次に添付図面を参照して本発明による固体撮像素子の実施例を詳細に説明する。図1を参照すると、本発明による固体撮像素子44の実施例は、水平転送における水平転送速度が所定の転送速度以上の転送では分岐部54で分類された色の属性の信号電荷を、複数の水平転送路56および58のそれぞれに転送させ、変換したアナログ電圧信号82および84を同時に出力させ、水平転送速度が所定の転送速度より低い転送で、たとえば選択された水平転送路56から変換したアナログ電圧信号82を出力させ、複数の水平転送路82および84に配された出力アンプ60および62のそれぞれは、供給される信号電荷の色の属性に応じてこの信号電荷を検出する感度を異ならせ、アナログ電圧信号82および84を出力することにより緑色の信号に対する赤色および青色信号の感度を変調でき、不要なゲインを抑制し、ノイズを抑えることができる。
本実施例は、本発明の固体撮像素子をディジタルカメラ10に適用した場合である。本発明と直接関係のない部分について図示および説明を省略する。以下の説明で、信号はその現れる接続線の参照番号で指示する。
ディジタルカメラ10は、図2に示すように、光学系12、撮像部14、アンプ電源部16、バイアス供給部18、ドライバ20、前処理部22、メモリ部24、信号処理部26、システム制御部28、操作部30、タイミング信号発生器32、メディアI/F回路34、メディア36およびモニタ38を含む。
光学系12は、図示しないが被写界からの入射光40を撮像部14にて操作部30の操作に応じた画像を結像させるAF(Automatic Focus)機能を有する。光学系12は操作部30のズーム操作や半押し操作に応じて画角や焦点距離を調整する。また、光学系12は、入射光40を撮像部14にて操作部30の操作に応じた絞りに調節するAE(Automatic Exposure)機能を有する。光学系12は、入射光40をこのような機能により光線42に調整して、撮像部14に出射する。
撮像部14には、図1に示すように固体撮像素子44が含まれる。固体撮像素子44には、図示しないが、入射光42の到来方向に受光素子の配設位置に対応させて色フィルタセグメントが配される。固体撮像素子44は、入射光42を色分解し、この分解された色成分の光を受光素子46で信号電荷に変換し、電気信号を出力する機能を有する。固体撮像素子44は、露出に応じて蓄積された信号電荷を垂直転送路48に読み出して、垂直方向に順次転送する。固体撮像素子44は、垂直転送路48と直交する方向に水平転送路50が形成される。垂直に転送された信号電荷は、水平転送路50に供給される。
本実施例の水平転送路50は、出力端52に分岐部54が形成される。分岐部54には、水平転送路56および58がそれぞれ分岐形成される。水平転送路56および58には、出力端に独立した出力アンプ60および62が形成される。出力アンプ60および62は、フローティングディフュージョンアンプである。フローティングディフュージョンアンプは信号電荷をアナログ電圧信号に変換する機能を有する。出力アンプ部60および62には、電源ライン64および66が接続される。電源ライン64および66は、アンプ電源部16から独立に接続される。また、出力アンプ60および62には、ドライバ20からリセット信号68および70が個々に供給される。この供給により、出力アンプ60および62は、独立に動作させることができる。
分岐部54には、バイアス供給部18からバイアス信号72が供給される。この供給により、水平転送路50からの信号電荷が水平転送路56および58の一方に分岐される。水平転送路50には水平駆動信号74が供給され、水平転送路56および58には水平駆動信号76が供給される。水平駆動信号76は、たとえば水平駆動信号74の半分の周波数である。水平転送路56および58をこのように駆動させることにより出力アンプ60および62の仕様周波数帯域を半分の帯域であっても高速読出しを可能にする。この他、固体撮像素子44には、オーバーフロードレイン(OFD)パルス78および垂直駆動信号80が供給される。
このように固体撮像素子44は、出力アンプ60および62から2系統の出力信号82および84を前処理部22に出力する。固体撮像素子44における水平転送については後段でさらに述べる。
図2に戻って、アンプ電源部16は、固体撮像素子44に配設される出力アンプ部60および62に電源電力を供給する機能を有する。アンプ電源部16は、固体撮像素子44を1系統または2系統の出力にするかに応じて電源供給する。この電源供給は、信号処理部26からアンプ電源部16に供給される制御信号86により制御される。
バイアス供給部18は、分岐部54にバイアス信号72を供給する機能を有する。バイアス信号72は、ゲインを規定するバイアス電圧として印加される。バイアス供給部18は、信号処理部26から供給される制御信号88により制御される。
ドライバ部20は、固体撮像素子44を駆動させる各種の駆動信号を供給する機能を有する。ドライバ部20には、タイミング信号発生器32から複数のタイミング信号90が供給される。ドライバ部20は、図3に示すように、OFDパルス出力部92、垂直(V)ドライバ94、水平直列(HS)ドライバ96、水平並列(HP)ドライバ98およびリセット(RS)ドライバ100を含む。OFDパルス出力部92はOFDパルス78を固体撮像素子44に出力する。Vドライバ94は垂直駆動信号80を固体撮像素子44に出力する。HSドライバ96は水平駆動信号74を固体撮像素子44に出力する。HPドライバ98は水平駆動信号76を固体撮像素子44に出力する。水平駆動信号76は、水平駆動信号74の周期に比べて倍周期である。RSドライバ100はリセット信号68および70を固体撮像素子44に出力する。
再び、図2に戻って、前処理部22はアナログフロントエンド(AFE)機能を有する。この機能は、供給されるアナログ電気信号82および84に対する相関二重サンプリング(CDS)によるノイズ除去と、このノイズ除去したアナログ電気信号のディジタル化、すなわちA/D変換とを有するものである。前処理部22には、タイミング信号発生器32から各系統の入力信号に対してノイズ除去およびA/D変換の前処理させるタイミング信号またはサンプリング信号106および108が供給される。前処理部22には、2系統のアナログ電気信号82および84が供給されるが、1系統の入力の場合、この入力される系統のタイミング信号106および108のいずれか一方だけが供給されると、CDSおよびA/D変換の動作も1系統だけ動作させることができる。これにより消費電力を低減させることができる。前処理部22は、このタイミング信号106および108の供給に応じて1または2系統のディジタル信号110および112をメモリ部24に出力する。
メモリ部24は、供給されるディジタル信号110および112を一時格納し、出力する機能を有する。メモリ部24には、図示しないが系統毎にラインメモリが配設される。メモリ部24は、バス114を介して供給される制御信号116に応じて入出力が制御される。メモリ部24は、制御信号116に応じて入力したディジタル信号110および112をディジタル信号118として、バス114、信号線120を介して信号処理部26に出力する。
信号処理部26は、供給されるディジタル信号118に信号処理を施し、制御信号を生成する機能を有する。信号処理部26は、電源制御機能部122、ゲイン制御機能部124、AF制御機能部126、AE制御機能部128、AWB(Automatic White Balance)制御機能部130および配置変換機能部132を含む。電源制御機能部122は、システム制御部28でのたとえば、シーン判別により高速または低速読出しのいずれかに応じた制御信号86を生成する機能を有する。電源制御機能部122は生成した制御信号86をアンプ電源部16に出力する。
ゲイン制御機能部124は、水平転送路50からの信号電荷を分岐部54から水平転送路56および58のいずれに供給するかに応じた制御信号88を生成する機能を有する。ゲイン制御機能部124は、制御信号88をバイアス供給部18に出力する。バイアス供給部18はバイアス信号72を分岐部54に印加させる。また、AF制御機能部126は、生成した画像データを基に焦点調節する機能を有する。AE制御機能部128は、生成した画像データを基に評価値を求めて、絞りおよびシャッタ速度を調節する機能を有する。AF制御機能部126およびAE制御機能部128は、調節に応じて図示しない制御信号を信号線120、バス114および信号線134を経てシステム制御部28に送る。AWB制御機能部130は、生成した画像データを基にホワイトバランスを調節する機能を有する。配置変換機能部132は、2系統として高速読出しにより得られた画像データをたとえば画像の色フィルタセグメントの配列に対応した点順次の順に補正し、一枚の画像に合成する機能を有する。配置変換機能部132は、前処理部22からの出力が低速読出しの場合1系統出力とし、1系統出力用の配列変換処理を行なう。
信号処理部26は、さらに、図示しないが供給される画像データを基に同時化し、同時化した画像データを用いY/C信号を生成する機能も有する。また、信号処理部26は、生成したY/C信号をたとえば液晶モニタ用の信号に変換する機能も有する。さらに、信号処理部26は、記録モードに応じて生成したY/C信号に対する圧縮や圧縮された信号を元に伸長し復元再生する機能を有する。記録モードには、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、MPEG(Moving Picture Experts Group)およびRAWモード等がある。信号処理部26は、記録モードに処理された画像データを信号線120、バス114および信号線136からメディアI/F回路34に供給する。また、信号処理部26は、液晶モニタ用の信号138をモニタ38に出力する。
システム制御部28は、後述する操作部30からの操作信号140に応じた各種の制御信号を生成する機能を有する。システム制御部28は、図示しないが設定・操作対応制御機能部を含む。設定・操作対応制御機能部は、操作部30からの操作信号140を設定条件として取得し、設定条件に応じて制御信号142を生成する。設定・操作対応制御機能部は、水平転送の出力を2出力/1出力のいずれの対応として動作させるかを制御する制御信号142を生成する。このようにシステム制御部28は、後述する動画モード設定、連写速度設定、シーン判定およびレリーズシャッタボタンの押圧操作に応じて水平転送を高速読出しするか否か判定し、生成した制御信号142をタイミング信号発生器32に出力する。システム制御部28は、この他、メモリ部24、信号処理部26およびメディアI/F回路34等も制御する。
操作部30は、図示しないが電源スイッチ、ズームボタン、メニュー表示切換スイッチ、選択キー、動画モード設定部、連写速度設定部およびレリーズシャッタボタンを含む。電源スイッチは、ディジタルカメラ10の電源投入/退避をもたらすものである。ズームボタンは、被写体を含む被写界の画角を変更し、この変更に応じた被写体の焦点距離を調整するものである。メニュー表示切換スイッチは、液晶モニタに表示されるメニューを切り替えて、選択カーソルを移動させるスイッチで、たとえば十字キー等がある。選択キーは、選択したメニュー項目を選択するキーである。
動画モード設定部は、動画を液晶モニタに表示させるか否かを決定する、たとえばフラグの値で設定する。この設定によりディジタルカメラ10は、モニタ38に取り込んだ被写界像をスルー画表示させる。動画モード設定部には、解像度および表示フレーム数および連写速度を設定する項目がある。解像度の項目は、たとえばHDTV(High-Definition TeleVision)規格/標準であるVGA(Video Graphics Array)規格の解像度を選択する項目である。また、表示フレーム数は、30/15のいずれかを選択する項目である。
連写速度設定部は、連写速度を複数設けて、連写する際の速度を設定するもので、2出力/1出力に応じて設定する。連写速度は、ある画素数の画像に対して連写速度を設定する項目である。連写速度は、連写枚数閾値より少ない連写枚数とこの閾値以上の連写枚数の設定から、前者を1出力とし、後者を2出力として固体撮像素子を動作させる。
レリーズシャッタボタンは、半押し/全押し操作に応じてディジタルカメラ10の動作タイミングや動作モードを選択する機能を有する。レリーズシャッタボタンは、半押し操作に応じてAEおよびAFの動作をさせる。この動作は動画表示で得られる画像を用いて適正とする絞り、シャッタ速度および合焦距離を求める。また、レリーズシャッタボタンは、全押し操作により記録開始/記録終了のタイミングをシステム制御部28に操作信号140として送り、ディジタルカメラ10の設定モードに応じた動作タイミングを提供する。設定モードには、静止画記録および動画記録等がある。
タイミング信号発生器32は、撮像部14の固体撮像素子44に対して垂直および水平同期信号、フィールドシフトゲート信号、垂直および水平タイミング信号、ならびにOFDパルスやリセット信号等、各種のタイミング信号を生成する機能を有する。この機能は、システム制御部28からの制御信号142に応じて各種のタイミング信号90、106および108を生成する。タイミング信号発生器32は、各種のタイミング信号90をドライバ20に出力する。タイミング信号発生器32は、基準クロック信号を発生する機能を有し、とくに、水平タイミング信号を生成する。タイミング信号発生器32は、この水平タイミング信号を分周して、2つの周波数の水平タイミング信号を生成する。タイミング信号発生器32は、システム制御部28からの制御信号142に応じて少なくとも、サンプリング信号106および108のいずれか一方を1系統出力させるように出力する。このように動作させることでディジタルカメラ10の電力消費を抑制することができる。
メディアI/F回路34は、たとえば扱う記録媒体に応じて画像データの記録/再生を制御するインタフェース制御機能を有する。メディアI/F回路34は、画像データ144を半導体記録媒体であるPC(Personal Computer)カードに対する書込み/読出し制御したりUSB(Universal Serial Bus)コントローラの内蔵にともないバス114を介して供給される画像データ136の書込み/読出し制御したりすることができる。メディア36には、各種の半導体カードの規格がある。
モニタ38には、液晶モニタ等が用いられる。モニタ38は、信号処理部26から供給される画像データ138を表示する。
このように構成することで、水平転送路50からの信号電荷読出しを高速読出しにて2出力/低速読出しにて1出力にすることによりディジタルカメラ10を最適に動作させることができる。
次に水平転送路50を分岐部54で2つの水平転送路56および58に分岐する電極構造と駆動信号に応じた信号電荷の転送について説明する。説明を容易化するため分岐と一方の水平転送路56の側と、分岐と一方の水平転送路58の側とに分けて説明する。水平転送路50、56および58には、多結晶シリコン(Poly-Silicon)で2つの電極とシリコン基板の表面付近の不純物層で一つの転送素子が形成される。この2つの電極に同電位の駆動信号を印加することにより階段状のポテンシャル電位が形成される。
水平転送路50は、分岐部54の電極HSLに向かって右側から、たとえば2つ一組のポリシリコン電極HS4, HS3, HS4, HS1, HS2, HS3, HS2およびHS1が順に形成される。図4に示すように、水平転送路56は、分岐部54の電極HSLから出力アンプ60に向かって、4つのポリシリコン電極HP1, HP2, HP1, HP2およびOG(Output Gate)電極が形成される。OG電極の左隣りにはフローティングディヒュージョン(FD)が形成される。さらに、FDの左隣りには、リセット電極RSが形成される。最後に、リセット電極の左隣りには、リセットドレインRDが形成される。
次に図4の一点鎖線IV−IVで示すように、左端のリセットドレインRDから水平転送路56の電極HP1まで、さらに、分岐部54から水平転送路50の電極HS2までを破断する。この破断面が示すように、図示しないP型のシリコン基板と各電極の直下に不純物層が形成される。この不純物層は、各電極の大きさに応じてそれぞれ区切られる。区切られた不純物層には、イオン注入法等を用いて不純物をドープさせ、ドープする不純物の種類およびその濃度によりポテンシャル電位の大きさが特徴付けられる。また、不純物層の直上に形成される電極に印加される駆動信号の電圧レベルに応じて後述するように、所定のポテンシャル電位が形成される。
次に各電極に供給する駆動信号について説明する。電極HS2には、駆動信号φHS2が供給される。電極HSLには、駆動信号φHSLが供給される。駆動信号φHSLは一定のバイアス電圧である。電極HP1およびHP2には、駆動信号φHP1およびφHP2が供給される。電極OGには駆動信号φOGが供給される。駆動信号φOGは一定のバイアス電圧である。また、電極RSには駆動信号φRSが供給される。さらに、リセットドレインRDには駆動信号φRDが供給される。
これらの駆動信号についてのタイミングを図5に示す。駆動信号それぞれの位相に着目すると、図5(A)の駆動信号φHS1およびφHS3は、図5(B)の駆動信号φHS2およびφHS4と180°位相が異なる2相駆動信号である。また、図5(C)の駆動信号φHP1と図5(D)の駆動信号φHP2は、互いに逆位相であり、2相駆動信号である。
さらに、駆動信号の周期に着目すると、図5(A)および(B)の組の駆動信号は、図5(C)および(D)の半分の周期である。すなわち、図5(A)および(B)の組の駆動信号は、図5(C)および(D)の倍周波数である。駆動信号φRSは、図5(E)に示すように、たとえばt=1, t=5,・・・と4n+1のタイミングでレベル“H”を供給する。変数nはゼロを含む整数である。出力信号OS1およびOS2は、図5(F)に示すように出力される。
図4に戻って、図示しないが駆動信号φHSLが供給されることにより、駆動信号φHSLの供給される電極HSLの直下には、常に固定した基準レベル146のポテンシャル電位と水平転送路50から供給される信号電荷の逆流を防ぐポテンシャル障壁またはバリア148が形成される。
供給される駆動信号に応じて形成されるポテンシャルとこのポテンシャル形成にともなう信号電荷の移動を説明する。色の属性R, GおよびBそれぞれを有する信号電荷を信号電荷R, GおよびBという。時刻t=1にて図5(B)に示すように、駆動信号φHS2がレベル“L”、駆動信号φHSLおよび駆動信号φHP1が供給される。駆動信号φHP1はレベル“L”である。このように駆動信号が印加されると、信号電荷Rが分岐部54で保持される。このとき、電極HSLに隣接する図示しない電極HP1の不純物層は、レベル“L”の供給により、たとえば信号電荷Rが水平転送路56に混入しない程度の破線150で示すポテンシャル電位またはバリアを生成する。
分岐部54に隣接するもう一方の電極HP2には、レベル“H”の駆動信号φHP2が供給される。この供給により信号電荷Rが水平転送路58に流入するように、基準レベルより低いポテンシャル電位152が生成される。このとき、信号電荷Rは、基準レベル146およびポテンシャル電位152の両方パケットに存在する。
電極HP2およびHP1の直下には、不純物層154および156が形成される。レベル“H”が供給されると、ポテンシャル電位は、基準レベル146より一段低いレベルと最深のレベルが階段状に形成される。また、レベル“L”が供給されると、ポテンシャル電位は、基準レベル146より一段高いレベルと基準レベル146と同レベルになる。これにより、形成されるポテンシャルは、順に信号電荷の転送方向に向かって階段状にレベルが低下する。時刻t=1で水平転送路56には、1つ置きに信号電荷Gが保持される。
次に時刻t=2にて図5(B)に示すように、駆動信号φHS2がレベル“H”で電極HS2に印加される。この印加により電極HS2の不純物層は、ポテンシャル電位148と基準レベル146を生成する。このポテンシャル電位の形成により電極HS2は、電極HSLとの間にパケットを形成する。このパケットには信号電荷Gが保持される。これ以降の電極には時刻t=1と同じレベルの駆動信号がそれぞれ供給される。したがって、形成されるポテンシャル電位は時刻t=1と同じである。この間に電極HSLの信号電荷Rは、図示しない紙面の手前側に位置する水平転送路58側の電極HP2に移動する。この実際における状態の信号電荷Rを破線で示す。
次に時刻t=3にて図6に示すように、電極HS2には駆動信号φHS2がレベル“L”で印加される。この印加によりポテンシャル電位は、時刻t=1の状態になる。時刻t=2で形成されたパケットに保持していた信号電荷Gは、このポテンシャル電位の形成により分岐部54の基準レベル146まで移動する。このとき、電極HSLに隣接する水平転送路56の電極HP1には、レベル“H”の駆動信号φHP1が供給される。電極HP1に対応する不純物層に形成されるポテンシャル電位は、基準レベル146より破線158で示すように高いポテンシャル電位になる。この結果、信号電荷Gは、基準レベル146およびポテンシャル電位160の両方パケットに存在する。このとき、水平転送路58の電極HP2には、レベル“L”の駆動信号φHP2が供給される。これにより、電極HP2には、破線158のポテンシャル電位が生成される。このポテンシャル電位は、水平転送路58への信号電荷Gの混入を防止する。分岐部54の信号電荷Gは、図示しない紙面の奥側の水平転送路56の電極HP1に形成されるパケットに向かって移動する。
電極HP1に隣接する電極HP2にはレベル“L”の駆動信号φHP2が印加される。これにより不純物層154および156は、ポテンシャル電位148および基準レベル146のレベルを形成する。また、電極HP2に隣接する電極HP1にはレベル“H”の駆動信号φHP1が印加される。これにより不純物層154および156は、基準レベル146より1段低いレベルと最深のポテンシャル電位を形成する。さらに、隣接する電極HP2に供給されるレベル“L”によりポテンシャル電位148および基準レベル146のレベルが形成される。この結果、時刻t=2にてパケットに保持された信号電荷Gは電極HP1に形成されるパケットに移動し、保持される。
また、時刻t=2で形成されたパケットに保持された電極HP2の信号電荷Gは、このポテンシャル電位の上昇により出力側に向かって移動され、電極OGを介してFDに転送させられる。
次に時刻t=4にて電極HS2には、レベル“H”の駆動信号φHS2が供給されることにより時刻t=2と同じポテンシャルを形成する。このとき、形成されるパケットには信号電荷Bが保持される。分岐部54の信号電荷Gは、水平転送路56の電極HP1の直下に形成されるパケットに移動する。これ以降の電極には時刻t=3と同じレベルの駆動信号がそれぞれ供給される。したがって、形成されるポテンシャルは時刻t=3と同じである。
次に時刻t=5にて電極HS2に対応する不純物層は、時刻t=1と同じポテンシャルを形成する。これにより分岐部54に隣接する電極HP1の直下には、ポテンシャル電位152と同じポテンシャル電位160が形成され、これにより信号電荷Bに対するポテンシャル障壁を形成する。信号電荷Bは、水平転送路56に混入または混色しないようにすることができる。分岐部54は、パケットを形成しながら、転送されてきた信号電荷Bをさらに水平転送路58へと移動させる。水平転送路56には、時刻t=1と同じレベルの駆動信号がそれぞれ供給される。したがって、形成されるポテンシャル電位は時刻t=1と同じである。時刻t=5では、FDに供給された信号電荷Gがアナログ電圧信号に変換され、出力アンプ60に送る。
次に図7の一点鎖線VII−VIIで示すように、左端のリセットドレインRDから水平転送路58の電極HP2まで、さらに、分岐部54から水平転送路50の電極HS2までを破断する。この破断面が示すように、たとえば図示しないP型のシリコン基板と各電極の直下に不純物層が形成される。この不純物層も多結晶シリコンの電極の大きさに応じてそれぞれ区切られる。区切られた不純物層は、供給される駆動信号の電圧レベルに応じて所定のポテンシャルが形成されるように、不純物の濃度が調整され、形成される。水平転送路58は、水平転送路56の電極数よりも1個多く形成される点に特徴がある。
時刻t=1にて図5(B)に示すように、水平転送路58の電極それぞれにレベル“H”の駆動信号φHS2、定バイアス電圧の駆動信号φHSLおよびレベル“L”の駆動信号φHP1が供給される。このように各駆動信号が印加されると、信号電荷Rが分岐部54で保持される。このとき、電極HSLに隣接する図示しない破断された電極HP2の不純物層が生成するポテンシャル電位は、駆動信号φHP2の印加により生成するポテンシャル電位が基準レベル146よりも一段階低いレベル152になる。また、水平転送路56の電極HP1直下の形成されるポテンシャル電位150は、ポテンシャル障壁として機能し、信号電荷Rの混入を防止する。
また、電極HP2に続けて、電極HP1と電極HP2が交互に計、4つ形成される。したがって、水平転送路58は、水平転送路56に比べて1つ電極を多く設けられる。これら4つの電極直下の不純物層には、右から順に、たとえば図4の不純物層154,および156が形成される。電極HP1には、レベル“L”の駆動信号φHP1が供給されるから、電極HP1の直下には、ポテンシャル電位148および基準レベル146のレベルが形成される。電極HP2には、レベル“H”の駆動信号φHP2が供給される。これにより、電極HP2の直下には、基準レベル146より1段低いレベルと最深のポテンシャル電位が形成される。
時刻t=1では、上述したように駆動信号が供給されることから、電極HP2の直下にパケットが形成される。分岐部54から順に、パケットには、信号電荷BおよびRが保持される。
次に時刻t=2にて図5(B)に示すように、レベル“H”の駆動信号φHS2が電極HS2に印加される。この印加により電極HS2の不純物層は、図4の時刻t=2と同じレベルのポテンシャル電位を生成し、パケットを形成する。このパケットには信号電荷Gが保持される。これ以降、水平転送路58の電極には、時刻t=1と同じレベルの駆動信号がそれぞれ供給される。したがって、形成されるポテンシャルは時刻t=1と同じである。
次に時刻t=3におけるポテンシャルを図8に示す。時刻t=3では、駆動信号φHS2がレベル“L”で電極HS2に印加される。この印加によりポテンシャルは、時刻t=1の状態になる。時刻t=2で電極HS2の直下のパケットに保持していた信号電荷Gは基準レベル146の分岐部54まで移動する。このとき、電極HSLに隣接する水平転送路58の電極HP2には、レベル“L”の駆動信号φHP2が供給される。電極HP2には、破断により取り除かれた電極HP2に対応する不純物層によりポテンシャル電位は、破線158で示すように、基準レベル146より若干高いポテンシャルになる。すなわちポテンシャル障壁が形成される。この形成により信号電荷Gは水平転送路58に混入しない。一方、水平転送路56の電極HP1に供給されるレベル“H”により破線160で示すポテンシャル電位が形成される。これにより、信号電荷Gは、矢印162が示す紙面の奥側に向かって移動する。水平転送路56における駆動信号φHP1が供給される電極HP1の直下には、図4の時刻t=1に示すように、ポテンシャル電位160によりパケットが形成される。
水平転送路58には、駆動信号φHP1のレベル“H”の供給に応じて時刻t=2にて電極HP2に形成されたパケットが電極HP1に形成される。分岐部54から順に、電極HP1のパケットには、信号電荷RおよびBが保持される。時刻t=2で形成されたパケットに保持された電極HP2の信号電荷Rは、このポテンシャル電位の上昇により出力側に向かって移動され、電極OGを介してFDに転送させられる。
次に時刻t=4にて電極HS2の直下には、時刻t=2と同じポテンシャルを形成される。このとき、形成されるパケットには信号電荷Bが保持される。これ以降の電極には時刻t=3と同じレベルの駆動信号がそれぞれ供給される。したがって、形成されるポテンシャルは時刻t=3と同じである。電極HSLに隣接する電極HP2の直下に形成されるポテンシャル電位は、破線158で示すように、基準レベル146より高いポテンシャルの状態にある。また、電極HSLに隣接する電極HP1の直下に形成されるポテンシャル電位は、破線160で示すように、基準レベル146より低いポテンシャルの状態にある。
次に時刻t=5では時刻t=1と同じポテンシャル電位が形成される。分岐部54から順に、電極HP2のパケットには、信号電荷RおよびBが保持される。時刻t=4では、FDに供給された信号電荷Rがアナログ電圧信号に変換され、出力アンプ60から出力される。
このように駆動信号の供給に応じた水平転送の動作原理を図9に示す。水平転送は、時刻t=1で水平転送路50から分岐部54に供給されるたとえば、信号電荷R_G1_B_G2を、分岐部54で水平転送路56および58に振り分けている。ここで、記号_は、ポテンシャル障壁領域を表わす。図9の水平転送路では信号電荷を分離するポテンシャル障壁が1電極分ずつ形成されることがわかる。水平転送路56は、供給される駆動信号に応じて信号電荷Gだけを転送する。この時点で分岐部54に隣接する水平転送路56の電極HP1ではポテンシャル障壁が形成されている。信号電荷Rが水平転送路56への混入を防止する。また、水平転送路58は、供給される駆動信号に応じて信号電荷RおよびBを転送する。
水平転送路50は、水平転送路56および58に比べて2倍周波数で動作させる。これにより時刻t=2で水平転送路50は、供給される駆動信号に応じて保持する信号電荷を分岐部54に向けて1パケット分水平転送する。これに対して、水平転送路56には供給される駆動信号がレベル変化しないことから信号電荷の転送に変化がない。水平転送路58でも駆動信号のレベル変化がないことから信号電荷の転送はされない。しかしながら、分岐部54の信号電荷Rは、基準レベル146より低いポテンシャル電位が形成されることから、電極HP2に形成するパケットに移動する。
時刻t=3で水平転送路50は、保持する信号電荷を分岐部54に向けて1パケット分水平転送する。分岐部54および分岐部54に隣接する水平転送路56の電極HP1の直下に形成されるパケットには、信号電荷G1が保持される。この時点で分岐部54に隣接する水平転送路58の電極HP2にはポテンシャル障壁が形成されている。信号電荷G1が水平転送路58への混入を防止する。また、水平転送路56および58は、供給される駆動信号のレベルに応じて保持する信号電荷を出力アンプ60および62に向けて1パケット分水平転送する。これにより信号電荷Gと信号電荷Bそれぞれが、水平転送路56および58の出力アンプ60および62のFDに供給される。
次に時刻t=4で水平転送路50は、供給される駆動信号に応じて保持する信号電荷を分岐部54に向けて1パケット分水平転送する。信号電荷G1は、分岐部54に隣接する水平転送路56の電極HP1の直下に形成されるパケットに移動する。また、信号電荷Rは、分岐部54に隣接する水平転送路58の電極HP1の直下に形成されるパケットに移動する。
時刻t=5では水平転送路50、56および58は、保持する信号電荷を1パケット分出力側に向けて水平転送する。これにより、出力アンプ60および62から同時に色Gおよび色Bの信号電荷がアナログ電圧信号に変換して、出力信号OS1およびOS2として出力される。出力信号OS1およびOS2は、完全並列処理される。これにより出力信号OS1およびOS2の時系列的な処理の差をなくすことができる。
なお、時系列的な処理の差が許容できれば出力信号OS1およびOS2は交互に出力させてもよい。
信号電荷は、このように動作させることで色属性を有する信号電荷を分類して、混色させることなく、転送し、出力させることができる。一般的に固体撮像素子には、高画素化にともない得られた信号電荷を高速に読み出すことが要求される。この要求は、水平転送路の出力アンプにおける周波数帯域に影響する。固体撮像素子はある一定以上の周波数での駆動が困難で周波数帯域の不足によるものである。しかしながら、本実施例の固体撮像素子44は、たとえ高画素化に対応して水平転送路50の駆動周波数を上昇させても、出力を分岐させ、増やすことにより出力部60および62の駆動周波数を上げなくても、色に応じて所定の周波数帯域内で出力信号電荷を読み出すことができる。すなわち、信号電荷の読出し速度の向上を実現させることができる。
次に出力アンプ60および62における電荷検出の感度について説明する。出力アンプは、フローティングディフュージョン部FDとアンプ部に分かれている。電荷検出の感度は、基本的に、フローティングディフュージョン部FDの寄生容量Cfdに比例する。この寄生容量Cfdは5つの容量の総和によって決まる。すなわち、寄生容量のそれぞれは、フローティングディフュージョン部FDと基板とのPN(Positive-Negative)接合容量Csub、出力ゲートOG端子との寄生容量Co、リセットRS端子Cr、ソースフォロワアンプとしてのFDに接続された出力アンプにおけるMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタのゲート・ドレイン間容量Cd、およびMOSトランジスタのゲート・ソース間容量Csである。
ここで、ゲート・ソース間容量Csは、ソースフォロワの利得Gにより小さく見える。したがって、寄生容量Cfdは、Cfd=Csub+Co+Cr+Cd+Cs(1−G)で表わされる。
出力アンプ60および62に対する電荷検出の感度差を持たせる場合、いくつかの条件により設定する。第1の条件は、出力アンプのゲート容量に差をつけることである。このゲート容量の差は、主に、ゲート・ドレイン間容量Cdで感度差を変化させる。出力アンプ60および62におけるMOSトランジスタのチャネル幅とチャネル長は、図10(A)および(B)に示すように、それぞれWおよびw、Lおよびlを有する。図10(A)が示すMOSトランジスタのチャネル幅とチャネル長の比W/Lと、図10(B)が示すMOSトランジスタのチャネル幅とチャネル長の比w/lとは変化させない。このように設定することで、周波数特性や利得Gはあまり変化しない。しかしながら、ゲート容量はかなり変化させることができる。この変化により出力アンプ60および62は、電荷検出の感度に差を持つようになる。すなわち、出力アンプ60は、電荷検出の感度を小さくし、出力アンプ62は、電荷検出の感度を大きくすることができる。
第2の条件は、フローティングディフュージョン部FDにおけるN+層164の上に形成する窒化膜(SiN)166の厚さに差をつけることである。窒化膜166の厚さは、PN接続容量Csubと異なり、窒化膜166とN+層164との接続容量をもたらす。図11(A)に示すように、窒化膜164の厚さが、図11(B)の窒化膜168より厚くすると、接合容量は大きくなる。この特性を利用すると、出力アンプ60および62には、電荷検出の感度差を持たせることができる。すなわち、出力アンプ60は、電荷検出の感度を小さくし、出力アンプ62は、電荷検出の感度を大きくする。
また、フローティングディフュージョン部FDにおける表面積は、主に、PN接続容量Csubを変化させる第3の条件である。第3の条件は、PN接合の面積が寄生容量と比例関係にあることを用いる。出力アンプ60は、図12(A)に示すように、窒化膜の表面積170の増大に応じて電荷検出の感度を小さくし、出力アンプ62は、図12(B)に示すように、窒化膜の表面積172の縮小に応じて電荷検出の感度を大きくすることができる。
さらに、窒化膜166とN+層164との接続容量を規定する第2の条件における特別な条件として第4の条件を設ける。第4の条件は、窒化膜の有無である。出力アンプ60は、図13(A)に示すように、この条件を基にフローティングディフュージョン部FDに対して窒化膜166を形成することにより電荷検出の感度を大きくし、出力アンプ62は、図13(B)に示すように、この条件を基にフローティングディフュージョン部FDに窒化膜を形成せず、すなわちN+層164だけで形成することにより電荷検出の感度を小さくする。
次に本実施例における固体撮像素子44は、図14に示すように、間隔PPに同一の行方向と同一の列方向に配される受光素子46の間隔をピッチPPに設定し、一つの受光素子46に隣接する受光素子46を互いに行方向と列方向に1/2ピッチずらして、配される。いわゆるハニカム配列である。受光素子46の入射光側に形成するカラーフィルタは、三原色RGBを用い、色フィルタセグメントGを正方に配列させ、色セグメントRおよびBに着目すると、RB完全市松に配列させる。フィルタ配列は、いわゆるG正方RB完全市松パターンである。このように画素または受光素子46をずらして、配されることにより垂直転送路48は画素を迂回するように蛇行して、形成される。
読み出された信号電荷は、垂直転送路48を供給される8相駆動信号φV1B、φV2、φV3B、φV4〜φV8に応じて図示しないが、水平転送路50に向けて転送される。信号電荷は、ラインメモリLMを利用して水平転送路50に転送される。図14に示さないが水平転送路50には、左端から、たとえば電極HS1, HS2, HS3, HS2, HS1, HS4, HS3およびHS4・・・が形成される。このようにハニカム配列でG正方RB完全市松パターンにおいて信号電荷は、ラインメモリLMを利用して出力順に並べ替えられる。この並べ替えは、図15および図16に示すように、(A)のラインメモリLMに供給される駆動信号φLMと(B)〜(E)の水平転送路50の電極に供給される駆動信号φHS1〜φHS4を用いる。この並べ替えでは、図15および図16の(F)および(G)が示すように、時間的にレベル変化させない駆動信号φHP1およびφHP2を水平転送路56および58に供給する。この供給により水平転送路56および58は動作しない。
図15のタイミングチャートは、水平ブランキング(HBL)期間中で第1フィールドの並べ替えを示す。まず、図15(A)の駆動信号φLMが時刻174でレベル“L”になる。このとき、レベル“H”の駆動信号は図15(C)の駆動信号φHS2だけである。駆動信号φHS2が供給される水平転送路50の電極HS2の直下に形成されるパケットには、ラインメモリLMから信号電荷が転送される。
次に電極HS1に供給される図15(B)の駆動信号φHS1がレベル“H”になる。これによりパケットが電極HS1の直下に形成され、信号電荷が移動される。次に電極HS4に供給される図15(E)の駆動信号φHS4がレベル“H”になる。これによりパケットが電極HS4の直下に形成され、信号電荷が移動される。さらに、次に電極HS3に供給される図15(D)の駆動信号φHS3がレベル“H”になる。これによりパケットが電極HS3の直下に形成され、信号電荷が移動される。次に図15(A)の駆動信号φLMが時刻176でレベル“L”になる。図15(B)の駆動信号φHS1だけがレベル“H”になる。これにより信号電荷がパケットに供給され、保持される。
次に図16のタイミングチャートは、水平ブランキング(HBL)期間中で第2フィールドの並べ替えを示す。まず、図16(A)の駆動信号φLMが時刻178でレベル“L”になる。このとき、レベル“H”の駆動信号は図16(E)の駆動信号φHS4だけである。駆動信号φHS4が供給される水平転送路50の電極HS4の直下に形成されるパケットには、ラインメモリLMから信号電荷が転送される。次にレベル“H”が、電極の配置に応じて、図16(B)、(C)、(D)、(C)および(B)の順に供給される。これにより信号電荷は形成されるパケットの移動にともない移動される。すなわち、第1の信号電荷が電極HS4, HS1, HS2, HS3, HS2, HS1に順に移動させる。第1の信号電荷が電極HS1に一時保持される。
次に図16(A)の駆動信号φLMが時刻180でレベル“L”になる。このとき、レベル“H”の駆動信号は図16(E)の駆動信号φHS3だけである。駆動信号φHS3が供給される水平転送路50の電極HS3の直下に形成されるパケットには、ラインメモリLMから第2の信号電荷が転送される。次にレベル“H”が、電極の配置に応じて、図16(C)および(B)の順に供給される。この順序のうち、時刻180で読み出した第2の信号電荷は形成される電極HP2にパケットを移動させる。この移動とほとんど同時に第2フィールドでの保持した第1の信号電荷が電極HS4に移動させられる。次に電極HS4に保持した第1の信号電荷は電極HS3に移動させられる。
このように並べ替えることにより図14における最下端から読み出された2行の信号電荷RGBGRGBG・・・が第1フィールドとして整理される。また、この2行の上から読み出された2行の信号電荷BGRGBGRG・・・が第2フィールドとして整理される。
ここで、この並べ替えは、ハニカム配列におけるG正方RB完全市松パターンの場合に用いる手法である。別の配列パターンでは、並べ替えが不要であったり、タイミングが異なったりする。このような並べ替えは、一般的な正方画素において適用してもよい。
この並べ替えの後に、図17(A)および(B)に示す駆動信号φHS1, φHS3と駆動信号φHS2, φHS4とを供給して、水平転送路50に保持する信号電荷を水平転送路56/58に転送する。水平転送路56および58には、図17(C)および(D)に示す駆動信号φHP1およびφHP2を供給する。開始位置は、水平ブランキング期間から初めて電位が変化する位置である。駆動信号φHP1およびφHP2の開始位置と駆動信号φHS1, φHS3, φHS2およびφHS4の開始位置とを比較して、駆動信号φHP1およびφHP2は、駆動信号φHS1, φHS3, φHS2およびφHS4の周期のうち、相対的に半周期遅らせて開始させる。出力に際し、図17(E)に示すリセット信号φRSを直前に印加し、出力時間領域182〜188が得られる。
水平転送路50が信号電荷としてダミーD1, ダミーD2, 光学的ブラックOB1, 光学的ブラックOB2, R, G, B, G, ・・・をこの順に転送する。
固体撮像素子44は、信号電荷をアナログ電圧信号に変換し、図17(F)の出力信号OS1として各出力時間領域182〜188に、ダミーD2、光学的ブラックOB2、G, G,・・・を出力する。また、固体撮像素子44は、図17(G)の出力信号OS2として各出力時間領域182〜188に、ダミーD1、光学的ブラックOB1、R, B,・・・を出力する。このようにタイミングを供給することにより水平転送路56の出力信号OS1は色Gを出力し、水平転送路58の出力信号OS2は色R/Bを出力する。
これに対して、出力を切り替える場合、図17(H)に示す駆動信号φHS1およびφHS3、ならびに図17(I)に示すφHS2およびφHS4は、開始位置をこれらの駆動信号の1周期分190遅らせて供給するとよい。固体撮像素子44は、図17(J)の出力信号OS1として各出力時間領域182〜188に、ダミーD1、光学的ブラックOB1、R, B,・・・を出力する。また、固体撮像素子44は、図17(K)の出力信号OS2として各出力時間領域182〜188に、ダミーD2、光学的ブラックOB2、G, G,・・・を出力する。
なお、本実施例は、駆動信号φHSの遅延という手法を用いたが、この手法に限定されるものでなく、駆動信号φHSの供給する開始を1周期早くしてもよい。
このように動作させることによりどのような駆動モードであっても、出力信号を容易に切り替えることが可能になる。
また、固体撮像素子44は、出力アンプ60および62に電荷検出に感度差を持たせることから、通常の撮影において低感度検出の出力アンプ60に色Gの信号電荷を供給し、高感度検出の出力アンプ62に色R/Bの信号電荷を供給して、出力させる。固体撮像素子44は、この出力に応じて感度が最も高い色Gの信号電荷の飽和を防ぎ、色Gの出力信号に対して相対的に色R/Bの出力信号が増幅される。これにより、固体撮像素子44は、ホワイトバランスのゲインを低く抑えることが可能になり、出力信号のS/N(Signal to Noise)比を向上させることができる。
さらに、AE/AF時に色Gの出力信号を演算に利用する。この場合、色Gの出力信号を高感度検出の出力アンプ62から出力させるように切り替えると、固体撮像素子44は、色Gの信号量を増幅させて出力することができる。これによりAE/AFの演算精度を向上させることができる。
次に固体撮像素子44における低速駆動の動作タイミングを説明する。低速駆動では、図18(A)および(B)に示すように、駆動信号φHS1, φHS3, φHS2およびφHS4が、図18(C)および(D)に示す駆動信号φHP1およびφHP2と同じ周波数にされる。水平転送路50の最終電極HS2に供給される駆動信号φHS2がレベル“L”のとき、電極HP1に供給される駆動信号φHP1は、レベル“H”、電極HP2に供給される駆動信号φHP2は、レベル“L”である。したがって、信号電荷は、分岐部(HSL)54を介して電極HP1、すなわち水平転送路56側に常に転送される。
図18(E)に示すリセット信号φRSが印加された後、図18(F)に示す出力信号OS1が出力される。また、図18(G)に示す出力信号OS2は、レベル“L”を出力する。結果として、固体撮像素子44は、出力信号OS1だけの1線出力になる。出力信号OS2は、使用されないことから、出力アンプ62の電源をオフにしてもよい。この場合、電源制御機能部122からの制御信号86に応じてアンプ電源部16の電源供給を制御する。電源66がオフ状態になる。
さらに、駆動信号φHP1およびφHP2の位相または駆動信号φHS1およびφHS3の組と駆動信号φHS2およびφHS4の組の位相を逆転させることで、固体撮像素子44は、出力アンプ62だけを動作させるようにしてもよい。これにより水平転送路58だけを動作する1線出力にすることができる。このようにして、簡単に1線読出しと2線読出しを切り替え、出力を自由に選択することが可能である。低感度時においてダイナミックレンジ優先が選択された場合、電荷検出の感度が低い出力アンプを選択し、高感度時において感度優先が選択された場合、電荷検出の感度が高い出力アンプを選択するとよい。
次に固体撮像素子44には、図19に示すように、水平転送路50から供給される分岐部(HSL)54で3線読出しに水平転送路192、194および196が形成される。水平転送路192、194および196は、出力アンプ198、200および202が出力側に配設される。出力アンプ198、200および202は、電荷検出の感度差を設けるようにしてもよい。水平転送路192には、分岐部54に隣接する電極を、電極HP3, HP2, HP1およびHP2が形成される。水平転送路194には、分岐部54に隣接する電極を、電極HP2, HP4, HP2, HP4およびHP2が形成され、水平転送路192の電極数より1個多く形成される。水平転送路196には、分岐部54に隣接する電極を、電極HP1, HP2, HP3, HP2, HP1およびHP2が形成され、水平転送路194の電極数より1個多く形成される。
3線出力の水平転送における駆動タイミングについて説明する。水平転送路50は、図20(A)および(B)に示すように、これまでと同様の駆動信号φHS1〜φHS4が供給される。また、分岐後の水平転送路192、194および196には、駆動信号φHP1〜φHP4が供給される。図20(D)の駆動信号φHP2は、図5(D)と同じ駆動信号φHP2である。また、本実施例における図20(F)の駆動信号φHP4は、図5(C)と同じ駆動信号φHP1である。図20(C)および(E)の駆動信号φHP1およびφHP3は、駆動信号φHP2およびφHP4の周波数に比べて1/2の周波数である。図20(C)の駆動信号φHP1の立ち上がりは、駆動信号φHP4の立ち上がりに同期したタイミング関係にある。図20(E)の駆動信号φHP3の立ち上がりは、駆動信号φHP2の立ち下がりに同期したタイミング関係にある。
水平転送路192、194および196には、供給される図20(G)のリセット信号φRSに応じて出力時間領域204、206および208に出力信号が得られる。図20(H)に示す出力信号OS1およびOS3は、出力時間領域204および208と一つおきに出力される。出力信号OS1は、色Rの出力信号であり、出力信号OS3は、色Bの出力信号である。また、図20(I)に示す出力信号OS2は、出力時間領域204、206および208すべてで出力される。出力信号OS2は、色Gの出力信号である。
このように色毎に出力させることにより色設計の自由度を高めることができる。
次に固体撮像素子44には、図21に示すように、水平転送路50から供給される分岐部(HSL)54で4線読出しに水平転送路210、212、214および216が形成される。水平転送路210、212、214および216は、出力アンプ218、220、222および224が出力側に配設される。出力アンプ218および222は、電荷検出の感度差を設けるが、出力アンプ220および224は、同色の色GrおよびGbを読み出すことから、電荷検出の感度を同一に調整することが好ましい。色GrおよびGbは、それぞれ、色Gに隣接する受光素子46の色フィルタセグメントの色属性が色Rおよび色Bであることを示す。
水平転送路210には、分岐部54に隣接する電極を、電極HP4, HP1, HP2, HP3およびHP4が形成される。水平転送路212には、分岐部54に隣接する電極を、電極HP3, HP4, HP1, HP2, HP3およびHP4が形成され、水平転送路210の電極数より1個多く形成される。水平転送路214には、分岐部54に隣接する電極を、電極HP2, HP3, HP4, HP1, HP2, HP3およびHP4が形成され、水平転送路212の電極数より1個多く形成される。水平転送路216には、分岐部54に隣接する電極を、電極HP1, HP2, HP3, HP4, HP1, HP2, HP3およびHP4が形成され、水平転送路214の電極数より1個多く形成される。
4線出力の水平転送における駆動タイミングについて説明する。水平転送路50は、図22(A)および(B)に示すように、これまでと同様の駆動信号φHS1〜φHS4が供給される。また、分岐後の水平転送路210、212、214および216には、図22(C)〜(F)に示す駆動信号φHP1〜φHP4が供給される。駆動信号φHP1〜φHP4は、駆動信号φHS1〜φHS4の周波数に比べて1/4の周波数である。駆動信号φHP2〜φHP4は、駆動信号φHP1の立ち上がりに対して位相を90°、180°および270°ずらしたタイミング関係にある。水平転送路210〜216には、供給される図22(G)のリセット信号φRSに応じて出力時間領域226に出力信号OS1〜OS4がそれぞれ同時に得られる。
なお、3線読出しおよび4線読出しの水平転送の固体撮像素子44においても、2線を選択して、色の属性の信号電荷に応じて駆動パターンを変更し、出力先を切り替えることができる。これによりWBゲインを低く抑え、S/N比を改善することができる。
このような多線読出しにより駆動周波数をより一層低下させて読み出すことができ、色設計の自由度を高めることができる。