JP4784365B2 - 音圧予測方法 - Google Patents

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Description

本発明は音圧予測方法に関し、特に、車両等のエンジン、トランスミッション、吸排気等の音源から離れた予測点における音圧を予測する音圧予測方法に関するものである。
自動車のようにエンジン、トランスミッション、吸排気等、複数の音源を有する装置の騒音低減対策を実施する場合、評価結果に影響の大きい音源から順に対策を施すのが通常である。
このため、全体騒音から音源毎の要因を分離する解析が必要になり、例えば音源を個別に包み込む方法等が古くから知られている。また、近年では各音源から騒音予測点(評価点)までの騒音伝搬特性(以下、単に伝搬特性と称する。)を計測し、別途同定した音源データと合成することにより音源毎の寄与率を算出する方法も実施されている。
また、自動車用エンジンの騒音開発においては、上記の解析結果からエンジン単体の騒音性能目標を定め、エンジンベンチにおいて個別に推進される。この際、エンジンの単体騒音特性から車両搭載時における目標値の適合性を定量的に判断するには、車両搭載状態のエンジンから車載時の特性を予測する方法が用いられる。
上記の要因の分離及び車載時の特性予測のいずれにおいても音源から予測点までの伝搬特性の測定が必要になり、模擬音源を用いた音響加振試験により伝搬特性の測定を行うのが一般的である。ここで、音響加振試験では、通常、発音点と受音点を入れ換えてもその間の伝搬特性は変わらないという相反定理を用い、予測点に模擬音源を置き、音源である例えばエンジンの表面にマイクロホンを置いて伝搬特性を測定し、この伝搬特性を音源から予測点までの伝搬特性として使用する。
図10は、このような従来から知られている伝搬特性の測定方法を模式的に示した図であり、ここでは、車両10に搭載されたエンジン11から車外騒音予測点(以下、単に予測点と称することがある。)Qまでの伝搬特性VAを求めるものである。予測点Qには、音源口が予測点Qの位置に合うようにチューブスピーカ20が配置され、エンジン11の表面にはマイクロホン30が配置されている。
この状態で、チューブスピーカ20を振動させ、その音源口である予測点Qから発せられる音に起因したエンジン11の表面における音圧をマイクロホン30で測定して、予測点Qからエンジン11までの伝搬特性VAを算出する。
このようにして測定した伝搬特性VAを用い、実際にエンジン11から発せられる音の予測点Qにおける音圧を予測するには、エンジン11単体で測定可能な物理量に伝搬特性VAを適用して予測音圧(単位:Pa)を求めることになる。
このような予測値(音圧SPL)の測定は、下記の式によって行われる。
予測値=体積速度×伝搬特性(音圧/体積速度) ・・・式(1)
ここで、予測値とは、エンジン車載状態にて発せられるエンジン騒音(音圧)を、車両から一定の距離だけ離れて設置した予測点において予測した値である。
また、体積速度(m3/s)とは、エンジン単体で測定可能な物理量を表し、図11に示すように、エンジン11の表面を仮想の格子GLDで複数個の要素に分割し、各々の要素ELM毎に振動速度V1(m/s)を計測し、その結果に要素面積S2(m2)を乗じた値である。
さらに、伝搬特性とは、予測点Qより音源にて発せられる音圧を体積速度に換算したものと、車載のエンジン表面にて、前記音圧を測定したものの伝達関数である。
このようにして算出した体積速度を使用する音圧予測方法の従来例としては、音源振動面近傍にマイクロホンを配置し、予測位置にスピーカ及び振動計測器を配置し、該音源振動面が振動していないときに該スピーカを振動させて該振動計測器で該スピーカの振動速度V2を計測するとともに該マイクロホンで該音源振動面の音圧P1を計測することにより、該スピーカの既知の振動面面積S2(又は音源の振動面面積S1)を用いて該マイクロホンから該スピーカまでの空間の伝達特性をP1/(S2・V2)(又はP1・S1/V2)として求め、次に該振動計測器を該音源振動面近傍に配置し、該音源振動面を振動させて該振動計測器で該音源振動面の振動速度V1を計測し、該音源振動面の既知の面積S1を用いて該音源振動面に起因する該予測点における音圧P2を式P2=(S1・V1)・P1/(S2・V2)により求めるものがある(例えば、本出願人による特許文献1参照。)。
特開平9-229758号公報
上記の特許文献1においては、1つの音響振動面を153分割して予測点における音圧予測を行った結果が示されているが、実際にエンジン騒音で特に問題となる周波数(1〜3kHz)を扱う場合には、エンジン全体で300個程度の要素分割を行う必要がある。そして、全ての要素について振動速度を測定し、要素面積を乗じて体積速度を算出する必要があるため、予測値を測定する度に膨大な振動測定データを取得しなければならないので、予測値の算出に多大な労力を費やさなければならないという課題があった。
従って、本発明は、音源から離れた予測点における予測音圧を求める音圧予測方法において、より少ないデータで効率よく予測音圧を算出することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る音圧予測方法は、音源を振動させたときの該音源の音響パワーレベルを測定する第1ステップと、音圧レベルと音響パワーレベルの伝達関数として該音源から予測点までの伝搬特性を求める第2ステップと、該音源の音響パワーレベルに該伝搬特性を加えて該予測音圧を算出する第3ステップと、を備えたことを特徴としている。
すなわち、音源からその音圧予測点(評価点)までの伝搬特性を音圧と音響パワーレベルの伝達関数として求め、この伝搬特性に、該音源を単体で振動させて計測した該音源の音響パワーレベルを加えて、該音源から発せられる音圧に起因する該予測点における予測音圧を算出する。
これを式で表すと、次のようになる。
予測値SPL(音圧レベル)
=音源の音響パワーレベルPWL+伝搬特性(音圧レベル−音響パワーレベル)VA[dB単位]
・・・式(2)
本発明で最終的に求めたい物理量は騒音予測点での音圧であり、これをp2[(Pa)2]とする。一方、音源単体で測定可能な物理量に音響パワーがありこれをP[W]とする。
ここで、p2とPを結びつける関係式(伝達関数=伝搬特性)H[(Pa)2/W]があれば、Pを測定することによりp2が分かることになる。この伝搬特性とは、予測点より音響パワー音源にて発せられる音圧レベルを音響パワーレベルに換算したものと、車載のエンジンの表面にて前記音圧を測定したものの伝達関数である。
以上を数式で記述すると下記のようになる。
Figure 0004784365
上記の式(3)を対数を用いて書き換えると次式になる。
Figure 0004784365
ここで、p0, P0,H0はp, P, Hを対数化する際の基準値であり、それぞれ、p0=2×10-5[Pa], P0=1×10-12[W],H0=p0 2/P0[(Pa)2/W]である。
ここで対数を取ったそれぞれの物理量を下記のように表記して、単位を[dB]とする。
Figure 0004784365
Figure 0004784365
Figure 0004784365
これらを上記の式(4)に代入すると上記の式(2)が得られることになる。
これにより、音源から予測点までの伝搬特性を一度求めておけば、音源単体について単位時間当たりの全音響放射エネルギーである音響パワーレベルを計測するだけで、予測点における予測音圧レベルを求めることができる。この場合の音源単体の音響パワーレベルの計測には、音源を囲む仮想表面である測定表面における表面音圧レベルの測定が必要であるが、その測定箇所の数は、従来の体積速度を用いた音圧予測方法における音源単体の体積速度の計測に要する音源表面全体に及ぶ測定箇所に比べて大幅に少なくて済むため、効率のよい音圧予測を行うことが可能となる。
なお、上記第1ステップでは、例えば、良く知られているJIS規格による所定の5点計測法によって上記式(2)及び(6)の音源の音響パワーレベルPWLを測定することができる。
また、上記の第2ステップは、該音源表面に音源用マイクロホンを配置するとともに、該予測点に点音源特性を有する模擬音源及び模擬音源用マイクロホンを配置し、該音源が振動していないときに該模擬音源を振動させて該模擬音源から発せられる音圧レベルを該模擬音源用マイクロホンで計測するとともに音響パワーレベルに換算し、該音源用マイクロホンで該音源表面における音圧レベルを計測し、該音圧レベルと該音響パワーレベルで該伝搬特性を求めるステップを含むことができる。
すなわち、予測点には点音源特性を有する模擬音源及び模擬音源用マイクを配置して、該音源が振動していないときに該模擬音源を振動させて該模擬音源から発せられる音圧レベルを該模擬音源用マイクロホンで計測するとともにこれを音響パワーレベルに換算する。また、該音源表面に配置した音源用マイクロホンにより、このときの音源表面における音圧レベルを計測する。
ここで、相反定理により、発音点と受音点を入れ換えても両者間の伝搬特性は変わらないため、該音源から該予測点までの伝搬特性(式(2)のVA)は、その発音点と受音点を入れ換えた該予測点から該音源までの伝搬特性である該音圧レベルと該音響パワーレベルの伝達関数として上記式(7)のように求めることができる。
なお、上記の模擬音源は円形の開口面の音源口を有するチューブスピーカであり、該模擬音源用マイクロホンが該開口面中央に先端部分が保持された受音部を有するプローブマイクを用いることができる。
また、上記第2ステップは、該音源が複数の場合、各音源の伝搬特性のトータル伝搬特性を求めればよい。
本発明によれば、音圧予測に必要となる音源単体の音圧測定箇所の数を削減できるため、予測音圧を、極めて少ないデータを用いて効率よく算出することが可能となる。
以下に、本発明による予測点での予測音圧の測定方法を、音源を、エンジンとした場合の実施例[1]と、タイヤとした場合の実施例[2]と、トランスミッションとした場合の実施例[3]と、排気系とした場合の実施例[4]に分けてそれぞれ説明する。
実施例[1](エンジンの場合):図1〜図5
音響パワーレベルの測定:図1
この音響パワーレベルの測定は、上記の式(2)における例えばエンジン単体の音響パワーレベルPWLを求めるものである。
まず、各騒音計測点において音圧レベルを計測し、これと各騒音計測点が配置される測定直方体の表面積を用いてPWLを算出する。これは、“JIS B 8005”の5点計測法にて測定される。
この結果を実動時の伝搬特性VAの算出や、伝搬特性VAと組み合わせた車載時のエンジン音算出に用いる。
なお、関連JIS規格は次のとおりである。
・JIS B 8005:往復動内燃機関−空気音の測定−実用測定方法及び簡易測定方法
(1)マイクロホンの配置
このような場合の測定系を図1に示すが、周囲の状態によっては測定に使用するマイクロホンに対して悪影響が起きる場合がある。そのような状況では適切に測定点の位置を選択する。
(2)音圧レベル及び環境条件の測定
次に、以下に示す測定条件で全5点の音圧レベルを計測する。
・測定関数:1/3オクターブバンドスペクトル
・解析周波数:200〜5kHz帯(これより広い周波数範囲で測定してもよい。)
・平均化:リニアアベレージ4秒以上
・周波数ウエイト:A特性(後処理可)
また、PWL算出に必要な環境条件である試験室温度[℃]、大気圧[Pa]を記録する。
(3)5点計測PWL5の算出
測定した音圧レベルから次式(8)によって1/3オクターブバンド毎のPWL5を式(9)から算出する。
Figure 0004784365
Figure 0004784365
なお、上記の式(9)中の補正項Cは次式で与えられる。
Figure 0004784365
伝搬特性VAの算出:図2
図2は、車両10に搭載したエンジン11から車外騒音予測点Qまでの伝搬特性VAを求める方法を模式的に示したものであり、基本的には従来例を示した図10と同様な構成であり、予測点Qには、音源口が予測点Qの位置に合うようにチューブスピーカ20が配置され、エンジン11の表面にはマイクロホン30が配置されている。
チューブスピーカ20は、信号源22よりパワーアンプ21を介して振動させられ、その音源口である予測点Qから発せられる音はプローブマイク40で音圧レベルSPLcとして測定され計測器50に与えられる。計測器50はこの音圧レベルSPLcから音響パワーレベルPWLcを算出する。また、チューブスピーカ20から発せられた音を受けたエンジン11の表面における音圧P1をマイクロホン30で測定して計測器50に与えることにより、計測器50では音圧P1と音響パワーレベルPWLcの伝達関数としての伝搬特性VAを算出する。
(1)マイクロホンの配置:図3及び図4
ここで、マイクロホンは、図3(1)に示すように、まず、チューブスピーカ20の出口開口部にプローブマイク40を設置し、エンジン11に対してマイクロホン30を設置する。この場合の両者の位置関係は、図示の例では、プローブマイク40からエンジン11の中心までは7.5m、それからエンジン11の先端からプローブマイク40まで6mとしている。この場合のチューブスピーカ20とプローブマイク40の概略図が同図(2)に示されている。このチューブスピーカ20に対するプローブマイク40は、チューブスピーカ20の先端に取付ける。
また、このプローブマイク40の校正については、図3(3)に示すように、ピストンホン(校正圧力発生器)52にゴム体51を介してプローブ41を挿入し、ピストンホン52から基準圧力を発生し、測定結果が基準圧力になる補正値を求め、この補正値を用いて試験毎に校正することで正確な測定結果が確保できる。
このエンジン11の表面における音圧P1の測定には、図3(1)では模式的に1箇所のみマイクロホン30で測定するように示しているが、具体的には、図4に●で示す如く、30箇所の測定位置における音圧P1(i)(i=1〜30)を測定する。
同図(1)〜(5)は、それぞれエンジンの上面、後面、左右面(対称)、前面、及び下面における音圧測定位置を示したものであるが、これに限定するものではなく、選択できる範囲で種々の変更が可能である。
(2)チューブスピーカでの音響パワーレベルの算出例
次に、計測器50は、プローブマイク40により計測した音圧レベルSPLc[dB]から、次式に基づき音響パワーレベルPWL[dB]を算出する。この場合、音圧レベルSPLcは1/3オクターブスペクトルで計測し、計算は各バンド毎に行うものとする。
Figure 0004784365
ここで、空気の特性インピーダンスρc[Pa・s/m]は、次式で求めることができる。
Figure 0004784365
従って、プローブマイク40により計測した音圧レベルSPLc、チューブ内断面積S、大気圧B、及び試験室内温度tを用いて式(11)及び(12)により音響パワーレベルPWLを算出することができる。
上記の式(11)は下記のようにして導くことができる。
まず、音圧p[Pa]と音響インテンシティI[W/m2]、及び音響インテンシティIと音響パワーP[W]の間にはそれぞれ、式(13)及び(14)の関係がある。
Figure 0004784365
Figure 0004784365
従って、音圧レベルSPL[dB]と音響インテンシティレベルIL[dB]との関係は次式(15)のようになる。
Figure 0004784365
これにより、音響パワーレベルPWL[dB]は次式(16)により得られることになり、これが上記の式(11)になる。
Figure 0004784365
従って、チューブスピーカ20から放射される音響パワーレベルPWLは、チューブ先端での音圧レベルSPLを計測し、チューブ内断面積Sと大気圧Bと試験室内温度tから上記式(12)で得られる特性インピーダンスρcから算出することができる。この方法によって得られたPWLは、JIS Z 8732(ISO/DIS 3745)による精密測定方法による結果と等価である。
(3)エンジン表面音圧の測定例
マイクロホン30を、図4に示す基本計測点上に設置し、チューブスピーカ20で音響放射した時の各点でのエンジン表面音圧SPLi[dB]を1/3オクターブスペクトルで計測する。
(4)伝搬特性の算出
伝搬特性(車両減衰性能)VAの算出は、上記(1)〜(3)によって計測した音響パワーレベルPWL及び音圧SPLiから以下のように算出する。この計算は各バンド毎に行う。
Figure 0004784365
Figure 0004784365
ここで、VAtotalはトータル伝搬特性を示し、このトータルVAは、車両の全体的な減衰特性を示す定量的な評価指標である。経路毎のVAは、エンジンの部位毎の騒音伝搬特性を示す評価指標であり、伝搬経路の解析に利用できる。
すなわち、複数の音源の集合体と考えられる音源(例えばエンジン)について全体を1つの音源として扱う場合に使うのはトータルVA(複数のVAを合計した値)になる。また、音源が独立した1つの音源(例えばタイヤ接地点)と見なせる場合に使うのは経路毎VA(単独のVA)になる。
図5は、トータルVAのイメージを示す。
エンジン11の複数の音源から発せられた騒音(これは、図4のマイクロホン30の各々によって検出される)は個々の伝搬特性VAiを経て騒音予測点Qのマイクロホンに到達し、各音源毎に見ると次式の関係がある。
SPLi=PWLi+VAi ・・・式(19)
ここで、全部の音源が一斉に鳴ったときの全体の音響パワーレベルをΣPWLiとし、全部の音源から到達した騒音の合計をΣSPLiとすると、下式の関係がある。
ΣVAi=VA=ΣSPLi-ΣPWLi ・・・式(20)
すなわち、音源全体を1つの音源と見なし、その音源全体から到達した騒音との関係をVA(トータル)として扱う。
この関係には相反定理が成り立ち、VAiを音源と騒音予測点を入れ替えて測定することができる。
一方、音源単体の音響パワーレベルを測定する場合に、例えばエンジンであれば、図1に示すような5方向での測定のようにある程度離れた距離(通常1m)で騒音を測定すればエンジン全体を1つの音源として扱え、その結果得られた音響パワーレベルはエンジン全体から発せたれたものとして扱える。
この結果、例えばエンジンであればエンジンベンチで測定したエンジン全体の音響パワーレベルと、車両で測定したエンジン全体から騒音予測点までの伝搬特性(トータルVA)とから、そのエンジンが車両に搭載されたときの予測点音圧が予測できることになる。
図6は、上記のようにして求めたエンジンの音響パワーレベルPWLと伝搬特性VAとにより得られる予測エンジン音をシミュレーションした数値グラフである。
実施例[2](タイヤの場合):図7
図7(1)は、車両10のタイヤ12を音源とするときの音圧予測系を示す。この場合、タイヤ12にマイクロホン30を設置する。この場合は、タイヤを単一音源と見なすことができる。
具体的には、同図(2)に示すように、車体からインテンシティプローブ201の固定用治具202を差し出し、実走行により音響インテンシティを測定する。
次に、同図(3)に示すように、タイヤ単体で実車における接地状態を再現できるような試験装置(インテンシティプローブ201とスタンド203とローラー204とシャフト205と支持部206とで構成)を用い、タイヤ単体で音響インテンシティを計測する。
チューブスピーカ(予測点)と反対側のタイヤを音源として考慮する必要がある場合は、応答側マイクロホンを設置する。PWL(音源特性)は個々のタイヤについて別途計測する。
実施例[3](トランスミッションの場合):図8
図8(1)に示すトランスミッション13を対象とした音圧予測系においては、同図(2)及び(3)に示す程度の複数音源が存在すると考えればよい。
実施例[4](排気系の場合):図9
排気吐出音の測定は、排気管開口部15で音響インテンシティプローブ等により測定する。その際、吐出音以外の騒音が影響しないように吸遮音材を使って、他の騒音をマスキングする(包み込む)。
排気放射音の測定は、排気系部品の表面14等で音響インテンシティプローブ等により測定する。その際、放射音以外の騒音が影響しないように吸遮音材を使って、他の騒音をマスキングする(包み込む)。
排気突出音は耐熱性のあるフレキシブルホース等で放射音測定に影響の無い遠方へ開口部を延長すればよい。
車内騒音におけるタイヤ音の場合
通常、車内騒音に対する車外からの騒音の伝わり難さを遮音特性と言っており、これは伝搬特性VAと同じ概念であり、次式で表される。
各タイヤから到達する音圧[(Pa)2]=遮音特性[(Pa)2/W]*タイヤの放射する音響パワー[W]
・・・式(21)
これをdB表記(対数をとる)すれば、上記の式(2)と同じになる。
また、車外に予測点がある場合と同様に相反性が成り立つから、チューブスピーカとマイクロホンの位置を入れ替えても同様の結果が得られる。
なお、上記実施例によって本発明は限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づき、当業者によって種々の変更が可能なことは明らかである。
本発明に係る音圧予測方法の実施例[1]による音源(エンジン)の音響パワーレベルの測定系を示したブロック図である。 本発明に係る音圧予測方法の実施例[1]による伝搬特性の測定例を示した概略斜視図である。 本発明に係る音圧予測方法の実施例[1]により伝搬特性を測定するときのマイクロホンの配置例を示した図である。 本発明に係る音圧予測方法の実施例[1]により伝搬特性を測定するときのエンジン表面音圧の計測例を示した図である。 複数音源によるトータル伝搬特性を算出する例を示した概略斜視図である。 本発明に係る音圧予測方法によって得られる車両エンジン音の数値例を示した図である。 本発明に係る音圧予測方法の実施例[2](タイヤの場合)の測定系を示した概略斜視図である。 本発明に係る音圧予測方法の実施例[3](トランスミッションの場合)の測定系を示した概略斜視図である。 本発明に係る音圧予測方法の実施例[4](排気系の場合)の測定系を示した概略斜視図である。 従来の音圧予測方法を説明するためのブロック図である。 従来の音圧予測方法おける音源(エンジン)の体積速度を説明するためのブロック図である。
符号の説明
10 車両
11 エンジン
12 タイヤ
13 トランスミッション
14 排気系部品の表面
15 テールパイプ(排気管開口部)
20 チューブスピーカ
21 パワーアンプ
22 信号源
23 チューブ
24 チューブ先端保持部
30 マイクロホン
40 プローブマイク
41 プローブ
50 計測器
51 ゴム体
52 ピストンホン
100 測定直方体
201 インテンシティプローブ
202 固定用治具
203 スタンド
204 ローラー
205 シャフト
206 支持部
A 開口面(境界面)
B 中心線
Q 予測点
#1〜#5 マイク
図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。


Claims (5)

  1. 音源から離れた予測点における予測音圧を求める音圧予測方法において、
    該音源を振動させたときの該音源の音響パワーレベルを測定する第1ステップと、
    音圧と音響パワーレベルの伝達関数として該音源から該予測点までの伝搬特性を求める第2ステップと、
    該音源の音響パワーレベルに該伝搬特性を加えて該予測音圧を算出する第3ステップと、
    を備えたことを特徴とする音圧予測方法。
  2. 請求項1において、
    該第1ステップが、5点計測法によって該音源の音響パワーレベルを測定することを特徴とした音圧予測方法。
  3. 請求項1において、
    該第2ステップが、該音源表面に音源用マイクロホンを配置するとともに、該予測点に点音源特性を有する模擬音源及び模擬音源用マイクロホンを配置し、該音源が振動していないときに該模擬音源を振動させて該模擬音源から発せられる音圧を該模擬音源用マイクロホンで計測するとともに音響パワーレベルに換算し、該音源用マイクロホンで該音源表面における音圧を計測し、該音圧と該音響パワーレベルで該伝搬特性を求めるステップを含むことを特徴とした音圧予測方法。
  4. 請求項3において、
    該模擬音源として円形の開口面の音源口を有するチューブスピーカを用い、該模擬音源用マイクロホンとして該開口面中央に先端部分が保持された受音部を有するプローブマイクを用いることを特徴とした音圧予測方法。
  5. 請求項3において、
    該第2ステップは、該音源が複数の場合、各音源の伝搬特性のトータル伝搬特性を求めることを特徴とした音圧予測方法。
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