JP4771779B2 - 光ファイバ式変状検出装置及びシステム - Google Patents

光ファイバ式変状検出装置及びシステム Download PDF

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Description

本発明は、例えば、降雨や増水に伴う河川堤防法面の変状の有無及び変状位置等を検出する等、斜面・法面の変状を検知する技術に関する。
近年、降雨や増水に伴う河川堤防の決壊や山岳道路の岩壁の崩落を予測し、これらの災害を未然に防止するために河川堤防等を監視し管理する手段として光ファイバを利用したセンサが注目されている。
即ち、センサ機能として長期間に亘るオンライン計測が可能である上に、無誘導性、防爆性、耐腐食性等の特徴を持つ光ファイバは、上述した災害等の防止システムの構成要素として有望であり、光ファイバの種々の特性を利用して監視対象物の変位等を測定する光ファイバセンサとして、多くの提案がなされている。
例えば、特許文献1には、光ファイバの破断や折れ曲がり等による光の損失から監視対象物の変位、変形、崩壊等の有無を検出し、また、発生箇所を把握する光ファイバセンサ(以下、第1の従来例と称する)が記載されている。即ち、この第1の従来例は、例えば、道路沿い等の広域に存在する傾斜面等の危険地点の変形、崩壊等を光ファイバの変形や破断等に変えて、危険地点の変形等を光により安全且つ迅速に観測することを目的として、異なる位置に存在する監視対象物としての隣接する一対の擁壁ブロックに対して別々に連結された一対の連結部材に光ファイバ保持部がそれぞれ設けられ、これら光ファイバ保持部が光ファイバの長手方向の異なる位置を保持して互いに近接し、連結部材間の相対変位により光ファイバに曲げ等の変形や破断を生じさせることで、監視対象物の変位等の有無を検出する。
また、特許文献2には、U字型金具を2つ用意し、一方を杭に、他方を桁に切り込みが重なるように固定し、重なった切り込みに光ファイバケーブルを通して構成され、相対変位が生じた時に切り込みがずれて光ファイバケーブルに変形を与え、光の損失から検出対象物の変位及び変位発生箇所を検出する装置(以下、第2の従来例と称する)が記載されている。即ち、この第2の従来例は、複数の杭と、これに沿って敷設された桁及び光ファイバとを用い、杭と桁の間に相対変位が生じ光ファイバが変形を受けて出力光が減衰するのを検知して斜面崩壊の発生を検出する装置において、変位検出構造として、両側辺に切り込みのあいたU字型金具を杭と桁の両方に切り込みが重なるように固定し、この切り込みに光ファイバを通し、斜面崩壊により相対変位が生じた時に光ファイバに曲げによる変形を生ぜしめるようにしたものであり、簡単な構成の光ファイバ保持構造により変位の検出を確実に行うことができるとしている。
特開2001−99755号公報 実開平6−18923号公報
しかしながら、上記第1の従来例では、監視対象物の変形が大きい場合には光ファイバが変形に留まらず破断に至ることを前提としており、このように光ファイバの破断に至った場合には、再び検出可能とするためには、光ファイバケーブルの再施工が必要になる。また、ある箇所における変位によって大きな損失が発生した場合には、2箇所以上の検出は困難になってしまう。
また、上記第2の従来例では、上記第1の従来例と同様に、検出対象物の変形が大きいと光ファイバが破断する可能性があり、再び検出可能とするために光ファイバケーブルの再施工が必要になり、また、ある箇所における変位によって大きな損失が発生した場合にはそれ以外の箇所での検出は困難になるという問題がある。加えて、この第2の従来例では、U字型金具の光ファイバケーブル長手方向の調整・位置決め手段が設けられていないので、光ファイバの変形に対する出力光の損失のばらつきが生じる。このため、損失の閾値を設定した場合、正確な検出が困難になるという大きな問題が残る。
本発明の課題は、簡単且つ低コストな構成で、変位に対する損失のばらつきが小さく、複数箇所における変位等の検出を安定して行うことができる上に、光ファイバの破断を防止することで再利用を可能とする光ファイバ式変状検出装置及びシステムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明では、変状検出装置に、光ファイバケーブルの長手方向を少なくとも2点で保持する機構と、負荷の変位に応じて回転する機構を設け、保持した光ファイバケーブルに回転機構により屈曲を与えると共に、回転機構が光ファイバケーブルを破断するまで回転しないようにするストッパーと、回転機構が光ファイバケーブルに屈曲を与える位置を位置決めする位置決め手段を設けるようにした。
これにより、光ファイバケーブルを保持する機構と負荷の変位に応じて回転することで光ファイバケーブルに屈曲を与える機構という簡単な基本構成で、位置決め手段によって変状検出装置ごとの変位に対する損失のばらつきを抑制でき、ストッパーによって光ファイバケーブルの破断を防止できるので、複数箇所における変位等の検出を安定して行うことができる。
しかして、本発明の光ファイバ式変状検出装置では、監視対象物の変状を光ファイバケーブルを伝播する光の損失により監視する光ファイバ式変状検出装置において、光ファイバケーブルと、前記光ファイバケーブルの長手方向を少なくとも2点で保持することにより該光ファイバケーブルが固定されるケーブル固定台と、前記ケーブル固定台に、所定の回転軸を中心に前記長手方向と直交する方向に回転可能に設けられ、一端側が前記監視対象物の変状により移動する負荷に連結されて該負荷の移動によって前記直交する方向に所定角度まで回転することにより他端側が前記光ファイバケーブルに当接した後該光ファイバケーブルを屈曲させて損失を発生させる損失発生部材と、前記損失発生部材が前記所定角度を超えて回転することを防止するストッパーと、前記ケーブル固定台の前記2点の保持点間における前記損失発生部材が前記光ファイバケーブルへ当接する位置を位置決めする位置決め手段とを有することを特徴とする。
かかる構成によれば、ケーブル固定台により光ファイバケーブルの長手方向を少なくとも2点で保持しつつ損失発生部材が監視対象物の変状により移動する負荷に応じて回転することで光ファイバケーブルを屈曲させて光の損失を発生させるので、この光の損失を監視することで監視対象物の変状を検出することができる。また、損失発生部材が所定角度を超えて回転することを防止するストッパーを有するので、この所定角度の設定により光ファイバケーブルの必要以上の屈曲や破断を有効に防止することが可能になる。更に、損失発生部材が光ファイバケーブルへ当接する位置を位置決めする位置決め手段を有するので、変状検出装置ごとの変位に対する損失のばらつきを抑制できるので、複数箇所における変位等の検出を安定して行うことができる。
また、前記所定角度とは、前記損失発生部材が前記光ファイバケーブルを屈曲させるが該光ファイバケーブルを破断するには至らない範囲の角度であることを特徴とする。
かかる構成によれば、光ファイバケーブルの破断を確実に防止することができる。
尚、前記位置決め手段は、前記回転軸に前記損失発生部材の両側からそれぞれ取り付けられた圧縮ばねとスペーサから構成することができる。
かかる構成によれば、圧縮ばねとスペーサにより簡単に位置決め手段を構成でき、損失のばらつきも十分に抑制可能である。
また、前記損失発生部材は、リンク機構を介した連結部材により前記負荷と連結するようにしても良い。
かかる構成によれば、負荷の変位を感度良く損失発生部材の回転動作に変換することが可能になる。
一方、以上の光ファイバ式変状検出装置が少なくとも1本のラインを構成する前記光ファイバケーブルの所定の間隔ごとに複数設けられ、それぞれ前記監視対象物の所定の間隔ごとに複数設けられた負荷に連結されると共に、前記少なくとも1本のラインを構成する光ファイバケーブルを伝播する光の損失を監視する光監視装置を備えている光ファイバ式変状検出システムを構成することもできる。
かかる構成によれば、簡単且つ低コストな構成で、変位に対する損失のばらつきが小さく、複数箇所における変位等の検出を安定して行うことができる上に、光ファイバの破断を防止することで再利用を可能とする光ファイバ式変状検出システムを提供することができる。
本発明によれば、簡単且つ低コストな構成で、変位に対する損失のばらつきが小さく、複数箇所における変位等の検出を安定して行うことができる上に、光ファイバの破断を防止することで再利用を可能とする光ファイバ式変状検出装置及びシステムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、発明の実施の形態は、本発明が実施される特に有用な形態としてのものであり、本発明がその実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係る光ファイバ式変状検出システムの基本構成を示す図である。図2は、その光ファイバ式変状検出システムに用いる変状検出ユニットの外観図であり、(a)は変状検出ユニットの全体構成を示し、(b)は変状検出ユニットの要部を拡大して示す。図3は、その変状検出ユニットに用いる変状検出装置の機構部を示す外観図、図4は、図3の変状検出装置の機構部の要部を拡大して示す側面図、図5は、変状検出装置の断面図、図6は、変状検出装置への光ファイバケーブルの固定方法を説明するための図である。また、図7は、変状検出装置において損失発生部が光ファイバケーブルに屈曲を与える状態を示す図、図8は、変状検出装置における損失発生部の回転動作を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る光ファイバ式変状検出システムは、監視対象物である河川堤防の法面3に沿って、変状検出ユニット6が1本のラインを構成する光ファイバケーブル5の所定の間隔ごとに複数設けられている。各変状検出ユニット6は、変状検出装置69を含み、変状検出装置69は、それぞれ負荷としてのブロック8に連結されている。また、本実施形態に係る光ファイバ式変状検出システムは、光ファイバケーブル5を伝播する光の損失を監視する光監視装置としてのOTDR(図1には示さず)を備えており、降雨や増水に伴う河川堤防の法面3の変状を各変状検出ユニット6におけるブロック8と変状検出装置69を固定するアンカー(図1には示さず)間の変位として捉え、その変位が所定の閾値を超えた場合に法面3の変状を検出する。
図1において、符号1は河川、2は河川の堤防、3は堤防の法面を示す。4は金属管、5は光ファイバケーブル、6は変状検出ユニットである。
変状検出ユニット6は、図2(a)及び(b)に示すように、変位を検出する変状検出装置69と、変状検出装置69を監視対象物としての河川1の堤防2の法面3に固定する固定用アンカー66と、監視対象物としての法面3の変状により移動する負荷として法面3の変位を変状検出装置69に伝えるブロック8と、変状検出装置69とブロック8とを連結するロッド7とから構成されている。そして、変状検出装置69の後述するケーブル固定台72の台座部72Aを固定用アンカー66の台座66Aに載せた状態でボルトにより固定して用いられる。また、変状検出装置69は、金属性カバー75等が取り付けられている。このように、変状検出ユニット6は、それぞれ変状検出装置69を有し、各変状検出装置69は、図4及び図5に示すリンク機構71を含み、このリンク機構71を介して、図1及び図2に示すように、ロッド7の一端側と連結され、このロッド7の他端側にはブロック8が連結されている。
変状を検出するためには、所定の変位を超えた時に光ファイバケーブル5に屈曲を与え、光の損失を発生させる必要がある。本実施形態では、変状検出装置69は、所定変位を超えてブロック8が変位した時に、金属管4内の光ファイバケーブル5に屈曲を与える機構を有しており、図3乃至図5に示すように、この屈曲を与える機構に回転機構を用いたのが、本発明の大きな特徴である。即ち、法面3の変状時のブロック8と変状検出装置69を固定するアンカー66間の変位をロッド7とリンク機構71を介して損失発生部70に与え、損失発生部70が回転することによって金属管4とその内部の光ファイバケーブル5に屈曲を与えるように構成されている。変状検出装置69内の防水等は必要ないが、堤防2の法面3下部に埋設した場合にも、土砂等が浸入しないように後述する金属性カバー75等のカバーを取り付けて用いる。
また、光の損失の測定には、後述する図12に示す光監視装置としてのOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)12を用いる。OTDR12による光の損失の測定結果から法面3における変状の有無及び変状の発生箇所を検出する。1ラインあたり十数kmに亘り何台でも変状検出装置69を設置することが可能であるが、同時に発生した変状に対してはOTDR12のダイナミックレンジの制約から、検出できるのは5箇所程度の変状である。尚、変状を検出した場合には、観測者等が変状の発生箇所へ行き、対策として補修、監視又は調整等を施すことで、法面3を補修して災害を未然に防止することが可能となり、また、後述するように、屈曲した金属管4と光ファイバケーブル5を元に戻す(屈曲を極力解消する)ことにより再度の監視を行うこともできる。
次に、図3乃至図8を参照して、変状検出装置69について詳細に説明しておく。尚、図3乃至図8においては、変状検出装置69は、上記した金属性カバー75等のカバーを取り外した主要部の構成のみを示している。変状検出装置69は、主として金属製の板材と棒材(軸)から構成され、図3乃至図5に示すように、光ファイバケーブル5(を内部に有する金属管4、以下、単に光ファイバケーブル5と称する場合がある)の長手方向を2点で保持することにより光ファイバケーブル5が固定されるケーブル固定台72と、ケーブル固定台72に、回転軸74を中心に上記長手方向と直交する方向に回転可能に設けられ、一端側が負荷としてのブロック8に連結されて該負荷としてのブロック8の移動によって上記の直交する方向に所定角度まで回転することにより他端側が光ファイバケーブル5に当接した後該光ファイバケーブル5を屈曲させて損失を発生させる損失発生部材としての損失発生部70と、損失発生部70が上記所定角度を超えて回転することを防止するストッパー73と、ケーブル固定台72の上記2点の保持点間における損失発生部70が光ファイバケーブル5へ当接する位置を位置決めする位置決め手段として回転軸74に損失発生部70の両側からそれぞれ取り付けられた圧縮ばね78とスペーサ76とを有している。
ケーブル固定台72は、台座部72Aと、台座部72A上に所定の間隔をおいて直立する2つのケーブル固定部材72B、72Cを含んでいる。ケーブル固定台72のケーブル固定部材72B、72Cには、それぞれ上方部に光ファイバケーブル5を通した上で保持するための切り欠き723と、その落とし込み部分723b、723cが形成されている。切り欠き723、723は、光ファイバケーブル5を通すために形成され、落とし込み部分723b、723cは、光ファイバケーブル5を落とし込んだ上で保持し固定するために形成されている。尚、ケーブル固定台72のケーブル固定部材72B、72Cには、図6及び図7に示すように、それぞれ落とし込み部分723b、723cに落とし込んだ光ファイバケーブル5を固定するための貫通穴72b、72cが形成されている。この貫通穴72b、72cは、後述するように、クランピングスクリュー等を落とし込み部分723b、723cに落とし込んだ光ファイバケーブル5まで挿通して貫通穴72b、72cに固定することにより、光ファイバケーブル5を確実に保持し固定するために形成されている。
ケーブル固定台72のケーブル固定部材72Bと72Cの上記間隔内には、中央よりもやや上部の中心に、その両端部をケーブル固定部材72Bと72Cに固定された回転軸74が設けられ、この回転軸74には損失発生部70が回転可能に軸支されている。損失発生部70は、図5に示すように、ケーブル固定部材72B、72Cよりは若干小さめの略長方形状の板材から成り、その中央よりもやや上部の中心を回転軸74に軸支されている。
ケーブル固定台72と損失発生部70との間隔は、図4に示すように、スペーサ76と圧縮ばね78を損失発生部70の両側から挟むように回転軸74に組み込み、回転軸74の長手方向に損失発生部70の回転に支障をきたさない程度の圧縮力を付与することにより、損失発生部70を押さえつける形でケーブル固定台72と損失発生部70との間隔を常に一定に保持する。これにより、各変状検出装置69における損失のばらつきが抑制されるので、変状有りとするための損失の閾値を設定する場合にも、当該変状を正確に検出することができる。尚、本実施形態では、図3、図4及び図7に示すように、損失発生部70は、ケーブル固定部材72Bと72C間において回転軸74の中央よりはケーブル固定部材72B側に近接する位置で軸支されている。そして、回転軸74のケーブル固定部材72Bと損失発生部70間にスペーサ76を組み込み、ケーブル固定部材72Cと損失発生部70間に圧縮ばね78を組み込んでいる。かかる構成により、図7に示すように、損失発生部70の回転により光ファイバケーブル5はケーブル固定部材72Bと損失発生部70間でより大きく屈曲するようになる。この結果、このケーブル固定部材72Bと損失発生部70間でより大きな損失が発生するので、損失発生ひいては検出の感度が向上し、変状をより確実に検出できることが分かっている。
損失発生部70の一端側(高さ方向の下端側)には、図3及び図5に示すように、リンク機構71が設けられている。損失発生部70は、このリンク機構71を介して連結部材としてのロッド7に接続され、負荷としてのブロック8と連結される。損失発生部70の他端側(高さ方向の上端側)には、切り欠き703が形成されている。切り欠き703は、損失発生部70の上方部の上記ケーブル固定部材72B、72Cの切り欠き723に対応する位置に形成されている。この切り欠き703は、上記ケーブル固定部材72B、72Cの切り欠き723とは反対側から[図9(b)参照]、図8に示すように、回転軸74に対応する位置まで切り欠いて形成されている。損失発生部70は、その回転動作に伴い、この切り欠き703の底部(回転軸74に対応する位置)で光ファイバケーブル5に当接し、更に回転することで押圧して屈曲させ、損失を発生させるようになっている。尚、切り欠き703は、負荷としてのブロック8の微小変位に対する不感領域を設けるという意味もある。
また、ケーブル固定台72のケーブル固定部材72Bと72Cの上記間隔内には、その両端部をケーブル固定部材72Bと72Cに保持された略円柱状のストッパー73が設けられている。このストッパー73は、上述したように、損失発生部70が上記所定角度を超えて回転することを防止するものである。尚、ケーブル固定台72のケーブル固定部材72B、72Cには、図5及び図6に示すように、それぞれストッパー73の移動案内溝79(図3及び図4では図示を省略している)が形成されており、ストッパー73はこの移動案内溝79内で自由に高さ位置を決めて固定することができるようになっている。
尚、ケーブル固定台72の台座部72Aには、固定用アンカー66の台座66Aにボルトにより固定するための4つの固定穴72aが形成されている。
再び図1を参照して、変状検出ユニット6は、堤防2の法面3の長手方向に沿って一定の間隔で設けられている。即ち、各変状検出装置69が堤防2の法面3の長手方向に沿って一定の間隔でアンカー66[図2(a)参照]によって固定されていると共に、ブロック8は法面3の下方部に設置され、変状検出装置69とロッド7によって連結されている。
この時(初期状態において)、図5及び図8に示すように、光ファイバケーブル5は 各変状検出装置69における損失発生部70の切り欠き703の先端に位置し、図3及び図6に示すように、ケーブル固定台72の切り欠き723、723の落とし込み部分723b、723cと同一線上に揃った状態にある。また、この初期状態では、図5に示すように、損失発生部70の後方側面とケーブル固定台72の後方側面とは、同一面上にある。
法面3の変状に伴い図1に示したブロック8が変位することで変状検出装置69における損失発生部70の負荷点に変位が負荷される。即ち、例えば、図1に示すように、堤防2の法面3にクラック32が生じると、このクラック32が生じた箇所に設置されている変状検出装置69に連結されたブロック8が変位し、ロッド7とリンク機構71を介して、損失発生部70に変位が負荷される。この変位が負荷された損失発生部70は、図8に示すように、回転軸74を中心に回転し、損失発生部70の切り欠き703の底部がケーブル固定台72に上述したクランピングスクリューで固定されている光ファイバケーブル5に接する。ここまでが所定変位によるもので、損失は全く発生しない。光ファイバケーブル5に接した損失発生部70は、その後も回転軸74を中心に回転を続け、図7及び図8に示すように、ケーブル固定台72と損失発生部70(の切り欠き703の底部)との間で光ファイバケーブル5に剪断変形を与える。この剪断変形により光ファイバケーブル5には光の損失が発生する。この剪断変形による光の損失が大きくなりすぎたり、光ファイバケーブル5が破断するまで損失発生部70が回転したりしないように、図3及び図4並びに図7及び図8に示すように、ケーブル固定台72には損失発生部70の回転を規制するストッパー73を設けている。損失発生部70は、このストッパー73に当接することによって回転を停止する。この時、光ファイバケーブル5を伝播する光には、複数、検出可能な大きさ、例えば、1〜2dBの損失が生じ、これらをOTDR12を用いて測定することによって、堤防2の法面3の変状の有無及び変状箇所を検出する。尚、本実施形態の光ファイバ式変状検出システムにおいて、光ファイバケーブルのラインにおける各変状検出装置69の取付間隔は、計測感度を良好なものとするために1mとした。
さて、本実施形態の光ファイバ式変状検出システムにおいて、1本のラインを構成する光ファイバケーブル5の所定の間隔ごとに複数設けられた各変状検出装置69における損失のばらつきは、各変状検出装置69におけるケーブル固定台72と損失発生部70との間隔のばらつきに依存する。そこで、本実施形態の光ファイバ式変状検出システムでは、ケーブル固定台72と損失発生部70との間隔は、図4に示すように、スペーサ76と圧縮ばね78を損失発生部70の両側から挟むように回転軸74に組み込み、回転軸74の長手方向に損失発生部70の回転に支障をきたさない程度の圧縮力を付与することにより、損失発生部70を押さえつける形でケーブル固定台72と損失発生部70との間隔を常に一定に保持する。これにより、各変状検出装置69における損失のばらつきが抑制されるので、変状有りとするための損失の閾値を設定する場合にも、当該変状を正確に検出することができる。
損失発生部70は回転機構によって負荷点の変位を光ファイバケーブル5に与えるので、設計の段階で回転軸74の固定位置をずらすことによって、図8に示す回転半径1(回転軸74から損失発生部70が光ファイバケーブル5へ当接する位置までの長さ)と回転半径2(回転軸74から負荷点、即ち、損失発生部70が負荷に連結される位置までの長さ)とを相互に変化させることが可能である。これにより屈曲を生じるまでの変位や荷重を変化させることができるので、変状検出装置69の小型化も可能である。
本実施形態の光ファイバ式変状検出システムでは、光ファイバケーブル5は塑性変形可能な保護管としての金属管4内に収納されている。これにより、変形による光ファイバケーブル5の破断を更に防ぐ効果も得られている。また、設置後に、光ファイバケーブル5を外力から保護する効果もあり、光ファイバケーブル5が外力により損傷されるのを防ぐことができる。
次に、堤防2の法面3に沿って変状検出ユニット6を実際に敷設する方法について説明しておく。図9は、変状検出装置への光ファイバケーブルの設置方法を説明するための図であり、(a)は設置前、(b)は設置途中、(c)は設置後をそれぞれ示す。図10は、かかる実際の敷設方法において、変状検出装置69に回転防止治具を取り付けた状態を後方から見た外観図である。
上述したように、変状検出ユニット6は、変位を検出する変状検出装置69と、変状検出装置69を河川1の堤防2の法面3に固定する固定用アンカー66と、法尻の変位を変状検出装置69に伝えるブロック8と、変状検出装置69とブロック8とを連結するロッド7とから構成されている。
まず、固定用アンカー66の台座66Aが水平になるように固定用アンカー66を堤防2の法面3に埋め込む等して設置し、変状検出装置69のケーブル固定台72の台座部72Aを固定用アンカー66の台座66Aに載せた状態で4つの固定穴72aを用いてボルトにより取り付ける。次に、各変状検出装置69におけるケーブル固定台72への光ファイバケーブル5の設置は、まず、図9(a)に示す損失発生部70がケーブル固定台72に収納されている状態から図9(b)に示すように、損失発生部70を後方に倒し、ケーブル固定台72の切り欠き723、723に、後方から光ファイバケーブル5を通し、図9(c)に示すように、切り欠き723、723の落とし込み部分723b、723cに光ファイバケーブル5を落とし込むことで行う。これにより、変状検出装置69に簡単に光ファイバケーブル5を通すことができる。そして、1本のラインを構成する光ファイバケーブル5の所定の間隔ごとに複数設けられた各変状検出装置69におけるケーブル固定台72への光ファイバケーブル5の設置は、まず、各損失発生部70を後方に倒し、各ケーブル固定台72の切り欠き723、723に、後方からいっせいに光ファイバケーブル5を通すことで行う。これにより、変状検出装置69の1台ずつに光ファイバケーブル5を通す必要は無くなるので、河川1の堤防2における法面3への設置等の施工の際、作業性が大幅に向上する。
光ファイバケーブル5を設置し終えたら、光ファイバケーブル5の片側をケーブル固定台72に固定する。即ち、前述したケーブル固定台72のケーブル固定部材72B、72Cに形成されている貫通穴72b、72cのうち、一方の貫通穴72bだけにクランピングスクリューを光ファイバケーブル5まで挿通して固定する。尚、貫通穴72b、72cの双方にクランピングスクリュー等を挿通して光ファイバケーブル5の両側をケーブル固定台72に固定するようにしても良いが、本実施形態では、光ファイバケーブル5の屈曲に要する負荷を小さくするために、片側だけをクランピングスクリューで固定するようにした。この状態で、図8に示したように、損失発生部70を初期状態に設定する。その上で、図10に示すように、損失発生部70が回転しないように変状検出装置69に損失発生部70の回転防止治具69bを取り付ける。この後、ブロック8を所定の位置、即ち、法面3の下方部に設置し、ブロック8をロッド7によって損失発生部70と連結する。具体的には、損失発生部70に結合されたリンク機構71にロッド7を連結する。このようにして、損失発生部70とブロック8とをロッド7及びリンク機構71を介して連結できたら、変状検出装置69から回転防止治具69bを取り外し、金属性カバー75等を取り付けて変状検出ユニット6の敷設が完了する。図11は、変状検出装置69にカバーを取り付けた状態を右側方から見た外観図である。図11に示すように、変状検出装置69を実際に使用する場合には、変状検出装置69の右側方を金属性カバー75で覆う。この金属性カバー75には、リンク機構71の動きを邪魔しないように、突起部75aが形成されている。尚、図11では隠れて見えないが、変状検出装置69の左側方と天面も金属性カバーで覆って使用する。このように変状検出装置69を金属性カバーで覆って使用するのは、ケーブル固定台72内に土砂等が浸入し、検出を困難にしてしまうのを防止するためである。
ここで、本実施形態の光ファイバ式変状検出システムにおけるOTDR12を用いた変状の検出方法について説明しておく。図12は、本実施形態の光ファイバ式変状検出システムの全体構成を示す機能ブロック図である。
さて、本実施形態の光ファイバ式変状検出システムは、上述した変状検出ユニット6を複数個それぞれ所定の間隔をおいて河川1の堤防2の法面3に配置し、これら複数個の変状検出ユニット6に1本の光ファイバケーブル5を挿通し、この光ファイバケーブル5を、図12に示すように、OTDR12に接続して法面3の変状の多点計測を行うものである。
即ち、本実施形態の光ファイバ式変状検出システムでは、図12に示すように、パルス発振器121により駆動されたレーザダイオード(LD)122は、光パルスを出力し、光パルスは方向性結合器123を経て光ファイバケーブル5に入射する。光ファイバケーブル5内の各変状検出ユニット6で生じた後方レーリ散乱光、あるいはフレネル反射光は入射端に戻ってくる。入射端に戻ってきた光は、方向性結合器123を通して受光素子(PD)124に入射し、電気信号に変換される。変換された電気信号は、増幅器125により所要のレベルまで増幅された後、解析処理部/表示部126により時間領域で解析され、解析結果が表示される。例えば、法面3に1mごとに変状検出ユニット6を設置し、かかるOTDR12に接続することにより変状の計測システムを構成すれば、変状の発生の有無と発生位置を同時に検出することが可能である。
次に、本発明の実施の形態の光ファイバ式変状検出システムの拡張例について述べる。図13に示すように、本実施形態の拡張例に係る光ファイバ式変状検出システムは、観測セクション110と、計測セクション120から構成される。観測セクション110は、光監視装置としてのOTDR12と、このOTDR12に接続された制御用PC(Personal Computer)114と、OTDR12に接続され多芯光ファイバケーブル50の各光ファイバ芯線より構成される光チャンネルを選択する光チャンネルセレクタ(16ポート)116とを有している。計測セクション120は、多芯光ファイバケーブル50の光ファイバ芯線を16ラインに分岐する分岐箱128と、各ライン、即ち、1ラインから成る光ファイバケーブル5(図1参照)に所定の間隔ごとに複数接続された変状検出ユニット6とを有している。
このように、OTDR12による測定は、多芯光ファイバケーブル50(光ファイバ芯線が16本のもの)と光チャンネルセレクタ(16ポート)116を使用することにより1台の測定装置(OTDR12と制御用PC114)で16ラインまで計測することが可能である。また、1本の多芯光ファイバケーブル50(光ファイバ芯線が16本のもの)により観測セクション110と計測セクション120を接続(中継)すれば良いので、計測セクション120(計測現場)から離れた遠隔地に観測セクション110(観測所)を設置することが可能である。
図14は、OTDR12によるトレースデータの一例を示すグラフである。変状に伴って発生する光の損失をOTDR12によって測定することで、変状の発生の有無と、当該変状の発生箇所を検出することができる。図14において、データの立下りのところが光の損失の発生箇所である。また、初期状態から変状に伴って低下した反射光量が損失発生による光の損失分に該当する。図14のグラフでは、距離約485mのところで約1.5dBの反射光量の低下が生じており、当該距離に位置する変状検出ユニット6において変状の発生を検出したことが分かる。このように、図14に示す例では、約1.5dBの光の損失が発生すれば、トレースデータから変状の発生と、当該変状の発生箇所を特定することができることが分かった。尚、1.5dB未満の光の損失しか発生しない場合でも、データの立下りのところが認識でき、損失の発生を確認できれば十分であるので、好適には約1.5dBの光の損失が発生することが望ましいが、これに限られないのは勿論である。
しかしながら、本実施形態の光ファイバ式変状検出システムでは、好適実施例として、変状に伴って約1.5dBの光の損失が発生する変状検出装置69を設計した。図15は、変状検出装置69における損失発生部70の回転動作による光ファイバケーブル5における光の損失の発生を示す図であり、(a)は光ファイバケーブル5における光の損失の発生を示すグラフ、(b)はストッパー73の作動状態を示す図である。
図15に加え図8をも参照して、この好適実施例としての損失発生機構について説明する。所定変位までは光ファイバケーブル5に屈曲を与えず、所定変位を超えて損失発生部70が回転した時に光ファイバケーブル5に屈曲を与えるようになっている。また、屈曲を与えた後に、上述した損失が約1.5dB以上になったり、光ファイバケーブル5が破断したりしないようにストッパー73を設けてある。即ち、図8に示すように、損失発生部70は、(1)の初期状態から(2)の所定変位状態まで回転し、この段階では、図15(a)に示すように、損失は発生しない。そして、(2)の所定変位状態から光ファイバケーブル5の屈曲が始まり、それに応じて損失が拡大していき、損失が約1.5dBに達したところで、(3)ストッパー73が作動するようになっている。ストッパー73は、図15(b)に示すように、損失発生部70がストッパー73に当接することで、それ以上は回転できないように規制するものであり、損失が約1.5dBに達する所定角度を超えて損失発生部70が回転してしまうのを確実に防止できる。
上述したように好適実施例として設計した変状検出装置69の効果を確認するため損失発生確認試験を行った。図16は、本実施形態の好適実施例に係る変状検出装置69について行った損失発生確認試験の試験構成を示すブロック図であり、図17は、当該損失発生確認試験における損失発生箇所までの距離と反射光量の関係を示すグラフである。また、図18は、当該損失発生確認試験におけるストッパーと損失発生部の間の距離と発生する光の損失の関係を説明するための図であり、(a)はストッパーと損失発生部の間の距離を示す図、(b)は試験結果におけるストッパーと損失発生部の間の距離と発生する光の損失の関係を示すグラフである。
さて、この損失発生確認試験では、損失を与えるために損失発生部70に荷重を負荷し、40mmの変位を与えた。ケーブル固定台72と損失発生部70の間隔は5mmに固定した。従って、損失の大きさは、図18(a)に示すように、損失発生部70が光ファイバケーブル5に接した時のストッパー73と損失発生部70の間の距離Lを変化させることで目標とする値に近づけていった。試験構成としては、図16に示すように、全長563mの光ファイバケーブル5を変状検出装置69に対して一方が482m、他方が81mとなるように設置し、変状検出装置69内とその付近は光ファイバケーブル5を金属管4内に収納して組み込むようにした。この損失発生確認試験において、損失発生箇所までの距離と反射光量の関係を図17に示す。図17において、損失発生時の立下り前と立下り後のそれぞれ20データの平均の差と初期状態のそれの差を差し引いたものを損失とした。
損失発生部70が光ファイバケーブル5に接した時のストッパー73と損失発生部70の間の距離Lを変化させていった測定値を図18(b)に示す。図18(b)に示すように、損失を目標とする値(約1.5dB)にするためには、図18(a)に示すストッパー73と損失発生部70の間の距離Lを2.8mmにすればよいことが分かった。また、10回のばらつきは±0.5dB以内(標準偏差:0.1876dB)に留まることも分かった。更に、損失発生箇所は、図17に示すトレースデータから正確に検出し得ることも分かった。
尚、変状検出装置69に組み込まれる光ファイバケーブル5としては、例えば、コア径が数μm〜10μm程度、径125μmのシングルモード光ファイバケーブルを用いることが可能である。
光監視装置であるOTDR12としては、例えば、試験光波長1310nm、パルス幅10ns以上(できるだけ細かく)、空間分解能1m以上(できるだけ短かく)の高分解能形のOTDRを用いることが可能である。
本実施形態の光ファイバ式変状検出システムは、河川堤防等の各種堤体、地盤斜面、岩盤橋梁等の建造物等の監視対象物に対する取り付け・設置等の施工性に優れると共に、監視対象物の変状(変位や変形)を光ファイバの曲げ(屈曲)に効率良く作用させ得る構造を有している。また、比較的低コストでシステムを設置可能であるという大きな利点を有している。即ち、本実施形態では、変状検出装置69は構造が簡単であるため比較的安価に製作することができ、また、測定にも比較的安価なOTDR12を用いているため、広範囲に亘る変状検出システムを低コストで構築することができる。
図1では、光ファイバ式変状検出システムの監視対象物の一例として、河川1の堤防2の法面3を挙げた。河川水位が上昇すると堤防の浸潤線が上昇し、堤防の裏法尻付近から漏水が始まる。この漏水が契機となって法尻近傍の堤防の状態変化が現れる。本発明の光ファイバ式変状検出システムによれば、この現象を早期且つ的確に捉えることが可能である。
尚、本発明の光ファイバ式変状検出システムを河川堤防等の各種堤体、地盤斜面、岩盤橋梁等の場所における災害防止対策に用いても、センサ部が光ファイバのため、誘導及び耐雷対策をとる必要が無い。
更に、本実施形態の光ファイバ式変状検出システムでは、光ファイバケーブル5は塑性変形可能な保護管としての金属管4内に収納されており、金属管4が保持されることによりケーブル固定台72に固定される。損失発生部70が金属管4に当接した後、該金属管4を屈曲させることで光ファイバケーブル5に屈曲を生じさせるようになっている。
この実施形態に係る発明では、光ファイバは塑性変形可能な保護管内に収納されているので、保護管の屈曲により光ファイバに屈曲を生じた後、保護管が別の外力により元の形状に復帰しない限り、光ファイバの屈曲も元に戻らないため、光監視装置により光ファイバの屈曲を確実に検出できる。
また、光ファイバが保護管内に収納されているので、監視対象物に対する取り付け・設置等の施工の際に、光ファイバの断線等をあまり心配する必要が無い。
以上、本発明について実施の形態をもとに説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更することができる。
例えば、上記実施形態においては、回転軸74に損失発生部70の両側からそれぞれ取り付けられた圧縮ばね78とスペーサ76から位置決め手段を構成したが、圧縮ばねだけ又はスペーサだけで位置決め手段を構成することもできる。
また、損失発生部70は、リンク機構71を介してロッド7により負荷としてのブロック8と連結するようにしたが、負荷の変位を有効に損失発生部の回転動作に変換できる構成であれば、他の機構や連結部材を用いても良い。更に、負荷としてブロック以外のものを用いても良いのは勿論である。
本発明は、所定の変位・荷重に対してオン・オフのスイッチ的な動作で検知することが可能な装置、システム、方法等であれば、河川堤防法面の変状の有無及び変状位置等を検出する装置等のみならず、他にも、道路斜面モニタリング、地すべり検知、護岸の継ぎ目開口検知、侵入検知(セキュリティシステム)等のための装置、システム、方法等にも適用可能である。
本発明の実施の形態に係る光ファイバ式変状検出システムの基本構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る光ファイバ式変状検出システムに用いる変状検出ユニットの外観図であり、(a)は変状検出ユニットの全体構成を示し、(b)は変状検出ユニットの要部を拡大して示す。 図2の変状検出装置を示す外観図である。 図2の変状検出装置の要部を拡大して示す側面図である。 図2の変状検出装置の断面図である。 図2の変状検出装置への光ファイバケーブルの固定方法を説明するための図である。 図2の変状検出装置において損失発生部が光ファイバケーブルに屈曲を与える状態を示す図である。 図2の変状検出装置における損失発生部の回転動作を示す図である。 図2の変状検出装置への光ファイバケーブルの設置方法を説明するための図であり、(a)は設置前、(b)は設置途中、(c)は設置後をそれぞれ示す。 図2の変状検出装置の実際の敷設方法において、回転防止治具を取り付けた状態を後方から見た外観図である。 図2の変状検出装置にカバーを取り付けた状態を右側方から見た外観図である。 本発明の実施の形態に係る光ファイバ式変状検出システムの全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態の拡張例に係る光ファイバ式変状検出システムの全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る光ファイバ式変状検出システムにおけるOTDRによるトレースデータを示すグラフである。 図2の変状検出装置における損失発生部の回転動作による光ファイバケーブルにおける光の損失の発生を示す図であり、(a)は光ファイバケーブルにおける光の損失の発生を示すグラフ、(b)はストッパーの作動状態を示す図である。 本発明の実施の形態に係る光ファイバ式変状検出システムにおける損失発生確認試験の試験構成を示すブロック図である。 図16の損失発生確認試験における距離と反射光量の関係を示すグラフである。 図16の損失発生確認試験におけるストッパーと損失発生部の間の距離と発生する光の損失の関係を説明するための図であり、(a)はストッパーと損失発生部の間の距離を示す図、(b)は試験結果におけるストッパーと損失発生部の間の距離と発生する光の損失の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 河川、 2 堤防、 3 法面、4 金属管、 5 光ファイバケーブル、
6 変状検出ユニット、7 ロッド、 8 ブロック、 12 OTDR、
66 固定用アンカー、 66A 台座、 69 変状検出装置、 70 損失発生部、71 リンク機構、 72 ケーブル固定台、72A 台座部、 73 ストッパー、
74 回転軸、 75 金属性カバー、76 スペーサ、 78 圧縮ばね

Claims (5)

  1. 監視対象物の変状を光ファイバケーブルを伝播する光の損失により監視する光ファイバ式変状検出装置において、
    光ファイバケーブルと、
    前記光ファイバケーブルの長手方向を少なくとも2点で保持することにより該光ファイバケーブルが固定されるケーブル固定台と、
    前記ケーブル固定台に、所定の回転軸を中心に前記長手方向と直交する方向に回転可能に設けられ、一端側が前記監視対象物の変状により移動する負荷に連結されて該負荷の移動によって前記直交する方向に所定角度まで回転することにより他端側が前記光ファイバケーブルに当接した後該光ファイバケーブルを屈曲させて損失を発生させる損失発生部材と、
    前記損失発生部材が前記所定角度を超えて回転することを防止するストッパーと、
    前記ケーブル固定台の前記2点の保持点間における前記損失発生部材が前記光ファイバケーブルへ当接する位置を位置決めする位置決め手段と、を有することを特徴とする光ファイバ式変状検出装置。
  2. 請求項1記載の光ファイバ式変状検出装置において、前記所定角度とは、前記損失発生部材が前記光ファイバケーブルを屈曲させるが該光ファイバケーブルを破断するには至らない範囲の角度であることを特徴とする光ファイバ式変状検出装置。
  3. 請求項1又は2記載の光ファイバ式変状検出装置において、前記位置決め手段は、前記回転軸に前記損失発生部材の両側からそれぞれ取り付けられた圧縮ばねとスペーサから構成されることを特徴とする光ファイバ式変状検出装置。
  4. 請求項1乃至3記載の光ファイバ式変状検出装置において、前記損失発生部材は、リンク機構を介した連結部材により前記負荷と連結されていることを特徴とする光ファイバ式変状検出装置。
  5. 請求項1乃至4記載の光ファイバ式変状検出装置が少なくとも1本のラインを構成する前記光ファイバケーブルの所定の間隔ごとに複数設けられ、それぞれ前記監視対象物の所定の間隔ごとに複数設けられた負荷に連結されると共に、前記少なくとも1本のラインを構成する光ファイバケーブルを伝播する光の損失を監視する光監視装置を備えていることを特徴とする光ファイバ式変状検出システム。
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