JP4782319B2 - 回転電機子製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所謂モータ等の回転電機子製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヨーク等に固定された永久磁石が形成する磁界と、巻線に電流を流すことにより形成された磁界との相互作用で回転力を生じさせ、この回転力でシャフトを回転させる一般的な直流モータでは、シャフトにコアが一体的且つ同軸的に取り付けられている。
【0003】
コアは全体的に略円柱形状に形成されていると共に、コアの半径方向外方側で開口したスロットが、コアの軸芯周りに所定間隔毎に複数形成されており、これらの複数のスロットの内側に収容されるように巻線が幾重にもコアへ巻き掛けられる。
【0004】
一方、シャフトには整流子が同軸的に取り付けられており、シャフトの回転半径方向外方からこの整流子へブラシが摺接する。整流子には巻線が電気的且つ機械的に接続されており、整流子及びブラシを介して電源から巻線へ電気が供給されるようになっている。
【0005】
ところで、このような直流モータでは、シャフトと共に巻線が施されたコアや整流子が回転電機子(他の呼称としては「回転子」若しくは「ロータ」)を構成するため、シャフトと共に巻線が施されたコアや整流子が一体に回転する。
【0006】
このような回転電機子は、整流子やコアの重心が軸芯上に位置するように形成されているため基本的には回転電機子の重心はシャフトの軸芯上に位置する。
【0007】
しかしながら、コアのスロットに幾重にも巻線を施すことにより、回転電機子の重心がシャフトの軸芯に対してずれてしまうことがある。このような重心の「ずれ」がモータ作動時における振動や騒音の一因となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような重心のずれを解消する、すなわち、回転電機子の回転バランスを修正するための手段の一つとしては、回転電機子の半径方向外方から巻線に溶融した樹脂材等を適宜に付着させて、回転電機子の軸芯よりも樹脂材を付着させた側で回転電機子の重量を増加させる方法がある。
【0009】
このような溶融した樹脂材を用いた回転バランスの修正方法では、付着した樹脂の重量と樹脂材が固まった状態での最終的な付着位置によって修正度合いが決まる。しかしながら、付着する樹脂は溶融しているため、巻線に樹脂材を付着させると巻線の隙間に樹脂材が流れ込む。このため、最終的な樹脂材の付着位置は樹脂材が固まるまでわからない。しかも、樹脂材を付着させることによる回転バランスの修正方法は修正の精度が低く、場合によっては複数回の付着作業を行なわなければならないこともある。
【0010】
さらに、樹脂材を硬化させるために、所謂キュア工程(熱処理工程)とキュア工程終了後の冷却工程とが必要となる。このため、工数が嵩むうえ、キュア用の炉や冷却設備等が様々な設備が必要で設備面でもコスト高となる。
【0011】
一方、上記のような樹脂材等を塗布する方法に対して、コアの外周一部を刃具やカッター等により削り、回転電機子の軸芯よりも刃具やカッター等で削った部分の側で回転電機子の重量を減少させる方法がある。
【0012】
このように、コアの外周一部を削る方法では粉末状の切粉が発生し、この切粉の処理が必要となるため工数が嵩む。また、刃具やカッター等の状態によっては一回の切削作業での切削量(削れる量)が変化するため、どの程度の切削作業でどの程度のバランス修正が可能かは基本的に不明である。このため、切削作業と回転バランス測定をこまめに繰り返さなければ回転バランスの修正が行なえない。
【0013】
本発明は、上記事実を考慮して、回転バランスの修正が容易な回転電機子製造方法を得ることが目的である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、回転軸に同軸的且つ一体的に設けられると共に巻線が施されたコアを有し、前記巻線に電流が流れることにより形成された磁界と、当該磁界とは別に周囲に形成される磁界との相互作用により生じた回転力で前記回転軸が回転する回転電機子を製造するための回転電機子製造方法であって、磁性を有する板材を打ち抜いて、回転軸が貫通するコア片本体及び当該コア片本体から放射状に延出された複数本のティースを有するコア片を形成すると共に、前記板材の厚さ方向に貫通した調整孔を前記ティースに形成するプレス工程と、前記コア片を複数枚積層して形成したコアに前記回転軸を嵌挿して前記コアを前記回転軸に同軸的且つ一体的に連結する組付工程と、前記コアの前記複数のティースのうち、隣接する一対のティース間のスロットと他の隣接する一対のティース間のスロットとの間に巻線を施す巻線工程と、前記回転軸の軸芯位置に対する前記巻線を施した状態での重心位置の変位量を測定するバランス測定工程と、前記バランス測定工程での測定結果に基づいて、前記複数のティースのうち、前記軸芯位置に対して前記重心位置側にある前記ティースの先端部に基端部側へ向けて外力を付与して前記調整孔の内方側へ前記ティースを変形させ、若しくは、前記ティースの調整孔よりも先端側を破断するバランス調整工程と、有することを特徴としている。
【0022】
請求項2記載の回転電機子は、請求項1記載の本発明において、前記ティースの先端側に前記調整孔を形成したことを特徴としている。
【0023】
上記構成の回転電機子では、ティースの先端側に調整孔が形成されるため、調整孔よりもティースの先端側では、コアの半径方向に沿った寸法が短くなり、強度が小さくなる。このため、比較的小さな外力でもティースの先端側を変形させ、或いは、破断することができる。
【0037】
上記構成の回転電機子製造方法では、先ず、プレス工程で磁性を有する板材が打ち抜かれ、回転軸が貫通するコア片本体及びこのコア片本体の外周部から放射状に延出された複数本のティースを有するコア片が形成される。また、このプレス工程では、板材の厚さ方向に貫通した調整孔が各ティースに形成される。
【0038】
次いで、組付工程で複数枚のコア片がその厚さ方向に積層されて、これによりコアが形成されると共に、このコアに回転軸が嵌挿されてコアが回転軸に対して同軸的且つ一体的に連結される。
【0039】
さらに、上記のコアのうち、隣接する一対のティース間はスロットとされ、巻線工程で異なる一対のスロット間で巻線が掛け回され、これにより、コアに巻線が施される。
【0040】
このようにしてコアに巻線が施された状態で回転電機子はバランス測定工程で回転軸の軸芯位置に対する巻線を施した状態での重心位置の変位量が測定される。
【0041】
このバランス測定工程での測定結果に基づいてバランス調整工程では、コア片本体から放射状に延出された複数のティースのうち、軸芯位置に対して重心位置側にあるティースの先端部に基端部側へ向けて外力が付与される。この外力の付与により調整孔よりもティースの先端側が調整孔の内方側、すなわち、ティースの基端側へ塑性変形し、若しくはこの塑性変形に起因して破断し、欠け落ちる。
【0042】
このような塑性変形若しくは破断により外力が付与されたティースの部分では、コアの外径寸法が部分的に小さくなり、これにより、回転電機子の重心位置が回転軸の軸芯位置側へ変動する。このようにして、重心位置が変化することで、回転電機子の重心位置と回転軸の軸芯位置とが一致するか極めて近くなる。
【0043】
ここで、本回転電機子製造方法では、上記のようにティースの先端部に対する外力の付与で調整孔よりも先端側でティースを塑性変形若しくは破断させることで容易に重心位置を調整できる(すなわち、回転電機子の回転バランスを調整できる)。
【0044】
しかも、本回転電機子製造方法では、上記のようにコアのティースに外力を付与するだけで重心位置を調整できるため、熱処理炉等の高価な設備は不要であり、また、粉末状の切粉等も発生しない。このため、設備及び工数の何れの面からもコストが安価となる。
【0045】
さらに、1枚のコア片の1本のティースに形成された調整孔を潰すように外力を付与してティースを塑性変形或いは破断させることによる重心位置の変化量は定量的に求めることができる。
【0046】
したがって、どのティースの調整孔を潰すように外力を付与すればよいか、何枚のコア片に外力を付与すればよいか等の各種条件を容易に求めることができる。これによって、作業に熟練を要することなく、容易に且つ適切に重心位置調整ができる。
【0047】
なお、本発明は、ティースに調整孔を形成したが、調整孔の形成位置や形状に関しては特に限定するものではなく、コアの半径方向外方からの外力の付与で調整孔が潰れるようにコアの外周部が変形でき、或いは、変形の結果ティースの外周部近傍が欠け落とせる位置であればよい。
【0048】
また、上記のように、外力を付与する部位は基本的に回転軸の軸芯位置よりも重心位置側であるが、軸芯位置から重心位置を通る仮想線上のティースに外力を付与してもよいし、また、前記仮想線を介して回転軸の回転周方向両側に変位した位置のティースの先端部に外力を付与してもよい。
【0049】
さらに、全てのコア片の対応するティースに外力を付与してもよいし、複数のコア片の何れかのティースだけに外力を付与してもよい。
【0050】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態の構成>
図1には、本発明の第1の実施の形態に係る回転電機子10の要部が斜視図によって示されている。
【0051】
この図に示されるように、回転電機子10は回転軸としてのシャフト12を備えている。このシャフト12は全体的に丸棒状に形成されており、その先端側には、例えば、ギヤ等の回転力伝達手段が一体的且つ同軸的に取り付けられ、更に回転力伝達手段を介して直接或いは間接的に被駆動軸へ機械的に連結される。
【0052】
また、シャフト12の軸方向中間部には整流子14がシャフト12に対して同軸的且つ一体的に取り付けられている。この整流子14は複数の整流子片16を備えている。これらの整流子片16はシャフト12を中心としてシャフト12周りに所定間隔毎に設けられていると共に、シャフト12の半径方向外側へ向いた各整流子片16の端面は、シャフト12に対して同心円上に位置している。
【0053】
また、整流子14は絶縁性の合成樹脂材により略円柱形状に形成された樹脂成形部18を備えている。この樹脂成形部18の軸芯には貫通孔が形成されており、この貫通孔にシャフト12が嵌挿されてシャフト12と樹脂成形部18とが同軸的且つ一体的に連結されている。
【0054】
上述した全ての整流子片16はこの樹脂成形部18によって一体的に保持されており、シャフト12が自らの軸芯周りに回転すると、樹脂成形部18がシャフト12に対して一体的に回転し、更に、樹脂成形部18と共に全ての整流子片16がシャフト12に対して同軸的且つ一体的に回転する。
【0055】
以上の構成の整流子14に対してシャフト12の軸方向側方に沿った側方にはコア20が設けられている。このコア20は薄珪素鋼鈑等の磁性を有する板材52(図3(A)参照)により形成された複数枚のコア片22を積層することによって構成されている。図2に示されるように、各コア片22はコア片本体24を備えている。このコア片本体24には厚さ方向に貫通した貫通孔26が形成されている。
【0056】
貫通孔26はその内径寸法が上述したシャフト12の外径寸法に略等しく(厳密には極僅かに大きく)、シャフト12が嵌挿される。また、コア片本体24からは、貫通孔26周りに所定間隔毎にティース28が放射状に延出されている。
【0057】
各ティース28はティース本体30を備えている。ティース本体30はティース28の延出方向に沿って長手方向の平面視略長方形状に形成されており、その基端部にて貫通孔26へ接続されている。また、ティース本体30の長手方向先端部にはティース頭部32が形成されている。
【0058】
ティース頭部32は、シャフト12の回転周方向に沿った方向の寸法がティース本体30の幅寸法よりも長く、シャフト12の回転周方向に沿った方向のティース頭部32の略中央部にてティース本体30の先端部が接続されている。このため、ティース28は平面視で略T字形状となる。
【0059】
以上の構成のティース28の側方、すなわち、シャフト12の回転周方向に沿って隣接するティース28の間の空間はスロット34とされ、何れかのスロット34の内側に巻線36(図5(F)参照)が入り込んだ状態でコア20に巻線36が施される。
【0060】
また、図2に示されるように、コア片22には調整孔38が形成されている。調整孔38はその少なくとも一部が上述したティース頭部32に位置し、しかも、シャフト12の回転周方向に沿って概ねティース頭部32の中央に位置するように各ティース28に形成されている。調整孔38は平面視で略三角形状とされており、内周部のうち三角形の底辺に対応する部分がティース28の先端側に位置し、底辺に対向する頂点がティース28の基端側に位置している。ティース頭部32のうち、調整孔38よりも先端側は調整部40とされており、後述する本回転電機子10の製造工程のバランス調整工程では、この調整部40が塑性変形させられる。
【0061】
<第1の実施の形態の作用、効果>
次に、本回転電機子10の製造工程(すなわち、本発明の第1の実施の形態に係る回転電気子10の製造方法)の説明を通して本回転電機子10の作用並びに効果について説明する。
【0062】
本回転電機子10を製造する際には、先ず、図3(A)に示されるように、プレス工程で薄珪素鋼鈑等の磁性を有する板材52がプレス金型54によって打ち抜かれ、薄板状のコア片22が形成される。なお、このプレス工程では、コア片22の外形のみならず、上述した貫通孔26やスロット34、調整孔38等も形成される。
【0063】
次いで、図3(B)に示されるように、組付工程では複数枚のコア片22がその厚さ方向に積層されてコア20が形成されると共に、整流子14が組み付けられたシャフト12がコア20の貫通孔26に嵌挿される。なお、本実施の形態では、予め整流子14が組み付けられたシャフト12をコア20の貫通孔26に嵌挿する構成であるが、シャフト12をコア20の貫通孔26に嵌挿した後にシャフト12に整流子14を組み付けてもよい。
【0064】
さらに、組付工程が終了した後、本回転電機子10の中間品は図3(C)に示されるように巻線工程に移行する。この巻線工程では、図示しない巻線装置に回転電機子10の中間品がセットされてコア20のスロット34に巻線36が幾重にも巻き掛けられる。
【0065】
次いで、図4(D)に示されるバランス測定工程では、巻線工程で巻線36が巻き掛けられた回転電機子10の中間品が図示しないバランス測定装置にセットされ、例えば、シャフト12周りに回転電機子10の中間品が回転させられる。このときの回転電機子10の中間品の回転からシャフト12(すなわち、回転電機子10の軸芯)に対するシャフト12の半径方向に沿った回転電機子10の重心の変位量と変位方向が算出される。
【0066】
さらに、図4(E)に示されるバランス修正工程では、バランス測定工程にて得られたシャフト12に対するシャフト12の半径方向に沿った回転電機子10の重心の変位量と変位方向に基づき、押圧治具56により重心の変位方向側からティース頭部32をコア片22の半径方向中央側へ向けて押圧する(図5(F)参照)。
【0067】
このように押圧治具56からの押圧力を受けた調整部40(ティース頭部32)は図5(G)に示されるように、調整孔38を潰す方向へ塑性変形される。このように、調整部40が塑性変形された部分ではコア片22の外径寸法が小さくなる。これによって、回転電機子10の重心位置は、コア片22の中心位置(すなわち、シャフト12の軸芯位置)に対して塑性変形させられた調整部40への向きとは反対方向側へ変位する。
【0068】
上述したように、そもそも回転電機子10の重心位置はシャフト12の軸芯位置に対して塑性変形させられた調整部40の向きへ変位した位置にあったため、上記のように調整部40を塑性変形させることで回転電機子10の重心位置がシャフト12の軸芯位置へ変位する。これにより、重心位置とシャフト12の軸芯位置とを一致させることができ、その結果、本回転電機子10を用いたモータでは、回転電機子10が回転する際に振動等が少なく、静粛性能等に優れる。
【0069】
しかも、本実施の形態では、調整部40に外力を付与して組成変形させるだけで回転電機子10の重心位置を調整できるため、熱処理炉等の高価な設備は不要であり、また、粉末状の切粉等も発生しない。このため、設備及び工数の何れの面からもコストが安価となる。
【0070】
また、1枚のコア片22の1本の調整部40(ティース頭部32)を塑性変形させることによる重心位置の変化量は予め定量的に求めることができるため、何枚のコア片22についてどの調整部40を塑性変形させればよいか等の各種条件を容易に求めることができる。これにより、上述したバランス調整工程に関して作業に熟練を要することなく、容易に且つ適切に重心位置調整ができる。
【0071】
しかも、上記のような各種条件をバランス測定工程で用いるバランス測定装置のコンピュータ等で計算させることで、各種条件を求めるためのタイムラグをなくすことができ、バランス修正工程の工数を更に軽減することもできる。
【0072】
さらに、調整部40(ティース頭部32)に押圧力を付与して調整孔38を潰す構成であるため、ティース本体30の貫通孔26寄りに調整孔38を形成する場合に比べて小さな外力でティース頭部32を塑性変形させることができ、その結果、バランス修正工程における作業性が向上する。
【0073】
また、上記のように、調整孔38はティース本体30に比べて幅広のティース頭部32に形成しているため、調整孔38を形成してもティース28の強度を確保できるため、バランス修正工程における外力付与により、不必要にティース28が変形することもなく、また、バランス修正工程において付与される外力以外の不意な力に対抗することもできる。
【0074】
なお、バランス修正工程におけるティース頭部32の塑性変形は、全てのコア片22について特定の調整部40(ティース頭部32)を塑性変形させてもよいし、一部のコア片22についてのみ特定の調整部40を塑性変形させてもよい。
【0075】
また、本実施の形態では、シャフト12の軸芯位置に対して回転電機子10の重心位置の変位方向側の調整部40に外力を付与して塑性変形させていたが、シャフト12の軸芯位置から回転電機子10の重心位置の変位方向を通る仮想線に対してシャフト12の軸周り両方向側へ一定量変位した方向の調整部40に外力を付与して塑性変形させてもよい。
【0076】
<第2の実施の形態>
次に、本発明のその他の実施の形態について説明する。なお、以下の各実施の形態を説明するうえで、上述した第1の実施の形態を含めて説明している実施の形態よりも前出の実施の形態と実質的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその説明を省略する。また、以下の各実施の形態は、言わば、コア20(コア片22)の変形例であるため、コア20以外の部位に関しては図示並びに説明を省略する。
【0077】
図6には本発明の第2の実施の形態に係る回転電機子70に用いるコア片22の要部の構成が平面図によって示されている。
【0078】
この図に示されるように、本回転電機子70のコア片22では、ティース頭部32に孔部としての一対の逃げ孔72が形成されている。これらの逃げ孔72はコア片22の半径方向略中央側を頂部とし、反対側が底辺となる略三角形状の調整孔38のうち、底辺の両端部近傍に形成されており、この底辺の端部にて各逃げ孔72が調整孔38に連通している。
【0079】
上記構成の回転電機子70で重心位置を調整するためにティース頭部32(調整部40)に押圧力を付与して調整孔38を潰す場合には、調整孔38の底辺の両端部近傍においてコア片22の厚さ方向を軸方向としてこの軸周りにティース頭部32(調整部40)がティース本体30に対して回動するように(すなわち、図6の矢印A方向へ回動するように)塑性変形する(この塑性変形の態様に関しては前記第1の実施の形態も同様である)。
【0080】
この塑性変形の際、調整孔38の底辺の両端部近傍のうち、調整部40の回動方向側(図6の矢印Bで示される部分)ではティース頭部32に圧縮荷重が作用し、これとは反対側では引張荷重が作用する。この圧縮荷重が作用する部位では、ティース頭部32のうち、圧縮方向に変位できない分はコア片22の厚さ方向に逃げようとし、これにより、ティース28の厚さ、すなわち、コア片22の厚さが部分的に増す可能性がある。
【0081】
しかしながら、本実施の形態では、この圧縮荷重が作用する部分の近傍に逃げ孔72を形成しているため、この部分に圧縮荷重が作用しても逃げ孔72側に変位できるためティース28の厚さ、すなわち、コア片22の厚さを増加させることがない。
【0082】
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0083】
図7には本発明の第3の実施の形態に係る回転電機子90に用いるコア片22の要部の構成が平面図によって示されている。
【0084】
この図に示されるように、本回転電機子90では、コア片22の外周側で調整部40の両端部に切欠部92が形成されており、調整孔38の内周部のうち、底辺の略中央部(すなわち、調整孔38側の調整部40の長手方向中央部)に切欠部94が形成されている。
【0085】
このため、重心位置を調整するためにティース頭部32(調整部40)に押圧力を付与して調整孔38を潰そうとすると、切欠部92、94にて調整部40が破断してティース頭部32から欠け落ちる。このように、調整部40が欠け落ちる構成であっても、調整部40が欠け落ちた部分ではコア片22の外径寸法が変化するため、基本的に第1の実施の形態と同様の作用を奏し、同様の効果を得ることができる。
【0086】
<第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0087】
図8には本発明の第4の実施の形態に係る回転電機子110に用いるコア片22の要部の構成が平面図によって示されている。
【0088】
この図に示されるように、本回転電機子110では、調整部40の長手方向略中央に連通孔112が形成されている。この連通孔112は、コア片22の厚さ方向に貫通していると共に、一端が調整孔38の内周部にて開口し、他端がティース頭部32(調整部40)の外周部にて開口している。
【0089】
このため、調整部40は連通孔112を境としてコア片22の周方向一方の側と他方の側とに分割されることになる。このため、調整部40は、連通孔112側の端部が自由端で連通孔112とは反対側の端部がティース頭部32へ連結された固定端となる。
【0090】
これにより、押圧治具56(図8では図示省略)から外力は基本的に調整部40の固定端に集中することになり、調整部40を容易に塑性変形若しくは破断させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る回転電機子の要部の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る回転電機子のコア片の平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る回転電機子の製造方法を説明する概略図で、(A)はプレス工程を示し、(B)は組付工程を示し、(C)は巻線工程を示す。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る回転電機子の製造方法を説明する概略図で、(D)はバランス測定工程を示し、(E)はバランス修正工程を示す。
【図5】押圧治具によりティースの先端部を塑性変形させる状態を示す図で、(F)が押圧前を示し、(G)が押圧後を示す。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る回転電機子のコア片の要部を拡大した平面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る回転電機子のコア片の要部を拡大した平面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る回転電機子のコア片の要部を拡大した平面図である。
【符号の説明】
10 回転電機子
12 シャフト(回転軸)
14 整流子
16 整流子片
20 コア
22 コア片
24 コア片本体
28 ティース
30 ティース本体
32 ティース頭部
34 スロット
36 巻線
38 調整孔
52 板材
54 プレス金型
70 回転電機子
72 逃げ孔(孔部)
90 回転電機子
92 切欠部
94 切欠部
110 回転電機子
112 連通孔

Claims (1)

  1. 回転軸に同軸的且つ一体的に設けられると共に巻線が施されたコアを有し、前記巻線に電流が流れることにより形成された磁界と、当該磁界とは別に周囲に形成される磁界との相互作用により生じた回転力で前記回転軸が回転する回転電機子を製造するための回転電機子製造方法であって、
    磁性を有する板材を打ち抜いて、回転軸が貫通するコア片本体及び当該コア片本体から放射状に延出された複数本のティースを有するコア片を形成すると共に、前記板材の厚さ方向に貫通した調整孔を前記ティースに形成するプレス工程と、
    前記コア片を複数枚積層して形成したコアに前記回転軸を嵌挿して前記コアを前記回転軸に同軸的且つ一体的に連結する組付工程と、
    前記コアの前記複数のティースのうち、隣接する一対のティース間のスロットと他の隣接する一対のティース間のスロットとの間に巻線を施す巻線工程と、
    前記回転軸の軸芯位置に対する前記巻線を施した状態での重心位置の変位量を測定するバランス測定工程と、
    前記バランス測定工程での測定結果に基づいて、前記複数のティースのうち、前記軸芯位置に対して前記重心位置側にある前記ティースの先端部に基端部側へ向けて外力を付与して前記調整孔の内方側へ前記ティースを変形させ、若しくは、前記ティースの調整孔よりも先端側を破断するバランス調整工程と、
    有することを特徴とする回転電機子製造方法
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