JP4791633B2 - 臭素置換ポリスチレン系難燃剤 - Google Patents

臭素置換ポリスチレン系難燃剤 Download PDF

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    • C08K3/22Oxides; Hydroxides of metals

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、熱可塑性プラスチック配合に入れる難燃剤(flame retardants)として用いるに特に適した高品質の新規な臭素置換ポリスチレン類(brominated polystyrenes)に関する。
【0002】
(背景)
臭素置換ポリスチレン類は熱可塑性プラスチック、例えばポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリアミド類で用いるに適した難燃剤であるとして充分に確立されている。最近、それらの使用をシンジオタクティックポリスチレンおよびポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートに拡張することに興味が示された。臭素置換ポリスチレン類の製造は、一般に、ポリスチレンと臭素化剤(brominating agent)(例えば臭素または塩化臭素)の間の反応を溶媒(例えばジクロロエタン)およびルイス酸触媒の存在下で行うことで成されている。このような幅広い文脈内で、従来技術は、高い性能を示すが低コストの臭素置換ポリスチレンを得ようとする努力でいくつかの方法を開発して来た。低コストに関しては説明不要である。性能は、ある程度ではあるが、臭素含有量が適切なこと(一般に60−67重量%が好適である)、溶液の色が適切なこと(ΔE=20−35)、そして塩素の含有量が適切なこと(最大値は1.5重量%)で予測される。生じる個々の臭素置換ポリスチレン、従ってそれの品質は選択した方法で決定されるであろう。
【0003】
臭素含有量、塩素含有量および色は考慮する個々の臭素置換ポリスチレンの構造の特性である(と考えている)。臭素含有量は、(1)ポリマーの芳香部分に置換基として存在する臭素、(2)ポリマーのアルキル部分、例えばポリマーバックボーン(polymer backbone)またはポリマーの芳香族部分のアルキル置換によって存在するアルキル部分の置換基として存在する臭素、および(3)いくらか存在するイオン性臭素、例えば臭化ナトリウムの臭素の総量に当てはまる。ポリスチレンの臭素置換中に起こる望ましくないアルキル置換反応を使用するルイス酸である臭素置換用触媒が触媒しそして反応用溶媒(通常は炭素原子数が1−3のジハロアルカン)がアルキル化剤(alkylating agent)として働く。本明細書では、前記(1)の臭素を芳香ブロマイド(aromatic bromide)と呼ぶ一方、前記(2)の臭素をアルキルブロマイド(alkyl bromide)と呼ぶ。イオン性臭素(本明細書では以降イオン性ブロマイド)は臭素の含有量に貢献し得るが、それの貢献度合はほとんど常に小さいか或は僅かである。イオン性ブロマイドはポリマー構造の一部ではなく、通常は臭素含有量を測定する前に行う洗浄でほとんど全部が臭素置換ポリマー生成物(brominated polymer product)から洗い流される。
【0004】
また、臭素置換ポリスチレンの色はポリマーの構造によるものであり、ある種の分離している不純物の結果ではないと考えている。色の原因は上述したアルキルブロマイドおよび/または芳香部分の置換基であるアルキルクロライド(alkyl chloride)(以下に述べる)によるものであり得る。
【0005】
塩素含有量も臭素と同様に芳香クロライドおよび/またはアルキルクロライドのようにポリマー構造の一部である塩素に帰する。塩素含有量の最も大きな原因は塩化臭素を臭素化剤として用いることによる。
【0006】
一般的な提案として、臭素置換ポリスチレンが有するアルキルブロマイドおよび/またはアルキルクロライド、即ちアルキルハライド(alkyl halide)の含有量を最小限にするのが好適である。アルキルハライドは芳香ハライドほどには熱に安定でなく、従ってそれらは通常の最終使用加工条件下で容易にハロゲン化水素、例えばHBrまたはHClなどに変化し得ることから、アルキルハライドは望ましいものでない。ハロゲン化水素は、水分が存在していると、金属製加工装置のひどい腐食を引き起こす可能性がある。また、色の問題も存在し、またこれもある種のアルキルハライドの影響を受けると考えている。有するブロマイドのほとんど全部が芳香ブロマイド[芳香−臭素(ar−bromine)]である臭素置換ポリスチレンは望ましい難燃(flame retarding)特性を有するであろう、と言うのは、そのような臭素は加工温度において芳香部分から脱離せず、それの脱離が起こるのはむしろ炎前線に近付いた時(vicinity of an approaching flame front)に遭遇する非常に高い温度になった時であるからである。
【0007】
ハライドが芳香ハライドとして存在するか或はアルキルハライドとして存在するか否か以外にまた臭素置換ポリスチレンが有する塩素の全含有量を最小限にするのも望ましい、と言うのは、塩素は難燃成分(flame retardant constituent)として臭素ほどには有効でないか或は安定でないからである。
【0008】
高い芳香臭素含有量ばかりでなく低いアルキルハライド含有量と低い全塩素含有量を得るのが望ましいが、不幸なことには、従来技術の方法がそれらをもたらす能力はそれに合わない。本技術分野には優れた臭素置換ポリスチレンをもたらすと主張されている数多くの方法が提案されてはいるが、実際には、いずれもそれらの見込みをうまくやりとげたことは示されていない。米国特許第4,200,703号;米国特許第4,352,909号;米国特許第4,975,496号および米国特許第5,532,322号を参照。前記特許の実施例(実際の実験であると報告されている)の再吟味は、高い臭素含有量、即ち68重量%以上の臭素含有量は得られていないことを示している。
【0009】
更に、従来技術の臭素置換ポリスチレンは高い熱安定性を示さない。従来技術のポリマー類に熱重量分析(TGA)を受けさせた時、それらは336℃未満の温度で1重量%の損失を示し、実際、大部分が約300℃の温度で1重量%の損失を示す。臭素置換ポリスチレンを高い加工温度にさらされるであろう熱可塑性プラスチック配合と一緒に配合する時には、熱安定性が低いことは望ましいことではない。
【0010】
追加的に、従来技術の臭素置換ポリスチレン製造方法ではポリマー鎖の有意な開裂がもたらされることが実証されている。このような開裂が起こると、結果として、生じた臭素置換ポリスチレンをゲル浸透クロマトグラフィーで測定した時にそれが示すMwは臭素置換ポリスチレンの計算した理論的Mwよりも有意に低くなる。この計算は臭素置換ポリスチレン生成物の臭素含有量(重量%)とポリスチレン反応体が反応開始時に示すMwを基にした計算である。GPCの誤差の±余裕度(margins)が一定であると仮定して理論的Mwと生じる臭素置換ポリスチレンが示す実際のMwが近いのが有利である、と言うのは、そのように近いことはポリマーの開裂が僅かであることの証拠であるからである。開裂が起こると結果として臭素置換ポリスチレンに含まれるアルキル末端基の数が増えそしてこのアルキル末端基がこの上で考察した望ましくないアルキルハライドを生じ易くする座(loci)を与えることから、開裂の度合は最小限でなければならない。
【0011】
共通所有の出願連続番号08/852,462およびそれの特許出願連続番号08/727,341(1996年9月26日付けで提出して、現在は米国特許第5,677,390号)に、とりわけ、熱安定性を示す新規な臭素置換ポリスチレンおよび前記臭素置換ポリスチレンを生じさせる新規な工程技術が提供および記述されている。
【0012】
(発明の簡単な要約)
ここに、本発明の好適な臭素置換ポリスチレン組成物を315℃の如き高い温度に1時間さらしても結果としてこの樹脂の色が有意に暗くなることがないような度合にまで臭素置換ポリスチレンの熱安定性を更に向上させることができることを見い出した。更に、本発明を用いると、共通所有の出願連続番号08/852,462に開示されている臭素置換ポリスチレンが示す熱安定性を更に向上させることができる一方、本発明を用いると、他の臭素置換ポリスチレン類、例えばFerro Corporationが製造販売しているPyro−Chek(商標)臭素置換ポリスチレン難燃剤ばかりでなく前から存在するポリスチレンオリゴマーまたはポリマーの臭素置換によって生じる他の如何なる臭素置換ポリスチレン難燃剤樹脂(brominated polystyrene flame retardant resin)の熱安定性を向上させることもここに可能になると考えている。便利さの目的で、本明細書および本明細書の請求の範囲で用いる如き用語「臭素置換ポリスチレン」は、前から存在するポリスチレン系(polystyrenic)オリゴマーもしくはポリマーの臭素置換で作られた臭素置換ポリスチレン系難燃剤樹脂を指し、これは1種以上の臭素置換スチレン系モノマー(brominated styrenic monomers)のオリゴマー化または重合で生じるオリゴマーもしくはポリマーから区別され、後者のオリゴマーもしくはポリマーの特性と臭素置換ポリスチレンの特性とは数多くの点でかなり異なる。
【0013】
本発明の別の驚くべき特徴は、前記オリゴマーまたはポリマーに臭素置換ポリスチレンにとって熱安定剤であるとして知られていなかった材料を非常に少量含有させることを通して臭素置換ポリスチレン難燃剤が示す熱安定性の実質的な向上を達成することができることを見い出したことにある。実際、そのような成分の量は、大部分のケースで、本発明の臭素置換ポリスチレンを難燃量(flame retarding amount)でブレンドして完成させたポリマー組成物(例えばポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、ポリスルホンまたは他の熱可塑性プラスチック材料)の物性が結果として実質的に全く変わらない(本発明の特殊な熱安定剤成分を含有させていない以外は同じ臭素置換ポリスチレン難燃剤を同じ量で用いて同じく完成させたポリマー組成物に比較して)ほどの少量(例えば0.75重量%未満、好適には0.5重量%未満)であり得る。
【0014】
従って、本発明は、本発明の態様の1つにおいて、アルカリ金属塩基(alkali metal base)を約1重量%未満(好適には約0.5重量%未満)の量で含有させた臭素置換ポリスチレンである難燃添加剤組成物(flame retardant additive composition)を提供し、前記アルカリ金属塩基の量は、本難燃添加剤をブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時に結果として得られる水抽出液が少なくとも約9.0のpHを示すような量である。このアルカリ金属塩基を本臭素置換ポリスチレンに添加するとそれの実際の化学構造または組成が変わるか或は変化する可能性があり、従って本臭素置換ポリスチレンに含有させるか或は存在させるアルカリ金属塩基を言及する時(使用前のアルカリ金属塩基から区別される)、用語「アルカリ金属塩基」は、少なくとも1種の特定塩基性アルカリ金属化合物を本臭素置換ポリスチレンに添加することによって初期のアルカリ金属化合物がそのままであるか或はある程度または完全に他の1種以上の化学形態に変化するか否かに拘らずそれを本臭素置換ポリスチレンに含有させる結果として生じる塩基性物質を指すとして理解されるべきである。好適な態様である本発明に従う臭素置換ポリスチレン難燃剤に入っているアルカリ金属塩基は、製造中の臭素置換ポリスチレンにナトリウムもしくはカリウム無機塩基、最も好適には水酸化ナトリウム、酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化カリウムまたはこのような塩基のいずれか2種以上の混合物を添加する結果として残存する塩基である。本発明の特に好適な難燃剤は、臭素置換ポリスチレンの溶液から沈澱を起こさせることによって粒子形態で生じさせた難燃剤であり、そしてこの場合、前記沈澱を塩基性無機アルカリ金属化合物の溶液に接触させることで起こさせたことから、前記化合物が前記臭素置換ポリスチレンの中に混入している。本明細書および本明細書の請求の範囲で用いる如き用語「粒子」は、臭素置換ポリスチレンが個々別々の粒子(これは粉末のように微細であってもよい)の形態および/またはより大きな粒子、例えば顆粒、フレーク、チップ、粒またはペレットなどの形態であることを意味する。
【0015】
本発明の臭素置換ポリスチレンは臭素を典型的に65から70重量%の範囲で含有する。驚くべきことに、このように高度に臭素置換されている物質を塩基性無機アルカリ金属化合物に本発明に従って用いる比率で接触させてそれをそのように高度に臭素置換されている物質の中に取り込ませても前記臭素置換ポリスチレンの脱臭化水素化(dehydrobromination)は全く評価できるほどには起こらないように見える。
【0016】
好適な1番目の態様は、Clの含有量が約500ppm未満、より好適にはClの含有量が100ppm未満で1重量%損失(1% weight loss)のTGA温度が340℃以上でありかつ臭素置換ポリスチレンをブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時に結果として得られる水抽出液が少なくとも約9.0のpHを示すようにアルカリ金属塩基を約1重量%未満(好適には約0.5重量%未満)の量で含有する臭素置換ポリスチレンである。この態様では、TGAで1%の重量損失を示す時の温度が340℃から380℃の範囲内、より望ましくは345℃から375℃の範囲内である臭素置換ポリスチレンを用いるのが望ましい。
【0017】
好適な2番目の態様は、(i)実際のMwが(a)臭素置換ポリスチレンが示す実際の臭素含有量と(b)この臭素置換ポリスチレンの製造で用いたポリスチレン反応体のMwを基にして計算した理論的Mwの約20%以内でありかつ(ii)この臭素置換ポリスチレンをブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時に結果として得られる水抽出液が少なくとも約9.0のpHを示すような量でアルカリ金属塩基を含有する臭素置換ポリスチレンである。
【0018】
好適な3番目の態様は、式:
【0019】
【化2】
Figure 0004791633
【0020】
[式中、
各Xは、独立して、水素原子または臭素原子もしくは塩素原子であるが、各ポリマー単位毎の各Xのなりたち(identity)は、臭素置換ポリスチレンを周囲の大気圧下300℃に15分間加熱した時に発生するハロゲン化水素1種または2種以上の量が750ppm未満、望ましくはハロゲン化水素1種または2種以上の量が約500ppm未満であるようななりたちである]
で表されるポリマー単位(polymer units)で構成されていて臭素含有量が少なくとも約65重量%、より好適には臭素含有量が少なくとも67重量%で塩素が存在しているとしても塩素の全含有量が臭素置換ポリスチレンの約500ppm以下、より好適には約100ppm以下でありかつ臭素置換ポリスチレンをブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時に結果として得られる水抽出液が少なくとも約9.0のpHを示すようにアルカリ金属塩基を約1重量%未満(好適には約0.5重量%未満)の量で含有する臭素置換ポリスチレンである(本明細書で用いるppm値は特に明記しない限り全部重量であり、臭素置換ポリスチレンの全重量を基準にした値である)。最も好適には、この3番目の態様の臭素置換ポリスチレンは、ポリスチレンに臭素置換をブロモクロロメタン溶媒中で受けさせることで生じさせた臭素置換ポリスチレンである。
【0021】
好適な4番目の態様は、1重量%損失のTGA温度が340℃以上でありかつ臭素置換ポリスチレンをブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時に結果として得られる水抽出液が少なくとも約9.0のpHを示すようにアルカリ金属塩基を約1重量%未満(好適には約0.5重量%未満)の量で含有する臭素置換ポリスチレンである。
【0022】
好適な5番目の態様は、ブロモジクロロエタン、ジブロモクロロエタン、ジブロモジクロロエタン、トリブロモクロロエタンおよび前記の2種以上の任意混合物から成る群から選択される不純物を含まないか或は本質的に含まずかつ臭素置換ポリスチレンをブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時に結果として得られる水抽出液が少なくとも約9.0のpHを示すようにアルカリ金属塩基を約1重量%未満(好適には約0.5重量%未満)の量で含有する臭素置換ポリスチレンである。
【0023】
特に好適な態様は、前記好適な1番目、2番目、3番目および5番目の態様のいずれか2つ、いずれか3つまたは4つ全部の特性および属性の組み合わせを示すか或は前記好適な2番目、3番目、4番目および5番目の態様のいずれか2つ、いずれか3つまたは4つ全部の特性および属性の組み合わせを示す臭素置換ポリスチレンを包含する。本発明の現在のところ更により好適な態様は、(i)前記好適な1番目から5番目の各々の態様いずれかの臭素置換ポリスチレン、または(ii)この直ぐ上の文章で述べた特に好適な態様の臭素置換ポリスチレンの特性および属性を有する臭素置換ポリスチレンのいずれかであり、ここでは、(a)そのような組成物を生じさせる時に用いる塩基を1種以上のアルカリ金属の水酸化物またはアルカリ金属の酸化物(特にNaまたはKの水酸化物または酸化物)にして、これを前記塩基を水性媒体、例えば水などに溶解させることで生じさせた水溶液として用い、そして(b)結果として生じた臭素置換ポリスチレン組成物中のアルカリ金属塩基含有量を0.25重量%以下、更により好適には0.15重量%以下にする。そのように臭素置換ポリスチレン組成物中の前記アルカリ金属塩基の濃度が極めて低いことから、(1)臭素置換ポリスチレン組成物自身も(2)この臭素置換ポリスチレン組成物を難燃剤として25重量%以下の量でブレンドしたポリオレフィンポリマーもポリエステルポリマーもポリアミドポリマーもそのようなアルカリ金属塩基の存在が原因で通常の加工および貯蔵中に特性の悪化が全く評価できる度合で起こらないことが確保される。
【0024】
本発明のさらなる態様は、
a)(i)少なくとも35℃から150℃未満の範囲の温度で沸騰する有機溶媒に臭素置換ポリスチレンが入っている溶液と(ii)水をアルカリ金属塩基の存在下で接触させることで混合物を生じさせ、
b)a)の混合物を前記有機溶媒の少なくとも一部が留出してアルカリ金属塩基を含有する臭素置換ポリスチレン粒子が生じるに充分なほど高い温度で充分な量の蒸気または水に接触させる、
ことを含んで成るが、但し前記臭素置換ポリスチレン粒子が含有するアルカリ金属塩基の量が約1重量%未満でありかつこの臭素置換ポリスチレンをブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時に結果として得られる水抽出液が少なくとも約9.0のpHを示すような量であることを条件とする方法である。この態様のパートa)で混合物を生じさせる時に存在させるアルカリ金属塩基はいろいろな様式で前記混合物に成り得る。従って、(i)前記アルカリ金属塩基を前記臭素置換ポリスチレンと一緒にa)で生じさせる混合物の中に運び込ませてもよいか、或は(ii)ある水溶液を前記臭素置換ポリスチレンに接触させる時にその水の中に前記アルカリ金属塩基を存在させてもよいか、或は(iii)前記アルカリ金属塩基をa)で生じさせる混合物に個別に添加してもよいか、或は(iv)前記アルカリ金属塩基をルート(i)、(ii)および(iii)のいずれか2つまたは3つ全部の組み合わせを通して存在させてもよい。重要な事は、それがそこにどのようにして到達するかに関係なくかつそれがイオン化形態で到達するか或は非イオン化形態で到達するかに関係なくそれが存在することである。
【0025】
以下に行う説明および添付請求の範囲から本発明の前記および他の態様および特徴が更に明らかになるであろう。
【0026】
(更に詳細な説明)
ポリスチレン反応体
本発明の臭素置換ポリマー類(brominated polymers)の製造で用いるポリスチレン反応体は商業的に入手可能な如何なるポリスチレン反応体であってもよい。このポリスチレンのバックボーンは一般に水添を受けておらず、従って不飽和を持つであろう。EPO 0 201 411に教示されているようにアニオン的に生じさせたポリスチレンを用いて臭素置換ポリマーを生じさせる必要はなく、実際、このポリスチレン反応体はアニオン製造のポリスチレンでないのが好適である、と言うのは、そのようなポリマーは高価でありかつ容易には入手できないからである。このポリマーが有するペンダント型芳香構成要素(aromatic pendant constituents)はアルキルで置換されていてもよいが、大部分のケースで、そのような置換基を持たないであろう。本発明の臭素置換ポリスチレンを生じさせる時に用いる好適なポリスチレンは、500から500,000の範囲内のMwを示しかつ1より高い値から4の範囲内の多分散性(polydispersity)を示すポリスチレンであろう。大部分の目的で用いるに適したポリスチレン反応体は100,000から300,000の範囲内のMwを示しかつ1.25から2.5の範囲内の多分散性を示すであろう。より低い分子量を有するポリスチレン反応体は500から100,000の範囲内のMwを示しかつ約10未満、好適には1を越える値から約4の範囲内の多分散性を示すであろう。より高い分子量を有する適切なポリマーは300,000から500,000の範囲内のMwを示しかつ1を越える値から約4の範囲内の多分散性を示す。Mwおよび多分散性の値は両方とも本明細書の以下に記述するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)技術を基にした値である。
【0027】
また、本臭素置換ポリスチレンを生じさせる時に用いる元々のポリスチレンが如何なる添加剤も含有しないのが好適であり、例えばステアリン酸亜鉛、パラフィン、鉱油などを含有しないのが好適であることも確認した。非常に好適なポリスチレンは、Dow Chemical Company(Midland、Michigan)が販売しているStyron(商標)612である。しかしながら、添加剤を含有するポリスチレン、例えばDow Chemical CompanyのStyron 668、Styron 677、Styron 680ばかりでなく、Hercules Incorporated(Wilmington、Delaware)のPiccolastic A5、Piccolastic A75またはPiccolastic D125、または他の製造業者の相当する材料を用いることも可能である。
臭素置換ポリスチレン
生じさせる臭素置換ポリスチレンは臭素を少なくとも約60重量%含有すべきであるが、しかしながら、本発明の実施を用いると、更により低い臭素含有量(例えば55重量%の如く低い)を有する臭素置換ポリスチレンでも熱安定性を向上させることができる。この臭素含有量は典型的に65から70重量%の範囲であろう。臭素含有量が少なくとも約67重量%の臭素置換ポリスチレンを用いるとより良好な難燃性能が達成される。臭素置換を受けさせたポリスチレンが好適には少なくとも約68重量%の臭素含有量を持つようにする。
【0028】
本発明の実施を通して如何なる臭素置換ポリスチレンも熱安定性の点で利点を受けるであろうが、本発明の組成物を生じさせる時に用いる好適な臭素置換ポリスチレンは、何はさておき良好な色を有するものである。難燃剤にとって色は重要な特性であり、真っ白が最終的な目標である。あらゆる臭素置換方法でいろいろな着色体が生じることから、本産業は、白色に近い製品を容認されるとして受け入れてきた。従来技術の臭素置換ポリスチレンが示す色は、溶液のΔE値として表して、一般に20から35の範囲内であろう。区別において、本発明の実施で用いる好適な臭素置換ポリスチレンはΔE値が20未満、好適には5から18の範囲内であることを特徴とする。このΔE値は最も好適には5から15の範囲内であろう。
【0029】
本発明の実施で用いる好適な臭素置換ポリスチレンが示す別の物性は、それを150℃を越える温度に加熱した時に本質的に全くか或はほとんど臭気を発しない点にある。比較として、Ferro CorporationのPyro−Chek臭素置換ポリスチレン難燃剤は150℃でかなり強い臭気を発する。このような強い臭気はブロモクロロエタン類、例えばブロモジクロロエタン、ジブロモクロロエタン、ジブロモジクロロエタンおよびトリブロモクロロエタンなどがPyro−Chek 68PB製品に存在することに起因し得ると考えている。本発明の実施で生じさせて用いる好適な臭素置換ポリスチレンにはそのようなブロモクロロエタン類は検出可能な量では存在しない。
【0030】
本発明の実施で用いるに非常に望ましい臭素置換ポリスチレンは、とりわけ、a)周囲の大気圧下300℃に15分間加熱した時に発生するHBrの量が750ppm未満、望ましくは500ppm未満の臭素置換ポリスチレン、
b)加うるに、塩素(Cl)の全含有量が約500ppm未満、より好適には全塩素(Cl)含有量が約100ppm未満であるa)の臭素置換ポリスチレン、c)a)またはb)の要求を満たすことに加えて、実際のMwが(i)臭素置換ポリスチレンが示す実際の臭素含有量と(ii)臭素置換ポリスチレンの製造で用いたポリスチレン反応体のMwを基にして計算した理論的Mwに近い臭素置換ポリスチレン、および
d)a)またはb)またはc)の要求を満たすことに加えて、全臭素含有量が67から70重量%の範囲である臭素置換ポリスチレン、
である。
【0031】
この臭素置換ポリスチレンは塩素(Cl)をいくらか含有している可能性はあるが、その量は僅か、即ち約500ppm(Cl)未満、好適には約100ppm(Cl)未満であろう。塩素が存在する場合、それの源は恐らくは臭素置換ポリスチレンの調製で用いるルイス酸触媒または溶媒でありそして恐らくは使用する塩素含有溶媒が痕跡量で残存することによるものであろう。最も好適な臭素置換ポリスチレンは、X線蛍光分析で塩素含有量を検出することができない臭素置換ポリスチレンである。
【0032】
この臭素置換ポリスチレンが示す実際のMwがこの臭素置換ポリスチレンが示す実際の臭素含有量とこの臭素置換ポリスチレンの製造で用いたポリスチレン反応体のMwを基にして計算した理論的Mwの約20%以内であるのが望ましい。GPC分析の誤差の通常の±余裕度を除いて実際のMwと理論的Mwの間の差は、架橋(Mwが大きくなる)またはポリマー鎖開裂(Mwが小さくなる)のいずれかの証拠である。そのような臭素置換ポリスチレンの場合の前記20%の差は誤差の±余裕度を包含する。好適な差は約20%未満の差であり、約10%未満の差が最も好適である。GPC技術は、試験を受けさせるポリマーが同じ場合でも、同様ではあるが異なる値を与える可能性があることから、臭素置換ポリスチレンがこの上に記述した20%もしくは10%の基準を満たすとして明記することを、最も良好には、試験を受けさせるべき臭素置換ポリスチレンポリマーのGPC測定を連続的に5回行った時の値の算術平均を取ることで行う。データの平均を取る他の技術も適切であり、例えばGPC測定を連続して10回行って高い値と低い値を廃棄して平均を取ることを利用するのも適切である。当然、用いる具体的なGPC手順は再現性のある正確な結果を与えるべきである。
向上した熱安定性の達成で用いる塩基
本発明に従って向上した熱安定性を与える時に用いる塩基は、初めは、1種以上の塩基性アルカリ金属化合物、望ましくは1種以上の塩基性無機アルカリ金属化合物であり、これらの中で特にナトリウムおよび/またはカリウムを含有する化合物が望ましい。好適に用いる塩基は、初めは、1種以上のアルカリ金属の水酸化物(特に水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムまたはそれらの組み合わせ)、アルカリ金属の酸化物(特に酸化ナトリウムもしくは酸化カリウムまたはそれらの組み合わせ)、または1種以上のアルカリ金属水酸化物と1種以上のアルカリ金属酸化物の組み合わせ(特に水酸化ナトリウムと酸化ナトリウムの組み合わせ、または水酸化カリウムと酸化カリウムの組み合わせ、水酸化ナトリウムと酸化カリウムの組み合わせ、または水酸化カリウムと酸化ナトリウムの組み合わせ)である。他の説明的アルカリ金属塩基には炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、酢酸ナトリウム、アセチルアセトンナトリウム、オクチルアセト酢酸カリウム、水酸化セシウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸三ナトリウム、テトラホウ酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、および他の塩またはアルカリ金属のキレート化合物(chelates)が含まれる。
【0033】
このような塩基の組成に関して、本明細書ではこのような材料を本発明の難燃剤組成物を生じさせる時に用いる他の任意物質と一緒にする前のそれの組成に関して同定する。このような塩基は、本難燃剤を製造する過程中および/または本難燃剤を製造する過程が経過している間に用いる他の1種以上の成分にそれを添加しそして/またはそれらと混合した後にそれの組成が変わる可能性があり、そしてそれが起こる場合、それの構成が如何なる構成であろうともかつ起こり得る変化の数がどれくらいの数であろうとも、それが完成難燃剤中に適切な量で存在しているならば、その結果として変化した材料が全体としてか或は部分的にそのようなアルカリ金属塩基が熱安定剤として機能することのもとになっていると考えている。例えば、本明細書の以下に記述するように、塩基性化合物、例えば水酸化ナトリウムなどは水溶液として使用可能であり、好適にはそれを水溶液として用いる。水酸化ナトリウムを水と一緒に混合するとそのような溶液が生じる可能性があり、かつ加うるに、酸化ナトリウムと水を混合して水酸化ナトリウムの溶液を生じさせることを通してそのような溶液をインサイチューで生じさせることも可能である。いずれの場合にも、水酸化ナトリウムが水中でイオン化し、従って、技術的には、もはやそのまま水酸化ナトリウムではない可能性がある。しかしながら、それが完成臭素置換ポリスチレン難燃剤組成物に入っている時の形態が如何なる形態であろとも、それは熱安定剤として働く特性を有する。このように、「初めは」は、本発明の難燃剤組成物を生じさせる時に用いる処理中に当該塩基が全体としてか或は部分的に他のある種の分子形態または組成に変化し得るかもしれないが本明細書では本発明の組成物を生じさせる時にか或は本組成物を生じさせる時に用いる溶液または他の混合物を生じさせる時に用いる前にそれがあたかもそれの元々の分子構造の状態で存在していたかのように当該塩基を呼ぶことを意味する。
臭素置換ポリスチレンへの塩基の配合
前以て生じさせておいた臭素置換ポリスチレンに塩基を熱安定量(例えば組成物の全重量の1重量%未満、好適には0.5重量%未満)で単にブレンドすることも可能であり得る。これは、溶融させた臭素置換ポリスチレンを塩基が樹脂の中にかなり実質的に均一に分布することを確保すに充分なほど混合しながらこれに塩基をブレンドすることを通して達成可能である。そのような組成物を生じさせることを可能にする別の方法は粉末ブレンドであり、この場合には、微細形態、例えば粉末形態で前以て生じさせておいた臭素置換ポリスチレンとまた微細形態、例えば粉末形態の塩基を一緒に混合することで粉末ブレンド物を生じさせるが、このブレンド物の組成が全体に渡って均一でないにしても少なくとも実質的に均一であるようにする。この上に示したように、臭素置換ポリスチレンに導入するか或はそれと一緒に混合する塩基の量は、結果として得た組成物をブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時に結果として得られる水抽出液が少なくとも約9.0のpHを示すような量である。このpHの測定を標準的pHメーター、例えばHach EC−10メーター(Hach Company、Loveland、Colorado)または相当するpHメーターを用いて行う。pH測定で少なくとも1種類の片を用いたのでは信頼できる測定値が得られないことを確認した。
【0034】
しかしながら、今日までのところ、臭素置換ポリスチレンを溶液から粒子形態で沈澱させる時に塩基が前記臭素置換ポリスチレンに取り込まれるようにするのが明確に好適であると思われる。このようにして生じさせた臭素置換ポリスチレン組成物が最良の熱安定性を示すように見える。そのような好適な手順では、無機アルカリ金属塩基の水溶液、例えばNaOHおよび/またはKOHが水に10重量%入っている溶液を臭素置換ポリスチレンが適切な有機溶媒、例えば塩化メチレン、二塩化エチレン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、および少なくとも35℃から150℃未満の範囲のいずれかの温度で沸騰する同様なハロヒドロカーボンなどの如き有機溶媒に入っている溶液に接触させる。一般的には、それらの中で塩化メチレンおよび二塩化エチレンがこの直ぐ上に挙げた他の溶媒よりも望ましい、と言うのは、塩化メチレンおよび二塩化エチレンはポリスチレンに臭素置換を受けさせる時に前記ポリスチレンを入れておくことができる溶媒として用いるに有用であるからである。しかしながら、臭素置換ポリスチレンに特に好適な有機溶媒はブロモクロロメタンである。ブロモクロロメタンは臭素置換ポリスチレンにとって優れた溶媒であるばかりでなく、ポリスチレンに臭素置換を受けさせる時に前記ポリスチレンを入れておくことができる理想的な溶媒である、と言うのは、それは環境に優しく、臭素置換過程に比較的不活性であり、68℃の非常に望ましい沸点を有し、かつこの溶媒中で臭素置換過程を適切に実施した時に無色に近い臭素置換ポリスチレン生成物が生じ得るからである。1997年4月25日付けで提出した共通所有の出願08/846,156、現在はU.S. 5,767,203には、ブロモクロロメタンを反応媒体として用いて臭素置換ポリスチレンを製造する方法が記述および請求されている。
【0035】
本発明の組成物の好適な配合方法の実施では、塩基が適切な溶媒に入っている溶液および臭素置換ポリスチレンが適切な溶媒に入っている溶液を熱い液状の水性媒体および/または蒸気の中に導入して前記有機溶媒の少なくとも一部をその混合物から留出させかつ臭素置換ポリスチレンを粒子形態で沈澱させる。このような操作中、前記塩基が水溶液の状態の時には、そのように接触させる溶液の間の密な接触を確保する目的でそれらを掻き混ぜるか或は他の様式で撹拌してもよい。従って、臭素置換ポリスチレンの粒子が生じると同時に前記塩基がその生じる粒子の中に取り込まれることが分かるであろう。その結果として本発明の組成物が生じるが、但し結果として生じる粒状の臭素置換ポリスチレンがアルカリ金属塩基をその粒状の臭素置換ポリスチレン難燃剤を25℃のブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を25℃の水で抽出した時に結果として得られる水抽出液が少なくとも約9.0のpHを示すような量で含有することを条件とする。
本発明の好適な臭素置換ポリスチレン組成物の製造
本発明の実施で生じさせて用いる好適な臭素置換ポリスチレンの製造は通常通りではない。適切な方法は、一般に、ブロモクロロメタンとポリスチレンの溶液と臭素の混合物(ポリスチレン中の重合したスチレン1モル当たり2.5から5モルの臭素)をブロモクロロメタンがさらなる量で入っておりかつAlCl3が触媒量で入っている反応槽に供給することを含んで成る[ポリスチレンとブロモクロロメタンと臭素の混合物に臭素置換用触媒を実質的に含めない。この語句「臭素置換用触媒を実質的に含めない」は触媒の量が触媒有効量未満であることを意味すると解釈されるべきである。触媒をそのような低い量で用いると、触媒作用による臭素置換も架橋もほとんどか或は全く起こらない。そのような量は、一般に、存在させるポリスチレン反応体の重量を基準にして500ppm未満であろう]。反応が起こる温度は−10℃から10℃の範囲内であろう。この反応を好適には−10℃から0℃の範囲の1つ以上の温度で実施する、と言うのは、そのようにすると最も高い品質の生成物がもたらされ、かつ驚くべきことに、反応自身がそのような低い温度でも工程が商業的生産要求に合致するような適切に速い速度で進行するからである。反応マス(reaction mass)が生じた後、それを通常は反応温度に約5分から2時間の範囲、好適には5分から20分の範囲の時間維持する。この時間が経過した後、亜硫酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムまたは他の塩基を添加することで、触媒を失活させ、いくらか残存する臭素化剤を失活させかつ反応マスのpHを適切な塩基性レベルに調整することを通して、反応生成物の処理を行う。このような処理を行った後、反応マスを沈降させて、臭素置換スチレン系重合体(styrenic polymer)生成物を溶質として含有する有機相と水相を含む2相反応マスを得る。その水相をデカンテーションで除去し、そして残存する有機相から溶媒成分を除去する。前記有機相を沸騰水に注ぎ込むことでそのような除去を達成するのが最も便利である。溶媒が瞬間的に蒸発して出て行くにつれて臭素置換スチレン系重合体生成物が塩基を熱安定量で含有する沈澱物を形成する−−即ち、完成臭素置換ポリスチレン組成物中にアルカリ金属塩基がこの完成組成物のサンプルをブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時の水抽出液が少なくとも約9.0のpH、好適には9.5から11の範囲のpH、より好適には10から10.5の範囲のpHを示すような量で入っている。この沈澱物は如何なる液体−固体分離技術で回収されてもよく、例えば濾過、遠心分離などで回収可能である。次に、その回収した沈澱物を乾燥させる。
【0036】
臭素置換ポリスチレンを製造する時、鉄の含有量を最小限、即ち鉄を約10ppm未満に保つことが重要である。反応流れまたは生成物流れに接触する装置が鉄製であると、それによって鉄が生成物の中に入り込むことが通常起こる。従って、鉄混入源として作用しない工程装置を用いるのが好適である。このような装置は例えばガラス内張り装置または耐食合金製装置であり得る。
【0037】
より詳細な工程説明を添付図を参照して以下に行う。
図を参照した臭素置換工程の詳細な説明
好適な臭素置換ポリスチレン製造工程技術を本明細書に記述する。本明細書に特に示さない限りまた本明細書の如何なる請求の範囲にも明記しない限り本発明はそのような好適な工程技術の全部の使用にも如何なる部分の使用にも限定されないことは理解されるであろう。
【0038】
このような好適な方法を用いて臭素置換ポリスチレンを生じさせる時に用いるに有用なポリスチレンはこの上に記述したポリスチレン類のいずれかである。また、この上に述べたように、ポリスチレンが添加剤を含まないのが好適である。再び、最も好適なポリスチレン反応体はDow Chemical Companyが販売しているStyron 612である。
【0039】
この好適な方法で用いる触媒は、アルミニウムを基とする触媒のいずれかであり得、例えばAlCl3、AlBr3およびAlのいずれかであってもよい。また、アルミニウム触媒の混合物を用いることも可能である。この触媒を反応装置に添加した後、これは触媒活性を有意に失うことなくある種の反応を起こす可能性があり、例えばICl3はある程度ではあるがAlBr3に変わる可能性がある。入手性および価格が理由でAlCl3が選択した触媒である。
【0040】
この触媒を求める触媒効果が得られるに充分な量で用いる。このような触媒量は当該触媒の活性に依存するであろうが、臭素置換を受けさせるスチレン系重合体の重量を基準にして一般に0.2から5重量パーセントの範囲、好適には0.5から5重量パーセントの範囲内に入るであろう。触媒の活性が高ければ高いほど使用量を少なくする一方、触媒の活性が低ければ低いほど使用量を多くする。AlCl3を触媒として用いる場合には、0.5から3重量パーセントの範囲内の量が好適である。
【0041】
臭素化剤は好適には臭素である。臭素は2原子形態で商業的に入手可能であり、或はHBrの酸化でそれを生じさせることも可能である。Br2は液体または気体のいずれかで供給可能である。本方法で用いる臭素化剤の量は、供給する臭素化剤全体とスチレン重合体全体の全体モル比が前記重合体に含まれるスチレンモノマー単位当たりの臭素置換数が1から3になるようにすべきである。この臭素置換を受けたポリスチレンが臭素を少なくとも約67重量%、望ましくは臭素を少なくとも約68重量%、最も好適には臭素を約69から71重量%の範囲で含有するようにするのが好適である。この方法で用いる臭素化剤の量は、所定スチレン重合体毎に選択した工程パラメーター(process parameters)を用いて得ることができる最大の臭素含有量を考慮に入れて望まれる臭素含有量で決定されるであろう。要求される臭素含有量が高ければ高いほど臭素化剤を多く用いる必要がある。過臭素置換(perbromination)に近付くにつれて最後の臭素置換が困難になることを指摘する。臭素化剤を更により多い量で添加しても必ずしもそのような困難さが軽減されるとは限らない。しかしながら、臭素含有量を最大限にしようと試みる場合には、臭素化剤を若干化学量論的過剰量で供給するのが役立つ。約10%に及ぶ化学量論的過剰量が好適である。この化学量論は、求める1置換当たりに1モルのBr2が必要であるとして容易に決定される。実際、実施者は、求める臭素含有量を重量基準で決定した後、それを得るに必要な臭素化剤のモル数を理想化した基準を基にして計算するであろう。例えば、スチレン系重合体がポリスチレンでありそして求める臭素含有量が68重量%であるとすると、必要な臭素の量はスチレン系モノマー(styrenic monomer)単位当たり少なくとも2.7モルであろう(いくらか望まれる化学量論的過剰量を含まない)。
【0042】
反応槽に臭素の全部をポリスチレン−ブロモクロロメタン溶液と一緒に添加してもよいか或は臭素の一部を前以て添加しておいてその残りを前記溶液と一緒に添加することも可能である。予備添加を用いる場合には、そのような前以て添加しておく部分を本方法で用いる臭素全体の0.5から20%の量にする。
【0043】
この上に臭素化剤とスチレン系重合体の間の全体的量関係を記述してきたが、供給混合物に含める前記2つの反応体の量関係に関しては充分な考察を行ってこなかった。供給すべき混合物を、一般に、臭素化剤をスチレン系モノマー単位1モル当たり1から8モル用いて供給時間の間のいずれかの時点で生じさせる。この供給時間中の量関係は一定であってもよいか或は上述した範囲内で変えることも可能である[前記範囲外のいくらかの偏位(excursion)もそれが本方法の効率にも生成物の品質にも有意な害を与えない限り許され得る]。そのような供給混合物を生じさせる時の好適な範囲はスチレン系モノマー単位1モル当たり2.5から5モルの臭素化剤である。理解されるであろうように、スチレン系モノマー単位に対する臭素化剤のモル比がその選択した臭素化剤とスチレン系モノマー単位の全体的モル比よりも小さいか或は大きいと言った量で臭素化剤を供給混合物中で用いると、結果として、混合物成分としての臭素化剤またはスチレン系重合体のいずれかが他の成分が枯渇する前に枯渇してしまうであろう。例えば、実施者が臭素含有量が70重量%の臭素置換ポリスチレンを製造することを選択したならば、臭素とスチレン系モノマー単位の全体的モル比を3.0:1にするのが適切であり、望まれるならばいくらか過剰にすることも可能である。実施者が臭素とスチレン系モノマー単位のモル比が1:1である供給混合物を生じさせることを選択したならば、必要な全体的量の臭素を得る前にポリスチレンの供給すべき量が完了してしまうことが分かるであろう。この場合、実施者は最初に1:1の混合物を用いた後、ポリスチレン供給材料が枯渇した後に臭素供給材料のみを用いて継続することになる。他方、供給混合物中のモル比が5:1になるように選択した場合には、臭素が最初に枯渇し、そしてポリスチレン単独を用いて供給を終了させる必要があるであろう。一般的には、全体のモル比と供給混合物の比率を少なくともいくらか同様にするのが好適である。しかしながら、全てのケースで、初期の供給材料に含める臭素とスチレンモノマー単位のモル比を好適には少なくとも1:1にすべきである。
【0044】
本方法で用いる臭素は本質的に無水、即ち水の含有量が100ppm(重量を基準)未満でありかつ有機不純物、例えば油、グリース、カルボニル含有炭化水素、鉄などの含有量が10ppm以下であるのが好適である。入手可能な商業グレードの臭素はそのような不純物を含有している可能性がある。しかしながら、そのような臭素が入手不能な場合には、臭素と濃(94−98パーセントの)硫酸を3対1の体積比で一緒に混合することを通して臭素の有機不純物含有量および水含有量を便利に低くすることができる。2相混合物が生じ、これを10−16時間撹拌する。撹拌そして沈降させた後、不純物と水を伴う硫酸相を臭素相から分離する。臭素の純度を更に向上させる目的でその回収した臭素相に蒸留を受けさせることも可能である。
【0045】
臭素置換に好適な有機溶媒、即ちブロモクロロメタンを好適には本質的に無水にし、水の含有量(重量を基準)を100ppm未満にする。この溶媒の水含有量を実際に得ることができる少量、即ち10から30ppm(重量を基準)の範囲にするのが最も好適である。
【0046】
本方法では反応マスが無水の状態であると利点が得られる。水はアルミニウム触媒の触媒活性に影響を与える傾向があり、このような影響によってスチレン環の迅速な芳香臭素置換(aromatic bromination)が邪魔される可能性がある。ある理由で、実施者が水を工程に多い量で入れそして脱水が実施不能な時には、単に触媒の使用量を多くすることでそのような状況を克服することも可能であり得る。
【0047】
ブロモクロロメタンとスチレン系重合体の溶液を生じさせておくと、前記重合体の取り扱いが容易になりかつ臭素との混合が容易になる。このような溶液の重合体含有量を好適には5から50重量%にする。重合体含有量が5から30重量%の溶液がより高度に好適である。
【0048】
臭素/スチレン系重合体混合物に供給する臭素置換用触媒が溶液、スラリー、分散液または懸濁液の状態になり得るように前記触媒をブロモクロロメタンと一緒にしておくのが好適である。そのようにすると反応マスの混合が向上しかつ質量移動品質(mass transfer qualities)が向上するであろう。このブロモクロロメタンと触媒の混合物は懸濁液であるとして最良に記述される。ブロモクロロメタンをブロモクロロメタンと触媒の全重量を基準にして一般に95から99.9重量%、好適には99から99.8重量%の量で用いるのが適切である。
【0049】
工程装置が発熱過程に由来する熱負荷、発生するHBrおよび他の工程懸念を処理する能力を考慮に入れて、スチレン系重合体/臭素化剤の混合物の供給を迅速に行うべきである。簡単に述べると、決定的工程パラメーターから外れた偏位が起こらないようにしながら装置が許容する最も短い時間で供給を行ってもよい。商業的規模のプラントの場合の供給時間は一般に0.5から3時間になると予測される。工程の規模が小さくなればなるほど供給時間が短くなると予測される。
【0050】
臭素置換反応は−20℃から60℃の範囲内の温度で実施可能である。望ましくは、臭素置換の温度を−10℃から10℃の範囲内に維持する。最も好適な温度は−10℃から0℃の範囲の温度である。この上に示したように、最後に述べた範囲の温度を用いると品質が最高の生成物が生じ、かつ驚くべきことに、反応自身もそのような低い温度において工程が商業的生産要求に合致するような適切に速い速度で進行する。圧力は大気圧、大気圧以下または大気圧以上であってもよい。
【0051】
本方法を実施する時、容易に撹拌可能な懸濁液が得られるように臭素置換用触媒、即ちAlCl3を本質的に無水のブロモクロロメタンに入れて懸濁させる。この懸濁液の調製をガラス内張り撹拌反応槽内で行って−10℃から−5℃の範囲内の温度に持って行く。この反応槽内に入っている混合物を不活性な乾燥雰囲気下に維持する。スチレン系重合体とブロモクロロメタンが入っている溶液を生じさせた後、臭素の流れと密に混合することで均一な混合物を生じさせる。この混合物を前記反応槽内で撹拌している臭素置換用触媒懸濁液に供給する。このスチレン系重合体溶液と臭素の密な混合は数多くの方法で実施可能である。例えば、前記溶液と臭素を混合用装置、例えば反応槽内の懸濁液レベルの下方地点にまで伸びているディップチューブ(diptube)の下方末端の所に位置する混合用ノズルなどに供給してもよい。この混合用装置の設計を前記溶液と臭素の密な混合が得られるような設計にする。この混合用装置は、また、混合エネルギーを前記密な混合物および触媒懸濁液に供給時点で与える働きもする。スチレン系重合体溶液と臭素化剤の密な混合を得る別の技術は、インラインミキサー(in−line mixer)、例えば衝突ミキサーなどが備わっている外部反応槽ループ(exterior reactor loop)を用いる技術である。このような外部反応槽ループの使用は、一般に、反応槽に最初に臭素置換用触媒のスラリー、即ち懸濁液を仕込んだ後、反応槽から流れを取り出し、その流れを次に反応槽の外側に位置するミキサーに送ることを包含する。また、少なくとも臭素とスチレン系重合体から生じさせた混合物も前記ミキサーに供給することで2番目の混合物を生じさせるが、これを前記2つの供給材料を前記ミキサーに送り込むことで生じさせる。次に、この2番目の混合物を前記反応槽に戻す。この反応槽から出て来る流れは、最初、触媒を含有しているであろう。この2番目の混合物を前記反応槽に供給して工程を実施した後に取り出される流れは触媒と一緒に臭素置換ポリスチレンを含有し始めるであろう。この工程を継続するにつれて、ポリスチレンの臭素置換度合が高くなって行くであろう。
【0052】
図1を参照して、外部反応槽ループの使用を実証するが、図1に、番号1で一般的に表示する反応槽を示す。反応槽1は撹拌反応槽であり、これに触媒とブロモクロロメタンを含んで成る懸濁液を最初に入れる。1つの流れを反応槽1から反応槽排出導管4に通してポンプ5に送る。この流れはポンプ5で加圧されて導管7を通って強制的に衝突ミキサー10に送られる。臭素を導管20に通してポンプP1に送ると同時にポリスチレンとブロモクロロメタンの溶液を導管22に通してポンプP2に送る。ポンプP1およびP2は臭素とポリスチレンと溶媒の密な混合物が得られるようにインラインミキサー11への供給を行う。この密な混合物は衝突ミキサー10に送られて、その中で反応槽1から来る流れと密に混ざり合う。衝突ミキサー10の排出液は導管33によって反応槽1に供給口3を通して送られる。反応槽1の内容物の取り出しと衝突ミキサー10への供給を少なくとも前記臭素とポリスチレン/ブロモクロロメタン溶液が実質的に全部送り込まれるまで継続する。
【0053】
理解されるであろうように、反応槽1の内容物は前記臭素とブロモクロロメタンの溶液を供給している間に組成の点で変化する。反応槽1の内容物は、最初、触媒と溶媒を含んで成る。この過程が進むにつれて、反応槽の内容物は臭素置換を受けたポリスチレン(これのいくらかは臭素置換が完全でなくそしていくらかは求める臭素置換度のものである)を含むようになりかつそれの量が豊富になって来る。この反応期間の最後の段階の間に最終的な臭素置換が起こることで所望の臭素置換レベルが達成される。
【0054】
ディップチューブミキサーを用いるか或は外部衝突ミキサー(exterior impingement mixer)を用いるか否かに拘らず、スチレン系重合体の臭素置換によってHBrが主要な副生成物として生じるであろう。この過程で生じるHBrは、通常、反応槽内容物の上のヘッドスペース(head space)内に存在する。このHBrを除去して水スクラバー(water scrubber)に送り込むか或は乾燥HBrとして貯蔵するのが好適である。反応槽内容物の上の詰物(pad)として乾燥した不活性ガス、例えば窒素などを用いることでそこに存在する水の量を最小限にすることができる。
【0055】
前記スチレン系重合体および/または臭素化用供給材料(brominating feed)を供給している間、前記反応槽を、全てのケースで、好適には低い温度、例えば−10℃から0℃の温度に維持するが、場合により、最も好適には−10℃から−5℃に維持する。また、この供給が終了した後も反応槽を反応温度(望ましくは−10℃から約10℃の範囲、好適には−10℃から約0℃の範囲)に5分から2時間、好適には5から20分間維持する。前記供給が終了した後のそのような追加的時間は、臭素置換を所望度合の臭素置換が達成されるまで続けるためのものである。そのような時間は、臭素−ポリスチレン供給中の反応パラメーターが穏やかな臭素置換条件を与える場合の方が、前記供給中の選択したパラメーターがより過激な臭素置換条件を与える場合よりも長くなるであろう。前記供給が終了した後の追加的時間の間、反応マスを反応槽内に保持しておいてもよい。
【0056】
所望度合の臭素置換が達成された時点で、反応マスを水、亜硫酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムで処理することで、前記触媒を失活させ、いくらか残存する臭素化剤を失活させ、反応マスのpHを調整し、かつ本発明に従って、臭素置換を受けたポリスチレンの中にアルカリ金属塩基を適切な量で取り込ませる。このような処理を行った後、反応マスを沈降させることで、臭素置換を受けたスチレン系重合体生成物を溶質として含有する有機相と水相を含む2相反応マスを得る。その水相をデカンテーションで除去し、そして残存する有機相から溶媒成分を除去する。前記有機相を沸騰しているか或はほぼ沸騰している水の中に注ぎ込むことを通してそのような除去を達成するのが最も便利である。前記溶媒が瞬間的に蒸発して出て行くにつれて、その残りの液相中に臭素置換スチレン系重合体生成物粒子が沈澱物として生じてそれから分離し、それと同時に、本発明に従い、その粒子状の臭素置換ポリスチレンが生成する時に塩基が前記臭素置換ポリスチレンの中に適切な量で取り込まれる。回収が容易な沈澱物が生じるようにする補助で界面活性剤、例えばスルホこはく酸ジオクチルのナトリウム塩などを前記熱水に添加するのが好適である。以下に示す実施例4を参照のこと。用いるスルホこはく酸ジオクチルの量は水と界面活性剤の全重量を基準にして0.01から0.05重量%の範囲内であり得る。前記沈澱物は如何なる液体−固体分離技術で回収されてもよく、例えば濾過、遠心分離などで回収可能である。次に、この回収した沈澱物を乾燥させる。
本発明の組成物を難燃剤として使用
本発明の臭素置換ポリスチレン組成物を熱可塑性プラスチック配合または発泡体用途で難燃剤として用いる時、これを5から20重量%(この重量%は配合の全重量を基準にした重量%である)の範囲内の量で用いる。熱可塑性プラスチック、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリカーボネートおよびポリスルホンが典型的な基質樹脂(substrate resins)である。本主題臭素置換ポリスチレン組成物によって最も利益を受け得る熱可塑性プラスチックはエンジニアリング熱可塑性プラスチック、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートおよびポリアミド樹脂などである。この配合または発泡体に適宜通常の添加剤、例えば難燃相乗剤であるアンチモン、抗酸化剤、UV安定剤、顔料、衝撃改良剤、充填材、酸捕捉剤、発泡剤、ガラス繊維または他の補強用材料などを含めることも可能である。
分析方法
本発明の熱に安定な臭素置換ポリスチレン組成物はアルカリ金属塩基(例えばNaOHまたはそれの残基)を本難燃剤をブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時に結果として得られる水抽出液が少なくとも約9.0のpHを示すように約1重量%未満の量で含有することを思い出していただきたい。臭素置換ポリスチレンのサンプルに入っているアルカリ金属塩基の重量%を測定する有用な方法は下記の通りである:臭素置換ポリスチレン組成物のサンプルを典型的に1から1.2グラム量り取る(0.1グラム最寄りで)。このサンプルを125ミリリットル(mL)のガラス製分液漏斗に入れる。この分液漏斗にブロモクロロメタン(BCM)を50mL加えて、この漏斗をストッパーで閉じた後、この漏斗を振とうすることでサンプルを溶解させる。次に、前記ストッパーを外して分液漏斗を開けた後、この分液漏斗の内容物に水(pH7)を50mL加える。ストッパーを再び取り付けて、良好な混合を確保する目的で前記分液漏斗を激しく振とうする。次に、液相分離が起こり得るように前記漏斗を静止状態に維持する。下方のBCM層を排出させて適切かつ安全な様式で処分する。前記分液漏斗に残存する水層を排出させて100mLのガラスビーカーに入れる。次に、適切な較正を受けさせておいた通常の自動滴定装置を用いて前記溶液を0.1Nもしくは0.01NのHClで滴定する。別法として、前記ビーカーに入っている内容物に3A Alcohol中0.1重量%のフェノールフタレイン溶液を3−5滴加えた後、結果として生じた溶液を0.1Nもしくは0.01NのHClで無色の終点になるまで滴定する。臭素置換ポリスチレン組成物を生じさせる時に用いた塩基が水酸化ナトリウムである場合には、前記サンプル(サンプル中の塩基がNaOHとして存在すると仮定)中のNaOHの重量パーセントを式:
NaOH(重量%)=N(HCl)xV(HCl)x40.01g/NaOHのモルx100/1000mL/Lxサンプルの重量(グラム)
を用いて計算し、ここで、N(HCl)は、用いたHClのモル規定であり、そしてV(HCl)は、終点に到達するまでに用いたHClの体積である。他のアルカリ金属塩基の量も同様に測定を行って前記式中の分子量係数を適切に調節することによって計算可能である。
【0057】
臭素置換ポリスチレン組成物のpHを測定する手順は下記の通りである:ビーカーに典型的なサンプルを1グラムから1.5グラム量り取って(0.1グラム最寄りで)入れ、それを50mLのBCMに溶解させる。次に、二酸化炭素が出て行くように沸騰させておいたpHが7の水を50mL加える。その結果として生じた混合物を磁気撹拌機で2つの液相が密に混ざり合うように激しく2から5分間撹拌する。次に、前記ビーカーに入っている2相が分離するように撹拌機の速度を下げ、そしてpH電極を下げて上方の層のみに入れる。同じ日に較正を受けさせておいたHach EC−10 pHメーター(または相当品)を用いて上方の層のpHを測定する。
【0058】
本発明の組成物が示すpHのレベルを測定する手順に加えて、本発明の好適ないろいろな態様に関連して他の分析方法を用いることも可能であり、本組成物は、この上に記述した手順に従って必要なpHを示すばかりでなく、加うるに、他の重要な特性または属性も示し、例えば高い臭素含有量、低いイオン性ブロマイド含有量、適切な明るい色、高い熱安定性および所望のMw値も示す。
【0059】
臭素置換ポリスチレンはテトラヒドロフラン(THF)などの如き溶媒中で良好な溶解度を示すことから、臭素置換ポリスチレンの全臭素含有量の測定は通常のX線蛍光技術を用いて容易に達成される。分析を受けさせるサンプルは希釈サンプル、即ち臭素置換ポリスチレンを60mLのTHFに0.1±0.05g入れたサンプルである。XRF分光測定装置はPhillips PW1480 Spectrometerであってもよい。ブロモベンゼンがTHFに入っている標準溶液を較正標準として用いる。本明細書に記述しそして本実施例に報告する臭素値は全部XRF分析方法を基にした値である。
【0060】
本発明の臭素置換ポリスチレンの色属性を測定する時にも臭素置換ポリスチレンが入手が容易な溶媒、例えばクロロベンゼンなどに容易に溶解することを再び利用する。用いる分析方法は極めて簡単である。臭素置換ポリスチレンを5g±0.1g量り取って50mLの遠心分離管に入れる。この管にまたクロロベンゼンも45g±0.1g加える。この管を密封してリストアクション(wrist action)の振とう機で1時間振とうする。この1時間の振とう時間後、前記溶液を溶解しなかった固体に関して検査する。曇りが存在している場合、前記溶液の遠心分離を4,000rpmで10分間行う。この溶液がそれでも透明でない時には、遠心分離を追加的に10分間行う。この溶液が曇ったままの場合には、正確な測定を行うのは不可能であるとしてそれを廃棄すべきである。しかしながら、透明が溶液が得られたならば(ほとんどの場合得られる)、これに、HunterLab ColorQuest Sphere Spectrocolorimeterを用いた試験を受けさせる。透過長が20mmの透過用セルを用いる。比色計を「Delta E−lab」に設定して、色をΔEとして報告しかつ色値を「L」、「a」および「b」で示す。
【0061】
TA Instruments DSC Model 2920を用いてDSC値を得た。サンプルを窒素下10℃/分で25℃から400℃にまで加熱した。
【0062】
熱重量分析(TGA)を用いて従来技術の臭素置換ポリスチレンと本発明の臭素置換ポリスチレンの両方が示す熱挙動を試験する。TA Instruments Thermogravimetric Analyzerを用いてTGA値を得る。各サンプルをPt製鍋の上に置いて、50−60ml/分の窒素流を用い、10℃/分で25℃から約600℃にまで加熱する。
【0063】
Watersモデル510 HPLCポンプを用いかつWaters Refractive Index Detector, Model 410およびPrecision Detector Light Scattering Detector, Model PD2000を検出器として用いたGPCでMw値を得た。カラムはWaters, μStyragel, 500Å, 10,000Åおよび100,000Åであった。オートサンプラーはShimadzu, Model Sil 9Aであった。常規通りポリスチレン標準(Mw=185,000)を用いて光散乱データの精度を調べた。使用した溶媒はHPLCグレードのテトラヒドロフランであった。用いた試験手順は、0.015−0.020gのサンプルを10mLのTHFに溶解させることを伴っていた。この溶液の一定分量を濾過して50μLを前記カラムに注入する。Precision DetectorsがPD 2000 Light Scattering Detectorで供給しているソフトウエアを用いて分離の分析を行った。
【0064】
式:
理論的MwBrPS=MwPS/(1−臭素の重量パーセント)
に従って計算した理論的Mw値を得た。
【0065】
サンプルの熱安定性を測定しかつ腐食の可能性を推定する目的で米国特許第5,637,650号に記述されている如き下記の試験手順を用いた。各サンプルの実験を重複して行う。2.00±0.01gのサンプルを新しい奇麗な20x150mmの試験管に入れる。ネオプレン製ストッパーとビトン(Viton)(商標)フルオロエラストマー製管材を用いて、前記試験管から出る気体が3個の250mLサイドアームフィルターフラスコ(sidearm filter flasks)(各々に0.1NのNaOHが200mLとフェノールフタレンが5滴入っている)に入っている表面下気体分散用フリット(subsurface gas dispersion frits)の中に連続的に送られるように前記試験管を窒素パージライン(purge line)につなげる。0.5 SCFHの一定窒素パージを用いて、前記試験管を溶融塩浴液(molten salt bath)(51.3%KNO3/48.7%NaNO3)中で300℃に15分間加熱した後、周囲温度に5分間置く。次に、このサンプルが入っている試験管を奇麗な乾燥した試験管に置き換えた後、この空の試験管を300℃の塩浴液に入れながら前記器具を窒素で追加的に10分間パージ洗浄する。この試験管、管材および気体分散用管の全部を脱イオン水で濯いだ後、この濯ぎ液を前記3個の収集用フラスコに入っている溶液と定量的に(quantitatively)一緒にする。この一緒にした溶液を1:1のHNO3で酸性にした後、自動電位差滴定装置(Metrohm 670、716、736または相当品)を用いて、前記溶液を0.01NのAgNO3で滴定する。結果をHBrのppm、HClのppmおよびHBr相当物のppmとして下記の如く計算する:
ppm HBr=(EP 1)(N)(80912)/(サンプル重量)
ppm HCl=(EP 2-EP 1)(N)(36461)/(サンプル重量)
ppm HBr 相当物=(EP 2)(N)(80912)(サンプル重量)
ここで、EP(x)=終点に到達するまでに用いたAgNO3のmL;そしてN=AgNO3のモル規定。
前記管材を次の分析を行う前に窒素で徹底的に乾燥させる。実験日毎に1番目のサンプルを実験する前に3個の空の奇麗な試験管をブランクとして実験することで、系内に残存ハロゲン化水素が全く存在しないことを確かめる。
【0066】
本出願全体に渡って、PSを用いる場合、これをポリスチレンを表示する目的でそれと互換的に用い、これはポリスチレンを意味する一方、Sty.はスチレンを意味する。用語「Mw」は、以下に記述するGPCで測定(光散乱検出器)した時の重量平均分子量を意味する。
【0067】
実施例1に、共通所有の先行出願に記述した如き臭素置換ポリスチレンを製造する好適な一般的手順を示す。
【0068】
(実施例)
実施例1
5Lのジャケット付きガラス製反応槽に機械的パドル撹拌機、コンデンサおよびサーモウエル(thermowell)を取り付けて、前記反応槽内でブロモクロロメタン(BCM、水が9ppm)が770.0gでAlCl3が2.775gの混合物を調製した。この反応槽の入り口にジャケット付きガラス製混合用T字管を取り付けて、それに臭素(533.35g、3.337モル)そして134.00g(1.287/nモル)のポリスチレン(Mitsubishi Kasei Plytex、Mw=270,000)が1204gのBCMに入っている溶液をそれぞれ8.74g/分および20.27g/分の平均速度でポンプ輸送した。前記反応槽および混合用T字管を1時間の供給時間および次の1時間の処理(cook)時間の全体に渡って循環グリコール浴で冷却して0℃から2℃の温度に維持した。次に、この反応混合物を水で洗浄した後、グルコン酸ナトリウム水溶液と亜硫酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合物で中和した。その有機相を追加的BCM(1450g)で希釈した後、この溶液を、スルホこはく酸ジオクチルのナトリウム塩(界面活性剤)が0.25g入っている1.8Lの熱(90℃−94℃)水に滴下することで、生成物を沈澱させかつ溶媒を留出させた。このスラリーを濾過して、オフホワイト(off−white)の固体を水で洗浄した。乾燥を150℃で一定重量になるまで行うことで389.8g得た。
【0069】
実施例2および3では米国特許第5,532,322号の教示に従って臭素置換ポリスチレンを調製する。
【0070】
実施例2(比較)
5Lのジャケット付きガラス製反応槽に機械的パドル撹拌機、コンデンサおよびサーモウエルを取り付けて、前記反応槽内で75.10g(0.721/nモル)のポリスチレン(Mitsubishi Kasei Plytex、Mw=270,000)が750gの1,2−ジクロロエタン(EDC、水を12ppm含有)が入っている溶液を調製した。前記反応槽に備わっているジャケットにエチレングリコール液を循環させることで反応温度を制御した。前記ポリスチレン溶液を15℃に冷却した後、それに酸化アンチモン(III)を11.03g加えた。149.7g(0.937モル)の臭素と66.3g(0.935モル)の塩素が505gの冷(−5℃)EDCに入っている溶液(前以て調製)を冷却されている塩化臭素供給用貯蔵槽に取り付けられているディップチューブに通して前記反応槽内の液面下に加えた。この2時間の添加中に反応温度がゆっくりとと10℃から25℃にまで上昇した。次に、この混合物を30℃にハロゲン化水素の発生が終了[前記反応槽の排出ガスラインに取り付けた苛性スクラバーの重量上昇が完了することで示されるように(1.5時間)]するまで保持した。この反応混合物を水で洗浄した後、亜硫酸ナトリウム水溶液と苛性で中和した。次に、その有機相を3.5Lのメタノールに滴下することで、生成物を沈澱させた。このスラリーを濾過して、固体をメタノールで洗浄した。真空乾燥を150℃で行った後、明黄色の固体(生成物1)の重量は203.7gであった。
【0071】
実施例3(比較)
230.8g(2.00モル)の市販塩化臭素と80.20g(0.770/nモル)のポリスチレンと11.77gのSb23を用いて実施例2を繰り返した。水で洗浄して中和した有機相を等しく2分割した。一方を実施例1と同様に1.5Lのメタノールに加えることで、乾燥を150℃で一定重量になるまで行った後に101.6gの明黄色固体(生成物A)を得た。もう一方を1.9Lの熱(89℃−94℃)水に滴下することで、生成物を沈澱させかつ溶媒を留出させた。乾燥させた明黄色の固体(生成物B)の重量は100.3gであった。
【0072】
実施例4に、本発明の好適な臭素置換ポリスチレン組成物の好適な製造方法を説明する。
【0073】
実施例4
実施例1の手順を繰り返し、そして反応混合物を水で洗浄した後にグルコン酸ナトリウム水溶液と亜硫酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合物で中和する段階で、水酸化ナトリウム水溶液の量を、この過程で生じる臭素置換ポリスチレン組成物の乾燥サンプルにこの上に記述したpH測定手順を受けさせた時に9.3のpHを示す水抽出液が得られるような量にする。
【0074】
実施例5および6に本発明のあまり好適ではない手順を示し、この場合には、前以て生じさせておいた臭素置換ポリスチレンに塩基を導入する。実施例5では、以下に示す実施例16に実質的に記述する如く臭素置換ポリスチレンを生じさせる。実施例6における臭素置換ポリスチレンはFerro CorporationのPyro−Chek 68PB難燃剤である。
【0075】
実施例5
(i)この上に記述したpH測定手順を受けさせた時に8.5のpHを示す臭素置換ポリスチレン粉末と(ii)水酸化ナトリウム粉末を結果として生じる混合物がNaOHを0.11重量%含有するような量で一緒に混合することで粉末ブレンド物を生じさせる。その結果として生じた粉末ブレンド物は、これにこの上に記述したpH測定手順を受けさせた時、約9.5−10.5の範囲のpHを示す水抽出液を与える。
【0076】
実施例6
Pyro−Chek 68PB難燃剤と0.11重量%の微細水酸化ナトリウムを一緒に混合することで粉末ブレンド物を生じさせる。
【0077】
表Iに、実施例1−3で生じさせた臭素置換ポリスチレン生成物の特性の編集を示す。加うるに、Ferro CorporationのPyro−Chek 68PB難燃剤の特性も示す。Pyro−Chek 68PB難燃剤は米国特許第4,352,909号の教示に従って作られた難燃剤であると考えている。
【0078】
【表1】
Figure 0004791633
【0079】
実施例7から10に、臭素置換ポリスチレンを生じさせる時に用いることができる他の有用な臭素置換ポリスチレン製造方法を示す。好適には、実施例4に記述した様式で、無機アルカリ金属塩基を適切な過剰量で導入する。実施例5に示した如き粉末ブレンド手順を実行することも可能ではあるが、しかしながら、これは無機アルカリ金属塩基を導入するにはあまり有効な方法ではない。
【0080】
実施例7
5Lのジャケット付き反応フラスコを前記ジャケットにグリコール液を循環させることで0℃に冷却しながら、この反応フラスコに乾燥(水が10ppm)ブロモクロロメタン(BCM)を1549.83g入れ、これに塩化アルミニウムを7.209g分(54.1ミリモル)懸濁させた(250rpmで撹拌)。PS(360.96g、3.4657/nモル)が乾燥BCMに10.00重量%入っている溶液(3250.44g)を2番目の5Lフラスコ内で調製した。用いたポリスチレン(PS)はDow Chemical CompanyのStyron 612ポリスチレンであった。このポリスチレンは190,000のMwを示した。このPSの溶液をこの供給材料の貯蔵装置に備わっている下部のバルブから前記反応フラスコに取り付けられているグリコール冷却ジャケット付き混合用T字管にポンプ輸送した。それと同時に、臭素を風袋を量っておいた供給材料貯蔵槽から前記同じ混合用T字管にポンプ輸送することで前記ポリスチレン溶液と一緒にした後、前記反応フラスコ内で撹拌している触媒懸濁液に滴下した。Masterflex(商標)7550−90ポンプを2つ用いた。PS供給装置では全体がテフロン(Teflon)製の供給ラインを用い、ポンプヘッド77390を60rpmの一定速度で作動させた。それによって1分当たり21.02/nミリモル(21.89g/分)のPSから成る一定の供給速度が得られた。臭素供給装置では、テフロン管材とビトン管材の組み合わせを用い、ポンプヘッド7518−10を最初の18分間は70.05ミリモル/分の速度で作動させ、18−23分間は38.80ミリモル/分の速度で作動させそして23−165分間は56.75ミリモル/分の速度で作動させた。両方の供給とも165分で終了した。Br2/PSの全体のモル比は2.70であった。ポリマーが反応フラスコに完全に移送されるのを確保する目的でPS溶液供給装置の濯ぎで乾燥BCMを260.95g用いた。この添加全体そして次の2.3時間の処理全体に渡って反応温度を0℃から4℃に維持した(反応槽の塔頂部分を窒素でパージ洗浄しながら)。排出ガス用の苛性スクラバーの重量上昇は665.4gであった(HBrの理論値の87.8%)。10重量%のグルコン酸ナトリウム水溶液を125.0g添加することで触媒を失活させた。10重量%の亜硫酸ナトリウム水溶液を63.41g分加えた後、10重量%のNaOH水溶液を423.0g加えることでpHを14に調整した。BCM(1334.6g)を用いた希釈を行った後、その有機相を分離して水(1011.8g)で洗浄した。この有機相を激しく撹拌している熱(90℃−94℃)水(これにスルホこはく酸ジオクチルのナトリウム塩を1.23g添加しておいた)に加えることを通して、生成物を回収した。溶媒が前記熱水から留出することで、臭素置換ポリスチレン生成物が水に入っているスラリーが残存した。このオフホワイトの固体を吸引で濾過した後、水で濯ぎ、真空オーブンに入れて1085.98g(97.9%の収率)の一定重量になるまで乾燥(150℃/2トール/5時間)させた。
【0081】
実施例8
2Lのフラスコを用いて、ポリスチレンを40g用い、AlCl3の重量%(ポリスチレンを基準)を2.0重量%にし、ポリスチレンに対する臭素の供給モル比を3.33にし、臭素の全当量を2.78にし、温度の範囲を0℃から5℃にし、臭素/ポリスチレンの供給時間を32分/38分にしそして処理時間を150分にする以外は実施例7の手順に従った。
【0082】
表IIに、実施例7および8で生じさせた臭素置換ポリスチレンの特性のいくつかを示す。
【0083】
【表2】
Figure 0004791633
【0084】
実施例9
1Lのジャケット付きフラスコを前記ジャケットにグリコール液を循環させることで0℃に冷却しながら、このフラスコに乾燥(水が13ppm)ブロモクロロメタン(BCM)を190g入れ、これに塩化アルミニウムを0.910g分(6.82ミリモル)懸濁させた(250rpmで撹拌)。ポリスチレン(403.1/nミリモル)が乾燥BCMに10.00重量%入っている溶液(419.86g分)を8.46g/分(8.13ミリモル/分)の一定速度で前記反応フラスコに取り付けられているグリコール冷却ジャケット付き混合用T字管にポンプ輸送した。それと同時に、臭素を6.09g/分(38.1ミリモル/分)の一定速度で前記同じ混合用T字管にポンプ輸送することで前記ポリスチレン溶液と一緒(Br2/PSの供給モル比は4.69である)にした後、前記反応フラスコ内で撹拌している触媒懸濁液に滴下した。30.0分後に臭素の供給を止め(1143.5ミリモル)、そして49.6分後にポリスチレン溶液の供給を止めた(Br2/PSの全体モル比は2.84である)。ポリマーが反応フラスコに完全に移送されるのを確保する目的でポリスチレン溶液供給装置の濯ぎで乾燥BCMを160g用いた。この添加全体そして次の2時間の処理全体に渡って反応温度を0℃−5℃に維持した。10重量%のグルコン酸ナトリウム水溶液を16.4g添加することで触媒を失活させた後、10重量%のNaOH水溶液を60.7g加えることでpHを14に調整した。この反応混合物を10重量%の亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、水で洗浄した。この有機相を激しく撹拌している熱(90℃)水(スルホこはく酸ジオクチルのナトリウム塩である界面活性剤が0.02重量%入っている)に加えることを通して、生成物を回収した。溶媒が前記熱水から留出することで、臭素置換ポリスチレン生成物が水に入っているスラリーが残存した。粉末状の固体を濾過して水で濯いだ後、真空オーブンに入れて一定重量になるまで乾燥(150℃/2トール/5時間)させた。この乾燥させた固体の重量は127.08g(95%収率)であった。この生成物はBrを全体で69.6重量%含有していた。HunterLab溶液色(クロロベンゼン中10重量%)値はL=94.58、a=−2.79、b=17.29、デルタE=18.34であった。
【0085】
実施例10
冷却用ジャケットが備わっているY字形の混合装置に供給用ラインを2つ取り付けて、それらの各々をポンプにつなげた。前記供給用ラインの1つは臭素搬送用でありそしてもう一方はPSとBCMの溶液を搬送するためのラインであった。臭素(93.3g、31.3ml、即ち0.583モル)を1ml/分(19.4ミリモル/分)の速度で搬送しかつPS/BCM溶液(PSが22.4g、即ち0.215モルで無水BCMが97ml、即ち194g)を4ml/分(7.17ミリモル/分)で搬送して、それらを個々の供給用ラインから同時に前記冷却(5℃)されているY字形混合装置に送り込んだ。次に、その結果として生じた密な混合物を前記混合装置から0.45g(PSを基準にして2重量%)の塩化アルミニウムが49mL(98g)の無水BCMに入っている冷(5℃)懸濁液に送り込んだ。この反応中に発生したHBrを苛性溶液で洗浄した。前記供給は35分で完了し、そしてその混合物を5℃で2時間処理した。水洗浄そして亜硫酸ナトリウム洗浄を行った後、この上に記述したように500mlの熱(90℃)水を用いて沈澱を起こさせることで固体状のBrPSを単離した。BrPSを全体で66g(97%収率)得た。この生成物はBrを全体で68.4重量%含有していた。HunterLab溶液色(クロロベンゼン中10重量%)値はL=96.74、a=−1.90、b=15.99、デルタE=16.44であった。
【0086】
実施例11−24に、本発明の組成物を生じさせる時に用いるに良好に適した臭素置換ポリスチレンを生じさせる好適な追加的手順を示す。
【0087】
実施例11−24
これらの実施例では下記の手順を用いた。ジャケット付き1Lの3つ口丸底フラスコ内で塩化アルミニウム(Aldrich、無水)が1.44g(10.8ミリモル)で乾燥(モレキュラーシーブを用いて乾燥させた後、水が10−60ppm)ブロモクロロメタン(BCM)が310gの混合物をテフロン(商標)ポリマー製のパドルを350rpmで用いて撹拌した。冷エチレングリコールを前記ジャケットの中に通して循環させることで前記フラスコの内容物を所望温度に冷却した。Dow Styron 612ポリスチレン(72.2g、0.69当量)が乾燥BCMに10重量%入っている溶液(650g)を別の容器(500mLの目盛り付き滴下漏斗)に仕込んだ。この供給材料貯蔵装置の底から前記ポリスチレン溶液を前記反応フラスコに取り付けられているジャケット付き真空混合用T字管にポンプ輸送した。前記フラスコから出るエチレングリコールを前記T字管に循環させることを通して、このT字管を反応混合物と同じ温度に維持した。前記ポリスチレン溶液を前記貯蔵槽からポンプ輸送すると同時に臭素(295.5g、1.85モル)を125mLの目盛り付き滴下漏斗から前記混合用T字管にポンプ輸送することで、それを前記ポリスチレン溶液と一緒にした。その結果として生じた赤色溶液をジャケット付き螺旋カラム(長さが約12”)に通して前記撹拌している触媒懸濁液の表面の上に流れ出させた。前記混合用T字管への供給でMasterflexポンプを2つ用いた。ポリスチレン用装置ではCole−Palmer 77390ポンプヘッドが備わっている全部がテフロン製のラインを用いた。臭素供給装置ではテフロン製管材とViton製管材の組み合わせを用い、この後者をMasterflex7518−10ポンプヘッドと一緒に用いた。両方の供給とも約32−35分で終了した。完全な添加を同時に達成するには供給速度を絶えず注意する必要があった。Br2/PSの全体モル比は2.7であった。ポリマーが反応フラスコに完全に移送されるのを確保する目的でポリスチレン溶液供給装置の濯ぎで乾燥BCMを57g用いた。この添加が終了した後、反応物を窒素で清掃しながら温度で45分間撹拌した後、10重量%の亜硫酸ナトリウム溶液を13g添加することで、それにクエンチを受けさせた(quenched)。このクエンチ中、前記材料を450rpmで撹拌し、この速度で撹拌を5分間行った。前記亜硫酸塩を添加している間に反応物の色が赤色/褐色からクリーム色(明黄褐色)に変わった。この反応物を5分間放置した後、反応フラスコの下部のバルブを用いて相分離を行った。水相を前記反応槽から除去した後、有機層を前記反応槽に戻し、そして10重量%のNaOH水溶液(100−200g)を用いてpHを14に調整した。追加的BCM(267g)を加え、その混合物を分液漏斗に移した後、相分離を起こさせた。以下に示すようにして有機相を熱水に添加することで生成物を回収した。2Lの3つ口水きり付き(creased)フラスコに機械的撹拌機、125mLの滴下漏斗、温度計、およびコンデンサ付きDean−Starkトラップを取り付け、このフラスコに水を700mL仕込んだ後、加熱用マントルで92−94℃に加熱した。前記滴下漏斗を前記分液漏斗の下方相に由来する内容物で満たした。この滴下漏斗から出る供給速度を前記Dean−Starkトラップに付いているコンデンサが過負荷にならないようにかつ水の温度が91℃より下にならないように管理した。BCMといくらかの水が塔頂から出て行く一方で、生成物が水中で白色から黄色がかった白色固体として沈澱して来た。材料を前記フラスコに連続的に流し込む必要に応じて前記滴下漏斗を再び満たした。この滴下が終了した後、BCMの完全な除去を確保する目的でスラリーを温度で約10分間撹拌した。このスラリーを約65℃に冷却した後、ブフナー漏斗に取り付けた#2濾紙に通す吸引濾過で集めた。熱水を約300mL用いて前記フラスコおよびフィルターケーキを濯いだ。その固体を2Lのビーカーに移し、400mLの水と一緒に徹底的に混合した後、吸引濾過で再び単離した。この固体を一晩空気乾燥させた後、真空オーブン(1−5mmHg)に入れて150℃で一定重量(180−200g)に到達するまで乾燥させた。この生成物を乳鉢と乳棒で粉末状にした後、分析を行った(表IIIを参照)。
【0088】
【表3】
Figure 0004791633
【0089】
【表4】
Figure 0004791633
【0090】
実施例11−24の臭素置換ポリスチレンの中にNaOHまたはKOHの如き無機アルカリ金属塩基を適切な量で混入させることを、好適には、実施例4に実質的に記述した様式で、臭素置換ポリスチレンをBCMから沈澱させる時にNaOH(またはKOH)の水溶液を適切な過剰量で用いそして最終的な水洗浄段階を行わないか或は最終洗浄液として代わりにNaOH(またはKOH)水溶液を用いることで達成する。別法として、あまり好適ではないが、実施例11−24に記述したように微細もしくは粉末形態で生じさせた臭素置換ポリスチレンを適切な量の粉末にしたアルカリ金属塩基、例えば水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウムまたは水酸化カリウムなどと一緒に粉末ブレンドすることも可能である。
【0091】
本発明の臭素置換ポリスチレン組成物に熱安定性試験および金属腐食試験を受けさせた。この組成物のNaOH含有量はこの上に記述した分析手順を用いて0.11重量%であった(その中に存在している塩基がNaOHであると言った仮定を基にして)。本発明の組成物をブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時、結果として得られる水抽出液は9.3のpHを示した。熱安定性の評価では、本発明の組成物の乾燥サンプルを315℃の一定温度に1時間さらした。このサンプルはそのような処理の後でも明るい黄褐色の色を有していた。それとは対照的に、本発明に従って要求するpHをもたらす無機アルカリ金属塩基を含有しない多数種の臭素置換ポリスチレンのサンプルはそのような高温の試験条件下で黒色に変わった。金属腐食試験では、軟炭素鋼クーポン(coupon)をガラス製サンプルびんの底部分に位置させた臭素置換ポリスチレン組成物の中に部分的に浸した。次に、このびんを空気循環オーブンに入れて315℃に1時間保持した。次に、孔食および表面暗色化で示される如き前記試験クーポンの腐食度合を測定した結果、それの腐食度合は非常に低かった。本発明に従って要求するpHをもたらす無機アルカリ金属塩基を含有しない非常に類似した臭素置換ポリスチレンの2サンプルは同じ試験条件下で中程度の腐食を示した。
【0092】
本発明の臭素置換ポリスチレンである難燃添加剤組成物は、臭素置換ポリスチレン自身以外のポリマーを全く含有しないことを特徴とする。言い換えれば、本臭素置換ポリスチレンは、これの形態が粉末ブレンド物であるか、溶融させた臭素置換ポリスチレンにアルカリ金属塩基を添加することで生じさせたブレンド物であるか、或は臭素置換ポリスチレンの溶液から沈澱を起こさせることで粒子形態で生じさせた組成物であるかに拘らず、本難燃添加剤が含有する唯一の高分子量材料であり、ここでは、アルカリ金属塩基の溶液に接触させて沈澱を起こさせたことでアルカリ金属塩基が臭素置換ポリスチレンの中に混入している。本発明の難燃添加剤組成物に他の添加剤材料を含めることも可能である。好適な態様では、本発明の組成物を(a)前記臭素置換ポリスチレンと(b)本難燃剤をブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時に結果として得られる水抽出液が少なくとも約9.0のpHを示すように約1重量%未満の量の1種以上のアルカリ金属塩基と(c)前記臭素置換ポリスチレンの調製および沈澱中に用いる他の化学品に由来する痕跡量(例えば全体で約0.5重量%未満)の残渣のみで構成させる。元々の塩基が強塩基、例えばNaOH、KOH、Na2OまたはK2O(水和しているか或は無水であるかに拘らず)である時、結果として得る臭素置換ポリスチレン中の塩基の量がこの組成物の全重量を基準にして最も好適には0.25重量%以下、更により良好には、0.15重量%以下になるようにする。
【0093】
本明細書または本明細書の請求の範囲のどこかで化学名または化学式を用いて成分を言及する場合、この言及が単数であるか或は複数であるかに拘らず、それらが別の物質[化学名または化学タイプで言及する](例えば別の成分、溶媒)に接触する前にそれらが存在するようにそれらを同定すると理解されるべきである。結果として生じる混合物または溶液中でどんな予備的化学変化、変換および/または反応(もしあれば)が起ころうとも問題でない、と言うのは、そのような変化、変換および/または反応は特定の成分を本開示に従って要求する条件下で一緒にする結果として自然に起こる事であるからである。このように、所望操作の実施に関連してか或は所望組成物を生じさせる時に一緒にすべき材料であるとして成分を同定する。本明細書の請求の範囲で物質、成分および/または材料を現在時制(「含んで成る」、「である」)で言及することがあり得るかもしれないが、そのような言及は、本開示に従ってそれを他の1種以上の物質、成分および/または材料に最初に接触、ブレンドまたは混合する直ぐ前の時間にそれが存在していたように当該物質、成分または材料を指すものである。接触、ブレンドまたは混合操作を化学者の常識および通常の技術を適用して本開示に従って実施するとその過程中に物質、成分または材料が化学反応または変換を通してそれの元々の同定を失う可能性はあるが、これは、従って、本開示および本明細書の請求の範囲の真の意味および内容の正確な認識および理解にとって全く重要ではない。
本発明の好適な実施態様は次のとおりである。
1. 臭素置換ポリスチレン難燃剤であって、55から70重量%の範囲の臭素含有量を有し、かつこの難燃剤をブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時に結果として得られる水抽出液が少なくとも約9.0のpHを示すようにアルカリ金属塩基を約1重量%未満の量で含有する難燃剤。
2. 前記難燃剤が、55から70重量%の範囲の臭素含有量を有する臭素置換ポリスチレンの溶液から沈澱を起こさせることによって粒子形態で作られたものでありそして前記沈澱を少なくとも1種の塩基性アルカリ金属化合物の溶液に接触させることで実施したことによって前記塩基が前記臭素置換ポリスチレンに混入している前記1記載の難燃剤。
3. 前記アルカリ金属塩基が少なくとも1種の無機塩基を含んで成る前記1または2記載の難燃剤。
4. 前記アルカリ金属塩基がアルカリ金属の水酸化物を含んで成る前記1または2記載の難燃剤。
5. 前記アルカリ金属塩基が水酸化ナトリウムを含んで成る前記1または2記載の難燃剤。
6. 前記pHが9.5から11の範囲である前記1記載の難燃剤。
7. 前記難燃剤が、55から70重量%の範囲の臭素含有量を有する臭素置換ポリスチレンの溶液から沈澱を起こさせることによって粒子形態で作られたものでありそして前記沈澱をアルカリ金属塩基の溶液に接触させることで実施したことによって前記塩基が前記臭素置換ポリスチレンに混入している前記6記載の難燃剤。
8. 前記塩基が少なくとも1種の無機塩基を含んで成る前記6または7記載の難燃剤。
9. 前記塩基がアルカリ金属の水酸化物を含んで成る前記6または7記載の難燃剤。
10. 前記塩基が水酸化ナトリウムを含んで成る前記6または7記載の難燃剤。
11. 前記pHが10から10.5の範囲である前記1記載の難燃剤。
12. 前記難燃剤が、55から70重量%の範囲の臭素含有量を有する臭素置換ポリスチレンの溶液から沈澱を起こさせることによって粒子形態で作られたものでありそして前記沈澱をアルカリ金属塩基の溶液に接触させることで実施したことによって前記塩基が前記臭素置換ポリスチレンに混入している前記11記載の難燃剤。
13. 前記塩基が少なくとも1種の無機塩基を含んで成る前記11または12記載の難燃剤。
14. 前記塩基がアルカリ金属の水酸化物を含んで成る前記11または12記載の難燃剤。
15. 前記塩基が水酸化ナトリウムを含んで成る前記11または12記載の難燃剤。
16. 臭素置換ポリスチレンであって、55から70重量%の範囲の臭素含有量を有し、Clの含有量が約500ppm未満であり、1重量%損失のTGA温度が340℃以上であり、かつこの臭素置換ポリスチレンをブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時に結果として得られる水抽出液が少なくとも約9.0のpHを示すようにアルカリ金属塩基を約1重量%未満の量で含有する臭素置換ポリスチレン。
17. 前記TGA温度が340℃から380℃の範囲内である前記16記載の臭素置換ポリスチレン。
18. 前記塩基が少なくとも1種の無機塩基を含んで成る前記17記載の臭素置換ポリスチレン。
19. 前記塩基がアルカリ金属の水酸化物を含んで成る前記18記載の臭素置換ポリスチレン。
20. 前記臭素置換ポリスチレンが、55から70重量%の範囲の臭素含有量を有する臭素置換ポリスチレンの溶液から沈澱を起こさせることによって生じさせた粒子形態でありそして前記沈澱をアルカリ金属塩基の溶液に接触させることで実施したことによって前記塩基が前記臭素置換ポリスチレンに混入している前記17記載の臭素置換ポリスチレン。
21. 前記塩基が少なくとも1種の無機塩基を含んで成る前記20記載の臭素置換ポリスチレン。
22. 前記無機塩基がアルカリ金属の水酸化物を含んで成る前記21記載の臭素置換ポリスチレン。
23. 前記無機塩基が水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムまたは両方を含んで成る前記21記載の臭素置換ポリスチレン。
24. 前記TGA温度が345℃から380℃の範囲内である前記16記載の臭素置換ポリスチレン。
25. 前記塩基が少なくとも1種の無機塩基を含んで成る前記24記載の臭素置換ポリスチレン。
26. 前記無機塩基がアルカリ金属の水酸化物を含んで成る前記25記載の臭素置換ポリスチレン。
27. 前記臭素置換ポリスチレンが、55から70重量%の範囲の臭素含有量を有する臭素置換ポリスチレンの溶液から沈澱を起こさせることによって生じさせた粒子形態でありそして前記沈澱をアルカリ金属塩基の溶液に接触させることで実施したことによって前記塩基が前記臭素置換ポリスチレンに混入している前記24記載の臭素置換ポリスチレン。
28. 前記塩基が少なくとも1種の無機塩基を含んで成る前記27記載の臭素置換ポリスチレン。
29. 前記無機塩基がアルカリ金属の水酸化物を含んで成る前記28記載の臭素置換ポリスチレン。
30. 前記無機塩基が水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムまたは両方を含んで成る前記28記載の臭素置換ポリスチレン。
31. 臭素置換ポリスチレンであって、(i)55から70重量%の範囲の臭素含有量を有し、(ii)実際のMwが、(a)この臭素置換ポリスチレンの実際の臭素含有量と(b)この臭素置換ポリスチレンの製造で用いたポリスチレン反応体のMwを基にして計算した、理論的Mwの約20%以内でありかつ(iii)この臭素置換ポリスチレンをブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時に結果として得られる水抽出液が少なくとも約9.0のpHを示すような量でアルカリ金属塩基を含有する臭素置換ポリスチレン。
32. 実際のMwが理論的Mwの約10%以内である前記31記載の臭素置換ポリスチレン。
33. 前記塩基が少なくとも1種の無機塩基を含んで成る前記32記載の臭素置換ポリスチレン。
34. 前記無機塩基がアルカリ金属の水酸化物を含んで成る前記33記載の臭素置換ポリスチレン。
35. 前記臭素置換ポリスチレンが、55から70重量%の範囲の臭素含有量を有する臭素置換ポリスチレンの溶液から沈澱を起こさせることによって生じさせた粒子形態でありそして前記沈澱をアルカリ金属塩基の溶液に接触させることで実施したことによって前記塩基が前記臭素置換ポリスチレンに混入している前記32記載の臭素置換ポリスチレン。
36. 前記塩基が少なくとも1種の無機塩基を含んで成る前記35記載の臭素置換ポリスチレン。
37. 前記無機塩基が水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムまたは両方を含んで成る前記36記載の臭素置換ポリスチレン。
38. 臭素置換ポリスチレンであって、式:
【化1】
Figure 0004791633
[式中、
各Xは、独立して、水素原子または臭素原子もしくは塩素原子であるが、各ポリマー単位毎の各Xのなりたち(identity)はこの臭素置換ポリスチレンを周囲の大気圧下300℃に15分間加熱した時に発生する臭化水素の量が約750ppm(重量/重量)未満であるようななりたちである]
で表されるポリマー単位で構成されていて、臭素含有量が65から70重量%の範囲であり、塩素が存在しているとしても塩素の全含有量がこの臭素置換ポリスチレンの約500ppm(重量/重量)以下であり、かつこの臭素置換ポリスチレンをブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時に結果として得られる水抽出液が少なくとも約9.0のpHを示すような量でアルカリ金属塩基を含有する臭素置換ポリスチレン。
39. 前記臭素含有量が少なくとも約67重量%である前記38記載の臭素置換ポリスチレン。
40. 前記塩基が少なくとも1種の無機塩基を含んで成る前記38記載の臭素置換ポリスチレン。
41. 前記無機塩基がアルカリ金属の水酸化物を含んで成る前記40記載の臭素置換ポリスチレン。
42. 前記臭素置換ポリスチレンが、臭素を65から70重量%の範囲で含有する臭素置換ポリスチレンの溶液から沈澱を起こさせることによって生じさせた粒子形態でありそして前記沈澱をアルカリ金属塩基の溶液に接触させることで実施したことによって前記塩基が前記臭素置換ポリスチレンに混入している前記38記載の臭素置換ポリスチレン。
43. 前記塩基が少なくとも1種の無機塩基を含んで成る前記42記載の臭素置換ポリスチレン。
44. 前記無機塩基が水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムまたは両方を含んで成る前記43記載の臭素置換ポリスチレン。
45. 臭素置換ポリスチレンであって、55から70重量%の範囲の臭素含有量を有し、1重量%損失のTGA温度が340℃以上でありかつこの臭素置換ポリスチレンをブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時に結果として得られる水抽出液が少なくとも約9.0のpHを示すようにアルカリ金属塩基を約1重量%未満の量で含有する臭素置換ポリスチレン。
46. 前記臭素置換ポリスチレンが臭素置換ポリスチレンの溶液から沈澱を起こさせることによって生じさせた粒子形態でありそして前記沈澱をアルカリ金属塩基の溶液に接触させることで実施したことによって前記塩基が前記臭素置換ポリスチレンに混入している前記45記載の臭素置換ポリスチレン。
47. 臭素置換ポリスチレンであって、55から70重量%の範囲の臭素含有量を有し、ブロモジクロロエタン、ジブロモクロロエタン、ジブロモジクロロエタン、トリブロモクロロエタンおよび前記の2種以上の混合物から成る群から選択される不純物を本質的に含まず、かつこの臭素置換ポリスチレンをブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時に結果として得られる水抽出液が少なくとも約9.0のpHを示すようにアルカリ金属塩基を約1重量%未満の量で含有する臭素置換ポリスチレン。
48. 前記臭素置換ポリスチレンが、55から70重量%の範囲の臭素含有量を有する臭素置換ポリスチレンの溶液から沈澱を起こさせることによって生じさせた粒子形態でありそして前記沈澱をアルカリ金属塩基の溶液に接触させることで実施したことによって前記塩基が前記臭素置換ポリスチレンに混入している前記47記載の臭素置換ポリスチレン。
49. 臭素置換ポリスチレンであって、(i)55から70重量%の範囲の臭素含有量を有し、(ii)Clの含有量が約500ppm未満であり、(iii)1重量%損失のTGA温度が340℃以上であり、(iv)実際のMwが、(a)この臭素置換ポリスチレンの実際の臭素含有量と(b)この臭素置換ポリスチレンの製造で用いたポリスチレン反応体のMwを基にして計算した、理論的Mwの約20%以内であり、かつ(v)この臭素置換ポリスチレンをブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時に結果として得られる水抽出液が少なくとも約9.0のpHを示すようにアルカリ金属塩基を約1重量%未満の量で含有する臭素置換ポリスチレン。
50. 周囲の大気圧下300℃に15分間加熱した時に発生する臭化水素の量が約750ppm(重量/重量)未満でありかつ臭素含有量が少なくとも約65重量%である前記49記載の臭素置換ポリスチレン。
51. ブロモジクロロエタン、ジブロモクロロエタン、ジブロモジクロロエタン、トリブロモクロロエタンおよび前記の2種以上の混合物から成る群から選択される不純物を本質的に含まない前記50記載の臭素置換ポリスチレン。
52. 前記臭素置換ポリスチレンが、65から70重量%の範囲の臭素含有量を有する臭素置換ポリスチレンの溶液から沈澱を起こさせることによって生じさせた粒子形態でありそして前記沈澱をアルカリ金属塩基の溶液に接触させることで実施したことによって前記塩基が前記臭素置換ポリスチレンに混入している前記51記載の臭素置換ポリスチレン。
53. 前記塩基が少なくとも1種の無機塩基を含んで成る前記52記載の臭素置換ポリスチレン。
54. 前記無機塩基が水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムまたは両方を含んで成る前記53記載の臭素置換ポリスチレン。
55. a)(i)少なくとも35℃以上でかつ150℃未満の範囲の温度で沸騰する有機溶媒に55から70重量%の範囲の臭素含有量を有する臭素置換ポリスチレンが入っている溶液と(ii)水をアルカリ金属塩基の存在下で接触させることで、混合物を生じさせ、
b)a)の混合物を前記有機溶媒の少なくとも一部が留出してアルカリ金属塩基を含有する臭素置換ポリスチレン粒子が生じるに充分なほど高い温度で充分な量の蒸気または水に接触させる、
ことを含んで成るが、但し前記臭素置換ポリスチレン粒子に含まれるアルカリ金属塩基の量が約1重量%未満でありかつこの臭素置換ポリスチレンをブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時に結果として得られる水抽出液が少なくとも約9.0のpHを示すような量であることを条件とする方法。
56. 前記アルカリ金属塩基の溶液が少なくとも1種の無機アルカリ金属塩基の水溶液である前記55記載の方法。
57. 前記アルカリ金属塩基の溶液がアルカリ金属水酸化物の水溶液である前記55記載の方法。
58. 前記アルカリ金属塩基の溶液が水酸化ナトリウムの水溶液である前記55記載の方法。
59. 前記pHが9.5から11の範囲である前記55記載の方法。
60. 前記pHが10から10.5の範囲である前記55記載の方法。
61. 前記臭素置換ポリスチレンの溶液の有機溶媒がジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンまたはブロモクロロメタンである前記55記載の方法。
62. 前記臭素置換ポリスチレンの溶液の有機溶媒がブロモクロロメタンである前記55記載の方法。
63. 前記臭素置換ポリスチレンの溶液の有機溶媒がジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンまたはブロモクロロメタンであり、前記アルカリ金属塩基の溶液がアルカリ金属水酸化物の水溶液であり、そして前記pHが9.5から11の範囲である前記55記載の方法。
64. 前記臭素置換ポリスチレンの溶液の有機溶媒がブロモクロロメタンであり、前記アルカリ金属塩基の溶液が水酸化ナトリウムの水溶液でありそして前記pHが10から10.5の範囲である前記55記載の方法。
65. 前記臭素置換ポリスチレンの溶液の有機溶媒がブロモクロロメタンであり、前記アルカリ金属塩基の溶液が(a)水酸化ナトリウムの水溶液、(b)水酸化カリウムの水溶液または(c)水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの水溶液でありそして前記pHが9.5から11の範囲である前記55記載の方法。
66. (i)少なくとも35℃以上でかつ150℃未満の範囲の温度で沸騰する有機溶媒に55から70重量%の範囲の臭素含有量を有する臭素置換ポリスチレンが入っている溶液と(ii)アルカリ金属塩基の溶液を、前記有機溶媒の少なくとも一部が留出してアルカリ金属塩基を含有する臭素置換ポリスチレン粒子が生じるに充分なほど高い温度で充分な量の蒸気または水の中に導入することを含んで成るが、前記臭素置換ポリスチレンとアルカリ金属塩基の相対的比率が(a)この臭素置換ポリスチレン粒子中のアルカリ金属塩基の量が約1重量%未満でありかつ(b)この臭素置換ポリスチレンをブロモクロロメタンに溶解させそしてその結果として生じた溶液を水で抽出した時に結果として得られる水抽出液が少なくとも約9.0のpHを示すような比率である方法。
67. 前記アルカリ金属塩基の溶液が少なくとも1種の無機アルカリ金属塩基の水溶液である前記66記載の方法。
68. 前記アルカリ金属塩基の溶液がアルカリ金属水酸化物の水溶液である前記66記載の方法。
69. 前記アルカリ金属塩基の溶液が水酸化ナトリウムの水溶液である前記66記載の方法。
70. 前記pHが9.5から11の範囲である前記66記載の方法。
71. 前記pHが10から10.5の範囲である前記66記載の方法。
72. 前記臭素置換ポリスチレンの溶液の有機溶媒がジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンまたはブロモクロロメタンである前記66記載の方法。
73. 前記臭素置換ポリスチレンの溶液の有機溶媒がブロモクロロメタンである前記66記載の方法。
74. 前記臭素置換ポリスチレンの溶液の有機溶媒がジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンまたはブロモクロロメタンであり、前記アルカリ金属塩基の溶液がアルカリ金属水酸化物の水溶液でありそして前記pHが9.5から11の範囲である前記66記載の方法。
75. 前記臭素置換ポリスチレンの溶液の有機溶媒がブロモクロロメタンであり、前記アルカリ金属塩基の溶液が水酸化ナトリウムの水溶液でありそして前記pHが10から10.5の範囲である前記66記載の方法。
76. 前記臭素置換ポリスチレンの溶液の有機溶媒がブロモクロロメタンであり、前記アルカリ金属塩基の溶液が(a)水酸化ナトリウムの水溶液、(b)水酸化カリウムの水溶液または(c)水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの水溶液でありそして前記pHが9.5から11の範囲である前記66記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の好適な臭素置換ポリスチレン組成物を生じさせる時に用いるに適した方法を示す図式図である。

Claims (34)

  1. 臭素置換ポリスチレン難燃剤であって、55から70重量%の範囲の臭素含有量を有し、かつこの難燃剤1〜1.2gの試料を50mlのブロモクロロメタンに溶解させて溶液を生成させ、そしてその結果として生じた溶液から50mlの水でアルカリ金属塩基を抽出して水抽出液を生成させ、結果として得られる水抽出液が少なくとも9.0のpHを示すようにアルカリ金属塩基を1重量%未満の量で含有する難燃剤。
  2. 前記pHが9.5から11の範囲である請求項1記載の難燃剤。
  3. 前記pHが10から10.5の範囲である請求項1記載の難燃剤。
  4. 前記難燃剤が、55から70重量%の範囲の臭素含有量を有する臭素置換ポリスチレンの溶液から臭素置換ポリスチレンの沈澱を起こさせることによって粒子形態で作られたものでありそして前記臭素置換ポリスチレンをアルカリ金属塩基の溶液に接触させることで沈澱させることによって前記塩基が前記臭素置換ポリスチレンに混入している請求項1〜3のいずれかに記載の難燃剤。
  5. 前記塩基が少なくとも1種の無機塩基を含んで成る請求項1〜4のいずれかに記載の難燃剤。
  6. 前記塩基がアルカリ金属の水酸化物を含んで成る請求項1〜4のいずれかに記載の難燃剤。
  7. 前記塩基が水酸化ナトリウムを含んで成る請求項1〜4のいずれかに記載の難燃剤。
  8. 臭素置換ポリスチレン組成物であって、55から70重量%の範囲の臭素含有量を有し、Clの含有量が500ppm未満であり、1重量%損失の熱重量分析温度が340℃以上であり、かつこの臭素置換ポリスチレン1〜1.2gの試料を50mlのブロモクロロメタンに溶解して溶液を生成させ、そしてその結果として生じた溶液からアルカリ金属塩基を50mlの水で抽出して水抽出液を生成させ、結果として得られる水抽出液が少なくとも9.0のpHを示すようにアルカリ金属塩基を1重量%未満の量で含有する臭素置換ポリスチレン組成物
  9. 前記熱重量分析温度が340℃から380℃の範囲内である請求項記載の組成物
  10. 前記熱重量分析温度が345℃から380℃の範囲内である請求項記載の組成物
  11. 前記臭素置換ポリスチレンが、55から70重量%の範囲の臭素含有量を有する臭素置換ポリスチレンの溶液から臭素置換ポリスチレンを沈澱させることによって生じさせた粒子形態でありそして前記臭素置換ポリスチレンをアルカリ金属塩基の溶液に接触させることで沈澱させることによって前記塩基が前記臭素置換ポリスチレンに混入している請求項9又は10記載の組成物
  12. 臭素置換ポリスチレン組成物であって、式:
    Figure 0004791633
    [式中、
    各Xは、独立して、水素原子または臭素原子もしくは塩素原子であるが、各ポリマー単位毎の各Xのなりたち(identity)はこの臭素置換ポリスチレンを周囲の大気圧下300℃に15分間加熱した時に発生する臭化水素の量が750ppm(重量/重量)未満であるようななりたちである]
    で表されるポリマー単位で構成されていて、nは臭素置換ポリスチレンの臭素含有量が65から70重量%の範囲であるようなものであり、塩素が存在しているとしても塩素の全含有量がこの臭素置換ポリスチレンの500ppm(重量/重量)以下であり、かつこの臭素置換ポリスチレン1〜1.2gの試料を50mlのブロモクロロメタンに溶解して溶液を生成させそしてその結果として生じた溶液からアルカリ金属塩基を50mlの水で抽出して水抽出液を生成させ、結果として得られる水抽出液が少なくとも9.0のpHを示すような量でアルカリ金属塩基を含有する臭素置換ポリスチレン組成物
  13. 前記臭素含有量が少なくとも67重量%である請求項12記載の組成物
  14. 前記塩基が少なくとも1種の無機塩基を含んで成る請求項12記載の組成物
  15. 前記無機塩基がアルカリ金属の水酸化物を含んで成る請求項14記載の組成物
  16. 前記臭素置換ポリスチレンが、臭素を65から70重量%の範囲で含有する臭素置換ポリスチレンの溶液から臭素置換ポリスチレンの沈澱を起こさせることによって生じさせた粒子形態でありそして前記臭素置換ポリスチレンをアルカリ金属塩基の溶液に接触させることで沈澱させることによって前記塩基が前記臭素置換ポリスチレンに混入している請求項12記載の組成物
  17. 前記塩基が少なくとも1種の無機塩基を含んで成る請求項9、10、11又は16のいずれか記載の組成物
  18. 前記無機塩基が水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムまたは両方を含んで成る請求項17記載の組成物
  19. 5から70重量%の範囲の臭素含有量を有し、1重量%損失の熱重量分析温度が340℃以上でありかつ臭素置換ポリスチレン1〜1.2gの試料を50mlのブロモクロロメタンに溶解して溶液を生成させ、そしてその結果として生じた溶液から50mlの水でアルカリ金属塩基を抽出して水抽出液を生成させ、結果として得られる水抽出液が少なくとも9.0のpHを示すようにアルカリ金属塩基を1重量%未満の量で含有する組成物
  20. 前記臭素置換ポリスチレンが臭素置換ポリスチレンの溶液から臭素置換ポリスチレンを、沈澱させることによって生じさせた粒子形態でありそして前記臭素置換ポリスチレンをアルカリ金属塩基の溶液に接触させて沈澱させることによって前記塩基が前記臭素置換ポリスチレンに混入している請求項19記載の組成物
  21. 臭素置換ポリスチレン組成物であって、55から70重量%の範囲の臭素含有量を有し、ブロモジクロロエタン、ジブロモクロロエタン、ジブロモジクロロエタン、トリブロモクロロエタンおよび前記の2種以上の混合物から成る群から選択される不純物を検出し得る量では含まず、かつこの臭素置換ポリスチレン1〜1.2gの試料を50mlのブロモクロロメタンに溶解して溶液を生成させ、そしてその結果として生じた溶液から50mlの水でアルカリ金属塩基を抽出して水抽出液を生成させ、結果として得られる水抽出液が少なくとも9.0のpHを示すようにアルカリ金属塩基を1重量%未満の量で含有する臭素置換ポリスチレン組成物
  22. 前記臭素置換ポリスチレンが、55から70重量%の範囲の臭素含有量を有する臭素置換ポリスチレンの溶液から臭素置換ポリスチレンを澱させることによって生じさせた粒子形態でありそして前記臭素置換ポリスチレンをアルカリ金属塩基の溶液に接触させることで沈澱させることによって前記塩基が前記臭素置換ポリスチレンに混入している請求項21記載の組成物
  23. アルカリ金属塩基を含有する臭素置換ポリスチレンの粒子を生成させる方法であって、該方法がa)(i)少なくとも35℃から150℃未満の範囲の温度で沸騰する有機溶媒に55から70重量%の範囲の臭素含有量を有する臭素置換ポリスチレンが入っている溶液と(ii)水、をアルカリ金属塩基の存在下で接触させることで、混合物を生じさせ、
    b)a)の混合物を前記有機溶媒の少なくとも一部が留出してアルカリ金属塩基を含有する臭素置換ポリスチレン粒子が生じるに充分なほど高い温度で充分な量の蒸気または水に接触させる、
    ことを含んで成るが、但し前記臭素置換ポリスチレン粒子に含まれるアルカリ金属塩基の量が1重量%未満でありかつこの臭素置換ポリスチレン1〜1.2gの試料を50mlのブロモクロロメタンに溶解して溶液を生成させ、そしてその結果として生じた溶液からアルカリ金属塩基を50mlの水で抽出して水抽出液を生成させ、結果として得られる水抽出液が少なくとも9.0のpHを示すような量であることを条件とする方法。
  24. アルカリ金属塩基を含有する臭素置換ポリスチレンの粒子を生成させる方法であって、該方法が(i)少なくとも35℃から150℃未満の範囲の温度で沸騰する有機溶媒に55から70重量%の範囲の臭素含有量を有する臭素置換ポリスチレンが入っている溶液と(ii)該臭素置換ポリスチレンに対し0.11重量%以下のアルカリ金属塩基を含有するアルカリ金属塩基の溶液を、前記有機溶媒の少なくとも一部が留出してアルカリ金属塩基を含有する臭素置換ポリスチレン粒子が生じるに充分なほど高い温度で充分な量の蒸気または水の中に導入することを含んで成るが、前記臭素置換ポリスチレンとアルカリ金属塩基の相対的比率が(a)この臭素置換ポリスチレン粒子中のアルカリ金属塩基の量が1重量%未満でありかつ(b)この臭素置換ポリスチレン1〜1.2gの試料を50mlのブロモクロロメタンに溶解して溶液を生成させ、そしてその結果として生じた溶液から50mlの水でアルカリ金属塩基を抽出して水抽出液を生成させ、結果として得られる水抽出液が少なくとも9.0のpHを示すような比率である方法。
  25. 前記アルカリ金属塩基の溶液が少なくとも1種の無機アルカリ金属塩基の水溶液である請求項23又は24記載の方法。
  26. 前記アルカリ金属塩基の溶液がアルカリ金属水酸化物の水溶液である請求項23又は24記載の方法。
  27. 前記アルカリ金属塩基の溶液が水酸化ナトリウムの水溶液である請求項23又は24記載の方法。
  28. 前記pHが9.5から11の範囲である請求項23又は24記載の方法。
  29. 前記pHが10から10.5の範囲である請求項23又は24記載の方法。
  30. 前記臭素置換ポリスチレンの溶液の有機溶媒がジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンまたはブロモクロロメタンである請求項23又は24記載の方法。
  31. 前記臭素置換ポリスチレンの溶液の有機溶媒がブロモクロロメタンである請求項23又は24記載の方法。
  32. 前記臭素置換ポリスチレンの溶液の有機溶媒がジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンまたはブロモクロロメタンであり、前記アルカリ金属塩基の溶液がアルカリ金属水酸化物の水溶液でありそして前記pHが9.5から11の範囲である請求項23又は24記載の方法。
  33. 前記臭素置換ポリスチレンの溶液の有機溶媒がブロモクロロメタンであり、前記アルカリ金属塩基の溶液が水酸化ナトリウムの水溶液でありそして前記pHが10から10.5の範囲である請求項23又は24記載の方法。
  34. 前記臭素置換ポリスチレンの溶液の有機溶媒がブロモクロロメタンであり、前記アルカリ金属塩基の溶液が(a)水酸化ナトリウムの水溶液、(b)水酸化カリウムの水溶液または(c)水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの水溶液でありそして前記pHが9.5から11の範囲である請求項23又は24記載の方法。
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