JP4782290B2 - フルオロ化 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は炭化水素基質のフルオロ化に関する。より詳細には、本発明は任意に置換された炭化水素基質をペルフルオロ化する方法および装置に関する。
出願人が認識している最も近い先行技術は、ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング・カンパニー(Minnesota Mining and Manufacturing Company)の欧州特許出願94115454.4であり、公開番号EP0646557A1で公開されている。この先行技術引例は、炭化水素基質のフルオロ化のためのプロセスであって、液体炭化水素基質を不活性希釈液で希釈し、希釈された基質をガス状フルオロ化試薬と混合することを含むプロセスを教示している。得られる反応混合物が反応して、フルオロ化された生成物質を形成する。この生成物質は、分離工程においてガス成分と液状成分に分離される。フルオロ化生成物は液状成分から蒸留によって除かれ、不活性希釈液は蒸留から回収されて、分離工程を介して希釈工程に返送される。分離工程からのガス成分はプロセスから除去される。
EP0646557A1は、希釈段と、前記希釈段と流体流接続状態にある混合段であって、液体フィードとガス状フィードとを受け取る混合段と、前記混合段と流体流通状態にある反応段と、前記反応段と流体流通状態にある分離段とを含む装置も開示している。分離段は、希釈段に対して液体流通状態にあり、液状成分を分離段から希釈段に返送して、前記液状成分を、希釈段と混合段と反応段と分離段とを含む液体回路を巡回させる液体返送手段が設けられている。回路への液体供給ラインと、混合段へのガス供給ラインが設けられている。
EP0646557A1はさらに、背景資料として、米国特許第4,523,039号(Lagowら)、およびカークオスマー(kirk−Othmer)「化学技術大辞典(Encyclopaedia of Chemical Technology)」第3版、第10巻、636頁、840〜855頁(John Wiley & Sons, Inc., New York、1980年)を開示している。このような背景技術資料には、無機化学の進歩(Progress in Inorganic Chemistry)26巻、161〜210頁(1979年)の中のラゴー(Lagow)らによる論文、ならびに、米国特許第4,859,747号(Bierschenkら)、米国特許第4,973,716号(Caliniら)、米国特許第5,076,949号(Kalotaら)、米国特許第5,093,432号(Bierschenkら)、米国特許第5,177,275号(Baucomら)、および特許協力条約に基づいてWO90/06296として1990年6月14日に発行されたPCT/US89/05413(Costelloら)も含まれる。
【0002】
本発明の第1の観点は、任意に置換された炭化水素基質のフルオロ化のための方法を提供することであり、前記方法は、
炭化水素基質フィードを不活性希釈液剤で希釈して、希釈された基質を生成する工程と、
希釈された基質をガス状フルオロ化試薬とを混合して、反応混合物を生成する工程と、
前記フルオロ化試薬を反応混合物中で基質と反応させて、基質をフルオロ化してフルオロ化された生成物質を得る工程と、
前記フルオロ化された生成物質を含む反応混合物を、ガス成分と前記フルオロ化された生成物質を含む液状成分とに分離する工程と、
前記フルオロ化された生成物質を前記液状成分から取り出し、前記フルオロ化された生成物質が取り出された液状成分を、前記液状成分が希釈液として作用する希釈工程に返送する工程とを含み、
前記方法は、混合工程が泡状の反応混合物を形成することを特徴とし、前記方法がさらに、
前記反応混合物を、混合工程から分離工程につながる流路内を泡状で通過させることによって、前記フルオロ化試薬を基質と反応させる工程であって、前記流路は水平に対して少なくとも45°傾斜しており、泡が流路内を移動するにつれて、前記フルオロ化試薬は泡中で基質と反応する工程と、
フルオロ化試薬のフィードをガス成分に供給する工程と、
反応混合物中にフルオロ化試薬にフルオロ化試薬を提供する混合工程に、前記フルオロ化試薬フィードを含むガス成分を再循環させる工程とを含む。
【0003】
前記基質フィードの希釈液による希釈は、希釈液中に基質の溶液、エマルジョンまたはサスペンションを形成し、前記希釈液が連続相を形成して、基質の媒体(carrier)として作用するようなものであればよい。本発明の希釈液の文脈中で用いる「不活性」とは、前記プロセスの作業中において、前記希釈液が許容されない化学反応を一切受けず、好ましくは、どのような化学反応も一切受けないことを意味するものとする。好ましくは、前記基質フィードは、混合工程の上流側であって、前記混合工程中に十分に均質な液体フィードを提供できる程度に混合工程から離れている場所で、乱流(turbulent flow)を受けている希釈液流に供給される。特に、前記炭化水素基質は、前記炭化水素基質は分離工程と混合工程の間の位置で、乱流を受けている液状成分流中に供給されればよい。
【0004】
好適には、液状成分を希釈工程に返送するのは、前記液状成分を、分離工程から希釈工程へポンプで送液し、前記ポンプ送液された液状成分に乱流を起こすような流速で送液する。炭化水素基質フィードは、炭化水素基質フィードが液体の状態で(with the hydrocarbon substrate feed in the liquid form)ポンプ送液された液状成分の乱流中に供給される。前記基質は、原則として、気体状または、微細に粉砕された固形の形状でもよいが、前記基質は、混合工程までに希釈液に十分に溶解されるものか、そうでなければ、希釈液に分散されるのものでなければならない。
【0005】
混合は好ましくはフラッシュ混合であり、通常、希釈された基質とフルオロ化試薬を一緒に静止型混合装置のようなインライン連続式ミキサーに通すことにより行なわれる。前記静止型混合装置は、通常、エゼクター、エダクターまたはエクストラクター式のジェットポンプの形態であり、ベンチュリを含んでいてもよい。尚、「フラッシュ混合」という用語は、長くとも1秒以内に混合工程が実質的に完了する混合のことを意味する。
【0006】
どのようなガス状フルオロ化試薬も用いることができ、例えば、酸化性フッ素含有化学物質のようなものがある。前記ガス状フルオロ化試薬は、F2,UF6,XeF2,ClF3およびBrF3から選択されるフルオロ化ガスの群より選択することができるが、収率、コストおよび入手容易性等の理由から、F2のようなフッ素分子が一般的には好ましい。発熱性の反応工程の制御を容易にするために、フルオロ化ガスは不活性希釈ガスによって希釈されていてもよい。不活性希釈ガスは、アルゴンのような不活性貴ガスであればよいが、この場合もコストや入手容易性の理由から、窒素を用いることが好ましい。すなわち、ガス状フルオロ化試薬は、希釈された基質と混合される時に、希釈された状態であってもよく、前記ガス状フルオロ化試薬は不活性希釈ガスによって希釈されている。従って、再循環されるガス成分は、通常はF2/N2混合物であり、前記混合物中、F2が10〜80体積%、好ましくは30〜60体積%、たとえば50%を構成し、適切または最適な値は日常的な実験によって決定される。混合工程において混合されるガスと液体の体積比は、2:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:10、たとえば1:4であり、これにより泡のコンシステンシー(consistency)が決定される。
【0007】
本発明の特定の実施形態において、ガス状フルオロ化試薬は、本質的に、N2を不活性希釈ガスとするF2/N2ガス混合物の一部であるF2であってもよく、前記ガス状フルオロ化試薬を希釈された基質と混合する場合、前記ガス混合物は10〜80体積%のF2と20〜90体積%のN2とを含み、混合工程におけるガス混合物と希釈された基質の体積比は2:1〜1:50である。
【0008】
泡中でフルオロ化試薬を基質と反応させる工程は、許容される完了度に反応が進むまで、液体およびガス状の成分が許容されない分離を起こすことなく、反応混合物を泡状に維持することが好ましい。出願人は反応混合物を混合工程から、下方、あるいは好ましくは上方に伸びるが水平ではない流路、例えばパイプの形態の導管の様な流路に排出することによって、液体およびガス状の成分への分離に対して耐性を持つ泡の保持を促進することを発見した。従って、フルオロ化試薬を泡の中で基質と反応させることは、泡状の反応混合物を、混合工程から分離工程につながる流路内を通過させることを含んでいてもよく、前記流路は水平から傾斜しており、フルオロ化試薬は泡が流路内を移動するにつれて泡中で基質と反応する。泡が断面円形の導管に沿って混合工程から鉛直方向上方に排出される場合、鉛直方向導管における直径:長さ比は1:15〜1:40が一般に適切である。異なる断面外形または水平に対して異なった傾きを有する導管に対しては、日常的な実験を行なうことによって、最適値若しくは許容値を定めることができる。特定の実施形態における任意の断面外形の導管において、流路は水平に対して少なくとも45°、好ましくは少なくとも80°傾斜していてもよく、長さ(mm)に対する流路の断面流面積(mm2)の数比は、π/4:15〜π/4:40である。
【0009】
分離工程は、泡が分離して、ガス状のヘッドスペース(header space)またはフリーボード(freeboard)の下方に、液体層として沈降する沈降工程(settling step)であってもよい。フルオロ化生成物質および返送される液状成分はこの液体層から取り除けばよい。また、再循環されるガス状成分はヘッドスペースまたはフリーボードから取り除けばよく、前記フリーボードにガス状フルオロ化試薬フィードが供給されればよい。このように、特に、分離工程は沈降工程であってもよく、前記沈降工程では、泡をガス成分を含むヘッドスペースの下方に液状成分層に沈降させ、フルオロ化された生成物質および返送される液状成分を液体層から取り除き、再循環されるガス状成分をヘッドスペースから除去し、ガス状フルオロ化試薬のフィードがヘッドスペースに供給されればよい。フルオロ化された生成物質は、希釈液とフルオロ化された生成物質と部分的に反応した中間体の形態の基質との混合物の一部として取り出される。フルオロ化された生成物質は、この混合物から分離され、希釈液と部分的に反応した基質/中間体から形成される残さは、液状成分に再導入される。したがって、言い換えれば、フルオロ化された生成物質および返送される液状成分は、液体層から混合物として取り出すことができ、このプロセスには、液体層からこれらを取り出した後であって、液状成分が基質フィードを希釈する工程である希釈工程に入る前に、フルオロ化された生成物質を分離する工程が含まれてもよい。
【0010】
液状成分中においては、基質の分子または部分的に反応した基質の分子が互いに反応して重合またはオリゴマー化しうる場合があるので、これは好ましくない。この重合またはオリゴマー化は、希釈液を用いて基質分子または部分的に反応した基質分子を互いに引き離すか、あるいは液状成分をガス成分と緊密に混合して(intimate mixing)、好ましくは泡などを形成することによって抑えることができる。したがって、液状成分が泡状のガス状成分から分離されているのはできるだけ短い時間であるべきであり、液状成分が分離工程に滞留する時間はできるだけ短く、液状成分が分離工程から混合工程に要する時間や、分離が分離工程の前に起こるような場合には、泡状での反応工程から分離工程に供給されるのに要する時間も同様である。
【0011】
特に、液状成分が分離工程に滞留する時間、および、液状成分が分離工程から出てから混合工程に入るまでの液状成分返送工程に滞留する時間は、典型的には合計で長くとも10秒以内であればよい。しかしながら、一般に、前記合計滞留時間の上限は使用される基質の性質および希釈液の性質によって決定される。製造しようとする各フルオロ化された生成物質についての適切な滞留時間は、商業的および実務的な問題、特に不要な副生成物の不可逆的生成を防止または制限する必要性等を考慮して、日常的な実験によって決定されるべきである。
【0012】
プロセスパラメータに関する限り、反応工程は、反応温度における希釈液の蒸気圧から28MPaまでの間の範囲、好ましくは200〜700kPa、たとえば400kPaの高圧力下で行うことができる。そして反応温度は、−40℃〜80℃、通常、−30℃〜50℃、たとえば20℃とすることができる。典型的には、200〜700kPaの反応圧力および−10℃〜50℃の間の反応温度において、フルオロ化試薬と炭化水素基質とを泡中で反応させればよい。適切な不活性希釈液は、フッ化水素酸(HF)であることがわかっており、基質は、再循環される液状成分中に加えればよく、希釈液中への基質の希釈度が1:20000〜1:300000以上、通常、1:50000〜1:300000、たとえば1:160000となるような速度で加えればよい。言い換えると、不活性希釈液中への炭化水素基質フィードの供給は、希釈された基質中の基質:希釈液の体積比が1:50000〜1:300000の範囲となるような希釈液による基質の希釈が得られるような割合で行われればよい。
【0013】
上述のように、炭化水素基質は任意に置換されている。本発明の方法に従ってフルオロ化またはペルフルオロ化(すなわち完全にフルオロ化)されるのに好適な基質は、アルキルおよび/またはアリール基を含む芳香族炭化水素のような置換されていない飽和及び不飽和炭化水素を含み、あるいは、置換されている炭化水素、たとえばハロゲン化炭化水素、カルボン酸ハロゲン化物、スルホン酸ハロゲン化物、エーテル、エステルなどであってもよい。典型的には、基質中のあらゆる不飽和結合はフルオロ化によって飽和結合に転換されることになる。すなわち、基質は、アルキル化合物およびアリール化合物からなる非置換炭化水素群、およびハロゲン化炭化水素、カルボン酸ハロゲン化物、スルホン酸ハロゲン化物、エーテルおよびエステルからなる置換炭化水素群から選択することができる。上述したように、好ましい不活性希釈液はフッ化水素酸(HF)であるが、これはHFが本目的に対して通常十分に不活性であり、後述する装置において使用される方法および材料に適合するためである。
【0014】
本発明の第2の観点は、任意に置換された炭化水素基質をフルオロ化するための装置を提供することであり、たとえば上述の方法を用いることができる。前記装置は、液体流回路(liquid flow circuit)であって、
炭化水素基質フィードと希釈液を別々に受け取って、前記基質を希釈液で希釈する希釈段と、
希釈段と流体流通状態(in fluid flow communication with)にある混合段であって、ガス状フルオロ化試薬と希釈段から希釈された炭化水素基質フィードとを別々に受け取って、前記希釈した炭化水素基質フィードとガス状フルオロ化試薬とを混合して、反応混合物を形成する混合段と、
混合段と流体流通状態にある反応段であって、混合段から反応混合物を受け取るとともに、フルオロ化試薬を反応混合物中で前記基質と反応させて、前記基質をフルオロ化してフルオロ化生成物質を生成させる反応段と、
前記反応段は、水平方向に対して少なくとも45°の角度で傾斜した導管を備える反応段と、
反応段と流体流通状態にあり、希釈段に液体流路が接続し、混合段にはガス流路が接続している分離段であって、前記分離段は、反応段からフルオロ化生成物質を含む反応混合物を受け取って、前記反応混合物をガス成分と液状成分とに分離し、分離された液状成分を希釈液として希釈段に供給し、ガス状フルオロ化試薬を含む分離されたガス成分を混合段に供給する分離段と、
分離された液状成分を分離段から希釈段に返送して、前記液状成分を希釈段と混合段と反応段と分離段とを含む液体流回路に巡回させる液体返送手段と、
回路への基質液体供給ラインと、
フルオロ化試薬を反応段と混合段との間のガス流接続(gas flow connection)に供給するフルオロ化試薬ガス供給ラインとを含み、
前記混合段は、泡状の反応混合物を軽視することを特徴とし、前記装置は、分離されたガス成分を分離段から混合段に酸循環される再循環手段を含む。前記基質液体供給ラインは希釈段に流入してもよく、前記フルオロ化試薬ガス供給ラインは分離段に流入してもよい。
【0015】
より詳細には、混合段は、ベンチュリを含むジェットポンプなどの静止型混合装置であってもよく、使用時においてベンチュリを通過する希釈された基質流は、ガス状成分を分離段からベンチュリに取り出して再循環させる役割を果たし、その結果ジェットポンプはガス状成分を再循環させるガス再循環手段として機能する。従って、混合段は、駆動部を有しない静止型混合装置のようなインライン連続式混合装置を含んでいてもよい。特に、前記連続式混合装置は、希釈段と反応段との間の回路内に直列に接続され、希釈段から反応段に流れる希釈された基質をそのポンピング液として採用するジェットポンプの形態であってもよく、前記ジェットポンプは分離段およびフルオロ化試薬ガス供給ラインと連通するガス吸引入口を有し、ガス再循環手段として機能する。吸引室入口とフルオロ化試薬ガス供給ラインとの接続は、直接的なものであってもよいし、あるいは分離段を介した間接的なものであってもよい。液状成分を返送する液体返送手段は、導管に沿って希釈段を通って乱流速度で(at a turbulent flow rate through the dilution stage)、混合段に返送される液状成分を送液するように設置されているポンプでもよい。前記導管は、基質フィードを受け、基質フィードと混合段との間で希釈段として機能する。
【0016】
反応段は、ベンチュリから上方、好ましくは垂直方向に伸びる円形断面のパイプなどの導管であってもよく、前記パイプの直径:長さ比は、好ましくは1:15〜1:40、より好ましくは1:20〜1:35、例えば1:28である。一般に、反応段は、水平方向に対して少なくとも45°、好ましくは少なくとも80°の角度で傾斜した導管であってもよい。前記導管は、その任意の断面形状に対して、導管の長さ(mm)に対する断面流面積(mm2)の比がπ/4:15〜π/4:40の範囲である断面流面積および長さを有することができ、特に、1:20〜1:35の直径:長さ比を有する円形断面の実質的に垂直なパイプ(すなわち、水平に対する傾きが80°より大きい)である。
【0017】
分離段は、沈降タンクであってもよく、前記沈降タンクは、ベンチュリおよび反応段を形成するパイプの側方に配置されてもよく、好ましくはポンプが液状成分を沈降タンクからベンチュリに送液するフローラインが実施可能な限り短くなるように配置される。これは、基質フィードを、基質がベンチュリに入る前に液状成分によって十分均一に希釈または分散させるために十分な距離だけベンチュリーから遠ざけながらも、重合やオリゴマー化などの望ましくない副反応を抑制、好ましくはこれらを防止するのに十分な距離まで近づけなければならないこと、また反応段パイプの上端から分離段までの流路もまた実施可能な限り短くしなければならないことを留意してのことである。これは、液状成分がガス状成分によって泡状化されない時間をできるだけ短く保って、まだペルフルオロ化されていない基質分子の好ましくない重合やオリゴマー化に抵抗するためである。従って、分離段は、希釈段への液体排出口を低い位置に有し、混合段へのガス排出口とフルオロ化試薬ガスフィード入口を高い位置に有し、分離段と希釈段の間の回路部分は、実施可能な限り短くてもよく、希釈段は、希釈された基質を希釈の完了後、実施可能な限り即座に混合段に供給するように配置されており、これにより、回路内の希釈された基質によって費やされる時間は、泡を構成する場合を除いて、好ましくは長くとも30秒である。フルオロ化ガスフィードは、窒素などの不活性希釈ガスをガス状成分に供給するための不活性ガスフィードと同様に、沈降タンクのヘッドスペースまたはフリーボードに流入するようにしてもよい。
【0018】
液状成分の沈降が遅い場合には、分離段は前記分離段を促進するためのサイクロン(ハイドロサイクロン)などの動的分離装置を含んでいてもよい。本発明のプロセスに関して上述したように、時間の上限は、使用する基質および希釈液の性質、ならびに、実務上および経済上の問題および望ましくない副生成物を回避する必要性を考慮に入れて、日常的な実験によって決定される。多くの場合において短時間で行うことが望まれるものの、多少は不明確に長い沈降時間を使用することができるような基質や希釈液である場合には、長い滞留時間も許容されると考えられ、このことが本発明の方法の柔軟性を実証している。
【0019】
この点に関して、本発明の方法は名目上は連続的に行われるが、フッ素分子(F2)フィードなどの任意のフルオロ化ガス中に不純物が存在しうること、ならびにフルオロ化工程の間に気化性分解生成物が生成しうることから、準バッチ式であると見なしうると考えられる。そのような不純物の沈積により、装置によって形成された回路を周期的にブローダウン(blow-down)し、新たなプロセスを開始する必要がある。必然的に、フルオロ化ガスの純度が十分に高く、許容可能な少量の気化性分解生成物しか形成されていない場合には、周期的ブローダウンは必要なく、あるいはそのようなブローダウンは長い期間をおいて例外的かつ不定期に行われてもよい。窒素は典型的には起動時に沈降タンク内のガス成分中に供給されてフッ素を希釈した後、次の起動または後続のブローダウン後までそれ以上の窒素は供給されないと予想されるが、必要であれば、当然のことながら、基質およびフッ素は、プロセスの動作中、それらが消費されるにつれて、プロセスに連続的に供給される。窒素の消費は許容可能なほど低いと考えられ、ブローダウン前の動作中には補給する必要はないと考えられる。もし必要であれば、補給はブローダウン後または次の起動前に行うことができる。本発明の装置の一般構成は反応条件に関して柔軟性を与え、様々の生成物に対する最適化を可能にするとともに、プロセス制御の容易さと望ましい安全性を高める。
【0020】
次に、添付の模式図を参照しながら非限定的な実施例によって本発明を説明する。添付の模式図において、唯一の図は、本発明のプロセスを実施するための本発明に従う装置の模式的フローチャートであり、本発明についても、以下の実施例を参照して説明する。
【0021】
図面において、参照符号10は本発明のプロセスを実施するための本発明の装置を一般的に示している。装置10において、基質フィードフローラインは、参照符号12で示された円形の外形を有する導管であり、参照符号14で示される円形の外形を有する導管の形態でフローラインの形態の希釈段の上流端に注ぎ込む。フローライン14はベンチュリを含むジェットポンプ16の形態の混合段に注ぎ込み、前記ジェットポンプ16は次に、鉛直方向上方に伸びる断面円形の、1:28の直径:長さ比を有するパイプによって提供されるフローライン18の形態の反応段に注ぎ込む。パイプ18の上端部は水平方向に伸びるフローライン20に注ぎ込み、前記フローライン20の下流端部は下方の沈降タンク22の形態の分離段に注ぎ込む。
【0022】
フルオロ化された生成物質取出しフローライン24は、タンク22の底部から導出し、フッ素ガス供給ライン26および窒素ガス供給ライン28はそれぞれタンク22の頂部に注ぎ込み、フッ素供給ラインは高位に設けられた入口27からタンク22に注ぎ込む。ポンプ30は、タンク22の底部から低位に設けられた出口33を介してフローライン32から供給される入口と、フローライン14の上流端部に注ぎ込むフローライン34に注ぎ込む出口を有する。図面中に明確には示していないが、装置10の様々な部分は、フローライン14、20、32および34が実施可能な限り短くなるように配置されており、特にフローライン14は、フローライン12から注ぎ込まれる基質とフローライン34から注ぎ込まれる液体流とを、希釈流がジェットポンプ16に入る前に、十分に混合し、希釈するのに必要な長さがあればよい。ガスフローライン36は、タンク22の頂部の高位に設けられた出口37からジェットポンプ16のガス入口38に伸びる。
【0023】
使用時には、起動時において、タンク22に適当な体積の希釈液、例えば、後述するフッ化水素酸を充填し、タンク内の希釈液の上方のヘッドスペースまたはフリーボードに適切なフッ素/窒素ガス混合物、たとえば体積比50:50の混合物を、フッ素はフローライン26から、窒素はフローライン28から充填する。
【0024】
本発明の方法は、ポンプ30を用いて液体をタンク22からフローライン32、34および14を通ってジェットポンプ16に送液するように工程を始める。基質は外部供給源からフローライン12を通ってフローライン14に供給され、フッ素は外部供給源からフローライン26を通ってタンク22に供給され、液体はライン24を通してタンク22から取り出される。動作中、フローライン28を通して窒素が供給されることはないが、ジェットポンプ16は、ガスをタンク22のフリーボードからフローライン36を介して取り出し、前記ガスをポンプ16のガス入口38に、そこからフローライン/反応段18に再循環させる機能も果たす。
【0025】
希釈液と基質フィードとは、フローライン14内で即座に混合し、それらの内容物は、ライン14内に乱流を生み出すのに十分な出力速度で動作されるポンプ30によって乱流に維持されている。混合された基質および希釈液は、次にジェットポンプ16内でフローライン36からのガスと激しく混合され、連続泡を形成し、この泡はフローライン18全体を占めるとともに充満し、前記泡は、フローラインを上昇していく。この泡はフローライン18からフローライン20を通ってタンク22に至り、前記タンク22においてガス−液体分離を行うことが可能になる。
【0026】
基質のフルオロ化はフローライン18内で起こり、フローライン20とタンク22内では、実施可能な範囲でほぼ完了されている。液体層(図示せず)はタンク22の底部に形成され、希釈液と、部分的に反応した基質(部分的にフルオロ化された生成物質)と完全にフルオロ化された生成物質、すなわちペルフルオロ化生成物質と、(飽和まで)溶解された反応ガス(F2およびN2)とを含んでいる。基質はライン12を通って、フッ素はライン26を通って、フローライン18および20内ならびにタンク22内の基質のフルオロ化速度に対応する速度で供給され、フルオロ化された生成物質は、タンク22からライン24を通して、フルオロ化によって形成されるフルオロ化生成物、たとえばペルフルオロ化生成物が形成される速度で取り出される。取出されたフルオロ化された生成物質は、蒸留カラムなどの分離段(図示せず)に通され、フルオロ化された生成物質はここで希釈液および部分的にフルオロ化された生成物質から分離され、前記希釈液および部分的にフルオロ化された生成物質はタンク22に再び導入される。液体はタンク22からポンプ30によってライン32および34を介してライン14内の希釈段に返送される。
【0027】
タンク22内を一定の所望圧力とするために、フルオロ化ガス供給速度の調節は、ライン26からタンク22への入口27に設けた圧力調節弁(図示せず)によって行うと好都合であることが分かっている。これは、閉じた回路を形成する装置内におけるいかなる圧力降下も、基質のフルオロ化の結果として生じるフッ素ガスの分圧の低下から起こるためである。したがって、回路内の圧力が一定に維持されているとすれば、フッ素ガス供給速度は基質供給速度に直接的に依存しており、自己調節的(self-regulating)である。そして基質の供給速度は、装置内における基質のフルオロ化に起因する発熱を考慮して、装置内の温度が許容範囲内に維持されるように調節される。
【0028】
上記装置およびプロセスは、以下の実施例に従って動作させることができる。
実施例1
n−ヘキサンのペルフルオロ化
フローライン12、26、28および24を除いた全体積が8リットルの図面に示した装置において、6kgの無水フッ化水素酸(フッ化水素またはHF)をタンク22に装填した。次に、ポンプ30を用いて上記液体を、タンク22、ベンチュリポンプ16およびフローライン14,18、20、32および34によって構成される回路に、フッ化水素酸が一分間あたり10回循環し、回路内での対流時間が全体として、分離工程、再循環工程および希釈工程すべてを合わせて6秒以内となるように、速度60kg/分で循環させた。タンク22には圧力が200kPaになるまで窒素を充填し、圧力が400kPaに達するまでタンク22にフッ素をゆっくり充填し、タンク内にF2:N2の体積比が50:50のガス混合物を得た。タンク22の温度は25℃に制御した。
【0029】
乾燥n−ヘキサンを、500μL/分の速度で、ピストンポンプ(図示せず)によってライン12を介して回路内に送液するとともに、フッ素を400kPaの圧力を維持するのに十分な速度でタンク22内に供給した。タンク22内のわずかな温度上昇は、ライン26に沿ったフッ素フィード内の圧力変動(surge)とともに記録した。液体を、タンク内の一定の低液量を維持するのに十分な速度で、泡は除去されないように、ライン24に沿ってタンク22から除去した。
【0030】
ライン24に沿ってタンクから除去された液体を、沈降させて2層に分離したところ、その下方層がペルフルオロ化ヘキサンであった。これを蒸留によって精製し、部分的にフルオロ化された生成物質はタンク22に返送し、より重いオリゴマー廃物生成物は除去した。沈降による上層を蒸留して、精製されたフッ化水素酸を得た。前記フッ化水素酸は、パイプ14に返送するのに適しており、さらに他の場所に使用するのにも適している。上層の蒸留による他の蒸留留分、例えば、部分的にフルオロ化された基質もタンク22に返送された。ペルフルオロ化ヘキサンは、理論収率85%で得られ、フッ素損失は2%未満であった。
【0031】
実施例2
フッ化オクタノイルのペルフルオロ化
ライン12を介して、300μL/分の速度で基質としてのフッ化オクタノイルを希釈液としてのHF中に供給したことを除いては、実施例1と同様に行なった。この場合もF2:N2比を50:50とし、全反応圧力を400kPaとした。反応温度は−10℃〜−5℃の間に制御した。沈降タンク22内の液量を一定に保つために、液体をライン24から連続的に取り出した。生成混合物を蒸留してHFをその有機成分から分離した。このようにして得られたペルフルオロ化生成物は、さらに蒸留を行うことによって前記生成物から副生成物を除去することにより、さらに精製された。非最適条件下において、フッ化ペルフオロオクタノイル生成物質(perfluorooctanoyl fluoride product material)が収率62%で得られた。
【0032】
実施例3
3−メトキシ−テトラフルオロプロパン酸メチルエステルのペルフルオロ化
実施例1を繰り返し、3−メトキシ−テトラフルオロプロパン酸メチルエステルを基質とするペルフルオロ化を行った。基質はライン12を介して900μL/分の速度で希釈液としてのHF中に供給した。F2:N2比を40:60とし、全反応圧力を350kPaとした。反応温度は4℃〜10℃の間に制御した。沈降タンク22内の液量を一定に保つために、液体をライン24から連続的に取り出した。目的とする生成物は、希釈されていない状態において非常に不安定であることがわかった。適切な求核試薬の存在下において、脱エステル化が起こり、酸フッ化物と二フッ化カルボニルを生じることが分かった。生成物を分析するために、メトキシエステルを形成した。メトキシエステルの形成は、まず最初に有機生成物をHFから分離することによって行った。したがって、生成混合物試料をメタノールに添加し、それらと反応させた。このようにして得られた混合物を氷中に排出して層状に分離させた。下方有機層を分離し、さらなるメタノールおよびフッ化カリウムと再混合した。この混合物を6時間撹拌した。さらに洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過した後、メトキシエステルを分析した。非最適条件下において、3−トリフルオロメトキシ−テトラフルオロプロパン酸メチルエステルが収率47%で得られた。
【0033】
実施例4
2−メトキシ−テトラフルオロプロパン酸メチルエステルのペルフルオロ化
実施例1を繰り返し、2−メトキシ−テトラフルオロプロパン酸メチルエステル基質をペルフルオロ化した。基質はライン12を介して900μL/分の速度で希釈液としてのHF中に供給した。F2:N2比を40:60とし、全反応圧力を350kPaとした。反応温度は4℃〜10℃の間に制御した。沈降タンク22内の液量を一定に保つために、液体をライン24から連続的に取り出した。生成混合物試料をメタノールに添加し、それらと反応させた。このようにして得られた混合を氷中に排出して層に分離した。下方有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過した。この濾過した物質を32℃〜34℃の間の温度で蒸留し、生成物質留分を得た。非最適化条件下において、ペルフルオロ−(2−メトキシ−プロパン酸メチルエステル)が収率35%で得られた。
【0034】
本発明の利点は、特に添付の図面ならびに上記実施例1〜4を参照して上述したように、本発明が炭化水素基質のフルオロ化またはペルフルオロ化に対する効果的な方法および装置を提供し、特に最適化された場合において、経済的にも他に負けない容易に実施可能な実用的様式で、良好な生成物収率を与えることを約束することである。

Claims (14)

  1. 炭化水素基質をフルオロ化する方法であって、前記方法は、
    炭化水素基質フィードを不活性希釈液剤で希釈して、希釈された基質を生成する工程と、
    希釈された基質をガス状フルオロ化試薬とを混合して、反応混合物を生成する工程と、
    前記フルオロ化試薬を反応混合物中で基質と反応させて、基質をフルオロ化してフルオロ化された生成物質を得る工程と、
    前記フルオロ化された生成物質を含む反応混合物を、ガス成分と前記フルオロ化された生成物質を含む液状成分とに分離する工程と、
    前記フルオロ化された生成物質を前記液状成分から取り出し、前記フルオロ化された生成物質が取り出された液状成分を、前記液状成分が希釈液として作用する希釈工程に返送する工程とを含み、
    前記方法は、混合工程が泡状の反応混合物を形成することを特徴とし、前記方法がさらに、
    前記反応混合物を、混合工程から分離工程につながる流路内を泡状で通過させることによって、前記フルオロ化試薬を基質と反応させる工程であって、前記流路は水平に対して少なくとも45°傾斜しており、泡が流路内を移動するにつれて、前記フルオロ化試薬は泡中で基質と反応する工程と、
    フルオロ化試薬のフィードをガス成分に供給する工程と、
    反応混合物中にフルオロ化試薬にフルオロ化試薬を提供する混合工程に、前記フルオロ化試薬フィードを含むガス成分を再循環させる工程とを含むことを特徴とする炭化水素基質のフルオロ化方法。
  2. 前記炭化水素基質フィードは、乱流を受けている液状成分流中に供給され、前記炭化水素基質は、分離工程と混合工程の間の位置で供給される請求項1に記載のフルオロ化方法。
  3. 希釈工程への液状成分の返送は、送液された液状成分中に乱流を発生させるのに十分な速度で、液状成分を希釈工程に送液することによって行われ、炭化水素基質フィードは、炭化水素基質フィードが液体の状態で前記送液された液状成分の乱流中に供給されるものである請求項2に記載のフルオロ化方法。
  4. 前記混合は、長くとも1秒以内に実質的に完了する混合工程によるものである請求項1〜3のいずれかに記載のフルオロ化方法。
  5. 前記分離工程は沈降工程であって、泡をガス成分を含むヘッドスペースの下方の液状成分の層中に沈降させ、フルオロ化された生成物質および返送される液状成分は、前記液体層から取り出され、再循環されたガス成分はヘッドスペースから取り出されるとともに、ガス状フルオロ化試薬のフィードが、ヘッドスペースに供給されるものである請求項1〜4のいずれかに記載のフルオロ化方法。
  6. 液状成分が分離工程に滞留する時間、および液状成分が分離工程を出てから混合工程に入るまでにおける液状成分が液体成分返送工程に滞留する時間は、全体で長くとも10秒以内である請求項1〜5のいずれかに記載のフルオロ化方法。
  7. 200〜700kPaの反応圧力および−30℃〜50℃の間の反応温度で、フルオロ化試薬を泡中で炭化水素基質と反応させる請求項1〜6のいずれかに記載のフルオロ化方法。
  8. 前記炭化水素基質フィードは、不活性希釈液剤中に供給され、前記基質が希釈液によって希釈される比率は、希釈された基質中の基質:希釈液の体積比が1:50000〜1:300000の範囲となる請求項1〜7のいずれかに記載のフルオロ化方法。
  9. 前記不活性希釈液はフッ化水素酸(HF)である請求項1〜8のいずれかに記載のフルオロ化方法。
  10. 炭化水素基質をフルオロ化するための装置であって、前記装置は、液体流回路であって、
    炭化水素基質フィードと希釈液剤を別々に受け取って、前記基質を希釈する希釈液と、
    希釈段と流体流通状態にある混合段であって、ガス状フルオロ化試薬と希釈段から希釈された炭化水素基質フィードとを別々に受け取って、前記希釈した炭化水素基質フィードとガス状フルオロ化試薬とを混合して、反応混合物を形成する混合段と、
    混合段と流体流通状態にある反応段であって、混合段から反応混合物を受け取るとともに、フルオロ化試薬を反応混合物中の前記基質と反応させて、前記基質をフルオロ化してフルオロ化生成物質を形成する反応段であり、
    前記反応段は、水平方向に対して少なくとも45°の角度で傾斜した導管を備える反応段と、
    反応段と流体流通状態にあり、希釈段に液体流路が接続し、混合段にはガス流路が接続している分離段であって、前記分離段は、反応段からフルオロ化生成物質を含む反応混合物を受け取って、前記反応混合物をガス成分と液体成分とに分離し、分離された液体成分を希釈液として希釈段に供給し、ガス状フルオロ化試薬を含む分離されたガス成分を混合段に供給する分離段と、
    分離された液状成分を分離段から希釈段に返送して、前記液状成分を希釈段と混合段と反応段と分離段とを含む液体流回路に巡回させる液体返送手段と、
    回路への基質液体供給ラインと、
    回路への基質液体供給ラインと、フルオロ化試薬を反応段と混合段との間のガス流接続に供給するフルオロ化試薬流体ガス供給ラインとを含み、
    前記装置は、混合段が泡状の反応混合物を形成することを特徴とし、前記装置は、分離されたガス成分を分離段から混合段に再循環させる再循環手段を含むことを特徴とする装置。
  11. 前記基質液体供給ラインは希釈段に導入され、前記フルオロ化試薬ガス供給ラインは分離段に導入されている請求項10に記載の装置。
  12. 前記連続式混合装置は、希釈段と反応段との間の回路内に直列に接続されたジェットポンプの形態であり、希釈段から反応段に流れる希釈された基質をポンピング液として使用し、前記ジェットポンプは分離段およびフルオロ化試薬ガス供給ラインに連通するガス吸引入口を有し、前記ジェットポンプは、ガス再循環手段として機能するものである請求項10又は請求項11に記載の装置。
  13. 前記導管は、1:20〜1:35の直径:長さ比を有する円形断面の実質的に垂直なパイプである請求項10〜12のいずれかに記載の装置。
  14. 前記分離段と前記希釈段の間の回路部分は、実施可能な限り短く、希釈段は、希釈された基質を、希釈の完了後実施可能な限り即座に混合段に供給するように配置されており、回路内において希釈された基質によって費やされる時間は、泡を構成する場合を除いて、長くとも10秒である請求項10〜13のいずれかに記載の装置。
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