以下、本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
以下に第1の実施の形態について図を用いて説明する。
図1から図7は、第1の実施の形態に係る図である。図1は内視鏡装置の概略構成図である。図2はシステム制御部の内部構成図である。図3はシステム制御部の光学アダプタ判別の流れの例を示すフローチャートである。図4は光学アダプタ装着時に形成される内視鏡装置の回路図である。図5は光学アダプタ判別時およびLED駆動時の図4の等価回路を示す図である。図6は光学アダプタの判別とLED駆動の処理の流れの例を示すフローチャートである。図7は本実施の形態における変形例の等価回路を示す図である。
まず、図1に示すように内視鏡装置1は、それぞれLEDの構成の異なるn種類(nは1からnまでの自然数)の光学アダプタ2と、上記n種類の光学アダプタが着脱自在となっている細長の挿入部3と、挿入部3の基端部に接続された本体部4と、表示装置5と、ユーザインターフェイス部15と、によって構成される。
光学アダプタ2は、対物レンズ7と、照明回路部9と、照明回路部9内のLED光源6によって構成される。挿入部3は、複合同軸ケーブル50と、2本の導電線により構成される信号ケーブル57と、を内挿し、先端部に固体撮像素子としての電荷結合素子(以下CCDと略す)8を備える。本体部4は、LED駆動部10と、CCD駆動部11と、画像処理部12と、システム制御部13と、電圧測定部としての判別処理部14と、アダプタ接続状態検出部16と、切り替えスイッチ部17と、によって構成されている。また、複合同軸ケーブル50は、CCD8を、CCD駆動部11と、画像処理部12と、に接続する。表示部5は、ケーブル51を介して、画像処理部12に接続される。また、ユーザインターフェイス部15は、ケーブル53を介してシステム制御部13に接続される。
ユーザインターフェイス部15は、図示しないLEDオンオフスイッチを備え、LEDの点灯指示もしくは消灯指示をユーザが切り替えることができる。ユーザインターフェイス部15は、このLEDの点灯指示もしくは消灯指示を示すLEDオンオフスイッチ信号を生成する。このLEDオンオフスイッチは、システム制御部13によってもオンオフ制御を行うことが可能である。
また、ユーザインターフェイス部15は、例えばズーム、明るさの増加もしくは減少、静止画像等をユーザが入力する図示しないスイッチ類を具備し、ユーザによって入力された種々の指示は、指示信号としてシステム制御部13へ伝送される。システム制御部13は、ユーザインターフェイス部15から受信した指示信号に基づいて、画像処理制御信号を生成し、ケーブル52を介して画像処理部12へ伝送する。
一方、光学アダプタ2が挿入部3に装着されると、信号ケーブル57により、照明回路部9は、アダプタ接続状態検出部16と、切り替えスイッチ部17と、に接続される。その結果、照明回路部9と、LED駆動部10と、システム制御部13と、判別処理部14と、アダプタ接続状態検出部16と、切り替えスイッチ部17と、により電気回路が形成される。この回路についての詳細は後述する。
そして、判別処理部14は、形成された電気回路の所定の回路要素の電圧値を測定し、システム制御部13へケーブル55を介して、電圧値を送信する。また、アダプタ接続状態検出部16は、形成された電気回路の所定の回路要素の電圧値を測定し、システム制御部13へケーブル56を介して、電圧値を送信する。
システム制御部13は、判別処理部14及びアダプタ接続状態検出部16からそれぞれ受信した電圧値に基づいて、光学アダプタ2の着脱状態及び光学アダプタの種類を判別する。システム制御部13は、判別処理部14から受信した電圧値に基づいて、対応したLED駆動信号を決定する。そして、システム制御部13は、ケーブル54を介してLED駆動部10へLED駆動信号を送信する。上述したシステム制御部13の内部構成と動作についての詳細は後述する。
そして、LED駆動部10は、受信したLED駆動信号に従って信号ケーブル57を介してLED光源6を駆動する。
また、LED光源6によって照明された被写体からの反射光は、対物レンズ7によって、挿入部3先端に配置されたCCD8の受光面に結像する。このCCD8は、CCD駆動部11からCCD駆動信号を受信し、受信したCCD駆動信号に基づくタイミングに応じて、被写体からの反射光を光電変換し、画像信号を生成する。さらに、CCD8は、複合同軸ケーブル50を介して画像処理部12へ光電変換した画像信号を伝送する。
そして、画像処理部12は、受信した画像信号及びシステム制御部13から受信した画像処理制御信号に基づいて画像処理を行い、観察画像信号を得る。得られた観察画像信号は、ケーブル51を介して表示装置5に伝送され、表示される。
ここで、以下にシステム制御部13の内部構成と動作について、図2及び図3を用いて詳細に説明する。
図2に示すようにシステム制御部13は、中央演算処理装置(以下、CPUと略す)60と、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)61と、ランダムアクセスメモリー(以下、RAMと略す)62と、補助記憶装置64と、イン・アウトインターフェイス(以下、I/O・I/Fと略す)63と、を備えている。
CPU60は、予め決められたプログラムに基づいた内視鏡装置1各部の動作の制御、光学アダプタ2もしくはLED光源6の着脱及び種類を判別する処理等を行う。
EEPROM61は、CPU60を動作させるプログラム、及びLED光源6の種類を判別のための電圧値とn個のLED駆動信号とを対応付けるテーブルデータとしての複数のデータ(以下、テーブルデータと記す)等、を記憶している。
I/O・I/F63は、システム制御部13の外部装置と通信するためのインターフェイスである。I/O・I/F63は、例えば判別処理部14、及びユーザインターフェイス部15等に接続される。また、I/O・I/F63は、内視鏡装置1の外部装置と接続可能であり、図示しないパーソナルコンピューター(以下、PCと略す)、もしくは図示しない切り替えスイッチ等、といったものと接続される。
補助記憶装置64は、例えばCFカード、ハードディスク等の記憶装置から構成される。補助記憶装置64は、例えば画像の記録、もしくは装着した光学アダプタ2の光学特性等の情報を記憶している。
これらCPU60、EEPROM61、RAM62、I/O・I/F63、及び補助記憶装置64は、それぞれがバスを介して接続されており、互いに信号を送受信することができる。
ここで、以下にCPU60が光学アダプタ2を判別するときの処理の流れを説明する。図3は、システム制御部13における光学アダプタ2の判別処理の流れの例を示すフローチャートである。以下の処理はCPU60が起動し、光学アダプタ2が挿入部3に装着されたときに行うものとする。
まず、ステップS100において、EEPROM61、もしくは補助記憶装置64に予め記憶しているテーブルデータ、及びプログラムをRAM62に読み出される。このプログラムは、CPU60が行うすべての処理を実行するためのプログラムである。
ステップS110において、判別処理部14からI/O・I/F63を介して所定の回路要素の電圧値をRAM62に読み出される。
次に、ステップS120において、ステップS100において読み出したテーブルデータと、ステップS110において読み出した電圧値とが比較される。
ステップS130において、比較した結果から装着した光学アダプタ2に対応したLED駆動電流を算出し、n個のLED駆動信号の中から一つのLED駆動信号を決定する。
そして、ステップS140において、決定したLED駆動信号をLED駆動部10へ送信し、終了する。
所定の回路要素、及び光学アダプタ2の判別については、さらに詳しく後述する。
そこで、光学アダプタ2の判別とLED光源6の駆動の詳細を図を用いて以下に説明する。
まず、図4を用いて、光学アダプタ2装着時に形成される電気回路の構成を以下に説明する。
図4に示すように上述の電気回路は、照明回路部9と、LED駆動部10と、判別処理部14と、アダプタ接続状態検出部16と、切り替えスイッチ部17と、光源点灯スイッチ26と、信号ケーブル57と、により構成される。
また、照明回路部9は、複数のLEDによって構成されたLED光源6と、判別抵抗29と、によって構成される。アダプタ接続状態検出部16は、アダプタ接続状態認識抵抗24と、アダプタ接続状態検出回路25と、によって構成される。判別処理部14は、検出抵抗21と、電圧検出回路A22と、判別用定電圧電源20と、によって構成される。LED駆動部10は、電流調整トランジスタ30と、駆動用定電圧電源31と、n個の駆動切り替えトランジスタ321から32nと、n個の電流制限抵抗351から35nと、によって構成される。切り替えスイッチ部17は、切り替えスイッチ23と、切り替えスイッチ27と、によって構成される。信号ケーブル57は、挿入部3を挿通する2本の導電線により構成される。
上述の判別抵抗29は、LED光源6と並列に接続される。また、LED光源6のアノード側は、信号ケーブル57の1本の導電線を介して、光源点灯スイッチ26の一端に接続される。この光源点灯スイッチ26の他端は、極めて低い抵抗値を持つアダプタ接続状態認識抵抗24の一端に接続される。アダプタ接続状態検出回路25は、アダプタ接続状態認識抵抗24に並列に接続される。また、アダプタ接続状態認識抵抗24の他端は、切り替えスイッチ23と接続される。この切り替えスイッチ23は、切り替えられることによってアダプタ接続状態認識抵抗24を、判別処理部14内の検出抵抗21と、LED駆動部10内の電源電圧19のどちらか一つに接続する。検出抵抗21は、判別用定電圧電源20に接続される。また、電圧検出回路A22は、検出抵抗21に並列に接続される。判別用定電圧電源20は、電源電圧に接続され、かつ接地されている。
一方、LED光源6のカソード側は、信号ケーブル57のもう一方の1本の導電線を介して、切り替えスイッチ27に接続される。この切り替えスイッチ27は、切り替えられることによってLED光源6のカソードを、判別処理部14内の接地と、LED駆動部10内の電流調整トランジスタ30のコレクタと、のどちらか一つに接続する。
電流調整トランジスタ30のベースは、駆動用定電圧電源31に接続され、エミッタは、駆動切り替えトランジスタ321から32nのコレクタにそれぞれ接続されている。駆動用定電圧電源31は、電源電圧に接続され、かつ接地されている。また、駆動切り替えトランジスタ321から32nのベースは、システム制御部13からのLED駆動信号が入力され、エミッタは、それぞれ抵抗値の異なる電流制限抵抗351から35nに接続され接地される。
なお、光源点灯スイッチ26、切り替えスイッチ23、及び27は、システム制御部13によって、接続のオンオフ及び切り替えを制御される。また、判別用定電圧電源20は、LED光源6に対し逆方向電圧を印加するものとする。
以上説明した構成の電気回路の動作を、図5を用いて以下に詳細に説明する。
図5(a)は、切り替えスイッチ23及び27を判別処理部14側に接続した場合の図4の等価回路である。図5(b)は、切り替えスイッチ23及び27をLED駆動部10側に接続した場合の図4の等価回路である。
まず、図5(a)を用いて光学アダプタ2の判別についての詳細を説明する。
図5(a)は、切り替えスイッチ23及び27を判別処理部14側に接続した場合の回路図である。図5(a)は、判別用定電圧電源20と、検出抵抗21と、判別抵抗29と、により構成される。
これは、アダプタ接続状態認識抵抗24は、非常に低い抵抗値であること、光源点灯スイッチ26はオン状態となっていること、LED光源6に印加される電圧は逆方向電圧であることを考慮すると、アダプタ接続状態認識抵抗24及び光源点灯スイッチ26は短絡と等価であり、LED光源6は開放と等価であるからである。よって、図4に示した回路は、図5(a)に示すような回路となる。図5(a)の回路は、判別用定電圧電源20と、検出抵抗21と、電圧検出回路A22と、判別抵抗29と、から構成される。
ここで、判別用定電圧電源20の電圧をVref、検出抵抗21の両端にかかる電圧値をVa、検出抵抗21の抵抗値をRa、判別抵抗29の抵抗値をRbとすると、Rbの抵抗値は次の式(1)により表される。
Rb=Ra*(Vref・Va)/Va ・・・式(1)
Vrefと、Raは回路作成者の既知の値であるため、Vaの値を測定すればRbの値が算出できる。Rbは判別抵抗29に固有の値、つまり光学アダプタ2に固有の値であることから、システム制御部13は光学アダプタ2を判別できる。
電圧検出回路A22は、検出抵抗21の両端にかかる電圧値Vaを測定し、システム制御部13へケーブル55を介して電圧値Vaを送信する。システム制御部13は、受信した電圧値Vaに基づいてRbを算出する。そして、システム制御部13は、LED駆動部10へケーブル54を介して、算出したRbに対応して予め決められている駆動電流値によってLED光源6を駆動するためのLED駆動信号を送信する。
また、上述の等価回路が形成されている場合、光学アダプタ2が挿入部3から脱却されると、回路が形成されず受信したVaの値が0Vとなることから、システム制御部13は光学アダプタ2の着脱状態を判別することができる。
次に、図5(b)を用いてLED光源6の駆動についての詳細を説明する。
図5(b)は、切り替えスイッチ23及び27をLED駆動部10側に接続した場合の回路図である。図5(b)は、電源電圧19と、アダプタ接続状態認識抵抗24と、LED光源6と、駆動用定電圧電源31と、により構成される。
これは、判別抵抗29は抵抗が高いことを考慮すると、判別抵抗29は開放と等価である。このことから図4の回路は、図5(b)の回路になる。図5(b)の回路は、定電流電源38と、アダプタ接続状態認識抵抗24と、LED光源6と、によって構成される。
上述したようにシステム制御部13は、光学アダプタ2を判別し、LED駆動信号をLED駆動部10へ送信する。このLED駆動信号は、駆動切り替えトランジスタ321から32nのいずれか1つにLED点灯信号を与えるような信号である。つまり、システム制御部13は、駆動切り替えトランジスタ321から32nのうち、いずれか1つのトランジスタをオン状態にする。
駆動切り替えトランジスタ321から32nのいずれか1つのトランジスタがオンする時の、エミッタとコレクタの間の電位差が小さく無視できると仮定すると、それぞれのトランジスタに接続される電流制限抵抗351から35nのいずれか1つの電流制限抵抗351から35nには次の式(2)の電圧が印加される。
V=VB−VBE ・・・式(2)
VBは電流調整トランジスタ30のベース電圧、VBEは電流調整トランジスタ30のベースとエミッタ間電圧である。
つまり、駆動切り替えトランジスタ321から32nの内のオンになった1つに接続される電流制限抵抗351から35nの内のいずれか1つの抵抗値をRnとすると、電流制限抵抗351から35nのいずれか1つに流れる電流Inは、次の式(3)になる。
In=V/Rn ・・・式(3)
ここで、電流制限抵抗351から35nは、それぞれ異なる抵抗値を持っていることから、システム制御部13は、接続された光学アダプタ2内のLED光源6に対応した電流値を選択して駆動することができる。
また、上述の等価回路が形成されている場合、光学アダプタ2が挿入部3から外されると、電気回路が形成されずアダプタ接続状態認識抵抗24に流れる電流が減少する。つまりシステム制御部13が、アダプタ接続状態検出回路25からアダプタ接続状態認識抵抗24の電圧値を受信し、電流を算出することによって光学アダプタ2の着脱状態を判別することができる。
続いて、以下に光学アダプタ2の判別及びLED光源6の駆動についての処理の流れの例を説明する。
図6は光学アダプタ2の判別及びLED光源6の駆動についての処理の流れの例を示すフローチャートである。以下の処理は、システム制御部13が行うものとする。また、光学アダプタ2を挿入部3の先端に接続している状態において処理が開始されるものとする。
まず、ステップS11において、システム制御部13は、切り替えスイッチ23及び27を判別処理部14側に切り替える。さらに、光源点灯スイッチ26をオフにする。
次に、ステップS12において、システム制御部13は、ユーザインターフェイス部15から、LEDオンオフスイッチ信号を受信する。オンになっている場合、処理は、ステップS13に移行する。オフになっている場合、処理は、ステップS12を繰り返す。
続いて、ステップS13において、システム制御部13は、光源点灯スイッチ26をオンにする。
ステップS14において、システム制御部13は、電圧検出回路A22に検出抵抗21の両端にかかる電圧Vaを測定させる。
そして、ステップS15において、システム制御部13は、ステップS14において測定した検出抵抗21の電圧Vaを受信する。光学アダプタ2が取り付けられている場合、つまり検出抵抗21の両端にかかる電圧Vaが0Vでない場合は、処理は、ステップS16に移行する。光学アダプタ2が取り付けられていない場合、つまり検出抵抗21の両端にかかる電圧Vaが0Vの場合は、処理は、ステップS22に移行する。
ステップS16において、システム制御部13は、ステップS15において受信した検出抵抗21の電圧Vaと、予め記憶したテーブルデータと、に基づいてn個のLED駆動信号の中から一つのLED駆動信号を決定し、LED駆動部10へ送信する。
そして、ステップS17において、システム制御部13は、切り替えスイッチ23及び27をLED駆動部10側に接続する。つまり、このステップS17において、LED光源6が点灯し、ユーザは、観察を行うことができる。
続いて、ステップS18において、システム制御部13は、アダプタ接続状態検出回路25にアダプタ接続状態認識抵抗24の電圧値を測定させる。
そして、ステップS19において、システム制御部13は、ステップS18において測定したアダプタ接続状態認識抵抗24の電圧値を受信し、電流値を算出する。光学アダプタ2が取り付けられている場合、つまりアダプタ接続状態認識抵抗24に流れる電流値が変わらないとき、処理は、ステップ20に移行する。光学アダプタ2が取り外された場合、つまりアダプタ接続状態認識抵抗24に流れる電流値が下がるとき、処理は、ステップS22に移行してユーザインターフェイス部15のLEDオンオフスイッチをオフにし、ステップS21に移行する。
ステップS20において、システム制御部13は、ユーザインターフェイス部15からLEDオンオフスイッチ信号を受信する。オンになっている場合、処理は、ステップS18に移行する。オフになっている場合、処理は、ステップS21に移行する。
ステップS21において、システム制御部13は、切り替えスイッチ23及び27を判別処理部14側に切り替える。また、光源点灯スイッチ26をオフにする。
その後は再び使用状態を監視していく。
以上に説明した構成により、本実施の形態の内視鏡装置1は、それぞれLED光源6の構成が異なる複数の光学アダプタを判別し、装着された光学アダプタ内のLED光源6の構成に対応したLED光源6の駆動を行うことができる。また、本実施の形態の内視鏡装置1は、光学アダプタの判別とLED光源6の駆動を、2本の導電線からなる信号ケーブル57のみによって行うことができ、判別と駆動の信号伝送路を共有化することができる。そのため、光学アダプタ2及び挿入部3の細径化を図ることが可能になる。
なお、本実施の形態において、電圧検出回路A22をタイマーとコンパレータを含む構成にして、電圧検出回路22が検出抵抗21の電圧Vaを一定時間ごとに測定し、電圧Vaの値を判定するようにしてもよい。つまり、上述した処理のステップS14からステップS15を一定時間ごとに繰り返す処理を行うことによって、ユーザインターフェイス部15のLEDスイッチがオフ状態であっても、光学アダプタ2の接続を認識し、かつ接続された光学アダプタ2に対応してLED光源6を駆動することができる。この場合、LED光源6を駆動することなく、光学アダプタ2を認識できるため、LED光源6を必ずしも駆動する必要はないが、光学アダプタ2を認識させる用途、例えば演算、画像処理等の用途への適応が可能となる。
また、上述した処理のステップS13からステップS15の一定時間ごとに繰り返す処理において、電圧検出回路A22がタイマーとコンパレータを含む構成ではなくても、システム制御部13がソフトウェアの駆動によって上述の機能を持つようにしてもよい。
なお、本実施の形態において、LED光源6は、図7に示すようにLEDを直並列の構成にしてもよい。
また、本実施の形態において、システム制御部13が、駆動用定電圧電源31、もしくは判別用定電圧電源20のオンオフ制御機能を持つようにしてもよい。その場合、光源点灯スイッチ26は省略できる。
さらに、本実施の形態において、電流調整用定電圧電源31のオンオフ制御を行う機能、もしくは判別用定電圧電源20のオンオフ制御を行う機能、を設けることにより光源点灯スイッチ26を省略してもよい。
なお、本実施の形態において、判別用定電圧電源20は、LED光源6に対して順方向電圧を印加するようにしてもよい。
また、本実施の形態において、判別抵抗29は、高い抵抗値の抵抗を使用してもよい。この場合、LED光源6駆動時の判別抵抗29における消費電力を低く抑えられるため、低消費電力化が実現可能である。
さらに、本実施の形態において、判別抵抗29は、定格電力の低い小型抵抗を使用してもよい。この場合、光学アダプタ2内部において発生する熱を可能な限り抑えることができ、光学アダプタ2の小型化が可能になる。
(第2の実施の形態)
以下に本発明の第2の実施の形態を図を用いて説明する。
図8から図11は第2の実施の形態に係る図である。図8は光学アダプタ装着時に形成される内視鏡装置の回路図である。図9は光学アダプタ判別時およびLED駆動時の図8の回路の等価回路を示す図である。図10は光学アダプタの判別とLED駆動の処理の流れの例を示すフローチャートである。図11は本実施の形態における変形例の等価回路を示す図である。
本実施の形態の全体構成は、基本的には上述した第1の実施の形態と同様のため、同一の構成要素については省略する。主に、本実施の形態と実施の形態との相違点を以下に説明する。
本実施の形態は、図8に示すように、光学アダプタ2内の照明回路部9は、複数のLEDによって構成されたLED光源6と、LED光源6に直列に接続された判別抵抗29と、により構成される。LED光源6のアノードは、判別抵抗29の一端に接続される。判別抵抗29の他端は、信号ケーブル57の1本の導電線を介して、光源点灯スイッチ26の一端に接続される。また、光源点灯スイッチ26の他端は、検出抵抗21の一端と切り替えスイッチ23を介して接続される。検出抵抗21の他端は、判定用定電圧電源20に接続される。判別用定電圧電源20は、照明回路部9のLED光源6に対して順方向電圧を印加するものとする。一方、LED光源6のカソードは、信号ケーブル57の1本の導電線を介して、切り替えスイッチ27の一端に接続される。
そこで、本実施の形態における、光学アダプタ2装着時の光学アダプタ2の判別及びLED光源6の駆動についての詳細を以下に説明する。
図9(a)は、切り替えスイッチ23及び27を判別処理部14側に接続した場合の図8の等価回路である。図9(b)は、切り替えスイッチ23及び27をLED駆動部10側に接続した場合の図8の等価回路である。
まず、光学アダプタ2の判別についての詳細を説明する。
図9(a)は、切り替えスイッチ23及び27を判別処理部14側に接続した場合の図である。図9(a)は、判別用定電圧電源20と、検出抵抗21と、判別抵抗29と、により構成される。
光源点灯スイッチ26は、オン状態となっていることを考慮すると、図8の電気回路は、図9(a)の電気回路と等価になる。
ここで判定用定電圧電源20の電圧をVrefとする。また、検出抵抗21の両端にかかる電圧値をVAとする。さらに、検出抵抗21の抵抗値をRAとする。また、判別抵抗29の抵抗値をRbとする。そして、LED光源6の順方向電圧をVfとする。
検出抵抗21にかかる電圧VAは次の式(4)のようになる。
VA=RA*(VA・Vf)/(RA+Rb) ・・・式(4)
Vrefと、RAは回路作成者の既知の値であり、また、VfとRbは、種々の光学アダプタ2により異なる値を示す。
そして、システム制御部13は、電圧検出回路A22からVAの電圧値を受信することにより、光学アダプタ2を特定する。LED駆動信号については、第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態においては、光学アダプタ2に順方向電圧をかけるため、光学アダプタ2の判定時にLED光源6が点灯することがある。
続いて、LED光源6の駆動についての詳細を説明する。
図9(b)は、切り替えスイッチ23及び27をLED駆動部10側に接続した場合の図である。図9(b)は、電源電圧19と、検出抵抗21、LED光源6と、により構成される。
図8の電気回路は、図9(b)の電気回路と等価になる。
システム制御部13から受信したLED駆動信号に基づくLED光源6の駆動は、第1の実施の形態と同様である。
そこで、本実施の形態における、システム制御部13の光学アダプタ2の判別及びLED光源6の駆動の処理の流れの詳細を以下に説明する。
図10は光学アダプタ2の判別とLED光源6の駆動の流れの例を示すフローチャートである。
以下の処理は、システム制御部13が行う。また、光学アダプタ2を挿入部3の先端に接続している状態において処理が始まるものとする。
まず、ステップS31において、システム制御部13は、切り替えスイッチ23及び27を判別処理部14側に接続する。また、光源点灯スイッチ26をオフにする。
ステップS32において、システム制御部13は、ユーザインターフェイス部15から、LEDオンオフスイッチ信号を受信する。オンになっている場合、処理は、ステップS33に移行する。オフになっている場合、処理は、ステップS32を繰り返す。
ステップS33において、システム制御部13は、光源点灯スイッチ26をオンにする。
続いて、ステップS34において、システム制御部13は、電圧検出回路A22に検出抵抗21の両端にかかる電圧VAを測定させる。
ステップS35において、システム制御部13は、ステップS34において測定した検出抵抗21の電圧VAを受信する。光学アダプタ2が取り付けられている場合、つまり電圧VAが0Vでない場合、処理は、ステップS36に移行する。光学アダプタ2が取り付けられていない場合、つまり電圧VAが0Vの場合、処理は、ステップS40に移行する。
そして、ステップS36において、システム制御部13は、ステップS35において受信した検出抵抗21の電圧VAと、予め記憶したテーブルデータと、に基づいてn個のLED駆動信号の中から一つのLED駆動信号を決定し、LED駆動部10へ送信する。
ステップS37において、システム制御部13は、切り替えスイッチ23及び27をLED駆動部10側に接続する。このステップにおいて、LED光源6が点灯し、ユーザが観察を行う。
ステップS38において、システム制御部13は、ユーザインターフェイス部15からLEDオンオフスイッチ信号を受信する。オンになっている場合、処理は、ステップS38を繰り返す。オフになっている場合、処理は、ステップS39に移行する。
そして、ステップS39において、システム制御部13は、切り替えスイッチ23及び27を判別処理部14側に接続する。さらに、光源点灯スイッチ26をオフにする。
ステップS40において、システム制御部13は、ユーザインターフェイス部15のLEDオンオフスイッチをオフにし、ステップS39に移行する。
その後は再び使用状態を監視していく。
以上説明した構成により、本実施の形態の内視鏡装置1は、それぞれLED光源6を備えたの構成が異なる複数の光学アダプタを判別し、装着された光学アダプタ内のLED光源6の構成に対応したLED光源6の駆動を行うことができる。また、本実施の形態の内視鏡装置1は、光学アダプタの判別とLED光源6の駆動を、2本の導電線からなる信号ケーブル57のみによって行うことができ、判別と駆動の信号伝送路を共有化することができる。そのため、光学アダプタ2及び挿入部3の細径化を図ることが可能になる。
なお、本実施の形態において、LED光源6は、図11のようなLEDの直並列の構成にしてもよい。
また、本実施の形態において、システム制御部13は、判別用定電圧電源20の電圧を制御できるようにしてもよい。この場合、システム制御部13は、光学アダプタ2の電圧電流特性のテーブルデータを予め記憶しておく。そして、光学アダプタ2に流れる電流を算出しながら判別用定電圧電源20の電圧値を制御して、光学アダプタ2の電圧電流特性を得ることにより光学アダプタ2を認識する。
さらに、本実施の形態は、第1の実施の形態に比べて、内視鏡本体部4内の回路構成を簡略化できる。
また、本実施の形態の変形例を以下に図12を用いて説明する。
この変形例において、図12に示すように、検出抵抗21’及び電圧検出回路A22’は、切り替えスイッチ23及び光源点灯スイッチ26の間に配置される。
このように構成を変更することにより、電圧検出回路A22’は、光学アダプタ2を特定するのみでなく、LED駆動回路10によってLED光源6を駆動させた場合、第1の実施の形態において示したアダプタ接続状態検出部16と同様な働き、つまりLED駆動回路10が動作中に光学アダプタ2が取り付けられているか否かを判定することが可能になる。
電圧検出回路A22’から出力される電圧値Vaによって、切り替えスイッチ23、及び27を判別処理部14側に接続した場合、図9(a)の等価回路が成り立ち、光学アダプタ2の特定をすることができる。
光学アダプタ2を特定した後、切り替えスイッチ23、及び27をLED駆動回路10側に接続し、LED光源6を駆動した場合は、LED光源6に流れる電流と同じ電流が検出抵抗21’に流れるため、検出抵抗21’に流れる電流値を検出抵抗21’と電圧検出回路A22を用いて電圧Vaに変換することで、光学アダプタに流れる電流を監視できる。よって、第1の実施の形態と同様に、光学アダプタ2がLED駆動回路10を動作させているときに光学アダプタ2が取り外されたか否かを判定できる。
これにより、第2の実施の形態において、特別な回路を追加しなくても、アダプタ接続状態検出部16と同様にLED光源6の駆動中に光学アダプタ2が外されたことを検出することができる。そのため、光学アダプタ2が取り外された場合に、露出する部分となる光学アダプタ2が取り付けられる挿入部3のコネクタ部分に対して、電源電圧19が印加されることを防止できる。
(第3の実施の形態)
以下に第3の実施の形態について図を用いて説明する。
図13と図14は第3の実施の形態に係る図である。図13は光学アダプタ装着時に形成される内視鏡装置の回路図である。図14は光学アダプタの判別からLED駆動までの流れの例を示すフローチャートである。
本実施の形態の全体構成は、基本的に上述した第1または第2の実施の形態と同様のため、同一の構成要素については省略する。主に、本実施の形態と上述した実施の形態との相違点を以下に説明する。
本実施の形態では、システム制御部13は、予め個数の異なるLEDから構成されるLED光源6の電圧特性を複数記憶している。また、電圧特性を測定するための基準電流値を予め記憶している。さらに、LED光源6を構成するLEDの個数を算出するためのLED検出駆動信号を予め記憶している。このLED検出駆動信号は、LEDを破壊することの無い程度の電流をLED光源6に流すように予め決められている。また、システム制御部13は、複数のLED光源6とLED駆動信号とを対応づけるテーブルデータを記憶している。
図13に示すように、本実施の形態において、照明回路部9内のLED光源6は、直列に接続された複数のLEDによって構成されている。電圧測定部としての判別処理部14は、検出抵抗21と、電圧検出回路A22と、電圧検出回路B28と、により構成される。LED駆動部10は、電流調整トランジスタ30と、駆動用定電圧電源31と、バッファアンプ40と、電流調整回路41と、n個の駆動切り替えトランジスタ321から32nと、n個の電流制限抵抗351から35nと、により構成される。電流調整回路41は、抵抗42と、積分コンデンサ43と、電流オンオフスイッチ47と、により構成される。
LED光源6は、信号ケーブル57を介して本体部4内の回路と接続される。LED光源6のアノードは、信号ケーブル57の1本の導電線により、光源点灯スイッチ26を介して検出抵抗21に接続される。また、LED光源6のカソードは、信号ケーブル57のもう一方の1本の導電線により、電流調整トランジスタ30のコレクタに接続される。
検出抵抗21は電源電圧19と接続される。電圧検出回路A22は、検出抵抗21に並列に接続され、検出抵抗21の両端の電圧Vaを測定し、システム制御部13に伝送する。この測定したVaは、LED光源6の判別、及び光学アダプタ2の接続状態を判別するのに用いられる。
電圧検出回路B28は、光学アダプタ2内のLED光源6の両端の電圧値を測定し、システム制御部13に伝送する。この電圧値は光学アダプタ2内のLED光源6の判別に用いられる。
電流調整トランジスタ30のベースは、バッファアンプ40に接続される。正入力端子は、抵抗42の一端と、接地された積分コンデンサ43の一端と、に接続される。
抵抗42の他端は、電流オンオフスイッチ47に接続され、駆動用定電圧電源31と、接地とを切り替えられる。電流オンオフスイッチ47が、駆動用定電圧電源31に接続された場合、LED光源6に流れる電流は徐々に増加する。電流オンオフスイッチ47が接地に接続された場合は、LED光源6に流れる電流は徐々に減少する。電流オンオフスイッチ47の切り替えは、システム制御部13により制御される。
以下に本実施の形態における、光学アダプタ2の判別とLED光源6の駆動についての詳細を説明する。
図14は光学アダプタ2の判別とLED光源6の駆動の処理の流れの例を示すフローチャートである。以下の処理は、システム制御部13が行うものとする。また、光学アダプタ2を挿入部3の先端に装着している状態において処理が開始されるものとする。
まず、ステップS61において、システム制御部13は、光源点灯スイッチ26をオフにする。さらに、電流オンオフスイッチ47を接地側に接続する。
ステップS62において、システム制御部13は、ユーザインターフェイス部15からLEDオンオフスイッチ信号を受信する。オンになっている場合、処理は、ステップS63に移行する。オフになっている場合、処理は、ステップS62を繰り返す。
続いて、ステップS63において、システム制御部13は、LEDを破壊することの無い程度の電流をLED光源6に流すLED検出駆動信号を、LED駆動部10へ送信する。このLED検出駆動信号は、LED光源6を構成するLEDの個数を算出するために用いられる。
ステップS64において、システム制御部13は、光源点灯スイッチ26をオンにする。また、電流オンオフスイッチ47を、駆動用定電圧電源31に接続する。このとき、LED検出駆動信号に基づいた電流がLED光源6に流れることになる。
ステップS65において、システム制御部13は、電圧検出回路A22から検出抵抗21の両端の電圧Vaを受信する。光学アダプタ2が取り付けられている場合、つまり電圧Vaが0Vではない場合、処理は、ステップS66に移行する。光学アダプタ2が取り付けられていない場合、つまり電圧Vaが0Vの場合、処理は、ステップS75に移行し、ユーザインターフェイス部15のLEDオンオフスイッチをオフにし、さらに、ステップS74に移行する。
ステップS66において、システム制御部13は、電圧検出回路B28から光学アダプタ2に電流が流れ始めた直後の光学アダプタ2の電圧値V1を測定する。
ステップS67において、システム制御部13は、電圧検出回路A22から測定した検出抵抗21の両端の電圧値に基づいて、光学アダプタ2に流れる電流値を算出する。光学アダプタ2に流れる電流は、電流調整回路41によって、徐々に増加していく。
ステップS68において、システム制御部13は、算出した電流値が、予め決められた基準電流値に達している場合は、ステップS69に移行する。算出した電流値が、予め決められた基準電流値に達していない場合はステップS67を繰り返す。
続いて、ステップS69において、システム制御部13は、電圧検出回路B28から光学アダプタ2の電圧値V2を測定する。
ステップS70において、システム制御部13は、光源点灯スイッチ26をオフにする。
ステップS71において、システム制御部13は、電圧値V1と電圧値V2と、予め設定されている電圧特性と、に基づいて、LED光源6を構成するLEDの個数を判別する。そして、判別したLEDの個数と、予め記憶しているテーブルデータとに基づいて、LED駆動信号を決定し、LED駆動部10へ送信する。
ステップS72において、システム制御部13は、光源点灯スイッチ26をオンにする。ここで、ユーザは、観察を行うことができる。
そして、ステップS73において、システム制御部13は、ユーザインターフェイス部15からLEDオンオフスイッチ信号を受信する。オンになっている場合、処理は、ステップS73を繰り返す。オフになっている場合、処理は、ステップS74に移行する。
ステップS74において、システム制御部13は、光源点灯スイッチ26をオフにすると共に、電流オンオフスイッチ47を接地側に切り替える。
その後は再び使用状態を監視していく。
以上説明した構成により、本実施の形態の内視鏡装置1は、それぞれLED光源6の構成が異なる複数の光学アダプタを判別し、装着された光学アダプタ内のLED光源6の構成に対応したLED光源6の駆動を行うことができる。また、本実施の形態の内視鏡装置1は、光学アダプタの判別とLED光源6の駆動を、2本の導電線からなる信号ケーブル57のみによって行うことができ、判別と駆動の信号伝送路を共有化することができる。そのため、光学アダプタ2及び挿入部3の細径化を図ることが可能になる。
なお、本実施の形態において、システム制御部13は、予め使用するLEDの順方向電圧電流特性を記憶してもよい。この場合、電圧検出回路A22及び電圧検出回路B28は、LED光源6の順方向電圧及び順方向電流の特性を測定することにより、システム制御部13は、予め記憶した順方向電圧電流特性と比較することによって光学アダプタ2を判別する。
また、本実施の形態において、光源点灯スイッチ26は、省略してもよい。この場合、電流オンオフスイッチ47は、光源点灯スイッチ26の代わりを果たす。
さらに、本実施の形態において、システム制御部13は、バッファアンプ40の出力を可変させるようにしてもよい。その場合、電流調整回路41は、省略してもよい。
また、本実施の形態は、光学アダプタ2の内部に判別抵抗29を有さないことから、第1と第2の実施の形態と比較して光学アダプタ2の小型化が可能になる。
(第4の実施の形態)
以下に第4の実施の形態を図を用いて説明する。
図15から図17は第4の実施の形態に係る図である。図15は光学アダプタ2装着時に形成される内視鏡装置の回路図である。図16は光学アダプタ2の判別からLED光源6駆動までの流れの例を示すフローチャートである。図17は本実施の形態の変形例を示す図である。
本実施の形態の全体構成は、基本的に上述した第1、第2、もしくは第3の実施の形態と同様のため、同一の構成要素については省略する。主に、本実施の形態と上述した実施の形態との相違点を以下に説明する。
本実施の形態においては、上述した第1、第2、もしくは第3の実施の形態と異なり、図15に示すように、切り替えスイッチ27、検出抵抗21、及びアダプタ接続状態認識抵抗24を削除している。また、本実施の形態は、抵抗66、抵抗67、抵抗68、及び電界効果トランジスタ(以下、FETと略す)69を含んだ構成にしている。
以下に、本実施の形態における光学アダプタ2を装着したときに形成される電気回路の構成を、図15を用いて説明する。
まず、図15に示すようにLED光源6のカソード側に接続する信号ケーブル57の1本の導電線は、抵抗66の一端と、電圧検出回路B28と、電流調整トランジスタ30のコレクタと、に接続されている。抵抗66の他端は、抵抗67の一端と、FET69のゲートと、に接続されている。抵抗67の他端とFET69のソースは、接地されている。FET69のドレインは、電圧検出回路A22に接続され、また、抵抗68を介して電源電圧に接続されている。
一方、LED光源6のアノード側に接続する信号ケーブル57の1本の導電線は、切り替えスイッチ23に接続されている。この切り替えスイッチ23は、LED光源6アノードを電源電圧19と、判別用定電圧電源20と、のいずれかに接続するように切り替える。切り替えスイッチ23の切り替えは、システム制御部13により制御される。
また、電流調整トランジスタ30のベースは、電流オンオフスイッチ47に接続される。個の電流オンオフスイッチ47は、駆動用定電圧電源31と、接地とを切り替える。電流オンオフスイッチ47は、システム制御部13により接続を制御される。
さらに、判別用定電圧電源20は、LED光源6の順方向降下電圧Vfより低い値であるものとする。
以上説明した構成の電気回路における動作を以下に説明する。
光学アダプタ2が取り付けられていない場合、FET69のゲートはLowとなり、FET69がオフになるため、電圧検出回路A22は、電源電圧を測定する。一方、光学アダプタ2が取り付けられている場合、判別用定電圧電源20、照明回路部9、抵抗66、及び抵抗67からなる回路が構成される。このときFET69のゲートには、Highが印加され、FET69は、オンとなる。その結果、電圧検出回路A22は、接地に接続されることにより、0Vを測定することになる。つまり、電圧検出回路A22は、電圧値を測定することにより、光学アダプタ2の接続状態を検出することができる。
また、電圧検出回路B28は、抵抗66と抵抗67による電圧値を検出する。つまり、判別用定電圧電源と、抵抗66と、抵抗67とが既知の値であるので、システム制御部13は、装着された判別抵抗29の値を算出することができる。結果として、電圧検出回路B28が測定した電圧値により、光学アダプタ2の判別を行うことができる。
以下に本実施の形態における、光学アダプタ2の判別とLED光源6の駆動についての詳細を説明する。
図16は光学アダプタ2の判別とLED光源6の駆動の流れの例を示すフローチャートである。以下の処理は、システム制御部13が行うものとする。また、光学アダプタ2を挿入部3の先端に接続している状態において処理が開始されるものとする。
まず、ステップS81において、システム制御部13は、切り替えスイッチ23を判別処理部14側に切り替える。また、電流オンオフスイッチ47を接地側に接続する。
次に、ステップS82において、システム制御部13は、ユーザインターフェイス部15からLEDオンオフスイッチ信号を受信する。オンになっている場合、処理は、ステップS83に移行する。オフになっている場合、処理は、ステップS82を繰り返す。
ステップS83において、システム制御部13は、電圧検出回路A22から電圧値Vaを受信する。光学アダプタ2が取り付けられていない場合、処理は、ステップS90へ移行する。光学アダプタ2が取り付けられている場合、処理は、ステップS84へ移行する。
続いて、ステップS84において、システム制御部13は、電圧検出回路B28の電圧値を測定する。
そして、ステップS85において、システム制御部13は、電圧検出回路B28から測定した電圧値に基づいて、光学アダプタ2を特定する。さらに、データテーブルに基づいて、n個のLED駆動信号の中から一つのLED駆動信号を決定し、LED駆動部10へ送信する。
ステップS86において、システム制御部13は、電源オンオフスイッチ47を駆動用定電圧電源31側に接続する。ここで、LED光源6は点灯することになる。
ステップS87において、システム制御部13は、ユーザインターフェイス部15からLEDオンオフスイッチ信号を受信する。オフになっている場合、処理は、ステップS90に移行し、切り替えスイッチ23を判別処理14側、電流オンオフスイッチ47を接地側にそれぞれ切り替える。オンになっている場合、処理は、ステップS88に移行する。
そして、ステップS88において、システム制御部13は、電圧検出回路A22の電圧値Vaを測定する。光学アダプタ2が取り付けられていない場合、処理は、ステップS89へ移行する。光学アダプタ2が取り付けられている場合、処理は、ステップS87へ移行し、処理を繰り返す。
ステップS89において、システム制御部13は、切り替えスイッチ23を判別処理部14側に切り替える。また、電流オンオフスイッチ47を接地側に切り替える。さらに、LEDオンオフスイッチをオフにする。
その後は再び使用状態を監視していく。
以上説明した構成により、本実施の形態の内視鏡装置1は、それぞれLED光源6の構成が異なる複数の光学アダプタを判別し、装着された光学アダプタ内のLED光源6の構成に対応したLED光源6の駆動を行うことができる。また、本実施の形態の内視鏡装置1は、光学アダプタの判別とLED光源6の駆動を、2本の導電線からなる信号ケーブル57によって行うことができ、判別と駆動の信号伝送路を共有化することができる。そのため、光学アダプタ2及び挿入部3の細径化を図ることが可能になる。
さらに、本実施の形態は、内視鏡装置1の内部回路を第1の実施の形態と比較して簡略化することができる。
なお、本実施の形態において、光学アダプタ2内の判別抵抗29の代わりに、図17に示すようなFETを用いた構成にしてもよい。
なお、本発明の実施の形態において、システム制御部13は、テーブルデータだけではなく、例えばレンズ7の光学特性等を記憶してもよい。その場合、システム制御部13及び画像処理部12は、光学アダプタ2の判別結果及び予め記憶した光学特性に基づいて、例えば画像処理制御信号、CCD駆動信号等、を決定する。また、記憶した光学特性は、計測演算などに用いるようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態において、それぞれ特徴の異なる複数の内視鏡を接続可能な内視鏡制御装置であって、光学アダプタ2の判別だけではなく、複数の内視鏡を判別することができる内視鏡制御装置として構成してもよい。
さらに、本発明の実施の形態において、複数のLED光源6の構成に対応するLED駆動信号を、内視鏡装置1に接続自在な外部記憶手段、書き換え可能な記憶手段等、に記憶するようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態において、光学アダプタ2のテーブルデータは、接続したPCに記憶するようにしてもよい。さらに、テーブルデータは、PCにより追加、削除といった編集可能なものにしてもよい。この場合、使用可能な光学アダプタ2の自由度が増える。
なお、本発明の実施の形態において、切り替えスイッチ23と27、光源点灯スイッチ26、及び電流オンオフスイッチ47は、ユーザの操作によって切り替えをできるようにしてもよい、この場合、ユーザインターフェイス部15に種々のスイッチを設け、所望のタイミングで、光学アダプタ2の判別、LED光源6の点灯等を行うことができるようになる。
以上説明したように、本発明の内視鏡装置1によれば、それぞれLEDの構成が異なる複数の光学アダプタ2を判別し、装着された光学アダプタ2内のLED光源6の構成に対応した駆動を行うことができる。また、本発明の内視鏡装置1によれば、導電線57によって、LED光源6の駆動及び光学アダプタ2の判別を行うため、挿入部3の細径化を図ることが可能になる。
また、上述の実施の形態は、LEDの個数、もしくは回路構成が異なる例の実施の形態であったが、LEDの種類が異なるもの、例えば波長が異なるLED等、に対しても本発明は適用できる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
1 内視鏡装置、2 光学アダプタ、3 挿入部、4 本体部、5 表示部7 対物レンズ、17 切り替えスイッチ部、21 検出抵抗、23 切り替えスイッチ、24 アダプタ接続状態認識抵抗、26 光源点灯スイッチ、27 切り替えスイッチ、28 電圧検出回路B、29 判別抵抗、30 電流調整トランジスタ、32 駆動切り替えトランジスタ、35 電流制限抵抗、38 定電流源、40 バッファアンプ、41 電流調整回路、42 抵抗、43 積分コンデンサ、47 電流オンオフスイッチ、50 複合同軸ケーブル、51 同軸ケーブル、57 信号ケーブル、69 電界効果トランジスタ、70 電界効果トランジスタ