JP4771229B2 - エンジンの吸気装置 - Google Patents
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Description
前記シリンダヘッド102のフランジ部105の上面部には、スペーサ106を締結するためのボルトがねじ込まれる複数のボス部109を気筒列方向Aに並べて、且つ上方に突出するように形成している。また、前記スペーサ106の上面部には、図8に示すように、フランジ部105に締結するためのボルトが挿入される複数のボス部110を気筒列方向Aに並べて、且つ上方に突出するように形成している。さらに、吸気マニホルド107のフランジ部108の上面部には、スペーサ106を介してフランジ部105に締結するためのボルトが挿入される複数のボス部111を気筒列方向Aに並べて、且つ上方に突出するように形成している。
前記スペーサ106には、図8に示すように、マニホルド吸気通路及び吸気ポートに連通するスペーサ吸気通路112〜115を備え、気筒列方向Aに延びる排気ガス還流通路116を備えている。排気ガス還流通路116は、ヘッド用接合面117に、気筒列方向Aの左側から右側に向かって順次に、独立したスペーサ側第1〜第4通路部118−1〜118−4を窪ませて形成するとともに、スペーサ吸気通路112〜115に夫々連通する独立したスペーサ側第5〜第8通路部118−5〜118−8を窪ませて形成している。排気ガス還流通路116は、ヘッド用接合面117の独立したスペーサ側第1〜第8通路部118−1〜118−8に、シリンダヘッド102のスペーサ用接合面に独立して窪ませて形成した複数のヘッド側通路部を交互に連通することで形成され、吸気ポートに連通するスペーサ吸気通路112〜115に排気ガスを分配する。
また、前記シリンダヘッド102には、フランジ部105の上面部でボス部109にはさまれた凹部119に取付部120を設け、この取付部120にシール部を介して吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射装置121を取り付けている。
ところが、燃料噴射装置121をシリンダヘッド102に装着した場合には、燃料噴射装置121がスペーサ106及び吸気マニホルド107をシリンダヘッド102に締結するためのボス部109に囲まれた凹部119に配設されるため、エンジン1に水Wがかかって凹部119に溜まった場合に、この凹部119に溜まった水Wが燃料噴射装置121のシール部を通して吸気ポートに吸入され、エンジン101が不調になる問題があった。
この問題を解決するためには、シリンダヘッドまたはスペーサに上下方向に延びる排水路を設けることが考えられるが、シリンダヘッド及びスぺーサ内に気筒列方向に延びる排気ガス還流通路を設けた場合、排水路が排気ガス還流通路と干渉して構造に影響を及ぼし、排気ガス還流通路による各気筒への排気ガスの均等な分配が損なわれる問題があった。
また、この発明のエンジンの吸気装置は、凹部に溜まった水を排水溝によってフランジ部の気筒列方向端部に導いて、燃料噴射装置の周辺から排水できる。そのため、この発明のエンジンの吸気装置は、燃料噴射装置のシール部から吸気ポート内に水が浸入することによって生じるエンジンの不具合を解消できる。
図1において、1はエンジン、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はシリンダヘッドカバー、5は吸気装置である。エンジン1の吸気装置5は、シリンダヘッド3の気筒列方向Aと交差する幅方向Bの一側面に4つの吸気ポートが開口するフランジ部6を突出させ、このフランジ部6にスペーサ7を接合している。スペーサ7には、吸気マニホルド8のフランジ部9を接合している。吸気マニホルド8は、サージタンク10に一端側を連結された4本の分岐管11〜14を備え、各分岐管11〜14の他端側を前記フランジ部9に連結している。分岐管11〜14は、マニホルド吸気通路を備えている。
前記シリンダヘッド3のフランジ部6の上面部には、図2に示すように、スペーサ7を締結するためのボルトがねじ込まれる複数のボス部15を気筒列方向に並べて、且つ上方に突出するように形成している。また、前記スペーサ7の上面部には、図3に示すように、フランジ部6に締結するためのボルトが挿入される複数のボス部16を気筒列方向Aに並べて、且つ上方に突出するように形成している。さらに、吸気マニホルド8のフランジ部9の上面部には、図1に示すように、スペーサ7を介してフランジ部6に締結するためのボルトが挿入される複数のボス部17を気筒列方向に並べて、且つ上方に突出するように形成している。
吸気装置5は、図6に示すように、シリンダヘッド3のフランジ部6のスペーサ用接合面18にスペーサ7のヘッド用接合面19を当接させ、スペーサ7のマニホルド用接合面20に吸気マニホルド8のフランジ部9のスペーサ用接合面21を当接させた状態で、吸気マニホルド8の上面部のボス部17のボルト孔22(図1参照)からスペーサ7の上面部のボス部16のボルト孔23に挿通したボルトをシリンダヘッド3の上面部のボス部15のネジ孔24にねじ込むことで、シリンダヘッド3のフランジ部6にスペーサ7を介して吸気マニホルド8のフランジ部9を接合する。
なお、吸気装置5は、吸気マニホルド8の下面部のボス部25(図1参照)とスペーサ7の下面部のボス部26(図3参照)とに挿通したボルトをシリンダヘッド3の下面部のボス部にねじ込むことで、シリンダヘッド3のフランジ部6にスペーサ7を介して吸気マニホルド8のフランジ部9を接合する。
排気ガス還流通路31は、図5に黒矢印で示すように、ヘッド用接合面19に、気筒列方向Aの左側から右側に向かって順次に、独立したスペーサ側第1〜第3通路部32−1〜32−3を窪ませて形成するとともに、スペーサ吸気通路27・28に独立して連通する1本のスペーサ側第4通路部32−4と、スペーサ吸気通路29・30に夫々連通する独立した2本のスペーサ側第5・第6通路部32−5・32−6とを窪ませて形成している。
一方、シリンダヘッド3には、図5に白抜き矢印で示すように、スペーサ用接合面18に、気筒列方向Aの左側から右側に向かって順次に、前記スペーサ側第1通路部32−1に連通する独立したヘッド側第1通路部33−1と、前記スペーサ側第1通路部32−1及びスペーサ側第2通路部32−2に連通する独立したヘッド側第2通路部33−2と、前記スペーサ側第2・第3通路部32−2・32−3に連通する独立したヘッド側第3通路部33−3とを窪ませて形成するとともに、前記スペーサ側第2通路部32−2及びスペーサ側第4路部32−4に連通する独立した1本のヘッド側第4還流通路部33−4と、前記スペーサ側第3通路部32−3及びスペーサ側第5通路部32−5に連通する独立したヘッド側第5通路部33−5と、前記スペーサ側第3通路部32−3及びスペーサ側第6通路部32−6に連通する独立したヘッド側第6通路部33−6とを窪ませて形成している。
シリンダヘッド3には、図1に示すように、フランジ部6の気筒列方向A左端に、EGRバルブが取り付けられるEGRバルブ取付部34を設けている。前記シリンダヘッド3に設けたヘッド側第1通路部33−1は、このEGR取付部34の排気ガス導入ポート35に連通している。
これにより、シリンダヘッド3の排気ガス導入ポート35から導入した排気ガスは、ヘッド側第1通路部33−1から、スペーサ側第1通路部32−1と、ヘッド側第2通路部33−2と、スペーサ側第2通路部32−2と、ヘッド側第4通路部33−4と、スペーサ側第4通路部32−4とを介してスペーサ吸気通路27・28に供給されるとともに、スペーサ側第2通路部32−2から、ヘッド側第3通路部33−3と、スペーサ側第3通路部32−3と、ヘッド側第5通路部33−5及びヘッド側第6通路部33−6と、スペーサ側第5通路部32−5及びスペーサ側第6通路部32−6とを介してスペーサ吸気通路29・30に供給される。
また、シリンダヘッド3には、図2に示すように、フランジ部6の上面部でボス部15にはさまれた凹部36に取付部37を設けている。この取付部37には、シール部を介して吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射装置38を取り付けている。
このように、エンジン1の吸気装置5は、シリンダヘッド3の気筒列方向Aと交差する幅方向の一側面に複数の吸気ポートが開口するフランジ部6を突出させ、気筒列方向Aに延びる排気ガス還流通路31を備えたスペーサ7をシリンダヘッド3のフランジ部6に接合し、スペーサ7をフランジ部6に締結するためのボルトが挿入される複数のボス部16及びこのボス部16と同軸のボス部15をスペーサ7及びフランジ部6の双方の上面部に気筒列方向Aに並べて且つ上方に突出するように形成する一方、フランジ部6の上面部でボス部15にはさまれた凹部36に吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射装置38を取り付けている。
このように、このエンジン1の吸気装置5は、排水溝39を気筒列方向Aに延びる排気ガス還流通路31と干渉しないようにスペーサ7に略水平方向に形成したので、排気ガス還流通路31の構造に影響を与えることがなく、排気ガス還流通路31を各気筒への排気ガスの均等分配が可能な構造に形成することができる。
また、このエンジン1の吸気装置5は、シリンダヘッド3のフランジ部6の凹部36に溜まった水を排水溝39によってフランジ部6の気筒列方向A端部に導いて、燃料噴射装置38の周辺から排水できる。そのため、このエンジン1の吸気装置5は、燃料噴射装置38のシール部から吸気ポート内に水が浸入することによって生じるエンジン1の不具合を解消することができる。
このように、このエンジン1の吸気装置5は、排水溝38をボルト孔23と交差する位置に形成したことによって、シリンダヘッド3のフランジ部6の上面部からスペーサ7のボス部16が突出する量を少なくし、燃料噴射装置38の周辺の水溜り量を少なくすることができる。
また、このエンジン1の吸気装置5は、ボルト孔23を避けて排水溝39を円弧状に湾曲させたものと比べ、排水溝39内に異物が堆積することを防止でき、排水溝の詰りを防止することができる。
3 シリンダヘッド
5 吸気装置
6 フランジ部
7 スペーサ
8 吸気マニホルド
9 フランジ部
15 ボス部
16 ボス部
17 ボス部
31 排気ガス還流通路
36 凹部
37 取付部
38 燃料噴射装置
39 排水溝
Claims (2)
- シリンダヘッドの気筒列方向と交差する幅方向の一側面に複数の吸気ポートが開口するフランジ部を突出させ、気筒列方向に延びる排気ガス還流通路を備えたスペーサを前記フランジ部に接合し、前記スペーサを前記フランジ部に締結するためのボルトが挿入される複数のボス部を前記スペーサと前記フランジ部との双方の上面部に気筒列方向に並べて且つ上方に突出するように形成する一方、前記フランジ部の上面部で前記ボス部にはさまれた凹部に前記吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射装置を取り付けたエンジンの吸気装置において、前記スペーサの前記フランジ部との接合面に前記ボス部を貫通して略水平方向に延びる排水溝を形成したことを特徴とするエンジンの吸気装置。
- 前記排水溝を前記ボス部に形成されるボルト孔と交差する位置に形成したことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの吸気装置。
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