JP4784395B2 - 押釦スイッチ - Google Patents

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Description

本発明は、通信機器等の入力キーに用いられる押釦スイッチに関する。
従来の押釦スイッチは、基板上に櫛歯状に突出した正負2極の対向電極で固定接点を形成し、これに、スカート部に弾性支持された導電インクからなる可動接点を隙間を介して対向配置し、キートップ部の押下操作によりスカート部を弾性変形させ、2つの対向電極に可動接点を接触させて正負2極の対向電極間を導通させている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−224564号公報(主に第4頁段落0015−0017、第5頁段落0026、第1図)
しかしながら、上述した従来の技術においては、基板上に櫛歯状に突出させた2つの対向電極に、可動接点を接触させて対向電極間を導通させているため、キートップ部が斜め傾いた状態で押下された場合には、可動接点に傾きが生じて可動接点が一方の対向電極にのみ接触して停止し、正負2極の対向電極間に導通不良が生ずるという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、固定接点の正負2極を可動接点で確実に導通させる手段を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、基板上に形成された正負2極の固定接点と、該固定接点に隙間を介して対向し、前記正負2極の固定接点間を導通させる可動接点とを備えた押釦スイッチにおいて、前記可動接点は、前記固定接点との対向面が矩形形状の可動接点パターンを有し、前記固定接点は、前記可動接点パターンを内包する矩形状の固定接点形成領域に形成された第1および第2の固定接点パターンを有し、第1の固定接点パターンは、2つの延在部を接続部でコの字状に接続して形成され、互いの向きを逆にして交互に配置されたコの字状電極と、該隣合うコの字状電極の延在部の間を導通させる導通配線とで形成され、第2の固定接点パターンは、前記コの字状電極の開放端に対向配置された対向部と、前記コの字状電極の内側の接続部に向けて前記対向部から突出する突出部とでT字状に形成されたT字状電極と、該隣合うT字状電極の対向部の端部の間を接続し、前記向きを逆にして交互に配置されたコの字状電極の間に配置された連結電極とで形成されていることを特徴とする。
これにより、本発明は、第1の固定接点パターンと第2の固定接点パターンとで形成される正負2極を配列方向に交互に配置することができ、可動接点が傾いた状態で押下されたとしても、その可動接点を線接触により固定接点の第1および第2の固定接点パターンに確実に接触させることができ、固定接点の正負2極を可動接点で確実に導通させることができるという効果が得られる。
以下に、図面を参照して本発明による押釦スイッチの実施例について説明する。
図1は実施例1の押釦スイッチの断面を示す説明図、図2は図1のA−A断面を示す説明図、図3は実施例1の固定接点パターンの上面を示す説明図である。
なお、図1は図3に示すB−B断面線に沿った断面を示してある。
図1、図2において、1は押釦スイッチである。
2は基板であり、ガラスエポキシ樹脂等の絶縁材料で形成され、図示しないケース等にねじ等で固定される。
4はキートップ部であり、合成ゴムやシリコン樹脂等の弾性材料で形成された直方体状部材であって、その基板2側の面にはカーボン(C)等の導電材料で形成された可動接点5が形成されている。
本実施例の可動接点5は、基板2側の面に塗布されたカーボンにより図3に2点鎖線で示す矩形状の可動接点パターン6の形状に形成されている。
8はスカート部であり、キートップ部4の周囲にキートップ部4と一体に形成された薄肉部であって、そのキートップ部4との反対側には、基板2に取付けられた枠状の支持部9が一体に形成されており、キートップ部4および可動接点5を弾性支持すると共に、キートップ部4の押下時にクリック感を生じさせる機能を有している。
11は固定接点であり、基板2上に金(Au)や銅(Cu)等の導電材料で形成され、隙間を介して可動接点5と対向配置された接点である。
本実施例の固定接点11は、図3に示すように、可動接点パターン6の矩形形状を内包する矩形状の固定接点形成領域11aに形成された正負2極の第1の固定接点パターン12a、および第2の固定接点パターン12bで構成され、その一の極(例えば正極)を構成する第1の固定接点パターン12aは、2つの平行に配置された延在部14aの端部を接続部14bで接続してコの字状に形成されたコの字状電極14(図3にハッチングを付して示す。他の図において同じ。)を互い開放端の向きを逆にして交互に配置し、それぞれのコの字状電極14間を互いに導通配線15で導通させて形成される。
他の極(例えば負極)を構成する第2の固定接点パターン12bは、コの字状電極14の開放端に対向配置された対向部17aおよびコの字状電極14の内側を対向部17aから接続部14bに向けて突出する突出部17bでT字状に形成されたT字状電極17と、隣合うT字状電極17の対向部17aの端部の間を接続すると共に、向きを逆にして交互に配置されたコの字状電極14の間に配置された連結電極18とで形成される。
本実施例の導通配線15は、第1の固定接点パターン12aの隣合う2つのコの字状電極14の延在部14a下の基板2にそれぞれ形成されたスルーホールに導電材料を埋込んで形成されたスループラグ15aを、基板2の固定接点11の形成面の反対側の面(裏面2bという。)に形成された配線である別層パターン15bで接続して形成され、第2の固定接点パターン12bの連結電極18下を潜って第2の固定接点パターン12bとのショートを防止しながらコの字電極14間を導通させる機能を有している。
上記のコの字状電極14の配列方向(図3に示すB−B断面線の方向をいう。以下単に配列方向という。)の両端部においては、そこに配置されたコの字状電極14の一方の延在部14aが配列方向に直交する方向の中央部まで短縮された状態で形成され、この短縮された延在部14aの端面に、その端面に向けてT字状電極17の対向部17aの端部から伸張する伸張電極19の端面を隙間を介して対向させて直列に配置されている。
本実施例の可動接点5の固定接点11に対向する対向面に形成された可動接点パターン6は、図3に示すように、その配列方向に沿った2辺は、それぞれ第1の固定接点パターン12aのコの字状電極14の接続部14bと第2の固定接点パターン12bのT字状電極17の突出部17bの先端との間の隙間上に位置するように、その配列方向の直交方向に沿った2辺は、それぞれ隙間を介して直列に配置された第1の固定接点パターン12aの短縮された延在部14aと第2の固定接点パターン12bの伸張電極19との上に位置するように設定されている。
以上の構成により、本実施例の固定接点11は、固定接点形成領域11aの配列方向に沿った両側の縁部には、第1の固定接点パターン12aのコの字状電極14の接続部14bと第2の固定接点パターン12bのT字状電極17の対向部17aとが交互に配置され、固定接点形成領域11aの配列方向の両端の縁部には第1の固定接点パターン12aのコの字状電極14の短縮された延在部14aと第2の固定接点パターン12bの伸張電極19とが配置され、これら固定接点形成領域11aの周縁部の内側の領域には、第1の固定接点パターン12aのコの字状電極14の延在部14aと第2の固定接点パターン12bの連結部18およびT字状電極17の突出部17bとが交互に配置され、固定接点形成領域11aの全ての領域に正極(本実施例では第1の固定接点パターン12a)と負極(本実施例では第2の固定接点パターン12b)とが交互に配置されて形成される。
このように形成された固定接点11にキートップ部4の押下によりスカート部8が弾性変形して可動接点5が接触した場合、例えば、図4(a)(b)に示すように基板2の鉛直方向にキートップ部4が押下された場合は、図4(a)に符号Pを付して2点鎖線で示す矩形の領域、つまり可動接点5の可動接点パターン6の全ての面が、第1の固定接点パターン12aと第2の固定接点パターン12bとが交互に形成されている固定接点形成領域11aの中央部に押圧され、この面接触により固定接点11の第1の固定接点パターン12aと第2の固定接点パターン12bとの間が導通する。
また、図4(c)(d)に示すように基板2の鉛直方向から傾いた状態でキートップ部4が押下された場合は、図4(c)に符号Qを付して2点鎖線で示す線、つまり可動接点5の可動接点パターン6の一辺が、第1の固定接点パターン12aと第2の固定接点パターン12bとが交互に形成されている固定接点形成領域11aの周縁部またはこれに隣接する内側の領域に押圧され、この線接触により固定接点11の第1の固定接点パターン12aと第2の固定接点パターン12bとの間が導通する。
なお、キートップ部4が配列方向に傾いて、つまり図1の左右のどちらか一方に傾いて押下された場合は、図4(a)に示す矩形Pの上または下の一辺が、そこに形成されている第1の固定接点パターン12aの短縮された延在部14aと第2の固定接点パターン12bの伸張電極19とに線接触して固定接点11の第1の固定接点パターン12aと第2の固定接点パターン12bとの間を導通させる。
上記のように、本実施例の固定接点11は、その固定接点形成領域11aの全ての領域に第1および第2の固定接点パターン12a、12bで形成される正負2極が交互に配置されているので、可動接点5がどのように傾いた状態で押下されとしても、固定接点11の正負2極の間を確実に導通させることができる。
なお、本実施例では、導電配線15の別層パターン15bは、基板2の裏面2bに形成するとして説明したが、基板2の内部の中層に形成するようにしてもよい。要は絶縁された層を挟んで連結電極18下を潜って形成されていればどのような形態であってもよい。
また、配列方向の端部に形成された伸張電極19と短縮された延在部14aは、それらの端面同士が中央部で対向しているとして説明したが、それらの対向位置は前記に限らず、どちらか一方に偏った位置であってもよく、可動接点パターン6の配列方向の直交方向に沿った2辺が、それぞれT字状電極17の対向部17aを覆うように設定されていれば伸張電極19を省略し、短縮された延在部14aを他の延在部14aと同じ長さに形成するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施例では、基板上に形成された正負2極の固定接点と対向配置された可動接点の固定接点との対向面に矩形形状の可動接点パターンを形成し、可動接点パターンを内包する矩形状の固定接点形成領域に、コの字状電極を互いの向きを逆にして交互に配置し、これらを導通配線で導通させた第1の固定接点パターンと、コの字状電極の内側に対向部から突出する突出部を形成したT字状電極および隣合うT字状電極の対向部の端部の間を接続する連結電極で形成された第2の固定接点パターンとを形成したことによって、第1の固定接点パターンと第2の固定接点パターンとで形成される正負2極を配列方向に交互に配置することができ、可動接点が傾いた状態で押下されたとしても、その可動接点パターンの線接触により固定接点の第1および第2の固定接点パターンに確実に接触させることができ、固定接点の正負2極を可動接点で確実に導通させることができる。
また、導通配線を連結電極下を潜って形成するようにしたことによって、固定接点形成領域内で第1の固定接点パターンのコの字状電極間を、第2の固定接点パターンとのショートを防止しながら確実に導通させることができる。
更に、コの字状電極の配列方向の両端部の延在部の長さを短縮し、この短縮された延在部と、T字状電極の対向部の端部形成された伸張電極とを直列に配置したことによって、可動端子が配列方向に傾いて押下された場合に、その可動接点パターンの配列方向に直交する方向の1辺を線接触により固定接点の第1および第2の固定接点パターンに確実に接触させることができ、固定接点の正負2極を可動接点で確実に導通させることができる。
実施例1の押釦スイッチの断面を示す説明図 図1のA−A断面を示す説明図 実施例1の固定接点パターンの上面を示す説明図 実施例1の押釦スイッチの作動を示す説明図
符号の説明
1 押釦スイッチ
2 基板
4 キートップ部
5 可動接点
6 可動接点パターン
8 スカート部
9 支持部
11 固定接点
11a 固定接点形成領域
12a 第1の固定接点パターン
12b 第2の固定接点パターン
14 コの字状電極
14a 延在部
14b 接続部
15 導通配線
15a スループラグ
15b 別層パターン
17 T字状電極
17a 対向部
17b 突出部
18 連結電極
19 伸張電極

Claims (3)

  1. 基板上に形成された正負2極の固定接点と、該固定接点に隙間を介して対向し、前記正負2極の固定接点間を導通させる可動接点とを備えた押釦スイッチにおいて、
    前記可動接点は、前記固定接点との対向面が矩形形状の可動接点パターンを有し、
    前記固定接点は、前記可動接点パターンを内包する矩形状の固定接点形成領域に形成された第1および第2の固定接点パターンを有し、
    第1の固定接点パターンは、
    2つの延在部を接続部でコの字状に接続して形成され、互いの向きを逆にして交互に配置されたコの字状電極と、
    該隣合うコの字状電極の延在部の間を導通させる導通配線とで形成され、
    第2の固定接点パターンは、
    前記コの字状電極の開放端に対向配置された対向部と、前記コの字状電極の内側の接続部に向けて前記対向部から突出する突出部とでT字状に形成されたT字状電極と、
    該隣合うT字状電極の対向部の端部の間を接続し、前記向きを逆にして交互に配置されたコの字状電極の間に配置された連結電極とで形成されていることを特徴とする押釦スイッチ。
  2. 請求項1において、
    前記導通配線が、前記連結電極下を潜って形成されていることを特徴とする押釦スイッチ。
  3. 請求項1または請求項において、
    前記コの字状電極の配列方向の両端部に配置されたコの字状電極の延在部の長さを短縮し、該短縮された延在部と、該延在部に向けて前記T字状電極の対向部の端部から伸張する伸張電極とを、直列に配置したことを特徴とする押釦スイッチ。
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