JP4779960B2 - 音量制御装置とプログラム - Google Patents

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この発明は、音楽データを再生する音響再生装置における音量制御装置および音量制御のためのプログラムに関する。
CDプレーヤー、MDプレーヤーあるいはレコードプレイヤーなど、各種音楽記録媒体に記録された音楽データを再生する各種音響再生装置がある。該各種音響再生装置は、各家庭等においても気軽に音楽鑑賞等を楽しむことを可能とするものであり、それ故に世間に広く普及していることは論をまたない。また、小型軽量で可搬性に優れた携帯型音響再生装置も広く愛好されている。これら携帯型音響再生装置においては、ヘッドフォン乃至イヤホンを用いて音楽等の再生音を聴くのが一般的である。
近年では、内蔵型ハードディスクドライブや不揮発メモリなどの記憶媒体を音源とするディジタル音響再生装置が普及している。この種のディジタル音響再生装置においては、内蔵型ハードディスクドライブや不揮発メモリなどの記憶媒体の小型化・記憶容量の増加に伴い、極めて小型な筐体をもってしても、従来の媒体(例えばCD等)に比較して膨大な量の音楽データを保存することができるようになった。
携帯型音響再生装置の特長として、例えば、電車、バス等の公共交通機関に乗車中であったり、あるいは、屋外を歩行中等であったり、あるいは、近隣への音漏れの影響が気がかりな自宅内等であっても、再生音をヘッドフォン乃至イヤホンで聴くことができる点がある。従って、携帯型音響再生装置は、据え置き型の音響再生装置に比べて場所や時間に制限されること極めて少なく、音楽鑑賞の機会をユーザに提供する。
その上、ディジタル音響再生装置においては、上記の通り、携帯性に優れた小型の装置であっても、大量の楽曲のデータを記憶させておくことが可能となり、長時間にわたり連続してたくさんの楽曲の音楽鑑賞を楽しむことができるのである。
ところで、ヘッドフォンやイヤホンを使用して音楽鑑賞を行う場合、長時間使用による「聴き疲れ」という現象が生じる。また、長時間にわたり過度の大音量でヘッドフォンやイヤホンを使用して音楽を聴くことにより聴力を損なう危険性が大きいことはかねてより指摘されてきたことである。音の大きさと聴取時間の関係については、従来から職場等における騒音性難聴に関する研究等により、耳の保護のために許容される音量レベルは或る音量レベルで音を聴取し続ける時間の長さに応じて変化するということが知られている。従って、ヘッドフォンやイヤホンで音楽やオーディオを聴く際は、音量設定や使用時間に注意が必要である。
そこで、従来から、音響再生装置において、例えば再生音量レベルを大きくしすぎないように当該装置のボリューム設定操作子に最大音量制限を設定したり、あるいは、再生音の音量レベルが所定値を超えたときには再生音をミュートする(音量を適宜小さくする等)機能を搭載したりすることが知られている(例えば、下記特許文献1を参照)。また、オーディオ信号の音量レベルを規制するための手法としては、例えば、音量レベルを指定の閾値以下に制限する「リミッター」や所定の閾値よりも高い音量レベルをコンプレッサーというエフェクタを使用することが従来から知られている。
特開2004−80496号公報
しかしながら、上記に代表される従来の音量制限の技術では、基本的には、ある時点での音量レベルと音量レベルの閾値とを比較して音量制限しており、ユーザが音に曝された時間の要素が考慮されていなかった。従って、従来の音響再生装置における音量制限の技術は、突発的に大きな音量レベルで発生される再生音によって聴覚にダメージを受けることを防止するという点では有益であるかも知れぬが、長時間連続して音を聴き続けることによる「聴き疲れ」という現象に対しては何ら解決策をもたらすことはなかった。
更に、携帯型ディジタル音響再生装置が小型軽量化された現今においては、ユーザは再生装置の存在感を意識することなく音楽鑑賞に没頭でき、このことはヘッドフォンやイヤホンを使用して長時間にわたる音楽鑑賞する傾向を促すであろう。従って、快適で安全な音楽鑑賞の環境の提供という点から、長時間連続して音を聴き続けることによる「聴き疲れ」という問題への対策、特に、長時間大音量で連続して音楽再生を続けることへの対策が望まれる。
この発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、音量レベルとユーザが音に曝された時間の長さとを考慮した音量制御を行えるようにした音量制御装置及び該装置をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することを目的とする。
この発明に係る音量制御装置は、音響再生装置から出力されるオーディオ信号の出力音量レベルを検出する検出手段と、前記音響再生装置の電源がオンされた以降の過去の或る時点から現時点までに経過したオーディオ信号再生時間計時するための計時手段と、前記音響再生装置の電源がオンされた時に、前回電源がオフされた時点から今回電源がオンされた時点までに経過した時間を電源オフ期間として設定し、且つ、前記電源オフ期間の出力音量レベルとして所定の最低音量レベルを設定する初期化手段と、前記計時手段により計時されたオーディオ信号再生時間と前記初期化手段により設定された電源オフ期間を合わせた経過時間を算出し、且つ、前記オーディオ信号再生時間において前記検出手段により検出された出力音量レベルと前記初期化手段により設定された前記最低音量レベルとに基づいて、前記経過時間全体にわたる出力音量レベルの累積平均値を算出する算出手段と、ユーザが音を聴取し続けた時間長を示す連続再生時間と該連続再生時間内に許容される音量レベルの制限値を対応付けたテーブル手段と、前記テーブル手段を参照して、前記算出手段により算出された経過時間に対応する連続再生時間内で許容される音量レベルの制限値を特定し、前記制限値よりも前記算出手段により算出された累積平均値が大きい場合に、オーディオ信号の出力音量レベルを制限値以下に下げるよう制御する制御手段とを備えることを特徴とする音量制御装置である。
また、この発明に係る音響制御装置は、前記初期化手段が、前記音響再生装置の電源がオンされた時に、更に、前記電源オフ期間における累積平均値として前記所定の最低音量レベルを、算出手段に対して設定するものであることを特徴とする。この構成により、少なくとも音響再生装置の電源オン直後の或る程度の時間は、制限値よりも累積平均値が大きくならない、すなわち、制御手段による音量制御が行われないよう音量制御装置を構成できるようになる。
更に、この発明は、前記計時手段が、現在の時刻データを発生する時計を含み、該時刻データに基づき前記オーディオ信号再生時間を計時するものであって、前記算出手段が、所定時間間隔毎に、直前の所定時間内に出力されたオーディオ信号に関して前記検出手段により検出された1乃至複数の出力音量レベルの平均値を算出する第1の算出手段と、前記第1の算出手段により算出された平均値と該平均値を算出した時点の時刻データとを1セットのデータとして記録する記録手段と、前記記録手段に記録された複数セット分のデータに基づき複数の平均値を平均することで、前記累積平均値を算出する第2の算出手段とを含むものであることを特徴とする音量制御装置として構成できる。また、この発明に係る音響制御装置は、前記第2の算出手段により算出された累積平均値が所定のスレッショルド値以下であった場合、前記記録手段の記録内容をリセットするリセット手段を、更に備えることを特徴とする音量制御装置として構成できる。
また、この発明は、音響再生装置から出力されるオーディオ信号の音量制御機能をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記音響再生装置から出力されるオーディオ信号の出力音量レベルを検出する検出手順と、前記音響再生装置の電源がオンされた以降の過去の或る時点から現時点までに経過したオーディオ信号再生時間計時するための計時手順と、前記音響再生装置の電源がオンされた時に、前回電源がオフされた時点から今回電源がオンされた時点までに経過した時間を電源オフ期間として設定し、且つ、前記電源オフ期間の出力音量レベルとして所定の最低音量レベルを設定する初期化手順と、前記計時手順により計時されたオーディオ信号再生時間と前記初期化手順により設定された電源オフ期間を合わせた経過時間を算出し、且つ、前記オーディオ信号再生時間において前記検出手順により検出された出力音量レベルと前記初期化手順により設定された前記最低音量レベルとに基づいて、前記経過時間全体にわたる出力音量レベルの累積平均値を算出する算出手順と、ユーザが音を聴取し続けた時間長を示す連続再生時間と該連続再生時間内に許容される音量レベルの制限値を対応付けたテーブルを参照し前記算出手順により算出された経過時間に対応する連続再生時間内で許容される音量レベルの制限値を特定し、前記制限値よりも前記算出手順により算出された累積平均値が大きい場合に、オーディオ信号の出力音量レベルを制限値以下に下げるよう制御する手順をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムである。
この発明によれば、音響再生装置の電源がオンされた時に、前回音響再生装置の電源がオフされた時点から今回音響再生装置の電源がオンされた時点までに経過した時間を電源オフ期間として設定し、且つ、その電源オフ期間の出力音量レベルとして所定の最低音量レベルを設定する構成であるため、電源オフ期間(ユーザが耳を休めていた時間)とオーディオ信号再生時間(ユーザが音を聴いていた)を合わせた経過時間全体にわたる出力音量レベルの累積平均値を算出して、その累積平均値に基づいて、経過時間と該経過時間における出力音量レベルに応じた音量制御(制限値以下の音量への制限)を行うことができる。すなわち、電源オフ期間(ユーザが耳を休めていた時間)の長さを反映した音量制御を行うことができるという優れた効果を奏する。そして、音楽の聴取時間と、電源オフ期間(ユーザが耳を休めていた時間)とに応じた適切な音量制御により、長時間にわたり音楽を聴いていても、「聴き疲れ」や騒音性難聴などからユーザの耳を保護し、安全で快適な音楽鑑賞を提供できるという優れた効果を奏する。また、音量の調整は自動で行われるので、ユーザは音量調整を気にしなくて良い。また、実際に出力されているオーディオ信号の出力音量レベルの累積平均値を判断基準にして音量調整を行っているので音源毎の音量差を気にしなくて良く、また、音源の音量が小さいデータの再生においても不所望な音量制限がかかることなく適切な出力音量レベルでのオーディオ信号の再生が行われる。
前記累積平均値を算出する構成の一例として、所定時間間隔毎に、直前の該所定時間内に出力されたオーディオ信号の出力音量レベルの平均値を算出し、算出した平均値と該平均値を算出した時点の時刻データとを1セットのログデータとして記録手段に記録しておき、該記録手段に記録された複数のログデータに基づき複数の平均値を平均することで累積平均値を算出することができる。更に、前記累積平均値が所定のスレッショルド値以下であった場合に前記記録手段の記録内容をリセットするよう構成してもよい。これにより、出力音量レベル(平均値)がスレッショルド値以下(再生一時停止など無音状態を含む)の状態が一定時間以上続くまではログデータを保持しておくことができるので、結果的に、ユーザへの音の曝露が無い(もしくは無視できるほど小さい)状態が或る程度の時間継続し、ユーザの「聴き疲れ」の蓄積が解消さるまでは、ログデータを保持する(つまり当該時間を経過時間として計時する)機能を果たす。これにより、「聴き疲れ」による耳の疲労の蓄積とその回復までも考慮した音量制御を行うことができる。
なお、この発明に係る音量制御装置は、ハードウェア装置の形態で構成及び実施されてもよいし、或いは、この発明に係る音量制御機能をコンピュータに実行させるソフトウェアプログラムの形態で構成及び実施されてもよい。
以下、添付図面を参照して、この発明に係る音量制御装置の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、この実施例に係る音響再生装置の機能的構成を示すブロック図である。図1において、音響再生装置1は、外部音源2乃至内部音源3から供給される音楽データ(例えば楽曲データ)を再生するための装置である。音響再生装置1は、携帯型音響再生装置であってもよいし、いわゆるミニコンポーネントステレオ再生装置のような据え置き型の装置であってもよい。再生対象の音楽データのフォーマットは従来から知られるどのようなフォーマットであってもよい。内部音源3は、ハードディスクドライブ、不揮発メモリ、RAM、あるいは、CDドライブなどで構成される。また、図1において外部音源2は、例えば、CDプレーヤー、MDプレーヤー、カセットデッキ、或いは、ネットワーク経由で転送される音楽データをリアルタイムで再生するストリーム再生装置など、音響再生装置1の外部から音楽データを供給する装置で構成される。音響再生装置1に具備される音源は、外部音源2乃至内部音源3のいずれか一方であってよい。
処理回路4は、外部音源2乃至内部音源3から供給された音楽データに基づくオーディオ信号の再生処理を含む各種信号処理を行う。音量調整部5は、処理回路4から出力されたオーディオ信号の音量レベル(ボリューム値)を調整するモジュールであって、ユーザがボリューム値を可変設定するボリューム操作子を含む。処理回路4から出力されたオーディオ信号は、音量調整部5に設定されたボリューム値に応じた音量レベルで、オーディオ出力部6から放音される。オーディオ出力部6は、スピーカ、ヘッドフォン乃至イヤホンなど、電気的オーディオ信号を機械振動に変える変換器であればどのようなものでもよい。また、音量調整部5の出力信号を処理回路4にフィードバックする信号ライン7が設けられている。これにより、処理回路4は音量調整部5から現在出力されているオーディオ信号の音量レベル(出力音量レベル)を取得することができる。この構成が、請求項1の検出手段に相当する。ここで検出する出力音量レベルは、音源(外部音源2乃至内部音源3)の音量ではなく、オーディオ出力部6から出力される音の音量レベル(ユーザが実際に聴いている音の音量レベル)に相当する。
なお、図1の例では、音量調整部5の後段から信号を取り出して、該取り出した信号を処理回路4にフィードバックするよう信号ライン7が配線されているが、これに限らず、図1において点線で示す信号ライン7´のように、信号ラインを音量調整部5の前段に設け、音量調整部5の前段から取り出した信号を処理回路4にフィードバックする構成とし、該処理回路4にてフィードバックされた信号のレベルに音量調整部5に設定されているボリューム値(ゲイン)を足し合わせることで、音量調整部5から現在出力されているオーディオ信号の音量レベルを取得するようにしてもよい。
この実施例に係る音響再生装置1は再生音の音量レベルを自動的に調整する機能(音量自動調整機能)を有する。この実施例に係る音響再生装置1に具備された音量自動調整機能は、或る音量レベルの音が或る時間以上連続して再生された場合に、後述の図5の「音量レベル−連続再生時間」テーブルに設定された再生時間毎の制限値に基づき自動的に出力音量レベルを下げる制御を行う点に主要な特徴を有する。この実施例において、前記音量自動調整機能は処理回路4が実行するソフトウェアプログラムにより実現される。
図2は、処理回路4の電気的ハードウェア構成を詳細に示すブロック図である。CPU10と、ROM11及びRAM12を含むメモリからなるマイクロコンピュータに対して、タイマ13、入力回路14、出力回路15、制御回路16及び検出回路17が通信バス10Bを介して接続されている。ROM11乃至RAM12には、CPU10により実行される各種プログラムが記憶されており、CPU10は該各種プログラムに基づき音楽データの再生処理や、この実施例に係る音量自動調整処理等を実行する。また、ROM11乃至RAM12には、音楽データ再生時に測定する出力音量レベルをバッファするための領域、後述する「ログデータ」を記録するための領域、及び、後述する「音量レベル−連続再生時間」テーブルを記憶する領域が含まれる。
入力回路14を介して外部音源2乃至内部音源3から音楽データが取り込まれる。制御回路16は、入力回路14から取り込んだ音楽データに対して、前記マイクロコンピュータの指示に応じた各種処理を実施する。すなわち、入力回路14から取り込んだ音楽データに基づくオーディオ信号(再生音)を出力回路15を介してオーディオ出力部(スピーカ/ヘッドフォン等)から出力させると共に、該出力するオーディオ信号に対する音量制御を行う。ここで、音量制御には、ユーザが音量調整部5(図1参照)に設定したボリューム値に基づく手動制御と後述する音量自動調整処理による自動制御とが含まれる。図2において制御回路16と出力回路15との間が両矢印で結線されていることに注目されたい。これは出力回路15から現在出力されているオーディオ信号を制御回路16にフィードバックして、該オーディオ信号の出力音量レベルをモニタできることを表す(図1の信号ライン7に相当する)。
また、タイマ13は、マイクロコンピュータ内部動作の動作クロックを発生させる機能と共に、時刻データを得るためのカレンダークロックの計時機能を含む。時刻データは、後述する音量自動調整処理における「経過時間」の計時等に利用される。このタイマ13が請求範囲の「計時手段」を構成する。
検出回路17に接続された操作子18には、音量調整部5に含まれるボリューム操作子や、音楽再生の開始・停止指示や曲選択、あるいは、この実施例に係る音量自動調整の設定等、各種指示・設定のための操作子類が含まれる。検出回路17は操作子18の操作を検出し、該検出した操作子操作に応じたデータをCPU10に与える。CPU10は該与えられたデータに応じた制御信号に基づく動作命令を制御回路16に与える。
図1等に示す通り、処理回路4では音量調整部5から現在出力されているオーディオ信号の出力音量レベルを測定することができる。図3は、音楽データの再生時に所定周期毎に測定した出力音量レベルの推移の一例を示すグラフであって、縦軸に音量レベル、また、横軸に時間tを表す。図3に示すとおり、或る音楽データ等の再生時の音量レベルは、細かな強弱の変動に加えて、時間経過に応じた音量レベル帯の大局的遷移があったり、突発的にレベルが大きい部分があったりするなど、複雑な変化を示す。
図4は、図3に示す出力音量レベルを所定時間間隔毎(例えば20秒毎など)に平均した平均値の推移を示す棒グラフである。なお、図4において縦軸は音量レベル、横軸は時間tをそれぞれ表している。棒グラフで示す各時点の平均値は、直前の前記所定時間内に再生されたオーディオ信号の出力音量レベルの平均値である。図4の棒グラフから、時間経過に応じた平均値の変動は、前記図3に示す出力音量レベルの時間経過に応じた変動と同様な傾向を持つことが見て取れる。例えば、時刻t1付近や時刻t2付近など出力音量レベルが大きくなっている部分(前記図3参照)では、平均値の大きさも同様な傾向で変化している。また、時刻t3付近では出力音量レベルが突出して大きくなっており、これに対応する平均値も突出して大きくなっている。
また、図4において、折れ線グラフで示すのは、同図において棒グラフで示す平均値を更に所定時間間隔毎(例えば20秒毎)に平均した値であって、この明細書においてはこれを「累積平均値」と称する。或る時点の累積平均値は、該或る時点以前の前記平均値群を平均した値であるため、図4に示すとおり、該或る時点以前の時間全体にわたる音量レベルを平均した値になる。例えば、時刻t1、時刻t2乃至時刻t3付近では、出力音量レベルや平均値が大きくなっているのに対して、累積平均値は時間経過に応じて概ね一定の値に収束しているのが図から見て取れる。従って、累積平均値によれば、突発的な音量レベルの増大に左右されずに、ユーザが音を聴き続けてきた時間全体にわたる平均的な音量レベルを判断することができる。
図5は、この実施例に係る音量自動調整処理において参照される「音量レベル−連続再生時間」テーブルの構成例である。この「音量レベル−連続再生時間」テーブルは、オーディオ信号の再生時間と該再生時間内で許容される音量レベルの制限値を対応付けたデータテーブルであって、ROM11乃至RAM12に予め記憶される。この「音量レベル−連続再生時間」テーブルが請求範囲の「テーブル手段」を構成する。既に述べたとおり、長時間にわたり或る程度の音量レベルの音を聴きつづけていると「聴き疲れ」という現象が生じる。過度の大音量で長時間にわたり音を聴き続けると聴力を損なう恐れすらあり、殊に、ヘッドフォンやイヤホンで音楽やオーディオを聴く際は、音量設定や使用時間に注意が必要である。耳の保護のために許容される音量レベルは、該音量レベルの音にさらされている時間の長さに応じて異なる。耳の保護の観点からみた音量レベルと時間の関係は、音を連続して聴き続ける時間(再生時間)が長いほど、許容される音量レベルは小さくなるということがいえる。図5に示す「音量レベル−連続再生時間」テーブルによれば、耳の保護の観点から或る再生時間において聞き続けることが許容される音量レベルの制限値を得ることができる。
図5の「音量レベル−連続再生時間」テーブルにおいては、右側の列に連続再生時間(単位=時間)を示し、左側の列には前記右列に示された連続再生時間において聴き続けることが許容される音量レベルの制限値(単位=dBA)を示している。例えば、同図に示すテーブルによれば、音量レベルが105dBAの音は、その音の連続再生時間が1時間以内までは聴覚の健康にとって安全であるとみなしてよいことが示されている。従って、図示のテーブルによれば、例えば105dBAの音量レベルの音を30分間聴き続けることは許容範囲であるが、同音量レベルの音を1時間以上聞き続けた場合には耳の保護の観点から音量レベルを、例えば1時間半の連続再生まで許容される102dBAに、下げるべきであることがわかる。
なお、図5に示すテーブルを構成する各値は、例えば従来から知られる職場等における騒音性難聴に関する研究(騒音レベルと該騒音にさらされる時間の関係)等に準拠して適宜に設定しうるものであって、その設定内容は図5に示す例に限定されるものではない。また、テーブルを構成する各値をユーザが任意に設定できてもよい。また、複数種類の「音量レベル−連続再生時間」テーブルを用意しておき、ユーザが任意のテーブルに選択できてもよい。例えば、各再生時間に設定された制限値の大きさがそれぞれ異なる複数の「音量レベル−連続再生時間」テーブルを用意すれば、ユーザの嗜好に応じて音量レベルの制限値を按配できる。
この実施例に係る音量自動調整処理においては、前記図5の音量レベル−連続再生時間」テーブルを参照して、現時点までの経過時間において聴き続けることが許容される音量レベル(制限値)を特定し、該特定した制限値よりも現時点の累積平均値が大きい場合に、オーディオ信号の出力音量レベルを前記制限値以下に下げるよう音量制御する(動作手順の詳細は後述の図10を参照)。音量調整の判断基準に累積平均値を使用しているのは、それが現時点までにユーザが聴き続けてきた平均的な音量レベルを表しているからである(図4参照)。この処理を実現するために、この実施例に係る音響再生装置1のROM2乃至RAM3には、図6に示す「ログデータ記憶領域」が設けられている。図6に示すとおり、ログデータ記憶領域には、時刻データ、該時刻データに対応する平均値及び累積平均値を1セットとするデータが複数セット分記憶できる。この明細書においては、これらログデータ記憶領域に記憶されるデータ(時刻データ、平均値及び累積平均値)を「ログデータ」と称する。時刻データは、平均値が算出された時点の時刻を「年、月、日、時、分及び秒」で表す絶対時刻のデータである。平均値は、対応する時刻データが表す時点の直前までに再生された前記所定時間分のオーディオ信号の出力音量レベルの平均値(単位=dBA)である。また、累積平均値は、或る時点以前の平均値群を平均した値(単位=dBA)である。
図7は前記ログデータ記憶領域にログデータを記録する処理(ログデータ作成処理)の動作手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、音響再生装置1の電源オンに応じてで開始するものである。電源投入時には、まず、ログデータ初期化処理が行われる(ステップS1)。このログデータ初期化処理の詳細は図9を参照して後述する。
ステップS2〜S6により出力音量レベルに応じた所定時間毎の平均値を算出する処理を行う。すなわち、まず平均値を算出するための所定時間を計時するためのカウンタcntをリセットしてから(ステップS2)、現在の出力音量レベルを取り込み、該取り込んだ出力音量レベルをRAM12に設けられたバッファ領域に追加する(ステップS3)。出力音量レベルは、音量調整部5から現在出力されているオーディオ信号の出力音量レベルをリアルタイムで測定した値であって、前述の通り、音源(外部音源2乃至内部音源3)の音量ではなく、オーディオ出力部6から出力されるオーディオ信号の出力音量レベル(ユーザが実際に聴いている音の音量レベル)に相当する。そして、カウンタcntが所定値に達するまで(ステップS4のNO)カウンタcntのカウント値を1つずつインクリメントしながら(ステップS5)、現在の出力音量レベルをバッファ領域に取り込む処理(ステップS3)を繰り返す。これにより、所定周期毎(カウンタcntのカウント周期毎)の出力音量レベルをバッファする。
カウンタcntが所定値に達したら(ステップS4のYES)、前記ステップS3の処理によりバッファされた複数の出力音量レベルに基づき平均値を算出する(ステップS6)。前記カウンタcntを所定値までカウントすることで、該所定値に対応する所定時間の間に再生されたオーディオ信号について、該カウンタcntのカウント周期毎に測定した複数の出力音量レベルのデータをバッファすることができる。従って、該バッファされた複数の出力音量レベルに基づき算出される平均値は、現時点の直前に再生された該所定時間分のオーディオ信号の出力音量レベルの平均値を表す(前記図4に示す棒グラフの値)。なお、前記所定時間間隔は、例えば20秒毎など適宜の時間間隔に設定されてよい。また、平均値算出のための計算方法は従来から知られるどのような方法を適用してもよい。そして、ステップS7においてログデータ記憶領域(図6参照)にログデータをセットする処理を行う。
図8は前記ステップS7のログデータセット処理の手順の一例を示すフローチャートである。前記図6に示した通りログデータ記憶領域には複数のログデータを記録しておくことができる。図8のステップS8においてログデータ記憶領域の空き領域をチェックし、空き領域がなければ(ステップS8のNO)、ステップS9において最も古い時刻のログデータ(時刻、平均値、累積平均値のセット)を消去して、空き領域を確保する。ステップS10では、現在の時刻データと前記ステップS6で算出した平均値とをログデータ記憶領域に追記する。図6に示す通り、この実施例において、ログデータ記憶領域に記録される時刻データは、平均値が算出された時点の時刻を「年、月、日、時、分及び秒」で表す絶対時刻のデータであり、平均値は、対応する時刻データが表す時点の直前までに再生された前記所定時間分のオーディオ信号の出力音量レベルの平均である。
ステップS11では、ログデータ記憶領域に記録されている平均値に基づき、最新の累積平均値を算出する。累積平均値は、既に述べた通り、出力音量レベルの平均値を更に平均した値であって、ログデータ記憶領域内に既に記録されている平均値群に基づき計算することができる。ここで算出される累積平均値は、ログデータ記憶領域に記録されている最古の時刻から現在時刻までの経過時間全体にわたる出力音量レベルの平均を概ね反映した値になる(前記図4参照)。そして、ステップS12において前記ステップS11で算出した累積平均値を、対応する時刻データ及び平均値(前記ステップS10で書き込まれたもの)の1セット分のログデータとしてログデータ記憶領域に追記する。
上記図7及び図8を参照して説明したログデータ作成処理は、音響再生装置1の電源がオフされるまでステップS2〜S11の処理をループすることで、所定時間間隔毎にログデータを作成し、該作成したログデータを時刻順にログデータ記憶領域に蓄積してゆくことができる。なお、この実施例において累積平均値の算出手順が2段階(ステップS6にて平均値を求め、ステップS11にて該平均値に基づく累積平均値を求める)に分かれているが、これに限らず、累積平均値を実測した出力音量レベルに基づき算出する(つまり計算処理を1段階で済ます)ことも可能であり、この場合は、ログデータとしては平均値ではなく出力音量レベルとその検出時刻を記録することになるであろう。この実施例に示すように2段階に分けて累積平均値を計算することで、累積平均値を1段階で計算するよりも、計算に必要なメモリリソースを節約することができ、処理効率が良いという利点がある。
図9は、前記図7のステップS1において行われるログデータ初期化処理の動作手順の一例を示すフローチャートである。ステップS12において、最後にログデータが作成された時刻を取得する。すなわち、ログデータ記憶領域に記憶された最新のログデータの時刻データを得る。そして、ステップS13においては、前記取得した時刻から現在時刻までのログデータとして、平均値及び累積平均値ともに最低音量レベル(デシベル単位ではマイナス無限大と表現される)にセットされたログデータを生成して、該生成したログデータをログデータ記憶領域に順次書き込む。この初期化処理により、電源が投入された際に、最後のログデータ作成時から現時点(電源投入時)までの時間、つまり、電源をオフしていた期間のログデータをログデータ記憶領域に蓄積させることができる。これにより、電源をオフしていた期間を含めたログデータが記録されることになる。このように、電源をオフしていた期間を含めたログデータを記録しておくことで、累積平均値の計算に該電源をオフしていた期間の長さも反映させることができる。従って、前回電源オフ時点から十分な時間間隔を空けずに電源オンして、音楽鑑賞を再開したとすると、累積平均値の大きさには、前回電源オフ以前の平均値の蓄積の影響が反映することになる。前回電源オフ時点以前の平均値の蓄積の影響が消尽するために必要な電源オフ期間の長さは、前回音楽聴取時の累積平均値の大きさに応じる。つまり、大音量で音楽を聴いていたならば、それだけ、過去の蓄積が消尽するのに要する時間は長くなる。言い換えれば、このような初期化処理を電源投入時に行うことで、耳の疲労度合いに相関した累積平均値を得ることができるようになり、電源オフ期間(耳を休めていた時間)の長さの影響をも反映した音量調整処理ができるようになる。
図10は、この実施例に係る音量自動調整処理の手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、前記ログデータ作成処理によりログデータが更新された(新規に作成された)タイミングで起動してもよいし、或いは、ログデータ作成とは独立して所定時間毎にタイマー起動してもよいし、或いは、ユーザが手動で起動指示するようにしてもよい。この音量自動調整処理が、請求範囲の「制御手段」を構成する。ステップS14において、ログデータ記憶領域に基づき、現時点まででどのくらいの音量レベルの音を何時間聴き続けたかを算出する。すなわち、ログデータ記憶領域に記録されている最も古い時刻データから現時点の最新の時刻データまでの経過時間を表すデータを算出すると共に、最新のログデータに含まれる累積平均値を該ログデータ記憶領域から出力する。ここで算出する経過時間のデータにより、ユーザが連続してオーディオ信号を聴き続けた時間を得ることができ、最新の累積平均値により、前記経過時間の間に、ユーザがどのくらいの音量レベルの音を聴いていたのかを特定することができる。
ステップS15においては、前記算出した音量レベル(累積平均値)と所定のスッショルド値を比較し、ログデータをリセットするかどうか判断している。累積平均値が該スッショルド値以上であれば(ステップS15のYES)、ログデータをリセットせずにステップS16以下の処理による音量自動調整を行う。なお、ログデータのリセット処理や、その判断基準となるスッショルド値については、後述する。
ステップS16において、前記ステップS14で算出した経過時間と音量レベル(累積平均値)に基づいて「音量レベル−連続再生時間」テーブルを参照して、出力音量レベルを下げるか否かを算出する。すなわち、経過時間に基づいて「音量レベル−連続再生時間」テーブルを参照することで、前記算出した経過時間で許容される制限値(音量レベル)を特定し、前記特定した制限値と現時点の累積平均値を比較することで、出力音量レベルを下げるべきか否かを判断できる。前記特定した制限値は、現時点までの経過時間で許容される音量レベルの限界(最大値)として定義された値である。従って、前記特定した制限値よりも現時点の累積平均値が大きい場合(ステップS17のYES)、ステップS18において、処理回路4は出力音量レベルを前記制限値以下に下げるよう音量調整部5のボリューム値の設定を制御する。例えば、経過時間が40分で累積平均値が110dBAであれば、図5に示す「音量レベル−連続再生時間」テーブルから、現在の経過時間に対して音量レベルが制限値を超えていることがわかる。従って、この場合は、例えば、1時間以内の聴取であれば許容される105dBAまで出力音量レベルを下げるよう制御すればよい。これにより、出力音量レベル(累積平均値)と該出力音量レベルの音を聴き続けた時間の長さとを考慮した音量自動調整を行うことができる。なお、ステップS18における音量制御は、前記特定した制限値まで出力音量レベルを下げる制御に限らず、該制限値よりも小さいレベルまで出力音量レベルを下げる制御であってもよい。
一方、前記特定した制限値よりも現時点の累積平均値が小さければ(ステップS17のNO)、現在の出力音量レベルで音を聴き続けても差し支えない(耳に不調をきたさない)ので、音量制御せずに、当該処理を終了してよい。
前記ステップS15において累積平均値がスッショルド値以下であった場合には(ステップS15のNO)、ステップS19においてログデータのリセット処理を行い、ログデータ記録領域に蓄積されたログデータを消去する。ログデータリセットの判断基準となるスレッショルド値は、適宜の極小音量レベル(例えば可聴限界に近い値など)に設定されるものとする。累積平均値は、既に述べたとおり、ログデータ記憶領域に記録されている最古の時刻から現在時刻までの平均値を平均した値であるため、累積平均値がスレッショルド値を下回るには、出力音量レベル(平均値)が前記スレッショルド値以下の状態(再生一時停止など無音状態を含む)が一定時間以上続かねばならない。従って、この実施例に示すログデータリセット処理によれば、音楽データの再生停止後もログデータを蓄積し続け、或る程度の時間過ぎた後に、初めてログデータがリセットされることになる。前記「或る程度の時間」は、累積平均値の大きさがスレッショルド値以下まで低減するのに必要な時間に対応している。従って、大音量で音楽を聴いていたならば、それだけ、累積平均値の低減に時間がかかるので、ログデータがリセットされるまでの期間は長くなる。このように、累積平均値が十分に低減しきらないうちにはログデータをリセットせずに蓄積しておくことで、再生一時停止など無音状態(もしくは無視できるほど小さい音量の状態)の長さの影響をも反映した音量調整処理ができるようになる。これのより、例えば、音楽聴取を一時停止してから十分な時間を空けずに再開した場合には、前回の音楽聴取のログデータの影響(耳の疲労の蓄積度合い)を反映した音量自動調整処理を行うことができる。
以上説明した通り、この実施例に係る音響再生装置においては、経過時間と音量レベル(ログデータ)に応じて、オーディオ信号の出力音量レベルを適切なレベル(制限値)に自動的に調整することができるので、長時間にわたり音楽を聴いていても「聴き疲れ」や騒音性難聴などからユーザの耳を保護し、安全で快適な音楽鑑賞を行うことができるという優れた効果を奏する。また、音量の調整は自動で行われるので、ユーザは音量調整を気にしなくて良い。また、音源2,3の音量ではなく、実際に出力されているオーディオ信号の出力音量レベルを計測し、該計測した音量レベルの平均値(累積平均値)を判断基準にして音量調整を行っているので、音源毎の音量差を気にしなくて良く、また、音源の音量が小さいデータの再生においても不所望な音量制限がかかることなく適切な出力音量レベルでのオーディオ信号の再生が行われる。
また、図9に示す初期化処理により、音響再生装置の電源がオフされていた時間に対応するログデータを、最低音量レベル(デシベル単位ではマイナス無限大)のデータとして作成し、電源オフされていた期間を含めたログデータを蓄積しておくことができる。また、上記ステップS19に示すログデータのリセット処理においては、累積平均値が所定のスッショルド値以下である場合にログデータ記録領域をリセットするよう処理しているので、出力音量レベル(平均値)がスレッショルド値以下(再生一時停止など無音状態を含む)の状態が一定時間以上続くまでは、ログデータを保持しておくことができる。従って、上記の初期化処理及びログデータリセット処理のいずれも、ユーザへの音の曝露が無い(もしくは無視できるほど小さい)状態が或る程度の時間継続し、ユーザの「聴き疲れ」の蓄積が解消さるまでは、ログデータを保持しておく(つまり当該時間を経過時間として計時する)機能を果たすことになる。これにより、例えば、或る程度大きな音量で音楽を聴き続けた後に装置の電源オフ乃至音楽再生を一時停止し、十分な時間を空けないうちに、再び音楽を聴き始めた場合等であっても、「聴き疲れ」の蓄積とその回復までも考慮した音量制御を行うことができる。
なお、この実施例において、前記図10のステップS14において算出する「経過時間」は、意味合いとしてはユーザがオーディオ信号を聴き続けた時間を表すデータであるが、実際のところは、先に述べたとおり、或る程度の音量レベルのオーディオ信号が出力されている時間のみならず、電源オフされていた時間乃至スレッショルド値以下の小さい出力音量レベルの状態(再生一時停止など無音状態を含む)の時間も含めた時間も「経過時間」として計時されるようになっている。このような「経過時間」の計時を行うことで、単純に音楽の再生時間を計時するよりも、「聴き疲れ」の蓄積など耳の疲労状態に即した時間データを得ることができ、適切な音量制御を行うことが可能となる。
なお、ログデータのリセット処理については、上記ステップS19の処理のみならず、リセットボタン操作等によりユーザが手動指示で強制的にログデータをリセットさせることができるよう構成してもよい。
また、ログデータ記憶領域を複数通り持つよう構成してもよい。これにより、例えば、複数人のユーザで1台の音響再生装置1を共有する場合に、各ユーザ毎に固有のログデータ記憶領域を使用することができる。また、ログデータ記憶領域及びそこに記憶されるログデータの構成は、図6に示す構成に限定されず、少なくとも「経過時間」のデータと、累積平均値を得ることができさえすればよい。また、上記実施例において、時刻データは、時刻を「年、月、日、時、分及び秒」で表す絶対時刻のデータとしたが、これに限らず、或る時点から現時点までの時間差を表す相対時刻のデータであってもよい。
なお、上記実施例においては、音量自動調整機能が処理回路4で実行されるソフトウェアプログラムの形態で構成及び実施される例を示したが、これに限らず、この発明に係る音量自動調整機能はハードウェア装置の形態で構成及び実施されてもよい。
この発明の一実施例に係る音響再生装置の機能的構成を示すブロック図。 図1に示す音響再生装置の電気的構成を示すブロック図。 図1に示す音響再生装置において計測される出力音量レベルの推移を示すグラフの一例。 前記図3に示す出力音量レベルの平均値(棒グラフ)と該平均値の累積平均値(折れ線グラフ)の推移を示すグラフの一例。 「音量レベル−連続再生時間」テーブルの構成例を示す図。 ログデータ記憶領域の構成例を示す図。 ログデータ作成(平均値算出)処理の手順の一例を示すフローチャート。 ログデータ作成(累積平均値算出)処理の手順の一例を示すフローチャート。 ログデータ初期化処理の手順の一例を示すフローチャート。 音量自動調整処理の手順の一例を示すフローチャート。
符号の説明
1 音響再生装置、2 外部音源、3 内部音源、4 処理回路、5 音量調整部、6 オーディオ出力部、7 信号ライン、10 CPU、11 ROM、12 RAM、13 タイマ、14 入力回路、15 出力回路、16 制御回路、17 検出回路、18 操作子

Claims (5)

  1. 音響再生装置から出力されるオーディオ信号の出力音量レベルを検出する検出手段と、
    前記音響再生装置の電源がオンされた以降の過去の或る時点から現時点までに経過したオーディオ信号再生時間計時するための計時手段と、
    前記音響再生装置の電源がオンされた時に、前回電源がオフされた時点から今回電源がオンされた時点までに経過した時間を電源オフ期間として設定し、且つ、前記電源オフ期間の出力音量レベルとして所定の最低音量レベルを設定する初期化手段と、
    前記計時手段により計時されたオーディオ信号再生時間と前記初期化手段により設定された電源オフ期間を合わせた経過時間を算出し、且つ、前記オーディオ信号再生時間において前記検出手段により検出された出力音量レベルと前記初期化手段により設定された前記最低音量レベルとに基づいて、前記経過時間全体にわたる出力音量レベルの累積平均値を算出する算出手段と、
    ユーザが音を聴取し続けた時間長を示す連続再生時間と該連続再生時間内に許容される音量レベルの制限値を対応付けたテーブル手段と、
    前記テーブル手段を参照して、前記算出手段により算出された経過時間に対応する連続再生時間内で許容される音量レベルの制限値を特定し、前記制限値よりも前記算出手段により算出された累積平均値が大きい場合に、オーディオ信号の出力音量レベルを制限値以下に下げるよう制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする音量制御装置。
  2. 前記初期化手段が、前記音響再生装置の電源がオンされた時に、更に、前記電源オフ期間における累積平均値として前記所定の最低音量レベルを、算出手段に対して設定するものであることを特徴とする請求項1に記載の音量制御装置。
  3. 前記計時手段が、現在の時刻データを発生する時計を含み、該時刻データに基づき前記オーディオ信号再生時間を計時するものであって、
    前記算出手段、所定時間間隔毎に、直前の所定時間内に出力されたオーディオ信号の出力音量レベルの平均値を算出する第1の算出手段と、
    前記第1の算出手段により算出された平均値と該平均値を算出した時点の時刻データとを1セットのデータとして記録する記録手段と、
    前記記録手段に記録された複数セット分のデータに基づき複数の平均値を平均することで、前記累積平均値を算出する第2の算出手段と
    を含むものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の音量制御装置。
  4. 前記第2の算出手段により算出された累積平均値が所定のスレッショルド値以下であった場合、前記記録手段の記録内容をリセットするリセット手段を、更に備えることを特徴とする請求項3に記載の音量制御装置。
  5. 音響再生装置から出力されるオーディオ信号の音量制御機能をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記音響再生装置から出力されるオーディオ信号の出力音量レベルを検出する検出手順と、
    前記音響再生装置の電源がオンされた以降の過去の或る時点から現時点までに経過したオーディオ信号再生時間計時するための計時手順と、
    前記音響再生装置の電源がオンされた時に、前回電源がオフされた時点から今回電源がオンされた時点までに経過した時間を電源オフ期間として設定し、且つ、前記電源オフ期間の出力音量レベルとして所定の最低音量レベルを設定する初期化手順と、
    前記計時手順により計時されたオーディオ信号再生時間と前記初期化手順により設定された電源オフ期間を合わせた経過時間を算出し、且つ、前記オーディオ信号再生時間において前記検出手順により検出された出力音量レベルと前記初期化手順により設定された前記最低音量レベルとに基づいて、前記経過時間全体にわたる出力音量レベルの累積平均値を算出する算出手順と、
    ユーザが音を聴取し続けた時間長を示す連続再生時間と該連続再生時間内に許容される音量レベルの制限値を対応付けたテーブルを参照し前記算出手順により算出された経過時間に対応する連続再生時間内で許容される音量レベルの制限値を特定し、前記制限値よりも前記算出手順により算出された累積平均値が大きい場合に、オーディオ信号の出力音量レベルを制限値以下に下げるよう制御する制御手順
    をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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