド部材101に取り付けると、バンド貫通孔の外に位置する部分の径は両側共に、バンド貫通孔101aの中に位置する部分よりも大きくなっている。本発明内においては、この径が大きくなっている部分を、ストッパー径大部と言う。
図12(f)は、図1(a)に示したバンド部材101の左から3番目のバンド貫通孔101aにストッパー401を取り付けた状態を示す図である。図面上、ストッパー401を判別しやすくする為に、ストッパー401の上面にドットを付けている。また、ストッパー401を取り付けたバンド部材101のG−G断面図を図12(g)に示す。
図12(g)は、バンド部材101のバンド貫通孔101aにストッパー401を取り付けた状態における断面図である。太い斜線部分はバンド部材101の断面部分を示し、両端部分以外は孔間部分101bの断面である。細く密な斜線部分がストッパー401の断面部分を示している。ストッパー401の溝401rの中に孔間部分101bが位置し、ストッパー401のストッパー径大部はバンド貫通孔101aの両外側に位置している。つまり、ストッパー径大部で孔間部分101bが挟まれた状態となっている。
図12(h)および図12(i)は、係止機構部材201に、ストッパー401を装着したバンド部材101を挿入する手順を示す図であり、係止機構部材201も、ストッパー401を装着したバンド部材101も、断面図で示している。なお、図示の都合上、ストッパー401を装着したバンド部材101は、図12(g)の左側部分のみの記載としている。図12(h)に示す左向きの矢印の方向に、バンド部材101を係止機構部材201が備える係止機構部201bの有する係止孔に挿入すると図12(i)に示す状態となる。
図12(i)に示す様に、バンド部材101のストッパー401を取り付けた部分が、係止機構部材201の係止孔付近まで挿入されると、ストッパー径大部が妨げとなり、ストッパー401はバンド貫通孔101aから取り外せなくなる。また、ストッパー401を取り付けたバンド部材101は、ストッパー401が妨げとなり、挿入方向に移動出来なくなり、係止機構部材201の係止孔が凸部201cを有している為、バンド貫通孔101aの壁面が係止されて、バンド部材101は、挿入方向とは逆向きに抜き出すことも出来なくなる。つまり、ストッパー401を取り付けたバンド部材101は、係止機構部材201に固定された状態となる。その結果、係止機構部材201の係止孔から、バンド部材101が無益に脱出することを防止することができる。
この様に、図3(d)および図3(e)に示したバンド部材スライド防止用のストッパー211eと同様に、ストッパー401をバンド貫通孔101aに挿入することで、バンド部材101の係止孔への必要以上の挿入を阻止可能となる。
図13は、バンド部材のバンド貫通孔に挿入して使用するバンド部材スライド防止用のストッパーの別の例を示す図である。
図13(a)に示す様に、ストッパー形成部材402Xは下部にストッパー径大部402tを有し、上部に膨大部402sを有している。
図13(b)に示す様に、ストッパー形成部材402Yはストッパー径大部であり、ストッパー形成部材402Xの膨大部402s用の挿入孔402uを有している。挿入孔402uは、膨大部402sの挿入を容易とする為に、十字形の切れ目が入っている。
図13(a)に示すストッパー形成部材402Xと、図13(b)に示すストッパー形成部材402Yとを組み立てて、図13(c)に示すストッパー402が出来上がる。具体的には、バンド部材の適当な位置のバンド貫通孔に、膨大部402s貫通させてから、挿入孔402uの中に膨大部402sを挿入することで組み立てが完成する。組み立て後、ストッパー形成部材402Xとストッパー形成部材402Yとは、バンド部材が妨げとなり容易には分解できなくなり、バンド部材のバンド貫通孔の両外側には、ストッパー形成部材402Xのストッパー径大部402tとストッパー径大部であるストッパー形成部材402Yが存在することになる。つまり、ストッパー径大部でバンド貫通孔と孔間部分が挟まれた状態となる。この状態で、図12(h)および図12(i)に示す例と同様にして、バンド部材のストッパー402を取り付けた部分が、係止機構部材の係止孔付近まで挿入されると、ストッパー402を取り付けたバンド部材は、ストッパー402が妨げとなり、挿入方向に移動出来なくなり、係止機構部材の係止孔が凸部を有している為、バンド貫通孔の壁面が係止されて、バンド部材は、挿入方向とは逆向きに抜き出すことも出来なくなる。つまり、ストッパー402を取り付けたバンド部材は、係止機構部材に固定された状態となる。その結果、係止機構部材の係止孔から、バンド部材が無益に脱出することを防止することができる。また、ストッパー402は、図5に示した全てのバンド部材に使用が可能である。つまり、形状を調整すれば、貫通孔を有するバンド部材全てに、バンド部材スライド防止用のストッパーとして使用することが可能である。
図13(d)に示すバンド部材スライド防止用のストッパー403は、ストッパー径大部403tとストッパー径大部403wを有している。ストッパー径大部403wは、バンド部材のバンド貫通孔に挿入可能な部分であるが、弾性により外径が小さくなることにより、バンド貫通孔に挿入可能となり、バンド貫通孔通過後には、弾性により外径が元の大きさに戻ろうとして大きくなる。その為、バンド貫通孔に装着後、ストッパー径大部403wは、バンド貫通孔の再通過が不可能となる。バンド貫通孔に取り付けた後の機能は、ストッパー402と同様である。
また、図13(c)に示すストッパー402も、図13(d)に示すストッパー403も、図12(a)に示すストッパー401と同様に、ストッパー径大部間の間に、バンド貫通孔内に位置する為の狭窄部が存在する。つまり、ストッパー401の孔間部分用の狭窄部である溝401rと同様に、ストッパー402は狭窄部402r、ストッパー403は狭窄部403rを有している。
図12および図13に示したように、バンド部材スライド防止用のストッパーは、その両側にストッパー径大部を有し、ストッパー径大部間の部分が狭窄部となっており、狭窄部をバンド貫通孔内に位置するようにして、バンド部材に装着して使用する。また、ストッパー径大部間の部分は、その形状より、溝を有すると言うことができる。また、バンド部材スライド防止用のストッパーは、両側にストッパー径大部を有し、ストッパー径大部間の部分が狭窄部となっており、狭窄部をバンド貫通孔内に位置させることが可能であれば、図12および図13に示した形状でなくても構わない。
また、本発明のバンド部材は、上下面を対称形状にすることも、左右を対称形状にすることも可能である。つまり、上下反転させても、左右を入れ換えても全く同じ構造にすることが可能である。
また、本発明の係止孔および係止穴は、バンド部材のバンド貫通孔の壁面を係止する凸部を2つ有するとしたが、凸部の数はいくつであっても構わない。バンド貫通孔の間隔と係止孔および係止穴の長さに応じて決定すれば良い。例えば、1つであっても、3つであっても、それ以上であっても、係止可能であれば構わない。勿論、本発明内に記載した結束補助具の係止結合孔の凸部においても同様である。
また、図2に示した係止機構部材は、バンド部材101のバンド貫通孔101aの壁面を係止可能としたが、図2に示した係止機構部材は、図5(b)、図5(d)、図5(e)および図10(a)に示したバンド部材にも使用可能であり、凸部の形状などを調節さえすれば、図5(c)および図5(f)などのバンド部材にも使用可能となる。つまり、本発明内に記載した、係止機構部材およびバンド部材は、互いの形状を調節しさえすれば、組み合わせ自由に使用可能となる。勿論、本発明内に記載した結束補助具においても同様である。