JP4781113B2 - 車両用電子制御システムの自動検査装置 - Google Patents
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Description
先ず、図1、図2を参照して、全体を符号100で示す車両用電子制御システムの自動検査装置の構成を説明する。
図1において、自動検査装置100は、予め設定した運転パターンによって車両搭載ユニット、例えば、排気ガス処理装置、エンジン、変速装置(クラッチ、トランスミッション)、操舵系、ブレーキ、車輪・車体等の挙動を実際の車両に代わって模擬する模擬計算システム(リアルタイム計算システム:RTS)10を有している。模擬計算システム10には、総合制御手段16が接続され、総合制御手段の指示に従って車輌の挙動を模擬する計算を行う。総合制御手段16にはモニタ10Mが接続され、模擬計算システム10の計算過程や計算結果を表示できるように構成されている。
各モデル1〜5及び故障パターン発生手段6、運転パターン発生手段7では共通の物理量がリンクして用いられている。
即ち、排気ガス処理装置関係では、図示はしないが触媒流体(例えば、尿素水)の圧力計、流量計、及び関連するセンサ類(図示せず)を、
エンジン関係では、アクセルペダル121、燃料噴射装置(例えばインジェクタ)122、図示しないエンジン回転計、ブースト圧力計、燃料流量計、及び関連するセンサ類(図示せず)を、
変速装置関係では、変速レバー131、クラッチペダル132、後退灯133、図示しないトランスミッションポジションセンサを、
操舵系では、ステアリングホイール81、ターンシグナルランプ82、及び関連するセンサ類(図示せず)を、
ブレーキ関係では、ブレーキペダル141、制御バルブ類142、制動用エアタンク143、制動灯144、及び関連するセンサ類(図示せず)を、
車輪・車体関係では、図示はしないが、例えば車輪センサを備えている。
図1では、そのうちのエンジン制御手段12が第1のコネクタボックス50に接続され、エンジン制御手段12の検査が行われている状態が示されている。
尚、図1において符号60は、検査対象(各制御手段:11〜14)と実車シミュレーション部(図1及び図2の検査対象及び後述のネットワーク17を除く部位)とを接続する第2のコネクタボックスを示している。また、符号70は運転席を示す。
そして、排気ガス浄化モデル1は、エンジンモデル2からのエンジン回転数情報によって、例えば、その時点での尿素水の圧力及び流量の情報が、ラインL111でインタフェースボックス15を経由して排気ガス処理制御手段11に伝達される。
一方、排気ガス処理制御手段11からはラインL11でインタフェースボックス15を経由して排ガス浄化に最適な尿素水の噴射指示が排気ガス浄化モデル1に与えられる。
そして、エンジンモデル2から、例えば、エンジン回転数及びブースト圧の情報がラインL212でエンジン制御手段12に伝達され、エンジン制御手段12からは燃料噴射量及びバルブ開閉の制御情報がラインL122でエンジンモデル2に返される。
ブレーキモデル4は後述するようにプロペラシャフトに介装したリターダを含んでいる。
また、クラッチ・トランスミッションモデル3は、エンジンモデル2からエンジントルク情報をもらい、ブレーキモデル4からプロペラシャフトの回転数情報をもらう。
そして、クラッチ・トランスミッションモデル3から、シフトポジションの情報がラインL313でインタフェースボックス15を経由してトランスミッション制御手段13に伝達される。一方、トランスミッション制御手段13からは変速制御用のバルブ開閉の制御情報がラインL133でクラッチ・トランスミッションモデル3に返される。
ブレーキモデル4はプロペラシャフトに介装したリターダを含んでいる。
ブレーキモデル4はクラッチ・トランスミッションモデル3から軸トルク情報をもらい、車輪・車体モデル5から車輪速度の情報をもらう。
そして、ブレーキモデル4から、ブレーキ空気圧の情報がラインL414でインタフェースボックス15を経由してブレーキ制御手段14に伝達される。一方、ブレーキ制御手段14からはブレーキバルブの制御情報及びリターダの作動情報がラインL144でブレーキモデル4に返される。
車輪・車体モデル5はブレーキモデル4から駆動トルク情報をもらう。
そして、車輪・車体モデル5は、センサ出力信号をラインL50で各制御手段11〜14に、ラインL57で後述のネットワーク17に与える。
そして、故障パターン発生手段6は、全ての搭載ユニットの制御手段が相互に絡むような、如何なる種類の故障パターンをも発生させられるように構成されている。
また、運転パターン発生手段7から各制御手段11〜14にラインL70を介して、アクセル開度、シフトポジション、クラッチ操作量、ブレーキ操作量、オートクルーズ指示、補助ブレーキ指示等の情報が与えられる。
運転パターン発生手段7から与えられる情報は、検査の目的に応じてあらかじめ設定された情報の他に、運転席のペダルやハンドルで与えられる運転情報に切り替えることができる。
加えて、自動検査装置100は、各車両搭載ユニットの制御手段11〜14間を接続するネットワーク17と、ネットワーク17を流れるデータの解析を行うネットワークデータ解析手段18Aと、各制御手段の状態を監視してシステム中に発生した故障の有無を診断する故障診断手段18Bとを装備している。
尚、ネットワークデータ解析手段18Aと、故障診断手段18Bとは、解析用パソコン18にネットワークデータ解析機能、故障診断機能として一体で搭載されている。
更にネットワーク17は排気ガス処理制御手段11とラインL71で、エンジン制御手段12とラインL72で、トランスミッション制御手段13とラインL73で、ブレーキ制御手段14とラインL74で夫々接続されている。
ステップS1ではメインコンピュータ16を立ち上げ、メインコンピュータ16の初期化が済んだ後、模擬計算システム10のプログラムを起動する。
ステップS6では、模擬計算システム10の擬似センサ信号や擬似アクチュエータが作動するまで待機し、擬似センサ信号や擬似アクチュエータが作動したなら(ステップS6のYES)、ネットワークデータ解析手段18Aを起動させ、ネットワーク17を流れるデータの解析を始める(ステップS7)。尚、モデル(例えばエンジンモデル)の応答結果は、ネットワーク17を経由しないで直接対応する(例えばエンジン)制御手段に送られる。
次のステップS14では、メインコンピュータ16から模擬計算システム10へ検査終了の指示が出され、模擬計算システム10は停止する(ステップS15)。
ステップS16では、故障診断結果を図示しないデータベースに保存し、更にネットワーク解析結果も保存する(ステップS17)。
まだ終了していない(ほかに検査する制御手段がある)なら(ステップS19のNO)、模擬計算システム10に実行する検査プログラムをロードし(ステップS19N)、ステップS4まで戻り、再びステップS4以降を繰り返す。
全て終了したのであれば(ステップS32のYES)、そのまま制御を終了し、まだ検査が残っていれば(ステップS32のNO)、次のデータ設定ファイルをロードし(ステップS33)、ステップS23まで戻り、再びステップS23以降を繰り返す。
ステップS43では、ネットワーク17、又は、図示しない故障診断用通信ラインを介して検査対象の制御手段の内部データと故障コードを読み取る。
検査の全てが終了したなら(ステップS47のYES)、そのまま制御を終了する。まだ全てが終了したのでなければ(ステップS47のNO)、ステップS43まで戻り、再びステップS43以降を繰り返す。
横軸には経過時間をとっている。縦軸は上段側から、シフト段数(Aグラフ)、車速(Bグラフ)、アクセル開度(Cグラフ)、エラーコード(Dグラフ)の各グラフを示している。
また、故障パターン発生手段6には、1回目の走行は正常動作で、2回目の走行では二重系統となっているアクセルセンサの内の一つが断線するように設定されている。
そして、走行した時の各制御手段11〜14のデータと故障コードは、ネットワーク17を介してネットワークデータ解析手段18Aと故障診断手段18Bとに送られ、物理量への変換とグラフ化等の処理が施されてモニタ10Mに表示される。
即ち、より現実的な検査が出来る。
即ち、本実施形態では、各制御手段毎に決められた故障パターンを確実に消化するため、車両としてのフェールセーフ機能の保持状態、及び検査としてのフェールセーフ(やり残しが出ない)も確保している。
2・・・エンジンモデル
3・・・クラッチ・トランスミッションモデル
4・・・ブレーキモデル
5・・・車輪・車体モデル
6・・・故障パターン発生手段
7・・・運転パターン発生手段
11・・・排気ガス処理コントロールユニット
12・・・エンジンコントロールユニット
13・・・トランスミッションコントロールユニット
14・・・ブレーキコントロールユニット
15・・・インタフェースボックス
16・・・総合制御手段/メインコンピュータ
17・・・ネットワーク
18A・・・ネットワーク解析手段
18B・・・故障診断手段
19・・・電源制御手段
20・・・キースイッチ制御手段
Claims (1)
- 予め設定した運転パターンによって車両搭載ユニットの挙動を実際の車両に代わって模擬する模擬計算システム(10)と、複数の車両搭載ユニットの制御手段(11〜14)と、前記模擬計算システム(10)に検査の開始・終了及び設定値の変更の指示を与える総合制御手段(16)と、各車両搭載ユニットの制御手段(11〜14)間を接続するネットワーク(17)とを備える車両用電子制御システムの自動検査装置において、ネットワークを流れるデータの解析を行うネットワークデータ解析手段(18A)と、各制御手段(11〜14)の状態を監視してシステム中に発生した故障の有無を診断する故障診断手段(18B)とを有し、前記総合制御手段(16)は模擬計算システム(10)に検査プログラムをロードし、ネットワークデータ解析手段(18A)によってネットワーク(17)を流れるデータを解析し、一連の検査が終了した際に、各車両ユニットの制御手段(11〜14)間の制御干渉の有無を確認する機能を有すると共に、前記各車両ユニットの制御手段(11〜14)間の制御干渉の有無の確認の前に、故障診断手段(18B)によって車両搭載ユニットの制御手段(11〜14)の内部データを解析しつつ、当該制御手段(11〜14)を所定の運転パターンに従って走行状態と同様にして、所定の故障パターンに従い当該制御手段(11〜14)に対して当該制御手段(11〜14)に関わる検出手段、駆動手段に故障を発生させる機能を有し、前記模擬計算システム(10)は、排気浄化モデル(1)と、エンジンモデル(2)と、変速モデル(3)と、ブレーキモデル(4)と、車輪・車体モデル(5)と、故障パターン発生手段(6)と、運転パターン発生手段(7)とを含み、各前記モデル(1〜5)及び故障パターン発生手段(6)と運転パターン発生手段(7)の物理量は互いにリンクしており、前記複数の車両搭載ユニットの制御手段(11〜14)は、排気ガス浄化装置を制御する排気ガス浄化制御手段(11)とエンジンを制御するエンジン制御手段(12)とトランスミッション及びクラッチを制御するトランスミッション制御手段(13)とブレーキを制御するブレーキ制御手段(14)との内の、少なくとも2つ以上の制御手段を含むことを特徴とする車両用電子制御システムの自動検査装置。
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