JP4791862B2 - 車両のシート構造 - Google Patents
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Description
これにより、パッド部材の下側にエアバッグ装置(特許文献1の図1,3,6の20)を備えると、エアバッグ装置とバネ部材とが互いに接近することになるので、エアバッグ装置のエアバッグが膨張する際に、エアバッグ装置のエアバッグとバネ部材とが互いに接触することが予想され、これに伴ってバネ部材がシートフレームから外れることが予想される。
本発明は車両のシート構造において、パッド部材の下側にエアバッグ装置を備えた場合に、エアバッグ装置のエアバッグが適切に膨張することができるように構成することを目的としている。
(構成)
本発明の第1特徴は、車両のシート構造において次のように構成することにある。
シートフレームと、シートフレームに亘って架設されたバネ部材と、バネ部材により下面が支持されたパッド部材とを備えて、シートの座部を構成する。パッド部材の下側にエアバッグ装置を備えて、エアバッグ装置のエアバッグの膨張によりパッド部材を上方に押し上げることによって、シートに着座した乗員がパッド部材に沿って前方に移動する状態が阻止されるように構成する。エアバッグ装置のエアバッグの膨張時において、エアバッグ装置のエアバッグとバネ部材との間に位置して互いの接触を阻止する接触阻止部材を備える。
本発明の第1特徴によると、パッド部材の下側にエアバッグ装置を備えた場合、エアバッグ装置とバネ部材とが互いに接近していても、エアバッグ装置のエアバッグが膨張する際に、エアバッグ装置のエアバッグとバネ部材との間に接触阻止部材が位置することになり、エアバッグ装置のエアバッグとバネ部材との互いの接触が接触阻止部材によって阻止される。
本発明の第1特徴によると、車両のシート構造において、パッド部材の下側にエアバッグ装置を備えた場合、バネ部材の干渉を避けながらエアバッグ装置のエアバッグを所定方向に所定タイミングどおりに適切に膨張させることができるようになって、エアバッグ装置によるサブマリン現象の防止の確実性を向上させることができた。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の車両のシート構造において次のように構成することにある。
接触阻止部材がエアバッグ装置のエアバッグの膨張に伴って移動することにより、接触阻止部材がバネ部材をエアバッグ装置のエアバッグから離れる方向に移動させるように構成する。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第2特徴によると、エアバッグ装置のエアバッグが膨張する際に、エアバッグ装置のエアバッグとバネ部材との間に接触阻止部材が位置するだけではなく、接触阻止部材がエアバッグ装置のエアバッグの膨張に伴って移動し、バネ部材をエアバッグ装置のエアバッグから離れる方向に移動させる。このように、バネ部材をエアバッグ装置のエアバッグから離れる方向に移動させることにより、エアバッグ装置のエアバッグの膨張方向が開かれた状態となるので、エアバッグ装置のエアバッグが無理なく膨張することができるようになる。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、バネ部材をエアバッグ装置のエアバッグから離れる方向に移動させることにより、エアバッグ装置のエアバッグの膨張方向が開かれる状態となり、エアバッグ装置のエアバッグが無理なく膨張することができるようになって、エアバッグ装置によるサブマリン現象の防止の確実性を向上させることができた。
本発明の第2特徴によると、エアバッグ装置のエアバッグの膨張力の一部を利用することにより、接触阻止部材を移動させる為の専用の駆動機構を備える必要がなくなって、構造の簡素化の面で有利なものとなった。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第2特徴の車両のシート構造において次のように構成することにある。
バネ部材に連係部材を接続して、接触阻止部材がエアバッグ装置のエアバッグの膨張に伴って移動することにより、接触阻止部材が連係部材を介してバネ部材をエアバッグ装置のエアバッグから離れる方向に移動させるように構成する。
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第3特徴によると、バネ部材に連係部材を接続しているので、エアバッグ装置とバネ部材とが少し離れていても、接触阻止部材がエアバッグ装置のエアバッグの膨張に伴って移動する際に、接触阻止部材が連係部材を介してバネ部材をエアバッグ装置のエアバッグから離れる方向に無理なく移動させることができる。
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、エアバッグ装置とバネ部材とが少し離れていても、接触阻止部材が連係部材を介してバネ部材をエアバッグ装置のエアバッグから離れる方向に無理なく移動させることができるようになって、エアバッグ装置によるサブマリン現象の防止の確実性を向上させることができた。
前述の[発明を実施するための最良の形態]のエアバッグ装置12において、図4(イ)(ロ)に示すように構成してもよい。
図4(イ)に示すように、エアバッグ装置12のカバー部12bが、第1カバー部12b1及び第2カバー部12b2により合成樹脂により一体的に構成され、第1及び第2カバー部12b1,12b2の間に、横長の線状の薄肉部12b3が形成されている。エアバッグ装置12の基部12aの後部の横軸芯P1周りに、エアバッグ装置12のカバー部12b(第1カバー部12b1)が揺動自在に支持され、エアバッグ装置12の基部12aの前部の横軸芯P2周りに、エアバッグ装置12のカバー部12b(第2カバー部12b2)が揺動自在に支持されている。エアバッグ装置12の基部12aの後部と最前側のバネ部材10とに亘って、複数の紐部材17(連係部材に相当)が接続されている。
前述の[発明を実施するための最良の形態]の図2及び[発明の実施の第1別形態]の図4(イ)において、エアバッグ装置12の基部12aの後部の横軸芯P1周りに、エアバッグ装置12のカバー部12b(第1カバー部12b1)を揺動自在に支持する構成を廃止して、エアバッグ装置12の基部12aとカバー部12b(第1カバー部12b1)とを、軟らかな薄肉部材(図示せず)を介して接続するように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]の図2及び[発明の実施の第1別形態]の図4(イ)において、エアバッグ装置12のカバー部12b(第1カバー部12b1)とは別の平板状部材(接触阻止部材に相当)(図示せず)を、エアバッグ装置12のカバー部12b(第1カバー部12b1)と最前側のバネ部材10との間に配置し、平板状部材を下方に案内するガイドレール(図示せず)を備えるように構成してもよい。
前述の[発明の実施の第1別形態]の図4(イ)において、エアバッグ装置12を最前側のバネ部材10と、これの後側のバネ部材10との間に配置してもよい。
このように構成すると、エアバッグ装置12のインフレータ12cが点火され、エアバッグ装置12のインフレータ12cから高圧ガスが噴射されて、エアバッグ装置12のエアバッグ12dが膨張すると、エアバッグ装置12のエアバッグ12dによりエアバッグ装置12のカバー部12bの薄肉部12b3が破断し、エアバッグ装置12のカバー部12b(第1及び第2カバー部12b1,12b2)が横軸芯P1,P2周りに上方に揺動し、パッド部材11の裏面から離れて後方及び前方に反転する状態となる。
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第4別形態]において、バネ部材10を右及び左の横フレーム部材7に亘って架設するのではなく、バネ部材10を前フレーム部材8の前側部8b及び後フレーム部材9に亘って架設するように構成してもよい。
7 シートフレーム
10 バネ部材
11 パッド部材
12 エアバッグ装置
12a 接触阻止部材
12d エアバッグ装置のエアバッグ
17 連係部材
Claims (3)
- シートフレームと、前記シートフレームに亘って架設されたバネ部材と、前記バネ部材により下面が支持されたパッド部材とを備えて、シートの座部を構成し、
前記パッド部材の下側にエアバッグ装置を備えて、前記エアバッグ装置のエアバッグの膨張によりパッド部材を上方に押し上げることによって、シートに着座した乗員がパッド部材に沿って前方に移動する状態が阻止されるように構成すると共に、
前記エアバッグ装置のエアバッグの膨張時において、前記エアバッグ装置のエアバッグとバネ部材との間に位置して互いの接触を阻止する接触阻止部材を備えてある車両のシート構造。 - 前記接触阻止部材がエアバッグ装置のエアバッグの膨張に伴って移動することにより、前記接触阻止部材がバネ部材をエアバッグ装置のエアバッグから離れる方向に移動させるように構成してある請求項1に記載の車両のシート構造。
- 前記バネ部材に連係部材を接続して、前記接触阻止部材がエアバッグ装置のエアバッグの膨張に伴って移動することにより、前記接触阻止部材が連係部材を介してバネ部材をエアバッグ装置のエアバッグから離れる方向に移動させるように構成してある請求項2に記載の車両のシート構造。
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