JP4790362B2 - 着色硬化性組成物、カラーフィルタおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、液晶表示素子や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタを形成するのに好適な着色硬化性組成物、並びに該着色硬化性組成物を用いたカラーフィルタ及びその製造方法に関する。
固体撮像素子(例えばCCD、CMOS等)や液晶表示素子(LCD)をカラー化するために素子上に形成されるカラーフィルタとして、基板の同一平面上に互いに隣接して形成された、黄色フィルタ層、マゼンタフィルタ層、及びシアンフィルタ層で構成されたカラーフィルタや赤色フィルタ層、緑色フィルタ層、及び青色フィルタ層で構成されたカラーフィルタが知られている。そして、これらフィルタ層によって帯状のパターン若しくはモザイク状のパターンが形成されている。
上記のようなカラーフィルタの製造方法としては、これまで種々の方法が提案されている。中でも、色素を含有する感光性樹脂組成物を露光し、現像することによってパターニングする工程を所要の回数繰り返し行なう、いわゆるカラーレジスト法は広く実用化されている。
カラーレジスト法は、顔料を種々の感光性組成物に分散させた着色感放射線性組成物を用いてフォトリソ法によりカラーフィルタを作製する方法であり、この方法は、顔料を使用しているために光や熱等に安定であると共にフォトリソ法によってパターニングするため位置精度も充分であり、大画面、高精細カラーディスプレー用カラーフィルタの作製に好適な方法とされている。
上記のように顔料を分散する顔料分散法によってカラーフィルタを作製する場合、ガラス基板上に感放射線性組成物をスピンコーターやロールコーター等を用いて塗布して塗膜を形成し、この塗膜をパターン露光して現像することによって着色された画素を得、この操作を所望の色相数に合わせて行なうことでカラーフィルタを得ている。顔料分散法としては、アルカリ可溶性樹脂に光重合性モノマーと光重合開始剤とを用いるネガ型感光性組成物が知られている。(例えば、特許文献1〜8、12及び13参照)。
しかしながら、近年、固体撮像素子用のカラーフィルタにおいては、更なる高精細化が望まれている。しかし、上記のような従来の顔料分散系では解像度が向上せず、また、顔料の粗大粒子による色ムラが発生する等の問題点を有しているために、固体撮像素子のような微細パターンが要求される用途には適さなかった。
このような問題に対し、従来から染料の使用が提案されている(例えば、特許文献9〜10参照)。また、ポジ型感光性組成物もある(例えば、特許文献11〜12参照)。しかしながら、染料含有の硬化性組成物は以下の課題を有しており、更なる改良が求められていた。すなわち、
(1) 染料は、一般的に顔料に比べて耐熱性、耐光性等に劣っており、堅牢性が不充分である。
(2) 染料のモル吸収光係数が低い場合には、多量の染料を添加しなければならず、この場合には硬化性組成物中の重合性化合物やバインダー、光重合開始剤等の他の成分を相対的に減らさざるを得ず、組成物硬化時の硬化性、硬化された硬化部の耐熱性、非硬化部の現像性などが低下する等がある。
(3) 染料のモル吸収光係数が高いものであっても、溶解性の悪い染料は液状調整物への溶解性向上のため、また、液状調製物の安定性向上のために、分子量を大きくしなければならないこともあり、分子量を大きくしたときには多量(質量)の染料を添加せざるを得なくなり、硬化性組成物中の重合性化合物やバインダー、光重合開始剤等の他の成分を相対的に減らさざるを得ず、組成物硬化時の硬化性、硬化された硬化部の耐熱性、次層塗布時の耐溶剤性、非硬化部の現像性などが低下する等がある。
(4) 染料は硬化性組成物中の他の成分と相互作用を示す場合が多く、硬化部と非硬化部の現像性(溶解性)の調節が困難である。
このように、従来から着色硬化性組成物に用いられている染料においては、特に堅牢性が充分に満足できるものでなく、さらに感光性組成物に対する溶解性が低く、液中又は塗設された塗膜の状態で染料が析出することがあり、また、高濃度に染料を含有させることも困難であるほか、更には現像が難しいものが多かった。
前記問題、特に(2)、(3)を良化するために、特定の置換基を持つものが検討されているが、不充分であった(例えば、特許文献13参照)。
一方、カラーフィルタでは、これを構成する赤色フィルタアレイには、イエロー染料、マゼンタ染料が、緑色フィルタアレイにはイエロー染料、シアン染料が、青色フィルタアレイには長波マゼンタ染料、シアン染料がそれぞれ用いられることが知られている(例えば、特許文献10参照)。しかしながら、光堅牢性、熱堅牢性を満足し、溶解性および着色硬化性組成物の経時安定性を良好にし、耐溶剤性を充分に満足し得る染料は未だなく、更なる改善が望まれている。
特開平1−102469号公報 特開平1−152499号公報 特開平2−181704号公報 特開平2−199403号公報 特開平4−76062号公報 特開平5−273411号公報 特開平6−184482号公報 特開平7−140654号公報 特開平6−75375号公報 特開2002−14221号公報 特公平7−111485号公報 特開2002−14223号公報 特開平7−72323号公報
以上のように、特に高精細さや均一色が要求される固体撮像素子等の用途では、染料含有の着色硬化性組成物が有用であるものの、光や熱に対する堅牢性や液状調製物としたの安定性、また、有機溶剤可溶性染料を用いた場合には、着色パターンの有機溶剤耐性が不充分で既設のパターンに次色を重ね塗りしたときに既設の着色パターン中の染料が溶出する耐溶剤性、更にはパターン形成性の改善が課題となっている。また、染料の低溶解性に起因し、液状調製物としこれを塗布して塗布膜を形成したときの染料析出性に対する改善も課題の一つである。
本発明は、上記に鑑み成されたものであり、色相が良好で高透過率特性を有すると共に、光堅牢性および熱堅牢性が高く、経時安定性に優れ、硬化後の耐溶剤性の良好な着色硬化性組成物およびカラーフィルタ、並びに前記着色硬化性組成物が用いられ、カラーフィルタの高い生産性での作製が可能なカラーフィルタの製造方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを本発明の課題とする。
また、上記に加え、更に溶解性の高い染料を含んで現像性、パターン形成性に優れた着色硬化性組成物、並びにこれを用いたカラーフィルタおよびその製造方法を提供することをも目的とする。
本発明は、各種染料について種々置換基を詳細に検討したところ、ある特定の置換基を持つ染料が、光や熱に対する堅牢性に優れるのみならず、特に溶解性と現像性等の改善に有用であるとの知見を得、かかる知見に基づいて、下記構成の着色硬化性組成物、並びにこれをカラーフィルタ及びその製造方法が提供され、前記目的が達成されたものである。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 下記一般式(T)で表される化合物の少なくとも1種を含有する着色硬化性組成物である。
前記一般式(T)において、RおよびRは、各々独立に、置換基または、下記一般式(T1)で表されるアゾ染料および下記一般式(T2−2)で表されるテトラアザポルフィリン系染料より選ばれる染料に由来する色素残基を表し、RおよびRの少なくとも一方は前記色素残基を表す。
前記一般式(T1)において、Aはカプラー残基を表し、Bは下記式(B−1)〜(B−7)で表される基を表す。前記カプラー残基および前記式(B−1)〜(B−7)中のR b7 〜R b23 で表される基から選ばれる少なくとも1つは、前記一般式(T)中のR またはR の結合位置に結合されている。
また、前記式(B−1)〜(B−7)において、R b7 〜R b23 は、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、イミド基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、又はカルボキシル基を表す。
前記一般式(T2−2)において、RC1、RC2、RC3、及びRC4は、各々独立に、脂肪族基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族オキシ基、アシルアミノ基、脂肪族スルホニルアミノ基、又はスルファモイル基を表し、 C1 、R C2 、R C3 もしくはR C4 が結合するフェニル基並びにR C1 、R C2 、R C3 、及びR C4 で表される基から選ばれる少なくとも1つは、前記一般式(T)中のR またはR の結合位置に結合されている。Mは、2個の水素原子または金属類を表す。cn、cn、cn、及びcnは0〜3の整数を表し、cm、cm、cm、及びcmは0〜2の整数を表す。RC5、RC6、RC7、及びRC8は、水素原子又は置換基を表す。
前記<1>に記載の着色硬化性組成物において、前記RおよびRの一方が前記色素残基を表し、他方が脂肪族基又はアリール基を表す場合が好ましい。
<2> 下記一般式(T)で表される化合物の少なくとも1種を含有するカラーフィルタである。
前記同様に、一般式(T)中、R1およびR2は、各々独立に、置換基または色素残基を表し、R1およびR2の少なくとも一方は色素残基を表す。
前記一般式(T1)において、Aはカプラー残基を表し、Bは下記式(B−1)〜(B−7)で表される基を表す。前記カプラー残基および前記式(B−1)〜(B−7)中のR b7 〜R b23 で表される基から選ばれる少なくとも1つは、前記一般式(T)中のR またはR の結合位置に結合されている。
また、前記式(B−1)〜(B−7)において、R b7 〜R b23 は、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、イミド基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、又はカルボキシル基を表す。
前記一般式(T2−2)において、RC1、RC2、RC3、及びRC4は、各々独立に、脂肪族基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族オキシ基、アシルアミノ基、脂肪族スルホニルアミノ基、又はスルファモイル基を表し、 C1 、R C2 、R C3 もしくはR C4 が結合するフェニル基並びにR C1 、R C2 、R C3 、及びR C4 で表される基から選ばれる少なくとも1つは、前記一般式(T)中のR またはR の結合位置に結合されている。Mは、2個の水素原子または金属類を表す。cn、cn、cn、及びcnは0〜3の整数を表し、cm、cm、cm、及びcmは0〜2の整数を表す。RC5、RC6、RC7、及びRC8は、水素原子又は置換基を表す。
前記<2>に記載のカラーフィルタにおいて、前記RおよびRの一方が前記色素残基を表し、他方が脂肪族基又はアリール基を表す場合が好ましい。
<3> 前記<1>に記載の着色硬化性組成物を支持体上に塗布後、マスクを通して露光し、現像してパターン像を形成する工程を有するカラーフィルタの製造方法である。
本発明によれば、色相が良好で高透過率特性を有すると共に、光堅牢性および熱堅牢性が高く、経時安定性に優れ、硬化後の耐溶剤性の良好な着色硬化性組成物およびカラーフィルタ、並びに前記着色硬化性組成物が用いられ、カラーフィルタの高い生産性での作製が可能なカラーフィルタの製造方法を提供することができる。
更に加えて、溶解性の高い染料を含んで現像性、パターン形成性に優れた着色硬化性組成物、並びにこれを用いたカラーフィルタおよびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の着色硬化性組成物、並びにカラーフィルタ及びその製造方法について詳細に説明する。
〔着色硬化性組成物〕
本発明の着色硬化性組成物は、色素として、下記一般式(T)で表される化合物を含んでなり、光又は熱により硬化するものであればいずれであってもよく、好ましくはバインダーや感放射線性化合物、重合性モノマーを含んでなる。また、一般には更に溶剤を用いて構成することができ、必要に応じて更に架橋剤など他の成分を用いて構成することができる。
以下に示す一般式については、本明細書中において、「脂肪族」は、その脂肪族部位は直鎖、分岐鎖または環状のいずれでもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、例えば、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基を含み、これらは無置換であっても置換基で置換されていてもよい。
また、本明細書中において、アリールは、単環および縮合環のいずれでもよく、無置換であっても置換基で置換されていてもよい。また、本明細書中において、ヘテロ環は、そのヘテロ環部位が環内にヘテロ原子(例えば、窒素原子、イオウ原子、酸素原子)を持つものであり、飽和環および不飽和環のいずれであってもよく、単環および縮合環のいずれでもよく、無置換であっても置換基で置換されていてもよい。
本明細書において、「置換基」は、置換可能な基であればよく、例えば、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、イミド基、アゾ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、脂肪族スルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、ヘテロ環スルホニルオキシ基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、脂肪族スルフィニル基、アリールスルフィニル基、脂肪族チオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、脂肪族オキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、スルファモイルカルバモイル基、カルバモイルスルファモイル基、ジ脂肪族オキシフォスフィニル基、ジアリールオキシフォスフィニル基、等を挙げることができる。
−一般式(T)で表される化合物−
本発明の着色硬化性組成物は、下記一般式(T)で表される化合物の少なくとも1種(以下、「本発明に係る色素」ということがある。)を含有する。以下、一般式(T)で表される化合物を詳細に説明する。
前記一般式(T)において、R1またはR2で表される置換基は、既述の置換基の項で述べた基であって置換可能なものが挙げられ、R1の置換基として好ましくは、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、脂肪族オキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、スルファモイルアミノ基等であり、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基である場合は更に好ましく、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基等である場合が特に好ましい。また、R2の置換基として好ましくは、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシルアミノ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基等であり、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシルアミノ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基等である場合は更に好ましく、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基である場合は特に好ましい。
1またはR2で表される色素残基とは、色素(本発明では染料ともいう。)が適当な位置で基となっているものをいい、染料としては、例えば総説合成染料(堀口博著、三共出版株式会社、1968年発行)の目次に記載の染料種類が挙げられ、好ましくは、アゾ染料、アゾメチン染料、インドフェノール染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、スチルベン染料、キノリン染料、インドアニリン染料、アジン染料、オキサジン染料、インジゴ染料、フタロシアニン染料等が挙げられ、アゾ染料、アゾメチン染料、キノリン染料、フタロシアニン染料である場合が更に好ましく、アゾ染料、テトラアザポルフィリン系染料である場合がより好ましい。
好ましいアゾ染料としては、下記一般式(T1)であり、下記一般式(T1)において、Aはカプラー残基を表し、Bはジアゾ成分残基を表す。
前記一般式(T1)において、Aで表されるカプラー残基としては、ジアゾニウム塩とカップリング可能な基であればいずれでもよく、例えば、炭化水素環、ヘテロ環あるいは置換メチレン基等が挙げられ、一般式(T1)で表される染料が非解離型色素になっても、解離型色素(アルカリ性で解離し、目的の色相になる基を含有する色素)になってもよいカプラー残基を表す。更に具体的には、下記式(A−1)〜(A−13)が挙げられる。
式中、Ra6〜Ra47は、水素原子または置換基を表し、ここでの置換基としては、既述の置換基の説明の項で述べた基であって置換可能な基であればよく、好ましい置換基としては、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、イミド基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基等である。
a6〜Ra10、Ra11〜Ra14、Ra15〜Ra17、Ra45〜Ra47における隣接する2つの基、Ra19とRa20、Ra21とRa22、Ra23とRa24、Ra29とRa30、Ra31とRa32、Ra33とRa34、Ra35とRa36、Ra38とRa39、Ra42とRa43は可能な限り、互いに結合し5〜7員環の炭化水素環、複素環を形成してもよい。また、Qa1〜Qa3は、該窒素原子と共に5〜7員環を形成するに必要な非金属原子群を表す。
本発明の効果の点で、Ra6とRa8、Ra11とRa13、Ra15とRa17とRa18、Ra19とRa22、Ra24とRa25、Ra26とRa27とRa28のそれぞれの少なくとも1つはヒドロキシ基、アミノ基、置換アミノ基またはアリールアミノ基である場合が好ましく、置換アミノ基である場合は更に好ましい。本発明の効果の点で、Ra31は脂肪族基または芳香族基である場合が好ましく、脂肪族基である場合は更に好ましい。本発明の効果の点で、Ra32はヒドロキシ基が好ましく、Ra39はヒドロキシ基または置換してもよいアミノ基である場合が好ましく、Ra39は置換してもよいアミノ基である場合は更に好ましい。上記式のうち、本発明の効果の点で、(A−1)、(A−3)、(A−6)、(A−7)である場合が好ましく、(A−3)、(A−6)である場合は更に好ましい。
前記一般式(T1)において、Bで表されるジアゾ成分残基は、B−NH2の残基である。このB−NH2のBとしては、アリール基、ヘテロ環基等を表し、好ましくは5員ヘテロ環基を表し、好ましい5員へテロ環基の例としては、ピラゾール類、イミダゾール類、1,2,4−トリアゾール類、1,2,3−トリアゾール類、チアゾール類、イソチアゾール類、ベンゾイソチアゾール類、チアジアゾール類、ベンゾチアゾール類、ベンゾオキサゾール類を挙げることができる。各ヘテロ環は更に置換基を有しても、他の脂肪族環、芳香族環、ヘテロ環と縮環していてもよい。中でも、本発明においては、下記式(B−1)〜(B−7)で表される基を表す
前記式(B−1)〜(B−7)のRb7〜Rb23は、水素原子又は置換基を表し、ここでの置換基としては、前記置換基の説明の項で述べた基であって置換可能な基であればよく、好ましい置換基としては、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、イミド基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基等である。
b7とRb8、Rb10とRb11、Rb14とRb15、Rb15とRb16、Rb16とRb17、Rb18とRb19、Rb19とRb20、Rb21とRb22、Rb22とRb23は可能な限り、互いに結合し5〜7員環の炭化水素環、複素環を形成してもよい。本発明の効果の点で、式(B−1)、(B−2)、(B−7)である場合が好ましく、式(B−1)、(B−7)である場合は更に好ましい。
本発明の効果の点で、前記一般式(T1)は、Aが前記式(A−3)であってBが前記式(B−1)又は(B−7)である場合、Aが前記式(A−6)であってBが前記式(B−1)又は(B−7)である場合が好ましい。
好ましいテトラアザポルフィリン系染料としては、下記一般式(T2)で表される化合物が挙げられる。
前記一般式(T2)において、Mは、2個の水素原子または金属類を表し、該金属類とは、Zn,Mg,Si,Sn、Rh,Pt,Pd,Mo,Mn,Pb,Cu,Ni,Co,Fe等の他に、AlCl,InCl,FeCl,TiCl2,SnCl2,SiCl2,GeCl2などの金属塩化物、TiO,VO等の金属酸化物、Si(OH)2等の金属水酸化物も含まれる。
前記一般式(T2)において、Z1,Z2,Z3,及びZ4は、各々独立に、炭素原子および窒素原子より選ばれる原子で構成される6員環を形成するために必要な原子群を表す。
1,Z2,Z3,又はZ4で表される6員環は、飽和環であっても,不飽和環であってもよく、無置換であっても置換基を有していてもよい。更に、他の5員又は6員の環が縮合していてもよい。
1,Z2,Z3,又はZ4で表される6員環が有する置換基としては、既述の置換基の項で述べた置換可能な基であればよく、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、へテロ環基、シリル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルファモイルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基、ホスホニル基、ホスフィノイルアミノ基等を表す。
一般式(T2)におけるZ1,Z2,Z3,Z4が、2個以上の置換基を有している場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
前記一般式(T2)で表されるテトラアザポルフィリン系染料は、好ましくは下記一般式(T2−1)で表される。
C1、ZC2、ZC3およびZC4は、炭素原子と共に6員環を形成するに必要な非金属原子群を表し、RC1、RC2、RC3、およびRC4は既述の置換基の項で述べた置換可能な基であればよい。例えば、ハロゲン原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族オキシカルボニルオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、脂肪族スルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、脂肪族チオ基、アリールチオ基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、イミド基、ヘテロ環チオ基等を表す。
Mとしては、例えば、VO、TiO、Zn、Mg、Si、Sn、Rh、Pt、Pd、Mo、Mn、Pb、Cu、Ni、Co、Fe、AlCl、InCl、FeCl、TiCl2、SnCl2、SiCl2、GeCl2、Si(OH)2、H2等を表す。
cn1、cn2、cn3およびcn4は、各々独立に、0〜3の置換可能な整数(好ましくは0または1)を表し、cn1、cn2、cn3およびcn4が複数である場合は、複数のRC1、RC2、RC3 およびRC4は同一であっても異なっていてもよい。cr1、cr2、cr3及びcr4は0または1を表し、cr1+cr2+cr3+cr4≧1を満たす。cm1、cm2、cm3、およびcm4は0〜2の整数(好ましくは0または2)を表す。
C1、ZC2、ZC3、およびZC4は、各々独立に、炭素原子と共に6員環を形成するに必要な非金属原子群を表し、芳香族環であっても、ヘテロ環であっても、縮環していてもよく、縮環した環に置換基を有していてもよく、例えば、フェニル環、ピリジン環、シクロヘキセン環、ナフタレン環である。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表される脂肪族基としては、無置換であっても置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、環状であってもよく、総炭素数1〜15であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、イソプロペニル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表されるアリール基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数6〜16のアリール基が好ましく、総炭素数6〜12のアリール基がより好ましい。例えば、フェニル基、4−ニトロフェニル基、2−ニトロフェニル基、2−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−メトキシカルボニル−4−ニトロフェニル基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表されるヘテロ環基としては、飽和であっても不飽和であってもよく、総炭素数1〜15のヘテロ環基であることが好ましく、総炭素数3〜10のヘテロ環基がより好ましい。例えば、3−ピリジル基、2−ピリジル基、2−ピリミジニル基、2−ピラジニル基、1−ピペリジル基等が挙げられる。また、更に置換基を有していてもよい。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表されるカルバモイル基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数1〜16のカルバモイル基が好ましく、総炭素数1〜12のカルバモイル基がより好ましい。例えば、カルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、ジメトキシエチルカルバモイル基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表される脂肪族オキシカルボニル基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、環状であってもよく、総炭素数2〜16の脂肪族オキシカルボニル基であることが好ましく、更には総炭素数2〜10の脂肪族オキシカルボニル基がより好ましい。例えばメトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表されるアリールオキシカルボニル基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数7〜17のアリールオキシカルボニル基であることが好ましく、総炭素数2〜10の脂肪族オキシカルボニル基がより好ましい。例えばフェノキシカルボニル基、4−メチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表されるアシル基としては、芳香族または脂肪族のいずれであってもよく、飽和または不飽和のいずれでもよく、環状であってもよく、総炭素数2〜15のアシル基が好ましく、総炭素数2〜10のアシル基がより好ましい。例えば、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。また更に、置換基を有していてもよい。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表される脂肪族オキシ基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数1〜12の脂肪族オキシ基が好ましく、総炭素数1〜10の脂肪族オキシ基がより好ましい。例えば、メトキシ基、エトキシエトキシ基、フェノキシエトキシ基、チオフェノキシエトキシ基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表されるアリールオキシ基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数6〜18のアリールオキシ基であることが好ましく、総炭素数6〜14のアリールオキシ基がより好ましい。例えば、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表されるアシルオキシ基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数2〜14のアシルオキシ基であることが好ましく、総炭素数2〜10のアシルオキシ基がより好ましい。例えば、アセトキシ基、メトキシアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表されるカルバモイルオキシ基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数1〜16のカルバモイルオキシ基であることが好ましく、総炭素数1〜12のカルバモイルオキシ基がより好ましい。例えば、ジメチルカルバモイルオキシ基、ジイソプルピルカルバモイル基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表されるヘテロ環オキシ基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数1〜15のヘテロ環オキシ基であることが好ましく、総炭素数3〜10のヘテロ環オキシ基がより好ましい。例えば3−フリルオキシ基、3−ピリジルオキシ基、N−メチル2−ピペリジルオキシ基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表される脂肪族オキシカルボニルオキシ基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、飽和または不飽和のいずれでもよく、環状であってもよく、総炭素数2〜16の脂肪族オキシカルボニルオキシ基であることが好ましく、総炭素数2〜10の脂肪族オキシカルボニルオキシ基がより好ましい。例えば、メトキシカルボニルオキシ基、(t)ブトキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表されるアシルアミノ基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数2〜15のアシルアミノ基であることが好ましく、総炭素数2〜12のアシルアミノ基がより好ましい。例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、N−メチルメトキシアセチルアミノ基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表されるカルバモイルアミノ基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数1〜16であることが好ましく、総炭素数1〜12のカルバモイルアミノ基がより好ましい。例えば、N,N−ジメチルカルバモイルアミノ基、N−メチル−N−メトキシエチルカルバモイルアミノ基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表されるスルファモイルアミノ基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数0〜16のスルファモイルアミノ基であることが好ましく、総炭素数0〜12のスルファモイルアミノ基がより好ましい。例えば、N,N−ジメチルスルファモイルアミノ基、N,N−ジエチルスルファモイルアミノ基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表される脂肪族オキシカルボニルアミノ基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数2〜15の脂肪族オキシカルボニルアミノ基であることが好ましく、総炭素数2〜10の脂肪族オキシカルボニルアミノ基がより好ましい。例えば、メトキシカルボニルアミノ基、メトキシエトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表されるアリールオキシカルボニルアミノ基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数7〜17のアリールオキシカルボニルアミノ基であることが好ましく、総炭素数7〜15のアリールオキシカルボニルアミノ基がより好ましい。例えばフェノキシカルボニルアミノ基、4−メトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表される脂肪族スルホニルアミノ基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、環状であってもよく、総炭素数1〜12の脂肪族スルホニルアミノ基であることが好ましく、総炭素数1〜8の脂肪族スルホニルアミノ基がより好ましい。例えばメタンスルホニルアミノ基、ブタンスルホニルアミノ基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表されるアリールスルホニルアミノ基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数6〜15のアリールスルホニルアミノ基であることが好ましく、総炭素数6〜12のアリールスルホニルアミノ基がより好ましい。例えば、ベンゼンスルホニルアミノ基、4−トルエンスルホニルアミノ基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表される脂肪族チオ基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、環状であってもよく、総炭素数1〜16の脂肪族チオ基であることが好ましく、総炭素数1〜10の脂肪族チオ基がより好ましい。例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、エトキシエチルチオ基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表されるアリールチオ基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数6〜22のアリールチオ基あることが好ましく、総炭素数6〜14のアリールチオ基がより好ましい。例えば、フェニルチオ基、2−t−ブチルチオ基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表される脂肪族スルホニル基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、環状であってもよく、総炭素数1〜15の脂肪族スルホニル基であることが好ましく、総炭素数1〜8の脂肪族スルホニル基がより好ましい。例えば、メタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、メトキシエタンスルホニル基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表されるアリールスルホニル基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数6〜16のアリールスルホニル基であることが好ましく、総炭素数6〜12のアリールスルホニル基がより好ましい。例えば、ベンゼンスルホニル基、4−tブチルベンゼンスルホニル基、4−トルエンスルホニル基、2−トルエンスルホニル基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表されるスルファモイル基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、総炭素数0〜16のスルファモイル基であることが好ましく、総炭素数0〜12のスルファモイル基がより好ましい。例えば、スルファモイル基、ジメチルスルファモイル基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表されるイミド基としては、更に縮環していてもよく、総炭素数3〜22のイミド基であることが好ましく、総炭素数3〜15のイミド基がより好ましい。例えば、コハク酸イミド基、フタル酸イミド基等が挙げられる。
C1、RC2、RC3、またはRC4で表されるヘテロ環チオ基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、5〜7員環であって、総炭素数1〜20のヘテロ環チオ基が好ましく、総炭素数1〜12のヘテロ環チオ基が好ましい。例えば3−フリルチオ基、3−ピリジルチオ基等が挙げられる。
本発明の効果の点で、RC1、RC2、RC3、およびRC4は、ハロゲン原子、脂肪族基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、脂肪族オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族スルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、脂肪族チオ基、アリールチオ基、スルファモイル基であることが好ましく、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族オキシ基、アシルアミノ基、脂肪族スルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基である場合は更に好ましい。
Mとしては、VO、Zn、Mn、Cu、Ni、Coである態様が好ましい。
また、cr1+cr2+cr3+cr4が3または4である態様が好ましく、cr1+cr2+cr3+cr4が4である態様は特に好ましい。
本発明の効果の点で、前記一般式(T2)および(T2−1)のうち、下記一般式(T2−2)である染料が用いられる
前記一般式(T2−2)において、RC1、RC2、RC3、RC4、M、cn1、cn2、cn3、cn4、cm1、cm2、cm3、およびcm4は既述の一般式(T2)および(T2−1)で定義したものと同義であり、RC5、RC6、RC7およびRC8は水素原子または置換基を表す。 C1 、R C2 、R C3 もしくはR C4 が結合するフェニル基並びにR C1 、R C2 、R C3 、及びR C4 で表される基から選ばれる少なくとも1つは、前記一般式(T)中のR またはR の結合位置に結合されている。
置換基としては、既述の置換基の項で述べた基で置換可能な基であればよく、好ましくは、ハロゲン原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族オキシカルボニルオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、脂肪族スルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、脂肪族チオ基、アリールチオ基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、イミド基、ヘテロ環チオ基を表す。
本発明の効果の点で、RC5、RC6、RC7およびRC8は、水素原子であることが好ましい。
本発明の効果の点で、前記一般式(T)は、R1が色素残基であって、R2は脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基等である場合、R2が色素残基であって、R1が脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基である場合が好ましい。
本発明の効果の点で、前記一般式(T)は、R1の色素残基が前記一般式(T1)、(T2)、(T2−1)、または(T2−2)であって、R2が脂肪族基、アリール基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基である場合が更に好ましく、R1の色素残基が前記一般式(T2)、(T2−1)、または(T2−2)であって、R2が脂肪族基、アリール基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基である場合がより好ましく、R1の色素残基が前記一般式(T2)、(T2−1)、または(T2−2)であって、R2が脂肪族基、アリール基である場合はより好ましく、R1の色素残基が前記一般式(T2−2)であって、R2が脂肪族基である場合は最も好ましい。
以下、前記一般式(T)で表される色素化合物の具体例(例示化合物M−1〜M−25、例示化合物Y−1〜Y−25、例示化合物C−1〜C−39)を示す。但し、本発明においては、下記例に限定されるものではない。
本発明の化合物は、総説合成染料「堀口博著、三共出版株式会社、1968年発行」に記載の方法、又はその文献記載の方法で染料化することができる。スルホニルカルバモイル基の導入に関しては、カルボン酸クロライド化合物とスルホンアミド化合物をトルエン中で加熱還流することによって合成することができる。
本発明に係る染料の着色硬化性組成物中における総濃度は、分子量及びモル吸光係数によって異なるが、該組成物の全固形成分に対して0.5〜80%質量%が好ましく、0.5〜60%質量%がより好ましく、0.5〜50%質量%が特に好ましい。
上記した本発明に係る前記一般式(T)で表される染料は、CCD、CMOSなどの固体撮像素子や、LCD,PDP等のディスプレーに用いられる、カラー画像を記録、再現するためのカラーフィルタ、あるいはこれらのカラーフィルタを作製するための着色硬化性組成物に好適に利用することができる。
本発明のカラーフィルタは、本発明に係る染料、すなわち前記一般式(T)で表される化合物の少なくとも1種を用いて構成される態様であればいずれの方法でも作製することができ、例えば、本発明に係る染料を含む着色硬化性組成物を調製し、調製された着色硬化性組成物を支持体に塗布等し、マスクをとして露光し、現像して例えばネガ型の場合は未硬化部(未露光部)を除去することでパターン像を形成する工程を(必要に応じて所望の色相となるようにカラーフィルタを構成する所望の色相数だけ繰り返して)行なうことによって好適に本発明のカラーフィルタを作製することができる。具体的には後述する。
−バインダー−
本発明の着色硬化性組成物は、バインダーの少なくとも1種を含有することができる。本発明に係るバインダーとしてはアルカリ可溶性であれば特に限定されないが、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選ばれることが好ましい。
アルカリ可溶性のバインダーとしては、線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶性で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号、等の明細書に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等があり、また、同様に、側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。この他に水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等やポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール等も有用である。
また、親水性基を有するモノマーを共重合してもよく、この例としては、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2級及び3級のアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、モルホリノ(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、分岐または直鎖のプロピル(メタ)アクリレート、分岐または直鎖のブチル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記以外に、親水性基を有するモノマーとして、テトラヒドロフルフリル基、燐酸部位、燐酸エステル部位、4級アンモニウム塩の部位、エチレンオキシ鎖、プロピレンオキシ鎖、スルホン酸又はその塩の部位、モルホニルエチル基等を含んだモノマー等も有用である。
また、架橋効率を向上させる観点からは、重合性基を側鎖に有してもよく、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有したポリマー等も有用である。
これらの重合性基を有するポリマーの例としては、KSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。
また、硬化被膜の強度を上げるために、アルコール可溶性ナイロンや、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロルヒドリンとのポリエーテル等も有用である。
上記の各種バインダーのうち、耐熱性の観点で、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、また、現像性制御の観点では、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。上記アクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体、及びKS−レジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーP−シリーズ(ダイセル化学工業(株)製)などが好ましい。
また、バインダーとして、アルカリ可溶性フェノール樹脂を用いることもできる。該アルカリ可溶性フェノール樹脂は、本発明の着色硬化性組成物をポジ型に構成する場合に好適に用いることができ、例えば、ノボラック樹脂、またはビニル重合体等が挙げられる。
前記ノボラック樹脂としては、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下に縮合させて得られるものが挙げられる。フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、キシレノール、フェニルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ナフトール、またはビスフェノールA等が挙げられる。フェノール類は単独若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、またはベンズアルデヒド等が挙げられる。
前記ノボラック樹脂の具体例としては、メタクレゾール、パラクレゾールまたはこれらの混合物とホルマリンとの縮合生成物が挙げられる。ノボラック樹脂は、分別等の手段を用いて分子量分布を調節してもよい。また、ビスフェノールCやビスフェノールAと宇野フェノール系水酸基を有する低分子量成分を前記ノボラック樹脂に混合してもよい。
バインダーは、質量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)が1000〜2×105の重合体が好ましく、2000〜1×105の重合体が更に好ましく、5000〜5×104の重合体が特に好ましい。
バインダーの本発明の着色硬化性組成物中における含有量としては、該組成物中の全固形分に対して、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%が更に好ましい。30〜70質量%が特に好ましい。
−架橋剤−
既述の本発明に係る染料を含んで従来に比して膜の硬化反応がより高度に進行し、硬化性の良好な膜が得られるものであるが、補足的に架橋剤を用いてより高度に硬化させた膜を得るようにすることも可能である。本発明の着色硬化性組成物の高解像度化を達成する観点からは有用である。
本発明において使用可能な架橋剤は、架橋反応によって膜硬化を行なえるものであれば特に限定はなく、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換されたメラミン化合物、グアナミン化合物、グルコールウリル化合物、又はウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換されたフェノール化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシアントラセン化合物が挙げられる。中でも特に、多官能エポキシ樹脂が好ましい。
前記(a)エポキシ樹脂としては、エポキシ基を有し、かつ架橋性を有するものであればいずれでもよく、例えば、ビスフェノールA−グリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、へキサンジオールジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン等の2価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールフェノールトリグリシジルエーテル、TrisP−PAトリグリシジルエーテル等に代表される3価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、テトラメチロールビスフェノール−A−テトラグリシジルエーテル等に代表される4価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、ジペンタエリスリトールペンタグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル等の多価グリシジル基含有低分子化合物、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等に代表されるグリシジル基含有高分子化合物等が挙げられる。
前記架橋剤(b)に含まれるメチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基が置換している数としては、メラミン化合物の場合2〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物の場合は2〜4であるが、好ましくはメラミン化合物の場合5〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物の場合は3〜4である。
以下、前記(b)のメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物及びウレア化合物を総じて、(b)に係る化合物(メチロール基含有化合物、アルコキシメチル基含有化合物、又はアシロキシメチル基含有化合物)ということがある。
前記(b)に係るメチロール基含有化合物は、(b)に係るアルコキシメチル基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒存在下、加熱することにより得られる。
前記(b)に係るアシロキシメチル基含有化合物は(b)に係るメチロール基含有化合物を塩基性触媒存在下、アシルクロリドと混合攪拌することにより得られる。
以下、前記置換基を有する(b)に係る化合物の具体例を挙げる。
前記メラミン化合物として、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がメトキシメチル化した化合物またはその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がアシロキシメチル化した化合物またはその混合物などが挙げられる。
前記グアナミン化合物として、例えば、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチロール基をアシロキシメチル化した化合物またはその混合物などが挙げられる。
前記グリコールウリル化合物としては、例えば、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜3個をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜3個をアシロキシメチル化した化合物またはその混合物などが挙げられる。
前記ウレア化合物としては、例えば、テトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメチロールウレアの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物またはその混合物、テトラメトキシエチルウレアなどが挙げられる。(b)に係る化合物は、単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
前記架橋剤(c)、即ち、メチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換されたフェノール化合物、ナフトール合物またはヒドロキシアントラセン化合物は、前記架橋剤(b)の場合と同様、熱架橋により上塗りフォトレジストとのインターミキシングを抑制するとともに、膜強度を更に高めるものである。
以下、これらの化合物を総じて、(c)に係る化合物(メチロール基含有化合物、アルコキシメチル基含有化合物、又はアシロキシメチル化合物)ということがある。
前記架橋剤(c)成分に含まれるメチロール基、アシロキシメチル基またはアルコキシメチル基の数としては、一分子あたり最低2個必要であり、熱架橋性および保存安定性の観点からフェノール性化合物の2位,4位が全て置換されている化合物が好ましい。また、骨格となるナフトール化合物、ヒドロキシアントラセン化合物も、OH基のオルト位、パラ位が全て置換されている化合物が好ましい。
骨格となるフェノール化合物の3位または5位は未置換であってもよいし、置換基を有していてもよい。またナフトール化合物においても、OH基のオルト位以外は未置換であってもよいし、置換基を有していてもよい。
前記(c)に係るメチロール基含有化合物は、フェノール性OH基のオルト位またはパラ位(2位または4位)が水素原子である化合物を原料に用い、これを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド等の、塩基性触媒の存在下でホルマリンと反応させることにより得られる。
前記(c)に係るアルコキシメチル基含有化合物は、(c)に係るメチロール基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒の存在下で加熱する事により得られる。
前記(c)に係るアシロキシメチル基含有化合物は、(c)に係るメチロール基含有化合物を塩基性触媒の存在下アシルクロリドと反応させることにより得られる。
架橋剤(c)における骨格化合物としては、フェノール性OH基のオルト位またはパラ位が未置換のフェノール化合物、ナフトール、ヒドロキシアントラセン化合物、等が挙げられ、例えば、フェノール、クレゾールの各異性体、2,3−キシレノ−ル、2,5−キシレノ−ル、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、ビスフェノール−Aなどのビスフェノール類、4,4_−ビスヒドロキシビフェニル、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシアントラセン等が使用される。
前記架橋剤(c)の具体例としては、トリメチロールフェノール、トリ(メトキシメチル)フェノール、トリメチロールフェノールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、トリメチロール−3−クレゾール、トリ(メトキシメチル)−3−クレゾール、トリメチロール−3−クレゾールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、2,6−ジメチロール−4−クレゾール等のジメチロールクレゾール、テトラメチロールビスフェノール−A、テトラメトキシメチルビスフェノール−A、テトラメチロールビスフェノール−Aの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、テトラメチロール−4,4−ビスヒドロキシビフェニル、テトラメトキシメチル−4,4−ビスヒドロキシビフェニル、TrisP−PAのヘキサメチロール体、TrisP−PAのヘキサメトキシメチル体、TrisP−PAのヘキサメチロール体の1〜5個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、ビスヒドロキシメチルナフタレンジオール等がある。
また、ヒドロキシアントラセン化合物としては、例えば、1,6−ジヒドロキシメチル−2,7−ジヒドロキシアントラセン等が挙げられる。
また、アシロキシメチル基含有化合物としては、例えば、上記メチロール基含有化合物のメチロール基を、一部または全部アシロキシメチル化した化合物が挙げられる。
これらの化合物の中で好ましいものは、トリメチロールフェノール、ビスヒドロキシメチル−p−クレゾール、テトラメチロールビスフェノールA、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)のヘキサメチロール体またはそれらのメチロール基がアルコキシメチル基およびメチロール基とアルコキシメチル基の両方で置換されたフェノール化合物が挙げられる。これら(c)に係る化合物は単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
本発明において架橋剤を含有する場合、架橋剤(a)〜(c)の着色硬化性組成物中における総含有量としては、素材により異なるが、該組成物の固形分に対して、1〜70質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、7〜30質量%が特に好ましい。
−重合性モノマー−
本発明の着色硬化性組成物は、重合性モノマーの少なくとも1種を用いて好適に構成することができる。重合性モノマーは、着色硬化性組成物をネガ型に構成する場合に主として含有される。なお、後述のナフトキノンジアジド化合物を含有するポジ型の系に後述の光重合開始剤と共に更に含有することもでき、この場合には形成されるパターンの硬化度をより促進させることができる。
この重合性モノマーは、後述の光重合開始剤と共に用いることで本発明の着色硬化性組成物の高感度化、高解像度化を達成し得る点で有用である。以下、重合性モノマーについて説明する。
重合性モノマーとしては、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を有する化合物が好ましく、その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートおよびこれらの混合物を挙げることができる。
また更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものを挙げることができる。
重合性モノマーの着色硬化性組成物中における含有量としては、該組成物の固形分に対して、0.1〜90質量%が好ましく、1.0〜80質量%がさらに好ましく、2.0〜70質量%が特に好ましい。
−感放射線性化合物−
本発明の着色硬化性組成物は、感放射線性化合物の少なくとも1種を用いて好適に構成することができる。本発明に係る感放射線性化合物は、UV、Deep UV、可視光、赤外光、電子線などの放射線に対し、ラジカル発生、酸発生、塩基発生などの化学反応を起こし得る化合物であるが、上記のアルカリ可溶性樹脂を架橋、重合、酸性基の分解などの反応により不溶化させたり、塗膜中に共存する重合性モノマーやオリゴマーの重合、架橋剤の架橋などを起こすことで塗膜をアルカリ現像液に対して不溶化させる目的で用いられる。
この感放射線性化合物は、本発明の着色硬化性組成物の高感度化、高解像度を達成する観点から有用である。着色硬化性組成物が、ネガ型に構成される場合には光重合開始剤を、ポジ型に構成される場合にはナフトキノンジアジド化合物を、それぞれ必須成分として含有する。
〈光重合開始剤等〉
まず、ネガ型に構成する場合の光重合開始剤について説明する。
光重合開始剤は、前記重合性モノマー(重合性基を有するモノマー)を重合反応させ得るものであれば特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれることが好ましい。なお、ナフトキノンジアジド化合物を含有するポジ型の系に更に含有してもよく、この場合には形成されるパターンの硬化度をより促進させることができる。
前記光重合開始剤としては、ハロメチルオキサジアゾール化合物およびハロメチル−s−トリアジン系化合物から選択される少なくとも一つの活性ハロゲン化合物、3−アリール置換クマリン化合物、ロフィン2量体、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、オキシム系化合物等が挙げられる。
前記ハロメチルオキサジアゾールである活性ハロゲン化合物としては、特公昭57−6096号公報に記載の2−ハロメチル−5−ビニル−1,3,4−オキサジアゾール化合物等や、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等が挙げられる。
前記ハロメチル−s−トリアジン系化合物である活性ハロゲン化合物としては、特公昭59−1281号公報に記載のビニル−ハロメチル−s−トリアジン化合物、特開昭53−133428号公報に記載の2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−ハロメチル−s−トリアジン化合物、および4−(p−アミノフェニル)−2,6−ジ−ハロメチル−s−トリアジン化合物が挙げられる。
その他の具体例として、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−メトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−ブトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−5−メチル−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(5−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−エトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,5−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(フェニル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルカルボニルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N−(p−メトキシフェニル)カルボニルアミノフェニル〕2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
その他、みどり化学社製のTAZシリーズ(例えば、TAZ−107、TAZ−110、TAZ−104、TAZ−109、TAZ−140、TAZ−204、TAZ−113、TAZ−123、TAZ−104)、PANCHIM社製のTシリーズ(例えば、T−OMS、T−BMP、T−R、T−B)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュアシリーズ(例えば、イルガキュア369、イルガキュア784、イルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア500、イルガキュア1000、イルガキュア149、イルガキュア819、イルガキュア261)、ダロキュアシリーズ、ダロキュア1173、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−(o−クロルフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、ベンゾインイソプロピルエーテル等も有用である。
本発明の着色硬化性組成物には、前記光重合開始剤以外の他の公知の光重合開始剤を併用することもできる。具体的には、米国特許第2、367,660号明細書記載のビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に記載のα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に記載のアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書のα―炭化水素で置換されたアリールアシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に記載のトリアリルイミダゾールダイマー/P−アミノフェニルケトンの組合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物等を挙げることができる。
光重合開始剤の着色硬化性組成物中における含有量は、前記重合性モノマーの固形分(質量)に対して、0.01〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、1〜20質量%が特に好ましい。該含有量が前記範囲内であると、重合が良好であり、含有量が多すぎて重合率は大きくなる一方で分子量が低くなって膜強度が弱くなることもない。
上記の光重合開始剤には増感剤や光安定剤を併用することができる。
その具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−エトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(またはミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
上記以外に更に、熱重合防止剤を加えておくことが好ましい。例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4_−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2_−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
〈ナフトキノンジアジド化合物〉
次に、ポジ型に構成する場合のナフトキノンジアジド化合物について説明する。ナフトキノンジアジド化合物は、少なくとも1つのo−キノンジアジド基を有する化合物である。
例えば、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸アミド、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸アミド等が挙げられる。これらのエステルやアミド化合物は、例えば、特開平2−84650号公報、特開平3−49437号公報に一般式(I)で記載されているフェノール化合物等を用いて公知の方法により製造することができる。
また、着色硬化性組成物をポジ型に構成する場合には、前記バインダー、前記架橋剤は通常、有機溶剤中にそれぞれ2〜50質量%程度、2〜30質量%程度の割合で溶解させるのが好ましい。また、前記ナフトキノンジアジド化合物、前記色素の各含有量は通常、前記バインダー及び架橋剤を溶解した溶液の質量に対して、それぞれ2〜30質量%程度、2〜50質量%程度の割合で添加するのが好ましい。
−溶剤−
本発明の着色硬化性組成の調製には、一般に溶剤を用いることができる。溶剤は各成分の溶解性、着色硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的に特に限定されないが、特にバインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
溶剤の具体例としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等の3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン等が好ましい。
上記の中でも、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等がより好ましい。
−各種添加物−
本発明の着色硬化性組成物には、必要に応じて各種添加物、例えば充填剤、上記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することかできる。
前記各種添加物の具体例としては、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレート等の結着樹脂以外の高分子化合物;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;およびポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる。
また、非硬化部のアルカリ溶解性を促進し、本発明の着色硬化性組成物の現像性の更なる向上を図る場合に、該組成物に有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行なうことができる。具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
本発明の着色硬化性組成物は、液晶表示装置(LCD)や固体撮像素子(例えばCCD,CMOS)等に用いられるカラーフィルタなどの着色画素形成用として、また、印刷用インキ、インクジェット用インキ及び塗料などの作製用途として、好適に用いることができる。
《カラーフィルタおよびその製造方法》
次に、本発明のカラーフィルタについて、その製造方法を通じて詳述する。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、既述の本発明の着色硬化性組成物が用いられる。本発明のカラーフィルタは、既述の一般式(T)で表される本発明に係る化合物を用いてなるものであり、好ましくは、既述した本発明の着色硬化性組成物を用い、この着色硬化性組成物を支持体上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して感放射線性組成物層を形成し、該層を所定のマスクパターンを介して露光し、現像液で現像して、ネガ型もしくはポジ型の着色パターンを形成することによって作製することができる(画像形成工程)。このとき、必要に応じて、形成された着色パターンを加熱及び/又は露光により硬化する硬化工程を設けることができる。
この際に使用される光もしくは放射線としては、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
また、着色硬化性組成物がポジ型に構成されるときには、画像形成工程後に着色パターンをポストベークする工程を設けることができる。
カラーフィルタの作製においては、ネガ型の場合は前記画像形成工程(および必要により硬化工程)を所望の色相数に合わせて繰り返すことにより、ポジ型の場合は前記画像形成工程およびポストベークを所望の色相に合わせて繰り返すことにより、所望数の色相に構成されたカラーフィルタを作製することができる。
前記支持体としては、例えば液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、およびこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。これらの基板は、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。
また、これらの支持体上には必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止あるいは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
前記現像液としては、本発明の着色硬化性組成物の現像除去しようとする部分(未硬化部)を溶解する一方、フィルタをなす硬化部は溶解しない組成よりなるものであればいかなるものでも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
前記有機溶剤としては、本発明の着色硬化性組成物を調製する際に使用できる既述の溶剤が挙げられる。
前記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−〔5.4.0〕−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解してなるアルカリ性水溶液が好適である。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後に水での洗浄を行なう。
本発明のカラーフィルタは、液晶表示素子やCCD等の固体撮像素子に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS素子等に好適である。本発明のカラーフィルタは、例えば、CCDを構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルタとして用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその趣旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
1)レジスト溶液の調製(ネガ型)
下記組成の化合物を混合して溶解し、レジスト溶液を調製した。
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート… 5.20部
(PGMEA)
・乳酸エチル(EL) …52.6部
・バインダー …30.5部
(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体(モル比=60:20:20)の41%EL溶液)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート …10.2部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) … 0.006部
・フッ素系界面活性剤 … 0.80部
(商品名:F−475、大日本インキ化学工業(株)製)
・TAZ−107(みどり化学社製;光重合開始剤) … 0.58部
2)下塗り層付ガラス基板の作製
ガラス基板(コーニング1737)を0.5%NaOH水で超音波洗浄した後、水洗、脱水ベーク(200℃/20分)を行なった。次いで、前記1)で得たレジスト溶液を洗浄したガラス基板上に膜厚2μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、220℃で1時間加熱乾燥させて、硬化膜(下塗り層)を調製した。
3)レジスト溶液(着色硬化性組成物[ネガ型])の調製
前記1)で得られたレジスト溶液9.4gと本発明に係る染料である既述の例示化合物C−1〔前記一般式(T2)で表される化合物〕0.75gとを混合して溶解し、染料レジスト溶液(着色硬化性組成物[ネガ型]の溶液)を調製した。
4)染料レジストの露光・現像(画像形成)
前記3)で得られた染料レジスト溶液を、前記2)で得た下塗り層付ガラス基板の下塗り層の上に膜厚が1.0μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、100℃で120秒間プリベークした。
次いで、露光装置を使用して、塗布膜に365nmの波長で線幅20μmのマスクを通して、500mJ/cm2の露光量で照射した。露光後、CD−2000(富士フイルムエレクトロマテリアル社製)現像液を使用して、25℃で40秒間の条件で現像した。その後、流水で30秒間リンスした後、スプレー乾燥した。以上のようにして、カラーフィルタを構成するシアン色として好適なパターンが得られた。
5)評価
上記で調製した染料レジスト溶液の経時での保存安定性(経時保存性)、及び染料レジスト溶液を用いてガラス基板上に塗設された塗布膜の耐熱性、耐光性、パターン形成性を下記のようにして評価した。評価結果は下記表1に示す。
−1.経時保存性−
染料レジスト液を室温で1ヶ月保存した後、溶液中における異物の析出度合いを目視により下記判定基準にしたがって評価した。
〔判定基準〕
○:析出は認められなかった。
△:僅かに析出が認められた。
×:析出が認められた。
−2.耐熱性−
染料レジスト溶液が塗布されたガラス基板を、基板面で接するように200℃のホットプレートに載置して1時間加熱した後、色度計MCPD−1000(大塚電子(株)製)にて加熱する前後での色差(ΔEab値)を測定して耐熱性を評価する指標とし、下記判定基準にしたがって評価した。ΔEab値は、値の小さい方が耐熱性が良好なことを示す。
〔判定基準〕
○:ΔEab値<5
△:5≦ΔEab値≦10
×:ΔEab値>10
−3.耐光性−
染料レジスト溶液が塗布されたガラス基板に対し、キセノンランプを5万luxで20時間照射(100万lux・h相当)した後、照射前後での色差(ΔEab値)を測定して耐光性を評価する指標とし、下記判定基準にしたがって評価した。ΔEab値は、値の小さい方が耐光性が良好なことを示す。
〔判定基準〕
○:ΔEab値<3
△:3≦ΔEab値≦10
×:ΔEab値>10
−4.耐溶剤性−
前記4)で得られたポストベーク後の各種塗膜の分光を測定した(分光A)。この塗膜に対し、この上に前記1)で得られたレジスト液を膜厚1μmとなるように塗布しプリベークを行なった後、CD−2000(富士フイルムエレクトロマテリアル社製)現像液を使用して、23℃で120秒間の条件で現像を行ない、再度分光を測定した(分光B)。
そして、得られた分光A,Bの差から染料残存率(%)を算出して耐溶剤性を評価する指標とした。したがって、値が100%に近いほど耐溶剤性に優れることを示す。
(実施例2〜10)
実施例1の3)染料レジスト溶液の調製において、本発明に係る染料である例示化合物C−1を、下記表1に示すように変更(但し等モル)したこと以外、実施例1と同様にして、パターンを形成し、更に同様の評価を行なった。評価結果は下記表1に示す。
(比較例1〜2)
実施例1の3)染料レジスト溶液の調製において、本発明に係る染料である例示化合物C−1を、下記比較色素1(比較例1)又は下記比較色素2(比較例2)に変更(但し等モル)したこと以外、実施例1と同様にして、パターンを形成し、更に同様の評価を行なった。評価結果は実施例の結果と共に下記表1に示す。
前記表1に示すように、本発明に係る染料を用いた実施例では、これ以外の他の染料を用いた比較例に比し、溶液状に調製された染料レジスト溶液(着色硬化性組成物)はいずれも、経時での保存安定性に優れており、しかもこの着色硬化性組成物を用いて形成されたパターンは良好な耐熱性、耐光性、及び耐溶剤性を示した。
(比較色素1)
オレオゾールファーストブルーRL〔(株)田岡化学製〕
(比較色素2)
(実施例11)
1)着色硬化性組成物[ポジ型]の調製
下記組成を混合、溶解して溶液状の着色硬化性組成物[ポジ型]を調製した。
・乳酸エチル(EL) …30部
・下記樹脂P−1 … 3.0部
・下記ナフトキノンジアジド化合物N−1 … 1.8部
・ヘキサメトキシメチロール化メラミン(架橋剤) … 0.6部
・TAZ−107(みどり化学社製;光酸発生剤) … 1.2部
・F−475 … 0.0005部
(大日本インキ化学工業社製;フッ素系界面活性剤)
・本発明に係る染料(既述の例示化合物C−1) … 1.5部
(前記一般式(T2)で表される化合物)
−樹脂P−1の合成−
ベンジルメタクリレート70.0g、メタクリル酸13.0g、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル17.0g、及び2−メトキシプロパノール600gを三口フラスコに仕込み、攪拌装置と還流冷却管、温度計を取り付け窒素気流下65℃にて重合開始剤V−65(和光純薬工業社製)を触媒量添加して10時間攪拌した。得られた樹脂溶液を20Lのイオン交換水に激しく攪拌しながら滴下し、白色粉体を得た。この白色粉体を40℃で24時間真空乾燥し、樹脂P−1を145g得た。
この分子量をGPCにて測定したところ、重量平均分子量Mw=28,000 数平均分子量Mn=11,000であった。
−ナフトキノンジアジド化合物N−1の合成−
Trisp−PA(本州化学社製)42.45g、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド61.80g、及びアセトン300mlを三口フラスコに仕込み、室温下、トリエチルアミン24.44gを1時間かけて滴下した。滴下終了後 更に2時間攪拌した後、大量の水を攪拌下に反応液を注いだ。沈殿したナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを、吸引ろ過により集め、40℃で24時間真空乾燥し、感光性のナフトキノンアジド化合物N−1を得た。
2)着色硬化性組成物の露光、現像(画像形成)
実施例1と同様に下塗り層付ガラス基板を用意し、上記のようにして調製した着色硬化性組成物[ポジ型]を実施例1と同様にして、下塗り層付ガラス基板の下塗り層上に塗布し、プリベーク、照射、現像及びリンス、スプレー乾燥を行なってパターンを得、その後、このパターンを180℃で5分間加熱した(ポストベーク)。形成されたシアンパターンは矩形状の良好なプロファイルを示した。
続いて、上記で調製した着色硬化性組成物[ポジ型]の経時での保存安定性(経時保存性)、及び染料レジスト溶液を用いてガラス基板上に塗設された塗布膜の耐熱性、耐光性、耐溶剤性を実施例1と同様にして評価したところ、前記ネガ型の場合と同様に、保存安定性、並びに耐光性、耐熱性および耐溶剤性のいずれにおいても良好であった。
(実施例12〜21)
実施例1〜10のガラス基板をシリコンウエハー基板に代えたこと以外は、実施例1〜10と全て同様の操作を行なってシリコンウエハー基板の上に塗布膜を塗設した。次いで、i−線縮小投影露光装置を使用して2μmの正方形パターンに500mj/cm2の露光量で露光し、CD−2000(富士フイルムエレクトロマテリアル社製)を60%に希釈した現像液を用いて、23℃で60秒間現像した。次いで、流水で30秒間リンスした後、スプレー乾燥した。以上により、正方形の断面が略矩形でプロファイルの良好なCCD用カラーフィルタとして好適なパターンが得られた。

Claims (5)

  1. 下記一般式(T)で表される化合物の少なくとも1種を含有する着色硬化性組成物。

    〔式中、RおよびRは、各々独立に、置換基または、下記一般式(T1)で表されるアゾ染料および下記一般式(T2−2)で表されるテトラアザポルフィリン系染料より選ばれる染料に由来する色素残基を表し、RおよびRの少なくとも一方は前記色素残基を表す。〕

    〔一般式(T1)中、Aはカプラー残基を表し、Bは下記式(B−1)〜(B−7)で表される基を表す。前記カプラー残基および前記式(B−1)〜(B−7)中のR b7 〜R b23 で表される基から選ばれる少なくとも1つは、前記一般式(T)中のR またはR の結合位置に結合されている。

    〔式(B−1)〜(B−7)中、R b7 〜R b23 は、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、イミド基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、又はカルボキシル基を表す。〕

    〔一般式(T2−2)中、RC1、RC2、RC3、及びRC4は、各々独立に、脂肪族基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族オキシ基、アシルアミノ基、脂肪族スルホニルアミノ基、又はスルファモイル基を表し、 C1 、R C2 、R C3 もしくはR C4 が結合するフェニル基並びにR C1 、R C2 、R C3 、及びR C4 で表される基から選ばれる少なくとも1つは、前記一般式(T)中のR またはR の結合位置に結合されている。Mは、2個の水素原子または金属類を表す。cn、cn、cn、及びcnは0〜3の整数を表し、cm、cm、cm、及びcmは0〜2の整数を表す。RC5、RC6、RC7、及びRC8は、水素原子又は置換基を表す。〕
  2. 前記RおよびRの一方が前記色素残基を表し、他方が脂肪族基又はアリール基を表す請求項1に記載の着色硬化性組成物。
  3. 下記一般式(T)で表される化合物の少なくとも1種を含有するカラーフィルタ。

    〔式中、RおよびRは、各々独立に、置換基または、下記一般式(T1)で表されるアゾ染料および下記一般式(T2−2)で表されるテトラアザポルフィリン系染料より選ばれる染料に由来する色素残基を表し、RおよびRの少なくとも一方は前記色素残基を表す。〕

    〔一般式(T1)中、Aはカプラー残基を表し、Bは下記式(B−1)〜(B−7)で表される基を表す。前記カプラー残基および前記式(B−1)〜(B−7)中のR b7 〜R b23 で表される基から選ばれる少なくとも1つは、前記一般式(T)中のR またはR の結合位置に結合されている。

    〔式(B−1)〜(B−7)中、R b7 〜R b23 は、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、イミド基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、又はカルボキシル基を表す。〕

    〔一般式(T2−2)中、RC1、RC2、RC3、及びRC4は、各々独立に、脂肪族基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族オキシ基、アシルアミノ基、脂肪族スルホニルアミノ基、又はスルファモイル基を表し、 C1 、R C2 、R C3 もしくはR C4 が結合するフェニル基並びにR C1 、R C2 、R C3 、及びR C4 で表される基から選ばれる少なくとも1つは、前記一般式(T)中のR またはR の結合位置に結合されている。Mは、2個の水素原子または金属類を表す。cn、cn、cn、及びcnは0〜3の整数を表し、cm、cm、cm、及びcmは0〜2の整数を表す。RC5、RC6、RC7、及びRC8は、水素原子又は置換基を表す。〕
  4. 前記RおよびRの一方が前記色素残基を表し、他方が脂肪族基又はアリール基を表す請求項3に記載のカラーフィルタ。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の着色硬化性組成物を支持体上に塗布後、マスクを通して露光し、現像してパターン像を形成する工程を有するカラーフィルタの製造方法。
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