JP4769356B2 - 針形結晶を有する無結合剤刺激可能蛍リン光体スクリーンの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の分野】
本発明は針形蛍リン光体を有する無結合剤保存蛍リン光体スクリーン(binderless storage phosphor screen)に関する。
【0002】
【発明の背景】
保存蛍リン光体の周知の用途はX−線画像の形成にある。US−A 3 859 527にパネル中に導入されている光刺激可能蛍リン光体を用いるX−線画像の形成法が開示されている。パネルはパターン通りに変調された入射X−線ビームに露出され、その結果として蛍リン光体は一時的にX−線放射パターン中に含有されるエネルギーを保存する。露出からいくからの間隔の後に可視光又は赤外光のビームがパネルを走査し、保存されたエネルギーの光としての放出を刺激し、それが検出され、連続的電気信号に変換され、それ(ら)が処理されて可視画像が形成される。この目的のために、蛍リン光体は可能な限り多くの入射X線エネルギーを保存しなければならず、走査ビームにより刺激されるまでに発散される保存されたエネルギーは可能な限り少なくなければならない。これは「デジタル放射線写真」又は「コンピューター化放射線写真(computed radiography)」と呼ばれる。
【0003】
蛍リン光体スクリーンを用いるいずれの放射線写真システムにより生ずる画質も、かくしてデジタル放射線写真システムにより生ずる画質も、蛍リン光体スクリーンの構成に大きく依存する。一般に、与えられるX−線の吸収量において、蛍リン光体スクリーンが薄い程、画質は良いであろう。これは、蛍リン光体スクリーンの結合剤対蛍リン光体の比率が低い程、そのスクリーンを用いて得られ得る画質が良いであろうことを意味する。かくして結合剤のないスクリーンが用いられる場合に最適の鮮鋭度を得ることができる。そのようなスクリーンは、例えば基質上における蛍リン光体材料の物理蒸着により製造され得、物理蒸着は熱蒸着、スパッタリング、電子ビーム蒸着(electron beam deposition)又は他であることができる。しかしながら入手可能なすべての任意の蛍リン光体を用いて高い質のスクリーンを製造するためにこの製造法を用いることはできない。上記の製造法は高い結晶対称性及び単純な化学的組成を有する蛍リン光体結晶が用いられる場合に最高の結果に導く。
【0004】
保存スクリーンもしくはパネルにおけるアルカリ金属ハライド蛍リン光体の使用は保存蛍リン光体放射線学の技術分野において周知であり、これらの蛍リン光体の高い結晶対称性は明確な構造をもつ(structured)スクリーン及び無結合剤スクリーンを与えることを可能にする。
【0005】
アルカリハライド蛍リン光体を有する無結合剤スクリーンを製造する場合、ある種のパイル、針、タイルなどとして蛍リン光体結晶を堆積させるのが有益であることが開示されている。例えばUS−A−4 769 549に、蛍リン光体層が微細な柱に形作られたブロック構造を有する場合、無結合剤蛍リン光体スクリーンの画質が向上し得ることが開示されている。例えばUS−A−5 055681にパイル−様構造でアルカリハライド蛍リン光体を含む保存蛍リン光体スクリーンが開示されている。そのようなスクリーンの画質はまだ向上させる必要があり、JP−A−06/230 198に柱様蛍リン光体を有するスクリーンの表面が粗く、その表面のレベリングが鮮鋭度を向上させ得ることが開示されている。US−A 5 874 744において、針−様又は柱−様蛍リン光体を有する保存蛍リン光体スクリーンの製造に用いられる蛍リン光体の屈折率が注意を引いている。
【0006】
この先行技術において開示されているすべてのスクリーンは優れた質を有するX−線画像を与えることができるが、記録系の感度(すなわち可能な限り低い受容線量(patient dose))と高い鮮鋭度及び低いノイズを有する画像の間のより良い妥協がまだそこで求められている。
【0007】
【発明の目的及び概略】
本発明の目的は、記録系の感度(すなわち可能な限り低い受容線量)と高い鮮鋭度及び低いノイズを有する画像の間の非常に優れた妥協を有するX−線記録系において有用な刺激可能な蛍リン光体スクリーンを提供することである。
【0008】
上記の目的は、請求項1において定義した特別な特徴を有する刺激可能な蛍リン光体スクリーンを提供することにより実現される。本発明の好ましい態様に関する特定の特徴を従属クレイムにおいて開示する。
【0009】
本発明のさらなる利点及び態様は以下の記述及び図面から明らかになるであろう。
【0010】
【発明の詳細な記述】
今回、蛍リン光体が特定の結晶配向を有する針−様結晶として基質上に存在するような方法でアルカリハライド蛍リン光体を製造することにより、それを含んでなる無結合剤蛍リン光体スクリーンを改良することが可能であることが見いだされた。スクリーンの平面において高い[100]ユニットセル(unit cell)配向を示す蛍リン光体スクリーンが製造されると、そのようなスクリーンは感度と鮮鋭度の間におけるより良い妥協を示すことが見いだされた。スクリーンの平面において高い(100)ユニットセル配向を示す蛍リン光体スクリーンは、X−線源及びX−線回折強度検出器を該スクリーンの法線に対して等しいが(方向が)異なる(equal but varying)角度で置くことによってXRD−スペクトルを測定する時に、(100)回折線の強度が(110)回折線の強度に少なくとも等しいXRD−スペクトルにより特徴付けられる。好ましくは(100)回折線の強度は(110)回折線の強度より少なくとも5倍高く、最も好ましくは(100)回折線の強度は(110)回折線の強度より少なくとも10?倍高い。
【0011】
スクリーン上でそのような結晶配向を実現するために、無結合剤蛍リン光体層は物理蒸着、熱蒸着、化学蒸着、電子ビーム蒸着、高周波蒸着(radio frequency deposition)及びパルストレーザー蒸着(pulsed laser deposition)より成る群から選ばれる方法により支持体に適用される。事実、本明細書上記で記載した蛍リン光体針の結晶性(crystallinity)の必要条件が満たされるように方法のパラメーターを調整できる限り、無結合剤蛍リン光体スクリーンの製造のための上記の方法のいずれも適している。好ましくは無結合剤蛍リン光体スクリーンは不活性ガス雰囲気下における真空蒸着により製造される。真空蒸着の間の基質の温度及び不活性ガスの圧力を調整することにより、針の結晶配向を所望のレベルに調整できることが見いだされた。
【0012】
真空蒸着の間に用いられる不活性ガスは好ましくはArである。真空蒸着装置に流入するガス流の温度は0℃〜100℃に保たれる。好ましくはガス流は室温に、すなわち約20℃〜約30℃に保たれる。真空蒸着装置に流入する冷たいガス流は蒸着する前の蒸気ならびに基質の両方を冷却し得る。該基質を50℃≦T≦300℃、好ましくは90℃≦T≦200℃であるような温度Tに保つのが好ましい。Ar−圧は最高で10Paであり、好ましくは両端を含んで1Pa〜3Paに保たれる。より好ましい実施態様の場合、Ar−圧は0.20〜2.00Paに保たれ、温度は度摂氏における温度とPaにおけるAr−圧の間の積が20〜350であるように調整される。
【0013】
蛍リン光体スクリーンを上記に示した状況下で製造すると、針の結晶配向を所望のレベルに調整できるのみでなく、針の顕微鏡的寸法に影響を与えることもできることが見いだされた:上記の方法を用いた場合、非常に薄い針が得られた。これは、蛍リン光体もしくは蛍リン光体前駆体の蒸着の速度が1mg/cm2分より高い場合に特にそうであった。
【0014】
図7は、XRD−スペクトルをTEST Aに従って測定すると、I100/I110≧1であるような強度I100を有する(100)回折線及び強度I110を有する(110)回折線を持つXRD−スペクトルを示すアルカリ金属保存蛍リン光体を含む無結合剤保存蛍リン光体スクリーンを製造するために有用な真空蒸着装置の略図を示している。そのような装置は真空容器(1)を含み、その中に蒸着源(2)が基質(4)と向き合って配置され、基質は好ましくは軸(3)の回りで回転する。典型的には650〜700℃の蒸気温度より非常に低温の、例えば室温にあるアルゴンのような不活性ガスを調節バルブ(5)を介して真空容器(1)中に導入することができる;不活性ガスは好ましくは最初にじゃま板(6)に衝突し、蒸気ジェット(7)中に直接は導入されない。不活性ガスは真空ポンプ(8)を介して再び排気され、真空ポンプは、10Pa未満、好ましくは1Pa〜3Paの圧力が真空容器(1)内に生ずるように設定される。そのように望まれる場合、冷たいガス流が基質の冷却に不十分な時には、基質(4)を外部冷却装置(示していない)に結合することができる。
【0015】
基質上における蛍リン光体結晶の真空蒸着によって、ならびに蛍リン光体のための成分(蛍リン光体前駆体)を合わせ(混合し)、次いでこの混合物を蒸発させ、蒸発の間にその場で蛍リン光体を生成させることによって本発明に従う無結合剤蛍リン光体スクリーンを製造することができる。
【0016】
本発明に従う無結合剤蛍リン光体スクリーン中の蛍リン光体は、当該技術分野において既知のいずれのアルカリ金属蛍リン光体であることもできる。適した蛍リン光体は、例えば式I:
M1+X.aM2+X’2BM3+X”3:cZ
に従う蛍リン光体であり、
式中:M1+はLi、Na、K、Cs及びRbより成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーであり、
M2+はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Cu、Pb及びNiより成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーであり、
M3+はSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Bi、In及びGaより成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーであり、
ZはGa1+、Ge2+、Sn2+、Sb3+及びAs3+の群から選ばれる少なくとも1つのメンバーであり、
X、X’及びX”は同一もしくは異なることができ、それぞれF、Br、Cl、Iより成る群から選ばれるハロゲン原子を示し、0≦a≦1、0≦b≦1及び0<c≦0.2である。そのような蛍リン光体は例えばUS−A−5 736 069に開示されている。
【0017】
本発明の無結合剤蛍リン光体スクリーンにおいて用いるために高度に好ましい蛍リン光体はCsX:Eu刺激可能蛍リン光体であり、ここでXはBr及びClより成る群から選ばれるハライドを示し:
−該CsXを、X’がF、Cl、Br及びIより成る群から選ばれるメンバーであるEuX’2、EuX’3及びEuOX’より成る群から選ばれる10-3〜5モル%のユウロピウム化合物と混合し、
−該混合物を450℃より高い温度で焼成し、
−該混合物を冷却し、
−CsX:Eu蛍リン光体を回収する
段階を含んでなる方法により製造される。
【0018】
最も好ましくはCsBr:Eu刺激可能蛍リン光体が用いられ:
−該CsXを、X’がF、Cl、Br及びIより成る群から選ばれるメンバーであるEuX’2、EuX’3及びEuOX’より成る群から選ばれる10-3〜5モル%のユウロピウム化合物と混合し、
−該混合物を450℃より高い温度で焼成し、
−該混合物を冷却し、
−CsX:Eu蛍リン光体を回収する
段階を含んでなる方法により製造される。
【0019】
無結合剤スクリーンは、(物理蒸着は熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング...の一般語(de verzamelnaam voor)である)、熱蒸着、化学蒸着、電子ビーム蒸着、高周波蒸着及びパルストレーザー蒸着より成る群から選ばれるいずれかの方法によって完成蛍リン光体を支持体上に持ってくることにより製造され得る。アルカリ金属ハライド及びドーパントを一緒にし、それらの両方を、スクリーンの製造の間にアルカリ金属蛍リン光体がドーピングされるような方法で支持体上に蒸着させることも可能である。かくして本発明は:
−CsXならびにX’がF、Cl、Br及びIより成る群から選ばれるハライドであるEuX’2、EuX’3及びEuOX’より成る群から選ばれるユウロピウム化合物の複数の容器を蒸着のための条件下に置き、
−熱蒸着、化学蒸着、電子ビーム蒸着、高周波蒸着及びパルストレーザー蒸着より成る群から選ばれる方法により、該CsX及び該ユウロピウム化合物の両方を、該基質上で10-3〜5モル%のユウロピウムがドーピングされたCsX蛍リン光体が形成されるような比率で基質上に蒸着させる
段階を含んでなる、XがBr及びClより成る群から選ばれるハライドを示すCsX:Eu刺激可能蛍リン光体を含有する蛍リン光体スクリーンの製造法を包含する。
【0020】
蒸着は、所望の割合における出発化合物の混合物を含有する1つの容器から行われ得る。かくして該方法はさらに:
−CsXを、X’がF、Cl、Br及びIより成る群から選ばれるハライドであるEuX’2、EuX’3及びEuOX’より成る群から選ばれる10-3〜5モル%のユウロピウム化合物と混合し、
−該混合物を蒸着のための条件下に置き、
−物理蒸着、熱蒸着、化学蒸着、電子ビーム蒸着、高周波蒸着及びパルストレーザー蒸着より成る群から選ばれる方法により該混合物を基質上に蒸着させる
段階を含んでなる、XがBr及びClより成る群から選ばれるハライドを示すCsX:Eu刺激可能蛍リン光体を含有する蛍リン光体スクリーンの製造法を包含する。
【0021】
本発明に従う結晶配向を持つ蛍リン光体層を有する無結合剤保存スクリーンのための有用な支持体材料には、板紙、ガラス、プラスチックフィルム、例えば酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、三酢酸セルロース及びポリカーボネートのフィルム;金属シート、例えばアルミニウム箔及びアルミニウム合金箔;普通紙;バリタ紙;樹脂−コート紙(resin−coated papers);二酸化チタンなどを含有する顔料紙(pigment papers);ならびにポリビニルアルコールなどでサイジングされた紙が含まれる。ガラス又はAl−シートあるいは熱安定性プラスチックフィルムが支持体材料として好適に用いられる。
【0022】
ガラス支持体が用いられる場合、支持体は吸光化合物がコーティングされた紙を含むことができる。この層は裏面(蛍リン光体が存在しない面)上に存在するこができるか、あるいは蛍リン光体の下に存在することができる。支持体は蛍リン光体と支持体の間のより良い接着を得るために下塗り層を含むこともできる。
【0023】
支持体は、それが熱安定性プラスチックフィルムである場合、カーボンブラックのような吸光材料を含有することができるか、あるいは二酸化チタン又は硫酸バリウムのような光−反射性材料を含有することができる。前者は高−解像度型保存スクリーンの製造に適しており、後者は高−感度型保存スクリーンの製造に適している。
【0024】
これらの支持体は支持体の材料に依存して異なり得る厚さを有し得、一般には60μm〜10,000μm、より好ましくは取り扱いの観点から80μm〜5,000μmであることができる。
【0025】
【実施例】
蛍リン光体の製造
CsBr及びEuOBrの熱蒸着を介してCsBr:Euスクリーンを製造した。この目的のために、CsBrをEuOBrと混合し、真空蒸着室内の容器中に入れた。蛍リン光体を1.5mmの厚さ及び40mmの直径を有するガラスの円板上に蒸着させた。容器と基質の間の距離は10cmであった。蒸発の間、基質を12rpmで回転させた。出発材料を有する容器を750℃の温度まで加熱した。
蒸発の開始の前に、室を4.10-5ミリバールの圧力まで排気した。蒸発過程の間、Arを室内に導入した。
蒸着過程における変数は基質温度及びArガス圧であった。表1に挙げる条件下で種々のスクリーンを製造した。蒸発させたスクリーンにおけるEu−濃度をX−線蛍光を用いて測定し、それは800ppmの大きさのものであった。
走査型電子顕微鏡(SEM)を介し、蒸着された蛍リン光体層の形態学を決定した。すべての蛍リン光体層は針形結晶で構成されていた。
図1は蛍リン光体層の端において垂直にとられた典型的蛍リン光体層のSEM図を示す。針様構造が存在することが明らかである。
【0026】
【表1】
【0027】
結晶配向の測定:TEST A
蒸着された針形結晶における結晶のユニットセルの配向をXRDスペクトルの測定を介して決定した。XRDスペクトルは商業的に入手可能な回折計を用いて測定された。回折計は、MPPS(多目的サンプリングステージ(Multiple Purpose Sampling Stage))及び0.154056nmのKα−線を発光するCu管を有するPhilips X’pertであった。スペクトルをとり、回折計と一緒に来る市販のソフトウェアを用いて分析した。設定及び測定の測定パラメーターは以下の通りであった(TEST A):
図2は比較実施例1のXRDスペクトルを示す。約21oの2Θにおいて非常に強い[100]回折線が示されており、約29oの2Θにおいてさらに強い[110]回折線が示されており、強い[200]回折線も約42oの2Θにおいて示されている。
【0028】
図3〜6はそれぞれ本発明の実施例1、2、3及び4のXRD−スペクトルを示している。これらのスペクトルにおいては、約29oの2Θにおける[110]回折線はほとんど見えないが、約21oの2Θにおける[100]回折線及び約42oの2Θにおける[200]回折線は非常に強いままである。
【0029】
スクリーンのそれぞれに関し、XRD−スペクトルにおける[100]ピークと[110]ピークの強度の間の比率を計算した。結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】
感度及び鮮鋭度測定
第1の測定において、表1に示した条件下で製造された蛍リン光体スクリーンの感度(感度(speed))を測定した。
【0032】
スクリーンを80kVpにおいて約50mRの線量を用いて均一に照射した。フライングスポットスキャナー(flying spot scanner)において読み取りを行った。該スキャナーでは、走査光源は690nmにおいて発光する30mWのダイオードレーザーであった。スクリーンの発光から刺激光を分離するために、4−mmのBG−39(Hoyaの商品名)フィルターを用いた。光電子増倍管において、走査−平均レベル(SAL’s)をスクリーンにより発せられる平均信号として決定した。
【0033】
第2の測定において、スクリーンにより形成される画像の鮮鋭度を測定した。鮮鋭度の尺度として2 lp/mmにおける矩形波応答を決定した。
【0034】
0.025〜3 lp/mmの空間周波数におけるライン対を有する格子を、スクリーンを含有するカセットの上に置いた。格子を80kVp及び5mAにおいて30”間、画像形成した。スクリーンを上記のフライングスポットスキャナーを用いて走査した。信号変調を0.025 lp/mm及び2 lp/mmにおいて決定した。2 lp/mmにおけるSWRを2 lp/mmにおける信号変調対0.025 lp/mmにおける信号変調の比率として計算した。測定の結果を表3に挙げる。そこにおいては、比較実施例のスクリーンの感度を任意に100に設定する。
【0035】
【表3】
【0036】
(100)ユニットセル配向の発現がより少ない(less developed)比較実施例1のスクリーンは、ほとんど完全な(100)ユニットセル配向を有する本発明の実施例1〜4に対して劣った質を有することが結論され得る。パラメーターとして真空蒸着の間の基質の温度及び不活性ガスの圧力を用いることにより、結晶の配向を調整し、所望の感度/鮮鋭度の妥協を選択することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】針−形蛍リン光体を有する蛍リン光体スクリーンのSEM写真。
【図2】比較の針−形蛍リン光体を有するスクリーンのXRD−スペクトル。
【図3】本発明の針−形蛍リン光体を有するスクリーンのXRDスペクトル。
【図4】本発明の針−形蛍リン光体を有するスクリーンのXRDスペクトル。
【図5】本発明の針−形蛍リン光体を有するスクリーンのXRDスペクトル。
【図6】本発明の針−形蛍リン光体を有するスクリーンのXRDスペクトル。
【図7】無結合剤保存蛍リン光体スクリーンを製造するために有用な真空蒸着装置の略図。
Claims (3)
- −アルカリ金属ハライド刺激可能蛍リン光体を準備し、
−該蛍リン光体を基質上に真空蒸着させる
段階を含んでなり、該真空蒸着の段階の間、該基質を50℃≦T≦300℃であるような温度Tに保ち、該真空蒸着を最高で3PaのAr−圧を有するAr−雰囲気中で行うことを特徴とする、XRD−スペクトルをTEST Aに従って測定する時にI100/I110≧1であるような強度I100を有する(100)回折線及び強度I110を有する(110)回折線を有するXRD−スペクトルを示す、アルカリ金属ハライド刺激可能蛍リン光体を含んでなる無結合剤刺激可能蛍リン光体スクリーンの製造法。 - −アルカリ金属ハライド刺激可能蛍リン光体のための蛍リン光体前駆体を組合わせ、
−該蛍リン光体前駆体の組合わせを基質上に真空蒸着させる
段階を含んでなり、該真空蒸着の段階の間、該基質を50℃≦T≦300℃であるような温度Tに保ち、該真空蒸着を最高で3PaのAr−圧を有するAr−雰囲気中で行うことを特徴とする、XRD−スペクトルをTEST Aに従って測定する時にI100/I110≧1であるような強度I100を有する(100)回折線及び強度I110を有する(110)回折線を有するXRD−スペクトルを示す、アルカリ金属ハライド刺激可能蛍リン光体を含んでなる無結合剤刺激可能蛍リン光体スクリーンの製造法。 - I100/I110≧5である請求項1又は2に記載の無結合剤刺激可能蛍リン光体スクリーンの製造方法。
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