以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。
先ず、データ放送について簡単に説明する。デジタル技術の発展に伴い、放送業界でも放送信号を含めた各種情報をデジタル化した放送システムが開発され、その中にあって、データカルーセル伝送という新しい伝送方式が開発されている。これは、番組に付随するマルチメディアサービスのコンテンツファイルをMPEG2トランスポートストリーム上で繰り返して伝送する方式であり、この伝送方式を採用することにより、セットトップボックス等の受信機は放送中の任意のタイミングでコンテンツファイルを取得することができる。この結果、ユーザは最新のニュース及び天気予報等をいつでも必要なときに視聴することができる。また、データ放送用の受信機には、電話回線を介しての通信が可能なようにモデムが内蔵されており、視聴者がクイズ番組、映画の人気投票番組等に参加することもできる。従って、データ放送によれば、放送局と視聴者とを結ぶ双方向型のサービスも実現可能である。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るテレビシステムを構成するマルチ画面表示機能を有する親機の構成を示すブロック図である。第1の実施形態の親機は、3つの独立した放送映像ソースを、予め決められた所定のレイアウトに基づいて、1つの表示装置にマルチ画面合成表示できるように構成されている。なお、これらの映像ソースは、1、2又は4以上であってもよい。
第1の実施形態の親機には、パラボラアンテナ等のアンテナ1が設けられている。アンテナ1により、BSデジタル放送やCSデジタル放送等の電波が受信される。これらの衛星放送の他に、地上波及び光ケーブル等からの信号を受信できるものであってもよい。アンテナ1には、3つのチューナ2a、2b及び2cが接続されている。チューナ2a〜2cとしては、BS専用チューナ、CS専用チューナ、BS/CS共用チューナ、地上波デジタルチューナ等を用いることができ、全ての種類が相違していてもよく、一部又は全部が同一の種類であってもよい。チューナ2a〜2cには、例えば帯域フィルタ及びダウンコンバータ等が設けられている。
チューナ2a〜2cの後段には、夫々復調部3a、3b、3cが接続されている。復調部3a〜3cでは、伝送形態に合致した復調処理を施すと共に、誤り訂正処理等を行う。例えば、MPEG2の形式の映像データが入力された場合、所望のMPEG2トランスポートストリームを出力する。
復調部3a〜3cの後段には、夫々デマルチプレクサ4a、4b、4cが接続されている。デマルチプレクサ4a〜4cは、例えばMPEG2トランスポートストリームから、所望の番組のMPEG2の映像データ、MPEG2の音声データ、付加情報を互いに分離する。分離されたMPEG2の音声データは音声デコーダ(図示せず)によって復号され、オーディオ信号として出力される。音声でコーダに増幅器及びスピーカを接続しておけば、受信した番組の音声を聞くことができる。
デマルチプレクサ4a〜4cの後段には、夫々映像デコーダ5a、5b、5cが接続されており、デマルチプレクサ4a〜4cによって分離されたMPEG2の映像データが映像デコーダ5a〜5cによって復号される。このとき、MPEG2の映像データがラスタースキャン形式の非圧縮のベースバンドの表示フォーマットに変換される。
映像デコーダ5a〜5cの後段には、夫々解像度変換部6a、6b、6cが接続されており、映像デコーダ5a〜5cから出力された映像データが解像度変換部6a〜6cに受け渡される。
更に、第1の実施形態には、チューナ2a〜2c、復調部3a〜3c、デマルチプレクサ4a〜4c、映像デコーダ5a〜5c、及び解像度変換部6a〜6c等の動作を制御する制御部15が設けられている。デマルチプレクサ4a〜4cによって分離された付加情報は制御部15へ受け渡される。
付加情報がBSデジタル放送において運用が予定されているデータ放送に関するものである場合、制御部15はBML(Broadcast Markup Language)スクリプト言語を解釈し、マルチメディア情報サービス提供者のコンテンツシナリオを得る。このシナリオは構造化されたコンテンツの属性(テキスト、静止画、動画、音声等の個別データと、この個別データの画面上の配置を指定する制御情報や、ボタン等の操作に応じて画面を更新する画面制御情報等)からなり、制御部15がこれを解釈し、後述するグラフィックスアクセラレータ12及び映像デコーダ5a〜5cと連動して、データ放送の画面を形成する。
また、付加情報がEPG(Electrical Program Guide)情報の場合、制御部15はPSI(Program Specific Information)/SI(System Information)情報を解釈し、番組情報(例えば、番組、放送時間、タイトル、カテゴリ等)を得る。
制御部15には、時間を計測するカウンタ(図示せず)、周辺入出力インタフェース(図示せず)等が設けられ、また、制御部15に、演算能力を持つCPUデータを一時格納するRAM14、及び制御プログラムを格納するROM13が接続されている。なお、制御部15は論理ロジックのみで構成されていてもよく、また、CPUや並列演算が可能なメディアプロセッサであってもよい。制御を行うために実行するプログラムはROM13に内蔵されていてもよいし、周辺入出力インタフェースを介して外部から転送されてもよい。また、ROM13には必要に応じて文字フォント等が格納されており、文字情報を画面に展開するときに使用される。更に、制御部15にはリモコン受光部17が接続され、赤外線を用いた親機用リモコン(リモートコントローラ)16のコマンドを受け付けることができる。この親機用リモコン16としては、通常のリモコンだけでなく、例えば、赤外線発光ができるキーボード、マウス又はジョイスティック等を用いてもよい。
そして、制御部15が表示フォーマット(表示ライン数、ドット数、色数等)及び予め設定されたマルチ画面レイアウト情報に基づいて解像度変換部6a〜6cの制御を行い、解像度変換部6a〜6cにおける解像度変換パラメータ(拡大率又は縮小率、拡大縮小の重み付けフィルタ係数等)を独立して設定することで、解像度変換部6a〜6cが、映像の拡大処理、縮小処理、等倍処理等を行う。また、解像度変換部6a〜6cは、映像デコーダ5a〜5cの出力形式及び後述する表示装置11の走査形式に応じてI−P変換(Interlace−Progressive変換)やP−I変換等のフォーマット変換処理も同時に行う。
チューナ2aから映像デコーダ5aまでの入力映像処理のデータパス、チューナ2bから映像デコーダ5bまでの入力映像処理のデータパス、チューナ2cから映像デコーダ5cまでの入力映像処理のデータパスは、互いに独立しており、夫々チューナ2a〜2cの種別と一体化した処理系である。以下、これらの一連のデータパスを「放送映像リソース」という。
更に、第1の実施形態には、少なくとも表示画像1面分の容量を備えた共有メモリ(フレームメモリ)8、及びこの共有メモリ8の動作を制御するメモリ制御部7が設けられている。解像度変換部6a〜6cから出力された3つの書き込み映像データは、メモリ制御部7の制御の下に共有メモリ8に格納される。ここまでが、共有メモリ8に映像データが書き込まれるまでの流れである。
次に、メモリ制御部7よりも後段の構成及び共有メモリ8から読み出されたデータが出力されるまでの流れについて説明する。
制御部15にはグラフィックスアクセラレータ12が接続されており、グラフィックスアクセラレータ12は、制御部15が描画命令を発行することにより、共有メモリ8にOSD画面や、EPG(電子プログラムガイド)画面、データ放送画面等のGUIを、BitBlt(Bit Block Transfer)やDMA(Direct Memory Access)等のアクセラレーション機能を用いて生成する時に用いられる。
第1の実施形態には、更に、親機の表示装置11に表示する映像を合成して出力する親機用マルチ画面合成部(主出力手段)9が設けられている。親機用マルチ画面合成部9は、制御部15からのマルチ画面のレイアウト管理指示に基づいて、表示すべき映像ソースの映像データが格納されているメモリアドレスをメモリ制御部7に対して発行し、共有メモリ8から映像データを読み取る。このとき、3つの放送映像リソースから共有メモリ8に格納された映像データは、互いに独立して、かつ表示装置11に適合したリフレッシュレートに同期して読み出される。このため、親機用マルチ画面合成部9は、所望の映像データを所望の表示位置で切り換えながら出力することによりマルチ画面合成を実現することができる。
ここで、メモリ制御部7による共有メモリ8の制御について簡単に説明する。解像度変換部6a〜6cからの共有メモリ8への3種類の書き込み要求と親機用マルチ画面合成部9からの3種類の読み出し要求は、共有メモリ8への完全非同期なランダムアクセスとなる。このため、メモリ制御部7は、予め設定された優先順位に基づいてスケーラブルなメモリ調停処理を行う。このメモリ調停によって、共有メモリ8への転送が許可された要求に対応するアドレスが共有メモリ8に発行され、時分割のメモリ転送が実現可能なUMA(Unified Memory Architecture)となる。また、図1に示すように、共有メモリ8からの読み出しデータ線は読み出し要求を発行したブロックに共通の配線となっている。但し、上記のメモリ調停に付随して、各読み出し要求を発行したブロックに対する個別の読み出しデータ有効信号を返すことで、読み出し要求に対するデータが有効であるかを識別できる構成となっている。また、共有メモリ8は、上記6種類の転送要求を同時に処理できるバンド幅を確保できるように構成されている。
親機用マルチ画面合成部9と表示装置11との間には、表示制御部10が接続されている。表示制御部10により、表示装置11のフレームレートに同期して、表示装置11の特性に応じた表示駆動の制御、表示フォーマット変換等が行われる。
表示装置11としては、マトリクス電極構造を持つフラットパネル(液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等)であっても、CRTであっても、画像を表示する装置であれば用いることができる。例えば、表示装置11としてテレビを用いる場合には、ハイビジョンに対応可能なものが好ましく、パーソナルコンピュータ用のものであれば、SXGA以上の高精細画像を表示できる大画面ディスプレイが好ましい。
第1の実施例には、更に、3つの子機用出力合成部18a、18b、18cが設けられており、子機用出力合成部18a〜18cは、子機として定義された外部表示装置のリフレッシュレートに同期して、共有メモリ8からのデータの読み出し要求をメモリ制御部7に対して発行する。
そして、子機用出力合成部18a〜18cの後段には、夫々子機用出力インタフェース19a、19b、19cが設けられている。子機用出力合成部18a〜18c及び子機用出力インタフェース19a〜19cから副出力手段が構成されており、副出力手段は、接続されている複数個の副情報処理装置である子機の中の少なくとも1個に対して、非圧縮のベースバンドで前記映像データを出力する。なお、子機用出力インタフェース19a〜19cの形態は特に限定されず、子機との接続がアナログ有線を介している場合には、例えばD/A変換器やビデオアンプが用いられ、デジタル有線を介している場合には、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)やLVDS(Low Voltage Differential Signaling)トランシーバが用いられ、無線を介している場合には、Wireless1394等の無線プロトコルI/F等が用いられる。
次に、上述のように構成されたマルチ画面表示機能を有する親機の動作について、特に制御部15の動作を中心にして説明する。図2は、制御部15の動作を示すフローチャートである。
先ず、通常のマルチ画面表示を行う場合、制御部15は、ステップS100で電源投入を検知すると、ステップS101で初期化処理を行う。ここでは、初期画面レイアウト情報(表示する画面数分の始点・終点情報、画面が重なった場合の表示優先度情報等)をROM13から取得する。そして、放送映像ソースが入力される場合は、放送映像ソースのフォーマット及びデフォルト選択チャンネルの決定を行い、各放送映像リソース、即ちチューナ部2a〜2c、復調部3a〜3c、デマルチプレクサ4a〜4c、及び映像デコーダ5a〜5cの初期設定を行う。
制御部15は、ステップS102で、ステップS101で取得した画面レイアウト情報に基づいて、各映像ソースの水平・垂直の拡大・縮小倍率を算出し、解像度変換パラメータを決め、各解像度変換部6a〜6cにおけるパラメータを設定する。
制御部15は、ステップS103で、各解像度変換部6a〜6cの出力を共用メモリ8に書き込む時に必要な書き込み用のメモリアドレスを設定する。図3は、共用メモリ8のメモリ論理アドレスマップを示す図である。本実施形態では、親機のマルチ画面機能(1個の親画面及び2個の子画面)を実現するために、共用メモリ8に、3つの動画プレーン#0〜#2、ARIB規格によるGUIデータ用の親機用OSDプレーン(静止画プレーン、文字図形プレーン及び字幕プレーン)の計6プレーンを構成している。この親機用OSDプレーンの構成方法についての詳細は、ARIB規格書(ARIB STD TR-15 BSデジタル放送運用規定)に記載されている。各プレーンには、表示装置11の表示解像度分のメモリ空間が割り当てられる。また、共用メモリ8に書き込む時点では、表示のための合成はなされていない。ここでは、主に図3の開始アドレス#0〜#5が各解像度変換部6a〜6c、及びグラフィックスアクセラレータ12で参照され、これらに設けられている書き込みアドレス生成部(図示せず)のメモリアドレスのベースアドレス値として使用される。
制御部15は、ステップS104で、マルチ画面表示時の背景色(パターン)を、親機用マルチ画面合成部9に設定する。これは、非映像表示領域(親画面及び子画面の周辺の領域)に適用される。
制御部15は、ステップS105で、ステップS101で取得した表示優先度を親機用マルチ画面合成部9に設定する。但し、OSDプレーンには最上位の優先度を付与する。
制御部15は、ステップS106で、マルチ画面制御用GUIのOSD表示設定を行う。このGUIは、Web画面、EPG画面及びデータ放送画面等の制御部15が描画する全ての画面に対応するものである。具体的には、制御部15がGUIを描画するための描画命令をグラフィックスアクセラレータ12に発行し、グラフィックスアクセラレータ12のDMAやBitBlt等のアクセラレート機能を用いてビットマップ形式に展開した文字やその他のデータを、メモリ制御部7を通じて共用メモリ8に書き込むことで画面作成を行う。
制御部15は、ステップS107で、読み出し用メモリアドレスの設定を行う。親機用マルチ画面合成部9には、表示装置11の水平・垂直同期信号を基準にした表示領域の水平画素数カウンタ及び垂直ライン数カウンタ(図示せず)が設けられており、表示期間のラスタースキャン走査数が数えられる。そして、OSD表示が必要な場合、親機用マルチ画面合成部9は、このカウント値に基づいて読み出しアドレスを発生する。このとき、親機用マルチ画面合成部9は、読み出しアドレスの開始アドレスとして、所望のOSDデータに対応する図3の親機用OSDプレーンの開始アドレス#3、#4及び#5を指定する。なお、これらのGUIデータにおいて、文字図形プレーン及び字幕プレーンだけは8ビットのCLUT(Color Look Up Table)のインデックスデータとして共用メモリ8に描画されており、このインデックスデータは親機用マルチ画面合成部9に構成されるCLUTで映像データとαデータに変換され、親機用マルチ画面合成部9に構成されるα演算回路で合成できることがARIBで推奨されている。
一方、親機用マルチ画面合成部9は、制御部15により設定された画面レイアウト情報(放送映像#0、放送映像#1、放送映像#2の上記表示領域での各始点・終点座標)に基づいて、上記カウンタが各映像ソースの領域と一致した場合に、図3中の対応する動画プレーン領域へ読み出しアドレスを発生する。親機用マルチ画面合成部9は、読み出し要求が重なった場合には、制御部15により設定された表示優先度情報に基づいて、最上位の優先度である映像ソースの読み出しを選択し、それ以外の読み出しアドレスは発生させない。合成すべきデータがないと判断した場合には、親機用マルチ画面合成部9は読み出しアドレスを発生することなく、制御部15により設定された背景データを出力する。このようにして、表示レイアウトに対応した映像データが読み出され、映像データの合成が実現される。
上記OSDデータと映像ソースの共用メモリ8からの読み出しは時分割で交互に読み出され、GUIデータとマルチ画面合成データはα値に応じて、OSDデータ選択、映像合成データ選択、GUIデータと映像合成データのアルファ合成がなされ、最終的なマルチ画面合成データとして表示制御部10に出力される。アルファ合成は、元の画像をA、グレイ画面をB、アルファ係数をα(0≦混合率α≦1)としたとき、「A×α+B(1−α)・・・(式1)」で表される。
そして、このような初期化処理後に、図4に示すような1個の主画面と2個の子画面とが設けられたマルチ画面合成の初期化時の映像ができ上がる。なお、図4に示す表示形態は、マルチ画面表示形態の一例であり、これに限定されるものではない。
その後、ステップS108で、レイアウト変更が生じた場合は、制御部15は、ステップS109でレイアウト決定を行い、上述したステップS102〜ステップS107を繰り返すことにより、マルチ画面のレイアウト変更を実行する。
ここで、以降の説明を分かりやすくするために、レイアウト変更前の状態では、表1に示すように、主画面Mに関し、チューナ部2a〜解像度変換部6aによって処理された映像データが動画プレーン#0に割り付けられ、子画面S1に関し、チューナ部2b〜解像度変換部6bによって処理された映像データが動画プレーン#1に割り付けられ、子画面S2に関し、チューナ部2c〜解像度変換部6cによって処理された映像データが動画プレーン#2に割り付けられているものとする。
次に、第1の実施形態において親機と組み合わせて用いられる子機について説明する。図5は、子機の構成を示すブロック図である。ここでは、子機が、構成が簡易で廉価な子機アダプタ28及びアナログテレビ27が互いに接続されて構成されているものとする。子機アダプタ28には、子機入力インタフェース21、NTSC符号化部22、デジタル−アナログ変換器(D/A)及び増幅器(AMP)23、子機制御部24、子機用リモコン25及びリモコン受光部26が設けられている。子機アダプタ28及びアナログテレビ27は、各々に設けられたS端子、音声L端子及び音声R端子を介して接続されている。子機入力インタフェース21に、親機から転送された映像・音声ソースが入力される。NTSC符号化部22は、子機入力インタフェース21に入力された映像データに対して、480iのデジタル映像データをNTSC規格のアナログY/C信号に変換する。この信号はS端子を通じて、アナログテレビ27に受け渡され、音声データはD/A及びAMP23でアナログ信号に変換されて増幅された後、音声L端子及び音声R端子を介して、アナログテレビ27に受け渡される。このようにして、アナログテレビ27を外部入力選択状態にすることで、親機からのデジタル放送映像が表示できるようになる。
(PUSH型の子機転送)
ここで、このように構成された子機及び上述の親機を用いてPUSH型の子機転送を行う場合の処理について説明する。図6は、本発明の第1の実施形態におけるPUSH型子機転送処理を示すフローチャートである。このPUSH型子機転送では、リモコン受光部17及び制御部15が映像選択受付手段及び出力先指定手段として機能し、制御部15が出力可否判断手段として機能する。なお、PUSH型の子機転送とは、親機用リモコン16を操作して子機への番組伝送の要求を行い、これに基づいて行われる転送を意味する。このようなPUSH型の子機転送が必要とされる場合としては、例えば、複数人、例えば家族で親機(リビングテレビ)で番組の視聴をしている最中に、(1)続きを自分の部屋でじっくり見たい、(2)トイレ又は台所等に離席したときそこで続きを視聴したい、(3)気になる裏番組を自分の部屋のアナログVTRに録画したい等の要求が生じ、他の部屋の子機(ルームテレビ)に映像を転送する場合が挙げられる。
図6に示すように、制御部15は、ステップS200で、子機転送要求を検知すると、ステップS201で、子機伝送形態の分析を行う。PUSH型では、子機転送要求の検知は、親機のユーザが親機用リモコン16を用いて子機転送モードを要求した場合に行われる。なお、子機伝送形態にはPUSH型の他に、後述のPULL型がある。親機用リモコン16からの要求である場合には、必然的にPUSH型であるため、ステップS202で、制御部15はPUSH型と解釈する。
その後、ステップS203で、制御部15はPUSH型子機転送のリソース分配処理を行う。PULL型の子機転送の詳細については後述する。ステップS203では、親機用リモコン16により子機に転送する映像ソースと転送先の子機を決定する。図7は、PUSH型子機転送のリソース分配処理を示すフローチャートである。
なお、親機用リモコン16には、上下左右キー(図示せず)が設けられており、この上下左右キーを操作することにより、マルチ画面表示が可能な表示装置11に映し出されている複数の選択カーソル(選択肢)の中から、一の選択カーソルを選択することが可能になっている。選択カーソルは、例えば親画面M並びに2個の子画面S1及びS2の間で移動可能となっている。
そして、リソース分配処理(ステップS203)では、ステップS300で、子機転送画面の選択カーソルの移動があった場合に、ステップS301で、選択カーソルの更新処理が行われる。選択カーソルの移動は、例えば、図4に示す映像が映し出されている場合、図8(a)に示す表示状態のようになる。
そして、ステップS302において、マルチ画面表示画面から子機に転送する映像ソースの決定がなされると、ステップS303において、ユーザに転送先の子機を指定させるための処理を行う。この処理は、子機が複数ある場合に必要とされ、本実施形態では、図1に示すように、3個の子機が互いに独立して親機と伝送可能になっている。
ステップS303では、例えば、図8(b)に示すように、予め親機に適当な子機の名称をユーザによって登録しておき、転送先の子機の指定画面をOSD表示し、ユーザに転送先を指定させる方法が、ユーザインタフェース上好適である。
そして、ステップS304で、転送先の子機の決定を検知すると、制御部15が転送先の子機を認識する。その後、ステップS305で、例えば、図8(c)に示すように、子機転送を行うことで親機のマルチ画面表示が制限されることを明示した警告を親機の表示装置11に表示出力すると共に、ユーザに確認を求める案内を表示する処理を行う。このとき、制御部15が出力確認手段として機能する。
次いで、ステップS306の確認応答において、転送の継続を検知すると、ステップS204へ移行し、転送の中止を検知すると、子機転送処理を終了し、子機転送要求がなかったものとする。ステップS204以降では、転送先の子機及び映像ソースが決定された後の処理として、親機内のハードウェアの制御を行う。
制御部15は、ステップS204で、リソース管理情報を更新する。具体的には、子機転送を行う映像ソースの処理に、親機のどの処理系(放送映像リソース)を用いるかを決定する。チューナから共有メモリ8に書き込むまでの入力映像処理系は、チューナの種別が異なる場合があるため、前述のように、放送映像リソースとして一体化されている。このため、子機転送画面として選択された画面、図8に示す例では、子画面S1の放送映像リソースが子機転送用にそのまま割り付けられる。従って、表1のような割り付けがされている場合には、チューナ2b〜映像デコーダ5bからなる放送映像リソースが該当し、動画プレーン#1が子機用の動画プレーンになる。
この結果、レイアウト変更後の状態では、表2に示すように、主画面Mに関し、チューナ部2a〜映像デコーダ5aからなる放送映像リソースで処理された映像データが動画プレーン#0に割り付けられ、子機Aに関し、チューナ部2b〜映像デコーダ5bからなる放送映像リソースで処理された映像データが動画プレーン#1に割り付けられ、子画面S2に関し、チューナ部2c〜映像デコーダ5cからなる放送映像リソースで処理された映像データが動画プレーン#2に割り付けられる。
次に、3つの独立した子機出力系(18a〜19a、18b〜19b、18c〜19c)のどれを選択するかを決定する。親機と子機が有線(ケーブル等)によりPoint to Pointで接続されている場合は、転送先の子機に繋がった子機出力処理系が選択され、無線(Wireless1394等)等により、ネットワークIDにより子機に接続可能な場合は、任意に子機出力処理系が選択される。いずれの場合でも、制御部15は決定された処理系に基づいて、リソース管理情報を更新し、RAM14の内容を更新する。例えば、本実施例において、子機出力処理系が18a〜19aと選択された場合は、その旨がRAM14に記憶される。また、上記のようなリソース管理を行うことで、子機接続時は、図3の動画プレーンは親機と子機で兼用に使用できるようになっている。
次に、制御部15は、ステップS205で、映像ソースの出力制御を行う。具体的には、親機用マルチ画面合成部9に、子機に開放した放送映像リソースが割り付けられた動画プレーン#1への読み出しアドレス生成を停止させると共に、子機用出力合成部18aに、動画プレーン#1への読み出しアドレス生成を開始させるという出力制御を行う。
なお、前述した動画プレーンの親機及び子機による兼用化、並びに上記アクセスの切り換えによっても、共有メモリ8のメモリ容量増加及び転送バンド幅の向上は必要とされないため、メモリの大容量化・高速化によるコストの上昇はない。
次いで、ステップS206で、制御部15は子機転送フォーマット処理を行う。子機であるアナログテレビはNTSC規格に対応しているので、デジタル処理では480i(垂直525本のインタレース)相当で出力する必要がある。よって、解像度変換部6bを親機の場合と同様に兼用使用し、ここで480iにフォーマット変換した後、共有メモリ8の動画プレーン#1に格納する。そして、子機用出力合成部18aが、480iの表示レート(60Hz、13.5MHz)に同期してメモリ制御部7に読み出しアドレスを発行することにより、子機用読み出し映像#0を受け取る。
このように、本実施形態では、解像度変換部6a〜6cが共有メモリ8の前段に設けられているため、表示レートが親機のものから子機のものへと変化しても、非同期吸収は共有メモリ8によって行われる。このため、親機の処理構成をそのまま用いることができる。
そして、ステップS207において、4:3のアスペクト比の子機に16:9のアスペクト比の映像を表示させるために、例えば、図9(a)に示すようなレターボックス表示や図9(b)に示すような全画面表示等の子機出力画面の形成を行う。なお、レターボックス表示の場合、子機用背景は子機用出力合成部18aによって付加される。その後、子機出力インタフェース19aによって、映像データを伝送フォーマットに適合させた後、出力する。
最後に、ステップS208において、子機出力状態になった親機の画面レイアウトの変更を、例えば、図8(d)に示すように、3画面表示から2画面表示に切り換えることで、PUSH型の子機転送の処理がすべて完結する。
なお、ここまでの説明では音声については詳しく説明していないが、図1に図示しない複数の音声デコーダからの出力を、映像に合わせて子機側に切り換えるだけの簡易な処理で十分である。(子機転送時には、上記映像と音声の両方が指定された子機へ送られる。)
(第1のPULL型の子機転送)
次に、PULL型の子機転送を行う場合の処理について、図6を参照しながら説明する。このPULL型子機転送では、子機出力インタフェース19a〜19c及び制御部15が要求受付手段として機能し、制御部15が要求可否判断手段として機能する。PULL型の子機転送とは、子機アダプタ28の子機用リモコン25を操作して子機への番組伝送を親機に対して要求し、これに基づいて行われる転送を意味する。このようなPULL型の子機転送が必要とされる場合としては、例えば、親機が設置された部屋とは異なる部屋において、(1)子機アダプタ28に接続されたアナログテレビ27でデジタル放送を見たい、(2)子機アダプタ28に接続されたアナログVTRにデジタル放送を録画したい等の要求が生じ、子機(ルームテレビ)から親機に映像を転送させる場合が挙げられる。
PULL型のPUSH型との処理上の大きな違いは、親機用リモコン16から子機転送を要求するか、子機用リモコン25から子機転送を要求するかである。以下、PUSH型の子機転送と異なる処理に着目して説明する。
PULL型の子機転送の処理は、例えば、ユーザが子機用リモコン25に設けられた子機転送要求キー(図示せず)を押すと、開始される。子機転送要求キーが押されると、子機制御部24はリモコン受光部26を介して、転送要求を検知し、子機入力インタフェース21に要求コマンドを所定のプロトコルに準じて発行する。この要求コマンドは、親機・子機間のインタフェースに双方向のコマンドラインを定義することにより親機に対して伝送可能なものである。親機と子機が有線(ケーブル等)によりPoint to Pointで接続されている場合は、転送先親機内の子機出力インタフェース19a〜19cの中で対応する一の子機出力インタフェースがこれを受け取る。無線(Wireless1394等)等により、ネットワークIDにより親機に接続可能な場合は、任意に子機出力インタフェースが選択される。特に、無線の場合、どの子機からの要求かを明示するための子機IDも要求コマンドと同時に付加される。
そして、図6に示すように、ステップS200で、制御部15が子機からの子機転送要求を検知すると、ステップS201で、子機伝送形態の分析を行う。PULL型では、子機のユーザが子機用リモコン25を用いて子機転送モードを要求した場合に行われる。
また、本実施形態では、子機用リモコン25からのコマンド要求が19a〜19cの子機出力インタフェースから出力される子機用通信ラインによって、直接制御部15に受け渡されるので、制御部15はこの通信ラインからの割り込みを検知することにより、ステップS209で、PULL型の要求が所定の子機からあったことを認識する。
その後、ステップS210で、制御部15はPULL型子機転送のリソース分配処理に移行する。ステップS210では、子機用リモコン25により子機に転送する映像ソースを決定する。ここで、転送先の子機には、予め子機IDが付与されているため、制御部15はどの子機が転送先であるかを既に認識している。図11は、PULL型子機転送のリソース配分処理を示すフローチャートである。
リソース分配処理(ステップS210)では、ステップS400で、制御部15が子機IDで示された子機に対して、図10(a)に示すようなOSD表示からなるチャンネル入力メニューを形成して転送する処理を行う。ここで、このような子機へ出力するOSD表示の具体的な作成方法について説明する。
転送先の子機が子機出力インタフェース19bに接続されているとすると、制御部15は、図3に示すように、共有メモリ8に構成された子機用OSDプレーン#1に対してOSD描画を行うと共に、子機用出力合成部18bが共有メモリ8の子機用OSDプレーン#1から子機用OSD#1データを読み出し、子機出力インタフェース19bを介して転送することにより、子機のアナログテレビ27にチャンネル入力メニューが表示される。これにより、子機のユーザはチャンネル入力メニューを見ながら、子機用リモコン25の数字キー(図示せず)によりチャンネル番号(CH番号)を直接入力することができるようになる。入力された文字列は、子機制御部24が親機の制御部15に逐次転送し、制御部15がその入力データに基づいて子機用OSDプレーン#1を更新することで、子機のユーザはチャンネル表示が正しくされているかを確認できる。従って、子機側にOSD表示を行うための機能を設ける必要がない。
次に、ステップS401で、制御部15が入力チャンネル番号を検知すると、ステップS402で、前述したリソース管理情報をRAM14から読み出し、要求されたチャンネルを転送するときの使用放送映像リソースが親機の主画面用に使われているかどうかを比較判断する。
そして、ステップS403で、要求されたチャンネル用の放送映像リソースが親機の主画面に表示されている映像の放送映像リソースと一致している場合、親機が主として使用している放送映像リソースのために子機へ転送すべきでないと判断し、ステップS404で、図10(b)に示すような子機へ転送の拒絶通知を子機用OSDプレーン#1に再描画する。このとき、図10(b)に示すように、他のチャンネルを要求するか否かも子機に通知する。また、このとき、制御部15が要求確認手段として機能する。なお、親画面であるか子画面であるかに拘わらず、要求されたチャンネル用の放送映像リソースが親機又は子機で使用されている場合に転送すべきでないと判断するようにしてもよい。
この結果、ステップS405で、子機のユーザが要求するチャンネル番号を変えてリトライを行った場合には、再び、ステップS400にて、図10(a)に示すチャンネル入力メニューを子機に転送する。これを繰り返すことで、子機のユーザは何度でもチャンネル要求を行うことができる。
一方、ステップS403で、要求されたチャンネル用の放送映像リソースが親機の主画面に表示されている映像の放送映像リソースと一致していない場合、ステップS406で、要求されたチャンネル用の放送映像リソースが親機の子画面に表示されている映像の放送映像リソースと一致しているかを判断する。
この結果、一致している場合は、親機が主として使用している放送映像リソースではないので、子機へ転送しても良いと判断する。そして、ステップS407で、親機の表示画面に、PUSH型の時と同様な図8(c)に示すような警告を表示し、ステップS408で、子機転送の許可を親機のユーザに確認する。
ステップS408で、転送を許可しないと判断された場合は、ステップS404に進み、前述の処理と同様の処理で子機へ転送の拒絶を通知する。また。転送の許可を検知した場合は、ステップS204に進み、前述したPUSH型と同様な処理により子機へ要求されたチャンネル映像を転送する。
また、ステップS406で、一致していない場合には、親機が要求された放送映像リソースを使用していないか、親機がスタンバイ状態等で全く使用されていない状態なので、無条件にステップS204に進み、前述したPUSH型と同様な処理により子機へ要求されたチャンネル映像を転送する。
そして、ステップS204以降の処理をPUSH型の場合と同様に行うことにより、PULL型の子機転送の処理がすべて完結する。
(第2のPULL型の子機転送)
次に、PULL型の子機転送を行う場合の他の処理方法について説明する。上述のPULL型の子機転送では、双方向の通信を介して、子機側からチャンネル番号が指定され、親機から許可された場合に子機転送が行われるように構成されている。このような構成及び方法は、チューナ2a〜2cの種別がすべて同一である場合(例えば、すべてBSデジタル/CSデジタル共用チューナである場合等)は、比較的子機からのチャンネル要求に対する転送の許可が親機から得やすいため、非常に簡素で有効な手段といえる。
しかし、チューナ2a〜2cの種別が異なっている場合(例えば、チューナ2aはBSデジタルチューナ、チューナ2bはCSデジタルチューナ、チューナ2cは地上波デジタルチューナの場合等)には、親機が親画面の表示のためにCSデジタルチューナを使用しているときに、子機側からCS放送のチャンネルを要求しても、拒絶され続けてしまう可能性が高い。更に、このような場合でも、子機からでは親機のチューナの構成等は分からない。そこで、このような場合でも、円滑にPULL型の子機転送が実現できる方法が望まれる。
ここで説明するPULL型の子機転送の処理方法は、リソース配分処理のみが上記の処理方法とは異なっており、円滑な転送を可能とする方法である。図12は、PULL型子機転送の他のリソース配分処理を示すフローチャートである。このPULL型子機転送でも、子機出力インタフェース19a〜19c及び制御部15が要求受付手段として機能し、制御部15が要求可否判断手段として機能する。
この処理方法では、ステップS209で、PULL型の子機転送要求を親機が検知すると、リソース分配処理として、ステップS500で、制御部15はリソース管理情報をRAM14から読み出す。次に、リソース管理情報に基づいて、ステップS501で、制御部15は子機用に割り付けることが可能な放送映像リソース及びこの放送映像リソースを用いて子機への転送が可能なチャンネルを検索する。例えば、チューナ2aがBSデジタルチューナであり、チューナ2bがCSデジタルチューナであり、チューナ2cが地上波デジタルチューナである場合に、親機が主画面で見ている番組がチューナ2a(BSデジタルチューナ)を使用しているときには、チューナ2b(CSデジタルチューナ)及びチューナ2c(地上波デジタルチューナ)がリソース分配可能であると判断する。このとき、制御部15が検索手段として機能する。
次いで、ステップS502で、転送を要求してきた子機に対して、対応する子機OSDプレーンに転送可能なチャンネル情報を描画し、対応する子機用出力合成部がこれを読み出し、子機に転送することで出力する。出力する転送可能なチャンネル情報画面は、例えば図13(a)に示すように、OSD単独表示の画面としてもよいし、子機で以前に転送された番組を視聴している最中に、チャンネル切り換えを行った場合等は、図13(b)に示すように、表示中の映像とOSDの表示とを合成した画面としてもよい。このとき、制御部15が検索結果出力手段として機能する。
そして、ステップS503で、子機からチャンネル番号の入力を検知すると、制御部15は、ステップS504で、そのチャンネル番号が転送可能なチャンネル情報に含まれているのであれば、ステップS204に進んで、子機へ所望の番組を転送する。
このような処理方法によれば、子機のユーザは、親機による転送が可能なチャンネルを認識することができるため、円滑にチャンネルの選択を行うことが可能になり、前述したPULL型の子機転送の問題を回避できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態の構成は、親機と子機とで同じ映像ソースの映像を表示しないことを前提としている。しかし、以下の例ような場合には、親機と子機とで同時に同一の映像ソースの映像の表示が要求される。例えば、(1)親機側で子機の視聴番組の内容を監視をしたい場合、(2)PUSH型での子機転送において、親機の主画面の映像に対して子機への転送が要求されたが、親機でも同じ映像を継続して視聴したい場合、(3)PULL型での子機転送において、親機へ子機転送を要求したが、親機が主画面で表示しているため転送が拒絶された場合、等である。
第2の実施形態は、上記のような要求にも応えることができるように構成されてり、具体的には、図14に示すように、映像デコーダ5a〜5cと解像度変換部6a〜6cとの間に、入力ソース切り換え部30a、30b及び30cが設けられている。入力ソース切り換え部30a〜30cは、制御部15による制御によって、映像デコーダ5a〜5cから出力された映像データ(映像ソース)から1つを選択して、夫々解像度変換部6a〜6cに出力する。即ち、解像度変換部6a〜6cが、映像デコーダ5a〜5cからのすべての出力を選択して処理できるようにする入力ソース切り換え部30a〜30cが設けられている。
(子機の視聴番組の監視)
次に、親機側で子機の視聴番組を監視する場合の第2の実施形態の動作について説明する。図15は、子機の視聴番組の監視を行う場合の動作を示すフローチャートである。
先ず、図16(a)に示すように、親機では親画面及び子画面が使用され、また、1つの子機に映像が転送されているものとする。この状態で、親機用リモコン16を用いて、親機のユーザが子機に転送されている映像を親機で監視するという要求を発行すると、制御部15は、ステップS600で、この要求を検知する。
次に、制御部15は、ステップS601で、親機の表示装置11に図16(b)に示すような警告画面を表示する。即ち、制御部15は、子機の監視を行うことにより、親機で選局することが可能な画面数が1画面になることを警告する。
ここで、この警告内容の意味について詳しく説明する。本実施形態には、3個の放送映像リソースが設けられている。このような構成で子機の監視が行われる場合、チューナ2a〜2cの種別が異なっていると、1個の放送映像リソースを親機及び子機で共用する必要がある。そして、このような場合には、制御部15は、入力ソース切り換え部30a〜30cのいずれか2個を用いて同一の映像デコーダから出力された映像ソースを親機出力用と子機転送用に分けて出力させる。そして、相異なる解像度変換部が解像度の変換を行い、変換後の映像ソースが共有メモリ8の異なる動画プレーンに振り分けられる。その後、親機用マルチ画面合成部9と子機用合成部8a〜8cのいずれか1つがが相異なる動画プレーンから解像度の違う映像を読み出すことで、同一の映像ソースの同時表示が行われる。
このような処理が行われる場合、子機への転送用及び親機での監視用に2個の解像度変換部が使用されるため、他に用いることができる解像度変換部は1個のみとなる。そして、この状態で、子機への転送用及び親機での監視用以外の解像度変換部に映像ソースを送っているチューナは、親機での視聴に自由に使用しても問題は生じないが、子機への転送用及び親機での監視用の解像度変換部に映像ソースを送っているチューナに対して親機側で自由に選局できるようにすると、子機で表示されている映像も変わってしまう。このため、親機側で選局可能な放送映像リソースは1個に制約する必要があり、このことを警告通知するのである。
ステップS601での警告後、ユーザがこの警告に同意して、制御部15が、ステップS602で確認応答を検知すると、ステップS603で、入力ソース切り換え部30a〜30cを同時表示が可能なように切り換える。即ち、子機に転送されている映像ソースの受信に用いられているチューナに接続された映像デコーダの出力信号を、子機転送用及び親機監視用に2個の解像度変換部に入力させる。
次に、ステップS604で、制御部15は親機の画面のレイアウトを変更する。レイアウト変更後の画面は、例えば図16(c)に示すようなものになる。
このような方法によれば、画質の劣化を引き起こすことなく、親機及び子機で同時に同じ映像を表示することができる。
なお、第1の実施形態によっても、制御部15が共有メモリ8の子機転送用に割り付けた動画プレーンからの読み出し映像を、親機用マルチ画面合成部9及び子機用出力合成部が同時に処理するように制御すれば、親機での選局可能な画面数を制約せずとも、同一の映像を表示することは不可能ではない。しかし、映像フォーマット(特に、表示解像度)が子機で表示する映像と親機で表示する映像とで異なっている可能性が高い。このため、同一の動画プレーンから読み出した映像を親機用マルチ画面合成部9及び子機用出力合成部で同時に処理させるためには、親機用マルチ画面合成部9の前段(メモリ制御部7及び共有メモリ8の後段)に、更なる解像度変換部を設けし、子機で表示される映像の解像度を親機のマルチ画面表示用の解像度に再変換させる必要がある。
しかし、このような構成を採用すると、解像度変換部の追加による回路規模の大幅な増加によってコストが上昇するだけでなく、共有メモリ8の前段及び後段での2段の解像度変換処理が行われるため、表示画質の著しい劣化が生じる等、弊害要素の方が多い。
これに対し、上述のような第2の実施形態によれば、解像度変換部を増加させる必要がないため、コストの大幅な上昇及び画質の低下を回避しながら、親機を用いた子機の監視が可能となる。
(親機の主画面に表示されている映像の子機との共有)
次に、親機の主画面に表示されている映像を子機でも視聴可能とする方法、特に、PULL型の子機転送において子機が要求した映像の処理に用いる放送映像リソースが親機の主画面に表示されている場合の方法について説明する。
第1の実施形態のPULL型子機転送では、PULL型の子機転送において子機が要求した映像の処理に用いる放送映像リソースが親機の主画面に表示されている場合には、図11に示すように、子機転送が完全に拒絶される。これに対し、本実施形態では、入力処理で放送映像リソースを親機及び子機で共有することが可能であるため、この場合においても子機からの転送要求に応えることができる。
具体的には、図17(a)に示すような表示状態の場合に、子機からの最初の親機の主画面と同一映像のPULL型転送要求があると、図15(b)に示すように、ステップS605で、図17(b)に示すような警告画面、即ち、親機の2個の子画面のうちのどちらかを非表示にしても良いか、否かを選択させるための警告画面を親機に表示する。これは、前述の場合と同様に、2つの解像度変換部が1つの映像ソースを共有することにより、他に親機での表示用に用いることができる放送映像リソースが1個になるためである。
そして、ステップS606で、親機ユーザがどちらかの子画面を非表示にすることを許可したことを検知すると、ステップS607で、入力ソース切り換え部30−1〜30−3を、親機のユーザにより非表示選択された子画面、例えば子画面S2の表示を中止すると共に、親画面の映像を子機にも転送するように切り換える。その後、制御部15は親機の画面のレイアウトを変更する。レイアウト変更後の画面は、例えば図17(c)に示すようなものになる。
このような方法によれば、画質の劣化を引き起こすことなく、親機及び子機で同時に同じ映像を表示することができる。このように、入力処理の共有が可能となる構成にすることで、PULL型の子機転送の自由度を更に向上することが可能になる。なお、PUSH型の子機転送において、親画面の映像を子機に転送しようとする場合には、最初の要求のためのリモコンの操作が異なるのみで、ステップS605以降の処理が同様に行われる。
なお、第1及び第2の実施形態の説明では、PUSH型の子機転送、PULL型の子機転送、親機及び子機同時表示について、夫々の処理方法を分けて説明しているが、これらの処理方法を組み合わせて適用してもよい。また、子機転送する子機は1つであることに限定されず、複数の子機に異なる映像ソースの映像が転送されたり、複数の子機に同一の映像ソースの映像が転送されたりしてもよい。また、第1及び第2の実施形態のいずれにおいても、図18に示すように、親機と3個の子機とを通信可能にすることが可能であり、この場合、3つの子機に転送が行われている間、親機がスタンバイモードで使用されていない状態となるようにしてもよい。
更には、子機転送される映像は、チューナからの入力である放送映像リソースを用いたものに限定されず、親機に内蔵されたハードディスクや外部のDVDやD−VHS等の記録装置からの蓄積系映像リソースを対象にしてもよい。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第1及び第2の実施形態は、主に子機に映像が転送されるまでの制御に関するものであるが、第3の実施形態は、主として子機に映像が転送されている間の親機の制御に関するものである。図19は、本発明の第3の実施形態に係るテレビシステムの構成を示す図である。
このテレビシステムには、PDPやCRT等の表示デバイスを使用したディスプレイ31、受信した放送電波をディスプレイ31に表示する信号へ変換し、映像データを送信する機能を併せ持つ受信機であるセットトップボックス(以下、STBと略す)32が設けられている。ディスプレイ31(主表示装置)及びSTB32(情報処理装置)から親機が構成されている。
更に、STB32を遠隔操作するリモートコントロール装置(以下、リモコンと略す)33、ビデオ録画再生装置(以下、VTRと略す)34、小型のCRT等の表示デバイスを使用したアナログテレビ受像機35、STB32から送信された映像データを受信し表示データに変換する変換器36が設けられている。アナログテレビ受像機35(副表示装置)及び変換器36(副情報処理装置)から子機が構成されている。
図20は、STB32及び周辺機器の概略構成を示すブロック図である。STB32には、図19に示すように、ディスプレイ31が接続されるだけでなく、他に、例えばテレビ番組の放送を受信するBS/CSデジタル放送受信アンテナ51とアナログ地上波放送受信アンテナ52と、VTR54が接続される。
STB32の内部には、BS/CSデジタルチューナ201と、スクランブル解除IC(デスクランブル)202と、画像と音声とデータを分離するデマルチプレクサ(デマックス)203と、画像と音声を伸長するMPEG2デコーダ204と、デコーダ204で伸長された映像データ用の解像度変換部205と、が設けられている。
STB32の内部には、更に、地上波放送用のチューナ206と、チューナ206とVTR34からのNTSC信号を切り換えるスイッチ回路207と、NTSC信号を復元するNTSCデコーダ208と、復元された映像データ用の解像度変換部209と、が設けられている。
更に、STB32の内部に、解像度変換部205及び209で変換された映像データを一時的に蓄える共有メモリ210と、共有メモリ210を制御するメモリ制御部211と、ディスプレイ31用に複数の画面を合成する親機画面合成部212と、親機画面合成部212の出力信号をディスプレイ31用の信号に変換するディスプレイI/F213と、が設けられている。本実施形態では、親機画面合成部212及びディスプレイI/F213から主出力手段が構成されている。
更に、STB32の内部には、グラフィックコントローラ214と、デコーダ204又は208で伸長された音声データを親機/子機に振り分ける音声制御部215と、子機の画面サイズに合わせた映像データに変換するフォーマット変換部216と、音声制御部215から振り分けられた音声データとフォーマット変換部216で変換された映像データを合成する画像/音声Mix部217と、画像/音声Mix部で合成されたデータを子機へ送信するための信号に変換する無線I/F218と、子機へ送信する送信部219と、が設けられている。本実施形態では、フォーマット変換部216及び無線I/F218から副出力手段が構成されている。
STB32の内部には、更に、STB32全体を制御するマイクロプロセッサ(以下、MPUと略す)220と、予め形成された映像データを記憶しておくROM221と、STB32内の様々なデータを一時的に記憶するRAM222と、カードインターフェース223と、リモコン33からの信号を受信するリモコン受信部225と、が設けられている。カードインターフェース(カードI/F)223によって、STB32のID番号等が組み込まれたスマートカード224内の情報が読み取られる。
このようにして構成されたSTB32では、BS/CSデジタルチューナ201で受信したMPEG2のストリームは、スクランブル解除IC202でスクランブルを解除され、デマルチプレクサ203によって画像・音声・付加データに分けられ、画像と音声はデコーダ204で復元される。一方、地上波チューナ206で受信された放送電波と、STB32に接続されたVTR34からの再生画像については、リモコン33からの入力信号によってスイッチ回路207からNTSCデコーダ208に出力される信号が切り換えられ、NTSCデコーダ208で復元される。
デコーダ204又は208で復元された画像のデータは、夫々解像度変換部205、209でその解像度を変換され、メモリ制御部211を通して、一時的に共有メモリ210へ記憶される。ROM220には、予めOSD用映像データが記憶されており、共有メモリ210に記憶された画像とOSD用の画像が画面合成部212で適時合成され、ディスプレイI/F213を通じて、ディスプレイ31に出力される。
また、デコーダ204又は208で復元された音声データについては、音声制御部215によってディスプレイ31に出力される画像に合わせた音声データがMPU220によって選択され、ディスプレイ31に送られ、出力される。
また、電子番組表や番組情報等の付加データについては、デマルチプレクサ203で分離されてRAM222に記憶され、MPU220で解析され、適時グラフィックコントローラ214を通じて、画面に表示される。
また、共有メモリ210に記憶された映像データの中から、リモコン33によって指定された映像データはフォーマット変換部216を通して子機の画面の最適化された映像データとなり、画像/音声Mix部217で音声制御部から送られた音声データと合成されて、無線I/F218によって送信用の信号に変換される。そして、変換後のデータが送信部219から子機へ送信される。なお、子機への送信方式は、無線伝送方式に限定されず、有線方式でも構わない。
図21は、変換器36の概略構成を示すブロック図である。変換器36には、親機を構成するSTB32から送信された信号を受信する受信部61と、互いに合成された映像データ及び音声データを分離する画像/音声分離回路62と、分離された映像データをデコードするデコーダ63と、デコードされた映像データを制御する画面制御部64と、ディスプレイ用の信号に変換するディスプレイI/F65と、変換器36全体を制御するMPU66と、映像データ等を一時的に記憶するメモリ67とが設けられている。
このように構成された変換器36では、STB32から送信された信号を受信部31が受信し、画像/音声分離回路32が映像データ及び音声データを互いに分離する。音声データは変換器36に接続されたテレビ受像機35に送られ、出力される。一方、映像データは、デコーダ63でデコードされ、画面制御部64を通して、ディスプレイI/F65でディスプレイ用の信号に変換される。そして、変換後の映像データがテレビ受像機35に出力される。
図22は、リモコン33の外観の一例を示す図である。このリモコン33には、STB32の電源をオン/オフを制御する電源ボタン41、STB32のチャンネルを選局する12個の選局ボタン42、音量調整ボタン43、地上波放送とBS/CSデジタル放送と外部入力とを切り換える入力切換ボタン44、日付や時刻や受信中のチャンネル番号等を表示する液晶ディスプレイやLED等で構成された表示部45、チャンネルを順次切り換えるチャンネル切換ボタン46、変換器36への転送の開始/解除を選択する子機転送/解除ボタン47が設けられている。このリモコン33では、入力切換ボタン44が押されると、入力ソースが、順次、地上波→BS/CSデジタル→外部入力→地上波・・・と切り換わるように構成されている。
このリモコン33を使って選局するときは、入力切換ボタン44を用いて所望の入力ソースをチューナ又は外部入力から選択し、次に、選局ボタン42のいずれかのボタンを押すか、チャンネル切換ボタン46を押せばよい。子機へデータを転送する場合は、転送したい番組又は外部入力を選局しておき、子機転送/解除ボタン47を押す。そして、子機にデータが転送されている状態で、子機転送/解除ボタン47を押すと、転送が解除される。
図23乃至図25は、本発明の第3の実施形態におけるディスプレイ31及びテレビ受像機35の画面の例を示す図である。図23乃至図25中で、大きい方(左側)がディスプレイ31の画面を示し、小さい方(右側)がテレビ受像機35の画面を示している。
図23は、子機に映像データが転送される前の状態であって、親機を構成するディスプレイ31の画面にのみに映像が映し出されており、子機を構成するテレビ受像機35の画面に映像が映し出されていない状態を示している。
図24(a)は、親機及び子機で同一の映像が表示されない場合で、ディスプレイ31に表示されていた画像が子機に転送されている状態、特に子機への転送中に親機側で子機と同じ映像ソースが選局されたときの状態を示している。より具体的には、子機側のテレビ受像機35の画面に転送中の映像が表示されており、親機側のディスプレイ31には単色(例えば、黒色)等が表示されている。
図24(b)は、図24(a)と同じ状態を示すが、親機側のディスプレイ31に、「子機で使用中」という案内が表示された状態を示している。より具体的には、子機側のテレビ受像機35の画面に転送中の映像が表示されており、親機側のディスプレイ31には単色(例えば、黒色)の背景中に、子機の状態を示す説明がOSDとして背景に合成されて表示されている。なお、この説明は前述の例に限定されるものではない。
図25(a)は、親機及び子機で同一の映像が表示される場合で、子機への転送中に親機側で子機と同じ映像ソースが選局されたときの状態を示している。より具体的には、子機へ転送されている映像データと同じものがディスプレイ31に通常の大きさで、かつハーフグレイで表示されている。このハーフグレイ表示は、元の画像の輝度を下げて表示することで実現しても良いし、単色のグレイ画面を上記式1で表されるアルファ合成によって実現するようにしても良い。
図25(b)は、図25(a)と同じ状態を示すが、親機側のディスプレイ31に、子機の画像と同一の画像の画像がそのままの色彩で、かつ通常の大きさで表示されると共に、その画像の周囲に単色の枠が重ねて表示されている。この枠の表示は、例えばOSDとして枠画像を重ねることで実現されている。
図25(c)も、図25(a)と同じ状態を示すが、親機側のディスプレイ31に、子機の画像と同一の画像の画像がそのままの色彩で、かつ通常の大きさで表示されると共に、画像の一部に、「子機で使用中」という案内がOSDとして表示された状態を示している。
図25(d)も、図25(a)と同じ状態を示すが、親機側のディスプレイ31に、子機の画像と同一の画像の画像がそのままの色彩で、かつ縮小されて表示されると共に、その画像の周囲に背景として単色の画像が重ねて表示されている。この表示は、例えばOSDとして背景画像を重ねることで実現されている。
図25(e)も、図25(a)と同じ状態を示すが、親機側のディスプレイ31に、子機の画像と同一の画像の画像がそのままの色彩で、かつ縮小されて表示されると共に、その画像の周囲に背景として単色の画像が重ねて表示されている。更に、図25(d)とも異なり、背景中に、「子機で使用中」という案内がOSDとして表示されている。
次に、STB32の動作について説明する。図26は、本発明の第3の実施形態におけるSTB32の動作を示すフローチャートである。
電源が投入されたSTB32は、ステップS601で、リモコン33からの信号が到達したか否かの判断をする。リモコン33からの信号が到来している場合は、ステップS602で、それが入力切換を指示するものか判断する。その信号が入力切換を指示するものであれば、ステップS603で、直ちに入力切換処理を行い、ステップS601に戻る。
一方、ステップS602で、リモコン33からの信号が入力切換を指示するものでない場合には、ステップS604で、番組選局を指示するものか判断する。
ステップS604で、信号が番組選局を指示するものであれば、ステップS605で、選局された映像ソースが子機(変換器36)へ転送中の映像ソースであるか否かを判断する。ここで、子機へ転送中の映像ソースでなければ、ステップS606へ進み、選局処理を行い、ステップS601へ戻る。
一方、ステップS605で子機に転送中の映像ソースであると判断した場合には、ステップS607で、選局処理をキャンセルし、図24(a)及び(b)、図25(a)〜(e)のいずれかに示す表示をして、ステップS601へ戻る。
また、ステップS604でリモコン33からの信号が番組選局を指示するものでない場合は、ステップS608へ進み、音量調整を指示するものであるかを判断する。ここで、音量調整を指示するものであれば、ステップS609で、直ちに音量調整処理を行い、ステップS601へ戻る。
ステップS608で音量調整を指示するものでない場合には、ステップS610で、子機転送/解除ボタンが押されたか否かを判断する。ここで、子機転送/解除ボタンが押されたと判断した場合は、ステップS611で、STB32が子機へ転送中か否かを判断する。そして、子機へ転送中であれば、直ちに転送解除処理を行い、ステップS601へ戻る。
ステップS611で子機へ転送中でなければ、ステップS613で、その時点で親機に表示されている映像の転送処理を直ちに開始し、ステップS601へ戻る。
そして、ステップS610で子機転送/解除ボタンが押されたと判断されなかった場合は、ステップS614で、リモコン33の電源ボタンが押されたか否かを判断する。ここで、リモコン33の電源ボタンが押されたと判断した場合は、直ちにSTB32の終了処理を行い、ステップS615で、STB32自体の電源を落とす。一方、ステップS614で、電源ボタンが押されていないと判断した場合は、ステップS601へ戻る。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、第3の実施形態に対して、第1及び第2の実施形態のように、親機側のディスプレイとしてマルチ画面表示が可能なものを用いる場合のテレビシステムである。即ち、STB32の親機画面合成部212によって合成された複数の映像ソース(例えば、チューナ及び外部機器からの入力画像)からの映像データをディスプレイにウィンドウ状に表示するためのマルチ画面表示用の映像データを表示できるものをディスプレイ31として用いる。そして、第4の実施形態では、その中の映像ソースの1つが子機へ転送される。なお、第4の実施形態についての説明では、第3の実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図27は、本発明の第4の実施形態におけるリモコン33の外観の一例を示す図である。このリモコン33には、第3の実施形態とは異なり、ウィンドウ分割/解除ボタン71及びウィンドウ選択用の十字キー72が更に設けられている。
ウィンドウ分割/解除ボタン71が押されると、順次、ディスプレイ31の画面の表示が、マルチウィンドウ表示→単一画面表示→マルチウィンドウ表示→・・・と切り換わる。具体的には、例えばマルチウィンドウ表示のときは、図28(a)に示すように、主画面Mと子画面S1と子画面S2とが分割して表示され、単一画面の時は、図28(b)に示すように、主画面Mのみが表示される。
また、図28(a)に示すようなマルチウィンドウ表示の時に、十字キー72を構成する上下左右のいずれかの方向のキーが押されると、図28(c)に示すように、その画面が選局等の操作が可能な状態となっていることをユーザに知らせるためのウィンドウ選択枠が主画面Mに現れ、更に十字キー48のいずれかの方向のキーが押されると、図28(d)及び(e)に示すように、その押されたキーが示す方向に従ってウィンドウ選択枠が移動する。
なお、操作可能な画面がどれであるかをユーザに知らせる方法は、選択枠を表示するという方法に限定されず、ウィンドウ内に小さなマーク、例えば、●印等を表示するこによって知らせるようにしても良く、ユーザに認識でるようなものであればよく、特に認識しやすいものであることが好ましい。
図29乃至図31は、本発明の第4の実施形態におけるディスプレイ31及びテレビ受像機35の画面の例を示す図である。図29乃至図31中で、大きい方(左側)がディスプレイ31の画面を示し、小さい方(右側)がテレビ受像機35の画面を示している。また、ここでは、主画面Mを右側に、子画面S1及び子画面S2を左側に縦に並べて配置しているが、子画面の数や配置は、このような例に限定されるものではない。
図29は、子機に映像データが転送される前の状態であって、親機を構成するディスプレイ31の画面のみにマルチ画面表示で映像が映し出されており、子機を構成するテレビ受像機35の画面に映像が映し出されていない状態を示している。
図30(a)は、親機及び子機で同一の映像が表示されない場合で、子画面1に表示されていた画像が子機に転送されている状態を示している。より具体的には、子機側のテレビ受像機35の画面に転送中の映像が表示されており、親機側のディスプレイ31の子画面S1には単色(例えば、黒色)等が表示されている。
図30(b)は、図30(a)と同じ状態を示すが、ディスプレイ31の子画面S1に、「子機で使用中」という案内が表示された状態を示している。より具体的には、子機側のテレビ受像機35の画面に転送中の映像が表示されており、ディスプレイ31の子画面S1には単色(例えば、黒色)の背景中に、子機の状態を示す説明がOSDとして背景に合成されて表示されている。なお、この説明は前述の例に限定されるものではない。
図31(a)は、親機及び子機で同一の映像が表示される場合で、ディスプレイ31に表示されていた画像が子機に転送されている状態、特に子機への転送中に親機側で子機と同じ映像ソースが選局されたときの状態を示している。より具体的には、子機へ転送されている映像データと同じものがディスプレイ31の子画面S1に通常の大きさで、かつハーフグレイで表示されている。このハーフグレイは、第3の実施形態と同様に、子画面S1の元の画像の輝度を下げて表示するようにして実現しても良いし、単色のグレイ画面を上記式1で表されるアルファ合成によって実現するようにしても良い。
図31(b)は、図31(a)と同じ状態を示すが、親機側のディスプレイ31の子画面S1に、子機の画像と同一の画像の画像がそのままの色彩で、かつ縮小されて表示されると共に、その画像の周囲に背景として単色の画像が重ねて表示されている。この表示は、例えばOSDとして背景画像を重ねることで実現されている。
図31(c)も、図31(a)と同じ状態を示すが、親機側のディスプレイ31の子画面S1に、子機の画像と同一の画像の画像がそのままの色彩で、かつ通常の大きさで表示されると共に、画像の一部に、「子機で使用中」という案内がOSDとして表示された状態を示している。なお、この説明は前述の例に限定されるものではない。
次に、STB32の動作について説明する。図32は、本発明の第4の実施形態におけるSTB32の動作を示すフローチャートである。
電源が投入されたSTB32は、ステップS901で、リモコン33からの信号が到達したか否かの判断をする。リモコン33からの信号が到来している場合は、ステップS902で、その信号が、画面分割/解除ボタン72が押されたことを示すものであるか否かを判断する。ここで、画面分割/解除ボタン72が押されたと判断した場合には、ステップS903で、現在表示中の画面が分割中であるか否かを判断する。そして、画面分割中である場合には、ステップS904で、直ちに画面分割解除処理を行い、ステップS901に戻る。また、ステップS903で画面分割中でない場合には、ステップS905で画面分割処理を行い、ステップS901へ戻る。
一方、ステップS902で画面分割/解除ボタン72が押されていないと判断した場合には、ステップS906で、十字キー71が押されたか否かを判断する。ここで、十字キー71が押されたと判断した場合には、ステップS907で、画面分割中であるか否かを判断する。そして、画面分割中であると判断した場合には、ステップS908で、画面選択移動処理を行い、ステップS901へ戻る。また、ステップS907で、画面分割中でない場合には、ステップS909で、十字キー71の操作指示をキャンセルし、ステップS901へ戻る。
また、ステップS906で十字キー71が押されていないと判断した場合には、ステップS910で、入力切換を指示するものか判断し、入力切換を指示するものであれば、ステップS911で、直ちに入力切換処理を行い、ステップS901に戻る。一方、ステップS910でリモコン33からの信号が入力切換を指示するものでないと判断した場合には、ステップS912で、番組選局を指示するものか判断する。
ステップS912で、番組選局を指示するものであれば、ステップS913で、選択された映像ソースが子機(変換器36)へ転送中の映像の映像ソースであるか否かを判断する。ここで、子機へ転送中の映像ソースでなければ、ステップS914へ進み、選局処理を行い、ステップS601へ戻る。一方、ステップS913で、子機に転送中の映像ソースであると判断した場合は、ステップS915で選局処理をキャンセルし、図30(a)及び(b)、図31(a)〜(c)のいずれかに示す表示をして、ステップS901へ戻る。
また、ステップS912でリモコン33からの信号が番組選局を指示するものでない場合は、ステップS916へ進み、音量調整を指示するものであるかを判断する。ここで、音量調整を指示するものであれば、ステップS917で、直ちに音量調整処理を行い、ステップ901へ戻る。
ステップS916で音量調整を指示するものでない場合には、ステップS918で、子機転送/解除ボタンが押されたか否かを判断する。ここで、子機転送/解除ボタンが押されたと判断した場合は、ステップS919で、STB32が子機へ転送中か否かを判断する。そして、子機へ転送中であれば、直ちに転送解除処理を行い、ステップS901へ戻る。
ステップS919で子機へ転送中でなければ、ステップS921で、その時点で親機で選択されている画面に表示されている映像の転送処理を直ちに開始し、ステップS901へ戻る。
そして、ステップS918で子機転送/解除ボタンが押されたと判断されなかった場合は、ステップS922で、リモコン33の電源ボタンが押されたか否かを判断する。ここで、リモコン33の電源ボタンが押されたと判断した場合は、直ちにSTB32の終了処理を行い、ステップS923で、STB32自体の電源を落とす。一方、ステップS922で、電源ボタンが押されていないと判断した場合は、ステップS901へ戻る。
なお、STB32がディスプレイ31の筐体内に内蔵されていてもよく、また、変換器36がテレビ受像機35に内蔵されていてもよい。更に、STB32内に3個以上のチューナが搭載されていてもよく、また、STB内にHDD等の記録装置が内蔵されていてもよい。更にまた、外部からの入力機器として、VTR34以外に、DVDやデジタルビデオカメラ等の一般的なテレビ受像機に接続可能な機器を用いてもよい。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図33は、本発明の第5の実施形態に係るテレビシステムの親機の構成を示すブロック図である。なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態においては、映像デコーダ5a〜5cと解像度変換部7a〜7cとの間に、映像切換部30が設けられている。映像切換部30は、例えば、第2の実施形態中の入力ソース切り換え部30a〜30cから構成される。映像切換部30は、映像デコーダ5a〜5cから出力される3つの独立した映像データを、解像度変換部7a〜7cのいずれかに切り換えることを目的としたデータパスの切り換え回路として機能する。切り換え方式としては、2通りの方法がある。1つ目は、映像デコーダ5a〜5cと解像度変換部7a〜7cとを1対1に切り換えて接続するもの(例えば、5aと7c、5bと7a、5cと7b等)である。この場合は、解像度変換部7a〜7cには独立した放送映像リソースが接続される。2つ目は、映像デコーダ5a〜5cと解像度変換部7a〜7cとを3対n(nは1又は2)に切り換えて接続するもの(例えば、5aと7a、5aと7b、5cと7c等)である。この場合は、解像度変換部7a〜7cの2以上に、同一の放送映像リソースが接続される。また、映像切換部30は、前述したような出力先の切り換えだけでなく、解像度変換部7a〜7cへの出力をオフにするスイッチとしての役割を持つこともできる。
本実施形態には、更にリソース調停部51、リソース管理部52及びOSD生成部53が設けられている。リソース調停部51は、放送映像リソースの1つにリソース競合が起きた場合、予め決められた規則に基づいて調停動作を行い、その結果を制御部15に通知する。リソース管理部52は、各放送映像リソースがどの子機で使用されているかをテーブル方式で管理し、制御部15により、必要に応じて参照及び更新される。即ち、例えば第1の実施形態の説明で用いた表1及び表2のような内容がリソース管理部52により管理される。
子機用出力合成部18a〜18cは、制御部15から発行された描画命令を元にOSD生成部53により生成されたGUI等のOSD画面と解像度変換部7a〜7cから出力された映像データとを合成し、OSD合成映像データに形成した後、圧縮部9a〜9cに受け渡す。なお、子機用出力合成部18a〜18cでの合成は、式1で表されるアルファ合成において、Bのグレイ画面の代わりにOSD画面を当てはめればよい。このアルファ合成を適用することにより、α=0の時は元の映像のみ、α=1の時はOSDのみ、それ以外は映像とOSDとのアルファ合成というように、様々な合成パターンが可能になる。
更に、圧縮部9a〜9cの後段には、多重化部54、無線部55及び無線用アンテナ56が設けられている。多重化部54は、圧縮部9a〜9cから出力された圧縮映像データとデマルチプレクサ4a〜4cによって分離された音声データとの関連付けを行い、転送先の子機で分離しやすいように転送先IDを含んだヘッダー情報を付加したフォーマットにて時分割多重を行う。このような時分割多重を行うことで無線の搬送波周波数ごとに分割された通信チャンネルを有効に利用することが可能となる。
多重化部54からの出力信号は無線部55に受け渡される。図34は、無線部55の内部構成を示すブロック図である。MAC(Media Access Control)制御部55aは、多重化部54からの信号を、予め決められた通信プロトコルに準拠した送信信号を形成することを行うブロックで、IEEE802.11a/b/gの無線LAN規格であれば共通のMAC層として定義されている。また、MAC制御部55aは、多重化部54からの映音多重化信号のQoS(Quality of Service)を保証した伝送制御を行う。従って、親機から指定子機へのコマンド送信を行う場合は、映音多重化信号の隙間(例えば、映像のブランキング期間等)を利用して行う等の工夫をすることが有効となる。MAC制御部55aからの映音多重化信号は、無線送信部55bにて無線LAN規格の物理層で規定された変調処理等が施され、RF部55で送信用チャンネルの周波数帯で増幅された後、無線用アンテナ56から送信出力される。
一方、無線用アンテナ56から受信された子機からの制御コマンド等の受信データは、RF部55dでBPF(帯域フィルタ)により受信用チャンネルの周波数帯で分離され、LNA(低雑音フィルタ)等で増幅された後、無線受信部55cで、復調処理等が施され、MAC制御部55aに受け渡される。この受信データは、MAC制御部55aにて、制御部15が扱うことができる信号に変換され、子機用制御信号として親機制御部15に受け渡される。また、RF部55dでは、送信と受信の周波数チャンネルを分離しているため、互いが干渉し合うことを防ぐことができる。
なお、親機と子機との間の物理伝送手段に無線を選択せずに、有線を選択する場合には、これらは必要とされない。例えば、子機との接続がアナログ有線の場合、D/A変換器やビデオアンプ、デジタル有線の場合はTMDSやLVDSトランシーバ等が設けられる。
次に、親機と組み合わせて用いられる子機について説明する。図35は、本発明の第5の実施形態に係るテレビシステムの子機の構成を示すブロック図である。子機には、子機全体の制御と親機とのコマンド通信を制御するための子機制御部76が設けられている。子機制御部76には、時間を計測するカウンタ(図示せず)、周辺入出力インタフェース(図示せず)等が設けられ、また、子機制御部76には、演算能力を持つCPUデータを一時格納するRAM78、及び制御プログラムを格納するROM77が接続されている。なお、子機制御部76は論理ロジックのみで構成されていてもよく、CPUや並列演算が可能なメディアプロセッサであってもよい。制御を行うために実行するプログラムはROM77に内蔵されていてもよいし、周辺入出力インタフェースを介して外部から転送されてもよい。更に、子機制御部76にはリモコン受光部79が接続され、赤外線を用いた子機用リモコン80のコマンドを受け付けることができる。この子機用リモコン80としては、通常のリモコンだけでなく、例えば赤外線発光ができるキーボード、マウス又はジョイスティック等を用いてもよい。
更に、子機には、無線用アンテナ70、無線部71、分離部72、伸長部73及び子機モニタ74が設けられている。無線部71の内部構成は、無線部55のそれと同様である。
次に、上述のように構成された子機の動作について説明する。この説明に当たっては、先ず、前述した親機からの無線送信された映音データ(映像データ及び音声データ)やコマンドデータを受信するまでの動作について説明する。
無線用アンテナ70が親機から送信された所定の通信プロトコルに準拠した無線信号を受信すると、その信号は無線部71に受け渡される。無線部71では、その内部のRF部55dがBPF(帯域フィルタ)により親機の送信用チャンネルと同じ周波数帯を分離し、LNA(低雑音フィルタ)等で増幅する。その後、無線受信部55cが復調処理等を施し、MAC制御部55aに受け渡し、MAC制御部55aが親機からの多重化された映音データを復元する。
次に、分離部52がヘッダー情報の転送先IDを認識し、この子機宛の送信データであると判断した場合のみ、多重化された映像データと音声データを分離する。そして、伸長部53が分離部52によって分離された映像データを伸長し、子機モニタ54がそのデータを映像化して表示する。
分離部72で分離された音声データは、図示しない音声処理部で伸長された後、増幅されてスピーカによって再生される。
更に、親機からの受信データに上記映音データと同様に、この子機宛のコマンドデータが含まれていると判断した場合には、MAC制御部55aがそのコマンドデータを、子機制御部15が扱うことができる信号に変換し、子機制御部76に受け渡す。
次に、子機用リモコン80が操作されて、親機への制御情報が無線送信されるときの動作について簡単に説明する。
詳細は後述するが、ユーザが子機用リモコン80を操作することにより、親機の映像リソースの取得制御を行うことができる。子機用リモコン80の制御コマンドは、リモコン受光部79から子機制御部76に受け渡される。子機から親機へのコマンド送信を行う場合、子機制御部76は、無線部71のMAC制御55aへ受信したコマンド信号を送り、MAC制御部55aが、同様に予め決められた通信プロトコルに準拠した送信信号を形成する。次に、無線送信部55bが無線LAN規格の物理層で規定された変調処理等を行い、RF部55dが親機の受信用チャンネルと同じ周波数帯で増幅した後、無線用アンテナ70から送信出力する。なお、RF部55dは、送信と受信の周波数チャンネルを分離しているため、互いが干渉し合うことを防ぐことができる。
なお、無線用アンテナ70、無線部71、分離部72及び伸長部73は、親機と子機との間の物理伝送手段に無線を選択せずに、有線を選択する場合には、必要とされない。例えば、子機との接続がアナログ有線の場合、LPF(ρパスフィルタ)やA/D変換器、デジタル有線の場合はTMDSやLVDSレシーバ等が設けられる。
このように、本テレビシステムは、親機から子機への映音データの片方向の無線通信と、親機と子機間のコマンドの双方向無線通信ができる構成になっている。
また、本テレビシステムは、1つの親機に対して複数の子機からの無線送信が同時に発生することも有り得る構成になっている。従って、前述した子機から親機へのコマンド送信は、同一の周波数チャンネルを共用して使うため、各子機から親機への送信時には、他の子機が送信していないことを確認してから送信する制御を行う必要がある。この制御は、子機側の無線部71のMAC制御部55aが行う。通常、このようなアクセス制御は無線の転送効率を低下させる要因になるが、コマンド送信のようなQoS(Quality of Service)を必要としないケースであれな大きな問題は起きない。
次に、上述のように構成された第5の実施形態に係るテレビシステムの動作について説明する。図36は、本発明の第5の実施形態における子機転送処理時の動作を示すフローチャートである。
従来、リソース競合が生じる場合として、前述のように、チューナの種別が異なり、かつあるチューナが扱うリソースに対する要求が複数生じるような構成の場合が挙げられる。ここで説明する動作は、このようなリソース競合を回避するものであり、チューナ2a〜2cの種別がすべて異なるものとする。例えば、チューナ2aはBSデジタルチューナであり、チューナ2bはCSデジタルチューナであり、チューナ2cは地上波デジタルチューナである。
また、親機に無線接続されている子機の数は、チューナ2a〜2cの数と同じ3個であるとし、夫々の子機名を子機A、子機B、子機Cとする。そして、親機においては、子機送信出力データパスとして、子機Aは解像度変換部7a〜圧縮部9a、子機Bは解像度変換部7b〜圧縮部9b、子機Cは解像度変換部7c〜圧縮部9cが使用されるものとする。
(リソース競合が生じない場合)
先ず、リソース競合が生じない場合として、子機Aがチューナ2a(BSデジタルチューナ)を、子機Bがチューナ2b(CSデジタルチューナ)を、子機Cがチューナ2c(地上波デジタルチューナ)を夫々用いる場合の親機の動作について説明する。
子機Aのユーザが、子機用リモコン80を操作し、BSデジタル放送の番組選局を行った場合、リモコン受光部79はこの要求を検知する。子機制御部76はこの要求に基づいて、子機Aのコマンド識別が可能な子機Aの識別IDを付加したコマンドを生成し、無線部71が親機への送信が可能な状態であると判断した後、子機Aの無線用アンテナ70から親機へコマンド送信する。
この送信コマンドは、親機の無線用アンテナ56が受信し、無線部55で子機Aからのコマンド受信を識別した後、子機Aからの選局要求として制御部15に受け渡す。
そして、ステップS901において、制御部15が子機Aからの選局要求を検知すると、ステップS902に進み、リソース管理部17からリソース管理情報を取得する。ここで、リソース管理情報の内容について説明する。本実施形態でのリソース管理情報は、親機のチューナ2a〜2cを、どの子機端末(子機A〜C)が使用しているかの現行ステータスが記述された情報である。電源投入時(初期化時)のリソース管理情報の内容は、例えば下記表3のようになっている。
ステップS903では、取得したリソース管理情報と、子機Aからの選局要求に対応するリソースとを比較することで、リソース競合のチェックを行う。子機AからのBSデジタル放送の番組への選局要求については、上記リソース管理情報によれば、チューナ2aの使用先がまだない状態なので、ステップS904で、リソース競合なしと判断する。よって、子機Aからの選局要求は了承され、ステップS905〜S908の子機への映像送信処理に入る。
ステップS905では、子機AからのBSデジタル放送の番組選局要求に応じて、チューナ2aをチューニング制御し、ステップS906で、映像切換部30を制御することにより、チューナ部2aからのデータを子機Aへの子機送信出力データパス(7a〜9a)に接続する。より具体的には、映像デコーダ5aと解像度変換部7aとを接続し、映像デコーダ5b及び5cと解像度変換部7b及び7cとの間を非接続とする。
そして、ステップS907において映像送信処理を行う。より具体的には、解像度変換部7aで、子機Aの子機モニタ74の表示解像度に合わせた解像度変換処理を施し、圧縮部9aで映像データを圧縮した後、前述したように子機Aの識別IDを付加した状態で多重化部10によって多重化し、無線部55を経由して子機Aに映像を送信する。なお、この場合には、子機B及び子機Cに対する送信出力がないので、多重化に際しては子機Aのデータのみが含まれる。
子機Aは、この親機からの送信データを受信し、前述した処理手順により、自分の識別IDを認識した後、子機モニタ74に要求したBSデジタル放送の番組を表示する。そして、最後に、親機において、ステップS908で、制御部15がリソース管理情報の内容を下記表4のように更新する。
また、子機Bがチューナ2b(CSデジタルチューナ)を、子機Cがチューナ2c(地上波デジタルチューナ)を使用する場合の親機の動作も、上記と同様のステップS901〜ステップS908の手順を繰り返すことにより実現できる。この結果、映像切換部30は、映像デコーダ5aと解像度変換部7aとを接続し、映像デコーダ5bと解像度変換部7bとを接続、映像デコーダ5cと解像度変換部7cとを接続した状態になる。また、最終的なリソース管理情報の内容は、下記表5のようになる。
図37(a)に、上述のように、リソース競合が生じない場合の各子機の表示状態の例を示す。
(リソース競合が生じる場合)
次に、リソース競合が生じる場合の例として、上述のようにリソースの競合が生じていない状態で、子機Aのユーザが、BSデジタル放送の番組から、地上波デジタル放送の番組に切り換えようとする場合の動作について説明する。
この場合、子機Aから地上波デジタル放送の要求があると、ステップS903のリソース競合のチェックにおいて、子機Aからの地上波デジタル放送の番組への選局要求は、上記リソース管理情報において、子機Cが使用中の状態なので、ステップS904でリソース競合ありと判断する。この場合、制御部15は、図36中の破線で囲んだリソース調停処理を行う。
より具体的には、制御部15は、リソース調停部51に規定された調停ルールに従って処理を行う。リソース調停部51に規定される調停ルールとしては、例えば優先度アービトレーション(優先度調停)及び公平アービトレーション(公平調停)がある。前者は、競合時に優先度が高い子機の要求を受け付けるものであり、後者は、競合時に、優先度に拘わらず、先に要求を出した方の子機の要求を受け付けるものである。また、優先度の付け方は、特に限定されない。
先ず、ステップS909でリソース調停部51が優先度アービトレーションで処理を行うものであり、且つ、子機Aの優先度が競合する子機Cの優先度より高い場合の処理について説明する。この場合、子機Aからの要求があると、子機Aの要求が許可され、子機Aが地上波デジタル放送の番組を取得することができる。一方、子機Cは、子機Aに地上波デジタル放送のリソースを調停処理により使用させなければならない。しかし、子機Cの画面からそれまで表示されていた映像が突然消えてしまうと、子機Cのユーザに混乱が生じかねない。そこで、本実施形態では、ステップS910で、図37(b)に示すように、高優先の子機Aからの地上波デジタル放送の取得要求があったために番組を譲らなければならないことを案内する警告画面を子機Cに表示する。この結果、映像の突然の変化による混乱を抑制することが可能となる。
なお、子機Cへの警告画面の表示は、例えば制御部15がOSD生成部53に描画命令を行い、OSD生成部53が生成したOSD映像データと、子機Cに現在表示中の解像度変換部7cからの出力映像とを子機用出力合成部18cが合成することで実現することができる。
その後、ステップS905で選局処理を行い、ステップS906において、映像切換部30を制御して、映像デコーダ5aと解像度変換部7cとを接続し、映像デコーダ5bと解像度変換部7bとを接続したままとし、解像度変換部7aに残りの映像デコーダ5cを接続する。続いて、ステップS907〜S908の処理を行うことにより、図37(d)に示すように、放送映像リソースの変更がなされる。
次に、ステップS909でリソース調停部51が優先度アービトレーションで処理を行うものであり、且つ、子機Aの優先度が、競合する子機Cの優先度より低い場合の処理、及びリソース調停部51が公平アービトレーションで慮理を行う場合の処理について説明する。これらの場合、子機Cによって先に地上波デジタル放送用の放送映像リソースが用いられているため、子機Aからの要求は却下され、子機Aの画面の切り換えは行われない。このため、子機Aのユーザに混乱が生じかねない。そこで、本実施形態では、ステップS911で、図37(c)に示すように、既に子機Cによって地上波デジタル放送用の放送映像リソースが使用されているために、取得要求が受け付けられないことと、その時点で選局可能な映像ソースを案内する選局支援画面を表示する。この結果、要求が受け付けられないことによる混乱を抑制することが可能となる。
以上説明したようなリソース競合時の調停処理、更には、調停時の子機への操作支援を目的としたOSDの表示を連動させることで、複数の子機からの親機の種別の異なる選局部(チューナ)の共有をユーザに混乱を与えることなく実現できるようになる。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。第5の実施形態では、リソース競合として、リソース調停部51が優先度アービトレーションで処理するものであり、且つ、低優先の子機からの選局要求があった場合、及び、リソース調停部51が公平アービトレーションで処理するものであり、且つ、既に使用されている放送映像リソースを用いる選局要求があった場合には、前述のように、ステップS909において、子機からの選局要求が却下される。このことは、リソースの競合が生じた場合に、チューナ単位(放送の種別単位)でリソース調停処理を行うことで、システムのリソース共有を行うことを意味している。特に、競合したチューナ2a〜2cが、現行のアナログ地上波放送に対応したアナログ地上波チューナである場合、選択した番組(チャンネル)とキャリア周波数が1対1に対応しているので、このような処理が必須になる。
しかし、チューナ2a〜2cの一部がデジタル放送に対応したBSデジタルチューナ、CSデジタルチューナ、地上波デジタルチューナ等の場合には、1つのキャリア周波数に複数の番組(チャンネル)が含まれているため、選局要求に応じることができる機会を増やすことが可能になる。本実施形態は、このような機会を増やすことを可能にするものである。図38は、本発明の第6の実施形態に係るテレビシステムの親機の構成を示すブロック図である。なお、第5の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態においては、復調部3a〜3cとデマルチプレクサ4a〜4cとの間にTS切換部57が設けられている。TS(トランスポートストリーム)切換部19は、復調部3a〜3cから出力される3つの独立したTSデータを、デマルチプレクサ4a〜4cのいずれかに切り換えることを目的としたデータパスの切換回路として機能する。切り換え方式としては、2通りの方法がある。1つ目は、復調部3a〜3cとデマルチプレクサ4a〜4cとを1対1に切り換えて接続するもの(例えば、3aと4c、3bと4a、3cと4b等)である。2つ目は、復調部3a〜3cとデマルチプレクサ4a〜4cとを3対n(nは1又は2)に切り換えて接続するもの(例えば、3aと4a、3aと4b、3cと4c等)である。また、TS切換部57は、前述したような出力先の切り換えだけでなく、デマルチプレクサ4a〜4cへの出力をオフにするスイッチとしての役割を持つこともできる。
次に、上述のように構成された親機の動作について説明する。図39は、本発明の第6の実施形態における子機転送処理時の動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、既に下記表6のようなリソース管理情報が生成され、この情報に整合した転送が行われているものとする。また、例えば図40(a)に示すような表示状態となっているとする。
そして、ここでは、子機Aのユーザが、BSデジタル放送の番組から、地上波デジタル放送の番組に切り換えようとする場合の動作について説明する。
第5の実施形態では、図36に示すように、ステップS909で新たな要求の優先度が低いと判断した場合には、直ちに要求を却下しているが(ステップS911)、本実施形態では、ステップS922移行し、競合しているリソースで処理されているデータのトランスポンダ(中継器)が互いに同一のものであるかを判定する。この具体的な判定方法として、制御部15が、競合したリソースのPSIセクション情報から、NIT(Network Information Table)を取得し中身の記述をチェックする。そして、子機Aが要求した番組と、子機Cに転送されている番組が同一のトランスポンダ(同一のキャリア周波数)に存在するかを判断する。
そして、同一のトランスポンダでない場合に選局要求に応じてしまうと、キャリア周波数の切り換えを行う必要があるため、同一のトランスポンダにはないと判断した場合には、第5の実施形態と同様に、ステップS911で、要求を却下する。
一方、同一のトランスポンダである判断した場合には、ステップS923に進み、図40(b)に示すように、子機Cに子機Aと同一のトランスポンダを共有する転送を行っても良いかを確認する画面を出力する。これは、同一のトランスポンダを子機A及び子機Cが共有すると、子機A及び子機Cは、同一のトランスポンダ内の番組であれば異なる番組を共有できるようになる一方で、互いに同一の番組が同時に転送されなくなるだけでなく、子機Cは異なるトランスポンダに含まれる番組の選局をできなくなるという制約が働くので、これに関する警告をユーザに通知するためである。
その後、ステップS924で、子機Cがこの制約を受け入れなかった場合にはステップS911に進み、要求を却下する。一方、子機Cがこの制約を受け入れた場合は、ステップS905に進む。但し、本実施形態では、夫々子機A及び子機Cに転送される映像データのトランスポンダが同一の場合のみ、選局処理を行うため、厳密には、チューナ2c(地上波デジタルチューナ)の切り換えを行う必要はない。
次いで、ステップS921で、TS切換処理を行う。このTS切換処理では、チューナ2c(地上波デジタルチューナ)を介して同一のトランスポンダを子機A及び子機Cが共有するため、TS切換部57が、復調部3cとデマルチプレクサ4aとを接続し、復調部3bとデマルチプレクサ4bとを接続したままとし、復調部3cとデマルチプレクサ4cとを接続したままの状態にする。そして、デマルチプレクサ4aが、復調部3cから出力され複数の番組が多重化されているTS(トランスポートストリーム)から、子機Aが選局要求した番組の映音データを分離する。なお、多重化されたTSから目的の番組を分離するためには、制御部15が、同一のトランスポンダ(同一のキャリア周波数)のPSIセクション情報から、PAT(Program Association Table)を取得し、中身の記述をチェックすれば良い。これにより、そのTS内に含まれるサービスID(チャンネル)の構成を知ることができる。
そして、第5の実施形態と同様にして、ステップS906〜S907の処理を行い、ステップS108でリソース管理情報の内容を下記表7のように更新する。
図40(c)に、子機A及び子機Cが同一のトランスポンダ内で地上波デジタル放送の番組を同時に表示する場合の各子機の表示状態の例を示す。
以上説明したように、本実施形態では、リソース競合時に、選局部(チューナ)単位(放送の種別単位)でなく、同一トランスポンダ内の多重化されたTSに含まれる複数の番組単位でリソース調停処理を行うことで、ユーザの番組選局の自由度を高め、且つ、システムのリソース共有の効率化を達成することができる。このようなリソース調停処理方法は、デジタル放送の場合に特に有利である。
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。第5及び第6の実施形態では、親機での表示機能を備えず、無線接続された子機へ放送映像を送信する機能のみを有した親機が用いられ、また、各子機への放送映像リソースの配分は最大で1リソース(シングル画面)としている。これに対し、本実施形態では、親機にマルチ画面機能がある表示端末が接続され、リソース競合が生じる場合の問題を解決するものである。図41は、本発明の第7の実施形態に係るテレビシステムの親機の構成を示すブロック図である。なお、第6の実施形態等と同一の構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態には、第1の実施形態と同様に、親機用リモコン16及びリモコン受光部17が設けられると共に、解像度変換部7a〜7cの後段に映像合成部58が設けられ、更に映像合成部58と親機用の表示装置11との間に親機OSD合成部59が設けられている。本実施形態では、映像合成部58及び親機OSD合成部59から主出力手段が構成されている。映像合成部58は、解像度変換部7a〜7cからの最大3系統の映像出力を合成することができる。親機OSD合成部59は、子機用出力合成部18a〜18cと同様に、制御部15から発行された描画命令を元にOSD生成部18により生成されたGUI等のOSD画面と、映像合成部58から出力された合成映像データとを更に合成する。そして、親機OSD合成部59により合成され生成されたOSD合成映像データに基づいて、表示装置11が映像を表示する。なお、本実施形態では、表示装置11がマルチ画面表示機能を備えているものとする。
また、第6の実施形態と同様に、チューナ2aはBSデジタルチューナであり、チューナ2bはCSデジタルチューナであり、チューナ2cは地上波デジタルチューナであるとする。更に、親機に無線接続している子機は、チューナ2a〜2cの数と同じ3個であるとし、夫々の子機名を子機A、子機B、子機Cとする。そして、親機においては、子機送信出力データパスとして、子機Aは解像度変換部7a〜圧縮部9a、子機Bは解像度変換部7b〜圧縮部9b、子機Cは解像度変換部7c〜圧縮部9cが使用されるものとする。
(リソース競合が生じない場合)
先ず、リソース競合が生じない場合として、親機のユーザのみが存在し、子機A〜子機Cを使用しているユーザがいない状態における、親機のマルチ画面表示機能について説明する。
本実施形態では、子機A〜子機Cが未使用であれば、親機用の表示装置11は選局部2a〜2cをすべて独占することが可能である。
例えば、親機のユーザが親機用リモコン16を操作し、3画面のマルチ画面表示を要求した場合、図44(a)に示すように、制御部15は、放送映像リソース2a〜5aを親機の主画面M用、放送映像リソース2b〜5bを親機の子画面S1用、放送映像リソース2c〜5cを親機の子画面S2用として割り当てる。
そして、ステップS905〜S906の処理を実行した後、ステップS935で、表示装置(親機モニタ)11の表示解像度と各画面のレイアウトを考慮して、解像度変換部7a〜7cに各画面(主画面M、子画面S1、子画面S2)の表示解像度に変換する設定をすると共に、映像合成部58で画面レイアウトを考慮した合成を行う。この場合、ステップS908でリソース管理情報の内容を下記表8に示すように更新する。
(リソース競合が生じる場合)
次に、リソース競合が生じる場合の例として、上述のようにリソースの競合が生じていない状態で、子機Aのユーザが、CSデジタル放送の番組を選局した場合の動作について、図42及び図43を用いて説明する。
この場合、子機Aから地上波デジタル放送の要求があると、ステップS903のリソース競合のチェックにおいて、子機AからのCSデジタル放送の番組への選局要求は、上記リソース管理情報において、親機の子画面S1が使用中の状態なので、ステップS904でリソース競合ありと判断する。この場合、制御部15による処理は、ステップS931に移行し、図43に示すリソース調停処理を行う。
より具体的には、先ず、ステップS931で、リソース競合が生じている相手の端末が、マルチ画面表示をしている状態であるか否かを判断する。この判断は、リソース管理情報の状態を認識することにより容易に行うことが可能である。そして、競合先(競合の相手先)の状態がマルチ画面表示中でない、即ちシングル画面表示中であると判断した場合には、第6の実施形態と同様にしてステップS909以降の処理を行う。
これに対し、表8に示すように、競合先がマルチ画面表示中である場合には、ステップS932に進み、ステップS932で、競合先の放送映像リソースが、マルチ画面表示中の主画面Mの放送映像リソースと一致しているか否かを判定する。なお、マルチ画面表示における主画面とは、その画面に合った音声が出力されている画面であって、それ以外の画面は子画面である。但し、このような主画面の定義の仕方は、あくまで一例に過ぎず、これに限定されるものではない。一方、ステップS932で、競合先がマルチ画面表示の主画面であると判断した場合には、要求された放送映像リソースが親機のユーザにとって一番優先度が高い放送映像リソースであると判断して、ステップS909以降の処理を行う。
ここでは、子機AからのCSデジタル放送の番組への選局要求は、親機の子画面S1と競合しているため、ステップS933に進む。
ステップS933では、親機のユーザに対して、優先度が低いと思われる子画面の番組を子機Aのユーザに譲っても良いかを確認する。ここで、「画面を譲る」には、第5の実施形態のように、その放送映像リソースの使用が子機に限定されるようにすることだけでなく、第6の実施形態のように、その放送映像リソースを用いた選局が制限されるようにすることも含まれる。
この確認の方法としては、例えば、制御部15がOSD生成部53に描画命令を行い、親機OSD合成部59が映像合成部58から出力される映像とOSD生成部53が生成したOSDとを合成することにより、図44(b)に示すような確認画面を表示装置11の画面に表示する。
そして、ステップS934で、親機のユーザによる番組を譲ることの了承を確認すると、ステップS905以降の処理を行う。一方、番組を譲ることが断られた場合には、ステップS909以降の処理を行う。
ステップS934における親機ユーザの番組譲渡の許可に応じてステップS905〜S907で実行する主な処理は、子機Aの要求するCSデジタル放送の番組への選局(ステップS905)と、親機のレイアウト変更を行うこと(ステップS935)である。親機のレイアウト変更の方法は特に限定されるものではなく、例えば、図45(a)に示すように、親機の表示を2画面に切り換えてもよい。また、子機Aには番組譲渡されたCSデジタル放送の番組映像を送信出力する。この場合、ステップS908で、リソース管理情報の内容を下記表9のように更新する。
引き続き、子機Bのユーザが、地上波デジタル放送の番組を選局した場合には、ステップS903で、リソース競合のチェックを行う。この場合、表9に示すリソース管理情報によれば、地上波デジタル放送用の放送映像リソースは、親機の子画面S2が使用しているため、ステップS904でリソース競合ありと判断する。その後、子機Aからの転送要求があった場合と同様の処理を行い、ステップS934で、親機ユーザからの番組譲渡の許可があった場合は、例えば図45(b)に示すように、親機の表示を1画面表示とし、子機A及び子機Bで番組が表示されている状態とする。この場合、ステップS908で、リソース管理情報の内容を下記表10のように更新する。
また、第7の実施形態において、表示装置11が全く使われていない場合も考えられる。この場合は、例えば第6の実施形態と同一の状態になり、図45(c)に示すように、子機A〜子機Cが親機の放送映像リソースをすべて使用できるようになる。
以上説明したように、マルチ画面表示機能を持った表示端末があった場合に、マルチ画面の画面優先度を考慮したリソース競合時の調停処理を行うことで、親機のマルチ画面機能と、子機から親機への選局要求を公平、且つ、効率的に行うことが可能になる。
(第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態に係るテレビシステムについて説明する。このテレビシステムには、1台の親機と1台の子機と1台のVTR等の記録装置とが設けられているが、子機の台数は特に限定されるものではない。図47は、本発明の第8の実施形態に係るテレビシステムの構成を示すブロック図である。
第8の実施形態における親機1070には、プログラムに従い親機1070全体を制御するCPU1060、プログラムが納められたプログラムROM1057、及びCPU1060と各部を結ぶ共通バス1053が設けられている。共通バス1053にはCPU1060及びプログラムROM1057の他に、ICカード制御部1052、リモコンインタフェース1055、RAM1056、タイマ1058、不揮発性メモリ1059及びOSD作成部1061が接続されている。
OSD作成部1061は、CPU1060からの指示により表示器1011に表示する任意の文字又は図形の映像データを作成する。本実施形態では、その映像データをOSD信号1083とする。親機1070を使用するに当たっては、ユーザの契約情報及びトランスポートストリームデータに含まれるデスクランブルのための鍵情報を解くための鍵情報が格納されているICカードが必要とされ、ICカード制御部1052は、このICカードに格納されている情報を読み取り、共通バス1053に伝達する。リモコンインタフェース1055は、ユーザの意志をCPU1060に伝えるリモコン1054の赤外線コードを受光する。RAM1056は、CPU1060のワークメモリである。不揮発性メモリ1059は、親機の電源が切られても、保存しておく必要がある設定用のパスワード等の設定情報を記憶する。タイマ1058は、デジタル放送受信中には、トランスポートストリームデータ中の時間情報を後述のデマルチプレクサ1005又は1015から受け取り正確な時間の補正を行い、受信中でないときには、内部タイマを動かして、常に時間の管理を行う。
また、本実施形態では、放送はDVB(Digital Video Broadcasting)のデジタル放送システムの規格、映像はISO/IEC 61818−2のMPEG2規格、音声はISO/IEC 61818−3のMPEG2規格に夫々従って送信されてくるものとする。
そして、本実施形態には、デジタル放送波を受信するアンテナ1001が設けられ、親機1070内には、受信した放送波の中からCPU1060の指示に従って所望の周波数を選択するデジタルチューナ1002及び1012が設けられている。デジタルチューナ1002又は1012からの出力された信号は、夫々復調及びエラー訂正回路1003、1013によって復調及びエラー訂正が行われた後、トランスポートストリームとして出力される。
デスクランブラ1004及び1014は、視聴制限のためのスクランブラがかけられているトランスポートストリームデータが入力された場合、トランスストリームデータ中に含まれるデスクランブラの鍵情報及びICカード制御部1052からの鍵情報に基づいてスクランブルを解除する。そして、スクランブルが解除された信号は、夫々デマルチプレクサ1005、1015に受け渡される。デマルチプレクサ1005及び1015は、多重化されているストリームからCPU1060の指定するPID(Packet IDentifier)を持つストリームを選択し、映像ストリームを映像デコーダ1006、1016に受け渡し、音声ストリームを音声デコーダ1007、1017に受け渡す。
映像デコーダ1006及び1016は、映像ストリームを非圧縮の映像データにデコードすることにより、放送映像のデータが得られる。その後、解像度変換部1008及び1018が、映像データをCPU1060の指定する解像度に適したものに変換することにより、夫々映像信号1081及び1082の映像データが得られる。
一方、音声データについては、音声デコーダ1007及び1017が音声ストリームを非圧縮の音声データにデコードすることにより、夫々音声信号1085及び1086の音声データが得られる。
また、デマルチプレクサ1005及び1015はトランスポートストリームに含まれるSI(System Information)情報とよばれる時間及び番組内容等の情報をも選択し、共通バス53を介してCPU60に出力する。
ここで、デジタルチューナ2から解像度変換1008及び音声デコーダ1007までの映像信号及び音声信号を取り出す部分から映音取り出し部9が構成され、デジタルチューナ1012から解像度変換1018及び音声デコーダ1017までの映像信号及び音声信号を取り出す部分から映音取り出し部1019が構成されている。映音取り出し部1009及び1019は、CPU1060の指示により互いに独立して機能することが可能であり、別々のチャネルを受信して夫々の映像及び音声信号を出力することができる。
合成器1010は、任意の解像度に適した映像信号1081又は1082とOSD信号1083とを、CPU1060の指示に基づく任意の組み合わせにより合成し、表示器1011が合成された映像データを映像化してその画面に表示する。また、CPU1060からの指示によりスイッチ1026が切り換えられ、音声信号1085又は1086がアンプ1027によって増幅された後、スピーカ1028から音声が出力される。
スイッチ1022により映像信号1081又は1082が切り換えられ、スイッチ1023により音声信号1085又は1086が切り換えられて、映像信号及び音声信号が外部の記録装置1072に出力される。このようにして、映像信号及び音声信号の記録が可能となっている。スイッチ1022及び1024からなる記録装置切り替え信号1024では、スイッチ1022及び1023が同時に切り換えられ、映像信号1081及び音声信号1085の組み合わせ又は映像信号1082及び音声信号1086の組み合わせが記録装置1072に出力される。
また、親機1070には、CPU1060の指示により制御される映像信号切り替えスイッチ1020が設けられており、子機1071に伝送する映像信号を、映像信号1081及び1082並びにOSD信号1083の中から選択することができる。選択された映像信号(映像データ)は、映像送信部1033を介して子機1071に送信される。
親機1070には、更に、CPU1060の指示により制御される音声信号切り替えスイッチ1030が設けられており、子機1071に伝送する音声信号を、音声信号1085及び1086並びに無音声の信号の中から選択することができる。更に、音量調整部1031が、CPU1060の制御に基づいて音声信号に対して音量の上限を設定する。そして、音量調整部1031から出力された音声信号(音声データ)は、音声送信部1036を介して子機1071に送信される。
子機1071では、映像受信部1034が親機1070から送信された映像信号を受信した後、表示器1035が映像信号を映像化してその画面に表示する。また、音声受信部1037が音声信号を受信した後、アンプ1038が音声信号を増幅し、スピーカ1039から音声が出力される。更に、子機1071に設けられたキー1040のコードデータは、キー1040が押されるとキー送信部1042を介して親機1070のキー受信部1043に送信される。キー受信部1043はコードデータを受信すると、それをCPU1060に受け渡し、CPU1060がその内容を解釈する。
なお、親機1070と子機1071との間の信号の伝送は有線又は無線のいずれを介していてもよい。
図48は、親機1070に付属するリモコン1054の構成を示す図である。リモコン1054には、赤外線発光部1101及びキー1102〜1133が設けられており、キー1102〜1133のいずれかが押されると、それに対応したコードが赤外線信号に変換され、赤外線発光部1101から発光される。
リモコン1054には、更に、2画面キー1110及び戻りキー1111が設けられており、2画面キー1110が押されると、映音取り出し部1009又は1019から出力された映像データが合成器1008で合成され、表示器1011の表示形態が2画面表示となる。また、表示器1011の表示形態が2画面表示となっている状態で、2画面キー1110が押されると、表示形態が1画面表示となる。このとき表示される画面は、例えば2画面表示の際に音声が出力されている画面である。
「1」〜「10」の数字が付された10個のキーからチャネルダイレクトキー群1120が構成されている。チャネルダイレクトキー群1120を構成する10個のキーのいずれかが押されると、そのキーに対応したチャネルが直接選択され、そのチャネルで放送されている映像が表示器1011に表示される。
また、番組表キー1122が押されると、OSD作成部1061により作成された電子番組表(EPG)が表示器1011に表示される。
また、チャネルのdownキー1130が押されると、その度にチャネルが降順に遷移し、チャネルのupキー1131が押されると、その度にチャネルが昇順に遷移する。更に、音量downキー1132が押されると、その度に音量が下がり、音量upキー1133が押されると、その度に音量が上がる。
図49は、第1の実施形態における子機1071を正面から見たときの外観を示す図である。子機1071の正面側には、表示器1035、スピーカ1039及びキー1402〜1433から構成されたキー群1040が配置されている。更に、電源キー1402、決定キー1403、右カーソルキー1404、下カーソルキー1405、左カーソルキー1406、上カーソルキー1407及び戻りキー1411も設けられている。
番組表キー1422が押されると、子機1071は電子番組表(EPG)を親機1070に要求し、親機1070から送信されてきた電子番組表(EPG)を表示器1035が表示する。
また、チャネルのdownキー(ダウンキー)1430が押されると、その度にチャネルが降順に遷移し、チャネルのupキー(アップキー)1431が押されると、その度にチャネルが昇順に遷移する。更に、音量downキー(音量ダウンキー)1432が押されると、その度に音量が下がり、音量upキー(音量アップキー)1433が押されると、その度に音量が上がる。但し、最大音量の上限は、親機1070の音量調整部1031で設定された音量である。
次に、上述のように構成された第8の実施形態に係るテレビシステムの動作について説明する。
(親機1070で番組の予約をする方法)
次に、親機1070で番組の予約をする方法について説明する。ユーザがリモコン1054の番組表キー1122を押すと、CPU1060はリモコンインタフェース1055を介してそのことを検知する。そして、CPU1060はデマルチプレクサ1005又は1015から伝送された番組情報に基づいて時間帯及び番組名を含む表を作成し、OSD作成部1061にこの表の内容を映像データ化するように指令する。そして、図50に示すように、例えば縦方向に時間帯、横方向にチャネル名が配列した番組一覧の番組表の画像が表示器1011に表示される。例えば、縦方向には3時間分、横方向には3チャネル分が表示される。従って、現在の時刻が7時20分であるとすると、7時台から9時台までが表示される。
このような番組表が表示されている状態で、リモコン1054のカーソル1104〜1107を使用してカーソルを移動させると、図50に示すように、カーソルが位置する欄の背景の色が濃く変化し、どの欄にカーソルが位置しているかが示される。そして、予約の目的の番組が示されている欄にカーソルを移動させて決定キー1103を押すと、図51に示すように、例えば、「番組の予約を行います。 録画予約 もしくは 視聴予約」というメッセージ1303を作成するようにOSD作成部1061のプログラムが構成されている。また、このメッセージ1303中の「録画予約」及び「視聴予約」は、カーソルで選択可能にしてある。
例えば、ユーザが「録画予約」上で決定キー1103を押した場合には、録画予約が確定され、その番組の開始時刻に映音取り出し部1009又は1019のチューナに指定の周波数が設定され、映像信号及び音声信号が生成され、スイッチ1022及び1023を介して記録装置1072に出力される。このとき、録画が開始されると、録画終了時刻になるまで指定されたチャネルを変えることができなくなる。
また、ユーザが「視聴予約」上で決定キーを押した場合には、視聴予約が確定され、録画予約の場合と同様に、その番組の開始時刻に映音取り出し部1009又は1019のチューナに指定の周波数が設定され、映像信号及び音声信号が生成される。そして、映像信号が合成器1010を介して表示器1011に出力されて表示器1011の画面に映像が表示され、音声信号はスイッチ1026を介してアンプ1027によって増幅され、スピーカ1028から音声が出力される。
また、複数の番組を指定することも可能になっており、予約をしようとする番組を次々に指定することもできる。
(子機1071で番組の予約をする方法)
次に、子機1071で番組の予約をする方法について説明する。ユーザが子機1071の番組表キー1422を押すと、CPU1060はキー送信部1042及びキー受信部1043を介してそのことを検知する。そして、CPU1060はデマルチプレクサ1005又は1015から伝送された番組情報に基づいて時間帯及び番組名を含む表を作成し、OSD作成部1061にこの表の内容を映像データ化するように指令する。この結果、図50に示す番組表が表示器1035に表示される。
このような番組表が表示されている状態で、キー1040のカーソル1404〜1407を使用してカーソルを移動させると、図50に示すように、カーソルが位置する欄の背景の色が濃く変化し、どの欄にカーソルが位置しているかが示される。そして、予約の目的の番組が示されている欄にカーソルを移動させて決定キー1403を押すと、図52に示すように、例えば、「番組の予約を行います。 視聴予約をします。」というメッセージ1313を作成するようにOSD作成部1061のプログラムが構成されている。
例えば、ユーザが「視聴予約をします」上で決定キー1403を押すと、視聴予約が確定され、その番組の開始時刻に映音取り出し部1009又は1019のチューナに指定の周波数が設定され、映像信号及び音声信号が生成され、映像信号はスイッチ1020及び映像送信部1033を介して、音声信号はスイッチ1030及び音声送信部1036を介して子機1071に出力される。そして、子機1071では、映像信号は映像受信部1034によって受信され、表示器1035の画面に映像が表示される。また、音声信号は音声受信部1037によって受信された後、アンプによって増幅され、スピーカ1039から音声が出力される。
(調停方法)
次に、録画又は視聴の開始の予約がされた時刻における動作について、より具体的に説明する。本実施形態では、2つの映音取り出し部1009及び1019が設けられているのに対し、親機1070の2画面及び子機1071の1画面と3つの画面が設けられている。即ち、ハードウェアの面から表示可能な映像の数が、放送映像リソースを構成するチューナ1002及び1012の数より多い。従って、親機1070及び子機1071からのチャネル変更要求のタイミング及び種類によっては、調停を行う必要がある場合がある。そこで、本実施形態では、プログラムROM1057に、そのような場合に必要とされるプログラムが記憶されている。ここでは、このプログラムの内容及びそれに基づくCPU1060の動作について説明する。
本実施形態では、親機1070でのチャネル操作に関し、「親機1070による録画予約」、「子機1071による視聴予約」、「親機1070によるチャネル要求」の順に高い優先度が設定されている。また、子機1071でのチャネル操作に関しては、「親機1070による録画予約又は視聴予約」、「子機1071による視聴予約」、「子機1071によるチャネル要求」の順に高い優先度が設定されている。以下、親機1070でのチャネル操作及び子機1071でのチャネル操作の場合の動作についてこの順で説明する。
図53に示すように、ステップS1202で、ユーザが親機1070のリモコン1054のチャネルキー1120のいずれか又はチャネルのアップキー1131若しくはダウンキー1130を操作すると、CPU1060は、ステップS1203で、親機1070の録画予約に基づく録画のために現時点で映音取り出し部1009又は1019のいずれかが使用されているかを判断する。
ステップS1203での判断の結果、映音取り出し部1009又は1019が録画予約のために使用されていないのであれば、ステップS1208へ進む。一方、映音取り出し部1009又は1019のいずれかが使用されているのであれば、ステップS1204へ進み、録画予約で使用されていない方の映音取り出し部1009又は1019が子機1071の視聴予約による視聴のために使用されているかを判断する。そして、映音取り出し部1009又は1019のいずれもが使用されていないのであれば、ステップS1210へ進み、一方が使用されているのであれば、ステップS1205へ進む。
ステップS1205では、既に2系統の映音取り出し部1009及び1019がいずれも使用されているので、CPU1060は、OSD作成部1061に「チャネル変更は出来ません」というメッセージを作成させ、リモコン1054が操作されてもチャネルの変更を受け付けない。図55は、ステップS1205による処理で表示器1011に表示される映像の例を示す図である。図55に示すように、表示器1011の画面1330には、例えば、録画予約されている番組のモニタ画面1331及び子機1071で視聴予約されている番組のモニタ画面1332が表示されると共に、OSD作成部1061から出力されたOSD信号1083が合成器1010によって映像信号1081及び1082と合成され、OSD画面1333も表示される。
ステップS1210では、映音取り出し部1009又は1019の一方が録画予約に使用されているのみであるため、設定されている優先度に基づけば、親機1070でのチャネル要求の優先度が第2位となるため、使用されていない映音取り出し部1009又は1010を用いて指定されたチャネルの映像を表示する。
また、ステップS1208では、映音取り出し部1009又は1019が子機1071の予約予約で使用されているかを判断し、使用されていなければステップS1209に進む。一方、どちらかが使用されていれば、子機1071の視聴予約のために映音取り出し部の1系統が使用されていることになるので、ステップS1207で、使用されていない方の映音取り出し部の1系統を使用して指定されたチャネルの映像を表示する。ステップS1209では、映音取り出し部1009及び1019はいずれも、録画予約及び視聴予約のいずれによっても使用されていないため、映音取り出し部1009又は1019のいずれかにおいて、指定されたチャネルに変更して映像を表示する。
このようにして、ステップS1211で処理が終了する。
次に、子機1071でのチャネル操作が行われた場合の動作について説明する。ここでは、図54に示すように、初期状態で(ステップS1221)、親機1070によって映音取り出し部1009及び1019の2系統が使用されており、CPU1060がそのことを認識しているものとする。
そして、ステップS1222で、ユーザが子機1071のチャネルのアップキー1431又はダウンキー1430を操作すると、CPU1060は、ステップS1223で、録画予約及び視聴予約のために映音取り出し部1009及び1019のいずれもが使用されているかを判断する。
ステップS1223での判断の結果、いずれかが使用されている場合には、ステップS1227へ進み、使用されていない場合(両方とも使用されていないか、一方が使用されている場合)には、ステップS1224へ進む。ステップS1224では、映音取り出し部1009又は1019が子機1071での視聴予約のために使用されているかを判断し、使用されていないのであれば、即ち、映音取り出し部1009又は1019のいずれもが親機1070での通常の視聴に使用されているのであれば、ステップS1227へ進む。一方、映音取り出し部1009又は1019が子機1071での視聴予約のために使用されている場合には、ステップS1225へ進み、子機1071でその時点で視聴予約されているチャネルを指定されたチャネルに変更して映像を表示する。
ステップS1227では、既に2系統の映音取り出し部1009及び1019がいずれも親機1070での視聴のために使用されているので、CPU1060は、OSD作成部1061に「チャネル変更は出来ません」というメッセージを作成させ、アップキー10431又はダウンキー1430が操作されてもチャネルの変更を受け付けない。
このようにして、ステップS1228で処理が終了する。
なお、親機1070によって映音取り出し部1009又は1019のいずれかのみが使用されている場合、ユーザが子機1071のチャネルのアップキー1431/ダウンキー1430を操作した時は、親機1070のために使用されていない映音取り出し部が1系統存在するため、子機1071のために使用可能であり、チャネル変更を直ちに行う。
(第9の実施形態)
次に、本発明の第9の実施形態について説明する。第9の実施形態では、子機1071に視聴予約の機能がない。図56は、第9の実施形態における子機1071を正面から見たときの外観を示す図である。
本実施形態では、図56に示すように、チャネルのdownキー1430、チャネルのupキー1431、音量downキー1432、音量upキー1433及び電源キー1402のみからキー1040が構成されている。
そして、本実施形態では、親機1070及び子機1071からチャネル変更要求がでた場合に調停を行う必要がある。本実施形態では、これらのチャネル要求に関し、「親機1070による録画予約」、「親機1070によるチャネル要求」、「子機1071によるチャネル要求」の順に高い優先度が設定されている。つまり、親機1070でのチャネル操作は、子機1071の状態に拘束されることなく行うことが可能である。一方、子機1071でのチャネル操作は、親機1070で映音取り出し部1009及び1019の2系統がいずれも使用されている場合には、行うことができない。
(第10の実施形態)
次に、本発明の第10の実施形態について説明する。第10の実施形態では、親機において、映音取り出し部を含む映音入力処理部と表示器及びスピーカを含む映音出力処理部とが互いに分離している。図57は、本発明の第10の実施形態に係るテレビシステムの構成を示すブロック図である。
本実施形態では、図57に示すように、親機が映音入力処理部1073と映音出力処理部1074とから構成されている。
映音入力処理部1073には、親機1070に設けられている表示器1011、アンプ1027及びスピーカ1028が設けられておらず、合成器1010の後段に映像送信部1083が設けられ、スイッチ1026の後段に音声送信部1086が設けられている。
また、映音出力処理部1074には、表示器1011、アンプ1027及びスピーカ1028が設けられていると共に、映像送信部1083から送信された映像信号を受信して表示器1011に出力する映像受信部1084、及び音声送信部1086から送信された音声信号を受信してアンプ1027に出力する音声受信部1087が設けられている。
なお、映音出力処理部1074における視聴予約及び録画予約等の操作はリモコン1054を用いて行われる。また、表示器1011に表示される映像の優先度は、第8又は第9の実施形態と同様にして設定されている。
このような第10の実施形態では、第8又は第9の実施形態と同様の動作が行われ、同様の効果が得られる。
なお、映音入力処理部1073と映音出力処理部1074との間の信号の伝送は有線方式でも無線方式でもよい。
(第11の実施形態)
次に、本発明の第11の実施形態について説明する。図58は、本発明の第11の実施形態に係るテレビシステムの構成を示す図である。
このテレビシステムには、PDPやCRT等の表示デバイスを使用したディスプレイ1091、受信した放送電波をディスプレイ1091に表示する信号へ変換し、映像データを送信する機能を併せ持つ受信機であるセットトップボックス(以下、STBと略す)1092が設けられている。ディスプレイ1091(主表示装置)及びSTB1092(情報処理装置)から親機が構成されている。
更に、STB1092を遠隔操作するリモートコントロール装置(以下、リモコンと略す)1093、ビデオ録画再生装置(以下、VTRと略す)1094、小型のCRT等の表示デバイスを使用したアナログテレビ受像機が子機1095として設けられている。なお、アナログ式の子機1095には、STB1092からのメッセージに応答するためのOKボタン(許可ボタン)1097及びキャンセルボタン(拒否ボタン)1098が装備されている。
図59は、STB1092及び周辺機器の概略構成を示すブロック図である。STB1092には、図58に示すようにディスプレイ1091が接続されるだけでなく、他に、例えばテレビ番組の放送を受信するBS/CSデジタル放送受信アンテナ1051とアナログ地上波放送受信アンテナ1052と、VTR1094が接続される。
STB1092の内部には、BS/CSデジタルチューナ1201と、スクランブル解除IC(デスクランブル)1202と、画像と音声とデータを分離するデマルチプレクサ(デマックス)1203と、画像と音声を伸長するMPEG2デコーダ1204と、デコーダ1204で伸長された映像データ用の解像度変換部1205と、が設けられている。
STB1092の内部には、更に、地上波放送用のチューナ1206と、チューナ1206とVTR1034からのNTSC信号を切り換えるスイッチ回路1207と、NTSC信号を復元するNTSCデコーダ1208と、復元された映像データ用の解像度変換部1209と、が設けられている。
更に、STB1092の内部に、解像度変換部1205及び1209で変換された映像データを一時的に蓄える共有メモリ1210と、共有メモリ1210を制御するメモリ制御部1211と、ディスプレイ1031用に複数の画面を合成する親機画面合成部1212と、親機画面合成部1212の出力信号をディスプレイ1091用の信号に変換するディスプレイI/F1213と、が設けられている。本実施形態では、親機画面合成部1212及びディスプレイI/F1213から主出力手段が構成されている。
更に、STB1092の内部には、グラフィックコントローラ1214と、デコーダ1204又は1208で伸長された音声データを親機/子機に振り分ける音声制御部1215と、子機1095の画面サイズに合わせた映像データに変換するフォーマット変換部1216と、音声制御部1215から振り分けられた音声データとフォーマット変換部1216で変換された映像データを合成する画像/音声Mix部1217と、画像/音声Mix部1217で合成されたデータを子機へ送信するための信号に変換する無線I/F1218と、子機1095へ送信する送信部1219と、が設けられている。本実施形態では、フォーマット変換部1216及び無線I/F1218から副出力手段が構成されている。
STB1092の内部には、更に、STB1092全体を制御するマイクロプロセッサ(以下、MPUと略す)1220と、予め形成された映像データを記憶しておくROM1221と、STB1092内の様々なデータを一時的に記憶するRAM1222と、カードインターフェース1223と、リモコン1093からの信号を受信するリモコン受信部1225と、が設けられている。カードインターフェース(カードI/F)1223によって、STB1092のID番号等が組み込まれたスマートカード1224内の情報が読み取られる。
このようにして構成されたSTB1092では、BS/CSデジタルチューナ1201で受信したMPEG2のストリームは、スクランブル解除IC1202でスクランブルを解除され、デマルチプレクサ1203によって画像・音声・付加データに分けられ、画像と音声はデコーダ1204で復元される。一方、地上波チューナ1206で受信された放送電波と、STB1092に接続されたVTR1094からの再生画像については、リモコン1093からの入力信号によってスイッチ回路1207からNTSCデコーダ1208に出力される信号が切り換えられ、NTSCデコーダ1208で復元される。
デコーダ1204又は1208で復元された画像のデータは、夫々解像度変換部1205、1209でその解像度を変換され、メモリ制御部1211を通して、一時的に共有メモリ1210へ記憶される。ROM1220には、予めOSD用映像データが記憶されており、共有メモリ1210に記憶された画像とOSD用の画像が画面合成部1212で適時合成され、ディスプレイI/F1213を通じて、ディスプレイ1091に出力される。
また、デコーダ1204又は1208で復元された音声データについては、音声制御部1215によってディスプレイ1091に出力される画像に合わせた音声データがMPU1220によって選択され、ディスプレイ1091に送られ、出力される。
また、電子番組表や番組情報等の付加データについては、デマルチプレクサ1203で分離されてRAM1222に記憶され、MPU1220で解析され、適時グラフィックコントローラ10214を通じて、画面に表示される。
また、共有メモリ1210に記憶された映像データの中から、リモコン1093によって指定された映像データはフォーマット変換部1216を通して子機の画面の最適化された映像データとなり、画像/音声Mix部1217で音声制御部から送られた音声データと合成されて、無線I/F1218によって送信用の信号に変換される。そして、変換後のデータが送信部1219から子機へ送信される。なお、子機への送信方式は、無線伝送方式に限定されず、有線方式でも構わない。
図60は、子機1095の概略構成を示すブロック図である。子機1095には、親機を構成するSTB1092から送信された信号を受信する受信部1081と、互いに合成された映像データ及び音声データを分離する画像/音声分離回路1082と、分離された映像データをデコードするデコーダ1083と、デコードされた映像データを制御する画面制御部1084と、ディスプレイ用の信号に変換するディスプレイI/F1085と、アナログテレビ受像機1045全体を制御するMPU1086と、映像データ等を一時的に記憶するRAM1087と、予め作成されたメッセージを格納したROM1089と、液晶ディスプレイ等の表示部1088と、スピーカ1090とが設けられている。
このように構成された子機1095では、STB1092から送信された信号を受信部1081が受信し、画像/音声分離回路1082が映像データ及び音声データを互いに分離する。音声データはスピーカ1090に伝送され、スピーカ1090から音声が出力される。一方、映像データは、デコーダ1083でデコードされ、画面制御部1084を通して、ディスプレイI/F1085でディスプレイ用の信号に変換される。そして、変換後の映像データが表示部1088に伝送され、表示部1088の画面に映像が表示される。
図61は、リモコン1093の外観の一例を示す図である。このリモコン1093には、STB1092の電源をオン/オフを制御する電源ボタン1141、STB1092のチャネルを選局する12個の選局ボタン1142、音量調整ボタン1143、地上波放送とBS/CSデジタル放送と外部入力とを切り換える入力切換ボタン1144、日付や時刻や受信中のチャネル番号等を表示する液晶ディスプレイやLED等で構成された表示部1145、チャネルを順次切り換えるチャネル切換ボタン1146、子機1095への転送の開始/解除を選択する子機転送/解除ボタン1147、子機1095へのメッセージの送信を行う子機通信ボタン1148、十字キー1149及び決定ボタン1150が設けられている。このリモコン1093では、入力切換ボタン1144が押されると、入力ソースが、順次、地上波→BS/CSデジタル→外部入力→地上波・・・と切り換わるように構成されている。
このリモコン1093を使って選局するときは、入力切換ボタン1144を用いて所望の入力ソースをチューナ又は外部入力から選択し、次に、選局ボタン1142のいずれかのボタンを押すか、チャネル切換ボタン1146を押せばよい。子機1095へデータを転送する場合は、転送したい番組又は外部入力を選局しておき、子機転送/解除ボタン1147を押せばよい。また、子機1095へ転送解除要求を送信する場合は、子機通信ボタンを押せばよい。子機1095への転送解除要求の内容及びその時の動作の詳細については後述する。
図62乃至図63は、本発明の第11の実施形態におけるディスプレイ1091及び表示部1088の画面の例を示す図である。図62乃至図63中で、大きい方(左側)がディスプレイ1091の画面を示し、小さい方(右側)が子機1095の表示部1088の画面を示している。
図62(a)は、ディスプレイ1091に表示されていた画像が子機1095に転送されている状態を示している。
図62(a)に示す状態で、親機側で子機1095と同じ映像ソースが選局されると、図62(b)に示すように、「子機へ転送中、転送解除要求をしてください」のメッセージがディスプレイ1091に表示される。
図62(b)に示す状態で、上記のメッセージに従って、リモコン1093の子機通信ボタン1148を押すと、図62(c)に示すように、「転送要求をしますか?」のメッセージがディスプレイ1091に表示される。
図62(c)に示す状態で、リモコン1093の十字キー1149を使用して「Yes」にカーソル1053aを合わせ、決定ボタン1150を押すと、子機側へ転送解除要求信号が送信され、図62(d)に示すように、ディスプレイ1091に「転送解除要求中」のメッセージが表示され、子機1095の表示部1088に「転送解除要求受信」のメッセージが表示される。これらのメッセージは、表示されてから、例えば5分経過するまでは、OKボタン1097又はキャンセルボタン1098が押されるまで表示されつづける。
図62(d)に示す状態で、子機1095のユーザは、転送解除を了承する場合、OKボタン1097を押す。この結果、転送解除を了承する旨を示す信号が子機1095から親機へ送信され、図63(a)に示すように、親機のディスプレイ1091に「転送解除されました」のメッセージが表示されると共に、子機1095に転送していた映像が表示される。一方、子機1095の表示部1088には「転送が解除されました」のメッセージが表示される。
一方、図62(d)に示す状態で、子機1095のユーザは、転送解除を拒否する場合、キャンセルボタン1098を押す。この結果、転送解除を拒否する旨を示す信号が子機1095から親機へ送信され、図63(b)に示すように、親機のディスプレイ1091に「転送解除が拒否されました」のメッセージが表示される。
また、親機から子機1095に転送解除要求信号が送信され、子機1095で受信されているにも拘わらず、任意の時間(例えば、5分間)の間にOKボタン1097又はキャンセルボタン1098が押されなかった場合は、CPU1060は子機1095の映像は視聴されていないと判断し、強制的に転送を解除して、図63(c)に示すように、子機1095へ転送していた映像が親機のディスプレイ1091に表示されると共に、子機の表示部1088に「転送が解除されました」のメッセージが表示される。
次に、第11の実施形態におけるSTB1092の動作について説明する。図64及び図65は、本発明の第11の実施形態におけるSTB1092の動作を示すフローチャートである。
電源が投入されたSTB1092は、ステップS1601で、リモコン1093からの信号が到達したか否かの判断をする。リモコン1093からの信号が到来している場合は、ステップS1602で、それが入力切換を指示するものか判断する。その信号が入力切換を指示するものであれば、ステップS1603で、直ちに入力切換処理を行い、ステップS1601に戻る。
一方、ステップS1602で、リモコン1093からの信号が入力切換を指示するものでない場合には、ステップS1604で、番組選局を指示するものか判断する。
ステップS1604で、信号が番組選局を指示するものであれば、ステップS1605で、選局された映像ソースが子機1095へ転送中の映像ソースであるか否かを判断する。ここで、子機1095へ転送中の映像ソースでなければ、ステップS1606へ進み、選局処理を行い、ステップS1601へ戻る。
一方、ステップS1605で、子機1095に転送中の映像ソースであると判断した場合には、ステップS1607で、選局処理をキャンセルし、図62(b)に示すようなメッセージを表示した後(ステップS1608)、ステップS1601に戻る。なお、映像ソースが子機1095に転送されている間は、図62(b)に示すメッセージが表示される前に図62(a)に示すメッセージを表示している。
また、ステップS1604でリモコン1093からの信号が番組選局を指示するものでない場合は、ステップS1609へ進み、音量調整を指示するものであるかを判断する。ここで、音量調整を指示するものであれば、ステップS1610で、直ちに音量調整処理を行い、ステップS1601へ戻る。
ステップS1609で音量調整を指示するものでない場合には、ステップS1611で、子機転送/解除ボタン1147が押されたか否かを判断する。ここで、子機転送/解除ボタン1147が押されたと判断した場合は、ステップS1612で、STB1092が子機1095へ転送中か否かを判断する。そして、子機1095へ転送中であれば、ステップS1613で、直ちに転送解除処理を行い、ステップS1601へ戻る。
ステップS1612で子機1095へ転送中でなければ、ステップS1614で、その時点で親機に表示されている映像の転送処理を直ちに開始し、ステップS1601へ戻る。
そして、ステップS1611で子機転送/解除ボタン1147が押されていないと判断した場合は、ステップS1615で、子機通信ボタン1148が押されたか否かを判断する。ここで、子機通信ボタン1148が押されたと判断した場合は、ステップS1616で、図62(c)に示すような操作ガイドを表示する。次に、ステップS1617で、リモコン1093の十字キー1149のいずれかが押されたか否かを判断する。十字キー1149のいずれかが押されたと判断した場合、ステップS1618で、直ちにカーソルを移動させる処理を行い、ステップS1617へ戻る。ステップS1617で、十字キー1149が押されていないと判断した場合は、ステップS1619で決定ボタン1150が押されたか否かを判断する。
ステップS1619で、図62(c)に示す状態で「Yes」が選択された上で決定ボタン1150が押されている場合は、ステップS1620で子機通信が可能であるか否かを判断する。そして、子機通信が可能であると判断した場合は、ステップS1621で直ちに子機1095への通信処理(メッセージの送信)を行う。その後、図62(d)に示すような映像が表示される。一方、ステップS1620で子機通信が可能ではないと判断した場合は、ステップS1622で子機通信処理をキャンセルし、ステップS1601へ戻る。なお、図62(c)に示す状態で「No」が選択された上で決定ボタン1150が押されている場合にも、図示しないが、子機通信処理をキャンセルし、ステップS1601へ戻る。
また、ステップS1615で子機通信ボタン1148が押されていないと判断した場合は、ステップS1623で子機1095からの信号が到来したか否かを判断する。ここで、子機1095からの信号が到来したと判断した場合は、ステップS1624で、OK信号(OKボタン1097が押されたときに生成される信号)を受信したか否かを判断する。OK信号を受信している場合は、ステップS1625で、STB1092から子機1095へメッセージ信号を送信していたか否かを判断する。ステップS1625で、子機1095へメッセージ信号を送信していたと判断した場合、画像転送解除が了承されたと判断し、ステップS1626で、直ちに画像転送解除処理を行う。この結果、図63(a)に示すような映像が表示される。
一方、ステップS1625で、子機1095へメッセージ信号を送信していなかったと判断した場合は、子機1095における誤操作のためにOKボタン1097が押されたと判断し、ステップS1627で、操作処理をキャンセルし、ステップS1601へ戻る。
また、ステップS1624で、OK信号を受信していない場合には、ステップS1628で、キャンセル信号(キャンセルボタン1098が押されたときに生成される信号)を受信したか否かを判断する。キャンセル信号を受信している場合は、ステップS1629で、STB1092から子機1095へメッセージ信号を送信していたか否かを判断する。ここで、子機1095へメッセージ信号を送信していたと判断した場合、画像転送解除が拒否されたと判断し、ステップS1630で、図63(b)に示すような転送解除キャンセルのメッセージをディスプレイ1091に表示し、ステップS1601へ戻る。
一方、ステップS1629で、子機1095へメッセージ信号を送信していなかったと判断した場合は、子機1095における誤操作のためにキャンセルボタン1098が押されたと判断し、ステップS1631で、操作処理をキャンセルし、ステップS1601へ戻る。
ステップS1628で、キャンセル信号を受信していない場合には、ステップS1632で、子機1095の電源オフ信号(電源ボタン(図示せず)が押されたときに生成される信号)を受信したか否かを判断する。ここで、電源オフ信号を受信したと判断した場合は、ステップS1634で、直ちに画像転送解除処理を行い、ステップS1601へ戻る。一方、ステップS1632で、電源オフ信号を受信していないと判断した場合は、ステップS1624へ戻る。
また、ステップS1623で、子機1095からの信号が到来していないと判断した場合は、ステップS1634で、リモコン1093の電源ボタンが押されたか否かを判断する。ここで、リモコン1093の電源ボタンが押されたと判断した場合は、直ちにSTB1092の終了処理を行い、ステップS1635で、STB1092自体の電源を落とす。一方、ステップS1634で、電源ボタンが押されていないと判断した場合は、ステップS1601へ戻る。
なお、ステップS1621では、表示部1088に表示すべきメッセージを予め子機1095のROM1089に格納しておき、メッセージ自体を送信するのではなく、その格納されているメッセージを読み出すことを指示する信号を送信するようにしても良い。
次に、第11の実施形態における子機1095の動作について説明する。図66は、本発明の第11の実施形態における子機1095の動作を示すフローチャートである。
電源が投入された子機1095は、ステップS1701で、親機を構成するSTB1092からの映像信号を受信したか否かの判断をする。ここで、映像信号を受信したと判断した場合は、ステップS1702で、直ちに画像表示処理を行い、ステップS1701へ戻る。一方、ステップS1701で映像信号を受信していないと判断した場合は、ステップS1703で、親機からのメッセージ信号を受信したか否かを判断する。
ステップS1703で、メッセージ信号を受信したと判断した場合、ステップS1704で、直ちにメッセージ表示処理を行い、ステップS1701へ戻る。一方、ステップS1703でメッセージ信号を受信していないと判断した場合は、ステップS1705で、子機1095のOKボタン1097が押されたか否かを判断する。
ステップS1705で、OKボタン1097が押されたと判断した場合、ステップS1706で、OK信号を親機(STB1092)へ送信する。一方、ステップS1705で、OKボタン1097が押されていないと判断した場合は、ステップS1707で、子機1095のキャンセルボタン1098が押されたか否かを判断する。
ステップS1707で、キャンセルボタン98が押されたと判断した場合、ステップS1708で、キャンセル信号を親機(STB1092)へ送信する。一方、ステップS1707でキャンセルボタン1098が押されていないと判断した場合は、ステップS1709で、子機1095の電源ボタンが押されたか否かを判断する。
ステップS1709で、電源ボタンが押されたと判断した場合は、ステップS1710で、直ちに電源オフ信号を親機(STB1092)へ送信し、ステップS1711で、子機1095自体の終了処理を行う。一方、ステップS1709で、電源ボタンが押されていないと判断した場合は、ステップS1701へ戻る。
(第12の実施形態)
次に、本発明の第12の実施形態について説明する。第12の実施形態は、第11の実施形態に対して、第8乃至第10の実施形態のように、親機側のディスプレイとしてマルチ画面表示が可能なものを用いる場合のテレビシステムである。即ち、STB1092の親機画面合成部1212によって合成された複数の映像ソース(例えば、チューナ及び外部機器からの入力画像)からの映像データをディスプレイにウィンドウ状に表示するためのマルチ画面表示用の映像データを表示できるものをディスプレイ1091として用いる。そして、第12の実施形態では、その中の映像ソースの1つが子機へ転送される。なお、第12の実施形態についての説明では、第11の実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図67は、本発明の第12の実施形態におけるリモコン1093の外観の一例を示す図である。このリモコン1093には、第11の実施形態とは異なり、画面分割/解除ボタン1181が更に設けられている。
画面分割/解除ボタン1181が押されると、順次、ディスプレイ1091の画面の表示が、マルチウィンドウ表示→単一画面表示→マルチウィンドウ表示→・・・と切り換わる。具体的には、例えばマルチウィンドウ表示のときは、図28(a)に示すように、主画面Mと子画面S1と子画面S2とが分割して表示され、単一画面の時は、図28(b)に示すように、主画面Mのみが表示される。
また、図28(a)に示すようなマルチウィンドウ表示の時に、十字キー1149を構成する上下左右のいずれかの方向のキーが押されると、図28(c)に示すように、その画面が選局等の操作が可能な状態となっていることをユーザに知らせるためのウィンドウ選択枠が主画面Mに現れ、更に十字キー1149のいずれかの方向のキーが押されると、図28(d)及び(e)に示すように、その押されたキーが示す方向に従ってウィンドウ選択枠が移動する。
なお、操作可能な画面がどれであるかをユーザに知らせる方法は、選択枠を表示するという方法に限定されず、ウィンドウ内に小さなマーク、例えば、●印等を表示するこによって知らせるようにしても良く、ユーザに認識でるようなものであればよく、特に認識しやすいものであることが好ましい。
図68乃至図69は、本発明の第12の実施形態におけるディスプレイ1091及び子機1095の表示部1088の画面の例を示す図である。図68乃至図69中で、大きい方(左側)がディスプレイ1091の画面を示し、小さい方(右側)が表示部1088の画面を示している。また、ここでは、主画面Mを右側に、子画面S1及び子画面S2を左側に縦に並べて配置しているが、子画面の数や配置は、このような例に限定されるものではない。
図68(a)は、子画面S1に表示されていた画像が子機1095に転送されている状態を示している。より具体的には、子機1095の表示部1088の画面に、転送中の映像が表示されており、親機側のディスプレイ1091の子画面S1には単色(例えば、黒色)等が表示されている。
図68(a)に示す状態で、親機側で子機1095と同じ映像ソースが選局されると、図68(b)に示すように、「子機転送中」のメッセージが子画面S1に表示される。
図68(b)に示す状態で、上記のメッセージに従って、リモコン1093の子機通信ボタン1148を押すと、図68(c)に示すように、転送中の子画面からポップアップウィンドウが出現し、このポップアップウィンドウ内に「転送要求をしますか?」のメッセージが表示される。
図68(c)に示す状態で、リモコン1093の十字キー1149を使用して「Yes」にカーソル1053aを合わせ、決定ボタン1150を押すと、子機側へ転送解除要求信号が送信され、図68(d)に示すように、子画面S1に「転送解除要求中」のメッセージが表示され、子機1095の表示部1088に「転送解除要求受信」のメッセージが表示される。これらのメッセージは、表示されてから、例えば5分経過するまでは、OKボタン1097又はキャンセルボタン1098が押されるまで表示されつづける。
図68(d)に示す状態で、子機1095のユーザは、転送解除を了承する場合、OKボタン1097を押す。この結果、転送解除を了承する旨を示す信号が子機1095から親機へ送信され、図69(a)に示すように、子画面S1に「解除OK」のメッセージが表示されると共に、子機1095に転送していた映像が表示される。一方、子機1095の表示部1088には「転送解除されました」のメッセージが表示される。
一方、図68(d)に示す状態で、子機1095のユーザは、転送解除を拒否する場合、キャンセルボタン1098を押す。この結果、転送解除を拒否する旨を示す信号が子機から親機へ送信され、図69(b)に示すように、子画面S1に「転送解除拒否」のメッセージが表示される。
また、親機から子機1095に転送解除要求信号が送信され、子機1095で受信されているにも拘わらず、任意の時間(例えば、5分間)の間にOKボタン1097又はキャンセルボタン1098が押されなかった場合は、CPU1060は子機1095の映像は視聴されていないと判断し、強制的に転送を解除して、図69(c)に示すように、子機1095へ転送していた映像が子画面S1に表示されると共に、子機1095の表示部1088に「転送解除されました」のメッセージが表示される。
次に、第12の実施形態におけるSTB1092の動作について説明する。図70及び図71は、本発明の第12の実施形態におけるSTB1092の動作を示すフローチャートである。
電源が投入されたSTB1092は、ステップS2001で、リモコン1093からの信号が到来したか否かの判断をする。リモコン1093からの信号が到来している場合は、ステップS2002で、それが画面分割/解除ボタン1181が押されたことを示す信号であるか否かを判断する。そして、画面分割/解除ボタン1181が押されたと判断した場合には、ステップS2003で、現在表示中の画面が分割画面となっているか否かを判断する。ここで、画面分割中である場合には、ステップS2004で、直ちに画面分割解除処理を行い、ステップS2001に戻る。ステップS2003で、画面分割中でない場合には、ステップS2005で、画面分割処理を行い、ステップS2001に戻る。
ステップS2002で、画面分割/解除ボタン1181が押さていないと判断した場合は、ステップS2006で、十字キー1149が押されたか否かを判断する。ここで、十字キー1149が押されたと判断した場合には、ステップS2007で、画面分割中であるか否かを判断する。そして、画面分割中であると判断した場合には、ステップS2008で、図28に示すような画面選択移動処理を行い、ステップS2001に戻る。一方、ステップS2007で画面分割中でなかったときは、ステップS2009で、十字キー1149の操作指示をキャンセルし、ステップS2001へ戻る。
ステップS2006で、十字キーが押されなかったと判断されたときは、ステップS2010で、その信号が入力切換を指示するものか判断する。その信号が入力切換を指示するものであれば、ステップS2011で、直ちに入力切換処理を行い、ステップS2001に戻る。
一方、ステップS2010で、リモコン1093からの信号が入力切換を指示するものでない場合には、ステップS2012で、番組選局を指示するものか判断する。
ステップS2012で、信号が番組選局を指示するものであれば、ステップS2013で、選局された映像ソースが子機1095へ転送中の映像ソースであるか否かを判断する。ここで、子機1095へ転送中の映像ソースでなければ、ステップS2014へ進み、選局処理を行い、ステップS2001へ戻る。
ステップS2013で、子機1095に転送中の映像ソースであると判断した場合には、ステップS2015で、選局処理をキャンセルし、図68(b)に示すようなメッセージを表示した後(ステップS2016)、ステップS2001に戻る。なお、映像ソースが子機1095に転送されている間は、図68(b)に示すメッセージが表示される前に図68(a)に示す映像を表示している。
また、ステップS2012で、リモコン1093からの信号が番組選局を指示するものでない場合は、ステップS2017へ進み、音量調整を指示するものであるかを判断する。ここで、音量調整を指示するものであれば、ステップS2018で、直ちに音量調整処理を行い、ステップS2001へ戻る。
ステップS2017で音量調整を指示するものでない場合は、ステップS2019で、子機転送/解除ボタン1147が押されたか否かを判断する。ここで、子機転送/解除ボタン1147が押されたと判断した場合は、ステップS2020で、STB1092が子機1095へ転送中か否かを判断する。そして、子機1095へ転送中であれば、ステップS2021で、直ちに転送処理を指示する操作をキャンセルし、即ち転送解除処理を行い、ステップS2001へ戻る。
ステップS2020で子機1095へ転送中でなければ、ステップS2022で、その時点で親機に表示されている映像の転送処理を直ちに開始し、ステップS2001へ戻る。
そして、ステップS2019で、子機転送/解除ボタン1147が押されていないと判断した場合は、ステップS2023で、子機通信ボタン1148が押されたか否かを判断する。ここで、子機通信ボタン1148が押されたと判断した場合は、ステップS2024で、図68(c)に示すようなポップアップウィンドウ内に操作ガイドを表示する。次に、ステップS2025で、リモコン1093の十字キー1149のいずれかが押されたか否かを判断する。十字キー1149のいずれかが押されたと判断した場合、ステップS2026で、直ちにカーソルを移動させる処理を行い、ステップS2025へ戻る。ステップS2025で、十字キー1149が押されていないと判断した場合は、ステップS2027で決定ボタン1150が押されたか否かを判断する。
ステップS2027で、図68(c)に示す状態で「Yes」が選択された上で決定ボタン1150が押されている場合は、ステップS2028で子機通信が可能であるか否かを判断する。そして、子機通信が可能であると判断した場合は、ステップS2029で直ちに子機1095への通信処理(メッセージの送信)を行う。その後、図68(d)に示すような映像が表示される。一方、ステップS2028で子機通信が可能ではないと判断した場合は、ステップS2030で子機通信処理をキャンセルし、ステップS2001へ戻る。なお、図68(c)に示す状態で「No」が選択された上で決定ボタン1150が押されている場合にも、図示しないが、子機通信処理をキャンセルし、ステップS2001へ戻る。
また、ステップS2023で子機通信ボタン1148が押されていないと判断した場合は、ステップS2031で子機1095からの信号が到来したか否かを判断する。ここで、子機1095からの信号が到来したと判断した場合は、ステップS2032で、OK信号を受信したか否かを判断する。OK信号を受信している場合は、ステップS2033で、STB1092から子機1095へメッセージ信号を送信していたか否かを判断する。ステップS2033で、子機1095へメッセージ信号を送信していたと判断した場合、画像転送解除が了承されたと判断し、ステップS2034で、直ちに画像転送解除処理を行う。この結果、図69(a)に示すような映像が表示される。
一方、ステップS2033で、子機1095へメッセージ信号を送信していなかったと判断した場合は、子機1095における誤操作のためにOKボタン1097を押されたと判断し、ステップS2035で、操作処理をキャンセルし、ステップS2001へ戻る。
また、ステップS2032で、OK信号を受信していない場合には、ステップS2036で、キャンセル信号を受信したか否かを判断する。キャンセル信号を受信している場合は、ステップS2037で、STB1092から子機1095へメッセージ信号を送信していたか否かを判断する。ここで、子機1095へメッセージ信号を送信していたと判断した場合、画像転送解除が拒否されたと判断し、ステップS2038で、図69(b)に示すような転送解除キャンセルのメッセージを子画面S1に表示し、ステップS2001へ戻る。
一方、ステップS2037で、子機1095へメッセージ信号を送信していなかったと判断した場合は、子機1095における誤操作のためにキャンセルボタン1098が押されたと判断し、ステップS2039で、操作処理をキャンセルし、ステップS2001へ戻る。
ステップS2036で、キャンセル信号を受信していない場合には、ステップS2040で、子機1095の電源オフ信号を受信したか否かを判断する。ここで、電源オフ信号を受信したと判断した場合は、ステップS2041で、直ちに画像転送解除処理を行い、ステップS2001へ戻る。一方、ステップS2040で、電源オフ信号を受信していないと判断した場合は、ステップS2032へ戻る。
また、ステップS2031で、子機95からの信号が到来していないと判断した場合は、ステップS2042で、リモコン1093の電源ボタンが押されたか否かを判断する。ここで、リモコン1093の電源ボタンが押されたと判断した場合は、直ちにSTB1092の終了処理を行い、ステップS2043で、STB1092自体の電源を落とす。一方、ステップS2042で、電源ボタンが押されていないと判断した場合は、ステップS2001へ戻る。
(第13の実施形態)
次に、本発明の第13の実施形態について説明する。第13の実施形態は、第12の実施形態に対して、子機側からの親機から転送される映像ソースの操作を可能としたテレビシステムである。なお、第13の実施形態についての説明では、第11及び第12の実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図72は、第13の実施形態における子機1095を正面から見たときの外観を示す図である。第13の実施形態では、子機1095の正面側に、液晶ディスプレイ等からなる表示部1088、電源ボタン1152、親機を構成するSTB1092の映像ソースを選択するための選択ボタン1153〜1155、OKボタン1097、キャンセルボタン1098及び十字キー1158が配置されている。選択ボタン1153はSTB1092に接続されている外部機器に切り換えるための外部入力ボタンであり、選択ボタン1154はBSデジタル放送用のチャネルボタンであり、選択ボタン1155は地上波放送用のチャネルボタンである。
図73乃至図74は、本発明の第13の実施形態におけるディスプレイ1091及び表示部1088の画面の例を示す図である。図73乃至図74中で、大きい方(左側)がディスプレイ1091の画面を示し、小さい方(右側)が子機1095の表示部1088の画面を示している。
図73(a)は、子機に映像データが転送される前の状態であって、親機側でBSデジタル放送を受信している時に、子機1095の電源ボタン1152が押されて電源が投入された状態を示している。親機を構成するディスプレイ1091の画面には、子機1095の電源が投入されたことを示すメッセージが一時的に表示され、子機1095の表示部1088の画面には親機側で使用されていない映像ソース、つまり選局及び転送が可能なチャネルの選局ボタン横に選局可能なことを示すマーク1121aが表示される。
図73(a)に示す状態で、子機1095側で地上波放送が選局されると、図73(b)に示すように、ディスプレイ1091に子機接続中のアイコン1122aが表示されると共に、子機1095の表示部1088に選局した番組が表示される。
図73(b)に示す状態で、親機側で、子機へ転送中の映像ソース、この場合は地上波放送を選局すると、図73(c)に示すように、「子機使用中、転送解除要求しますか?Yes No」のメッセージがディスプレイ1091に表示される。ここで、リモコン1093の十字キー1149を使って、カーソル1123aを「Yes」に合わせ、決定ボタン1150を押すと、子機1095へ転送解除要求信号が送信され、図73(d)に示すように、ディスプレイ1091に「転送解除要求中」のメッセージが表示され、子機1095の表示部1088に「転送解除要求受信」のメッセージが表示される。これらのメッセージは、表示されてから、例えば5分経過するまでは、OKボタン1097又はキャンセルボタン1098が押されるまで表示されつづける。
図73(d)に示す状態で、子機1095のユーザは、転送解除を了承する場合、OKボタン1097を押す。この結果、転送解除を了承する旨を示す信号が子機1095から親機へ送信され、図74(a)に示すように、親機のディスプレイ1091に、子機へ転送していた映像データに基づく映像及び「転送解除がOKとなりました」のメッセージが表示される。また、子機1095では、表示部1088に、「転送が解除になりました」のメッセージが表示されると共に、選局可能な選択ボタンの横の画面内にマーク1125aが表示される。
一方、図73(d)に示す状態で、子機1095のユーザは、転送解除を拒否する場合、キャンセルボタン1098を押す。この結果、転送解除を拒否する旨を示す信号が子機1095から親機へ送信され、図74(b)に示すように、親機のディスプレイ1091側に、「転送解除が拒否されました」のメッセージが表示され、子機1095の表示部1088には、引き続き親機側から転送されている映像データの映像が表示される。
また、親機から子機1095に転送解除要求信号が送信され、子機1095で受信されているにも拘わらず、任意の時間(例えば、5分間)の間にOKボタン1097又はキャンセルボタン1098が押されなかった場合は、CPU1060は子機1095の映像は視聴されていないと判断し、強制的に転送を解除して、図74(c)に示すように、子機1095へ転送していた映像が親機のディスプレイ1091に表示されると共に、「転送解除されました」のメッセージもディスプレイ1091に表示される。一方、子機1095の表示部1088には、「転送解除されました」のメッセージが表示されると共に、選局可能なボタンの横の画面内にマークが表示される。
なお、親機側で使用されている映像ソース(例えば、この例ではBSデジタル放送)を子機側で選局した時には、図74(d)に示すように、親機のディスプレイ1091の表示は変化せず、子機1095の表示部1088に、「親機側が使用中です」のメッセージが表示される。また、子機側では、選局操作がキャンセルされ、それまで表示されていた番組が表示される。
次に、第13の実施形態におけるSTB1092の動作について説明する。図75及び図76は、本発明の第13の実施形態におけるSTB1092の動作を示すフローチャートである。
電源が投入されたSTB1092は、ステップS2301で、リモコン1093からの信号が到来したか否かの判断をする。リモコン1093からの信号が到来している場合は、ステップS2302で、それが入力切換を指示するものか判断する。その信号が入力切換を指示するものであれば、ステップS2303で、直ちに入力切換処理を行い、ステップS2301に戻る。
ステップS2302で、リモコン1093からの信号が入力切換を指示するものでない場合には、ステップS2304で、番組選局を指示するものか判断する。
ステップS2304で、信号が番組選局を指示するものであれば、ステップS2305で、選局された映像ソースが子機1095へ転送中の画像ソースであるか否かを判断する。ここで、子機1095へ転送中の映像ソースでなければ、ステップS2306へ進み、選局処理を行い、ステップS2301へ戻る。
一方、ステップS2305で、子機1095に転送中の映像ソースであると判断した場合には、ステップS2307で、選局処理をキャンセルし、図73(c)に示すようなメッセージを表示した後(ステップS2308)、ステップS2301に戻る。なお、図73(c)に示すメッセージが表示される前では、子機1095の電源ボタン1152が押されて電源が投入されると、図73(a)に示すような映像が表示され、また、子機1095への転送が行われると、図73(b)に示すような映像が表示される。
また、ステップS2304でリモコン1093からの信号が番組選局を指示するものでない場合は、ステップS2309へ進み、音量調整を指示するものであるかを判断する。ここで、音量調整を指示するものであれば、ステップS2310で、直ちに音量調整処理を行い、ステップS2301へ戻る。
ステップS2309で音量調整を指示するものでない場合は、ステップS2311で、子機転送/解除ボタン1147が押されたか否かを判断する。ここで、子機転送/解除ボタン1147が押されたと判断した場合は、ステップS2312で、STB1092が子機1095へ転送中か否かを判断する。そして、子機1095へ転送中であれば、ステップS2313で、転送処理を指示する操作をキャンセルし、即ち直ちに転送解除処理を行い、ステップS2301へ戻る。
ステップS2312で子機1095へ転送中でなければ、ステップS2314で、その時点で親機に表示されている映像の転送処理を直ちに開始し、ステップS2301へ戻る。
そして、ステップS2311で子機転送/解除ボタン1147が押されていないと判断した場合は、ステップS2315で、子機通信ボタン1148が押されたか否かを判断する。ここで、子機通信ボタン1148が押されたと判断した場合は、ステップS2316で、図73(c)に示すような操作ガイドを表示する。次に、ステップS2317で、リモコン1093の十字キー1149のいずれかが押されたか否かを判断する。十字キー1149のいずれかが押されたと判断した場合、ステップS2318で、直ちにカーソルを移動させる処理を行い、ステップS2317へ戻る。ステップS2317で、十字キー1149が押されていないと判断した場合は、ステップS2319で、決定ボタン1150が押されたか否かを判断する。
ステップS2319で、図73(c)に示す状態で「Yes」が選択された上で決定ボタン1150が押されている場合は、ステップS2320で子機通信が可能であるか否かを判断する。そして、子機通信が可能であると判断した場合は、ステップS2321で直ちに子機1095への通信処理(メッセージの通信)を行う。その後、図73(d)に示すような映像が表示される。一方、ステップS2320で子機通信が可能ではないと判断した場合は、ステップS2322で子機通信処理をキャンセルし、ステップS2301へ戻る。なお、図73(c)に示す状態で「No」が選択された上で決定ボタン1150が押されている場合にも、図示しないが、子機通信処理をキャンセルし、ステップS2301へ戻る。
また、ステップS2315で子機通信ボタン1148が押されていないと判断した場合は、ステップS2323で子機1095からの信号が到来したか否かを判断する。ここで、子機1095からの信号が到来したと判断した場合は、ステップS2324で、OK信号を受信したか否かを判断する。OK信号を受信している場合は、ステップS2325で、STB1092から子機1095へメッセージ信号を送信していたか否かを判断する。ステップS2325で、子機1095へメッセージ信号を送信していたと判断した場合、画像転送解除が了承されたと判断し、ステップS2326で、直ちに画像転送解除処理を行い、ステップS2301へ戻る。この結果、図74(a)に示すような映像が表示される。
一方、ステップS2325で、子機1095へメッセージ信号を送信していなかったと判断した場合は、子機1095における誤操作のためにOKボタン1097が押されたと判断し、ステップS2327で、操作処理をキャンセルし、ステップS2301へ戻る。
また、ステップS2324で、OK信号を受信していないと判断した場合には、ステップS2328で、キャンセル信号を受信したか否かを判断する。キャンセル信号を受信している場合は、ステップS2329で、STB1092から子機1095へメッセージ信号を送信したか否かを判断する。ここで、子機1095へメッセージ信号を送信していたと判断した場合、画像転送解除が拒否されたと判断し、ステップS2330で、図74(b)に示すような転送解除キャンセルのメッセージをディスプレイ1091に表示し、ステップS2301へ戻る。
一方、ステップS2329で、子機1095へメッセージ信号を送信していなかったと判断した場合は、子機1095における誤操作のためにキャンセルボタン1098が押されたと判断し、ステップS2331で、操作処理をキャンセルし、ステップS2301へ戻る。
ステップS2328で、キャンセル信号を受信していない場合には、ステップS2332で、選局信号を受信したか否かを判断する。ここで、選局信号を受信したと判断した場合は、ステップS2333で、選局信号により特定される映像データの映像ソースが現在使用中の映像ソースと一致するか否かを判断する。ここで、現在使用中の映像ソースと一致すると判断した場合は、ステップS2333で、選局キャンセル信号を子機1095に対して送信し、ステップS2301へ戻る。
一方、ステップS2332で現在使用中の映像ソースとは一致しないと判断した場合は、ステップS2335で、転送する映像ソースの変更処理を行い、ステップS2336で、直ちに変更された映像ソースの映像データを子機1095に送信する。
また、ステップS2332で、選局信号を受信していないと判断した場合は、ステップS2337で、子機1095の電源オフ信号を受信したか否かを判断する。ここで、電源オフ信号を受信したと判断した場合は、ステップS2338で、直ちに画像転送解除処理を行い、ステップS2301へ戻る。一方、ステップS2337で、電源オフ信号を受信していないと判断した場合は、ステップS2324へ戻る。
そして、ステップS2323で子機1095からの信号が到来していないと判断した場合は、ステップS2339で、リモコン1093の電源ボタンが押されたか否かを判断する。ここで、リモコン1093の電源ボタンが押されたと判断した場合は、直ちにSTB1092の終了処理を行い、ステップS2340で、STB1092自体の電源を落とす。一方、ステップS2339で、電源ボタンが押されていないと判断した場合は、ステップS2301へ戻る。
次に、第13の実施形態における子機1095の動作について説明する。図77は、本発明の第13の実施形態における子機95の動作を示すフローチャートである。
電源が投入された子機1095は、ステップS2401で、親機を構成するSTB1092の電源が投入されたことを示す信号が送信されると、ステップS2402で、親機から送信されてくる選局可能な映像ソース情報を受信する。この受信された情報に基づき、ステップS2403で、子機1095の表示部1088の画面内で選局可能なチャネル選局ボタン横に、選局可能であることを示すマークを表示する。
次に、ステップS2404で、子機1095に装備されている選局ボタン(選択ボタン1113、1114又は1115)が押されたか否かを判断する。ここで、選局ボタンが押されたと判断した場合は、ステップS2405で、直ちに選局信号を親機側へ送信し、ステップS2404に戻る。
ステップS2404で選局ボタンが押されていないと判断した場合は、ステップS2406で、親機からの映像データを受信したか否かを判断する。そして、映像データを受信したと判断した場合は、ステップS2407で、直ちに画像表示処理を行い、ステップS2404に戻る。
また、ステップS2406で映像データを受信していないと判断した場合は、ステップS2408で、親機からのメッセージ信号を受信したか否かを判断する。ここで、メッセージ信号を受信したと判断した場合は、ステップS2409で、そのメッセージ信号が選局をキャンセルするものであるか否かを判断する。そして、選局をキャンセルするものであると判断した場合は、ステップS2410で、直ちに選局キャンセルのメッセージを表示部1088に表示し、ステップS2404へ戻る。
一方、ステップS2409で選局をキャンセルするものではないと判断した場合、ステップS2411で、転送解除要求メッセージの信号であるか否かを判断する。ここで、転送解除要求メッセージの信号であると判断した場合は、ステップS2412で、直ちに転送解除要求メッセージを表示し、ステップS2404へ戻る。ステップS2411で転送解除要求メッセージの信号ではないと判断した場合は、ステップS2406へ戻る。
ステップS2408で親機からのメッセージ信号を受信していないと判断した場合は、ステップS2413で、子機1095のOKボタン1097が押されたか否かを判断する。ここで、OKボタン1097が押されたと判断した場合は、ステップS2414で、OK信号を親機(STB1092)へ送信し、ステップS2404へ戻る。一方、ステップS2413でOKボタン1097が押されていないと判断した場合には、ステップS2415で、子機1095のキャンセルボタン1098が押されたか否かを判断する。
ステップS2415でキャンセルボタン1098が押されたと判断した場合は、ステップS2416で、直ちにキャンセル信号を親機(STB1092)へ送信し、ステップ2404へ戻る。一方、ステップS2415でキャンセルボタン1098が押されていないと判断した場合は、ステップS2417で、子機1095の十字キー1158が押されたか否かを判断する。
ステップS2417で十字キー1158が押されたと判断した場合は、ステップS2418で、押された十字キー1158の方向に合わせたカーソル移動処理を直ちに行い、ステップS2404へ戻る。一方、ステップS2417で十字キー1158が押されていないと判断した場合は、ステップS2419で、子機1095の電源ボタン1152が押されたか否かを判断する。
ステップS2419で電源ボタン1152が押されたと判断した場合は、ステップS2420で、直ちに電源オフ信号を親機(STB1092)へ送信し、ステップS2421で、子機1095の終了処理を行う。一方、ステップS2419で電源ボタン1152が押されていないと判断した場合は、ステップS2404へ戻る。
なお、STB1092がディスプレイ1091の筐体内に内蔵されていてもよい。更に、STB1092内に3個以上のチューナが搭載されていてもよく、また、STB内にHDD等の記録装置が内蔵されていてもよい。更にまた、外部からの入力機器として、VTR1094以外に、DVDやデジタルビデオカメラ等の一般的なテレビ受像機に接続可能な機器を用いてもよい。
本発明の実施形態は、上述のように、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。