JP4780371B2 - 光学活性化合物の製造法 - Google Patents

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本発明は、β-ビスアリール-α,β-不飽和エステルまたはβ-ビスアリール-α,β-不飽和カルボン酸の不斉水素化を行うことを特徴とする光学活性化合物の製造法に関する。
医薬、農薬などとして有用な化合物、またはその原料として光学活性化合物が多数知られている。このような光学活性化合物を得るためには、ラセミ体の光学分割、不斉合成反応等が行われている。例えば、該光学活性化合物は、α,β-不飽和カルボン酸またはα,β-不飽和エステルを不斉還元することにより得ることができる。
β位をアリール基で置換されたα,β-不飽和カルボン酸またはα,β-不飽和エステルの不斉水素化反応として、
(1)非特許文献1には、不斉触媒としてRu[(R)-BINAP](OAc)2を用いて、メタノール溶媒中、水素添加反応を行うことにより、光学純度99%以上で光学活性化合物が得られることが記載されている。
(2)非特許文献2には、不斉触媒として[Rh(COD)Cl]2:S,S-Chiraphos(1:2)を用いてメタノール溶媒中水素添加反応を行うことにより、光学純度95%で光学活性化合物が得られることが記載されている。
ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)、64巻、4980-4984頁、1999年 テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、40巻、3293-3296頁、1999年
緩和な反応条件下で、効率的かつ高収率で不斉還元を行い、医薬として有用な化合物およびその合成中間体を得ることのできる有利な製造法の開発が求められている。
本発明者らは、β-ビスアリール-α,β-不飽和エステルまたはβ-ビスアリール-α,β-不飽和カルボン酸の不斉還元について種々検討し、式
〔式中、R1、R2、R3およびR6はそれぞれ同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基、R4およびR5はそれぞれ同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアシル基、エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基または置換基を有していてもよい複素環基、あるいはR4およびR5は一緒になって隣接する炭素原子とともに5ないし8員環を形成してもよく、R7、R8およびR9は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアシル基、エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基または置換基を有していてもよい複素環基を示す〕で表される化合物またはその塩を、キラルホスフィン触媒存在下で不斉水素化反応を行うことにより、式
〔式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は前記と同意義、(*)は不斉炭素の位置を示す〕で表される化合物またはその塩が高化学収率、高光学収率で得られることを見出し、これに基づいて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
〔1〕式
〔式中、R1、R2、R3およびR6はそれぞれ同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基、R4およびR5はそれぞれ同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアシル基、エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基または置換基を有していてもよい複素環基、あるいはR4およびR5は一緒になって隣接する炭素原子とともに5ないし8員環を形成してもよく、R7、R8およびR9は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアシル基、エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基または置換基を有していてもよい複素環基を示す〕で表される化合物(以下、化合物(I)と略記することがある)またはその塩を、キラルホスフィン触媒存在下で不斉水素化反応を行うことを特徴とする、式
〔式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は前記と同意義、(*)は不斉炭素の位置を示す〕で表される化合物(以下、化合物(II)と略記することがある)またはその塩の製造法、
〔2〕R1が水素原子、R2が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、R3が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、R4が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、R5が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、またはR4とR5が隣接する炭素原子とともに置換基を有していてもよいベンゼン環を形成し、R6が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、R7が水素原子、R8が水素原子または置換基を有していてもよいヒドロキシ基、R9が水素原子である前記〔1〕記載の製造法、
〔3〕R2、R3およびR6がメチルである前記〔2〕記載の製造法、
〔4〕R4とR5が隣接する炭素原子とともに置換基を有していてもよいベンゼン環を形成し、R8がC1-6アルキルで置換されたヒドロキシ基またはC1-6アルコキシ-C1-6アルキルで置換されたヒドロキシ基である前記〔2〕記載の製造法、
〔5〕R4およびR5がメチル、R8が水素原子である前記〔2〕記載の製造法、
〔6〕キラルホスフィン触媒がキラルホスフィン-Rh(I)錯体である前記〔1〕記載の製造法、
〔7〕キラルホスフィン-Rh(I)錯体が(R,R)-BDPP-Rh(I)錯体、(S,S)-BDPP-Rh(I)錯体、(R)-(S)-JOSIPHOS-Rh(I)錯体および(S)-(R)-JOSIPHOS-Rh(I)錯体から選ばれる錯体である前記〔6〕記載の製造法、
〔8〕さらに塩基を共存させる前記〔1〕記載の製造法、
〔9〕塩基がトリエチルアミンである前記〔8〕記載の製造法、
〔10〕式
〔式中、R11は水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基、R12は置換基を有していてもよい炭化水素基、R13およびR14は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアシル基、エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基または置換基を有していてもよい複素環基(R13およびR14は、隣接する炭素原子とともにベンゼン環を形成してもよい)、R15は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアシル基、エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基または置換基を有していてもよい複素環基、(*)は不斉炭素の位置を示す〕で表される化合物またはその塩などに関する。
本発明の製造法を用いることにより、高化学収率、高光学収率でα,β-不飽和エステルおよびα,β-不飽和カルボン酸を還元することができる。本発明で得られる光学活性化合物は医薬、農薬などとしておよびその合成中間体として有用に用いることができる。
本明細書中、R1、R2、R3およびR6はそれぞれ同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。
R1、R2、R3およびR6で表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の炭化水素基としては、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。
該「アルキル基」とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどのC1-6アルキル基などを示す。
該「アルケニル基」とは、ビニル、アリル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、ブタジエニル、2-メチルアリル、ヘキサトリエニル、3-オクテニルなどのC2-6アルケニル基などを示す。
該「アルキニル基」とは、エチニル、2-プロピニル、ブチニル、3-ヘキシニルなどのC2-6アルキニル基などを示す。
該「シクロアルキル基」とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3-6シクロアルキル基などを示す。
該「アリール基」とは、フェニル、ナフチルなどのC6-10アリール基などを示す。
該「アラルキル基」とは、ベンジル、フェネチルなどのC7-10アラルキル基などを示す。
R1、R2、R3およびR6で表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の置換基としては、(1)ニトロ、(2)ニトロソ、(3)シアノ、(4)ヒドロキシ、(5)C1-6アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシなど)、(6)ホルミル、(7)C1-6アルキル-カルボニル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイルなど)、(8)C1-6アルコキシ-カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルなど)、(9)カルボキシル、(10)N-モノC1-6アルキル-カルバモイル基(例えば、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N-プロピルカルバモイル、N-イソプロピルカルバモイル、N-ブチルカルバモイル、N-イソブチルカルバモイル、N-tert-ブチルカルバモイルなど)、(11)N,N-ジC1-6アルキル-カルバモイル基(例えば、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N,N-ジプロピルカルバモイル、N,N-ジイソプロピルカルバモイル、N-エチル-N-メチルカルバモイルなど)などが挙げられる。これらの置換基から選ばれる1ないし3個を置換可能な位置に有していてもよい。
R1としては、水素原子が好ましい。
R2としては、置換基を有していてもよいC1-6アルキルが好ましく、特にメチルが好ましい。
R3としては、置換基を有していてもよいC1-6アルキルが好ましく、特にメチルが好ましい。
R6としては、置換基を有していてもよいC1-6アルキルが好ましく、特にメチルが好ましい。
本明細書中、R4およびR5はそれぞれ同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアシル基、エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基または置換基を有していてもよい複素環基を示す。
R4およびR5で表される「ハロゲン原子」とは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を示す。
R4およびR5で表される「置換基を有していてもよいヒドロキシ基」の置換基とは、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。該「置換基を有していてもよい炭化水素基」とは、前記のR1、R2、R3およびR6で表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同様のものを示す。
R4およびR5で表される「置換基を有していてもよいアミノ基」の置換基とは、例えば、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)、置換基を有していてもよいC1-6アルキル-カルボニル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイルなど)などを示し、これらの置換基でモノ置換またはジ置換されていてもよい。
R4およびR5で表される「置換基を有していてもよいアミノ基」の置換基としての「置換基を有していてもよいC1-6アルキル基」および「置換基を有していてもよいC1-6アルキル-カルボニル基」の置換基とは、前記のR1、R2、R3およびR6で表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の置換基と同様のもの、同様の数を示す。
R4およびR5で表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」とは、前記のR1、R2、R3およびR6で表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同様のものを示す。
R4およびR5で表される「置換基を有していてもよいアシル基」とは、式-C(O)R10(式中、R10は水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示す)で表される基を示す。R10で表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」とは、前記のR1、R2、R3およびR6で表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同様のものを示す。
R4およびR5で表される「エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基」とは、式-CO2Ra(式中Raは水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示す)および式-CONRbRc(式中RbおよびRcは同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示す)で表される基を示す。
Ra、RbおよびRcで表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」とは、前記のR1、R2、R3およびR6で表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同様のものを示す。
R4およびR5で表される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」とは、芳香族複素環基または非芳香族複素環基を示す。
該「芳香族複素環基」としては、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル等の5または6員の芳香族単環式複素環基、およびベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔b〕チエニル、インドリル、イソインドリル、1H-インダゾリル、ベンズインダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2-ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピラニル、1,2-ベンゾイソチアゾリル、1H-ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、ブテリジニル、カルバゾリル、α-カルボリニル、β-カルボリニル、γ-カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2-b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5-a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2-a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5-a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2-b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2-a〕ピリミジニル、1,2,4-トリアゾロ〔4,3-a〕ピリジル、1,2,4-トリアゾロ〔4,3-b〕ピリダジニル等の8ないし12員の芳香族縮合複素環基などが挙げられる。
該「非芳香族複素環基」としては、例えばオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、3-ヘキサヒドロシクロペンタ〔c〕ピロリル、ホモピペリジル、ホモピペラジル等の3ないし8員の飽和あるいは不飽和の非芳香族複素環基等、あるいはジヒドロピリジル、ジヒドロピリミジル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリルなどのように前記した芳香族単環式複素環基又は芳香族縮合複素環基の一部又は全部の二重結合が飽和した非芳香族複素環基等が挙げられる。
R4およびR5で表される「置換基を有していてもよい複素環基」の「置換基」とは、前記のR1、R2、R3およびR6で表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の置換基と同様のもの、同様の数を示す。
R4およびR5が一緒になって隣接する炭素原子とともに形成する5ないし8員環としては、例えば、式
で表される部分構造が、式
〔式中、XおよびYは同一または異なって -CH2-, -NH- または -O-、nは1ないし4の整数、X'およびY'は同一または異なって -CH- または -N- を示し、環Aおよび環Bはさらに置換基を有していてもよい〕で表される基を示す。
環Aおよび環Bがさらに有していてもよい置換基とは、前記のR1、R2、R3およびR6で表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の置換基と同様のもの、同様の数を示す。
R4およびR5としては、それぞれ置換基を有していてもよいC1-6アルキルが好ましく、特にメチルが好ましい。
また、R4およびR5が一緒になって隣接する炭素原子とともに置換基を有していてもよいベンゼン環を形成する場合、特に無置換のベンゼン環を形成する場合も好ましい。
本明細書中、R7、R8およびR9は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアシル基、エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基または置換基を有していてもよい複素環基を示す。
R7、R8およびR9で表される「ハロゲン原子」、「置換基を有していてもよいヒドロキシ基」、「置換基を有していてもよいアミノ基」、「置換基を有していてもよい炭化水素基」、「置換基を有していてもよいアシル基」、「エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基」および「置換基を有していてもよい複素環基」とは、前記のR4およびR5で表される「ハロゲン原子」、「置換基を有していてもよいヒドロキシ基」、「置換基を有していてもよいアミノ基」、「置換基を有していてもよい炭化水素基」、「置換基を有していてもよいアシル基」、「エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基」および「置換基を有していてもよい複素環基」と同様のものを示す。
R7としては、水素原子が好ましい。
R8としては、水素原子または置換基を有していてもよいヒドロキシ基が好ましく、特に水素原子、C1-6アルキル(特にメチル)で置換されたヒドロキシ基またはC1-6アルコキシ-C1-6アルキル(特にメトキシメチル)で置換されたヒドロキシ基が好ましい。
R9としては、水素原子が好ましい。
本発明の製造法を用いるのに好ましい化合物(I)を以下に示す。
(1)R1が水素原子、R2が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、R3が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、R4が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、R5が置換基を有していてもよいC1-6アルキルまたはR4とR5が隣接する炭素原子とともに置換基を有していてもよいベンゼン環を形成し、R6が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、R7が水素原子、R8が水素原子または置換基を有していてもよいヒドロキシ基、R9が水素原子である化合物(I)。
(2)R1が水素原子、R2が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、R3が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、R4が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、R5が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、R6が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、R7が水素原子、R8が水素原子、R9が水素原子である化合物(I)。
(3)R1が水素原子、R2が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、R3が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、R4とR5が隣接する炭素原子とともに置換基を有していてもよいベンゼン環を形成し、R6が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、R7が水素原子、R8が置換基を有していてもよいヒドロキシ基、R9が水素原子である化合物(I)。
(4)R1が水素原子、R2がメチル、R3がメチル、R4がメチル、R5がメチル、R6がメチル、R7が水素原子、R8が水素原子、R9が水素原子である化合物(I)。
(5)R1が水素原子、R2がメチル、R3がメチル、R4とR5が隣接する炭素原子とともにベンゼン環を形成し、R6がメチル、R7が水素原子、R8がメチルで置換されたヒドロキシ基、R9が水素原子である化合物(I)。
(6)R1が水素原子、R2がメチル、R3がメチル、R4とR5が隣接する炭素原子とともにベンゼン環を形成し、R6がメチル、R7が水素原子、R8がメトキシメチルで置換されたヒドロキシ基、R9が水素原子である化合物(I)。
化合物(I)および化合物(II)の塩としては、例えば無機酸(例えば,塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸など)との塩、または有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、蓚酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸など)との塩、無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属、アンモニアなど)との塩または有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミンなど)との塩などが用いられる。
本明細書中、「キラルホスフィン触媒」とは、キラルホスフィン化合物が遷移金属に配位した錯体のことを意味する。
該「遷移金属」とは、例えば、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ニッケル、ロジウムなどを示す。好ましい遷移金属は、ルテニウム、ロジウムである。なかでもロジウムが好ましい。
該「キラルホスフィン化合物」とは、例えば、(R)-BINAP、(S)-BINAP、(R)-tol-BINAP、(S)-tol-BINAP、(R)-Xylyl-BINAP、(S)-Xylyl-BINAP、(R,R)-DIOP、(S,S)-DIOP、(R)-(S)-BPPFA、(S)-(R)-BPPFOH、(R)-(S)-BPPFOH、(S)-(R)-BPPFA、(R,R)-CHIRAPHOS、(S,S)-CHIRAPHOS、(R,R)-Me-DUPHOS、(S,S)-Me-DUPHOS、(R,R)-Et-DUPHOS、(S,S)-Et-DUPHOS、(R,R)-DIPAMP、(S,S)-DIPAMP、 (R,R)-BDPP、(S,S)-BDPP、(R)-(S)-JOSIPHOS、(S)-(R)-JOSIPHOS、などを示す。なかでも、(R,R)-BDPP、(S,S)-BDPP、(R)-(S)-JOSIPHOS、(S)-(R)-JOSIPHOSが好ましい。
該「キラルホスフィン触媒」は、アニオン性、中性、カチオン性を有してもよく、中でも中性、カチオン性を有するものが好ましい。
該「キラルホスフィン触媒」がカチオン性である場合、そのカウンターアニオンの例としてはフッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオンのようなハロゲンのアニオン種や、過塩素酸アニオン、過臭素酸アニオン、過ヨウ素酸アニオン、テトラフルオロホウ酸アニオン、テトラペンタフルオロホウ酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ヘキサフルオロリン酸アニオンなどがあり、なかでも塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオンのようなハロゲンのアニオン種や、過塩素酸アニオン、テトラフルオロホウ酸アニオン、テトラペンタフルオロホウ酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ヘキサフルオロリン酸アニオンなどが好ましい。
該「キラルホスフィン触媒」にはジエン化合物が配位していてもよく、該ジエン化合物としてはCOD、NBDなどが好ましい。
該「キラルホスフィン触媒」の遷移金属がルテニウムの場合、アレーン化合物が配位していてもよく、該アレーン化合物としてはベンゼン、p-シメンなどが好ましい。
キラルホスフィン触媒としては、例えば、(R,R)-BDPP-Rh(I)錯体、(S,S)-BDPP-Rh(I)錯体、(R)-(S)-JOSIPHOS-Rh(I)錯体および(S)-(R)-JOSIPHOS-Rh(I)錯体などが好ましい。
また、本製造法においては、塩基の共存下、非共存下のどちらの条件下でも化合物(I)またはその塩から化合物(II)またはその塩に変換することが可能であるが、塩基の共存下で本製造法を行うのが好ましい。
該「塩基」としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化タリウムなどの無機塩基、あるいは、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基が用いられる。好ましくは、有機塩基であり、特にトリエチルアミンが好ましい。
本発明の製造法は、化合物(I)またはその塩をキラルホスフィン触媒の存在下で不斉水素化反応を行うことにより、化合物(II)またはその塩を得るものである。
〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕
キラルホスフィン触媒の使用量は、化合物(I)またはその塩1モルに対して、約0.0001ミリモルないし1000モル、好ましくは約0.01モルないし0.5モルである。
添加する水素の圧力は、約0.01MPaないし15MPa、好ましくは約1MPaから10MPaである。
また、反応系中に塩基を存在させる場合、塩基の使用量は、化合物(I)またはその塩1モルに対して、約0.01モルないし1000モル、好ましくは約0.8モルないし1.5モルである。
該有機溶媒は、反応を阻害しないものであればよく、具体的には、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類; ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類; ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類; ジクロロメタン、クロロホルム、1,1,2,2-テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類; 酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル類; 酢酸; N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド類等が挙げられる。これらの有機溶媒は、その2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。有機溶媒は、好ましくはアルコール類である。特に、化合物(I)におけるR1がアルキル基であるときに、R1と同一のアルキル基を有するアルコール類が好ましい。
有機溶媒の使用量は、化合物(I) 1重量部に対し、通常約1ないし1000倍容量、好ましくは1約ないし500倍容量である。
反応温度は、通常約0ないし150℃、好ましくは約5ないし120℃、更に好ましくは約10ないし80℃である。
反応時間は、通常約0.5ないし100時間、好ましくは約1ないし50時間、更に好ましくは約5ないし24時間である。
このようにして得られる化合物(III)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶析、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
化合物(II)のうち、式
〔式中、R11は水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基、R12は置換基を有していてもよい炭化水素基、R13およびR14は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアシル基、エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基または置換基を有していてもよい複素環基(R13およびR14は、隣接する炭素原子とともにベンゼン環を形成してもよい)、R15は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアシル基、エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基または置換基を有していてもよい複素環基、(*)は不斉炭素の位置を示す〕で表される化合物(以下、化合物(II')と略記することがある)またはその塩は新規化合物である。
化合物(II')中、R11は、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。R11で表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」とは、前記のR1、R2、R3およびR6で表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同様のものを示す。
R11としては、水素原子が好ましい。
化合物(II')中、R12は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。R12で表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」とは、前記のR1、R2、R3およびR6で表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同様のものを示す。
R12としては、置換基を有していてもよいC1-6アルキルが好ましく、特にメチルが好ましい。
化合物(II')中、R13およびR14は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアシル基、エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基または置換基を有していてもよい複素環基を示す。
R13およびR14で表される「ハロゲン原子」、「置換基を有していてもよいヒドロキシ基」、「置換基を有していてもよいアミノ基」、「置換基を有していてもよい炭化水素基」、「置換基を有していてもよいアシル基」、「エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基」および「置換基を有していてもよい複素環基」とは、前記のR4およびR5で表される「ハロゲン原子」、「置換基を有していてもよいヒドロキシ基」、「置換基を有していてもよいアミノ基」、「置換基を有していてもよい炭化水素基」、「置換基を有していてもよいアシル基」、「エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基」および「置換基を有していてもよい複素環基」と同様のものを示す。また、R13およびR14は、隣接する炭素原子とともにベンゼン環を形成してもよい(該ベンゼン環は置換基を有していてもよく、該置換基は前記のR1、R2、R3およびR6で表される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の置換基と同様のもの、同様の数を示す)。
R13およびR14としては、それぞれC1-6アルキルが好ましく、特にメチルが好ましい。また、R13およびR14は、隣接する炭素原子とともに無置換のベンゼン環を形成する場合も好ましい。
化合物(II')中、R15は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアシル基、エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基または置換基を有していてもよい複素環基を示す。
R15で表される「ハロゲン原子」、「置換基を有していてもよいヒドロキシ基」、「置換基を有していてもよいアミノ基」、「置換基を有していてもよい炭化水素基」、「置換基を有していてもよいアシル基」、「エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基」および「置換基を有していてもよい複素環基」とは、前記のR4およびR5で表される「ハロゲン原子」、「置換基を有していてもよいヒドロキシ基」、「置換基を有していてもよいアミノ基」、「置換基を有していてもよい炭化水素基」、「置換基を有していてもよいアシル基」、「エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基」および「置換基を有していてもよい複素環基」と同様のものを示す。
R15としては、水素原子またはC1-6アルキルで置換されたヒドロキシ基が好ましい。
化合物(II')の塩とは、前記の化合物(I)および(II)の塩と同様のものである。
以下に参考例および実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
なお、実施例の各物性の測定には次の機器を用いた。1H核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR):DPX300(ブルッカー社製)、内部基準物質:テトラメチルシラン。13C核磁気共鳴スペクトル(13C-NMR):DPX300(ブルッカー社製)、内部基準物質:CDCl3。実施例中で使用するメタノールおよびエタノールは、マグネシウムメトキシドまたはマグネシウムエトキシド存在下で、還流後、蒸留し、さらに脱気して用いた。また必要に応じて市販の無水溶媒を脱気して用いた。また必要に応じて市販の脱水溶媒を用いた。
光学活性体の光学純度は、鏡像体過剰率(%ee)で評価した。該鏡像体過剰率は、以下に示す条件下での高速液体クロマトグラフィーを用い、次式により求めた。
鏡像体過剰率(%ee)=100×[(R)−(S)]/[(R)+(S)]
[式中、(R)および(S)は、鏡像体の絶対配置、および各鏡像体の高速液体クロマトグラフィーにおける面積を示す]
(高速液体クロマトグラフィー条件)
カラム: CHIRALCEL-OJR(ダイセル化学工業株式会社)(粒径10μm; カラム径: 4.6mm; カラム長: 150mm)
移動層: 0.5M HClO4 (pH2):アセトニトリル=50/50(v/v)
流速: 1.0ml/min
温度: 35℃または室温
検出: UV 254 nm
参考例1
1, 4-ジメトキシ-2-メチルナフタレンの合成
2-メチル-1, 4-ナフトキノン (97.5 g)のジエチルエーテル (800 mL)溶液にチオ硫酸ナトリウム (201 g)の水溶液(800 mL)を還流に注意しながらゆっくりと滴下した。次に有機層を分取し、飽和食塩水で2回洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ別し、減圧濃縮した。残留物をエタノール (1 L)に溶解し、ジメチル硫酸 (211 mL)を加えた。次に28% ナトリウムメトキサイド (534 mL)を滴下し、30分攪拌した。反応液を濃縮し、水を加え、ジエチルエーテル (1 L)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ別後、溶媒を減圧留去すると油状の1, 4-ジメトキシ-2-メチルナフタレン (109 g, 収率95%)が得られた。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 2.45 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.96 (s, 3H), 6.60 (s, 1H), 7.39-7.44 (m, 1H), 7.48-7.53 (m, 1H), 8.02 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.19 (d, J = 8.1 Hz, 1H).
IR (thin film) 3066, 2991, 2942, 2900, 2834, 1627, 1596 cm-1.
元素分析値 C13H14O2 として
計算値:C: 77.20, H: 6.98.
実測値:C: 77.23, H: 7.08.
UV (MeOH. HCl) 211, 239, 300 nm.
参考例2
1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-カルボアルデヒドの合成
1, 4-ジメトキシ-2-メチルナフタレン (4.0 g)のジクロロメタン (20 mL)溶液を-30 ℃に冷却し、四塩化チタン (4.3 mL), 1,1-ジクロロジメチルエーテル (1.8 mL)の順に滴下し、室温で30分攪拌した。反応液に水を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ別後、溶媒を減圧濃縮した。析出した結晶にn-ヘキサンを加え、結晶をろ取した。乾燥すると1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-カルボアルデヒド (3.6 g, 収率79%)が得られた。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 2.65 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 4.07 (s, 3H), 7.50-7.70 (m, 2H), 8.11 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 10.73 (s, 1H).
IR (KBr) 1685 cm-1.
元素分析値 C14H14O3 として
計算値:C: 73.03, H: 6.13.
実測値:C: 72.97, H: 6.13.
UV (MeOH. HCl) 218, 253, 259, 283, 293, 306 nm.
融点 93.5-93.7 ℃ (n-hexane).
参考例3
(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)アクリル酸エチルの合成
1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-カルボアルデヒド (146.9 g)とホスホノ酢酸トリエチル (133.4 mL)のテトラヒドロフラン(1 L)の溶液にtert-ブトキシナトリウム (64.3 g)を氷冷下にて添加し、50 ℃で1時間攪拌した。空冷後、水と酢酸エチルに注ぎ、抽出した。酢酸エチルを水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ別後、溶媒を減圧留去すると黄色油状物である(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)アクリル酸エチル(189.5 g, 収率94%)が得られた。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 1.73 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 2.50 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 4.30 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 6.73 (d, J = 16.3 Hz, 1H), 7.48-7.55 (m, 2H), 8.03 (d, J = 16.3 Hz, 1H), 8.04-8.13 (m, 2H).
IR (KBr) 1710 cm-1.
元素分析値 C18H20O4 として
計算値:C: 71.98, H: 6.71.
実測値:C: 72.24, H: 6.91.
融点 57-59 ℃ (EtOAc).
参考例4
1-ヨード-4-メトキシメトキシベンゼンの合成
p-ヨードフェノール(25.47g)のジメトキシメタン(25.5 mL)溶液を氷冷し、ゆっくりと五酸化二リン (約50 g)を加えた。発熱が終わった後、室温に戻し、50分攪拌した。再び氷冷し、酢酸エチル(300 mL)で希釈した。注意深く1N 水酸化ナトリウム水溶液 (700 mL)を加えた。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ去した。溶媒を留去すると生成物(27.5 g)が得られた。これを蒸留(89-92 ℃/2.5 mmHg)すると無色油状物の1-ヨード-4-メトキシメトキシベンゼン (21.6 g, 収率71%)が得られた。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 3.46 (s, 3H), 5.14 (s, 2H), 6.81 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 7.56 (d, J = 6.9 Hz, 2H).
IR (thin film) 2929, 2484, 1234 cm-1.
元素分析値 C8H9IO2として
計算値:C: 36.39, H: 3.44, I: 48.06.
実測値:C: 36.33, H: 3.33, I: 47.70.
参考例5
3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸エチルの合成
(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)アクリル酸エチル (0.6 g), 1-ヨード-4-メトキシベンゼン (0.7 g), 炭酸水素ナトリウム(0.67 g), n-テトラブチルアンモニウムブロマイド (0.64 g)のN, N−ジメチルホルムアミド (5 mL)の懸濁液に窒素気流下にて酢酸パラジウム(13 mg)を加え、90-100 ℃にて72時間攪拌した。空冷後、酢酸エチルを注ぎ、1N塩酸で中和した。酢酸エチル層を純水、飽和食塩水の順に洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ別後、溶媒を減圧留去して得た残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製[n-ヘキサン/酢酸エチル (10/1)]し、明黄色固体の3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸エチル (0.27 g, 収率33%)が得られた。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 0.99 (t, J = 7.10 Hz, 3H), 2.19 (s, 3H), 3.71 (s, 3H), 3.78 (s, 3H), 3.91 (s, 3H), 3.98 (q, J = 7.10 Hz, 2H), 6.65 (s, 1H), 6.82 (dd, J = 6.83, 2.09 Hz, 2H), 7.33 (dd, J = 6.83, 2.09 Hz, 2H), 7.45-7.52 (m, 2H), 8.03 (dd, J = 7.38, 1.29 Hz, 1H), 8.12 (dd, J = 7.38, 1.28 Hz, 1H).
13C-NMR (75MHz, CDCl3) δ: 13.2, 14.4, 55.7, 60.2, 61.8, 62.3, 114.5, 116.9, 122.7, 123.1, 125.7, 125.8, 126.4, 127.8, 128.96, 129.02, 130.9, 131.5, 148.4, 150.5, 152.2, 161.3, 166.4.
IR (KBr) 2987, 2937, 2840, 1716 cm-1.
LRMS (EI, M+): 406.
融点 94-95 ℃ (EtOAc/n-hexane);
参考例6
3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシメトキシフェニル)アクリル酸エチルの合成
(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)アクリル酸エチル (93.8 g), 1-ヨード-4-メトキシメトキシベンゼン (123.7 g), 炭酸水素ナトリウム(104.9 g), n-テトラブチルアンモニウムブロマイド(100.7 g)のN, N−ジメチルホルムアミド (900 mL)の懸濁液に窒素気流下にて酢酸パラジウム (7.0 g)を加え、90-100 ℃にて72時間攪拌した。空冷後、酢酸エチルを注ぎ、1N塩酸で中和した。酢酸エチル層を純水、飽和食塩水の順に洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ別後、溶媒を減圧留去して得た残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製[n-ヘキサン/酢酸エチル (10/1)]し、明黄色固体の3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシメトキシフェニル)アクリル酸エチル (77.2 g, 収率57%)が得られた。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 0.99 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 2.19 (s, 3H), 3.44 (s, 3H), 3.71 (s, 3H), 3.91 (s, 3H), 3.98 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 5.15 (s, 2H), 6.65 (s, 1H), 6.96 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 7.32 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 7.45-7.52 (m, 2H), 8.03 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 8.4 Hz, 1H).
IR (KBr) 2937, 1712, 1596, 1510 cm-1.
元素分析値 C26H28O6 として
計算値:C: 71.54, H: 6.47.
実測値:C: 71.48, H: 6.55.
融点 66-68 ℃ (EtOAc/n-hexane);
参考例7
3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-ヒドロキシフェニル)アクリル酸エチルの合成
(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)アクリル酸エチル (1.02 g,3.40 mmol), p-ヨードフェノール (900 mg), 炭酸水素ナトリウム (1.14 g), n-テトラブチルアンモニウムブロマイド (1.10 g)のN, N−ジメチルホルムアミド (10 mL)の懸濁液にアルゴン気流下にて酢酸パラジウム (75.6 mg)を加え、100 ℃にて78時間攪拌した。空冷後、酢酸エチルで希釈した。酢酸エチル層を純水(80 mL)、飽和食塩水の順に洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ別後、溶媒を減圧留去して得た残渣(1.67 g)をシリカゲルクロマトグラフィーで精製[n-ヘキサン/酢酸エチル (4/1)]し、黄色固体の3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-ヒドロキシフェニル)アクリル酸エチル (750 mg, 収率56%)が得られた。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 1.00 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 2.17 (s, 3H), 3.70 (s, 3H), 3.89 (s, 3H), 3.98 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 6.56 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.60 (s, 1H), 7.13 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.40-7.55 (m, 2H), 8.00 (dd, J = 7.67, 2.26 Hz, 1H), 8.05 (dd, J = 8.77, 1.63 Hz, 1H).
参考例8
3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシメトキシフェニル)アクリル酸の合成
200mlナス型フラスコに3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシメトキシフェニル)アクリル酸エチル (10.3 g)を量り、エタノール(25 mL), 6N 水酸化ナトリウム水溶液 (13 mL)を加え、60 ℃にて4時間加熱した。空冷後、溶媒を留去し、氷冷しながら2N 塩酸(20 mL)を加えた。次いで酢酸エチル (70 mL), 2N 塩酸(50 mL)の順に添加した(pHは2以下)。室温にて30分攪拌し、酢酸エチル層を分取した。酢酸エチル層を飽和食塩水(60 mL)で分液した。酢酸エチル層を分取し、活性炭(300 mg)を添加し、室温で15分攪拌後、ろ去した。洗浄に酢酸エチル(15 mL)を使用した。ろ液を減圧濃縮し、約20 mLとし15分攪拌後、n-ヘキサン (50 mL)を1時間かけて滴下した。15分攪拌し、結晶を吸引ろ取した。n-ヘキサン (10 mL)洗浄後、減圧下乾燥すると3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシメトキシフェニル)アクリル酸 (9.13 g, 収率95%)が得られた。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 2.13 (s, 3H), 3.43 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 3.74 (s, 3H), 5.14 (s, 2H), 6.56 (s, 1H), 6.94 (d, J = 9.96 Hz, 2H), 7.29 (d, J = 9.96 Hz, 2H), 7.46-7.53 (m, 2H), 7.99 (dd, J = 7.45, 0.90 Hz, 1H), 8.08 (dd, J = 7.64, 0.98 Hz, 1H).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ: 13.2, 56.5, 61.6, 62.4, 94.6, 116.1, 116.6, 122.7, 123.0, 125.6, 125.8, 126.6, 127.7, 129.1, 130.3, 132.3, 148.3, 150.5, 154.8, 159.3, 170.3.
IR (KBr) 1675 cm-1.
LRMS (FAB, M+): 408.
元素分析値 C24H24O6 として
計算値:C: 70.57, H: 5.92.
実測値:C: 70.44, H: 5.74.
融点 155.0-156.5 ℃ (EtOAc/n-hexane);
参考例9
3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸の合成
100mlナス型フラスコに3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸エチル(10.0 g)を量り、エタノール (26 mL), 6N水酸化ナトリウム水溶液 (12 mL)を量り、アルゴン雰囲気下にて外温60 ℃, 4-6時間で加水分解した。反応液を空冷した後、エタノールを減圧留去した。6N 塩酸 (14 mL)でpH 2-3にした後、酢酸エチル (60 mL)を加え分液し、更に飽和食塩水 (60 mL)で洗浄した。酢酸エチル層に活性炭(150 mg)を加え、室温で15分攪拌した後、ろ去し、約30 mLまで減圧濃縮した。室温で15分攪拌すると晶出した。これにn-ヘキサン (150 mL)を30分かけて滴下し、更に15分室温で攪拌した。結晶を吸引ろ取し、n−ヘキサン/酢酸エチル (1:9, 20 mL)洗浄した。40 ℃にて減圧乾燥すると3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸(8.54 g, 収率92%)が得られた。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 2.13 (s, 3H), 3.67 (s, 3H), 3.74 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 6.58 (s, 1H), 6.80 (dd, J = 6.95, 2.06 Hz, 2H), 7.29 (dd, J = 6.95, 2.06 Hz, 2H), 7.46-7.53 (m, 2H), 7.99 (dd, J = 7.61, 0.97 Hz, 1H), 8.09 (dd, J = 8.40, 0.90 Hz, 1H).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ: 13.2, 55.7, 61.6, 62.4, 114.6, 115.7, 122.7, 123.0, 125.7, 125.8, 126.6, 127.7, 129.1, 129.2, 130.5, 131.3, 148.2, 150.5, 155.0, 161.7, 171.2.
IR (KBr) 1683 cm-1.
LRMS (EI, M+) 378.
元素分析値 C23H22O5 として
計算値:C: 73.00, H: 5.86.
実測値:C: 72.86, H: 5.73.
融点 151-153 ℃.
参考例10
3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-ヒドロキシフェニル)アクリル酸の合成
25 mLナス型フラスコに3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシメトキシフェニル)アクリル酸 (400 mg, 0.98 mmol)を量り、アセトン (2 mL)に完全に溶解した。6N 塩酸(2 mL)を加え、40℃にて1時間攪拌した。酢酸エチル (30 mL), 水 (6 mL)を加え、分液した。酢酸エチル層を飽和食塩水(6 mL)で洗浄した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウム乾燥後、ろ去した。溶媒を留去し、濃縮乾固した(397 mg)。酢酸エチル(1.6ml)に完全に溶解し、n-ヘキサン (5 mL)を30分かけて滴下した。白色結晶をろ取し、n-ヘキサン (2 mL)で洗浄した。減圧乾燥すると3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-ヒドロキシフェニル)アクリル酸(286 mg, 収率80%)が得られた。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 2.13 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 6.57 (s, 1H), 6.65 (dd, J = 8.85, 2.25 Hz, 2H), 7.18 (dd, J = 8.85, 2.25 Hz, 2H), 7.45-7.54 (m, 2H), 7.97 (dd, J = 6.83, 1.41 Hz, 1H), 8.07 (dd, J = 8.54, 1.06 Hz, 1H).
IR (KBr) 1684 cm-1.
LRMS (EI, M+) 364.
元素分析値 C22H20O5 として
計算値:C: 72.51, H: 5.53.
実測値:C: 72.33, H: 5.64.
融点 217-219 ℃ (EtOAc/n-hexane);
参考例11
[(2S,4S)-2, 4-ビスジフェニルホスフィノペンタン](ビシクロ [2.2.1]ヘプタ-2,5-ジエン)ロジウム (I) パークロレートの調製
減圧下にて攪拌子を付して加熱乾燥したシュレンク管A (20 mL)に高純度アルゴン(脱酸素済)気流下にてビス(ビシクロ [2.2.1]ヘプタ-2,5-ジエン)ロジウム (I) パークロレート (113 mg, 0.292 mmol), ビスホスフィン [他のリン配位子も同様である。例: (2S,4S)-2, 4-ビスジフェニルホスフィノペンタン(BDPP) 154 mg, 0.351 mmol]を量り、アルゴン置換した。減圧下にて加熱乾燥したシュレンク管B(20 mL)に高純度アルゴン(脱酸素済)気流下にて新鮮なメタノール (6 mL)を量り、4回凍結脱気した。シュレンク管Aにシュレンク管Bをカニュレートし、室温で30分攪拌すると橙色透明の溶液になった。溶媒を減圧留去すると橙色結晶が析出し、更に1時間減圧乾燥すると[(2S,4S)-2, 4-ビスジフェニルホスフィノペンタン](ビシクロ [2.2.1]ヘプタ-2,5-ジエン)ロジウム (I) パークロレートが得られた。
参考例12
[(R)-1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)ビナフチル](ビシクロ [2.2.1]ヘプタ-2,5-ジエン)ロジウム (I) クロライドの調製
減圧下にて攪拌子を付して加熱乾燥したシュレンク管A(30mL)に高純度アルゴン(脱酸素済)気流下にて(ビシクロ [2.2.1]ヘプタ-2,5-ジエン)クロロロジウム (I) ダイマー(100 mg, 0.22 mmol), (R)-1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)ビナフチル (BINAP) (136 mg, 0.22 mmol)を量り、アルゴン置換した。減圧下にて加熱乾燥した20 mLシュレンク管Bに高純度アルゴン(脱酸素済)気流下にてトルエン(3 mL)を量り、凍結脱気した。シュレンク管Aにシュレンク管Bをカニュレートし、室温で30分攪拌するとオレンジ色透明の溶液になった。溶媒を減圧留去するとオレンジ色の結晶が析出し、更に1時間減圧乾燥すると目的の錯体が得られた。
参考例13
Ru 2 Cl 4 [(R)-binap] 2 .NEt 3 の調製
減圧下にて加熱乾燥したシュレンク管A(100mL)に高純度アルゴン(脱酸素済)気流下にてルテニウムジクロライド(1,5-シクロオクタジエン)ポリマー (333 mg, 1.19 mmol), (R)-1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)ビナフチル (849 mg, 1.36 mmol)を量り、アルゴン置換した。減圧下にて加熱乾燥したシュレンク管B(100 mL)に高純度アルゴン(脱酸素済)気流下にて無水トルエン(20 mL), トリエチルアミン (1 mL)を量り、凍結脱気した。アルゴン気流下、カニュレーションにて溶液(シュレンク管B)を固体(シュレンク管A)に加え、外温135 ℃にて3時間加熱した。溶液は始め黒紫色だったが、3時間後に明るく赤みがかかった。溶媒を減圧留去し、次いで減圧下にて2時間乾燥すると赤褐色の粉末が得られた(アルゴン下にて室温保存した)。
実施例1
(+)-3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシフェニル)プロピオン酸(フリー)の合成とリン配位子の探索
100 mLシュレンク管A(減圧下にて加熱乾燥済み)にAr気流下にて[(2S,4S)-2, 4-ビスジフェニルホスフィノペンタン](ビシクロ [2.2.1]ヘプタ-2,5-ジエン)ロジウム (I) パークロレート (19.4 mg, 0.0026 mmol)を量り、アルゴン置換した。100 mLシュレンク管Bに3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシフェニル)アクリル酸(200 mg, 0.529 mmol)を量り、減圧下にて30分放置した。シュレンク管Bにメタノール(30 mL), トリエチルアミン (0.074 mL, 0.529 mmol)を加え、基質を完全に溶解し、凍結脱気した。シュレンク管Aにシュレンク管Bをカニュレートすると微黄色透明な溶液になる(反応の直前に錯体を完全に溶解した)。120 mLオートクレープにアルゴン加圧下にて導入し、次いで水素置換した。水素(10 MPa)で加圧し、70 ℃, 24時間で反応した。氷冷し、アルゴン置換しながら水素をリークした。メタノール洗浄しながら取り出し、溶媒を留去する。黄褐色残渣を酢酸エチル(3 mL)に溶解し、Sep-Pack Plus(シリカゲル)で精製し、酢酸エチル(30 mL)で溶出した。酢酸エチル層を1N 塩酸(10 mL, pH2以下), 飽和食塩水(10 mL)で分液し、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ去した。酢酸エチル層を濃縮乾固すると(+)-3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシフェニル)プロピオン酸(フリー)(約190 mg, 収率95%)が得られた。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 2.30 (brs, 3H), 3.06 (dd, J = 16.23, 6.39 Hz, 1H), 3.37-3.45 (dd, J = 16.27, 8.37 Hz, 1H), 3.42 (s, 3H), 3.64 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 5.15 (brm, 1H), 6.72 (dd, J = 8.41, 1.95 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 8.40 Hz, 2H), 7.34-7.42 (m, 2H), 7.89-7.99 (m, 2H).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ: 13.7, 38.3, 55.6, 61.7, 62.4, 114.1, 122.7, 123.1, 125.8, 126.3, 127.0, 127.8, 128.3, 128.6, 133.4, 135.4, 150.9, 151.1, 158.2, 178.6.
IR (KBr) 1706 cm-1.
LRMS (EI, M+) 380.

1. 塩基の検討
以下の反応条件で塩基の検討を行った。
水素圧:9-10 MPa,
触媒: [Rh(nbd){(2S,4S)-bdpp}]+ClO4 - (5 mol%),
溶媒 MeOH。
結果を表1に示す。

2. 各種触媒の検討
以下の反応条件で触媒の検討を行った。
水素圧:9-10 MPa,
触媒量:5 mol%,
トリエチルアミン:1当量,
基質濃度:メタノール中18 mM,
反応温度:70 ℃,
反応時間:24 h。
結果を表2に示す。

以下のリン配位子を探索した。略名と構造を以下に示す。
実施例2
(+)-3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシメトキシフェニル)プロピオン酸(フリー)の合成
100ml シュレンク管A(減圧下にて過熱乾燥済み)にアルゴン気流下にて[(2S,4S)-2, 4-ビスジフェニルホスフィノペンタン](ビシクロ [2.2.1]ヘプタ-2,5-ジエン)ロジウム (I) パークロレート(19.4 mg, 0.0026 mmol, 0.05 eq)を量り、アルゴン置換した。別の100 mLシュレンク管Bに3-(1, 4−ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシメトキシフェニル)アクリル酸(200 mg, 0.529 mmol)を量り、減圧下にて30分放置した。シュレンク管Bにメタノール(30 mL), トリエチルアミン(0.074 mL, 0.529 mmol)を加え、基質を完全に溶解し、3回凍結脱気した。シュレンク管Aにシュレンク管Bをカニュレートすると微黄色透明な溶液になる(反応の直前に錯体を完全に溶解する)。この溶液を120 mLオートクレープにアルゴン加圧下にて導入し、次いで水素置換後、水素(10 MPa)で加圧し、70 ℃, 24時間で反応した。メタノール洗浄しながら取り出し、溶媒を留去した。黄褐色残渣を酢酸エチル(3 mL)に溶解し、Sep-Pack Plus(シリカゲル)で精製し、酢酸エチル(30 mL)で溶出した。酢酸エチル層を1N 塩酸(10 mL, pH2以下), 飽和食塩水 (10 mL)で分液し、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ去した。酢酸エチル層を濃縮乾固すると(+)-3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシメトキシフェニル)プロピオン酸(フリー)(約190 mg, 収率95%)が得られた。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 2.35 (brs, 3H), 3.13 (dd, J = 15.30, 6.34 Hz, 1H), 3.44 (s, 3H), 3.47 (dd, J = 15.30, 6.13 Hz, 1H), 3.51 (brs, 3H), 3.83 (s, 3H), 5.12 (s, 2H), 5.22 (brm, 1H), 6.92 (d, J = 8.50 Hz, 2H), 7.11 (d, J = 8.50 Hz, 2H), 7.43-7.49 (m, 2H), 7.97 (dd, J = 6.40, 2.96 Hz, 1H), 8.05 (dd, J = 6.40, 2.05 Hz, 1H).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ: 13.3, 37.9, 55.9, 61.3, 62.0, 94.5, 116.1, 116.2, 122.2, 122.6, 125.3, 125.9, 126.6, 127.3, 127.9, 128.1, 128.7, 132.9, 136.3, 150.5, 150.7, 155.4, 170.9, 178.6.
IR (KBr) 1706 cm-1.
LRMS (EI, M+): 410.
HRMS C24H26O6 として計算値(EI, M+): 410.1729、 実測値 410.1704.
[α]D 20 + 85.54° (c 0.332, MeOH) 59.5%ee.
参考例14
3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシメトキシフェニル)プロピオン酸(フリー)の光学純度の判定
ミクロチューブに、3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシメトキシフェニル)プロピオン酸(10mg)を量り、6N 塩酸(0.013 mL), アセトン (0.013 mL)を加え、室温で1.5時間攪拌し、均一な溶液とした。酢酸エチル(0.6 mL)で抽出し、分取した。酢酸エチル層を減圧濃縮すると3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(フリー) (約10 mg)が得られた。これをキラルHPLCにて光学純度を分析した。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 2.37 (brs, 3H), 3.13 (dd, J = 6.36, 16.18 Hz, 1H), 3.48 (dd, J = 8.45, 16.18 Hz, 1H), 3.50 (brs, 3H), 3.84 (s, 3H), 4.30-5.60 (brs, 2H), 5.24 (brm, 1H), 6.69 (dd, J = 6.64, 2.15 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 6.64 Hz, 2H), 7.43-7.50 (m, 2H), 7.98 (dd, J = 6.48, 2.10 Hz, 1H), 8.05 (dd, J = 7.34, 2.98 Hz, 1H).
IR (thin film) 3400-3500, 1708 cm-1.
LRMS (FAB, M+): 366
HRMS C22H22O5 として計算値(FAB, M+): 366.1467. 実測値: 366.1406;
[α]D 20 +81.11° (c 0.270, MeOH) 89.7%ee(+).
参考例15
(+)-3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシメトキシフェニル)プロピオン酸の精製
(+)-3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシメトキシフェニル)プロピオン酸(約2 g)をアセトン (15 mL)に溶解する。室温で攪拌しながらブルシン (1.0当量)を添加すると一時完全に溶解し、次いで白色結晶が析出する。室温で30分攪拌し、白色結晶を吸引ろ取し、アセトン (3 mL)で洗浄した。結晶を30分通気乾燥し、(+)-3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシメトキシフェニル)プロピオン酸 ブルシン塩を得た。これを酢酸エチル(30 mL)に懸濁し、室温で1N 塩酸(10 mL)を加え、10分攪拌し、完全に溶解した。酢酸エチル層を分取し、更に1N 塩酸(8 mL),飽和食塩水 (8 mL)で洗浄した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ去すると無色透明な酢酸エチル層が得られた。溶媒を減圧留去し、アメ状の(+)-3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシメトキシフェニル)プロピオン酸(area% ca 95-97%, 99%ee以上,ca3-5%の原料が残留)を得た。
(+)-3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシメトキシフェニル)プロピオン酸
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 2.30 (brs, 3H), 3.06 (dd, J = 16.23, 6.39 Hz, 1H), 3.37-3.45 (dd, J = 16.27, 8.37 Hz, 1H), 3.42 (s, 3H), 3.64 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 5.15 (brm, 1H), 6.72 (dd, J = 8.41, 1.95 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 8.40 Hz, 2H), 7.34-7.42 (m, 2H), 7.89-7.99 (m, 2H).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ:13.7, 38.3, 55.6, 61.7, 62.4, 114.1, 122.7, 123.1, 125.8, 126.3, 127.0, 127.8, 128.3, 128.6, 133.4, 135.4, 150.9, 151.1, 158.2, 178.6.
IR (KBr) 1706 cm-1.
LRMS (EI, M+) 380.

(+)-3-(1, 4-ジメトキシ-3-メチルナフタレン-2-イル)-3-(4-メトキシメトキシフェニル)プロピオン酸 ブルシン塩
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 1.23 (dt, J = 3.13, 10.25 Hz, 1H), 1.41 (d, J = 15.09 Hz, 1H), 1.75-1.96 (m, 2H), 2.10-2.26 (m, 1H), 2.36 (brs, 3H), 2.63 (dd, J = 16.07, 3.17 Hz, 1H), 2.65 (d, J = 14.63 Hz, 1H), 2.72-2.81 (m, 1H), 3.04-3.19 (m, 3H), 3.26 (dd, J = 11.28, 7.57 Hz, 1H), 3.3-3.7 (brs, 1H), 3.43 (dd, J = 16.07, 7.87 Hz, 1H), 3.43 (s, 3H), 3.5-3.6 (brm, 1H), 3.59 (s, 3H), 3.78 (dd, J = 16.09, 6.89 Hz, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.83 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 4.03 (m, 1H), 4.15 (dd, J = 13.86, 6.95 Hz, 1H), 4.24-4.32 (m, 1H), 5.09 (d, J = 7.25 Hz, 1H), 5.12 (d, J = 7.25 Hz, 1H), 5.25-5.55 (brm, 1H), 5.95 (m, 1H), 6.73 (s, 1H), 6.82 (d, J = 8.21 Hz, 2H), 7.22 (d, J = 8.21 Hz, 2H), 7.41-7.45 (m, 2H), 7.97-8.04 (m, 2H).
IR (KBr) 1668, 1646 cm-1.
元素分析値 C47H52N2O10 として
計算値:C: 70.13, H: 6.51, N: 3.48.
実測値:C: 69.87, H: 6.49, N: 3.39.
融点 183.5-184.5 ℃.
参考例16
1,4-ジメトキシ-2,3,5-トリメチルベンゼンの合成
トリメチルヒドロキノン (10.0 g)のエタノール溶液 (100 mL)に室温でジメチル硫酸 (25.3 mL)を加え、次いで攪拌しながら28% ナトリウムメトキサイド(50.7 mL)を30分かけて滴下した。そのまま2時間攪拌した。市水 (300 mL)にあけ、ジイソプロピルエーテル (300 mL×2)で抽出した。有機層を市水 (100 mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ去した。減圧下にて濃縮乾固すると飴色の1,4-ジメトキシ-2,3,5-トリメチルベンゼン(油状物, 12.09 g, 見かけ収率102%)が得られた。
1H-NMR (300MHz,CDCl3) δ: 2.11 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 3.65 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 6.52 (s, 1H).
参考例17
2,5-ジメトキシ-3,4,6-トリメチルベンズアルデヒドの合成
1,4-ジメトキシ-2,3,5-トリメチルベンゼン (10.0 g)を量り、塩化メチレン(50 mL)に溶解し、-40 ℃に冷却した。四塩化チタン (6.1 mL)を滴下し、次いで1,1-ジクロロジメチルエーテル (5.02 mL)を滴下した。徐々に昇温し、氷冷下にて2時間攪拌した。氷水(300 mL)にあけ、酢酸エチル(200 mL×2)で抽出した。酢酸エチル層を市水(100 mL×4)洗浄し、飽和食塩水(100 mL)で洗浄した。有機層を濃縮乾固すると結晶性の2,5-ジメトキシ-3,4,6-トリメチルベンズアルデヒド(11.5 g, 収率99%)が得られた。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 2.20 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 2.50 (s, 3H), 3.65 (s, 3H), 3.78 (s, 3H), 10.49 (s, 1H).
参考例18
エチル 2,5-ジメトキシ-3,4,6-トリメチル-1-トランス-シンナメートの合成
2,5-ジメトキシ-3,4,6-トリメチルベンズアルデヒド (10.0 g), ホスホノ酢酸トリエチル (10mL), テトラヒドロフラン(50 mL)を量り、完全に溶解した。ナトリウムtert-ブトキシド(5.08 g)を添加し、外温50 ℃にて1時間加熱した(黒褐色の溶液)。空冷し、市水(150 mL), 酢酸エチル(250 mL)中に注ぎ、分液した。有機層を市水(150 mL×2)で洗浄し、有機層を濃縮乾固するとエチル 2,5-ジメトキシ-3,4,6-トリメチル-1-トランス-シンナメート(13.5 g, 収率101%; E:Z=100:1)が得られた。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 1.34 (t, J = 7.17 Hz, 3H), 2.19 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 2.33 (s, 3H), 3.61 (s, 3H), 3.64 (s, 3H), 4.27 (d, J = 7.17 Hz, 2H), 6.54 (d, J = 16.30 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 16.30 Hz, 1H).
参考例19
エチル 3-(2,5-ジメトキシ-3,4,6-トリメチルフェニル)-3(Z)-フェニルアクリレートの合成
エチル 2,5-ジメトキシ-3,4,6-トリメチル-1-トランス-シンナメート(11.6 g), 炭酸水素ナトリウム(7.0 g), n-テトラブチルアンモニウム ブロマイド(13.44 g), ヨードベンゼン(7.0 mL), N,N-ジメチルホルムアミド (100 mL)を量り、アルゴン雰囲気にした。酢酸パラジウム(281 mg×4)を随時添加し、外温100 ℃にて144時間加熱した。空冷後、酢酸エチル(500 mL)に希釈し、不溶物をろ別した。市水(300 mL), 酢酸エチル(200 mL)を注ぎ分液後、有機層を更に市水(300 mL×2)洗浄した。有機層をカラムクロマトグラフィーで精製 [シリカゲル100 g, 酢酸エチル: n-ヘキサン (10:1)]すると油状のエチル 3-(2,5-ジメトキシ-3,4,6-トリメチルフェニル)-3(Z)-フェニルアクリレート(11.2 g, 75.8%)が得られた。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 1.11 (t, J = 7.13 Hz, 3H), 2.03 (s, 3H), 2.16 (s, 3H), 2.24 (s, 3H), 3.44 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 4.04 (d, J = 7.13 Hz, 2H), 6.60 (s, 1H), 7.28-7.38 (m, 5H).
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ: 14.4, 13.18, 13.24, 13.3, 60.3, 60.5, 61.0, 118.8, 126.9, 127.4, 128.6, 129.0, 129.8, 130.7, 131.4, 139.8, 151.3, 153.41, 153.44, 166.2.
参考例20
3-(2,5-ジメトキシ-3,4,6-トリメチルフェニル)-3(Z)-フェニルアクリル酸の合成
エチル 3-(2,5-ジメトキシ-3,4,6-トリメチルフェニル)-3(Z)-フェニルアクリレート(6.8 g, 19.20 mmol, 1.0 eq), エタノール (50 mL), 3N水酸化ナトリウム水溶液 (20 mL)を加え、外温70 ℃にて3時間加熱した。空冷しエタノールを留去した。氷冷下にて6N塩酸でpH 3とし、酢酸エチル(200 mL)で抽出した。有機層を1N塩酸(50 mL), 蒸留水(50 mL×2)で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ去し、減圧下にて濃縮乾固した。酢酸エチル/n-ヘキサン(1:2)で結晶化すると目的の3-(2,5-ジメトキシ-3,4,6-トリメチルフェニル)-3(Z)-フェニルアクリル酸 (6.0 g, 収率95.7%)が得られた。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 2.03 (s, 3H), 2.15 (s, 3H), 2.24 (s, 3H), 3.44 (s, 3H), 3.66 (s, 3H), 6.59 (s, 1H), 7.27-7.37 (m, 5H), 10-11 (brs).
<HPLC条件>
YMC-ODS A302 φ4.6×150 mm, 0.05M KH2PO4:MeCN(55:45),
1.0 ml/min, 254 nm, tR 18.46 min
<キラルHPLC条件>
CHIRALCAL-OJR φ4.6×150 mm, 0.5M HClO4(pH 2.0):MeCN(1:1),
0.5 ml/min, 254 nm, tR 10.60, 11.75
実施例3
(3R)-(2,5-ジメトキシ-3,4,6-トリメチルフェニル)-3-フェニルプロピオン酸の合成
シュレンク管A(減圧下にて過熱乾燥済み)にアルゴン気流下にて[Rh(nbd)2]+ClO4 -(5.9 mg), (R)(S)-JOSIPHOS (10.0 mg)を量り、3回以上アルゴン置換した。別のシュレンク管Bに3-(2,5-ジメトキシ-3,4,6-トリメチルフェニル)-3(Z)-フェニルアクリル酸(100 mg)を量り、減圧下にて5分放置し、3回以上アルゴン置換した。シュレンク管Bに無水メタノール(10 mL), トリエチルアミン(0.04 mL)を加え、基質を完全に溶解し、2回凍結脱気した。シュレンク管Aにシュレンク管Bの溶液をカニュレートすると微黄色透明な溶液になる(反応の直前に錯体を完溶)。オートクレーブに導入し、水素(10 MPa)で加圧し、70 ℃, 24時間で反応した。氷冷し、アルゴン置換, 水素リーク, アルゴン置換し、メタノール洗浄しながら取り出し、溶媒を留去すると光学活性(3R)-(2,5-ジメトキシ-3,4,6-トリメチルフェニル)-3-フェニルプロピオン酸・トリエチルアミン塩(tR 11.75min, 93.5%ee, 150 mg, 収率97%)が得られた。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 1.12 (t, J = 6.72 Hz, 9H), 2.14 (brs, 3H), 2.17 (s, 6H), 2.78 (dd, J = 5.13, 15.58 Hz, 1H), 2.81 (q, J = 6.72 Hz, 6H), 3.28 (brs, 3H), 3.32 (dd, J = 6.24, 15.58 Hz, 1H), 3.61 (s, 3H), 5.15-5.30 (m, 1H), 5.5-6.2 (brs), 7.05-7.39 (m, 5H).

(R)(S)-JOSIPHOSのかわりに(2R,4R)-BDPPを用いた場合は90.2%eeであった。
<HPLC条件>
YMC-ODS A302 φ4.6×150mm, 0.05M KH2PO4:MeCN(55:45), 1.0ml/min, 254nm,
tR 18.46min
<キラルHPLC条件>
CHIRALCAL-OJR φ4.6×150mm, 0.5M HClO4(pH 2.0):MeCN(1:1),
0.5ml/min, 254nm, tR10.60,11.75.

Claims (10)



  1. 〔式中、R1、R2、R3およびR6はそれぞれ同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基、R4およびR5はそれぞれ同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアシル基、エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基または置換基を有していてもよい複素環基、あるいはR4およびR5は一緒になって隣接する炭素原子とともに5ないし8員環を形成してもよく、R7、R8およびR9は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアシル基、エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基または置換基を有していてもよい複素環基を示す〕で表される化合物またはその塩を、キラルホスフィン触媒存在下で不斉水素化反応を行うことを特徴とする、式

    〔式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は前記と同意義、(*)は不斉炭素の位置を示す〕で表される光学活性化合物またはその塩の製造法。
  2. R1が水素原子、R2が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、R3が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、R4が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、R5が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、またはR4とR5が隣接する炭素原子とともに置換基を有していてもよいベンゼン環を形成し、R6が置換基を有していてもよいC1-6アルキル、R7が水素原子、R8が水素原子または置換基を有していてもよいヒドロキシ基、R9が水素原子である請求項1記載の製造法。
  3. R2、R3およびR6がメチルである請求項2記載の製造法。
  4. R4とR5が隣接する炭素原子とともに置換基を有していてもよいベンゼン環を形成し、R8がC1-6アルキルで置換されたヒドロキシ基またはC1-6アルコキシ-C1-6アルキルで置換されたヒドロキシ基である請求項2記載の製造法。
  5. R4およびR5がメチル、R8が水素原子である請求項2記載の製造法。
  6. キラルホスフィン触媒がキラルホスフィン-Rh(I)錯体である請求項1記載の製造法。
  7. キラルホスフィン-Rh(I)錯体が(R,R)-BDPP-Rh(I)錯体、(S,S)-BDPP-Rh(I)錯体、(R)-(S)-JOSIPHOS-Rh(I)錯体および(S)-(R)-JOSIPHOS-Rh(I)錯体から選ばれる錯体である請求項6記載の製造法。
  8. さらに塩基を共存させる請求項1記載の製造法。
  9. 塩基がトリエチルアミンである請求項8記載の製造法。


  10. 〔式中、R11(1)水素原子または(2)(i)ニトロ、(ii)ニトロソ、(iii)シアノ、(iv)ヒドロキシ、(v)C 1-6 アルコキシ基、(vi)ホルミル、(vii)C 1-6 アルキル-カルボニル基、(viii)C 1-6 アルコキシ-カルボニル基、(ix)カルボキシル、(x)N-モノC 1-6 アルキル-カルバモイル基、及び(xi)N,N-ジC 1-6 アルキル-カルバモイル基からなる群から選択される1ないし3個の置換基を有していてもよい炭化水素基、R12(i)ニトロ、(ii)ニトロソ、(iii)シアノ、(iv)ヒドロキシ、(v)C 1-6 アルコキシ基、(vi)ホルミル、(vii)C 1-6 アルキル-カルボニル基、(viii)C 1-6 アルコキシ-カルボニル基、(ix)カルボキシル、(x)N-モノC 1-6 アルキル-カルバモイル基、及び(xi)N,N-ジC 1-6 アルキル-カルバモイル基からなる群から選択される1ないし3個の置換基を有していてもよい炭化水素基、R13およびR14は同一または異なって、(1)水素原子、(2)ハロゲン原子、(3)(i)ニトロ、(ii)ニトロソ、(iii)シアノ、(iv)ヒドロキシ、(v)C 1-6 アルコキシ基、(vi)ホルミル、(vii)C 1-6 アルキル-カルボニル基、(viii)C 1-6 アルコキシ-カルボニル基、(ix)カルボキシル、(x)N-モノC 1-6 アルキル-カルバモイル基、及び(xi)N,N-ジC 1-6 アルキル-カルバモイル基からなる群から選択される1ないし3個の置換基を有していてもよい炭化水素基で置換されていてもよいヒドロキシ基、(4)(a)(i)ニトロ、(ii)ニトロソ、(iii)シアノ、(iv)ヒドロキシ、(v)C 1-6 アルコキシ基、(vi)ホルミル、(vii)C 1-6 アルキル-カルボニル基、(viii)C 1-6 アルコキシ-カルボニル基、(ix)カルボキシル、(x)N-モノC 1-6 アルキル-カルバモイル基、及び(xi)N,N-ジC 1-6 アルキル-カルバモイル基からなる群から選択される1ないし3個の置換基を有していてもよいC 1-6 アルキル基、及び(b)(i)ニトロ、(ii)ニトロソ、(iii)シアノ、(iv)ヒドロキシ、(v)C 1-6 アルコキシ基、(vi)ホルミル、(vii)C 1-6 アルキル-カルボニル基、(viii)C 1-6 アルコキシ-カルボニル基、(ix)カルボキシル、(x)N-モノC 1-6 アルキル-カルバモイル基、及び(xi)N,N-ジC 1-6 アルキル-カルバモイル基からなる群から選択される1ないし3個の置換基を有していてもよいC 1-6 アルキル-カルボニル基から選択される置換基でモノ置換またはジ置換されていてもよいアミノ基、(5)(i)ニトロ、(ii)ニトロソ、(iii)シアノ、(iv)ヒドロキシ、(v)C 1-6 アルコキシ基、(vi)ホルミル、(vii)C 1-6 アルキル-カルボニル基、(viii)C 1-6 アルコキシ-カルボニル基、(ix)カルボキシル、(x)N-モノC 1-6 アルキル-カルバモイル基、及び(xi)N,N-ジC 1-6 アルキル-カルバモイル基からなる群から選択される1ないし3個の置換基を有していてもよい炭化水素基、(6)式-C(O)R 10 [式中、R 10 は(1)水素原子または(2)(i)ニトロ、(ii)ニトロソ、(iii)シアノ、(iv)ヒドロキシ、(v)C 1-6 アルコキシ基、(vi)ホルミル、(vii)C 1-6 アルキル-カルボニル基、(viii)C 1-6 アルコキシ-カルボニル基、(ix)カルボキシル、(x)N-モノC 1-6 アルキル-カルバモイル基、及び(xi)N,N-ジC 1-6 アルキル-カルバモイル基からなる群から選択される1ないし3個の置換基を有していてもよい炭化水素基を示す]で表されるアシル基、(7)エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基または(8)(i)ニトロ、(ii)ニトロソ、(iii)シアノ、(iv)ヒドロキシ、(v)C 1-6 アルコキシ基、(vi)ホルミル、(vii)C 1-6 アルキル-カルボニル基、(viii)C 1-6 アルコキシ-カルボニル基、(ix)カルボキシル、(x)N-モノC 1-6 アルキル-カルバモイル基、及び(xi)N,N-ジC 1-6 アルキル-カルバモイル基からなる群から選択される1ないし3個の置換基を有していてもよい複素環基(R13およびR14は、隣接する炭素原子とともにベンゼン環を形成してもよい)、R15(1)水素原子、(2)ハロゲン原子、(3)(i)ニトロ、(ii)ニトロソ、(iii)シアノ、(iv)ヒドロキシ、(v)C 1-6 アルコキシ基、(vi)ホルミル、(vii)C 1-6 アルキル-カルボニル基、(viii)C 1-6 アルコキシ-カルボニル基、(ix)カルボキシル、(x)N-モノC 1-6 アルキル-カルバモイル基、及び(xi)N,N-ジC 1-6 アルキル-カルバモイル基からなる群から選択される1ないし3個の置換基を有していてもよい炭化水素基で置換されていてもよいヒドロキシ基、(4)(a)(i)ニトロ、(ii)ニトロソ、(iii)シアノ、(iv)ヒドロキシ、(v)C 1-6 アルコキシ基、(vi)ホルミル、(vii)C 1-6 アルキル-カルボニル基、(viii)C 1-6 アルコキシ-カルボニル基、(ix)カルボキシル、(x)N-モノC 1-6 アルキル-カルバモイル基、及び(xi)N,N-ジC 1-6 アルキル-カルバモイル基からなる群から選択される1ないし3個の置換基を有していてもよいC 1-6 アルキル基、及び(b)(i)ニトロ、(ii)ニトロソ、(iii)シアノ、(iv)ヒドロキシ、(v)C 1-6 アルコキシ基、(vi)ホルミル、(vii)C 1-6 アルキル-カルボニル基、(viii)C 1-6 アルコキシ-カルボニル基、(ix)カルボキシル、(x)N-モノC 1-6 アルキル-カルバモイル基、及び(xi)N,N-ジC 1-6 アルキル-カルバモイル基からなる群から選択される1ないし3個の置換基を有していてもよいC 1-6 アルキル-カルボニル基から選択される置換基でモノ置換またはジ置換されていてもよいアミノ基、(5)(i)ニトロ、(ii)ニトロソ、(iii)シアノ、(iv)ヒドロキシ、(v)C 1-6 アルコキシ基、(vi)ホルミル、(vii)C 1-6 アルキル-カルボニル基、(viii)C 1-6 アルコキシ-カルボニル基、(ix)カルボキシル、(x)N-モノC 1-6 アルキル-カルバモイル基、及び(xi)N,N-ジC 1-6 アルキル-カルバモイル基からなる群から選択される1ないし3個の置換基を有していてもよい炭化水素基、(6) 式-C(O)R 10 [式中、R 10 は(1)水素原子または(2)(i)ニトロ、(ii)ニトロソ、(iii)シアノ、(iv)ヒドロキシ、(v)C 1-6 アルコキシ基、(vi)ホルミル、(vii)C 1-6 アルキル-カルボニル基、(viii)C 1-6 アルコキシ-カルボニル基、(ix)カルボキシル、(x)N-モノC 1-6 アルキル-カルバモイル基、及び(xi)N,N-ジC 1-6 アルキル-カルバモイル基からなる群から選択される1ないし3個の置換基を有していてもよい炭化水素基を示す]で表されるアシル基、(7)エステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基または(8)(i)ニトロ、(ii)ニトロソ、(iii)シアノ、(iv)ヒドロキシ、(v)C 1-6 アルコキシ基、(vi)ホルミル、(vii)C 1-6 アルキル-カルボニル基、(viii)C 1-6 アルコキシ-カルボニル基、(ix)カルボキシル、(x)N-モノC 1-6 アルキル-カルバモイル基、及び(xi)N,N-ジC 1-6 アルキル-カルバモイル基からなる群から選択される1ないし3個の置換基を有していてもよい複素環基、(*)は不斉炭素の位置を示す〕で表される光学活性化合物またはその塩。
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