以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、データ受信機能を有するデータ受信装置としてのビデオゲーム装置1は、送信データを受信する受信手段を構成するアンテナ2および通信データ復調器3と、受信手段により受信したデータ内のデータ制御情報に基づいてデータ処理を制御するデータ処理制御機能を有する制御手段としてのCPU5とを備えている。
また、ビデオゲーム装置1は、アプリケーションプログラム等が記録された記録媒体であるパッケージメディア100内の当該アプリケーションプログラム等を読み込むための読出装置(ドライブ装置あるいはアクセス装置ともいう。)であるパッケージメディア復調器6と、テレビジョン受像機101等により画像を出力させるためのオーディオビデオプロセッサ7とを備えている。
このビデオゲーム装置1は、上記パッケージメディア100のアプリケーションプログラムによりビデオゲームを実行し、且つ、データ送信装置とされる以下に説明する放送局から放送されるデータを受信するように構成されている。
図2に示すように、このビデオゲーム装置1にデータを送信する放送局11は、送信するデータ内に上記ビデオゲーム装置1内でのデータ処理の制御をさせるためのデータ制御情報を付加する制御情報付加部12と、データ制御情報が付加されたデータをアンテナ14を介して送信する送信処理部13とを備えている。
なお、この実施の形態においては、データ受信装置としてのビデオゲーム装置1とデータ送信装置としての放送局11とによりデータ送受信システムが構成される。
次に、上記ビデオゲーム装置1および放送局11の構成各部について詳しく説明する。
上記通信データ復調器3は、放送局11からアンテナ14を介して放送され、受信用のアンテナ2により受信したデータを復調処理して取り出す機能を有している。
上記パッケージメディア復調器6は、パッケージメディア100に記録されている各種データを復調処理等して読み出す機能を有している。
この実施の形態において、パッケージメディア100としては、大容量記録媒体である、いわゆるCD−ROM、DVD等の記録媒体としているが、パッケージメディア100としては、このようなディスクに限らず、半導体記憶装置やテープ媒体等、所望の記録媒体を使用することができる。
このパッケージメディア100には、実行ファイルとしてアプリケーションプログラムが、また、データとして画像音声データがそれぞれ記録されている。例えば、画像音声データは、当該パッケージメディア100に記録されているアプリケーションプログラムの実行により再生等されるデータとされている。
メインメモリ4は、各種データを記憶するための記憶手段である。メインメモリ4には、例えば、パッケージメディア復調器6により読み出されたパッケージメディア100のアプリケーションプログラム等の各種データ、通信データ復調器3により復調された受信データ等が格納される。
上記オーディオビデオプロセッサ7は、画像、音声を画像音声等出力機器から出力するための処理を行う機能を有している。このオーディオビデオプロセッサ7は、画像音声等出力機器とされるテレビジョン受像機101等に画像音声を出力させるための処理を行う。なお、このテレビジョン受像機101は、衛星放送を受信するためのセットトップボックス102等を備えている。
なお、画像音声等出力機器は、テレビジョン受像機101に限定されることなく、パーソナルコンピュータ用に使用されるようなモニタであってもよいことはいうまでもない。
上記CPU5は、当該ビデオゲーム装置1を構成する各部を制御する制御手段としての機能を有している。
上記CPU5は、具体的には、受信したデータ内のデータ制御情報(特殊情報)に基づいてパッケージメディア100に記録されているアプリケーションプログラム等の実行を制御するデータ処理制御機能を有する。すなわち、CPU5は、特殊データ処理プログラム等により、上記データ制御情報(特殊データ)を解釈して実行する。なお、特殊データ処理プログラムは、後述するように、初期設定時等により上記メインメモリ4に書き込まれているプログラムである。
また、処理するアプリケーションプログラムによっては、このCPU5は、当該アプリケーションプログラムに応じて、放送局11からの受信データをも処理するような機能を有している。
なお、アプリケーションプログラムには、例えば、ゲームプログラムの他、データを復号するためのプログラム等がある。
上記放送局11の制御情報付加部12は、送信対象とされるデータ内にデータ制御情報を付加する機能を有している。この制御情報付加部12によりデータ内に付加されたデータ制御情報は、下記の表1に示すように、メディア識別情報、メディア上のデータ位置情報および開始終了制御情報等から構成されている。
具体的には、上記メディア識別情報は、ID(identification)であり、パッケージメディア100等の記録媒体を識別するための記録媒体識別情報であり、ここでは指定ディスク番号(特定のディスク番号)である。なお、IDとは、そのものであることを見分ける、あるいは確認するための識別情報である。
また、上記データ位置情報は、処理対象とされるアプリケーションプログラムの記録媒体(パッケージメディア100)における記録位置を示すデータ位置情報とされる実行ファイル名又は実行ファイルのあるトラック・セクタ番号である。すなわち、ビデオゲーム装置1が処理対象とする対象ファイルを読み出すための情報とされる。
また、開始終了制御情報は、データの処理の開始を指示する開始指示情報である実行開始指示情報と、当該データの処理の終了を指示する終了指示情報である実行終了指示情報又は強制終了指示情報である。すなわち、ビデオゲーム装置1が処理対象とする対象ファイルを実行開始、又は実行終了するための情報とされる。
上記送信処理部13は、上述したようなデータ制御情報を送信処理する部分として構成されている。送信処理部13は、例えば、データを送信するための変調処理等を施す。この送信処理部13により変調処理されたデータは、アンテナ14により放送される。
図3には、送信処理部13から送信されるデータフォーマットの一例を示している。この送信データDTは、図3に示すように、当該送信データDTの各種情報が格納されてなるヘッダ部DHと、画像音声情報からなる画像音声データ部(単に、画像音声データともいう。)DAV1,・・・,DAVn(n;整数)と、上記データ制御情報である特殊データ部(単に、特殊データともいう。)DS1,・・・,DSm(m;整数)と、データの終端情報とされるEOD(DE)とから構成されている。ここで、画像音声データDAV1,・・・,DAVn(n;整数)および特殊データDS1,・・・,DSm(m;整数)は、時分割多重されて送信処理される。
以上のようにビデオゲーム装置1および放送局11が構成されている。
次に、ビデオゲーム装置1の行う処理について説明する。なお、ビデオゲーム装置1に装着されているパッケージメディア100上のデータフォーマットは、図4に示すように構成され、各トラックには、下記の表2に示すような各種データが記録されている。
表2に示すように、最内周トラックであるトラック0には、当該パッケージメディア100を識別するためのIDであるディスク番号と、トラック番号およびファイル番号に対応されたファイル名とが記録されている。そして、トラック0から、より外周のトラック1,トラック2,トラック3,・・・には、実際の処理対象とされるAVデータ(画像音声データ)、プログラムデータ、およびファイルの終了を示すEOF(End of File)が記録されている。例えば、画像音声データは、MPEG2(Moving Picture Experts Group 2)等の圧縮符号化データである。
図5には、ビデオゲーム装置1が、送信データDTを受信し、この受信したデータに基づいて映像音声出力を行うまでの一連の処理を示してる。なお、受信データの内容は、実質的に送信データDTの内容と同等であるので、図3に示す送信データDTは受信データDRとしても解釈するものとする。
まず、ステップS1において、ビデオゲーム装置1は、初期設定を行う。具体的には、初期設定は、システム起動時に、ブートストラッププログラムを格納した図示していないROMなどにより、画像音声データデコードのためのCPU用ソフトウエア(画像音声データデコーダソフト)をメインメモリ4上に保持する処理を行う。また、この処理と同時に受信データDRの特殊データDS部分を解釈し実行するためのCPU用ソフトウエア(特殊データ処理ソフト)もメインメモリ4に保持する処理を行う。
次にステップS2において、CPU5は、通信データ復調器3から受信データDR(上記したように、図3に示した送信データDTと同一内容のデータである。)を受け取り、メインメモリ4に保持し、続くステップS3において、メインメモリ4に保持した受信データDRの中、図3に示した画像音声データDAVの部分を画像音声データデコーダソフトによりデコード処理する。
続いて、ステップS4において、CPUは、DMA(Direct Memory Access)等の方法により、デコード済みの画像音声データをオーディオビデオプロセッサ7に送る。オーディオビデオプロセッサ7は、入力されたデータを映像音声信号として出力し、画像音声等出力機器により映像音声等を出力させる。
ビデオゲーム装置1は、このステップS2〜S4の処理を繰り返して処理することにより、受信データDR内の画像音声データDAVの再生を行うことができる。
次に、ビデオゲーム装置1が、送信データDTに付加されているデータおよびプログラムの実行情報とされるデータ制御情報(特殊データDS)に基づいて、自己が保持しているデータ処理および(または)プログラムを実行する一連の処理について説明する。図6および図7は、その一連の処理を示している。
ビデオゲーム装置1は、まず、図6に示すステップS11〜S14の処理を行うが、このステップS11〜S14の処理については、上記図5に示したステップS1〜S4の処理と同様の処理となる。すなわち、CPU5により、ステップS11において、初期設定を行う。そして、ステップS12において、CPU5は、通信データ復調器3から受信データDRを受け取り、メインメモリ4に保持し、続くステップS13において、メインメモリ4に保持した受信データDR内の画像音声データDAVの部分を画像音声データデコーダソフトによりデコード処理する。
続いて、ステップS14において、CPU5は、DMA等の方法により、デコード済みの画像音声データをオーディオビデオプロセッサ7に送る。オーディオビデオプロセッサ7は、入力された画像音声データを映像音声信号として出力し、テレビジョン受像機101による表示出力、音声出力等を行う。
CPU5は、メインメモリ4に保持されている受信データDR内の画像音声データDAVについて、このステップS11〜S14の処理を行い、特殊データ(データ制御情報)DSに対して、次のような処理を行う。
CPU5は、ステップS15において、メインメモリ4に保持した受信データDRの中、図3に示した特殊データDSの部分を処理する。このステップS15において行う特殊データDSの処理とは、例えば、特殊データ処理ソフトにより行う特殊データDS内のデータの内容を解釈をするための処理である。
続くステップS16において、CPU5は、特殊データDSの内容に応じて分岐させる処理を行う。
このステップS16の判断において、特殊データDSの内容が、パッケージメディア100の指定のファイル或いはトラック・セクタを読み込む対象ディスクのIDである指定ディスク番号(上記表1に示したメディア識別情報)であると判断された場合には、CPU5はステップS17の処理に進み、読出装置であるパッケージメディア復調器6を通じてパッケージメディア100のディスク番号等の読み取り処理を行う。
一方、ステップS16の判断において、特殊データDSの内容が、パッケージメディア100から読み出して実行する実行ファイル名又は、実行ファイルの記録されているトラック・セクタ番号(上記表1に示したデータ位置情報)であった場合には、CPU5は、後述するステップS20の判断処理が成立していることを条件としステップS21を介してステップS22に進み、処理対象とする実行ファイル名等の指定(対象ファイル指定)を行う。
また、ステップS16の判断において、特殊データDSの内容が、ステップ22において指定した実行ファイル名等に係る実行開始指示命令等(上記表1に示した開始終了制御情報)のいずれかであった場合には、CPU5は、後述するステップS24の判断処理が成立していることを前提としステップS25を介してステップS26に進み、実行ファイル名、または実行ファイルの記録されているトラック・セクタ番号から処理対象の実行ファイルの読み出し(対象ファイル読出)を行う。
ステップS17からステップS26までの過程をさらに詳しく説明すると、上記ステップS17では、CPU5は、パッケージメディア復調器6に対して、現在装着されているパッケージメディア100のIDであるディスク番号を読み取る指示を行い、次のステップS18において、上記ステップS15の特殊データDSの処理により受信データDRから得た指定ディスク番号(指定ID)との比較を行う。
そして、このステップS18の処理である、受信データDR(特殊データDS)により指定されるIDである指定ディスク番号と、パッケージメディア復調器6により読出処理がなされるパッケージメディア100のIDであるディスク番号との比較処理において、両ディスク番号が一致していた場合には、ステップS19の処理において一致フラグをセットし、ステップS12にもどりステップS12以降の処理を行う。
一方、ステップS18の比較結果において、両ディスク番号が異なっていた場合には、CPU5は、上記ステップS12からの処理を行う。
次に、ステップS16の判断処理において、特殊データDSの内容が処理対象とする実行ファイル名、又は実行ファイルの記録されているトラック・セクタ番号(上記表1に示したデータ位置情報)であった場合には、ステップS20において、ステップS19でセットされる一致フラグがセットされているかどうかを判断する。
ステップS20の判断が肯定的であって、一致フラグがセットされていた場合、換言すれば、受信データDRにより指定されたIDであるディスク番号とパッケージメディア復調器6により復調処理されるパッケージメディア100のディスク番号とが同一である場合には、ステップS21において一致フラグをリセットした後、ステップS22の処理である、対象とする実行ファイル(対象ファイル)等の指定処理を行う。
このステップS22の処理は、両ディスク番号の一致を示す一致フラグがセットされていることを条件として行われる処理であるので、上記ステップS18において処理対象とするディスク、すなわち、指定ディスク番号に合致するパッケージメディア100がビデオゲーム装置1に保持されていると判断された場合にのみ行われる処理である。
このステップS22で、CPU5は、パッケージメディア100に対して、メディア上のデータ位置情報(表1参照)である、読み出すべき対象ファイル名、又は対象トラック・セクタなどの情報で読み出す対象ファイルを指定する。この指定の後に、ステップS23において指定フラグをセットし、対象ファイルに関する情報をパッケージメディア復調器6へ指示し、上記ステップS12からの処理を再び行う。
なお、上記ステップS18の判断結果で対象ディスクが保持されていないとされている場合、換言すれば、ステップS20の処理が否定的であって一致フラグがセットされていないと判断された場合に、CPU5は、このステップS22の処理を行うことなく、上記ステップS12からの処理を行う。
ステップS26は、ステップS22により読出対象ファイルが指定され、パッケージメディア復調器6へ指示済みの場合にのみ行われる処理である。このため、ステップS26の処理に先立ち、ステップS24において、ステップS23の処理での指定フラグがセットされているかどうかが判断され、セットされている場合には、ステップS25の処理でこの指定フラグをリセットし、ステップS26の処理に進む。
このステップS26で、CPU5は、パッケージメディア復調器6に対して、指定された対象ファイルの読み出し開始を指示する。この読み出し開始は、メインメモリ4に保持されている受信データDR内の開始終了制御情報(表1参照)である上記実行開始指示情報に従って行われる。そして、このステップS26の対象ファイルの読出処理を実行した後、CPU5は、結合子1で示す図7のステップS27の処理に進む。
なお、上記ステップS22において対象ファイルが特定されていなく、パッケージメディア復調器6への対象ファイルの読み出し指示がなされていないとされている場合、換言すれば、ステップS24の判断処理においてステップS23での指定フラグがセットされていないと判断された場合には、CPU5は、このステップS26の処理を行うことなく、ステップS24の判断が否定的であるとして、上記ステップS12からの処理を行う。
次に、ステップS27でCPU5は、パッケージメディア復調器6でパッケージメディア100から読み取った対象ファイルを受け取り、メインメモリ4上に保持する。
続くステップS28において、CPU5は、メインメモリ4上に置いた対象ファイル内を単位データ毎に読み出し、当該読み出した対象ファイルが画像音声データかプログラムデータかの判定を行う。ここで、CPU5は、画像音声データの場合にはステップS29へ進み、また、プログラムデータの場合にはステップS30へ進む。
ステップS29では、CPU5は、画像音声データデコーダソフトにより当該画像音声データをデコードし、このデコードしたデータをオーディオビデオプロセッサ7へ転送する。オーディオビデオプロセッサ7は、このデコードされたデータをテレビジョン受像機101等の画像音声等出力機器等へ出力する。このようにして、受信データDRにより指定されたIDを有する記録媒体であるパッケージメディア100に記録されている所定のデータを再生することができる。換言すれば、受信データDRの受信後にリアルタイムに、この受信データDRにより指定された所定のデータを再生することができる。
一方、上記ステップS30では、CPU5は、このプログラムデータによるプログラムを実行し、たとえば、このプログラムの指示に応じて各種デバイスの制御等を行う。なお、このステップS30の処理の具体例については、図8および図9を用いて後で詳しく説明する。
一方、上記ステップS29の処理を行った後、CPU5はステップS31に進む。ステップS31では、CPU5は、メインメモリ4上に読み込んである対象ファイル(指定ファイル)の最後(EOF)まで読み終わっているか否かを判別する。ここで、CPU5は、メインメモリ4上においたファイルの最後(EOF)まで読み終わっていることを確認した場合には、再び結合子2で示す上記ステップS12(図6参照)からの処理を行い、また、メインメモリ4上においたファイルの最後(EOF)まで読み終わっていないことを確認した場合には、上記ステップS28からの処理を行う。
また、上記ステップS30の処理を行った後、CPU5は、結合子3で示すステップS13以降の処理を行う。
図8は、ステップS30の処理の一例(例1)を示し、パッケージメディア100に格納されていたデータ・プログラム内の指示により、パッケージメディア100からのデータ・プログラムによる処理・実行の制御が、受信データによる処理・実行の制御に移行する際の説明に供されるフローチャートである。
ビデオゲーム装置1は、図8に示すように、ステップS41において、メインメモリ4内のプログラム(もともとは、パッケージメディア100に記録されていて、ステップS26およびステップS27の処理によりメインメモリ4に読み込まれて、コピーされているプログラムであり、符号をPaとする。)をCPU5の読み取り単位毎に実行する。
続いて、ステップS42において、CPU5は、割り込み等を契機として、通信データ復調器3から受け取った受信データDRをメインメモリ4に保持する。
そして、CPU5は、ステップS43において、メインメモリ4内の上記プログラムPa内に、当該プログラムPaの停止指示が存在するかどうかを監視する。
停止指示が存在しない場合には、ステップS41以降の処理を継続して実行する。
一方、ステップS43の判断処理において、プログラムPaに停止指示が存在していた場合には、この図8例のステップS30の処理を終了して、結合子3で示すステップS13の処理にもどる。
このようにして、ビデオゲーム装置1は、パッケージメディア100に記録されていたプログラムPaによる制御処理から再びステップS13以降の受信データDRによる制御処理に移行することができる。
図9は、ステップS30の処理の他の例(例2)を示し、受信データDRに含まれた指示により、パッケージメディア100からのデータ・プログラムによる処理・実行の制御が、受信データDRによる処理・実行の制御に移行する際の説明に供されるフローチャートである。
図9のステップS61において、ビデオゲーム装置1は、ステップS41の処理と同様に、ステップS26およびステップS27の処理によりメインメモリ4内に保持されている上記プログラムPaをCPU5の読み取り単位毎に実行する。
続いて、ステップS62において、CPU5は、ステップS42の処理と同様に割り込み等を契機として、通信データ復調器3から受信データDRを受け取り、この受け取った受信データDRをメインメモリ4に保持する。
そして、CPU5は、ステップS63において、ステップS43と同様にメインメモリ4内の上記プログラムPa内に、当該プログラムPaの停止指示が存在するかどうかを監視する。
停止指示が存在しない場合には、ステップS61以降の処理を継続して実行する。
一方、ステップS63の判断処理において、プログラムPaに停止指示が存在していた場合、プログラムPaをその時点で一旦停止し、次のステップS64では、ステップS62で受信している受信データDRの中、特殊データDSを処理する。
次に、ステップS65では、この特殊データDS中に上記開始終了制御情報(表1参照)に係る実行終了指示情報又は強制終了指示情報があるか否かを判別することで、パッケージメディア100から読み込んだプログラムPaによる制御を中止するか否かを判断する。
このステップS65においてCPU5は、上記実行終了指示情報、強制終了指示情報が共にないことを確認した場合には、再び上記ステップS61からの処理により、ステップS63で一旦停止したプログラムPaをその停止箇所の次から続行する。
一方、ステップS65の判断処理において、上記実行終了指示情報又は強制終了指示情報があることを確認した場合には、次のステップS66に進む。
ステップS66では、CPU5は、上記実行終了指示情報又は強制終了指示情報に従い、メインメモリ4のパッケージメディア100から読み込んだプログラムPaを含む実行ファイルによる制御処理を中止し、識別子3で示すステップS13以降の制御処理に移行する。
このようにして、ビデオゲーム装置1は、プログラムPaの実行中に、該プログラムPa内の停止指示を検出したとき(ステップS63)、該プログラムPaの実行を一旦停止して、前記受信データDRの再生を実行し(ステップS64)、再生した受信データDR中に、前記プログラムPaの実行を終了する指示が存在しているかどうかを確認し(ステップS65)、プログラムPaの実行を終了する指示が存在していた場合には、ステップS63で停止しているプログラムPaの実行を終了させ(ステップS66)、再びステップS13以降の受信データDRによる制御処理に移行し、プログラムPaの実行を終了する指示が存在していなかった場合には、ステップS63で停止しているプログラムPaの実行を再開させることができる。
以上のように動作するビデオゲーム装置1は、以下に説明する種々の効果を有する。
まず、放送局11からアンテナ14を介して放送され、アンテナ2および通信データ復調器3を通じて復調した受信データDRに含まれる画像音声データDAVによりテレビジョン受像機101上で画像音声等を再生することができる(ステップS12〜S14の処理)。
次に、受信データDR中のデータ制御情報である特殊データDSの内容を解釈して、自己が保持しているパッケージメディア100の中から所定のファイル(データ・プログラム)を読み込んで、該ビデオゲーム装置1で実行することができる。
たとえば、前記所定のファイル中の画像音声データに基づく画像音声出力と(ステップS12の処理)、所定ファイル中のプログラムPaを実行することができる(ステップS30)。
この所定ファイルのプログラムPaの実行中にも、受信データDRを受け取りメインメモリ4に保持することができる(ステップS42の処理)。
一方、所定ファイルのプログラムPaの実行中、このプログラムPaの中に、プログラムPa自身の停止指示があった場合、プログラムPaを停止し(ステップS43の判断が肯定的な場合)、換言すれば、パッケージメディア100から読み出したプログラムPaによる制御処理を停止し、制御処理を、再び、ステップS13以降の受信データに基づく処理に移行させることができる。
すなわち、この一連の処理では、パッケージメディア100から読み込んだデータ・プログラムPaによる実行制御を、同データ・プログラムPaの指示(ステップS43)により、制御を受信データDRの実行・再生に移すことができる(パッケージメディア100による移行制御指示という。)。
一方、通信による受信データDRの指示により(ステップS65の判断が肯定的である場合)、パッケージメディア100から読み出したデータ・プログラムの実行に移った制御を受信データDRの実行・再生に移行させることができる(これを受信データDRによる移行制御指示という。)。
以上説明した放送システムを活用することにより、次のようなことを実現することができるようになる。
たとえば、従来からゲームソフト等は発売日が決定されている。このため、ユーザが、いち早くゲームソフトを手に入れたい場合には、発売日当日に玩具店、量販店等でゲームソフトを購入しなければならなかった。一方、各店頭でのその発売時間に関しては、全国一斉であるとはいえない場合もある。
しかし、上述のような放送システムに対応させたソフトを販売することにより、ユーザのゲームソフトの購入日が異なっても、上述したような全国一斉に販売したと同様な効果を得ることが可能になる。
すなわち、図10に示すデータ送受信システムのように、テレビジョン受像機101や受信用のアンテナ2が接続されたビデオゲーム装置1を有する各ユーザは、ゲームプログラム等が記録されているパッケージメディア100を購入する。そして、所定の日時に各ユーザは、パッケージメディア100を装着したそれぞれのビデオゲーム装置1を起動させて待機する。
一方、放送局11により、所定の日時にゲームプログラムを起動させるためのデータ制御情報の放送、換言すれば、送信データDTの送信がアンテナ14を介して行われる。
各ビデオゲーム装置1におけるゲームプログラムの実行は、この放送によって送信されてくるデータ制御情報(表1参照)の受信、具体的には、記録媒体のIDである指定ディスク番号の受信により開始される。これにより、それぞれがデータ受信装置である複数のビデオゲーム装置1が、略同時に特定のIDを有するパッケージメディア100に記録されているプログラムの実行あるいはデータ処理を行うことが可能となり、発売日当日に店舗に行かなくても、これまでと同様に発売日にユーザが購入するのと同様な効果を得ることができる。
また、図11に示すデータ送受信システムにより、全国一斉的に行う模擬テスト等を実現することもできる。手順は次のようになる。
このデータ送受信システムは、1つの放送局11と、それぞれがデータ受信装置としての機能を有する複数のパーソナルコンピュータ1aから構成されている。パーソナルコンピュータ1aは、本体部、モニター、入力装置であるキーボードやマウスおよび必要に応じてプリンタ等を備えて構成されている。
まず、ユーザは、この模擬テストのプログラムが記録されているパッケージメディア100を購入する。そして、模擬テスト当日所定の時刻に、ユーザは、パッケージメディア100を装着したパーソナルコンピュータ1aを起動させて待機する。この場合、パーソナルコンピュータ1aは、模擬テスト実行補助装置として機能する。
一方、放送局11により、所定の日時に、パッケージメディア100に記録されている上記模擬テストのプログラムを起動させるためのデータ制御情報の放送(送信データDTの送信)が行われる。
模擬テストの開始は、この放送によって送信されてくるデータ制御情報(表1参照)に基づき、パッケージメディア100から読み出されて起動される模擬テストプログラムの実行により開始される。
以上のような手順によって、全国一斉的に模擬テストを開始することが実現できるようになる。
なお、この模擬テストが終了した後は、自由にプログラムを実行できるようにしておくことによって、模擬テストの復習用のソフトとしても使用できるようになる。
また、同一のパッケージメディア100に各学年に対応される模擬テストのプログラムを記録しておくことにより、一つのパッケージメディア100を提供するだけで各学年の模擬テストを実行させることも可能になる。
もちろん、模擬テストはパーソナルコンピュータ1aばかりでなく、ビデオゲーム装置1で行うことも可能であり、その他の情報処理装置により行うことも可能である。
以上説明したように、本発明を適用した放送システムは、通信のリアルタイム性とパッケージメディアのインタラクティブ性を併せ持ったソフトウエアコンテンツ(例えば、エンタテインメントソフトウエア)の提供が可能になる。
また、通信の同時性とパッケージメディアのインタラクティブ性を併せ持ったソフトウエアコンテンツ(例えば、同時進行ゲーム)の提供が可能になる。
さらに、通信では経済的でない大容量データを予めパッケージメディアに入れることで、メディアの特性を活かしたソフトウエアコンテンツの提供が可能になる。例えば、ニュース放送とリンクしたディスク版会社四季報のような出版物、TVショッピングのカタログをパッケージメディアで提供し、放送で該当商品を表示するサービス、教科書をパッケージメディアで提供し、放送でパッケージメディアの制御をしながら行うオンライン教育サービスなどが可能になる。
次に、ビデオゲーム装置1の具体例として、図12〜図19には、エンタテインメントシステムを示している。ここで、ビデオゲーム装置1は、ビデオゲーム装置301としてエンタテインメントシステムを構成している。
エンタテインメントシステムは、図10および図11に示すように、ビデオゲーム装置301と、このビデオゲーム装置301に着脱可能とされて、当該ビデオゲーム装置301との間でデータの通信を行う携帯用電子機器400と、使用者による操作入力をビデオゲーム装置301に送るコントローラ320とから構成される。
このエンタテインメントシステムにおいて、ビデオゲーム装置301は親機として構成され、携帯用電子機器400はその子機として構成されている。例えば、このエンタテインメントシステムでは、ビデオゲーム装置301が、CD−ROM等の記録媒体に記録されているゲームプログラムを実行する手段として構成される。そして、ビデオゲーム装置301は、放送によって送信されてくるデータを受信するためのデータ受信機能を有しており、本例では、携帯用電子機器400も、放送によって送信されてくるデータの受信を行うデータ受信機能を有している。
上記ビデオゲーム装置301は、記録媒体に記録されているアプリケーションプログラムを読み出して、使用者(ゲームプレイヤ)からの指示に応じて実行するためのものである。例えば、ゲームの実行により、主としてゲームの進行、表示、および音声制御を行う。
ビデオゲーム装置301の本体302は、ほぼ四角形状の筐体に収容されており、その中央部にビデオゲーム等のアプリケーションプログラムを供給するための記録媒体であるCD−ROM等の光ディスクが装着されるディスク装着部303と、ビデオゲームを任意にリセットするためのリセットスイッチ304と、電源スイッチ305と、上記光ディスクの装着を操作するためのディスク操作スイッチ306と、2つのスロット部307A,307Bとを備えている。
なお、ビデオゲーム装置301は、アプリケーションプログラムを記録媒体から供給されるのみならず、通信回線を介して供給されるようにも構成されている。例えば、放送回線等の通信回線からのデータ受信が可能なように構成されている。
スロット部307A,307B中、スロット308A、308Bには、上記携帯用電子機器400を接続することができ、スロット309A、309Bには、コントローラ320を接続することができる。
コントローラ320は、第1、第2の操作部321,322と、Lボタン323L,Rボタン323Rと、スタートボタン324と、選択ボタン325と、アナログ的操作が可能な操作部331,332と、この操作部331,332の操作モードを選択するモード選択スイッチ333と、選択された操作モードを表示するための表示部334とを有している。また、図示していないが、コントローラ320の内部には、振動付与機構が設けられている。この振動付与機構は、例えば、ビデオゲームの進行等に応じて当該コントローラ320に振動を付与する。このコントローラ320は、接続部326によって本体302のスロット部307Bに電気的に接続されている。
例えば、上記スロット部307A,307Bに2つのコントローラ320を接続することにより、2人の使用者がこのエンタテインメントシステムを共有することができ、すなわち、例えば、対戦ゲーム等を行うことができる。なお、スロット部307A、307Bはこのように2系統に限定されるものではない。
上記携帯用電子機器400は、図14〜図16に示すように、ハウジング401を有して構成され、各種情報入力のための操作部420と、液晶表示装置(LCD)等からなる表示部430と、ワイヤレス通信手段により例えば赤外線によるワイヤレス通信を行うための窓部440とが設けられている。
ハウジング401は、上シェル401aおよび下シェル401bからなり、メモリ素子等を搭載した基板を内部に収納している。このハウジング401は、ビデオゲーム装置301の本体302のスロット部307A,307Bに挿入可能な形状とされている。
上記窓部440は、略々半円形状に形成されたハウジング401の他端部分に設けられている。表示部430は、ハウジング401を構成している上シェル401aに略々半分の領域を占めて、窓部440の近傍に位置して設けられている。
操作部420は、イベント入力や各種選択等を行うための1個又は複数個の操作子421,422を有しており、上記窓部440と同様に上シェル401aに形成されて、そして、当該窓部440の反対側とされ略々半分の領域を占めて設けられている。そして、この操作部420は、ハウジング401に対して回動可能に支持された蓋部材410上に構成されている。ここで、操作子421,422は、この蓋部材410の上面側より下面側に亘ってこの蓋部材410を貫通して配設されている。そして、これら操作子421,422は、蓋部材410の上面部に対して出没する方向に移動可能なように当該蓋部材410によって支持されている。
携帯用電子機器400は、ハウジング401内であって蓋部材410の配設位置に対向する位置に配設される基板を有し、さらにその基板上にスイッチ押圧部を設けている。スイッチ押圧部は、蓋部材410が閉蓋された状態において、各操作子421,422の位置に対応する位置に設けられている。これにより、各操作子421,422が押圧されると、上記スイッチ押圧部が例えばダイヤフラムスイッチの如き押圧スイッチを押圧する。
このように蓋部材410に操作部420等が形成されてなる携帯用電子機器400は、図13に示すように、上記蓋部材410が開かれた状態でビデオゲーム装置301の本体302に装着される。
以上のようにビデオゲーム装置301および携帯用電子機器400の外観が構成されている。図17〜図19には、このビデオゲーム装置301および携帯用電子機器400の回路構成等を示している。
ビデオゲーム装置301は、図17に示すように、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit )351およびその周辺装置等からなる制御系350と、フレームバッファ363に描画を行う画像処理装置(GPU:Graphic Processing Unit )362等からなるグラフィックシステム360と、楽音,効果音等を発生する音声処理装置(SPU:Sound Processing Unit)等からなるサウンドシステム370と、アプリケーションプログラムが記録されている光ディスクの制御を行う光ディスク制御部380と、使用者からの指示が入力されるコントローラ320からの信号およびゲームの設定等を記憶するメモリカード500や携帯用電子機器400からのデータの入出力を制御する通信制御部390と、上記の各部が接続されているバス395と、他の機器とのインターフェース部を構成するパラレルI/Oインターフェース(PIO)396と、シリアルI/Oインターフェース(SIO)397と、放送データの受信処理等を行う通信データ処理部398とを備えている。
上記制御系350は、CPU351と、割り込み制御やダイレクトメモリアクセス(DMA:Direct Memory Access)転送の制御等を行う周辺装置制御部352と、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)からなるメインメモリ(主記憶装置)353と、リードオンリーメモリ(ROM:Read Only Memory)354とを備えている。
ここで、このビデオゲーム装置301のCPU351、メインメモリ353、グラフィックシステム360およびサウンドシステム370、光ディスク制御部380、および通信データ処理部398は、それぞれ上述したビデオゲーム装置1のCPU5、メインメモリ4、オーディオビデオプロセッサ7、パッケージメディア復調器6、および通信データ復調部3に対応している。
上記メインメモリ353は、各種データが記憶される記憶手段として構成されている。このメインメモリ353は、上述したビデオゲーム装置1のメインメモリ4に対応するものであって、すなわち、受信データ、パッケージメディアから読み込んだプログラムおよびデータ等が記憶される。
上記ROM354は、メインメモリ353、グラフィックシステム360、サウンドシステム370等の管理を行う、いわゆる、オペレーティングシステム等の各種プログラムが格納される記憶手段として構成されている。
上記CPU351は、ROM354に記憶されているオペレーティングシステムを実行することにより、このビデオゲーム装置301の全体を制御するものである。
このCPU351は、上述したビデオゲーム装置1のCPU5に対応するものであって、すなわち、例えば、受信したデータ内に付加されているデータ制御情報に基づいてメインメモリ353に保持されているアプリケーションプログラム等のデータの処理を制御するデータ処理制御機能を有する。
このCPU351は、電源が投入されると、ブートシーケンスによりROM354に記憶されているオペレーティングシステムを実行し、上記グラフィックシステム360、サウンドシステム370等の制御を開始する。例えば、オペレーティングシステムが実行されると、CPU351は、動作確認等のビデオゲーム装置301の全体の初期化を行った後、上記の光ディスク制御部380を制御して、光ディスクに記録されているアプリケーションプログラムを実行する。このアプリケーションプログラムの実行により、CPU351は、使用者からの入力に応じて上記のグラフィックシステム360、サウンドシステム370等を制御して、画像の表示、効果音、楽音の発生を制御する。
上記グラフィックシステム360は、座標変換等の処理を行うジオメトリトランスファエンジン(GTE:Geometry Transfer Engine)361と、CPU351からの描画指示に従って描画を行うGPU362と、このGPU362により描画された画像を記憶するフレームバッファ363と、離散コサイン変換等の直交変換により圧縮されて符号化された画像データを復号する画像デコーダ364とを備えている。
上記GTE361は、例えば複数の演算を並列に実行する並列演算機構を備え、上記CPU351からの演算要求に応じて座標変換,光源計算,行列或いはベクトル等の演算を高速に行うことができる。具体的には、このGTE361は、例えば1つの三角形状のポリゴンに同じ色で描画するフラットシェーディングを行う演算の場合では、1秒間に最大150万程度のポリゴンの座標演算を行うことができるようになっており、これによって、このビデオゲーム装置301では、CPU351の負荷を低減するとともに、高速な座標演算を行うことができる。
また、上記GPU362は、CPU351からの描画命令に従って、フレームバッファ363に対して多角形(ポリゴン)等の描画を行う。このGPU362は、1秒間に最大36万程度のポリゴンの描画を行うことができる。
さらに、上記フレームバッファ363は、いわゆるデュアルポートRAMからなり、GPU362からの描画或いはメインメモリ353からの転送と、表示のための読み出しとを同時に行うことができる。このフレームバッファ363は、例えば1Mバイトの容量を有し、それぞれ16bitの、横が1024画素、縦が512画素からなるマトリックスとして扱われる。
また、このフレームバッファ363には、ビデオ出力として出力される表示領域の他に、GPU362がポリゴン等の描画を行う際に参照するカラールックアップテーブル(CLUT:Color Lock Up Table)が記憶されるCLUT領域と、描画時に座標変換されてGPU362によって描画されるポリゴン等の中に挿入(マッピング)される素材(テクスチャ)が記憶されるテクスチャ領域が設けられている。これらのCLUT領域とテクスチャ領域は、表示領域の変更等に従って動的に変更されるようになっている。
上記画像デコーダ364は、上記CPU351からの制御により、メインメモリ353に記憶されている静止画或いは動画の画像データを復号してメインメモリ353に記憶する。ここで再生された画像データは、GPU362を介してフレームバッファ363に記憶することにより、上記GPU362によって描画される画像の背景として使用することができる。
上記サウンドシステム370は、CPU351からの指示に基づいて、楽音,効果音等を発生するSPU371と、このSPU371により、波形データ等が記録されるサウンドバッファ372と、SPU371によって発生される楽音,効果音等を出力するスピーカ373とを備えている。
上記SPU371は、例えば16bitの音声データを4bitの差分信号として適応予測符号化(ADPCM:Adaptive Differential PCM)された音声データを再生するADPCM復号機能と、サウンドバッファ372に記憶されている波形データを再生することにより、効果音等を発生する再生機能と、サウンドバッファ372に記憶されている波形データを変調させて再生する変調機能等を備えている。
上記サウンドシステム370は、CPU351からの指示によってサウンドバッファ372に記録された波形データに基づいて楽音,効果音等を発生する、いわゆるサンプリング音源として使用することができる。
上記グラフィックシステム360およびサウンドシステム370は、上述したビデオゲーム装置1のオーディオビデオプロセッサ7に対応するものであって、すなわち、画像、音声を画像音声等出力機器から出力するための処理を行う部分として構成されている。
上記光ディスク制御部380は、CD−ROM等の光ディスクに記録されたアプリケーションプログラムやデータ等を再生する光ディスク装置381と、例えばエラー訂正符号(ECC:Error Correction Code )が付加されて記録されているプログラム,データ等を復号するデコーダ382と、光ディスク装置381からのデータを一時的に記憶することにより、光ディスクからのデータの読み出しを高速化するバッファ383とを備えている。上記デコーダ382には、サブCPU384が接続されている。
この光ディスク制御部380は、上述したビデオゲーム装置1のパッケージメディア復調器6の機能を有して構成されている。すなわち、光ディスク制御部380は、パッケージメディア100とされる光ディスクに記録されているアプリケーションプログラムや画像データを復調処理等して読み出す機能を有している。
なお、光ディスク装置381で読み出される、光ディスクに記録されている音声データとしては、上述のADPCMデータの他に音声信号をアナログ/デジタル変換したいわゆるPCMデータがある。ここで、ADPCMデータとして、例えば16bitのデジタルデータの差分を4bitで表わして記録されている音声データは、デコーダ382で復号された後、上記SPU371に供給され、SPU371でデジタル/アナログ変換等の処理が施された後、スピーカ373を駆動するために使用される。また、PCMデータとして、例えば16bitのデジタルデータとして記録されている音声データは、デコーダ382で復号された後、スピーカ373を駆動するために使用される。
上記通信制御部390は、バス395を介してCPU351との通信の制御を行う通信制御機391を備え、使用者からの指示を入力するコントローラ320が接続されるコントローラ接続部309(スロット309Aまたは309Bに接続される。)と、ゲームの設定データ等を記憶する補助記憶装置としてメモリカード500や携帯用電子機器400が接続される図13に示すメモリカード挿入部308A,308B(スロット308A,308Bに挿入されるので、同一の符号を用いている。)の通信制御を行う通信制御機391に設けられている。
上記通信データ処理部398は、図示していないアンテナ等によって受信された情報の受信処理を行う機能を有して構成され、具体的には、上述したビデオゲーム装置1の通信データ復調器3の機能を有して構成されている。すなわち、通信データ処理部398は、放送局から放送される送信データを復調処理等して受信する。
携帯用電子機器400については、図18に示すように、制御手段441、接続コネクタ442、入力手段443、表示手段444、時計機能部445、不揮発メモリ446、スピーカ447、データの送受信手段としてのワイヤレス通信手段448および無線受信手段449、電池450、並びに蓄電手段を構成する電源端子451およびダイオード452を備えて構成されている。
上記制御手段441は、例えばマイクロコンピュータ(図中ではマイコンと略記する。)を用いて構成されている。そして、制御手段441は、その内部にはプログラム格納手段であるプログラムメモリ部441aを有している。
上記接続コネクタ442は、他の情報機器等のスロットに接続するための接続手段として構成されている。例えば、接続コネクタ442は、上記ビデオゲーム装置301との間でデータの送受信を行うデータ通信機能を有して構成されている。
この入力手段443は、格納されたプログラムを操作するための操作ボタン等から構成される。
表示手段444は、種々の情報を表示する表示手段である液晶表示装置(LCD)等を備えて構成されている。
上記時計機能部445は、時刻表示をするように構成されており、例えば、上記表示手段444への時刻表示を行う。
上記不揮発メモリ446は、各種データを記憶するための素子である。例えば、不揮発メモリ446は、フラッシュメモリのように電源を切っても記録されている状態が残る半導体メモリ素子が用いられる。
なお、この携帯用電子機器400は、上記電池450を備えているので、不揮発メモリ446としてデータを高速に入出力できるスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)を用いることもできる。
また、携帯用電子機器400は、電池450を備えていることにより、ビデオゲーム装置301の本体302のスロット部307A,307Bから抜き取られた状態でも単独で動作することが可能となる。
上記電池450は、例えば、充電可能な2次電池である。この電池450は、携帯用電子機器400がビデオゲーム装置301のスロット部307A,307Bに挿入されている状態において、ビデオゲーム装置301から電源が供給される。この場合、電池450の接続端には、電源端子451が逆流防止用ダイオード452を介して接続されており、ビデオゲーム装置301の本体302の接続をした際に、電源供給がなされる。
上記ワイヤレス通信手段448は、赤外線等により、他のメモリカード等との間でデータ通信を行う部分とされて構成されている。
上記無線受信手段449は、アンテナや復調回路等を有して構成される部分であって、すなわち、無線放送によって送信されてくる各種データを受信する部分として構成されている。
上記スピーカ447は、プログラム等に応じて発音する発音手段として構成されている。
なお、上記の各部は、いずれも制御手段441に接続されており、制御手段441の制御に従って動作する。
図19には、制御手段441の制御項目を示している。制御手段441は、この図19に示すように、情報機器への本体接続インターフェースと、メモリにデータを入出力するためのメモリインターフェースと、表示インターフェースと、操作入力インターフェースと、音声インターフェースと、ワイヤレス通信インターフェースと、時計管理と、プログラムダウンロードインターフェースとを備えている。
以上のようなビデオゲーム装置301および携帯用電子機器400によりエンタテインメントシステムは構成されている。
ビデオゲーム装置301は、上述した構成により、光ディスク制御部380に装着されている光ディスクに記録されているゲームプログラムに基づいてビデオゲームを実行させることができる。
そして、このビデオゲーム装置301は、放送局11から放送されてくる送信データに付加されているデータ制御情報に基づいて、自己が保持している光ディスクのプログラム等を起動させることができる。さらに、ビデオゲーム装置301は、この起動したプログラムに応じて、受信データに含まれている画像音声データ等の処理を行うことができる。
また、携帯用電子機器400は、上述した構成により、実行されるプログラムを操作するためのボタンスイッチ等の入力手段443、液晶表示装置(LCD)等を用いる表示手段444を備えることにより、ゲームアプリケーションを動作させる携帯型ゲーム装置としての機能も有している。
また、この携帯用電子機器400は、アプリケーションプログラムを、ビデオゲーム装置301からプログラムをダウンロードして、マイクロコンピュータ411内のプログラムメモリ部441aに格納する機能を有しており、これにより、当該携帯用電子機器400上で動作するアプリケーションプログラムや各種のドライバソフトを容易に変更することができる。
なお、この携帯用電子機器400もビデオゲーム装置301が有するような機能、すなわち、放送局11から放送されくる送信データに付加されているデータ制御情報に基づいて、自己が保持しているプログラム等を起動等させることもできる。この場合、携帯用電子機器400のマイクロコンピュータ411が上述したビデオゲーム装置1のCPU5と同様な機能として、例えば、受信したデータ内に付加されている特殊データ(データ制御情報)DSに基づいてプログラムメモリ部441aが保持しているアプリケーションプログラム等のデータの処理を制御するデータ処理制御機能を有する。
これにより、携帯用電子機器400についても、放送局11から放送されくる送信データ内の特殊データ(データ制御情報)DSに基づいて、自己が保持しているプログラム等を起動等させることができる。
なお、この発明は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
また、記録媒体からのプログラムによる制御中に、受信データの指示により、制御を受信データの再生処理に移行することができる。
さらに、記録媒体からのプログラムによる制御中に、プログラムの実行の停止と再開を受信データの内容により制御することができる。
さらにまた、それぞれ記憶媒体の読出手段を有する複数のデータ受信装置は、受信データにより指定される記録媒体のIDが読出装置により読出処理がなされる記録媒体のIDと一致した場合に、読出装置により記録媒体からプログラムおよび(または)データを読み出し、略同時に前記プログラムおよび(または)データによる実行を開始することができる。
ここで、データ受信装置としては、ビデオゲーム装置やパーソナルコンピュータを含む装置とすることができる。
さらに、この発明のデータ送信装置では、送信データに、特定の記録媒体のIDが含まれるようにしているので、この送信データを受信した装置では、特定の記録媒体のIDに関連した制御処理を行うことができる可能性が得られる。
このように、この発明によれば、リアルタイム性と同時性を有する通信データにより提供される世界と、インタラクティブ性を持つ記録媒体の世界を自在に移動することのできる新しいソフトウエアコンテンツを実現することができる。
換言すれば、通信のリアルタイム性とパッケージメディア等の記録媒体のインタラクティブ性を併せ持ったソフトウエアコンテンツ(たとえば、エンタテインメントソフトウエア)の提供が可能となる。
また、通信の同時性と記録媒体のインタラクティブ性を併せ持ったソフトウエアコンテンツ(たとえば、同時進行ゲーム)の提供が可能となる。すなわち、通信で受信したデータにより、物理的に離れた場所に位置する複数のコンピュータやビデオゲーム装置の記録媒体のプログラムおよび(または)データを同時に実行させることができる。
さらに、この発明によれば、通信で伝達するには経済的でない大容量データを予めCD−ROM、DVD等の記録媒体に記録しておくことで、各メディア(ここでは通信メディアと記録メディア)の特性を生かしたソフトウエアコンテンツの提供が可能となる。たとえば、ニュース放送とリンクしたディスク版会社四季報のような出版物、TVショッピングのカタログを記録媒体で提供し、放送により該当商品を表示するサービスや、教科書を記録媒体で提供し、放送で記録媒体の制御をしながら行うオンライン教育サービスなどが可能となる。