JP4790362B2 - 着色硬化性組成物、カラーフィルタおよびその製造方法 - Google Patents
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(1) 染料は、一般的に顔料に比べて耐熱性、耐光性等に劣っており、堅牢性が不充分である。
(2) 染料のモル吸収光係数が低い場合には、多量の染料を添加しなければならず、この場合には硬化性組成物中の重合性化合物やバインダー、光重合開始剤等の他の成分を相対的に減らさざるを得ず、組成物硬化時の硬化性、硬化された硬化部の耐熱性、非硬化部の現像性などが低下する等がある。
(3) 染料のモル吸収光係数が高いものであっても、溶解性の悪い染料は液状調整物への溶解性向上のため、また、液状調製物の安定性向上のために、分子量を大きくしなければならないこともあり、分子量を大きくしたときには多量(質量)の染料を添加せざるを得なくなり、硬化性組成物中の重合性化合物やバインダー、光重合開始剤等の他の成分を相対的に減らさざるを得ず、組成物硬化時の硬化性、硬化された硬化部の耐熱性、次層塗布時の耐溶剤性、非硬化部の現像性などが低下する等がある。
(4) 染料は硬化性組成物中の他の成分と相互作用を示す場合が多く、硬化部と非硬化部の現像性(溶解性)の調節が困難である。
また、上記に加え、更に溶解性の高い染料を含んで現像性、パターン形成性に優れた着色硬化性組成物、並びにこれを用いたカラーフィルタおよびその製造方法を提供することをも目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
前記一般式(T1)において、Aはカプラー残基を表し、Bは下記式(B−1)〜(B−7)で表される基を表す。前記カプラー残基および前記式(B−1)〜(B−7)中のR b7 〜R b23 で表される基から選ばれる少なくとも1つは、前記一般式(T)中のR 1 またはR 2 の結合位置に結合されている。
また、前記式(B−1)〜(B−7)において、R b7 〜R b23 は、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、イミド基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、又はカルボキシル基を表す。
前記一般式(T2−2)において、RC1、RC2、RC3、及びRC4は、各々独立に、脂肪族基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族オキシ基、アシルアミノ基、脂肪族スルホニルアミノ基、又はスルファモイル基を表し、R C1 、R C2 、R C3 もしくはR C4 が結合するフェニル基並びにR C1 、R C2 、R C3 、及びR C4 で表される基から選ばれる少なくとも1つは、前記一般式(T)中のR 1 またはR 2 の結合位置に結合されている。Mは、2個の水素原子または金属類を表す。cn1、cn2、cn3、及びcn4は0〜3の整数を表し、cm1、cm2、cm3、及びcm4は0〜2の整数を表す。RC5、RC6、RC7、及びRC8は、水素原子又は置換基を表す。
前記<1>に記載の着色硬化性組成物において、前記R1およびR2の一方が前記色素残基を表し、他方が脂肪族基又はアリール基を表す場合が好ましい。
前記一般式(T1)において、Aはカプラー残基を表し、Bは下記式(B−1)〜(B−7)で表される基を表す。前記カプラー残基および前記式(B−1)〜(B−7)中のR b7 〜R b23 で表される基から選ばれる少なくとも1つは、前記一般式(T)中のR 1 またはR 2 の結合位置に結合されている。
また、前記式(B−1)〜(B−7)において、R b7 〜R b23 は、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、イミド基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、又はカルボキシル基を表す。
前記一般式(T2−2)において、RC1、RC2、RC3、及びRC4は、各々独立に、脂肪族基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族オキシ基、アシルアミノ基、脂肪族スルホニルアミノ基、又はスルファモイル基を表し、R C1 、R C2 、R C3 もしくはR C4 が結合するフェニル基並びにR C1 、R C2 、R C3 、及びR C4 で表される基から選ばれる少なくとも1つは、前記一般式(T)中のR 1 またはR 2 の結合位置に結合されている。Mは、2個の水素原子または金属類を表す。cn1、cn2、cn3、及びcn4は0〜3の整数を表し、cm1、cm2、cm3、及びcm4は0〜2の整数を表す。RC5、RC6、RC7、及びRC8は、水素原子又は置換基を表す。
前記<2>に記載のカラーフィルタにおいて、前記R1およびR2の一方が前記色素残基を表し、他方が脂肪族基又はアリール基を表す場合が好ましい。
更に加えて、溶解性の高い染料を含んで現像性、パターン形成性に優れた着色硬化性組成物、並びにこれを用いたカラーフィルタおよびその製造方法を提供することができる。
本発明の着色硬化性組成物は、色素として、下記一般式(T)で表される化合物を含んでなり、光又は熱により硬化するものであればいずれであってもよく、好ましくはバインダーや感放射線性化合物、重合性モノマーを含んでなる。また、一般には更に溶剤を用いて構成することができ、必要に応じて更に架橋剤など他の成分を用いて構成することができる。
また、本明細書中において、アリールは、単環および縮合環のいずれでもよく、無置換であっても置換基で置換されていてもよい。また、本明細書中において、ヘテロ環は、そのヘテロ環部位が環内にヘテロ原子(例えば、窒素原子、イオウ原子、酸素原子)を持つものであり、飽和環および不飽和環のいずれであってもよく、単環および縮合環のいずれでもよく、無置換であっても置換基で置換されていてもよい。
本発明の着色硬化性組成物は、下記一般式(T)で表される化合物の少なくとも1種(以下、「本発明に係る色素」ということがある。)を含有する。以下、一般式(T)で表される化合物を詳細に説明する。
Z1,Z2,Z3,又はZ4で表される6員環は、飽和環であっても,不飽和環であってもよく、無置換であっても置換基を有していてもよい。更に、他の5員又は6員の環が縮合していてもよい。
一般式(T2)におけるZ1,Z2,Z3,Z4が、2個以上の置換基を有している場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
cn1、cn2、cn3およびcn4は、各々独立に、0〜3の置換可能な整数(好ましくは0または1)を表し、cn1、cn2、cn3およびcn4が複数である場合は、複数のRC1、RC2、RC3 およびRC4は同一であっても異なっていてもよい。cr1、cr2、cr3及びcr4は0または1を表し、cr1+cr2+cr3+cr4≧1を満たす。cm1、cm2、cm3、およびcm4は0〜2の整数(好ましくは0または2)を表す。
RC1、RC2、RC3、またはRC4で表される脂肪族基としては、無置換であっても置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、環状であってもよく、総炭素数1〜15であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、イソプロペニル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
また、cr1+cr2+cr3+cr4が3または4である態様が好ましく、cr1+cr2+cr3+cr4が4である態様は特に好ましい。
本発明の効果の点で、前記一般式(T)は、R1が色素残基であって、R2は脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基等である場合、R2が色素残基であって、R1が脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基である場合が好ましい。
本発明の着色硬化性組成物は、バインダーの少なくとも1種を含有することができる。本発明に係るバインダーとしてはアルカリ可溶性であれば特に限定されないが、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選ばれることが好ましい。
上記以外に、親水性基を有するモノマーとして、テトラヒドロフルフリル基、燐酸部位、燐酸エステル部位、4級アンモニウム塩の部位、エチレンオキシ鎖、プロピレンオキシ鎖、スルホン酸又はその塩の部位、モルホニルエチル基等を含んだモノマー等も有用である。
これらの重合性基を有するポリマーの例としては、KSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。
また、硬化被膜の強度を上げるために、アルコール可溶性ナイロンや、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロルヒドリンとのポリエーテル等も有用である。
既述の本発明に係る染料を含んで従来に比して膜の硬化反応がより高度に進行し、硬化性の良好な膜が得られるものであるが、補足的に架橋剤を用いてより高度に硬化させた膜を得るようにすることも可能である。本発明の着色硬化性組成物の高解像度化を達成する観点からは有用である。
前記(b)に係るアシロキシメチル基含有化合物は(b)に係るメチロール基含有化合物を塩基性触媒存在下、アシルクロリドと混合攪拌することにより得られる。
前記メラミン化合物として、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がメトキシメチル化した化合物またはその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がアシロキシメチル化した化合物またはその混合物などが挙げられる。
前記(c)に係るアルコキシメチル基含有化合物は、(c)に係るメチロール基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒の存在下で加熱する事により得られる。
前記(c)に係るアシロキシメチル基含有化合物は、(c)に係るメチロール基含有化合物を塩基性触媒の存在下アシルクロリドと反応させることにより得られる。
また、アシロキシメチル基含有化合物としては、例えば、上記メチロール基含有化合物のメチロール基を、一部または全部アシロキシメチル化した化合物が挙げられる。
本発明の着色硬化性組成物は、重合性モノマーの少なくとも1種を用いて好適に構成することができる。重合性モノマーは、着色硬化性組成物をネガ型に構成する場合に主として含有される。なお、後述のナフトキノンジアジド化合物を含有するポジ型の系に後述の光重合開始剤と共に更に含有することもでき、この場合には形成されるパターンの硬化度をより促進させることができる。
本発明の着色硬化性組成物は、感放射線性化合物の少なくとも1種を用いて好適に構成することができる。本発明に係る感放射線性化合物は、UV、Deep UV、可視光、赤外光、電子線などの放射線に対し、ラジカル発生、酸発生、塩基発生などの化学反応を起こし得る化合物であるが、上記のアルカリ可溶性樹脂を架橋、重合、酸性基の分解などの反応により不溶化させたり、塗膜中に共存する重合性モノマーやオリゴマーの重合、架橋剤の架橋などを起こすことで塗膜をアルカリ現像液に対して不溶化させる目的で用いられる。
まず、ネガ型に構成する場合の光重合開始剤について説明する。
光重合開始剤は、前記重合性モノマー(重合性基を有するモノマー)を重合反応させ得るものであれば特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれることが好ましい。なお、ナフトキノンジアジド化合物を含有するポジ型の系に更に含有してもよく、この場合には形成されるパターンの硬化度をより促進させることができる。
その具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−エトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(またはミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
次に、ポジ型に構成する場合のナフトキノンジアジド化合物について説明する。ナフトキノンジアジド化合物は、少なくとも1つのo−キノンジアジド基を有する化合物である。
例えば、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸アミド、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸アミド等が挙げられる。これらのエステルやアミド化合物は、例えば、特開平2−84650号公報、特開平3−49437号公報に一般式(I)で記載されているフェノール化合物等を用いて公知の方法により製造することができる。
本発明の着色硬化性組成の調製には、一般に溶剤を用いることができる。溶剤は各成分の溶解性、着色硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的に特に限定されないが、特にバインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
本発明の着色硬化性組成物には、必要に応じて各種添加物、例えば充填剤、上記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することかできる。
次に、本発明のカラーフィルタについて、その製造方法を通じて詳述する。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、既述の本発明の着色硬化性組成物が用いられる。本発明のカラーフィルタは、既述の一般式(T)で表される本発明に係る化合物を用いてなるものであり、好ましくは、既述した本発明の着色硬化性組成物を用い、この着色硬化性組成物を支持体上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して感放射線性組成物層を形成し、該層を所定のマスクパターンを介して露光し、現像液で現像して、ネガ型もしくはポジ型の着色パターンを形成することによって作製することができる(画像形成工程)。このとき、必要に応じて、形成された着色パターンを加熱及び/又は露光により硬化する硬化工程を設けることができる。
この際に使用される光もしくは放射線としては、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
また、着色硬化性組成物がポジ型に構成されるときには、画像形成工程後に着色パターンをポストベークする工程を設けることができる。
(実施例1)
1)レジスト溶液の調製(ネガ型)
下記組成の化合物を混合して溶解し、レジスト溶液を調製した。
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート… 5.20部
(PGMEA)
・乳酸エチル(EL) …52.6部
・バインダー …30.5部
(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体(モル比=60:20:20)の41%EL溶液)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート …10.2部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) … 0.006部
・フッ素系界面活性剤 … 0.80部
(商品名:F−475、大日本インキ化学工業(株)製)
・TAZ−107(みどり化学社製;光重合開始剤) … 0.58部
ガラス基板(コーニング1737)を0.5%NaOH水で超音波洗浄した後、水洗、脱水ベーク(200℃/20分)を行なった。次いで、前記1)で得たレジスト溶液を洗浄したガラス基板上に膜厚2μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、220℃で1時間加熱乾燥させて、硬化膜(下塗り層)を調製した。
前記1)で得られたレジスト溶液9.4gと本発明に係る染料である既述の例示化合物C−1〔前記一般式(T2)で表される化合物〕0.75gとを混合して溶解し、染料レジスト溶液(着色硬化性組成物[ネガ型]の溶液)を調製した。
前記3)で得られた染料レジスト溶液を、前記2)で得た下塗り層付ガラス基板の下塗り層の上に膜厚が1.0μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、100℃で120秒間プリベークした。
次いで、露光装置を使用して、塗布膜に365nmの波長で線幅20μmのマスクを通して、500mJ/cm2の露光量で照射した。露光後、CD−2000(富士フイルムエレクトロマテリアル社製)現像液を使用して、25℃で40秒間の条件で現像した。その後、流水で30秒間リンスした後、スプレー乾燥した。以上のようにして、カラーフィルタを構成するシアン色として好適なパターンが得られた。
上記で調製した染料レジスト溶液の経時での保存安定性(経時保存性)、及び染料レジスト溶液を用いてガラス基板上に塗設された塗布膜の耐熱性、耐光性、パターン形成性を下記のようにして評価した。評価結果は下記表1に示す。
染料レジスト液を室温で1ヶ月保存した後、溶液中における異物の析出度合いを目視により下記判定基準にしたがって評価した。
〔判定基準〕
○:析出は認められなかった。
△:僅かに析出が認められた。
×:析出が認められた。
染料レジスト溶液が塗布されたガラス基板を、基板面で接するように200℃のホットプレートに載置して1時間加熱した後、色度計MCPD−1000(大塚電子(株)製)にて加熱する前後での色差(ΔEab値)を測定して耐熱性を評価する指標とし、下記判定基準にしたがって評価した。ΔEab値は、値の小さい方が耐熱性が良好なことを示す。
〔判定基準〕
○:ΔEab値<5
△:5≦ΔEab値≦10
×:ΔEab値>10
染料レジスト溶液が塗布されたガラス基板に対し、キセノンランプを5万luxで20時間照射(100万lux・h相当)した後、照射前後での色差(ΔEab値)を測定して耐光性を評価する指標とし、下記判定基準にしたがって評価した。ΔEab値は、値の小さい方が耐光性が良好なことを示す。
〔判定基準〕
○:ΔEab値<3
△:3≦ΔEab値≦10
×:ΔEab値>10
前記4)で得られたポストベーク後の各種塗膜の分光を測定した(分光A)。この塗膜に対し、この上に前記1)で得られたレジスト液を膜厚1μmとなるように塗布しプリベークを行なった後、CD−2000(富士フイルムエレクトロマテリアル社製)現像液を使用して、23℃で120秒間の条件で現像を行ない、再度分光を測定した(分光B)。
そして、得られた分光A,Bの差から染料残存率(%)を算出して耐溶剤性を評価する指標とした。したがって、値が100%に近いほど耐溶剤性に優れることを示す。
実施例1の3)染料レジスト溶液の調製において、本発明に係る染料である例示化合物C−1を、下記表1に示すように変更(但し等モル)したこと以外、実施例1と同様にして、パターンを形成し、更に同様の評価を行なった。評価結果は下記表1に示す。
実施例1の3)染料レジスト溶液の調製において、本発明に係る染料である例示化合物C−1を、下記比較色素1(比較例1)又は下記比較色素2(比較例2)に変更(但し等モル)したこと以外、実施例1と同様にして、パターンを形成し、更に同様の評価を行なった。評価結果は実施例の結果と共に下記表1に示す。
オレオゾールファーストブルーRL〔(株)田岡化学製〕
1)着色硬化性組成物[ポジ型]の調製
下記組成を混合、溶解して溶液状の着色硬化性組成物[ポジ型]を調製した。
・乳酸エチル(EL) …30部
・下記樹脂P−1 … 3.0部
・下記ナフトキノンジアジド化合物N−1 … 1.8部
・ヘキサメトキシメチロール化メラミン(架橋剤) … 0.6部
・TAZ−107(みどり化学社製;光酸発生剤) … 1.2部
・F−475 … 0.0005部
(大日本インキ化学工業社製;フッ素系界面活性剤)
・本発明に係る染料(既述の例示化合物C−1) … 1.5部
(前記一般式(T2)で表される化合物)
ベンジルメタクリレート70.0g、メタクリル酸13.0g、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル17.0g、及び2−メトキシプロパノール600gを三口フラスコに仕込み、攪拌装置と還流冷却管、温度計を取り付け窒素気流下65℃にて重合開始剤V−65(和光純薬工業社製)を触媒量添加して10時間攪拌した。得られた樹脂溶液を20Lのイオン交換水に激しく攪拌しながら滴下し、白色粉体を得た。この白色粉体を40℃で24時間真空乾燥し、樹脂P−1を145g得た。
この分子量をGPCにて測定したところ、重量平均分子量Mw=28,000 数平均分子量Mn=11,000であった。
Trisp−PA(本州化学社製)42.45g、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド61.80g、及びアセトン300mlを三口フラスコに仕込み、室温下、トリエチルアミン24.44gを1時間かけて滴下した。滴下終了後 更に2時間攪拌した後、大量の水を攪拌下に反応液を注いだ。沈殿したナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを、吸引ろ過により集め、40℃で24時間真空乾燥し、感光性のナフトキノンアジド化合物N−1を得た。
実施例1と同様に下塗り層付ガラス基板を用意し、上記のようにして調製した着色硬化性組成物[ポジ型]を実施例1と同様にして、下塗り層付ガラス基板の下塗り層上に塗布し、プリベーク、照射、現像及びリンス、スプレー乾燥を行なってパターンを得、その後、このパターンを180℃で5分間加熱した(ポストベーク)。形成されたシアンパターンは矩形状の良好なプロファイルを示した。
実施例1〜10のガラス基板をシリコンウエハー基板に代えたこと以外は、実施例1〜10と全て同様の操作を行なってシリコンウエハー基板の上に塗布膜を塗設した。次いで、i−線縮小投影露光装置を使用して2μmの正方形パターンに500mj/cm2の露光量で露光し、CD−2000(富士フイルムエレクトロマテリアル社製)を60%に希釈した現像液を用いて、23℃で60秒間現像した。次いで、流水で30秒間リンスした後、スプレー乾燥した。以上により、正方形の断面が略矩形でプロファイルの良好なCCD用カラーフィルタとして好適なパターンが得られた。
Claims (5)
- 下記一般式(T)で表される化合物の少なくとも1種を含有する着色硬化性組成物。
〔式中、R1およびR2は、各々独立に、置換基または、下記一般式(T1)で表されるアゾ染料および下記一般式(T2−2)で表されるテトラアザポルフィリン系染料より選ばれる染料に由来する色素残基を表し、R1およびR2の少なくとも一方は前記色素残基を表す。〕
〔一般式(T1)中、Aはカプラー残基を表し、Bは下記式(B−1)〜(B−7)で表される基を表す。前記カプラー残基および前記式(B−1)〜(B−7)中のR b7 〜R b23 で表される基から選ばれる少なくとも1つは、前記一般式(T)中のR 1 またはR 2 の結合位置に結合されている。〕
〔式(B−1)〜(B−7)中、R b7 〜R b23 は、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、イミド基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、又はカルボキシル基を表す。〕
〔一般式(T2−2)中、RC1、RC2、RC3、及びRC4は、各々独立に、脂肪族基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族オキシ基、アシルアミノ基、脂肪族スルホニルアミノ基、又はスルファモイル基を表し、R C1 、R C2 、R C3 もしくはR C4 が結合するフェニル基並びにR C1 、R C2 、R C3 、及びR C4 で表される基から選ばれる少なくとも1つは、前記一般式(T)中のR 1 またはR 2 の結合位置に結合されている。Mは、2個の水素原子または金属類を表す。cn1、cn2、cn3、及びcn4は0〜3の整数を表し、cm1、cm2、cm3、及びcm4は0〜2の整数を表す。RC5、RC6、RC7、及びRC8は、水素原子又は置換基を表す。〕 - 前記R1およびR2の一方が前記色素残基を表し、他方が脂肪族基又はアリール基を表す請求項1に記載の着色硬化性組成物。
- 下記一般式(T)で表される化合物の少なくとも1種を含有するカラーフィルタ。
〔式中、R1およびR2は、各々独立に、置換基または、下記一般式(T1)で表されるアゾ染料および下記一般式(T2−2)で表されるテトラアザポルフィリン系染料より選ばれる染料に由来する色素残基を表し、R1およびR2の少なくとも一方は前記色素残基を表す。〕
〔一般式(T1)中、Aはカプラー残基を表し、Bは下記式(B−1)〜(B−7)で表される基を表す。前記カプラー残基および前記式(B−1)〜(B−7)中のR b7 〜R b23 で表される基から選ばれる少なくとも1つは、前記一般式(T)中のR 1 またはR 2 の結合位置に結合されている。〕
〔式(B−1)〜(B−7)中、R b7 〜R b23 は、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、イミド基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、又はカルボキシル基を表す。〕
〔一般式(T2−2)中、RC1、RC2、RC3、及びRC4は、各々独立に、脂肪族基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族オキシ基、アシルアミノ基、脂肪族スルホニルアミノ基、又はスルファモイル基を表し、R C1 、R C2 、R C3 もしくはR C4 が結合するフェニル基並びにR C1 、R C2 、R C3 、及びR C4 で表される基から選ばれる少なくとも1つは、前記一般式(T)中のR 1 またはR 2 の結合位置に結合されている。Mは、2個の水素原子または金属類を表す。cn1、cn2、cn3、及びcn4は0〜3の整数を表し、cm1、cm2、cm3、及びcm4は0〜2の整数を表す。RC5、RC6、RC7、及びRC8は、水素原子又は置換基を表す。〕 - 前記R1およびR2の一方が前記色素残基を表し、他方が脂肪族基又はアリール基を表す請求項3に記載のカラーフィルタ。
- 請求項1又は請求項2に記載の着色硬化性組成物を支持体上に塗布後、マスクを通して露光し、現像してパターン像を形成する工程を有するカラーフィルタの製造方法。
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