JP4769186B2 - 多孔質なビトリファイド砥石及びその製造方法 - Google Patents

多孔質なビトリファイド砥石及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、多孔質なビトリファイド砥石及びその製造方法に関する。
研削及び研磨用砥石の主たる種類として結合剤別に列挙するとビトリファイド砥石、レジノイド砥石、メタル砥石及び電着砥石が挙げられる。その中でも、ビトリファイド砥石は、切れ味がよく、耐久性が高くかつドレス性がよいため広く利用されている。
一般的にビトリファイド砥石は、砥材とビトリファイド結合剤の原材料として粘土、長石、ガラスフリット等の無機質粉体を1種類以上選択し、一次結合剤とともに混合し、該混合物を金型に充填し成型する。乾燥工程を経た後600〜1300℃の高温で焼成して製造される。
一方、前記の焼成温度より低い温度で硬化する無機接着剤を使用して砥石を製造する技術が開示されている(特許文献1)。具体的には段落「0005」に焼結温度が150〜300℃前後の低温で砥粒層を砥石台金に直接焼き付けて形成することができる旨記載されている。
また、炭化ホウ素50〜30重量部とセラミック材50〜10重量部に対し水ガラス水溶液1〜10重量部%添加混合し、乾燥後800〜1200℃で焼成する技術も開示されている(特許文献2)。
特開2001−71268号公報 特開昭52−26094号公報
特開2001−71268号公報に記載されているように無機接着剤を使用しての低温で焼結した砥石は、曲げ強度が一般的な方法で製造されたビトリファイド砥石と比較して低いので砥粒保持力が不足し、砥石寿命に問題がある。また特開昭52−26094号公報に記載の製法では、添加される無機物質の量が少ないことから見て、それは高温焼結で作用する主たるビトリファイド結合剤ではないと考えられるので、十分な強度等を期待できない。
上記のような無機質砥石の製造は種々の面から検討されているが、要求される砥石特性を引き出すために、無機質結合剤等の利用法や製造条件に関して検討すべき事項が多々残されている。
特に多孔質なビトリファイド砥石を製造する場合、切れ味の良さや耐久性の高さに加えて、砥石組織の均一性や砥石の強度を考慮しなければならない。従来のビトリファイド製造工程において有機質の気孔形成剤を使用すると、焼成中形状保持が維持されない、また焼成収縮率が大きい等の問題があるため、気孔率の大きい砥石、特に気孔率60体積%以上の砥石の製造が制限されている。また、無機質中空体を使用して多孔質な砥石を製造することも考えられるが、焼成後も砥石中に無機質中空体の膜壁が残存するため、この作用により研削時の研削抵抗が増大するという問題がある。
一方、従来のビトリファイド砥石の製造においては砥石組織が均一化しにくいという問題もある。特に砥粒粒径100μm未満の細目の砥石においては気孔の分散が非均一となりやすい。
上記の各問題点に鑑み、本発明は、無機接着剤と発泡性気孔形成剤を使用して製造される多孔質なビトリファイド砥石、特に気孔率60体積%以上且つ/又は砥粒粒径100μm未満のような細目の砥石においても、均一な砥石組織を持ち、切れ味が良く且つ十分な耐久性と強度のある砥石、並びにその製造方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決する本発明の多孔質で無機質なビトリファイド砥石は、砥粒、結合剤及び気孔からなる組織を有する砥石であって、無機接着剤とガラスフリットにより形成された結合剤、及び自然気孔と気孔形成剤により形成された気孔を有することを特徴とする。
本発明の多孔質なビトリファイド砥石は、前記ガラスフリットの軟化点が300〜900℃、好ましくは400〜900℃であるとよい。
また本発明の砥石は、溶融アルミナ系砥粒、ゾルゲルアルミナ質砥粒、炭化珪素系砥粒、アルミナ−ジルコニア系砥粒、酸化セリウム系砥粒、シリカ系砥粒、CBN系砥粒、及びダイヤモンド系砥粒よりなる群から一種以上選択される砥粒を有するとよい。
本発明による多孔質なビトリファイド砥石の製造方法は、砥材、無機接着剤、ガラ
スフリット及び気孔形成剤を水に溶解して得られる液状混合物を型に流し込み、該型内の混合物を常温〜300℃で乾燥固化させると同時に前記気孔形成剤を発泡させ、乾燥固化した混合物をさらに600〜1000℃で焼成してビトリファイド砥石を得ることを特徴とする。
本発明の製造方法では、前記気孔形成剤として、液状の発泡性気孔形成剤を使用してもよいし、固形の発泡性気孔形成剤を使用してもよい。また、軟化点が300〜900℃、好ましくは400〜900℃であるガラスフリットを使用するとよい。また、使用される砥粒は、溶融アルミナ系砥粒、ゾルゲルアルミナ質砥粒、炭化珪素系砥粒、アルミナ−ジルコニア系砥粒、酸化セリウム系砥粒、シリカ系砥粒、CBN系砥粒、及びダイヤモンド系砥粒よりなる群から一種以上選択することができる。
本発明は、無機接着剤とガラスフリットにより形成された結合剤、及び自然気孔と気孔形成剤により形成されたほぼ均一な気孔を有する多孔質なビトリファイド砥石を提供でき、特に気孔率60体積%以上且つ/又は砥粒粒径100μm未満の細目の砥石において、均一な砥石組織を持ち、切れ味が良く、且つ耐久性及び強度が高い砥石、及びその製造方法を提供することができる。
実施例1で作製したテスト砥石の砥石組織の電子顕微鏡写真である。 実施例3,4のカップ型砥石の概略構成を示す断面図である。 実施例3,4として作製したカップ型砥石を正面から撮影した写真である。 図3のカップ型砥石の砥石片周辺を側面から撮影した拡大写真である。
符号の簡単な説明
1 砥石片
2 カップ型金属台金
3 砥石研磨面
本発明の砥石は、砥材、無機接着剤、ガラスフリット及び気孔形成剤を含んでなる混合物を流し込み成型することにより製造される、多孔質なビトリファイド砥石である。
本願明細書にいう「多孔質なビトリファイド砥石」とは、有機系の一次結合剤を含まず、実質的な一次結合剤として無機接着剤を使用し、さらに無機接着剤と共にガラスフリットを使用して焼結され、発泡剤により形成された気孔と自然気孔を含んだ砥石を意味する。本発明によれば、砥石原料混合物の乾燥固化時に良好な気孔形成が行われ、その後、ガラスフリットを介したビトリファイド化が進むので、均一な砥石組織、特に微細且つ均一な気孔組織を持ち、且つ十分な強度を有する多孔質ビトリファイド砥石を製造することができる。
先ず、本発明の砥石の製造に使用される各材料について説明する。
無機接着剤は、比較的低温で硬化し、主として成型から焼成まで砥石形状を維持するのに役立つ無機物質である。このような無機接着剤は、シリカ・アルミナ、アルミナ、シリカ、ジルコニア・シリカ、ジルコニア、珪酸ソーダ、リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム等のうち1種又は2種以上を主成分とし、水ガラス、シリカゾル、リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム等のバインダー、ケイ酸イオン等を硬化剤とするものから適宜選択することができる。ケイ酸アルカリ系、例えば水ガラスをバインダーとするものは、加熱脱水によりケイ酸イオンが重合して硬化する。好ましい無機接着剤は、珪酸ソーダを主成分としてケイ酸アルカリ系をバインダーとして使用したものである。
気孔形成剤には、有機性気孔形成剤、及び無機中空体などの無機性気孔形成剤のいずれを使用していもよいし、それらを一緒に使用してもよい。特に発泡性の気孔形成剤が好ましく、例えば、球状の発泡スチロール等が好適に使用される。また本発明に使用される発泡性気孔形成剤は、固形発泡剤又は液状発泡剤のいずれを使用してもよいし、両方を適度な割合で使用してもよい。好ましくは、液状発泡剤を使用する。
好ましい液状発泡剤は、一般式ROOC−N=N−COOR(この式中、それぞれのRは直鎖でも分岐でもよい1〜4の低級アルキル基を示す)で表されるジアルキルアゾジカルボキシレートである。より好ましいジアルキルアゾジカルボキシレートは、ジイソプロピルアゾジカルボキシレートである。また、本発明に使用できる他のジアルキルアゾジカルボキシレートには、ジメチルアゾジカルボキシレート、ジエチルアゾジカルボキシレート、ジプロピルアゾジカルボキシレート、ジtert−ブチルアゾジカルボキシレート、及びそれらの混合物が含まれる。これらジアルキルアゾジカルボキシレートは、加熱により熱分解されて発泡し、砥石組織内に多くの発泡気孔を形成する。典型的にはその熱分解温度が250℃前後で、また常温で揮発性はなく安全である。その発泡は50℃付近から始まるが、好ましい気孔を得るには、60〜200℃まで加熱するのがよい。前記のジアルキルアゾジカルボキシレートに代表される液状発泡剤は、酸性溶液下、アルカリ性溶液下、又はフェノール樹脂、スルホン酸、塩化ビニル、及び脂肪酸金属塩を添加した場合は常温で発泡が起こる。本発明に使用される無機接着剤溶液はアルカリ性溶液なので常温でも発泡が起こり、また流し込み成型物の水分はその時の熱で蒸発し成型物が固化する。
上記のように本発明では、加熱や冷却処理を施すことなく常温下で液状発泡剤の発泡および無機接着剤の固化を開始することができる。本願明細書に使用される常温という用語は、砥石原材料の加熱や冷却処理を行わなくとも液状発泡剤の発泡および無機接着剤の固化が進行し得る周囲温度を意味し、具体的には0〜30℃と定義し得る。
上述の通り、本発明では、アルカリ性溶液である無機接着剤を使用することにより常温での発泡による気孔形成と砥石固化が起こるので好ましい。
ガラスフリットは、砥石組織をビトリファイド化して砥石を焼結させるのに必要な無機結合剤であり、典型的にはその化学成分が主としてホウケイ酸ガラスであるものを使用することができる。その他、ソーダ石炭ガラス、各種結晶化ガラスなどを使用してもよいが、これらに限定されない。
ガラスフリットと無機接着剤固形分との割合は3:1〜1:7の範囲で適宜変化させ得るが、2.5:1〜1:6が好ましい。ガラスフリットの軟化点は、焼成時にガラスフリットが十分に軟化溶融するように、所定の焼成温度もよりも低い温度で溶融を開始する温度が好ましく、例えば、焼成温度よりも100℃ほど低いことが好ましい。但し、焼成温度と軟化点との温度差が大きすぎると砥石製造中にクラック等の不具合が発生するので、その温度差は300℃以下であることが望ましい。
砥粒には、溶融アルミナ系砥粒、ゾルゲルアルミナ質砥粒、炭化珪素系砥粒、アルミナ−ジルコニア系砥粒、酸化セリウム系砥粒、シリカ系砥粒、及びCBN又はダイヤモンド系砥粒などの超砥粒などを好適に使用することができる。使用すべき砥粒は、研削条件に応じて前記のものから1種類以上が選択される。
砥粒粒度は、F4(「JIS R6001 研削砥石用研磨材の粒度」に記載されている「粗粒の種類」に示された粒度表示に従う)〜平均粒子径0.1μmまで使用することができる。好適には、F4(「JIS R6001 研削砥石用研磨材の粒度」に記載されている「粗粒の種類」に示された粒度表示に従う)〜平均粒子径0.2μmで使用することができる。特に好適には、#1000(「JIS R6001 研削砥石用研磨材の粒度」に記載されている粒度表示であって、「精密研磨用微粉の種類」中の「電気抵抗試験方法」により示された粒度表示に従い、累積高さ50%点の粒度分布11.5±1.0μm)〜平均粒子径0.5μmで使用することができる。
次に、本発明の砥石の製造方法を説明する。
本発明の砥石の製造工程は、上述の砥石原材料を水溶液中に混合分散し、これを砥石成型用の型内に流し込む工程、流し込まれた液状混合物を常温(0〜30℃)〜300℃で乾燥固化させると共に発泡させる工程、及びその乾燥固化物をガラスフリットの溶融温度以上、具体的には600〜1000℃で焼成する工程を含む。本法において、流し込み成型を行うのは、混合される各原材料の分散性を高め、よい均一な砥石組織を形成する狙いがある。
上記の原材料を使用する本発明の製造方法では、乾燥固化工程において、流し込み後に常温〜300℃で無機接着剤が硬化するが、これと同時に発泡性気孔形成剤が発泡して人工気孔が形成される。このメリットとして、流し込み成型される砥石の製造上の不具合を防止する働きがある。すなわち、硬化時、混合物に含まれる水分が蒸発して成型物が乾燥していくが、この乾燥時に成型物上にヒビ割れが発生することがある。本発明の製法によると、固化が進む際に液状混合物に気孔形成剤の発泡作用により気孔が形成されるので、液状混合物内の水分を外部に逃がすための空洞を形成することになる。こうして気孔形成剤は、液状混合物内で均一な気孔を形成するとともに製造時にはヒビ割れの発生を防止する働きもする。この効果は、固形発泡剤より分散性が大きい液状発泡剤を使用する方法において特に有利である。
本発明に従って流し込み成型より製造される砥石の内部には、液状の原料を調製する時に混入した気泡および水が抜けた跡と思われる部分に由来する自然気孔と添加した発泡剤に由来する人工気孔とが形成され、発泡剤による気孔は自然気孔と比べて大きな気孔となる。これら双方の気孔が砥石内部に均一に分散することができるので、製造される砥石は、高い気孔率を持つ均一な砥石組織を有することができる。
また、上記のように先に低温で乾燥固化処理することにより、その後の高温焼成時に生じおそれのある砥石焼成物のクラック又は変形を防止する効果もある。また原料に有機系の一次結合剤が含まれていないので、焼成中の異臭及び一次結合剤が原因とあるクラック等が防止され、さらに砥石中の水分が完全に乾燥されるので残留水分による焼成中の不具合も防止される。
上記の固化工程に続いて、混合成型物は600〜1000℃で焼成される。ここで、ガラスフリットが無機接着剤と化学反応を起こし強度が向上する。すなわち、本発明に従ってガラスフリットを使用する砥石製造によれば、無機接着剤の硬化後、さらに600〜1000℃で焼成されてガラスフリットが軟化溶融するので、ガラスフリットは、砥粒との結合力が向上すると共に無機接着剤とも化学反応を起こしてビトリファイド化することができる。これに対して、無機接着剤のみを使用する従来の方法で製造されたビトリファイド砥石は、本発明と比較して曲げ強度が低いので、砥粒保持力が不足し、砥石寿命が短くなる。
上記のように本法は、無機接着剤、ガラスフリット及び気泡形成剤の各特性が十分に活かされるように乾燥固化(硬化)と焼成の各工程を順次分けて行うことにより、望ましい多孔質なビトリファイド砥石の製造を可能にしたものである。
砥石組成としては、砥粒率は5〜50体積%、気孔率は30〜90体積%の範囲で製造を行うことできる。特に本発明によれば、一般には製造が難しいとされる気孔率60〜90体積%のビトリファイド砥石を容易に製造することができる。なお結合剤率、つまり無機接着剤+ガラスフリットの体積率は100%から砥粒率及び気孔率を引いた値である。
本発明は、低い研削抵抗と良好な仕上げ面粗度の特性を有する多孔質ビトリファイド砥石を提供することができる。本発明の砥石は、一般的な研削条件、円筒研削、平面研削、内面研削、総型研削等において良好に使用できる。特に本発明の砥石は、鉄系材料を被削材とする研削・研磨に良好に使用でき、さらに非鉄系材料であるシリコンウエハー、超硬、アルミナ、サファイヤ、石英、炭化物材料、窒化物材料、各種ガラス、セラミック材料などの硬脆性材料の研削・研磨にも良好に使用できる。
以下、本発明の実施例を比較例とともに説明するが、これらは本発明の実施可能性及び有用性を例証するものであり、本発明の構成を何ら限定する意図はない。
[曲げ強度テスト]
本発明を適用した砥石(実施例1)と、無機接着剤のみを結合剤として使用した砥石(比較例1)についての曲げ強度を比較した。
表1及び表2に各テスト砥石の原材料と混合比を示す。
(実施例1)
実施例1のテスト砥石の作製手順:
1. 上記に記載した原料を均一に混合した。
2. スラリー状の混合物を120×30mmの金型に流し込んだ。
3. 60℃で72時間加熱した。
4. 加熱して得られた固形物を型から取り出した。
7. 900℃で7時間で焼成した。
8. 焼成後、厚み方向を削って120×30×40mmの直方体の角型砥石を作製した。
(比較例1)
比較例1のテスト砥石の作製手順:
1. 上記に記載した原料を均一に混合した。
2. スラリー状の混合物を120×30mmの金型に流し込む。
3. 60℃で72時間加熱した。
4. 加熱後、厚み方向を削って120×30×40mmの直方体の角型砥石を作製した。
評価手順:
JIS規格(ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法R1601、2004)に従い、各テスト砥石をスパン間距離100mm、荷重降下速度1.0mm/minにて3点曲げ強度を行った。テスト砥石は各3個製造し、3個の平均値を比較データとした。
表3に曲げ強度試験の結果を示す。
表3に示されるように、実施例1のテスト砥石は比較例1のものと比べて3倍の曲げ強度があった。これは、本発明に従ってガラスフリットを添加し900℃の高温で焼成した効果である。
図1は、実施例1で作製したテスト砥石の電子顕微鏡写真である。その組織状態を見ると微細な自然気孔と共に液状発泡剤により、気孔径の均一な気孔が形成されていることが分かる。
[研削テスト1]
本発明を適用したテスト砥石(実施例2)を使用して研削テストを行い、仕上げ面粗さ(Ra、Rz)を測定した。
(実施例2)
実施例2のテスト砥石の作製手順:
1. 実施例1に記載したのと同じ原料を均一に混合した。
2. スラリー状の混合物を外周205mm、穴径50mmの金型に流し込んだ。
3. 60℃で72時間加熱した。
4. 加熱して得られた固形物を型から取り出した。
7. 900℃で7時間で焼成した。
8. 焼成後、仕上げ加工を行い、φ205×t10×h50mmの1A砥石を作製した。
表4に研削テスト条件を示す。
仕上げ面粗さ(Ra、Rz)算出手順:
[Ra]
中心線平均粗さ(Ra)は、粗さの曲線からその中心線の方向に測定長さlの部分を抜取り、この抜取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸、粗さ曲線y=f(x)で表したとき、次の式によって求められる価をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
[Rz]
テストする砥石の仕上げ面における面粗度は、十点平均粗さRzとして測定される。十点平均粗さRzは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から縦倍率方向に測定し、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高Ypの絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高Yvの絶対値の平均値との和として求められる。本実施例では、Rzが0.50μmを越え10.0μm以下で、基準長さ0.8mm及び評価長さ4mmの区分に従った。
研削テスト結果:
本実施例のテスト砥石の仕上げ面粗さ(Ra、Rz)は下記の通りであった。
Ra 0.014μm
Rz 0.102μm
研削テスト結果で示されるように本実施例のテスト砥石は良好な面粗度となった。このことは、本発明に従って製造された砥石は、被削材の表面粗度に応じて要求される加工に対し、良好な研削が可能であることを示す。
[研削テスト2]
本発明を適用したテスト砥石を使用して、シリコンウエハーを被削材とする研削テストを行い、仕上げ面粗さ、研削動力、砥石消耗、被削材除去量について評価した。
表5および表6に実施例3および4の各テスト砥石の原材料と混合比を示す。
(実施例3および4)
実施例3および4のテスト砥石の作製手順:
1. 上記に記載した原料を均一に混合し、スラリー状にした。
2. スラリー状の混合物を縦90mm、横70mmの金型に流し込んだ。
3. 60℃で24時間加熱した。
4. 前記までで作製した固形物を型から取り出した。
5. 空気雰囲気中、850℃で7時間で焼成した。
6. 焼成後の砥石組成は、実施例3の砥石で、砥粒体積率20.3%、結合剤体積率18.9%、気孔率60.8%となった。実施例4の砥石で、砥粒体積率18.6%、結合剤体積率11.3%、気孔率70.1%となった。
7. 図2に示す形状のカップ型砥石を作製するために、前記した作製手順に従い、長さ20mm、幅3mm、高さ5mmのセグメント砥石片を各28個作製した。各砥石片(1)を、硬化後、カップ型台金(2)のリング状周縁部の上に等間隔に貼り付け、仕上げ加工を行ってφ200×t35×h40mmのカップ型砥石を作製した(図3,4の写真を参照)。
各評価項目の求め方は、以下の通りである。
仕上げ面粗さRa(μm)算出手順:
仕上げ面粗さRaは、上記の研削テスト1と同様の算出手順により求めた。
研削動力(kW):
砥石軸モーターの消費電力をWとし、式:612×W /周速(60/100)により求められる。なお、周速として前記砥石周速度を使用した。
砥石消耗(μm):
研削盤の研削寸法自動測定機能を使用して求めた。
被削材除去量(μm):
研削盤の研削寸法自動測定機能を使用して求めた。
テスト結果:
実施例3および実施例4の双方ともウエハー除去量については、目標の除去量40μmに近い除去量を示した。砥石消耗については、異常な消耗及び消耗量の停滞が認められず、ウエハー除去が正常に行われ、順調に研削作業が行われていたことを示す。仕上げ面粗さ(Ra)及び研削動力(Ft)の各特性においても異常値は認められなかった。以上の結果より、実施例の砥石は、シリコンウエハーを対象とする研削作業においても適正かつ良好な研削が可能であることが示された。

Claims (8)

  1. 砥粒、結合剤及び気孔からなる組織を有する多孔質なビトリファイド砥石であって、アルカリ性溶液の無機接着剤とガラスフリットとにより形成された結合剤、及び自然気孔と液状発泡剤からなる気孔形成剤とにより形成された気孔を有し、気孔率が60〜90体積%であり、前記液状発泡剤がジアルキルアゾジカルボキシレートである、多孔質なビトリファイド砥石。
  2. 前記ガラスフリットの軟化点が300〜900℃であることを特徴とする、請求項1に記載の多孔質なビトリファイド砥石。
  3. 前記ガラスフリットの軟化点が400〜900℃であることを特徴とする、請求項2に記載の多孔質なビトリファイド砥石。
  4. 前記砥粒が、溶融アルミナ系砥粒、ゾルゲルアルミナ質砥粒、炭化珪素系砥粒、アルミナ−ジルコニア系砥粒、酸化セリウム系砥粒、シリカ系砥粒、CBN系砥粒、及びダイヤモンド系砥粒よりなる群から一種以上選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質なビトリファイド砥石。
  5. 多孔質なビトリファイド砥石の製造方法であって、砥材、アルカリ性溶液の無機接着剤、ガラスフリット及び液状発泡剤であるジアルキルアゾジカルボキシレートを水に分散して得られる液状混合物を型に流し込み、該型内の混合物を常温〜300℃で乾燥固化させると同時に前記気孔形成剤を発泡させ、乾燥固化したものをさらに600〜1000℃で焼成して気孔率が60〜90体積%のビトリファイド砥石を得ることを特徴とする、多孔質なビトリファイド砥石の製造方法。
  6. 軟化点が300〜900℃であるガラスフリットを使用することを特徴とする、請求項5に記載の製造方法。
  7. 軟化点が400〜900℃であるガラスフリットを使用することを特徴とする、請求項6に記載の製造方法。
  8. 砥材として使用される砥粒が、溶融アルミナ系砥粒、ゾルゲルアルミナ質砥粒、炭化珪素系砥粒、アルミナ−ジルコニア系砥粒、酸化セリウム系砥粒、シリカ系砥粒、CBN系砥粒、及びダイヤモンド系砥粒よりなる群から一種以上選択されることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
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