本明細書及び添付図面の記載により少なくとも次のことが明らかにされる。
複数のページに対応する画像データをそれぞれ取得して、これら画像データに基づいて、単数の被印刷媒体の所定位置に、前記複数のページの画像を並べて印刷する印刷装置において、前記ページ毎に、該ページの画像を被印刷媒体に印刷する際の印刷モードを異ならせて設定可能なことを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置によれば、被印刷媒体の所定位置に並べて印刷される各ページの印刷モードを、ページ毎に異ならせることができて、もって被印刷媒体への印刷表現の自由度を広げることができる。
また、かかる印刷装置において、前記印刷モードは、一つの基本色で単色印刷するモノクロ印刷モードと、相異なる複数の基本色を組み合わせて多色印刷するカラー印刷モードとから選択されて設定されるのが望ましい。
このような印刷装置によれば、一つの被印刷媒体の所定位置に並べて印刷される各ページを、ページ毎に単色印刷または多色印刷のいずれかに設定できて、もって被印刷媒体への印刷表現の自由度を広げることができる。
また、かかる印刷装置において、前記ページに対応する画像データをRGBデータで取得し、前記カラー印刷モードに設定されたページに対しては、該ページに対応するRGBデータをCMYKデータに変換して印刷する一方、モノクロ印刷モードに設定されたページに対しては、該ページに対応するRGBデータをKデータに変換して印刷するのが望ましい。
このような印刷装置によれば、各ページに対応する画像データをRGBデータの形式で取得しさえすれば、印刷装置側で、設定された印刷モードに対応するデータに変換して印刷するので、取得可能なデータの互換性に優れる。
また、かかる印刷装置において、前記印刷モードは、印刷解像度が相異なる複数の品質モードから選択されて設定されるのが望ましい。
このような印刷装置によれば、被印刷媒体の所定位置に並べて印刷される各ページを、ページ毎に印刷解像度を変更して印刷することができて、もって被印刷媒体への印刷表現の自由度を広げることができる。
また、かかる印刷装置において、原稿から画像を読み取る動作を複数回行って複数のページに対応する画像データをそれぞれ取得するのが望ましい。
このような印刷装置によれば、原稿から画像を読み取って取得した複数ページの画像のそれぞれに対して、印刷モードを異ならせた印刷が可能となる。
また、かかる印刷装置において、前記印刷モードを設定する印刷モード設定手段を備え、前記読み取り動作を行う度に、前記印刷モード設定手段は、印刷モードの設定入力を受け付けるのが望ましい。
このような印刷装置によれば、原稿から画像を読み取って取得した複数ページの画像のそれぞれに対して、印刷モードを設定可能となる。
また、複数のページに対応する画像データをそれぞれ取得して、これら画像データに基づいて、単数の被印刷媒体の所定位置に、前記複数のページの画像を並べて印刷する印刷装置において、各ページの画像を被印刷媒体に印刷する際の印刷モードを設定する印刷モード設定手段を備え、原稿から画像を読み取る動作を複数回行って複数のページに対応する画像データをRGBデータでそれぞれ取得し、前記印刷モード設定手段は、前記読み取り動作を行う度に、これによって取得した画像データに対する印刷モードの設定入力を受け付け、前記印刷モードは、一つの基本色で単色印刷するモノクロ印刷モードと、相異なる複数の基本色を組み合わせて多色印刷するカラー印刷モードとから選択されて設定され、前記カラー印刷モードに設定されたページに対しては、該ページに対応する画像データをCMYKデータに変換して印刷する一方、モノクロ印刷モードに設定されたページに対しては、該ページに対応する画像データをKデータに変換して印刷するのが望ましい。
このような印刷装置によれば、既述の全ての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
また、複数のページに対応する画像データをそれぞれ取得して、これら画像データに基づいて単数の被印刷媒体の所定位置に、前記複数のページの画像を並べて印刷する印刷方法において、前記ページ毎に該ページの画像を被印刷媒体に印刷する際の印刷モードを異ならせて設定可能なことを特徴とする印刷方法。
このような印刷方法によれば、被印刷媒体の所定位置に並べて印刷される各ページの印刷モードを、ページ毎に異ならせることができて、もって被印刷媒体への印刷表現の自由度を広げることができる。
また、コンピュータ本体と、該コンピュータ本体に通信可能に接続された印刷装置とを備えたコンピュータシステムであって、複数のページに対応する画像データをそれぞれ前記コンピュータ本体から取得して、これら画像データに基づいて、単数の被印刷媒体の所定位置に、前記複数のページの画像を並べて印刷し、前記ページ毎に、該ページの画像を被印刷媒体に印刷する際の印刷モードを異ならせて設定可能なことを特徴とするコンピュータシステム。
このようなコンピュータシステムによれば、被印刷媒体の所定位置に並べて印刷される各ページの印刷モードを、ページ毎に異ならせることができて、もって被印刷媒体への印刷表現の自由度を広げることができる。
また、複数のページに対応する画像データをそれぞれ取得して、これら画像データに基づいて、単数の被印刷媒体の所定位置に、前記複数のページの画像を並べて印刷する印刷装置に対して、前記ページ毎に、該ページの画像を被印刷媒体に印刷する際の印刷モードを異ならせて設定可能とする機能を実現させるためのコンピュータプログラム。
このようなコンピュータプログラムによれば、被印刷媒体の所定位置に並べて印刷される各ページの印刷モードを、ページ毎に異ならせることができて、もって被印刷媒体への印刷表現の自由度を広げることができる。
===印刷装置の概略構成===
図1〜図5を参照して本実施の形態に係る印刷装置の概略構成について説明する。図1は本実施の形態に係る印刷装置の概略構成を示した斜視図、図2はスキャナ部10のカバーを開いた状態を示す斜視図、図3は印刷装置の内部構成を示す説明図、図4はプリンタ部の内部を露出させた状態を示す斜視図、図5は操作パネル部の一例を示す図である。本実施形態の印刷装置は、原稿画像を入力するためのスキャナ機能、画像データに基づいて画像を用紙等の被印刷媒体に印刷するプリンタ機能、スキャナ機能により入力した画像を用紙等に印刷するローカルコピー機能を有するスキャナ・プリンタ・コピー複合装置(以下、SPC複合装置という)である。
SPC複合装置1は、原稿5の画像を読み取って画像データとして入力するためのスキャナ部10と、画像データに基づいて画像を用紙等の被印刷媒体に印刷するプリンタ部30と、SPC複合装置1全体の制御を司る制御回路50と、入力手段をなす操作パネル部70とを有している。そして制御回路50の制御により、スキャナ機能、プリンタ機能、及び、スキャナ部10から入力されたデータをプリンタ部30にて印刷するローカルコピー機能を実現する。
スキャナ部10はプリンタ部30の上に配置され、スキャナ部10の上部に、読み取る原稿5を載置するための原稿台ガラス12と、シート状の原稿5を読み取る際や、不使用時に原稿台ガラス12を覆う原稿台カバー14が設けられている。原稿台カバー14は、開閉可能に形成され、閉止した際には原稿台ガラス12上に載置された原稿を原稿台ガラス12側に押圧する機能も有している。また、SPC複合装置1の背面側にはプリンタ部30へ用紙7を供給するための用紙供給部32が設けられ、前面側には下側に、印刷された用紙7が排紙される排紙部34、上側に入力手段としての操作パネル部70が設けられており、プリンタ部30に制御回路50が内蔵されている。
排紙部34には、不使用時に排紙口を塞ぐことが可能な排紙トレー341が備えられ、用紙供給部32には、カット紙(図示しない)を保持する給紙トレー321が備えられている。印刷に用いる被印刷媒体としては、カット紙など単票状印刷用紙のみならず、ロール紙などの連続した印刷用紙でも構わず、SPC複合装置1がロール紙への印刷を可能とする給紙構造を備えていても良い。
図4に示すように、プリンタ部30とスキャナ部10とは、背面側にてヒンジ機構41により結合されており、ヒンジ機構41の回動部を中心としてユニット化されたスキャナ部10が手前側から持ち上げられる。スキャナ部10を持ち上げた状態では、プリンタ部30を覆うカバーの上部に設けられた開口301からプリンタ部30の内部が露出される構成となっている。このようにプリンタ部30の内部を露出させることにより、インクカートリッジ等の交換や、用紙詰まりの処理等を容易に行える構成としている。
また、本SPC複合装置1への電源部はプリンタ部30側に設けられており、前記ヒンジ機構41の近傍にスキャナ部10へ電源を供給するための給電ケーブル43が設けられている。さらに、このSPC複合装置1には、スキャナ機能によるホストコンピュータ3への画像の取り込み、ホストコンピュータ3から送信された画像データの、プリンタ機能による出力を実現するためのUSBインターフェイス52が設けられている。
===操作パネル部70の構成===
図5に示すように、操作パネル部70はそのほぼ中央に液晶ディスプレイ72と、報知ランプ74とが設けられている。液晶ディスプレイ72は2行16桁の32文字が表示可能であり、設定項目や設定状態、動作状態等を文字にて表示することが可能である。液晶ディスプレイ72の脇に設けられた報知ランプ74は、赤色LEDであり、エラー発生時に点灯してユーザーにエラー発生を報知する。
液晶ディスプレイ72の左側には、電源ボタン76と、スキャンスタートボタン78と、設定表示ボタン80と、クリアボタン82とが設けられている。電源ボタン76は、本SPC複合装置1の電源を投入、遮断するためのボタンである。スキャンスタートボタン78は、SPC複合装置1がホストコンピュータ3に接続された状態において、スキャナ部10による原稿5の読み取りを開始させるためのボタンである。設定表示ボタン80は、ユーザーにより設定されたコピー機能に対する設定状態を液晶ディスプレイ72に表示させるためのボタンである。クリアボタン82は、コピー機能に対する設定をクリアし、各設定項目をデフォルト値に変更するためのボタンである。
液晶ディスプレイ72の右側には、カラーコピーボタン84と、モノクロコピーボタン86と、ストップボタン88と、コピー枚数設定ボタン90とが設けられている。
カラーコピーボタン84は、カラーコピーを開始させるためのボタンであり、モノクロコピーボタン86はモノクロコピーを開始させるためのボタンである。したがって、これらのコピーボタン84,86は、コピー動作の開始指示と、出力すべき印刷画像がカラー又はモノクロのいずれであるかを選択する選択手段とを兼ねている。詳細には、このいずれかのコピーボタン84,86を押すことによって、カラー印刷又はモノクロ印刷のいずれの印刷モードにより印刷するかを規定する印刷モード情報が生成されて、この情報を含む入力信号がCPU54に送信される。なお、この印刷モード情報は、後述する本発明の特徴的事項であるNアップ印刷処理に供される。ストップボタン88は、開始したコピー動作を中止させるためのボタンである。
コピー枚数設定ボタン90は、表面に「+」又は「−」が表記された2つのボタン901,902で構成され、「+」ボタン901を押すことにより設定枚数が増加され、「−」ボタン902を押すことにより設定枚数が減少される。
液晶ディスプレイ72の手前側には、液晶ディスプレイ72に表示される設定項目を切り替えるメニューボタン92が設けられている。メニューボタン92は、左右に配置された2つのボタンで構成され、それぞれ左向きの矢印または右向きの矢印が表記されている。左右いずれかのメニューボタン92が押される毎に、表示される設定項目が決められた順に順次切り替わり、一通り表示し終わると最初の設定項目が表示される。左右の矢印は、設定項目を表示する順番を変更するためであり、両ボタン92は、互いに他のボタンを押した際の表示順と逆の順番で設定項目を表示する。
このメニューボタン92では、用紙の種類毎に品質モードを設定することができる。この品質モードは、用紙に印刷される画像の画質に関係し、すなわち、この品質モードの選択によって、主にプリンタ部30で印刷する際の印刷解像度が決定される。
図7に、本実施形態のSPC複合装置1に用意された品質モードを例示するが、例えば普通紙に対しては「エコノミー、速い、綺麗」の3種類の品質モードが選択可能となっており、スーパーファイン紙に対しては「速い、綺麗」の2種類が選択可能となっている。また、これら普通紙等よりも一般に高画質が要求される光沢紙、PM写真用紙、およびPMマット紙に対しては、それぞれに「綺麗」の品質モードが用意されている。ユーザは、液晶ディスプレイ72を見ながらメニューボタン92を適宜操作して、この品質モードを入力する。そして、この入力に基づいて生成された品質モード情報は、前記コピーボタン操作による入力信号と共にCPU54に送信される。
===スキャナ部10の構成===
スキャナ部10は、原稿5が載置される原稿台ガラス12と、原稿台ガラス12に載置された原稿5の読み取り面を原稿台ガラス12側に押圧するための原稿台カバー14と、原稿台ガラス12を介して対向し原稿5と一定の間隔を保ちながら原稿5に沿って走査する読取キャリッジ16と、読取キャリッジ16を走査するための駆動手段18と、読取キャリッジ16を安定した状態にて走査させるための規制ガイド20とで構成されている。
読取キャリッジ16は、原稿台ガラス12を介して原稿5に光を照射するための光源としての露光ランプ22と、原稿5による反射光を集光させるレンズ24と、原稿5による反射光をレンズ24に導くための4枚のミラー26と、レンズを透過した反射光を受光するCCDセンサ28と、前記規制ガイド20と係合するガイド受け部29とで構成されている。
CCDセンサ28は、光信号を電気信号に変換するフォトダイオードが列状に配置された3本のリニアセンサで構成され、これら3本のリニアセンサは平行に配置されている。CCDセンサ28は、図示しないR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3つのフィルタを備え、リニアセンサ毎に異なる色のフィルタが設けられている。各リニアセンサはフィルタの色に対応した成分の光をそれぞれ検出する。例えば、Rのフィルタを備えたリニアセンサは赤色成分の光の強弱を検出する。3本のリニアセンサは、読取キャリッジ16の移動方向(以下、副走査方向という)にほぼ直交する方向(以下、主走査方向という)に沿わされて配置される。
CCDセンサ28の長さは、読み取り可能な原稿5の幅(主走査方向の長さ)より十分に短いため、原稿5の反射光による像は、レンズ24によって縮小させてCCDセンサ28上に結像させることになる。すなわち、原稿5とCCDセンサ28との間に介在されるレンズ24は、CCDセンサ28側に近づけて配置するとともに、原稿5とレンズ24との距離を長く設定する必要があり長い光路長が要求される。このため、走査する読取キャリッジ16の限られたスペースの中で原稿5とレンズ24との距離を確保すべく4枚のミラー26にて反射させて長い光路長を確保している。
また、原稿5による反射光は、4枚のミラー26によって反射されレンズ24を透過してCCDセンサ28に至るが、3本のリニアセンサは平行に配置されているため、各リニアセンサに同時に結像する反射光の原稿に対する反射位置は、リニアセンサの間隔分だけ副走査方向にズレが生じることになる。このため、制御回路50のスキャナコントロールユニット58(図11)では、このズレを補正するためのライン間補正処理が行われる。ライン間補正処理については後述する。
前記規制ガイド20は、副走査方向に沿って設けられ、ステンレス製の円筒材で形成されている。この規制ガイド20は、読取キャリッジ16に設けられ、スラスト軸受けでなる2カ所のガイド受け部29を貫通している。読取キャリッジ16に設けられた2カ所のガイド受け部29の副走査方向における間隔を広げることにより、読取キャリッジ16を安定させて走査させることが可能となる。
駆動手段18は、読取キャリッジ16に固定された環状のタイミングベルト181と、このタイミングベルト181と噛み合うプーリ182とを備え、副走査方向の一方の端部側に配置されたパルスモータ183と、他方の端部側に配置されてタイミングベルト181に張力を付与するアイドラプーリー184とで構成されている。このパルスモータ183は、制御回路50のスキャナコントロールユニット58(図11)により駆動されるが、パルスモータ183の速度に応じて変更される読取キャリッジ16の走査速度により、読み取った画像を副走査方向に拡大及び縮小することが可能となる。
そして、スキャナ部10では、露光ランプ22の光を原稿5に照射し、その反射光をCCDセンサ28上に結像させつつ、読取キャリッジ16を原稿5に沿って移動させる。このとき、CCDセンサ28が受光した光量を示す電圧値として所定の周期で読み込むことにより、1周期の間に読み取りキャリッジ16が移動した距離分の画像を、出力する画像の1ライン分のデータとして取り込んでいく。このとき、1ライン分のデータとして、R成分、G成分、B成分の3つのデータが取り込まれる。
===プリンタ部30の構成===
プリンタ部30は、インクジェット方式が採用されている。そして、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の4色を基本色として、これら色インクを印刷用紙等の被印刷媒体上に吐出してドットを形成することによってカラー画像を形成する。また、このプリンタ部30は、ブラック(K)の色インクのみを用いてモノクロ画像を出力する単色印刷も可能である。このカラー画像またはモノクロ画像のいずれを出力するかは、2値化処理後の2値データに基づいており、この2値データについては後述する。
次に、図3、図7、図8を参照してプリンタ部30について説明する。図7は印刷ヘッド周辺の配置を示した説明図、図8は印刷用紙搬送機構の駆動部を説明するための説明図である。
プリンタ部30は、図示するように、書込キャリッジ36に搭載された印刷ヘッド38を駆動してインクの吐出及びドット形成を行う機構と、この書込キャリッジ36をキャリッジモータ40によって用紙7の搬送方向と直交する方向に往復動させる機構と、紙送りモータ(以下、PFモータともいう)42によって給紙トレー321(図1参照)から供給される用紙7を搬送する機構とを有している。
インクの吐出及びドット形成を行う機構は、インク吐出部としての複数のノズルを備えた印刷ヘッド38を備え、印刷指令信号に基づいて所定のノズルからインクを吐出させる。印刷ヘッド38の下面381には、用紙7の搬送方向に沿って、複数のノズルが列をなし、用紙7の搬送方向と直交する方向に複数列設けられている。印刷ヘッド38及びノズル配列の詳細は後述する。印刷ヘッド38には各ノズルに対応させて16ビットのメモリを備えており、後述するヘッドコントロールユニット68(図11)からは、各ノズルに16ビット単位でデータが転送される。
書込キャリッジ36を往復動させる機構は、書込キャリッジ36を駆動するキャリッジモータ(以下、CRモータともいう)40と、用紙7の搬送方向と直交する方向に設けられ、書込キャリッジ36を摺動可能に保持する摺動軸44と、書込キャリッジ36に固定されたリニア式エンコーダ46と、所定の間隔にスリットが形成されたリニア式エンコーダ用符号板461と、キャリッジモータ40の回転軸に取付けられたプーリ48と、プーリ48によって駆動されるタイミングベルト49から構成されている。
書込キャリッジ36には、印刷ヘッド38と、この印刷ヘッド38と一体に設けられたカートリッジ装着部が固定され、このカートリッジ装着部には、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)等のインクが収容されたインクカートリッジが装着される。
給紙トレー321から供給される用紙7を搬送する機構は、前記印刷ヘッド38と対向して配置され、用紙7と印刷ヘッド38とが適切な距離となるように用紙7を案内する案内部材としてのプラテン35と、このプラテン35に対し用紙7の搬送方向の上流側に設けられ、供給された用紙7をプラテン35に所定の角度にて接触するように搬送する搬送ローラ37と、プラテン35に対し用紙7の搬送方向の下流側に設けられ、搬送ローラ37から外れた用紙7を搬送して排紙するための排紙ローラ39と、搬送ローラ37及び排紙ローラ39を駆動するためのPFモータ42と、用紙7の搬送量を検出するためのロータリ式エンコーダ47と、用紙7の有無及び用紙7の先端・後端を検出するための用紙検出センサ45とを有している。
搬送ローラ37は用紙7の搬送経路下側に設けられており、その上側には搬送ローラ37と対向させて用紙7を保持するための従動ローラ371が設けられている。排紙ローラ39も用紙7の搬送経路下側に設けられて、その上側に排紙ローラ39と対向させて用紙7を保持するための従動ローラ391が設けられているが、排紙ローラ39と対向する従動ローラ391は薄板でなり外周部に細かな歯が設けられたローラであり、印刷後の用紙7の表面と接触してもインクが擦れないように構成されている。
また、搬送ローラ37と用紙7との接触位置は、プラテン35と用紙7との接触位置より高くなるように配置されている。すなわち搬送ローラ37から搬送された用紙7はプラテン35と所定の角度にて接触し、さらに搬送される。これにより、用紙7はプラテン35の後述する案内面351に押し付けられるように沿わされて搬送される。このため、プラテン35によって用紙7をノズルから適正な位置に維持させて良好な画像を得ることが可能となる。
また、搬送ローラ37と排紙ローラ39とは、ギア列31により繋げられ、PFモータ42の回転が伝達されて回動され、両ローラ37,39による用紙7の搬送速度は一致している。
プラテン35は、印刷ヘッド38の下面381、即ちノズルが設けられている面と対向し、用紙7を接触させて案内する案内面351を有している。この案内面351は、印刷ヘッド38下面381のノズルが設けられている領域より狭く形成され、用紙7の搬送方向における最上流側および最下流側に位置するノズルの幾つかはプラテン35と対向していない。これにより、用紙7の先端及び後端を印刷する際に、用紙7の外側に吐出したインクがプラテン35に付着することを防止し、その後搬送される用紙7の裏面が汚れることを防止している。すなわち、上流側端及び下流側端のノズルと対向する位置にはプラテン35を設けることなく空間としている。そしてこの空間部分には、プラテン35の案内面351より低い位置にインク受けを備え、不要なインクを回収してプリンタ内が汚れないようにしている。
用紙検知センサ45は、搬送ローラ37より搬送方向の上流側に設けられ、用紙7の搬送経路より高い位置に回動中心を持つレバー451とその上方に設けられ、発光部と受光部とを有する透過型光センサ452とを有している。レバー451は、自重によって搬送経路に垂れ下がるように配置され給紙トレー321から供給された用紙7によって回動される作用部453と、この作用部453と回動中心を挟んで反対側に位置し、発光部と受光部との間を通過するように設けられた遮光部454とで構成されている。そして、用紙検知センサ45は、供給された用紙7によりレバー451が押され、用紙7が所定位置に達すると遮光部454は発光部が発した光を遮るため、用紙7が所定の位置に達したことが検出される。その後、搬送ローラ7により用紙7が搬送されて、用紙7の後端が通過すると、レバー451は自重によって垂れ下がり、遮光部454が発光部と受光部との間から外れ、発光部の光が受光部に受光され、用紙7の後端が所定の位置に到達することを検出する。したがって、遮光部454が発光部の光を遮っている間は、少なくとも搬送経路内に用紙7が存在することが検出される。
===ノズルの構成について===
図9は、印刷ヘッド38の下面381におけるノズルの配列を示す説明図である。印刷ヘッド38の下面381には、ブラックインクノズル列33(K)と、シアンインクノズル列33(C)と、マゼンタインクノズル列33(M)と、イエローインクノズル列33(Y)が形成されている。各ノズル列33は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個(本実施形態では10個)備えている。
各ノズル列33の複数のノズルは、紙搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、紙搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、用紙32に形成されるドットの最高解像度での間隔)であり、例えば、解像度が720dpiであれば1/720インチ(約35.3μm)である。また、kは、1以上の整数である。
また、各ノズル列33のノズルは、下流側のノズルほど小さい番号が付され、それぞれ第1ノズルN1〜第10ノズルN10とする。各ノズルには、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。
なお、印刷時には、用紙7が搬送ローラ37及び排紙ローラ39によって間欠的に所定の搬送量Fで搬送され、その間欠的な搬送の間に書込キャリッジ36が走査方向に移動して各ノズルからインク滴が吐出される。
===印刷ヘッドの駆動===
次に、印刷ヘッド38の駆動について、図10を参照しつつ説明する。図10は、ヘッドコントロールユニット68(図11)内に設けられた駆動信号発生部の構成を示すブロック図である。
図10において、駆動信号発生部は、複数のマスク回路204と、原駆動信号発生部206と、駆動信号補正部230とを備えている。マスク回路204は、印刷ヘッド38のノズルN1〜N10をそれぞれ駆動するための複数のピエゾ素子に対応して設けられている。なお、図10において、各信号名の最後に付されたかっこ内の数字は、その信号が供給されるノズルの番号を示している。原駆動信号発生部206は、ノズルN1〜N10に共通に用いられる原駆動信号ODRVを生成する。この原駆動信号ODRVは、一画素分の主走査期間内に、第1パルスW1と第2パルスW2の2つのパルスを含む信号である。駆動信号補正部230は、マスク回路204が整形した駆動信号波形のタイミングを復路全体で前後にずらし、補正を行う。この駆動信号波形のタイミングの補正によって、往路と復路におけるインク滴の着弾位置のズレが補正される、すなわち、往路と復路におけるドットの形成位置のズレが補正される。
図10に示すように、入力されたシリアル印刷信号PRT(i)は、原駆動信号発生部206から出力される原駆動信号ODRVとともにマスク回路204に入力される。このシリアル印刷信号PRT(i)は、一画素当たり2ビットのシリアル信号であり、その各ビットは、第1パルスW1と第2パルスW2とにそれぞれ対応している。
そして、マスク回路204は、シリアル印刷信号PRT(i)のレベルに応じて原駆動信号ODRVをマスクするためのゲートである。すなわち、マスク回路204は、シリアル印刷信号PRT(i)が1レベルのときには原駆動信号ODRVの対応するパルスをそのまま通過させて駆動信号DRVとしてピエゾ素子に供給し、一方、シリアル印刷信号PRT(i)が0レベルのときには原駆動信号ODRVの対応するパルスを遮断する。
===制御回路50の内部構造===
図11は、制御回路50の一例を示すブロック図である。
SPC複合装置1の制御回路50は、SPC複合装置1全体の制御を司るCPU54と、制御のためのプログラムを記憶したROM55と、スキャナ機能、プリント機能、ローカルコピー機能の各制御を司る制御ASIC51と、CPU54から直接データを読み書き可能なSDRAM56と、入力手段としての操作パネル部70とがバスによって繋がっている。制御ASIC51には、スキャナユニット10、印刷ヘッド38、および制御ASIC51から直接データを読み書き可能なASIC用SDRAM69などが繋げられている。
制御ASIC51は、スキャナコントロールユニット58と、2値化処理ユニット60と、インターレース処理ユニット62と、イメージバッファユニット64と、CPUインターフェイスユニット(以下、CPUIFユニットという)66と、ヘッドコントロールユニット68と、外部のホストコンピュータ3との入出力手段としてのUSBインターフェイス(以下、USBIFという)52と、スキャナ部10及びプリンタ部30が備える各モータやランプ等のドライバを備えている。また、制御ASIC用SDRAM69には、ラインバッファ691、インターレースバッファ692、イメージバッファ693がそれぞれ割り当てられている。制御ASIC51とASIC用SDRAM69との間では、データ転送の高速化を図るためにデータの転送単位を64bitとする所謂バースト転送が行われる。
スキャナコントロールユニット58は、スキャナ部10が備える露光ランプ22、CCDセンサ28、読取キャリッジ駆動モータとしてのパルスモータ183等の各制御や、CCDセンサ28を介して読み込んだデータを、ラインバッファ691を介して2値化処理ユニット60に送出する機能を有する。
2値化処理ユニット60は、送出された多階調のRGBデータをCMYKの色毎の2値データ、またはKのみの2値データのいずれかに変換し、インターレース処理ユニット62に送出する機能を有する。このRGBデータを、CMYKの色毎の2値データまたはKのみの2値データのいずれのデータに変換するかは、操作パネル部70のコピーボタン操作によって入力された前記印刷モード情報に基づいて決定する。すなわち、このRGBデータには、そのコピーボタン操作にて入力された印刷モード情報が付帯している。そして、この印刷モード情報がカラー印刷モードの場合には、RGBデータをCMKYの2値データに変換し、またモノクロ印刷モードの場合には、Kの2値データに変換する。
インターレース処理ユニット62は、1ラスタライン(印刷画像における主走査方向の1ライン)を複数回の書込キャリッジ36の走査にて印刷する所謂オーバーラップ印刷する際には、1ラスタラインのCMYKのデータを書込キャリッジ36の走査毎に印刷するデータに振り分けてオーバーラップ印刷対応データ(以下、OL対応データという)を生成する機能を有する。生成されたOL対応データは、ASIC用SDRAM69のインターレースバッファ692に記憶される。
また、インターレース処理ユニット62では、インターレースバッファ692に記憶されたデータを、インターレース処理ユニット62内のSRAM621に所定のサイズ毎に読み出して、SRAM621上で、ノズル配列に対応させるべく並び替えてイメージバッファユニット64に送出する機能を有する。
イメージバッファユニット64では、インターレース処理ユニット62から送出されたデータを、書込キャリッジ36の走査毎の各ノズルにインクを吐出させるためのヘッド駆動データを生成する機能を有する。
CPUIFユニット66は、制御ASIC51に接続された制御ASIC用SDRAM69へのCPU54からのアクセスを可能とする機能を有している。本制御回路50においては、イメージバッファユニット64により生成されたヘッド駆動データに基づいてヘッドコントロールユニット68を駆動する際に用いられる。
ヘッドコントロールユニット68は、CPU54の制御によりヘッド駆動データに基づいて印刷ヘッド38を駆動しノズルからインクを吐出させる機能を有する。
===制御回路50内のデータの流れ===
<スキャナ機能時について>
制御ASIC51のUSBIF52に接続されたホストコンピュータ3から、スキャナユニット10による画像読み取り指令信号と、読み取り解像度、読み取り領域等の読み取り情報データとが制御回路50に送信される。制御回路50では、CPU54により画像読み取り指令信号と読み取り情報データとに基づいて、スキャナコントロールユニット58が制御され、スキャナユニット10による原稿5の読み取りが開始される。
このとき、スキャナコントロールユニット58では、ランプ駆動ユニット、CCD駆動ユニット、読取キャリッジ走査駆動ユニット等が駆動され、所定の周期にてCCDセンサ28からRGBデータが読み込まれる。読み込まれたRGBデータは、ASIC用SDRAM69に割り振られたラインバッファ691に一旦蓄えられ、R、G、Bの各データのライン間補正処理が施され、USBIF52を介してホストコンピュータ3に送出される。ライン間補正処理とは、スキャナ部10の構造上発生するR、G、Bの各リニアセンサ間の読み取り位置のズレを補正する処理である。
詳述すると、スキャナユニット10が有するCCDセンサ28は、カラーセンサでありR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3色に対し色毎に1ラインずつのリニアセンサを有している。これら3本のリニアセンサは、読取キャリッジ16の走査方向に平行に並べられているため、原稿5の同一ラインに照射された反射光を同時に受光することができない。すなわち、原稿5の同一ラインに照射された反射光が各リニアセンサに受光される際には、時間的なズレが生じることになる。このため、リニアセンサの配列に伴う遅延時間分だけ遅れて送られてくるデータを同期させるための処理である。
<プリンタ機能時について>
プリンタ機能時には、制御ASIC51のUSBIF52に接続されたホストコンピュータ3のプリンタドライバにて、印刷すべき画像データをSPC複合装置1のプリンタ部30にて印刷することが可能なヘッド駆動データに変換されてUSBIF52から入力される。このヘッド駆動データは、例えば、インターレース方式の印刷をする場合には、印刷解像度と書込キャリッジ36のノズル列33が有するノズルのピッチ及び数に対応させたラスタデータを抽出し、書込キャリッジ36の走査毎に印刷する順に並び換え、印刷ヘッド38を駆動するための信号となるデータである。なお、インターレース方式の印刷では、ノズルピッチ(ノズルの間隔)は、用紙に形成されるドットの間隔よりも広い。
ヘッド駆動データはCPU54が直接読み取り可能なSDRAM56に割り付けられたイメージバッファ57に記憶される。イメージバッファ57は書込キャリッジ36の1回の走査により印刷するためのヘッド駆動データを記憶することができる容量を有するメモリ領域を2つ分備えている。そして、一方のイメージバッファ571に1回の走査分のデータが書き込まれると、ヘッドコントロールユニット68に転送される。このとき、一方のイメージバッファ571のイメージデータがヘッドコントロールユニット68に転送されると、他方のイメージバッファ572には次の走査の際に印刷するためのヘッド駆動データが記憶される。そして他方のイメージバッファ572に1回の走査分のデータが書き込まれると、ヘッドコントロールユニット68に転送され、前記一方のイメージバッファ571にイメージデータが書き込まれる。このように、2つのイメージバッファ571,572を用いて、ヘッド駆動データの書き込み、読み出しを交互に行いながらヘッドコントロールユニット68にて印刷ヘッド38が駆動されて印刷が実行される。
<コピー機能時について>
次に、コピー機能時におけるデータの流れを説明する。ここでは、通常のコピー動作時のデータの流れのみを説明し、本実施形態の2アップ印刷方式については後述する。
スキャナユニット10により読み込まれたデータは、スキャナコントロールユニット58を介してラインバッファ691に取り込まれる。ラインバッファ691に取り込まれたRGBデータは、前述したRGBのライン間補正処理が順次施され、同一ラインに対するRGBデータがスキャナコントロールユニット58から2値化処理ユニット60に送り込まれる。
2値化処理ユニット60に送り込まれたRGBデータは、ハーフトーン処理される。そして、その後、制御ASIC用SDRAM69内に格納されているルックアップテーブル(LUT)695が参照されて、このRGBデータが付帯する印刷モード情報に基づいて、CMYKの色毎の2値データ、またはKのみの2値データのいずれかに変換され、インターレース処理ユニット62に送り込まれる。
インターレース処理ユニット62に送り込まれた前記2値データは、指定されたインターレース方式に基づいて、各ラスタラインの全データから書込キャリッジ36の1回の走査毎に印刷されるデータに振り分けられる。例えば、1ラスタラインを書込キャリッジ36の2回の走査にて形成する場合には、ラスタラインの端から奇数番目のドットを形成するデータと、偶数番目のドットを形成するデータとに振り分けられてOL対応データが生成される。このOL対応データは、インターレースバッファ692に64bitずつバースト転送されて記憶される。
また、インターレース処理ユニット62では、インターレースバッファ692に記憶されたデータを所定サイズ毎に読み出して、インターレース処理ユニット62内のSRAM621にバースト転送する。
このとき、インターレースバッファ692からは、印刷解像度とノズルピッチとに基づいて印刷ヘッド38のノズル配列に対応させてOL対応データが読み出される。例えば、印刷解像度が720dpiであり、ノズルピッチが1/180inchの場合には、隣接するノズルにて印刷した2本のラスタライン間に3本のラスタラインが印刷されることになる。このため、OL対応データからは3ラスタラインずつ間隔を空けたデータが書込キャリッジ36の走査に対応したデータとして読み出されることになる。
転送されたデータはSRAM621上で、ノズル配列に対応させるべく並び替えられてイメージバッファユニット64に送出される。
イメージバッファユニット64では、SRAM621の容量により細かくブロック化された画像データをイメージバッファ693にバースト転送し、書込キャリッジ36の走査毎の各ノズルにインクを吐出させるためのヘッド駆動データとなるように整列させて記憶する。ここでイメージバッファ693,694は、書込キャリッジ36の2回の走査分のヘッド駆動データを記憶するメモリ領域が割り当てられており、1回の走査分のヘッド駆動データが蓄積される毎に、CPU54によりヘッドコントロールユニット68に送出されると共に、残りの1回の走査分のメモリ領域に次の走査に対応したヘッド駆動データの書き込みが開始される。この処理は、プリンタ機能の説明にて前述したイメージバッファの処理と同様である。
イメージバッファ693,694に記憶された走査毎のヘッド駆動データは、CPU54に制御されてCPUIFユニット66を介してCPU54に読み込まれ、CPU54によりヘッドコントロールユニット68に転送される。ヘッドコントロールユニット68によりヘッド駆動データに基づいて印刷ヘッド38が駆動され画像が印刷される。
===本実施形態のNアップ印刷方式===
以下では、このNアップ印刷を、2アップ印刷を例に説明する。
図12は、本実施形態の2アップ印刷方式(コピー方式)を説明するための図である。同図において、5Aは第1原稿であり、表面に画像「A」が表されている。また、5Bは第2原稿であり、表面に画像「B」が表されている。7はSPC複合装置1によって印刷された一枚の用紙である。この用紙7には、2アップ印刷によって、この用紙7の紙面を二等分してなる各印刷領域に、画像「A」および画像「B」がそれぞれ印刷されている。すなわち、用紙7の左側にある1ページ目の印刷領域には、第1原稿5Aから読み取った画像「A」が、また右側にある2ページ目の印刷領域には、第2原稿5Bから読み取った画像「B」が印刷されている。なお、前述のページとは、一枚の用紙の紙面を等分割してなる各印刷領域のことを指し、例えば、2アップ印刷方式の場合には、左側の印刷領域を1ページ目、右側を2ページ目と言う。また、4アップ印刷方式の場合には、用紙7の紙面を4等分してなる各印刷領域のことであり、それぞれ1〜4ページ目と言う。
そして、本実施形態によれば、この一枚の用紙7に印刷する際に、1ページ目の画像「A」と、その隣に並ぶ2ページ目の画像「B」との印刷モードを互いに独立に設定することができて、もって、画像「A」および画像「B」のいずれか一方をモノクロ印刷し他方をカラー印刷することが可能となっている。すなわち、一枚の用紙7の所定位置に並べて印刷される各ページの画像を、ページ毎にモノクロ印刷またはカラー印刷のいずれかに設定できて、もって被印刷媒体への印刷表現の自由度を広げることができるようになっている。
なお、本実施形態では、図12に示される通り、用紙7の端部と画像との間には、余白が設けられている。さらに、画像間にも余白が設けられている。
<2アップ印刷の処理動作について>
図13は、本実施形態の2アップ印刷の処理動作の手順を説明するためのフロー図である。同図は、SPC複合装置1のスキャナ部10と制御回路50(又は操作パネル70)とプリンタ部30の動作の流れを表している。
以下、図12及び図13を用いて、本実施形態の2アップ印刷方式について、説明する。なお、この2アップ印刷の処理動作手順に関するプログラムは、ROM55に格納されている。
まず、ユーザーは、SPC複合装置1の給紙トレーに用紙7をセットする(S121)。以下の説明では、A4サイズの単票状印刷用紙が複数枚セットされているものとする。なお、ユーザーは、操作パネル部70の各種のボタンを操作し、用紙7に関する情報を入力しても良い。
次に、ユーザーは、操作パネル部70の各種のボタンを操作し、複数の印刷方式の中から本実施形態の「2アップ印刷」を選択する(S111)。すなわち、まず、ユーザーは、メニューボタン92によって表示される設定項目を順次切り替え、設定項目である「コピーモード」の表示画面にする。次に、ユーザーは、2つのボタン901,902を押すことによって、設定値を「2アップ印刷」に設定する。これにより、SPC複合装置1の印刷方式が2アップ印刷方式に選択される。また、同様に、ユーザーは、操作パネル部70の各種のボタンを操作し、余白の幅tの大きさを設定するこれにより、SPC複合装置1は、余白に関する情報(余白情報)を取得する。ただし、操作パネル部70によって余白の幅tを設定しない場合、余白の幅の設定値として、予め定められたデフォルト値が用いられる。本実施形態では、余白情報は、幅がt(mm)であることを示しているものとする。
次に、ユーザーは、SPC複合装置1のスキャナ部10に、1枚目の原稿として第1原稿5Aをセットする(S101)。第1原稿5Aのセットの様子を、図14Aを用いて説明する。まず、ユーザーは、原稿台カバー14を開き、第1原稿5Aを原稿台ガラス12に載置する。ユーザーは、第1原稿5Aを原稿台ガラス12に載置するとき、画像「A」が表された側を下面にし、原稿台ガラス12の角にある原点マークに第1原稿5Aの角を合わせる。そして、ユーザーは、原稿台カバー14を閉め、原稿台ガラス12上の第1原稿5Aを原稿台カバー14によって原稿台ガラス12側に押圧させる。これにより、第1原稿5Aがスキャナ部10にセットされる。
次に、ユーザーは、1枚目の原稿5Aの読み取り動作の開始を指示する。既に2アップ印刷を行うことが設定されているので(S111)、ユーザーが操作パネル部70のカラーコピーボタン84又はモノクロコピーボタン86を押すことによって、読み取り動作が開始される(S112)。
なお、前述したように、このコピーボタン操作によって、この第1原稿5Aから読み取った1ページ目の画像を用紙7に印刷する際の印刷モードが確定する。すなわち、モノクロコピーボタン86が押されると、この第1原稿5Aから読み取った後記読取データ(RGBデータ)には、そのコピーボタン操作によって入力されたモノクロ印刷モード情報が付帯され、逆にカラーコピーボタン84が押されると、そのコピーボタン操作によって入力されたカラー印刷モード情報が付帯されるようになっている。ここでは、説明をわかりやすくするために、この第1原稿5Aに対しては、モノクロ印刷をする目的でモノクロコピーボタン86を押したものとする。
次に、SPC複合装置のスキャナ部10が、第1原稿5Aの画像「A」の読み取り動作を開始する(S102)。スキャナ部10が原稿5Aの画像「A」を読み取っている間、所定の周期にてCCDセンサから読取データ(RGBデータ)が出力されている。なお、本実施形態では、CCDセンサのリニアセンサは画像「A」の横方向と平行に並んでおり、読取キャリッジ16は画像「A」の縦方向と平行に走査移動する(つまり、本実施形態では、図12の第1原稿5Aの画像「A」は、上から下に向かってスキャナ部10に読み取られる)。したがって、スキャナ部から出力される読取データは、画像「A」の横方向のラインデータを順次出力したデータになる。
次に、SPC複合装置の制御回路50は、スキャナ部10から順次送られてくる読取データに基づいて、ヘッド駆動データを作成する(S113a,S113b,S113c,S114a)。このとき作成されるヘッド駆動データは、図12の用紙7における印刷画像「AB」のうちの画像「A」の部分を印刷するためのデータである。このヘッド駆動データは、前記第1原稿5Aの画像「A」の読取データに付帯するモノクロ印刷モード情報に基づいて作成され、その結果として、このヘッド駆動データは、K(ブラック)のノズルのみを駆動するデータから構成されて、もって用紙7における画像「A」の部分は、モノクロ印刷される。なお、読取データに基づいてヘッド駆動データを作成する処理については、後述する。作成されたヘッド駆動データは、ヘッドコントロールユニット68に順次送られる。
本実施形態では、用紙7の短辺方向と平行に書込キャリッジ36が走査移動し、用紙7の長辺方向に用紙7が搬送され、用紙7に印刷画像「AB」が印刷される(つまり、本実施形態では、図12の用紙7の印刷画像「AB」は、左から右に向かって印刷される)。そのため、ヘッド駆動データは、画像「A」の縦方向のラインデータを順次出力したデータになる。この結果、プリンタ部30は、画像「B」のヘッド駆動データが作成される前であっても、画像「A」の印刷を開始することが可能になる。そこで、本実施形態では、第2原稿の画像「B」の読み取りが終了する前に、既に第1原稿5Aから読み取られた画像「A」の印刷を開始している。
プリンタ部30は、順次ヘッドコントロールユニット68に送られてくるヘッド駆動データに基づいて、印刷を開始する(S122)。なお、画像「A」に関するヘッド駆動データの作成が終了すれば(S114b)、ヘッドコントロールユニット68にヘッド駆動データが送られてこないので、プリンタ部30は、印刷動作を停止し、印刷待機状態(用紙7の搬送動作やインクを吐出する印刷動作などの諸動作の待機状態)になる(S123)。
第1原稿5Aの読み取り動作の終了後、SPC複合装置1の液晶ディスプレイ72は、ユーザーに原稿交換を促すメッセージを表示する。ユーザーは、そのメッセージを確認し、スキャナ部10にセットされている第1原稿5Aを第2原稿5Bに交換する。原稿の交換の様子を図14Bを用いて説明する。まず、ユーザーは、原稿台カバー14を開き、原稿台ガラス12に載置されている第1原稿5Aを取り出す。そして、ユーザーは、2枚目の原稿として第2原稿5Bをセットする。なお、第2原稿5Bのセットの手順は、前述の第1原稿5Aのセットの手順と同様なので、説明を省略する。
なお、本実施形態では、第2原稿5Bの画像「B」の読み取りが開始される前に、印刷画像「AB」のうちの画像「A」の印刷を開始している。そのため、本実施形態では原稿の交換動作の時には、排紙部34から印刷画像の一部が既に排出されている(図14B参照)。
ユーザーは、原稿交換後、2枚目の原稿5Bの読み取り動作の開始を指示する。2枚目の原稿5Bの読み取り動作も、ユーザーが操作パネル部70のカラーコピーボタン84又はモノクロコピーボタン86を押すことによって、開始される(S115)。なお、前述の第1原稿5Aの時と同様に、この第2原稿5Bに対するコピーボタン操作によって、この第2原稿5Bから読み取った2ページ目の画像を用紙7に印刷する際の印刷モードが確定する。すなわち、第1原稿5Aとは独立に当該第2原稿5Bたる2ページ目の画像の印刷モードを設定可能となっている。ここでは、説明をわかりやすくするために、この第2原稿5Bに対してはカラーコピーボタン84が押されて、この第2原稿5Bから読み取った後記読取データ(RGBデータ)にはカラー印刷モード情報が付帯されているものとする。
次に、SPC複合装置1のスキャナ部10が、第2原稿5Bの画像「B」の読み取り動作を開始する(S105)。スキャナ部10が原稿5Bの画像「B」を読み取っている間、所定の周期にてCCDセンサから読取データ(RGBデータ)が出力されている。
次に、SPC複合装置の制御回路50は、スキャナ部10から順次送られてくる読取データに基づいて、ヘッド駆動データを作成する(S116a,S116b,S116c,S117a)。このとき作成されるヘッド駆動データは、図12の用紙7における画像「B」の部分を印刷するためのデータである。このヘッド駆動データは、前記第2原稿5Bの画像「B」の読取データに付帯するカラー印刷モード情報に基づいて作成され、その結果として、このヘッド駆動データは、CMYKの4色のノズルを駆動するデータから構成されて、もって用紙7における画像「B」の部分は、カラー印刷される。なお、読取データに基づいてヘッド駆動データを作成する処理については、後述する。作成されたヘッド駆動データは、ヘッドコントロールユニット68に順次送られる。
プリンタ部30は、順次ヘッドコントロールユニット68に送られてくるヘッド駆動データに基づいて、印刷を再開する(S124)。つまり、プリンタ部30は、画像「B」の読取動作が開始された後に、用紙7の間欠的な搬送を行う搬送動作や、走査方向に移動するノズルからインクを吐出する印刷動作などを再開する。
印刷が完了すれば(S117b、S125)、用紙7が排紙部34から排出される。排出された用紙7には、図12の用紙7に示されたように、印刷画像「AB」が印刷されている。なお、この印刷画像「AB」のうちの画像「A」の部分はモノクロ印刷されている一方、画像「B」の部分はカラー印刷されている。
第2原稿の読み取り動作が終了後、SPC複合装置の液晶ディスプレイ72は、ユーザーに第2原稿の取り出しを促すメッセージを表示する。ユーザーは、そのメッセージを確認し、スキャナ部10にセットされている第2原稿5Bを取り出す。
<2アップ印刷時の制御回路50内でのデータの流れについて>
図15は、2アップ印刷の際の制御回路50の一例を示すブロック図である。前述の図11では、書き込みと読み出しを交互に行うためにイメージバッファ571,572(又はイメージバッファ693,694)として2つのバッファが描かれていたが、図15では説明の簡略化のため、書き込みと読み出しを交互に行うための2つのバッファは描かれていない。
前述の図11の制御回路50と比べ、ハード構成は同じだが、CPU54が直接読み取り可能なSDRAM56内のメモリ領域の割り当てなどが異なる。また、前述の図11ではCPU54はイメージバッファ694のみとアクセスしていたが、図15では、CPU54は、ラインバッファ691およびインターレースバッファ692にもアクセスしている。また、インターレースバッファ692は、メモリ領域の割り当てが2つに分けられ、論理的に2つのバッファになっている。
以下、図15を用いて、2アップ印刷の際の制御回路50内でのデータの流れについて、説明する。なお、この2アップ印刷の際の制御回路50内でのデータの流れを制御するプログラムは、ROM55に格納されている。前述の説明では、1ラスタラインを書込キャリッジ36の2回の走査にて形成していたが、説明の簡略化のため、1ラスタラインは書込キャリッジ36の1回の走査にて形成されるものとする(つまり、奇数番目と偶数番目とにラスタラインのドットデータが振り分けられない状態で、以下に説明される)。
(1)まず、1枚目の原稿(第1原稿5A)から画像「A」が読み取られ(S102)、印刷が開始されるまで(S122)の間の制御回路50内でのデータの流れについて、説明する。
CPU54は、操作パネル部70から「2アップ印刷」の設定後にカラーコピーボタン84又はモノクロコピーボタン86の入力信号を受けて、スキャナコントロールユニット58に制御信号を送信する。この制御信号には、このコピーボタン操作に基づく印刷モード情報が含まれており、この例にあってはモノクロコピーボタン86が押されているため、モノクロ印刷モード情報が含まれている。ちなみに、このモノクロ印刷モード情報は、この次になされるコピーボタン操作までの間有効であり、すなわち、この間にスキャナ部10にて生成される後記RGBデータは、このモノクロ印刷モード情報を付帯している。
スキャナコントロールユニット58は、CPU54からの前記制御信号に基づいて、スキャナ部10を制御し、第1原稿5Aから画像「A」を読み取る動作を開始する。
なお、第1原稿5Aの画像「A」は縮小されて用紙7に印刷されるので、スキャナコントロールユニット58は、画像「A」を等倍で読み取る場合と比較してデータを間引くようにして、第1原稿5Aから画像「A」を読み取る。すなわち、画像「A」の横方向のデータは、CCDセンサのラインセンサからのデータを間引くことによって、縮小されている。この間引き処理は、スキャナコントロールユニット58がラインセンサからの出力データを間引くことによって、行われる。また、画像「A」の縦方向のデータは、読取キャリッジの走査速度を速めることによって、縮小されている。この処理は、スキャナコントロールユニット58が読取キャリッジの走査速度を速めるように制御することによって、行われる。このように、縦横の画像「A」のデータが間引かれることによって、実質的に画像「A」が縮小されて読み取られる。
スキャナコントロールユニット58は、スキャナ部10を制御し、所定の周期にてCCDセンサから出力されるRGBデータをラインバッファ691に取り込む。そして、スキャナコントロールユニット58は、ラインバッファ691に一旦取り込まれたRGBデータに対してRGBのライン間補正処理(前述)し、同一ラインに対するRGBデータを2値化処理ユニット60に送り込む。
2値化処理ユニット60は、送り込まれたRGBデータをハーフトーン処理する。そして、2値化処理ユニット60は、制御ASIC用SDRAM69内に格納されているルックアップテーブル(LUT)695を参照し、ハーフトーン処理されたデータを、CMYKの色毎の2値データ、またはK(ブラック)のみの2値データのいずれかに変換する。なお、この2値データへの変換は、前記印刷モード情報に基づいてなされ、例えば、この例では、前記RGBデータは、モノクロ印刷モード情報を付帯しているため、K(ブラック)のみの2値データに変換される。2値化ユニット60は、このKのみの2値データをインターレース処理ユニット62に送り込む。
インターレース処理ユニット62は、2値化処理ユニット60から送り込まれたKのみの2値データを、2つに分けられたインターレースバッファのうちの一方のインターレースバッファ(第1インターレースバッファ692Aという)に取り込む。そして、第1インターレースバッファ692Aに取り込まれた2値データは、CPUインターフェイスユニット66を介して、CPU54が直接読み取り可能なSDRAM56内のレイアウトバッファ573に送り込まれる。
レイアウトバッファ573は、SDRAM内に割り当てられたバッファであり、論理的に2つの領域に分けられている。2つの領域のうちの一方のレイアウトバッファ(第1レイアウトバッファ)573Aには、第1インターレースバッファ692Aから送り込まれた2値データが取り込まれる。他方のレイアウトバッファ(第2レイアウトバッファ(中間バッファとも言う))573Bには、以下に説明される通り、第1レイアウトバッファ573Aの2値データに基づいて作成されたレイアウトイメージデータが記憶される。
図16は、第1レイアウトバッファ573Aに送り込まれる2値データの概念図である。この2値データは、連続するメモリ領域に記憶されているが、画像の幅で折り返して並べれば、同図に示される通りの画像情報になる(この説明では、説明の簡略化のため、1ラスタラインは書込キャリッジ36の1回の走査にて形成されるものとしているので、画像情報は1つになる)。
CPU54は、第1レイアウトバッファ573Aに取り込まれた2値データに基づいて、レイアウトイメージデータを作成する。ただし、作成されたレイアウトイメージデータを記憶する第2レイアウトバッファ573Bには、用紙の横幅分のラインデータを数ライン分しか記憶できる領域しか割り当てられていない。したがって、CPU54は、ライン状のレイアウトイメージデータを作成し、作成されたレイアウトイメージデータを第2レイアウトバッファ573Bに送り込む。そして、第2レイアウトバッファ573Bに送り込まれた数ライン分のレイアウトイメージデータは、順次制御ASIC用SRAM69内の第2インターレースバッファ692Bに送り込まれる。
本実施形態では、スキャナ部から出力される読取データは、画像「A」の横方向のラインデータを順次出力したデータになる。そのため、第1レイアウトバッファには、画像「A」の横方向の2値データが順次送り込まれてくる。一方、ヘッド駆動データは、画像「A」の縦方向のラインデータを順次出力したデータにする必要がある。そこで、本実施形態では、第1レイアウトバッファ573Aは画像「A」のデータを一旦全て取り込み、CPU54が第2レイアウトバッファにレイアウトイメージデータを作成する際に、画像「A」のデータを回転処理し、画像「A」の縦方向のラインデータ(回転されたデータ)を順次作成することにしている。この結果、第2レイアウトバッファ573Bから第2インターレースバッファ692Bに順次送り込まれるデータが画像「A」の縦方向のラインデータになるので、このデータに基づいて、画像「A」の縦方向のヘッド駆動データが順次作成可能になる。
図17A〜図17Gは、第2レイアウトバッファ573Bに送り込まれるレイアウトイメージデータの概念図である。レイアウトイメージデータは、連続するメモリ領域に記憶されているが、用紙の幅で折り返して並べれば、同図に示される通り、縦方向に数ライン分のレイアウトイメージ(印刷画像の一部)になる。
レイアウトイメージデータの作成は、以下のように行われる。まず、CPU54は、紙の上端から画像までの間の余白(画像「A」の左側の余白)に相当するイメージデータを作成するため、余白分のNullデータを作成する(図17A、図17B)。余白幅分のNullデータが作成された後、CPU54は、第1レイアウトバッファ573Aに取り込まれた画像「A」の縦方向のラインデータ(2値データ)を順次配列したレイアウトイメージを作成する(図17B)。ただし、画像「A」の縦方向のラインデータを配列する際、CPU54は、用紙の側端から画像までの間に余白幅分のNullデータを挿入する。これにより、レイアウトイメージに横方向の余白(画像「A」の上下の余白)が作成される。画像「A」の縦方向のラインデータの作成は、画像「A」の横方向の領域分だけ行われる(図17B〜図17F)。画像「A」の領域分のレイアウトイメージの作成が終わると、CPU54は、画像と画像との間の余白分のイメージデータを作成するため、再び余白分のNullデータを作成する(図17F、図17G)。これにより、レイアウトイメージに縦方向の余白(画像「A」の右側の余白)が作成される。なお、上記のように随時作成されるレイアウトイメージデータは、順次制御ASIC用SRAM69内の第2インターレースバッファ692Bに送り込まれる。なお、第2インターレースバッファ692Bに送り込まれるレイアウトイメージデータは、前述のKのみの2値データである。
第2レイアウトバッファ573Bから第2インターレースバッファ692Bに2値データ(レイアウトイメージデータ)が送り込まれた後の処理は、前述のコピー機能時の処理とほぼ同様である。すなわち、以下のような処理が行われる(但し、説明の簡略化のため、書き込みと読み出しを交互に行う処理に関しては説明を省略する)。
インターレース処理ユニット62では、第2インターレースバッファ692Bに記憶されたデータを所定サイズ毎に読み出して、インターレース処理ユニット62内のSRAM621にバースト転送する。
このとき、インターレースバッファ692からは、印刷解像度とノズルピッチとに基づいて印刷ヘッド38のノズル配列に対応させて2値データが読み出される。例えば、印刷解像度が720dpiであり、ノズルピッチが1/180inchの場合には、隣接するノズルにて印刷した2本のラスタライン間に3本のラスタラインが印刷されることになる。このため、2値データからは3ラスタラインずつ間隔を空けたデータが書込キャリッジ36の走査に対応したデータとして読み出されることになる。
転送されたデータはSRAM621上で、ノズル配列に対応させるべく並び替えられてイメージバッファユニット64に送出される。
イメージバッファユニット64では、SRAM621の容量により細かくブロック化された画像データをイメージバッファ693にバースト転送し、書込キャリッジ36の走査毎の各ノズルにインクを吐出させるためのヘッド駆動データとなるように整列させて記憶する。
イメージバッファ693,694に記憶された走査毎のヘッド駆動データは、CPU54に制御されてCPUIFユニット66を介してCPU54に読み込まれ、CPU54によりヘッドコントロールユニット68に転送される。ヘッドコントロールユニット68によりヘッド駆動データに基づいて印刷ヘッド38が駆動され画像が印刷される。ここで、このヘッド駆動データは、Kのみの2値データから形成されたものであるため、印刷ヘッド38のうちのK(ブラック)ノズルのみを駆動し、もってKノズルのみからブラックのインク滴が吐出される。そして、これにより、本実施形態では、図12に示されるように用紙7に画像「A」を配置しつつ、この画像「A」の部分をモノクロ印刷可能となっている。
(2)次に、印刷が開始されてから(S122)、印刷待機状態(S123)までの間の制御回路50内でのデータの流れについて、説明する。
図18は、2枚目の原稿(第2原稿)の画像「B」を読み取る前の印刷時の様子の説明図である。既に説明された通り、画像「A」(及びその周辺の余白部分)のヘッド駆動データが、イメージバッファに順次蓄積される。1回の走査分のヘッド駆動データが蓄積されると、CPU54によりヘッドコントロールユニット68に蓄積されたヘッド駆動データが送り出される。そして、ヘッドが走査方向に移動するとき、ヘッド駆動データに応じて、ヘッドのノズルからインク滴が吐出される。したがって、同図において、パス1(1回目の走査移動のこと)からパス8までに必要なヘッド駆動データは、1枚目の原稿(第1原稿)の画像「A」を読み取った後、順次ヘッドコントロールユニット68に送り出すことができる。
一方、パス9(9回目の走査移動のこと)の際に必要とされるヘッド駆動データには、第2原稿の画像「B」のヘッド駆動データが必要とされる。つまり、第2原稿の画像「B」の読み取りを行っていなければ、パス9の際に必要なヘッド駆動データ(複数のノズルに対応するデータ)がイメージバッファ693に蓄積されないので(ヘッド駆動データが揃わないので)、パス9のヘッドの駆動を行うことができない。その結果、第2原稿の画像「B」のヘッド駆動データの作成前には、プリンタ部はパス9の位置の画像を印刷することができない。
そこで、本実施形態では、パス8(8回目の走査移動)の印刷を終えたところで、書込キャリッジ36の走査移動を停止して、印刷待機状態にしている。つまり、パス9以降に印刷される部分については、まだ印刷が完了していない。そのため、本実施形態では、用紙に印刷される第1原稿の画像「A」の一部(画像「A」の右側)は、印刷途中のままで待機状態になる。
なお、本実施形態では、待機状態の時にクリアボタン82が押されて印刷中止の指令があった場合、SPC複合装置1は、第1原稿の画像「A」の印刷を完了させてから、用紙7を排出し、印刷を中止する。待機状態の時にそのまま用紙7を排出すると、画像「A」が途切れた状態になるからである。
(3)最後に、2枚目の原稿(第2原稿)がセットされてから印刷が完了するまでの間の制御回路50内でのデータの流れについて、説明する。
CPU54は、第1原稿5Aの読み取り動作終了後、液晶ディスプレイ72に原稿交換のメッセージを表示させる。原稿の交換が行われた後、CPU54は、カラーコピーボタン84又はモノクロコピーボタン86の入力信号を受けて、スキャナコントロールユニット58に制御信号を送信する。この制御信号にも、このコピーボタン操作に基づく印刷モード情報が含まれている。すなわち、この例にあっては、前述したようにカラーコピーボタン84が押されているため、カラー印刷モード情報が含まれている。ちなみに、このカラー印刷モード情報は、この次になされるコピーボタン操作までの間有効であり、すなわち、この間にスキャナ部10にて生成される後記RGBデータは、このカラー印刷モード情報を付帯している。
スキャナコントロールユニット58は、CPU54からの前記制御信号に基づいて、スキャナ部10を制御し、第2原稿5Bから画像「B」を読み取る動作を開始する。
スキャナコントロールユニット58は、スキャナ部10を制御し、所定の周期にてCCDセンサから出力されるRGBデータをラインバッファ691に取り込む。そして、スキャナコントロールユニット58は、ラインバッファ691に一旦取り込まれたRGBデータに対してRGBのライン間補正処理(前述)し、同一ラインに対するRGBデータを2値化処理ユニット60に送り込む。
2値化処理ユニット60は、送り込まれたRGBデータをハーフトーン処理する。そして、2値化処理ユニット60は、制御ASIC用SDRAM69内に格納されているルックアップテーブル(LUT)695を参照し、ハーフトーン処理されたデータを、CMYKの色毎の2値データ、またはK(ブラック)のみの2値データのいずれかに変換する。なお、この2値データへの変換は、前記印刷モード情報に基づいてなされ、例えば、この例では、前記RGBデータは、カラー印刷モード情報を付帯しているため、CMYKの色毎の2値データに変換される。2値化ユニット60は、このCMYKの色毎の2値データをインターレース処理ユニット62に送り込む。
インターレース処理ユニット62は、2値化処理ユニット60から送り込まれたCMYKの色毎の2値データを、第1インターレースバッファ692Aに取り込む。そして、第1インターレースバッファ692Aに取り込まれた2値データは、CPUインターフェイスユニット66を介して、CPU54が直接読み取り可能なSDRAM56内の第1レイアウトバッファ573Aに送り込まれる。
CPU54は、第1レイアウトバッファ573Aに取り込まれた2値データに基づいて、ライン状のレイアウトイメージデータを作成する。CPU54は、作成されたレイアウトイメージデータを第2レイアウトバッファ573Bに送り込む。そして、第2レイアウトバッファ573Bに送り込まれた数ライン分のレイアウトイメージデータは、順次制御ASIC用SRAM69内の第2インターレースバッファ692Bに送り込まれる。なお、第2インターレースバッファ692Bに送り込まれるレイアウトイメージデータは、前述のCMYKの色毎の2値データである。
インターレース処理ユニット62では、第2インターレースバッファ692Bに記憶されたデータを所定サイズ毎に読み出して、インターレース処理ユニット62内のSRAM621にバースト転送する。
このとき、インターレースバッファ692からは、印刷解像度とノズルピッチとに基づいて印刷ヘッド38のノズル配列に対応させて2値データが読み出される。例えば、印刷解像度が720dpiであり、ノズルピッチが1/180inchの場合には、隣接するノズルにて印刷した2本のラスタライン間に3本のラスタラインが印刷されることになる。このため、2値データからは3ラスタラインずつ間隔を空けたデータが書込キャリッジ36の走査に対応したデータとして読み出されることになる。
転送されたデータはSRAM621上で、ノズル配列に対応させるべく並び替えられてイメージバッファユニット64に送出される。
イメージバッファユニット64では、SRAM621の容量により細かくブロック化された画像データをイメージバッファ693にバースト転送し、書込キャリッジ36の走査毎の各ノズルにインクを吐出させるためのヘッド駆動データとなるように整列させて記憶する。
そして、イメージバッファには、画像「B」(及びその周辺の余白部分)のヘッド駆動データが、順次蓄積される。1回の走査分のヘッド駆動データが蓄積されると、CPU54によりヘッドコントロールユニット68に蓄積されたヘッド駆動データが送り出される。そして、ヘッドが走査方向に移動するとき、ヘッド駆動データに応じて、ヘッドのノズルからインク滴が吐出される。ここで、このヘッド駆動データは、CMYKの色毎の2値データから形成されたものであるため、印刷ヘッド38のCMYKの各ノズルを駆動し、もってCMYKの各ノズルからインク滴が吐出される。そして、これにより、本実施形態では、図12に示されるように用紙7に画像「B」を配置しつつ、この画像「B」の部分をカラー印刷可能となっている。
なお、本実施形態では、パス9(図18参照)の画像「A」のヘッド駆動データ(画像「A」の右側の部分のヘッド駆動データ)は、画像「B」のヘッド駆動データが作成されるまで蓄積されない(揃わない)ので、ヘッドコントロールユニット68に送り出されない。このため、パス9の画像「A」のヘッド駆動データは、画像「B」のヘッド駆動データが作成されるまで(つまり、画像「B」の読取動作が開始されるまで)、イメージバッファに残存している。そして、画像「B」の読取動作が開始された後、画像「A」のヘッド駆動データが残存しているイメージバッファに画像「B」の左側の部分のヘッド駆動データが蓄積される。パス9の走査分のヘッド駆動データがイメージバッファに蓄積されると、CPU54によりヘッドコントロールユニット68に蓄積された駆動データが送り出され、印刷が再開される(つまり、プリンタ部30は、画像「B」のヘッド駆動データが作成された後に、用紙7の間欠的な搬送を行う搬送動作や、走査方向に移動するノズルからインクを吐出する印刷動作などを再開する)。したがって、パス9におけるヘッドの駆動データは、画像「A」と画像「B」とに基づいて作成されたヘッド駆動データである。このため、パス9においては、画像「A」の右側の一部と、画像「B」の左側の一部とが同時に印刷されることになる。
なお、このパス9のヘッド駆動データを印刷モードの点から見てみると、このヘッド駆動データは、Kのみの2値データから構成される部分と、CMYKの色毎の2値データから構成される部分とから構成されている。すなわち、前記画像「A」の右側の一部に対応するヘッド駆動データの部分は、Kのみの2値データから形成されたKノズルのみを駆動するデータとなっている一方で、前記画像「B」の左側の一部に対応するヘッド駆動データの部分は、CMYKの色毎の2値データから形成されたCMYKの各ノズルを駆動するデータとなっている。そして、これによって、このパス9においては、画像「A」の右側の一部は、Kのノズルからのみインク滴が吐出され、画像「B」の左側の一部は、CMYKのノズルからインク滴が吐出され、もって画像「A」と「B」とに跨った走査パスに内においても、印刷モードを区分した印刷が可能となっている。
以上説明してきた処理を通して、本実施形態では、図12に示されるように用紙7に印刷画像「AB」を配置ししつつ、このうちの画像「A」の部分はモノクロ印刷する一方で、画像「B」の部分はカラー印刷することが可能になっている。
===コンピュータシステム等の構成===
次に、コンピュータシステムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図19は、コンピュータシステムの外観構成を示した説明図である。
コンピュータシステム1000は、コンピュータ本体1102と、表示装置1104と、SPC複合装置1106と、入力装置1108と、読取装置1110とを備えている。前記SPC複合装置1106には、上記に説明したものが用いられているが、本実施形態にあっては、プリンタ機能を奏する単なるインクジェットプリンタとして機能し、以下ではプリンタ1106と言う。また、表示装置1104は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。入力装置1108は、本実施形態ではキーボード1108Aとマウス1108Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置1110は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置1110AとCD−ROMドライブ装置1110Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magnet Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
図20は、図19に示したコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。コンピュータ本体1102が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ1202と、ハードディスクドライブユニット1204等の外部メモリがさらに設けられている。
そして、このコンピュータシステムの構成によれば、スキャナで原稿を読み取らずに、前記ハードディスクドライブユニット1204に格納されたRGBの画像データに基づいてNアップ印刷を行うことができる。すなわち、コンピュータ本体1102には、プリンタドライバのプログラムが実装されており、このプリンタドライバによって、前記ハードディスクドライブユニット1204から取得したRGBの画像データを、プリンタ1106にて印刷することが可能なヘッド駆動データに変換してプリンタ1106に出力可能となっている。そして、このプリンタドライバには、そのユーティリティアイテムのひとつとして、Nアップ印刷が実行可能に用意されており、もって、ユーザは、表示画面に表示されたプリンタドライバ用操作画面を見ながら、自身が指定した通りのNアップ印刷を行うことができる。例えば、ユーザは、前記操作画面を見ながら、マウスなどを操作して「2アップ印刷」を選択するとともに、操作画面上において、用紙紙面の各ページ(印刷領域)に印刷すべき画像データを一つずつ対応させて設定する。すると、このプリンタドライバは、これら2つの画像データに対して、ハーフトーン処理や2値化処理等を順次行って、一つのヘッド駆動データを生成する。そして、このヘッド駆動データを、前記USBIF52を介してプリンタ1106に送信し、プリンタ1106は、このヘッド駆動データに基づいて印刷ヘッドを駆動し、その結果、用紙紙面を二等分してなる各ページには、前記2つの画像がそれぞれ印刷される。
なお、以上説明してきたプリンタドライバの機能は、通常のプリンタドライバが奏するものである。
ここで、本実施形態に係るプリンタドライバにあっては、前記操作画面上において各ページに各画像データを設定する際に、画像データ毎に印刷モードを指定するためのコマンドが用意されている。そして、この指定がなされると、前記2値化処理の際に、プリンタドライバは、各画像データの印刷モードに基づいて2値化処理を行うようになっている。すなわち、その画像データにモノクロ印刷モードが指定されている場合は、RGBの画像データをKのみの2値データに変換し、またカラー印刷モードが指定されている場合には、CMYKの2値データに変換する。そして、これら2値データに基づいて前述の一つのヘッド駆動データを生成し、これによって、2アップ印刷において各ページの画像の印刷モードを異ならせた印刷が可能となっている。
なお、以上の説明においては、SPC複合装置1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110と接続されてコンピュータシステムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、コンピュータシステムが、コンピュータ本体1102とSPC複合装置1106から構成されても良く、コンピュータシステムが表示装置1104、入力装置1108及び読取装置1110のいずれかを備えていなくても良い。
このようにして実現されたコンピュータシステムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてSPC複合装置等について記載されているが、その中には、印刷装置、印刷方法、コンピュータシステム、およびコンピュータプログラムの開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのSPC複合装置等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<原稿数やページ数について>
前述の実施形態によれば、2枚の原稿から2ページ分の画像を読み取るとともに、これら各ページの画像の印刷モードを互いに独立に設定して一枚の用紙に印刷していた。しかし、原稿数や、一枚の用紙に設定されるページ数は、2つに限られるものではない。例えば、図21に示す説明図のような4アップ印刷の場合にも適用可能である。すなわち、図21においては、4枚の原稿からそれぞれに1ページ分の画像を合計4回の読み取り動作によって取得し、各画像を用紙7の各ページにそれぞれ印刷している。そして、この4アップ印刷においても、前述の2アップ印刷と同様に、各原稿の読み取り動作を行う度に、前述のコピーボタン操作を行うことによって、読み取った各ページの画像のそれぞれに対して印刷モードを設定するようになっている。
但し、印刷の開始タイミングが異なることと、画像の回転処理が不要な点で前記2アップ印刷とは相違する。すなわち、4アップ印刷では、1枚目の原稿(第1原稿)の画像「A」を読み取った後、その2値データが、CPU54側の第1レイアウトイメージバッファ573Aに送り込まれる。その後、直ぐには印刷は開始されずに、2枚目の原稿(第2原稿)の画像「B」を読み取る。画像「B」の2値データは、CPU54側の第1レイアウトイメージバッファ573Aに送り込まれる。
なお、前述の実施形態と比較して、それぞれの画像は縮小されてデータ量が小さいので、第1レイアウトイメージバッファ573Aは、画像「A」と画像「B」の両方のデータを記憶することができる。そして、CPUは、第1レイアウトイメージバッファ573Aの2つの画像のデータに基づいて、ライン状のレイアウトイメージデータを第2レイアウトイメージバッファ573Bに作成する。本実施形態では、前述の実施形態と比較して、レイアウトイメージデータを作成するときに画像を回転させる必要はない。その後のデータの流れは、前述の実施形態とほぼ同様である。
また、本実施形態では、画像「A」の下側の部分と画像「B」の下側の部分の印刷が完了する前に、印刷待機状態になる。そして、3枚目の原稿の画像「C」と4枚目の原稿の画像「D」の読み取り動作が終了したところで、印刷が再開される。
<印刷モードについて>
前述の実施形態に係る印刷モードは、一枚の用紙に並べて印刷される各ページの画像を、モノクロまたはカラーのいずれにより印刷するかを規定するものとして定義されていたが、この印刷モードは、画像の印刷仕様を規定するパラメータであればこれに限るものではない。例えば、この印刷モードとして、画像の印刷解像度を規定する前記品質モードを用いても良い。すなわち、各原稿に対して読み取り動作を行う度に、その原稿に対応するページの画像の品質モードを前記操作パネル部70から入力するようにして、ページ毎に印刷解像度を異ならせて設定できるようにしても良い。
そして、この構成によれば、前記各ページの画像の印刷解像度を、ページ毎に変更して印刷することができて、もって用紙への印刷表現の自由度を広げることができる。
<被印刷媒体について>
前述の実施形態に係る被印刷媒体は、一枚の用紙であったが、所定位置に、前記複数のページの画像を並べて印刷可能な単数のものであれば、これに限るものではない。例えば、一枚の布やフィルム等でも良く、更には一個の缶等といった立体形状のものでも構わない。
<1ページに対応する画像データついて>
前述の実施形態に係る、1ページに対応する画像データは、スキャナ部10によって読み取られた原稿1枚分の読取データであったが、この画像データは、一枚の用紙の紙面を等分割してなる各印刷領域に対して、所定の画像を印刷可能なものであれば、これに限るものではない。例えば、この画像データの概念には、1ページ分の文書を印刷可能なテキストデータ(文字情報のみで構成された文書データ)も含まれる。
<画像データの取得方法について>
前述の実施形態にあっては、スキャナ部10から原稿を読み取ってRGBの画像データ(読取データ)を取得したが、画像データの取得方法はこれに限るものではない。例えば、前記SPC複合装置1に、メモリーカード等の記録媒体から画像データを読み取るためのデータ読み取り部を設けて、この読み取ったNヶの画像データに基づいてNアップ印刷をするようにしても良い。
<ノズルについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していたが、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いても良い。