JP4781122B2 - 建物ユニット用保護カバーの止水構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ユニット建物を構成する建物ユニットを例えば搬送する際に該建物ユニットを保護するのに好適な建物ユニット用保護カバーの止水構造に関する。
一般的に、例えばユニット建物を構成する複数個の建物ユニットはそれぞれ木製の板や石膏ボード等のように吸湿性を有する部材で構成されているため、各建物ユニットを製造工場から施工現場に搬送する際、各建物ユニットを例えば雨水から保護すべく各建物ユニットを覆うカバー本体を備える保護カバーが用いられている。
カバー本体の建物ユニットの天井部の四隅に対応する位置には、それぞれアイボルトのような吊り具が挿通される挿通孔が形成されている。各挿通孔の縁部には、一端が各挿通孔でカバー本体内に開放し且つ他端が建物ユニットの例えば保管時に紐により絞られた筒状の袋部材がそれぞれ設けられている。
この保護カバーを用いて建物ユニットを例えば施工現場に搬送する際、各袋部材の他端を開放することにより各建物ユニットの四隅をそれぞれカバー本体の各挿通孔から露出させ、各建物ユニットの四隅にそれぞれ吊り具を各袋部材内で取り付ける。これにより、建物ユニットからカバー本体を取り外すことなく建物ユニットに吊り具を取り付けることができる。次に、各吊り具にクレーンのフックを引っ掛けることによりクレーンを用いて各建物ユニットを吊り上げ、各建物ユニットを輸送用のトラックに積載する。続いて、各袋部材の他端を再び紐により絞ることにより各袋部材の他端を閉鎖する。その後、前記トラックにより各建物ユニットを施工現場に輸送する。
しかしながら、各建物ユニットの保管時及び輸送時に各袋部材の他端を単に紐によって絞ることにより各袋部材の他端を閉鎖することから、各袋部材の他端を水密的に封止することが困難である。このため、各建物ユニットの保管時及び輸送時に水が各袋部材の他端を経て各袋部材内を通り各挿通孔を経てカバー本体内に浸入する虞がある。また、各建物ユニットの輸送時にトラックの走行時に受ける風によって各袋部材にばたつきが生じ、騒音の発生を招く虞がある。
そこで、各建物ユニットの保管時及び輸送時にカバー本体の各挿通孔を水密的に封止し且つ輸送時のカバー本体のばたつきの発生を防止するために、カバー本体に形成された前記各挿通孔の縁部に該縁部からカバー本体の上方へ立ち上がる筒状の台座と該台座の開放した先端を開閉可能な蓋部材とがそれぞれ設けられた保護カバーが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この保護カバーでは、各建物ユニットの搬送時、各台座から各蓋部材を取り外すことにより各挿通孔を開放し、該各挿通孔から露出した各建物ユニットの天井部の四隅のそれぞれに吊り具を各台座内で取り付ける。次に、前記したと同様に各建物ユニットを吊り上げてトラックに積載した後、蓋部材を各台座の先端に取り付けることにより該先端を閉鎖する。これにより、カバー本体に設けられた袋部材の他端を紐で絞る場合における止水度に比べて各台座の先端の止水度をより確実に向上させることができるので、各建物ユニットの保管時及び輸送時に各挿通孔を経てカバー本体内に水が浸入することを確実に抑制することができる。また、袋部材とは異なり、トラックの走行時に受ける風によって大きく揺動することはないので、各蓋部材自体にばたつきが生じることが抑制される。これにより、袋部材のばたつき時のような騒音の発生を確実に防止することができる。
特開2005−256534号(第3−4頁、図1)
しかしながら、カバー本体に袋部材を設けた場合とカバー本体の外周面に台座及び蓋部材を設けた場合とのいずれの場合も、各建物ユニットの吊り上げ時に袋部材の他端及び台座の先端がそれぞれ開放しており、吊り具挿通孔が閉鎖されていないことから、各建物ユニットの吊り上げ時にカバー本体の挿通孔を経てカバー本体内に水が浸入する虞がある。
そこで、本発明の目的は、建物ユニットの保管時、吊り上げ時及び輸送時にカバー本体の吊り具挿通孔を経てカバー本体内に水が浸入することを防止することができる建物ユニット用保護カバーを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、建物ユニットを覆うカバー本体と、該カバー本体に形成された吊り具挿通孔と、該吊り具挿通孔内にねじ込まれて前記建物ユニットに取り付けられる閉鎖部材とを備え、該閉鎖部材と前記カバー本体との間には、前記閉鎖部材及び前記カバー本体間を止水する止水手段が設けられ、前記止水手段は、前記吊り具挿通孔の縁部に水密的に設けられた環状の止水部材を備え、前記止水部材は、前記閉鎖部材をねじ込んだときに受ける前記建物ユニットへ向けての押圧力により弾性変形する変形部を有するとともに、周方向に伸びる環状の溝を有し、前記変形部は前記溝が広がるように弾性変形することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記止水手段は、前記閉鎖部材に形成されて前記止水部材を覆うように張り出す環状の張出部を備え、前記閉鎖部材をねじ込んだときに前記止水部材が前記閉鎖部材の前記張出部と前記建物ユニットとの間に挟持されることにより、前記閉鎖部材及び前記カバー本体間が止水されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記止水部材には、その径方向外方へ開放し、前記吊り具挿通孔の前記縁部が挿入される環状の溝が形成されており、該溝の互いに対向する内面には、それぞれ前記溝内に挿入された前記吊り具挿通孔の前記縁部を挟み込むべく該縁部に向けて突出する複数の突起部が形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、前記止水部材は、前記吊り具挿通孔の前記縁部を補強するための環状の補強部材であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発明において、前記止水手段は、前記閉鎖部材に形成されて前記吊り具挿通孔の縁部を覆うように張り出す環状の張出部を備え、前記閉鎖部材をねじ込んだときに前記止水部材が前記張出部と前記吊り具挿通孔の前記縁部との間に挟持されることにより、前記閉鎖部材及び前記カバー本体間が止水されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項乃至5のいずれか一項に記載の発明において、前記止水部材の内周面には、前記止水部材の内径が前記カバー本体の外方から内方へ向けて漸減するように傾斜する傾斜面が前記止水部材の周方向に沿って形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発明において、前記閉鎖部材は、前記建物ユニットを吊り上げるための吊り具であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項2乃至6のいずれか一項に記載の発明において、前記閉鎖部材は前記吊り具挿通孔を塞ぐための栓部材であり、該栓部材は、その前記カバー本体の外方側に位置する端面が前記止水部材の前記カバー本体の外方側に位置する面とほぼ面一になるように、前記建物ユニットに取り付けられていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記止水部材の内周面には前記止水部材の内径が前記カバー本体の外方から内方へ向けて漸減するように傾斜する傾斜面が前記止水部材の周方向に沿って形成されており、前記張出部は、前記栓部材の前記端面を含む端部から前記止水部材の前記傾斜面上に張り出していることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発明において、前記閉鎖部材は、前記建物ユニットを含む複数の建物ユニットを互いに積み重ねたときに該各建物ユニットを互いに連結するための連結部材であることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、建物ユニットを覆い、吊り具挿通孔が形成されたカバー本体と、前記吊り具挿通孔の縁部に水密的に設けられ、該吊り具挿通孔内にねじ込まれて前記建物ユニットに取り付けられる閉鎖部材と前記カバー本体との間に設けられ、前記閉鎖部材及び前記カバー本体間を止水するための止水手段とを備え、前記止水手段は、前記吊り具挿通孔の縁部に水密的に設けられた環状の止水部材を備え、前記止水部材は、前記閉鎖部材をねじ込んだときに受ける前記建物ユニットへ向けての押圧力により弾性変形する変形部を有するとともに、周方向に伸びる環状の溝を有し、前記変形部は前記溝が広がるように弾性変形することを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の建物ユニット用保護カバーにおいて、前記止水手段は、前記閉鎖部材に形成されて前記止水部材を覆うように張り出す環状の張出部を備え、前記閉鎖部材をねじ込んだときに前記止水部材が前記閉鎖部材の前記張出部と前記建物ユニットとの間に挟持されることにより、前記閉鎖部材及び前記カバー本体間が止水されていることを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項11又は請求項12に記載の建物ユニット用保護カバーにおいて、前記止水手段は、前記閉鎖部材に形成されて前記吊り具挿通孔の縁部を覆うように張り出す環状の張出部を備え、前記閉鎖部材をねじ込んだときに前記止水部材が前記張出部と前記吊り具挿通孔の前記縁部との間に挟持されることにより、前記閉鎖部材及び前記カバー本体間が止水されていることを特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、請求項11乃至13のいずれか一項に記載の建物ユニット用保護カバーにおいて、前記止水部材の内周面には、前記止水部材の内径が前記カバー本体の外方から内方へ向けて漸減するように傾斜する傾斜面が前記止水部材の周方向に沿って形成されていることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項1に記載の建物ユニット用保護カバーの止水構造を用いてユニット建物を構成する建物ユニットを搬送する方法であって、前記建物ユニットを建物ユニット用保護カバーのカバー本体により覆い、前記建物ユニットの吊り上げ時には、前記建物ユニット吊り上げるための吊り具を、前記カバー本体の吊り具挿通孔を経て前記建物ユニットにねじ込んだときに前記吊り具に形成された張出部から受ける前記建物ユニットへ向けた押圧力により、前記カバー本体に形成された吊り具挿通孔の縁部に設けられた環状の止水部材の変形部を、周方向に伸びる環状の溝を広げるように弾性変形させて前記張出部を前記カバー本体に水密的に当接させ、前記建物ユニットの輸送時には、前記吊り具に代えて、前記吊り具挿通孔を塞ぐための栓部材を前記カバー本体の吊り具挿通孔を経て前記建物ユニットにねじ込んだときに前記栓部材に設けられた張出部から受ける前記建物ユニットへ向けての押圧力により、前記カバー本体に形成された吊り具挿通孔の縁部に設けられた環状の止水部材の変形部を周方向に伸びる環状の溝を広げるように弾性変形させて前記張出部を前記カバー本体に水密的に当接させることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、建物ユニットに取り付けられる閉鎖部材とカバー本体との間に、閉鎖部材及びカバー本体間を止水する止水手段が設けられていることから、閉鎖部材が建物ユニットに取り付けられた状態では、閉鎖部材及びカバー本体間が止水部材の止水作用により止水されるので、吊り具挿通孔が閉鎖部材及び止水部材により水密的に閉鎖される。これにより、閉鎖部材に例えば建物ユニットの搬送時に該建物ユニットを吊り上げるための吊り具を用いた場合でも、建物ユニットの吊り上げ時に吊り具挿通孔を経てカバー本体内に水が浸入することを確実に防止することができる。また、閉鎖部材に建物ユニットの保管時及び輸送時に用いられる閉鎖部材を用いた場合でも、建物ユニットの保管時及び輸送時に吊り具挿通孔を経てカバー本体内に水が浸入することを確実に防止することができる。
さらに、止水部材が、閉鎖部材の張出部から受ける建物ユニットへ向けての押圧力により弾性変形する変形部を有することから、建物ユニットへの閉鎖部材の取付状態では、止水部材の変形部の変形により、閉鎖部材は止水部材から弾性反力を受ける。これにより、止水部材と閉鎖部材の張出部との密着度が高まるので、カバー本体及び閉鎖部材間の止水性をより向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、止水手段が、吊り具挿通孔の縁部に水密的に設けられた環状の止水部材と、閉鎖部材に形成され、止水部材を覆うように張り出す環状の張出部とで構成されており、止水部材は、張出部及び建物ユニット間に挟持されることにより閉鎖部材及びカバー本体間を止水することから、建物ユニットへの閉鎖部材の取付け時に止水部材を張出部及び建物ユニット間に挟持することにより、吊り具及びカバー本体間を容易に止水することができる。
請求項3に記載の発明によれば、止水部材に形成された溝の互いに対向する内面に、それぞれ溝内に挿入された吊り具挿通孔の縁部を挟み込むべく該縁部に向けて突出する複数の突起部が形成されていることから、各突起部間に吊り具挿通孔の縁部を挟み込むことにより、止水部材とカバー本体との間をより確実に止水することができる。これにより、止水部材及びカバー本体間を通り吊り具挿通孔を経てカバー本体内に水が浸入することをより確実に防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、止水部材が吊り具挿通孔の縁部を補強するための環状の補強部材で構成されていることから、吊り具挿通孔の縁部を補強するために該縁部に設けられた補強部材に閉鎖部材及びカバー本体間の止水機能を担わせることができるので、吊り具挿通孔の縁部を補強することができることに加えて、閉鎖部材及びカバー本体間を止水することができる。
請求項5に記載の発明によれば、止水手段が、閉鎖部材に形成され、吊り具挿通孔の縁部を覆うように張り出す環状の張出部と、該張出部と吊り具挿通孔の縁部との間に配置された環状の止水部材とで構成されており、該止水部材が張出部と吊り具挿通孔の縁部との間に挟持されることにより、閉鎖部材及びカバー本体間が止水されていることから、建物ユニットへの閉鎖部材の取付け時に止水部材を張出部と吊り具挿通孔の縁部との間に挟持することにより、吊り具及びカバー本体間を容易に止水することができる。
請求項7に記載の発明によれば、閉鎖部材を、建物ユニットを吊り上げるための吊り具で構成することができる。これにより、建物ユニットの吊り上げ時に吊り具挿通孔を経てカバー本体内に水が浸入することを確実に防止することができる。
請求項8に記載の発明によれば、閉鎖部材は吊り具挿通孔を塞ぐための栓部材であり、該栓部材は、そのカバー本体の外方側に位置する端面が止水部材のカバー本体の外方側に位置する面とほぼ面一になるように建物ユニットに取り付けられている。
一般的に、建物ユニットは、輸送用のトラックに積載したときに輸送許可を得ることなく輸送可能な制限高さいっぱいの高さ寸法を有している。このため、従来のようにカバー本体に台座及び蓋部材が設けられた場合、台座及び蓋部材が建物ユニットの上方へ大きく突出してしまうため、建物ユニット全体の高さ寸法が制限高さを大きく超えてしまう。このため、建物ユニットをトラックで輸送するには輸送許可を得る必要がある。また、従来のようにカバー本体に袋部材が設けられた場合、建物ユニットから吊り具を取り外し、袋部材を折りたたむことにより、建物ユニット全体の高さ寸法を輸送許可を得ることなく輸送可能な大きさにすることができるが、前記したように袋部材の他端に止水性が確保されないため、建物ユニットの輸送時に吊り具挿通孔を経てカバー本体内に水が浸入する虞がある。
これに対し、本発明によれば、吊り具挿通孔を塞ぐための栓部材は、そのカバー本体の外方側に位置する端面が止水部材のカバー本体の外方側に位置する面とほぼ面一になるように建物ユニットに取り付けられていることから、栓部材が建物ユニットに取り付けられた状態では、栓部材が建物ユニットの上方に大きく突出することはないので、建物ユニット全体の高さ寸法が輸送許可を得ることなく輸送可能な大きさを大きく超えることはない。これにより、建物ユニットの輸送時に輸送許可を得る必要はない。また、建物ユニットへの栓部材の取付状態で栓部材及びカバー本体間が止水部材により止水されていることから、吊り具挿通孔が栓部材により水密的に閉鎖されているので、建物ユニットの輸送時に吊り具挿通孔を経てカバー本体内に水が浸入することを確実に防止することができる。
請求項9に記載の発明によれば、止水部材の内周面には止水部材の内径がカバー本体の外方から内方へ向けて漸減するように傾斜する傾斜面が止水部材の周方向に沿って形成されており、張出部は、栓部材の前記端面を含む端部から止水部材の傾斜面上に張り出していることから、張出部を止水部材の傾斜面に当接させることにより、建物ユニットへの栓部材の取付状態で栓部材の前記端面と止水部材の前記面とをより確実に面一にすることができる。また、止水部材は、その内縁部が張出部及び建物ユニット間に挟持されることにより栓部材及びカバー本体間を止水することから、止水部材を張出部及び建物ユニット間に挟持することにより、栓部材及びカバー本体間を容易に止水することができる。
請求項10に記載の発明によれば、閉鎖部材を、建物ユニットを含む複数の建物ユニットを互いに積み重ねたときに該各建物ユニットを互いに連結するための連結部材で構成することができる。
従来のような袋部材が設けられたカバー本体で覆われた各建物ユニットをその例えば保管時に互いに積み重ねた場合、各建物ユニットが互いに連結されていないため、各建物ユニットに該各建物ユニットを互いにずらす方向に力が作用したとき、各建物ユニットが容易にずれてしまい、各建物ユニットが落下する虞がある。また、従来のような台座及び蓋部材が設けられたカバー本体で覆われた各建物ユニットをその例えば保管時に互いに積み重ねた場合、台座及び蓋部材が各建物ユニットから受ける荷重で破損する虞がある。
このため、各建物ユニットの保管時に各建物ユニットを並べて配置する必要があり、広い保管場所を確保する必要がある。
これに対し、本発明によれば、各建物ユニットの保管時、連結部材を各建物ユニットにカバー本体の外方から吊り具挿通孔を経て取り付け、各建物ユニットを互いに積み重ねることにより、各建物ユニットを連結部材により互いに連結することができる。これにより、各建物ユニットに該各建物ユニットを互いにずらす方向に力が作用した場合でも、各建物ユニットがずれることが防止されるので、各建物ユニットが落下することを防止することができる。また、連結部材は、各建物ユニットを互いに積み重ねたときに該各建物ユニットを互いに連結するための部材であることから、各建物ユニットを互いに積み重ねることによる従来のような破損を招くことはない。従って、各建物ユニットの保管時に各建物ユニットを積み重ねて配置することができるので、広い保管場所を確保する必要はない。
請求項11に記載の発明によれば、閉鎖部材とカバー本体との間に、閉鎖部材及びカバー本体間を止水する止水手段が設けられていることから、閉鎖部材が建物ユニットに取り付けられた状態では、閉鎖部材及びカバー本体間が止水部材の止水作用により止水されるので、吊り具挿通孔が閉鎖部材及び止水部材により水密的に閉鎖される。これにより、閉鎖部材に例えば建物ユニットの搬送時に該建物ユニットを吊り上げるための吊り具を用いた場合でも、建物ユニットの吊り上げ時に吊り具挿通孔を経てカバー本体内に水が浸入することを確実に防止することができる。また、閉鎖部材に建物ユニットの保管時及び輸送時に用いられる閉鎖部材を用いた場合でも、建物ユニットの保管時及び輸送時に吊り具挿通孔を経てカバー本体内に水が浸入することを確実に防止することができる。
請求項15に記載の発明によれば、建物ユニットを建物ユニット用保護カバーのカバー本体により覆い、建物ユニットの吊り上げ時には、建物ユニット吊り上げるための吊り具を、該吊り具に形成された張出部がカバー本体に形成された吊り具挿通孔の縁部に設けられた環状の止水部材に水密的に当接するように吊り具挿通孔を経て建物ユニットに取り付け、建物ユニットの輸送時には、吊り具に代えて、吊り具挿通孔を塞ぐための栓部材を、該栓部材に設けられた張出部が止水部材に水密的に当接するように吊り具挿通孔を経て建物ユニットに取り付けることにより、建物ユニットの吊り上げ時及び輸送時に吊り具及び栓部材とカバー本体との間が止水部材の止水作用により止水されるので、吊り具挿通孔が吊り具又は栓部材と止水部材とにより水密的に閉鎖される。これにより、建物ユニットの吊り上げ時及び輸送時に吊り具挿通孔を経てカバー本体内に水が浸入することを確実に防止することができる。
本発明を図示の実施例に沿って説明する。
図1は、建物ユニット11を例えば製造工場から施工現場に搬送する際に建物ユニット11を保護するための保護カバー10に本発明を適用した例を示す。
建物ユニット11は、従来よく知られているように、他の複数の建物ユニットと共同して図示しないユニット建物を構成する箱状の建築部材であり、四つの周壁12と、該周壁上に配置された板状の屋根13とを有する。
屋根13には、建物ユニット11の搬送時に該建物ユニットを吊り上げるための吊り具14を取り付けるための取付孔15が形成されている。
吊り具14は、図2に示す例では、従来よく知られたアイボルトで構成されており、環状部16と、該環状部からその径方向外方へ伸び、取付孔15内に挿入されるボルト部17とを有する。環状部16には、建物ユニット11を吊り上げる図示しないクレーンのフックが引っ掛けられる。
取付孔15は、図1に示す例では、屋根13の四隅のそれぞれに形成されている。各取付孔15の建物ユニット11の内方側に位置する縁部15aには、図2に示すように、それぞれ各取付孔15内に挿入された吊り具14のボルト部17に螺合するナット部材Nが設けられている。
保護カバー10は、図1に示すように、建物ユニット11を覆うカバー本体18を備える。カバー本体18は、例えばポリエチレン製の織布のように防水性を有する材料からなり、ほぼ矩形状をなし建物ユニット11の屋根13を覆うように配置されるシート状の頂部19と、該頂部の各縁部19aから下方に伸び、それぞれが建物ユニット11の各周壁12を覆うように配置される四つのシート状の側部20とを有し、全体的に、下方へ開放する箱状をなしている。
頂部19の建物ユニット11の屋根13の各取付孔15に対応する部分には、それぞれ吊り具14のボルト部17が挿通される挿通孔21がそれぞれ形成されている。
吊り具14は、図2に示すように、そのボルト部17がカバー本体18の各挿通孔21及び各取付孔15に挿入されて各ナット部材Nに螺合されることにより、建物ユニット11にカバー本体18上から固定される。
本発明に係る保護カバー10には、吊り具14及びカバー本体18間を止水するための止水手段が設けられている。
止水手段は、図2に示す例では、頂部19に形成された各挿通孔21の縁部21aに設けられた環状の止水部材22と、吊り具14のボルト部17の基端部17aから各止水部材22の内縁部22dをそのカバー本体18の外方側から覆うように張り出す環状の張出部28とで構成されている。
各止水部材22は、図示の例では、それぞれ例えばステンレススチールからなり、各挿通孔21の縁部21aを補強するための補強部材で構成されている。
各止水部材22の外縁部22aには、各挿通孔21の縁部21aに固定される固定部23が形成されている。固定部23は、図示の例では、各止水部材22の外周面22bに開放し且つ各止水部材22の周方向に伸びるように形成され、カバー本体18の各挿通孔21の縁部21aが挿入される環状の溝24を有する。溝24の互いに対向する内面24aには、それぞれ溝24内に挿入された各挿入孔21の縁部21aに向けて突出し、該縁部を挟み込むための複数の突起部24bが形成されている。各突起部24bは、それぞれ例えばゴムのように不透水性を有する材料で形成されている。各止水部材22は、それぞれの固定部23の溝24内でカバー本体18の各挿通孔21の縁部21aを各突起部24b間に挟み込むことにより、各挿通孔21の縁部21aに水密的に固定されている。
各止水部材22の内周面22cには、図示の例では、各止水部材22の内径がカバー本体18の外方から内方へ向けて漸減するように傾斜する傾斜面25が各止水部材22の周方向に沿って形成されている。傾斜面25は、後述する栓部材29の張出部31に当接可能である。
各止水部材22の内縁部22dにおけるカバー本体18の内方側の内方面22eには、それぞれ各止水部材22の周方向に伸びる環状の溝26が形成されている。これにより、各止水部材22の内縁部22dには、それぞれカバー本体18の外方側から外力が作用したときに容易に弾性変形可能な変形部27が形成されている。
各吊り具14のボルト部17に形成された張出部28は、建物ユニット11への吊り具14の取付状態で各止水部材22の内縁部22dにカバー本体18の外方から当接する。
建物ユニット11を搬送する際、該建物ユニットにカバー本体18を被せ、各吊り具14を建物ユニット11にカバー本体18上から前記したように取り付ける。このとき、各ナット部材Nへの各吊り具14のボルト部17のねじ込みにより、各止水部材22の内縁部22dを各吊り具14の張出部28と建物ユニット11の屋根13との間で挟持する。これにより、各吊り具14の張出部28と各止水部材22とが互いに密着するので、各吊り具14及びカバー本体18間が各止水部材22により水密的に封止される。また、各止水部材22の内縁部22dには、前記したように、それぞれ弾性変形可能な変形部27が形成されていることから、各吊り具14のボルト部17を各ナット部材Nにねじ込んだとき、各止水部材22の内縁部22dが各吊り具14の張出部28から受ける建物ユニット11の屋根13へ向けての押圧力により、溝26が広がるように変形部27が弾性変形する。これにより、各吊り具14の張出部28には、各止水部材22の変形部27から弾性反力が作用するので、各吊り具14の張出部28と各止水部材22との間の密着度が向上する。
次に、各吊り具14の環状部16に前記クレーンのフックを引っ掛けることにより建物ユニット11を吊り上げ、該建物ユニットを輸送用の図示しないトラックに積載する。その後、建物ユニット11を例えば施工現場に前記トラックにより輸送することにより、建物ユニット11の搬送が終了する。
建物ユニット11を輸送するとき又は保管場所に保管するとき、図3に示すように、各吊り具14に代えて、カバー本体18の各挿通孔21を塞ぐための前記した栓部材29を建物ユニット11に取り付けることができる。
栓部材29は、図示の例では、円柱状をなしており、その軸線を建物ユニット11の屋根13の板厚方向にほぼ一致させてカバー本体18の各挿通孔21に設けられた各止水部材22及び建物ユニット11の各取付孔15内に挿入されている。栓部材29の下端部29aには、各ナット部材Nに螺合可能な雄ねじ部30が形成されている。栓部材29の上端部29bの端面29cには、横断面が六角形をなした六角穴Hが形成されている。六角穴30には、雄ねじ部30をナット部材Nに螺合させるべく栓部材29を回転させるための例えば図示しない六角レンチが嵌合される。
また、栓部材29の上端部29bには、該上端部から各止水部材22に形成された傾斜面25上に張り出す環状の張出部31が形成されている。張出部31は、栓部材29の上端部29bの端面29cに連続する上面31aを有し、その下面は、建物ユニット11への栓部材29の取付状態で各止水部材22の傾斜面25に当接すべく栓部材29の軸線に関して傾斜している。
栓部材29の軸線に沿った長さ寸法は、張出部31の下面すなわち当接面32が止水部材22の傾斜面25に当接した状態で、栓部材29の上端部29bの端面29c及び張出部31の上面31aが止水部材22の内方面22eと反対側に位置する外方面22fとほぼ面一になるように設定されている。
建物ユニット11の輸送時又は保管時、各栓部材29を建物ユニット11にカバー本体18上から取り付ける。このとき、各ナット部材Nへの各栓部材29の雄ねじ部30のねじ込みにより、各止水部材22の傾斜面25に各栓部材29の張出部31から建物ユニット11の屋根13に向けて押圧力が作用する。これにより、各栓部材29の張出部31と各止水部材22とが互いに密着するので、各栓部材29及びカバー本体18間が各止水部材22により水密的に封止される。また、各栓部材29を各ナット部材Nにねじ込んだとき、各止水部材22の傾斜面25が各栓部材29の張出部31から受ける押圧力により、溝26が広がるように変形部27が弾性変形する。これにより、各栓部材29の張出部31には、各止水部材22の変形部27から弾性反力が作用するので、各栓部材29の張出部31と各止水部材22との間の密着度が向上する。
また、建物ユニット11の保管時、各吊り具14及び各栓部材29に代えて、図4に示すように、建物ユニット11を含む複数の建物ユニット11を互いに積み重ねたときに該各建物ユニットを互いに連結するための連結部材33を建物ユニット11に取り付けることができる。
連結部材33は、図示の例では、棒状をなしており、その軸線を建物ユニット11の屋根13の板厚方向にほぼ一致させ且つ上端部33bをカバー本体18の頂部19からその上方へ突出させて各止水部材22及び建物ユニット11の各取付孔15内に挿入されている。連結部材33の下端部33aには、ナット部材Nに螺合可能な雄ねじ部34が形成されている。連結部材33の上端部33bには、その先端に向けて先細る先細り部35が形成されている。先細り部35は、各建物ユニット11を互いに積み重ねたとき、各建物ユニット11上に載置された他の建物ユニット11の底壁37に食い込む。また、連結部材33には、各止水部材22の内縁部22dをそのカバー本体18の外方側から覆うように張り出し、建物ユニット11への連結部材33の取付状態で内縁部22dに当接する環状の張出部36が形成されている。
各建物ユニット11を保管する際、各連結部材33をそれぞれカバー本体18の各挿通孔21及び建物ユニット11の各取付孔15内に挿入し、雄ねじ部34をナット部材Nに螺合することにより、各連結部材33を各建物ユニット11に取り付ける。このとき、各ナット部材Nへの各連結部材33の雄ねじ部34のねじ込みにより、各止水部材22の内縁部22dを各連結部材33の張出部36と建物ユニット11の屋根13との間で挟持する。これにより、各連結部材33の張出部36と各止水部材22とが互いに密着するので、各連結部材33及びカバー本体18間が各止水部材22により水密的に封止される。また、各連結部材33を各ナット部材Nにねじ込んだとき、各止水部材22の内縁部22dが各連結部材33の張出部36から受ける押圧力により、溝26が広がるように変形部27が弾性変形する。これにより、各連結部材33の張出部36には、各止水部材22の変形部27から弾性反力が作用するので、各連結部材33の張出部36と各止水部材22との間の密着度が向上する。
次に、各建物ユニット11を互いに積み重ねる。このとき、各連結部材33の先細り部35を、各建物ユニット11上に載置される他の建物ユニット11から受ける荷重により該他の建物ユニットの底壁37に食い込ませる。これにより、各建物ユニット11が互いに連結される。
本発明によれば、前記したように、カバー本体18に形成された各挿通孔21の縁部21aに環状の止水部材22が設けられており、該止水部材の止水作用により各吊り具14、各栓部材29及び各連結部材33とカバー本体18との間が止水されるので、建物ユニット11への各吊り具14、各栓部材29及び各連結部材33の取付状態で各挿通孔21を水密的に閉鎖することができる。
これにより、建物ユニット11の保管時、吊り上げ時及び輸送時に、各挿通孔21を経てカバー本体18内に水が浸入することを確実に防止することができる。
また、前記したように、各吊り具14、各栓部材29及び各連結部材33のそれぞれに形成された張出部28,31,36と建物ユニット11の屋根13との間に各止水部材22を挟持することにより各吊り具14、各栓部材29及び各連結部材33とカバー本体18との間の止水性を確保していることから、各吊り具14、各栓部材29及び各連結部材33とカバー本体18との間を容易に止水することができる。
更に、前記したように、各栓部材29の軸線に沿った長さ寸法は、張出部31の当接面32が止水部材22の傾斜面25に当接した状態で、栓部材29の上端部29bの端面29c及び張出部31の上面31aが止水部材22の外方面22fとほぼ面一になるように設定されている。
一般的に、建物ユニット11は、輸送用の前記トラックに積載したときに輸送許可を得ることなく輸送可能な制限高さいっぱいの高さ寸法を有している。このため、従来のようにカバー本体に台座及び蓋部材が設けられた場合、台座及び蓋部材が建物ユニット11の上方へ大きく突出してしまうため、建物ユニット11全体の高さ寸法が制限高さを大きく超えてしまう。このため、建物ユニット11を前記トラックで輸送するには輸送許可を得る必要がある。また、従来のようにカバー本体に袋部材が設けられた場合、建物ユニット11から吊り具を取り外し、袋部材を折りたたむことにより、建物ユニット11全体の高さ寸法を輸送許可を得ることなく輸送可能な大きさにすることができるが、袋部材の他端に止水性が確保されないため、建物ユニット11の輸送時に吊り具挿通孔を経てカバー本体内に水が浸入する虞がある。
これに対し、本発明によれば、栓部材29の上端部29bの端面29c及び張出部31の上面31aが止水部材22の外方面22fとほぼ面一であることから、栓部材29が建物ユニット11に取り付けられた状態では、栓部材29が建物ユニット11の上方に大きく突出することはないので、建物ユニット11全体の高さ寸法が輸送許可を得ることなく輸送可能な大きさを大きく超えることはない。これにより、建物ユニット11の輸送時に輸送許可を得る必要はない。また、建物ユニット11への栓部材29の取付状態で栓部材29及びカバー本体18間が止水部材22により止水されていることから、各挿通孔21が栓部材29により水密的に閉鎖されているので、建物ユニット11の輸送時に各挿通孔21を経てカバー本体18内に水が浸入することを確実に防止することができる。
また、前記したように、建物ユニット11への栓部材29の取付状態で、栓部材29に形成された張出部31を止水部材22の内周面22cに形成された傾斜面25に当接させることにより、栓部材29の前記端面と止水部材の前記面とをより確実に面一にすることができる。
更に、前記したように、建物ユニット11の各取付孔15にカバー本体18の各挿通孔21を経て連結部材33を取り付け、複数の建物ユニット11を互いに積み重ね、該連結部材の先細り部35を各建物ユニット11上に載置された他の建物ユニット11の底壁37に食い込ませることにより、各建物ユニット11を互いに連結することができる。
従来のような袋部材が設けられたカバー本体で覆われた各建物ユニット11をその保管時に互いに積み重ねた場合、各建物ユニット11が互いに連結されていないため、各建物ユニット11に該各建物ユニットを互いにずらす方向に力が作用したとき、各建物ユニット11が容易にずれてしまい、各建物ユニット11が落下する虞がある。また、従来のような台座及び蓋部材が設けられたカバー本体で覆われた各建物ユニット11をその保管時に互いに積み重ねた場合、台座及び蓋部材が各建物ユニット11から受ける荷重で破損する虞がある。
このため、各建物ユニット11の保管時に該各建物ユニットを互いに積み重ねることができず、各建物ユニット11を互いに並べて配置する必要があるため、広い保管場所を確保する必要がある。
これに対し、本発明によれば、各建物ユニットの保管時、互いに積み重ねた各建物ユニット11を連結部材33により互いに連結することができるので、各建物ユニット11に該各建物ユニットを互いにずらす方向に力が作用した場合でも各建物ユニット11がずれることが防止され、各建物ユニット11が落下することを防止することができる。また、連結部材33は、各建物ユニット11を互いに積み重ねたときに該各建物ユニット上に載置された他の建物ユニット11から受ける荷重を利用して各建物ユニット11を互いに連結していることから、各建物ユニット11を互いに積み重ねることによる従来のような破損を招くことはない。従って、各建物ユニットの保管時に各建物ユニットを積み重ねて配置することができるので、広い保管場所を確保する必要はない。
また、前記したように、止水部材22に形成された溝24の互いに対向する内面24aに、それぞれ溝24内に挿入された挿通孔21の縁部21aを挟み込むべく該縁部に向けて突出する複数の突起部24bが形成されていることから、各突起部24b間に挿通孔21の縁部21aを挟み込むことにより、止水部材22とカバー本体18との間をより確実に止水することができる。これにより、止水部材22及びカバー本体18間を通り挿通孔21を経てカバー本体18内に水が浸入することをより確実に防止することができる。
更に、前記したように、止水部材22が挿通孔21の縁部21aを補強するための環状の補強部材で構成されていることから、挿通孔21の縁部21aを補強するために該縁部に設けられた補強部材に各吊り具14、各栓部材29及び各連結部材33とカバー本体18との間の止水機能を担わせることができるので、挿通孔21の縁部21aを補強することができることに加えて各吊り具14、各栓部材29及び各連結部材33とカバー本体18との間を止水することができる。
また、前記したように、止水部材22に形成された変形部27の変形により各吊り具14、各栓部材29及び各連結部材33と各止水部材22との密着度が高まることから、各吊り具14、各栓部材29及び各連結部材33とカバー本体18との止水性をより向上させることができる。
本実施例では、カバー本体18の頂部19に建物ユニット11の屋根13の各取付孔15に対応する部分で挿通孔21が形成されており、各挿通孔21の縁部21aに止水部材22が直接設けられた例を示したが、これに代えて、図5に示すように、カバー本体18の頂部19に、建物ユニット11の屋根13の各取付孔15(図1参照。)に対応する位置でそれぞれ開口38を形成し、カバー本体18に各開口38を閉鎖するシート部材39を設け、該各シート部材に各取付孔15に整合する挿通孔40を形成し、該各挿通孔の縁部40aに止水部材22を設けることができる。
各開口38は、図示の例では、それぞれ矩形状をなしている。各シート部材39は、図示の例では、ゴムのように伸縮性を有する材料からなり、その縁部39aで各開口38の縁部38aに縫合されている。
図5に示す例によれば、各挿通孔40が伸縮性を有するシート部材39に形成されていることから、カバー本体18に引っ張り力が作用したとき、各止水部材22内に挿入された各吊り具14、各栓部材29又は各連結部材33(図2乃至図4参照。)から各止水部材22に作用する力が、該各止水部材を介して各シート部材39に該シート部材を伸ばす力として作用する。これにより、各吊り具14、各栓部材29又は各連結部材33から各止水部材22に作用する力が各シート部材39の伸び変形により該各シート部材で吸収されるので、カバー本体18に引っ張り力が作用したときに各吊り具14、各栓部材29又は各連結部材33から各止水部材22を介してカバー本体18に作用する引っ張り力により該カバー本体が破損することを確実に防止することができる。
また、本実施例では、止水部材22がステンレススチールからなる補強部材で構成された例を示したが、これに代えて、各吊り具14、各栓部材29及び各連結部材33とカバー本体18との間の止水機能を有する部材であれば、例えば合成樹脂からなる補強部材、又は、補強部材以外の部材を本発明に適用することができる。
更に、本実施例では、各吊り具14、各栓部材29及び各連結部材33とカバー本体18との間を止水するための止水手段が、各挿通孔21の縁部21aに設けられた環状の止水部材22と、吊り具14のボルト部17に形成された環状の張出部28とで構成された例を示したが、これに代えて、図6に示すように、各吊り具14に形成され、各挿通孔21の縁部21aを覆うように張り出す環状の張出部41と、該張出部と挿通孔21の縁部21aとの間に配置された環状の止水部材42とで構成することができる。
この場合、建物ユニット11への吊り具14の取り付け時に、止水部材42を張出部41と挿通孔21の縁部21aとの間に挟持することにより、吊り具14及びカバー本体18間を止水することができる。
止水部材42には、図1乃至図4で示した止水部材22に形成された変形部27と同様に、吊り具14の張出部41との密着性を高めるための変形部43が形成されている。また、止水部材42は、建物ユニット11への吊り具14の取付け時に吊り具14の張出部28とカバー本体18との間に配置され、又は、吊り具14の張出部41又は各挿通孔21の縁部21aに予め取り付けられる。
図6に示す例において、建物ユニットの輸送時及び保管時には、図3及び図4に示した例と同様に、吊り具14に代えて栓部材29及び連結部材33を用いることができる。
本発明に係る保護カバーを概略的に示す斜視図である。 本発明に係る建物ユニットの吊り具が取り付けられた状態を概略的に示す縦断面図である。 本発明に係る建物ユニットに栓部材が取り付けられた状態を概略的に示す縦断面図である。 本発明に係る建物ユニットに連結部材が取り付けられた状態を概略的に示す縦断面図である。 カバー本体の別の実施例を概略的に示す斜視図である。 図1乃至図4に示す止水手段とは別の例を概略的に示す縦断面図である。
符号の説明
10 建物ユニット用保護カバー(保護カバー)
11 建物ユニット
14,29,33 閉鎖部材(吊り具、栓部材、連結部材)
18 カバー本体
21 吊り具挿通孔(挿通孔)
21a 縁部(挿通孔の縁部)
22,28,31,36 止水手段(止水部材、張出部)
24 溝
24a 内面
24b 突起部
25 傾斜面
27 変形部

Claims (15)

  1. 建物ユニットを覆うカバー本体と、該カバー本体に形成された吊り具挿通孔と、該吊り具挿通孔内にねじ込まれて前記建物ユニットに取り付けられる閉鎖部材とを備え、該閉鎖部材と前記カバー本体との間には、前記閉鎖部材及び前記カバー本体間を止水する止水手段が設けられ、
    前記止水手段は、前記吊り具挿通孔の縁部に水密的に設けられた環状の止水部材を備え、
    前記止水部材は、前記閉鎖部材をねじ込んだときに受ける前記建物ユニットへ向けての押圧力により弾性変形する変形部を有するとともに、周方向に伸びる環状の溝を有し、前記変形部は前記溝が広がるように弾性変形することを特徴とする建物ユニット用保護カバーの止水構造。
  2. 前記止水手段は、前記閉鎖部材に形成されて前記止水部材を覆うように張り出す環状の張出部を備え、前記閉鎖部材をねじ込んだときに前記止水部材が前記閉鎖部材の前記張出部と前記建物ユニットとの間に挟持されることにより、前記閉鎖部材及び前記カバー本体間が止水されていることを特徴とする請求項1に記載の建物ユニット用保護カバーの止水構造。
  3. 前記止水部材には、その径方向外方へ開放し、前記吊り具挿通孔の前記縁部が挿入される環状の溝が形成されており、該溝の互いに対向する内面には、それぞれ前記溝内に挿入された前記吊り具挿通孔の前記縁部を挟み込むべく該縁部に向けて突出する複数の突起部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の建物ユニット用保護カバーの止水構造。
  4. 前記止水部材は、前記吊り具挿通孔の前記縁部を補強するための環状の補強部材であることを特徴とする請求項2又は3に記載の建物ユニット用保護カバーの止水構造。
  5. 前記止水手段は、前記閉鎖部材に形成されて前記吊り具挿通孔の縁部を覆うように張り出す環状の張出部を備え、前記閉鎖部材をねじ込んだときに前記止水部材が前記張出部と前記吊り具挿通孔の前記縁部との間に挟持されることにより、前記閉鎖部材及び前記カバー本体間が止水されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の建物ユニット用保護カバーの止水構造。
  6. 前記止水部材の内周面には、前記止水部材の内径が前記カバー本体の外方から内方へ向けて漸減するように傾斜する傾斜面が前記止水部材の周方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項乃至5のいずれか一項に記載の建物ユニット用保護カバーの止水構造。
  7. 前記閉鎖部材は、前記建物ユニットを吊り上げるための吊り具であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の建物ユニット用保護カバーの止水構造。
  8. 前記閉鎖部材は前記吊り具挿通孔を塞ぐための栓部材であり、該栓部材は、その前記カバー本体の外方側に位置する端面が前記止水部材の前記カバー本体の外方側に位置する面とほぼ面一になるように、前記建物ユニットに取り付けられていることを特徴とする請求項乃至6のいずれか一項に記載の建物ユニット用保護カバーの止水構造。
  9. 前記止水部材の内周面には前記止水部材の内径が前記カバー本体の外方から内方へ向けて漸減するように傾斜する傾斜面が前記止水部材の周方向に沿って形成されており、前記張出部は、前記栓部材の前記端面を含む端部から前記止水部材の前記傾斜面上に張り出していることを特徴とする請求項8に記載の建物ユニット用保護カバーの止水構造。
  10. 前記閉鎖部材は、前記建物ユニットを含む複数の建物ユニットを互いに積み重ねたときに該各建物ユニットを互いに連結するための連結部材であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の建物ユニット用保護カバーの止水構造。
  11. 建物ユニットを覆い、吊り具挿通孔が形成されたカバー本体と、前記吊り具挿通孔の縁部に水密的に設けられ、該吊り具挿通孔内にねじ込まれて前記建物ユニットに取り付けられる閉鎖部材と前記カバー本体との間に設けられ、前記閉鎖部材及び前記カバー本体間を止水するための止水手段とを備え、
    前記止水手段は、前記吊り具挿通孔の縁部に水密的に設けられた環状の止水部材を備え、
    前記止水部材は、前記閉鎖部材をねじ込んだときに受ける前記建物ユニットへ向けての押圧力により弾性変形する変形部を有するとともに、周方向に伸びる環状の溝を有し、前記変形部は前記溝が広がるように弾性変形することを特徴とする建物ユニット用保護カバー。
  12. 前記止水手段は、前記閉鎖部材に形成されて前記止水部材を覆うように張り出す環状の張出部を備え、前記閉鎖部材をねじ込んだときに前記止水部材が前記閉鎖部材の前記張出部と前記建物ユニットとの間に挟持されることにより、前記閉鎖部材及び前記カバー本体間が止水されていることを特徴とする請求項11に記載の建物ユニット用保護カバー。
  13. 前記止水手段は、前記閉鎖部材に形成されて前記吊り具挿通孔の縁部を覆うように張り出す環状の張出部を備え、前記閉鎖部材をねじ込んだときに前記止水部材が前記張出部と前記吊り具挿通孔の前記縁部との間に挟持されることにより、前記閉鎖部材及び前記カバー本体間が止水されていることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の建物ユニット用保護カバー。
  14. 前記止水部材の内周面には、前記止水部材の内径が前記カバー本体の外方から内方へ向けて漸減するように傾斜する傾斜面が前記止水部材の周方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか一項に記載の建物ユニット用保護カバー。
  15. 請求項1に記載の建物ユニット用保護カバーの止水構造を用いてユニット建物を構成する建物ユニットを搬送する方法であって、前記建物ユニットを建物ユニット用保護カバーのカバー本体により覆い、前記建物ユニットの吊り上げ時には、前記建物ユニット吊り上げるための吊り具を、前記カバー本体の吊り具挿通孔を経て前記建物ユニットにねじ込んだときに前記吊り具に形成された張出部から受ける前記建物ユニットへ向けた押圧力により、前記カバー本体に形成された吊り具挿通孔の縁部に設けられた環状の止水部材の変形部を、周方向に伸びる環状の溝を広げるように弾性変形させて前記張出部を前記カバー本体に水密的に当接させ、前記建物ユニットの輸送時には、前記吊り具に代えて、前記吊り具挿通孔を塞ぐための栓部材を前記カバー本体の吊り具挿通孔を経て前記建物ユニットにねじ込んだときに前記栓部材に設けられた張出部から受ける前記建物ユニットへ向けての押圧力により、前記カバー本体に形成された吊り具挿通孔の縁部に設けられた環状の止水部材の変形部を周方向に伸びる環状の溝を広げるように弾性変形させて前記張出部を前記カバー本体に水密的に当接させることを特徴とする建物ユニットの搬送方法。
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