JP4768773B2 - 薄膜形成装置および薄膜形成方法 - Google Patents

薄膜形成装置および薄膜形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、AlGaNなどガリウムを含む化合物半導体の薄膜を形成する薄膜形成装置および薄膜形成方法に関するものである。
近年、窒化物半導体が注目されており、この中でも、III族としてガリウム(Ga),アルミニウム(Al),インジウム(In)、V族として窒素(N)が構成元素として一般的である。これらを組み合わせた化合物半導体の薄膜(結晶)は、発光ダイオードや半導体レーザなどの光デバイスや、高電子移動度トランジスタ(HEMT)などの電子デバイスへ応用されている。また、上述したような化合物半導体の薄膜の作製では、一般的には、有機金属気相成長(MOVPE)法などの気相成長法が用いられている。
このような気相成長法においては、前述した化合物半導体の薄膜を形成する場合、例えば、Ga原料としてトリメチルガリウム(TMGa),Al原料としてトリメチルアルミニウム(TMAl),インジウム原料としてトリメチルインジウム(TMIn)などの有機金属化合物が用いられ、また、窒素原料としてはアンモニアが用いられている。
これらの原料(原料ガス)を組み合わせることによって、III族−窒素の混晶、例えば、AlGaN,InGaN,AlInN,AlGaInNなどの化合物半導体の薄膜を成長させ、所望のデバイス特性を実現する構造を形成するようにしている。従って、上述した化合物半導体(混晶)の組成を制御し、また、品質(結晶品質)を向上させることは、作製するデバイスの高性能化に資することから、非常に重要である。
例えば、HEMTのバリア層(キャリア供給層)には、一般にはAlGaNが用いられており、HEMTデバイスの高性能化のためには、高組成でAlを含む高品質のAlGaN層の形成が重要となる。バリア層を構成するAlGaNのAl組成を高くすることは、HEMTデバイスの高周波特性向上に極めて有利となる。このようなAlGaN層の形成においては、MOVPE法で行う場合、Gaの原料であるTMGaとAlの原料であるTMAlとの供給流量を、マスフローコントローラなどで制御することで、組成の制御を行っている。
D.E.Shriver, et al. "Inorganic chemistry", Oxford University Press, p.303, 1992.
ところで、GaやAlなどのIII族元素のマイグレーションの度合いが低いため、結晶の品質を向上させるためには、より高い温度(例えば900℃)で成長を行うことになる。しかしながら、AlGaNにおいてAlの組成を高くすると、上述したように高温で成長を行うと下地(例えばGaN)との間の熱歪みが大きくなり、表面にクラックが入りやすくなるという問題がある。例えば、Al組成が35%を超えるAlGaN層を形成する場合、クラックが形成されることなしに高い温度で成長することが困難であり、高品質な状態を得ることが容易ではない。このように、Gaを含む化合物半導体の層を高い品質で形成しようとすると、従来では、高い温度で成長することになるための様々な問題が発生し、高い品質のGaを含む化合物半導体層を形成することが容易ではないという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、高い品質のGaを含む化合物半導体層をより容易に形成できるようにすることを目的とする。
本発明に係る薄膜形成装置は、基板を加熱する加熱手段と、インジウムの有機金属からなるインジウム原料ガスを含む原料ガスを供給する原料供給手段と、原料供給手段が供給する原料ガスにガリウムを接触させるガリウム接触手段とを少なくとも備え、ガリウムに接触した原料ガスを基板の表面に供給するようにしたものである。
上記薄膜形成装置において、基板の表面にアルミニウムの有機金属からなるアルミニウム原料ガスを供給するアルミニウム原料供給手段と、基板の表面に窒素原料ガスを供給する窒素原料供給手段とを備える。また、基板の表面に窒素原料ガスを供給する窒素原料供給手段を備え、原料供給手段は、インジウム原料ガスに加えてアルミニウムの有機金属からなるアルミニウム原料ガスを供給するようにしてもよい。
なお、例えば、アルミニウム原料ガスはトリメチルアルミニウムであり、窒素原料ガスはアンモニアである。また、インジウム原料ガスはトリメチルインジウムである。
また、本発明に係る薄膜形成方法は、基板を加熱する基板加熱工程と、インジウムの有機金属からなるインジウム原料ガスを含む原料ガスを、ガリウムに接触させた後で基板の表面に供給する原料供給工程とを少なくとも備えるようにした方法である。
上記薄膜形成方法において、原料供給工程では、基板の表面にアルミニウムの有機金属からなるアルミニウム原料ガス及び窒素原料ガスを供給する。また、原料供給工程では、インジウム原料ガスに加えてアルミニウムの有機金属からなるアルミニウム原料ガスを含む原料ガスを供給するとともに、窒素原料ガスを基板の表面に供給するようにしてもよい。なお、例えば、アルミニウム原料ガスはトリメチルアルミニウムであり、窒素原料ガスはアンモニアである。また、インジウム原料ガスはトリメチルインジウムである。
以上説明したように、本発明によれば、インジウムの有機金属からなるインジウム原料ガスを含む原料ガスを、ガリウムに接触させた後で、加熱されている基板の表面に供給するようにしたので、高い品質のGaを含む化合物半導体層が、より容易に形成できるようになるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における薄膜形成装置の構成を示す構成図である。この薄膜形成装置は、成膜室101と、成膜対象の基板Wが載置される基板載置台102と、基板載置台102を支持する支持部103とを備える。基板載置台102は、加熱機構を内蔵し、載置される基板Wを、例えば、最大1100℃に加熱可能としている。また、薄膜形成装置は、成膜室101内の基板載置台102に載置される基板Wの表面に、インジウム(In)の有機金属からなるIn原料ガスを含む原料ガスを供給する原料ガス供給部(原料供給部)104を備える。
加えて、本実施の形態1における薄膜形成装置は、原料ガス供給部104が供給する原料ガスにガリウム(Ga)を接触させるガリウム配置部(ガリウム接触手段)105を備える。ガリウム配置部105は、例えば、原料ガス供給部104が供給する原料ガスを通過させる経路と、この経路に配置された金属Gaと、この金属Gaを加熱する加熱部とを備えるものである。従って、原料ガス供給部104より供給される原料ガスに含まれているIn原料ガスは、ガリウム配置部105を通過することで、例えば50℃に加熱された金属Gaに接触し、この後、基板Wの表面に供給されることになる。
本実施の形態1における薄膜形成装置では、原料ガス供給部104より、Ga原料ガスは含まずにIn原料ガスを含む原料ガスが供給され、これがガリウム配置部105で金属Gaに接触した後、加熱されている基板Wの表面に供給されると、Gaを含む化合物半導体の層が、基板Wの上に形成されるようになる。例えば、原料ガス供給部104より、In原料ガスとしてトリメチルインジウム(TMIn)及びアルミニウム(Al)原料ガスとしてトリメチルアルミニウム(TMAl)を含む原料ガスが、ガリウム配置部105を通過して供給され、また、図示しない窒素原料供給部よりアンモニアが供給されると、加熱された基板Wの上には、AlGaN層が形成されるようになる。
これは、原料ガス供給部104より供給されるTMInが、金属Gaに接触することで、Gaのメチル化合物(有機金属化合物)が生成されて基板Wの上に供給されるためと考えられる。このようにして生成されるGaの有機金属化合物が供給される基板Wの上では、供給されたGaの有機金属化合物が熱分解して生成されるGaの表面マイグレーションがより促進されるようになり、この結果、高い品質(高い結晶性)のGaを含む化合物半導体層が形成できるものと考えられる。また、上述したようにして生成されるGaの有機金属化合物は、一般に原料として用いられているGa原料に比較して不純物濃度が低い状態となる。
上述したようにして本実施の形態1における薄膜形成装置により形成される上述したAlGaN層は、Ga原料ガス(例えばトリメチルガリウム)を用いて同様に成長したAlGaN層に比較して、より高品質な状態に形成されるようになる。また、本実施の形態によれば、Ga原料ガスを用いる場合に比較し、より低温でより高品質なAlGaN層が形成できるので、AlGaN層の表面にクラックが形成されるという問題が抑制できるようになる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について図2,図3A,及び図3Bを用いて説明する。図2は、本発明の実施の形態2における薄膜形成装置の構成を示す構成図である。この薄膜形成装置は、成膜室101と、成膜対象の基板Wが載置される基板載置台102と、基板載置台102を支持する支持部103とを備える。基板載置台102は、加熱機構を内蔵し、載置される基板Wを、例えば、最大1100℃に加熱可能としている。これらは、前述した実施の形態1と同様である。
本実施の形態2では、成膜室101内の基板載置台102に載置される基板Wの表面に、Inの有機金属(例えばTMIn)からなるIn原料ガスを供給するIn原料ガス供給部204と、成膜室101内の基板載置台102に載置される基板Wの表面に、Alの有機金属(例えばTMAl)からなるAl原料ガスを供給するAl原料ガス供給部205と、成膜室101内の基板載置台102に載置される基板Wの表面に、窒素(N)のN原料ガス(例えばアンモニアガス)を供給するN原料ガス供給部206とを備える。
In原料ガス供給部204より供給されるTMInは、導入配管214で輸送されて成膜室101に導入される。また、Al原料ガス供給部205より供給されるTMAlは、導入配管215で輸送されて成膜室101に導入される。また、N原料ガス供給部206より供給されるアンモニアは、導入配管216で輸送されて成膜室101に導入される。なお、これらの各原料ガスは、よく知られているように、キャリアガスとして水素ガスもしくは窒素ガスを用いて輸送(供給)される。
また、本実施の形態2における薄膜形成装置は、In原料ガス供給部204が供給するIn原料ガスにGaを接触させるガリウム配置部105を、導入配管214の途中に備える。ガリウム配置部105は、前述した実施の形態1と同様である。従って、In原料ガス供給部204より供給されるIn原料ガスは、導入配管214を輸送される途中でガリウム配置部105を通過することで、例えば50℃に加熱された金属Gaに接触し、この後、基板Wの表面に供給されることになる。ガリウム配置部105は、例えば、導入配管214の一部にリボンヒータを巻き付け、この箇所の導入配管214内に金属Gaを配置したものであればよい。
次に、本実施の形態2における薄膜形成方法について、図3A,図3Bを用いて説明する。まず、サファイア(酸化アルミニウム)からなる基板Wを成膜室101に搬入して基板載置台102上に載置する。次いで、基板載置台102が内蔵している加熱機構を動作させて基板Wを所定温度(例えば700℃)に加熱する。なお、基板温度条件は、650〜1100℃であればよい。
次に、In原料ガス供給部204,Al原料ガス供給部205,およびN原料ガス供給部206を動作させ、各々よりTMInガス,TMAlガス,およびアンモニアガスが供給される状態とする。また、ガリウム配置部105では、内蔵している金属Gaを例えば80°程度に加熱している。以上のことにより、図3Aに示すように、加熱されている基板Wの上には、TMAlガスとアンモニアガスとTMInが金属Gaに接触して変化した原料ガスとが混合した原料ガス311が供給される。このようにして供給された原料ガス311は、加熱されている基板Wの表面で分解され、この分解などにより、図3Bに示すように、基板Wの上にAlGaN層302が形成される。
次に、In原料ガスをGaに接触させた後で、基板の上に供給することで、Gaを含む化合物半導体層を形成するという本願発明について考察する。
まず、発明者らは、所望とする組成のAlGaN層を形成する際に、TMGaを用いずにTMInを用い、TMInの供給経路に金属Gaを配置しておくと、高いAl組成の高品質なAlGaN層が形成可能であることを見いだした。また、成長させているAlGaN層の組成は、TMInの供給量と、金属Gaの加熱温度(50℃以上)に依存することも見いだした。これらの現象は、次に示すような化学反応によるものではないかと考えられる。
TMInが加熱された金属Gaと反応し、メチル基に結合しているInと置換反応を生じ、モノメチルガリウム,ジメチルガリウム,もしくはトリメチルガリウムが生成されて気体となり、TMInの代わりに上記のガリウムの有機金属化合物が基板の上に供給され、この結果、基板の上に、AlGaN層が成長されるようになる。
しかしながら、これまでは、金属ガリウムとTMInとが反応するという報告はなされていなく、上述した反応機構のさらなる解明が重要である。ここで、II属元素において、亜鉛の有機金属化合物であるジエチル亜鉛(DEZn)の精製で、ジエチル水銀(DEHg)との間で、「Hg(C252+Zn→Hg+Zn(C252」の化学反応によるエチル基交換反応を利用することが知られている。このような反応は、トランスメタレーション(Trancemetalation)と呼ばれており、DEHgとGaとの間でも同様の反応が起こるものとされている(非特許文献1参照)。
上述したDEHgとZnとの間のトランスメタレーションは、Znの電気陰性度1.65とHgの電気陰性度2.00との差により発生するものとされ、Hgに比較して電気陰性度の小さいZnにエチル基が遷移する反応とされている。
上述したDEHgとZnとの関係を、TMInとGaとに置き換えると、報告されているGaの電気陰性度1.81に対し、Inは電気陰性度1.78とあまり差がないため、本願発明の機構が、上述したトランスメタレーションと完全に同一であると断定することはできない。しかしながら、Gaを加熱してより高い温度としておくことで、TMInとの間のトランスメタレーションが促進されるのではないかと考えられる。これは、金属Gaの加熱温度を高くしておくことで、前述した成長によりエピタキシャル成長しているAlGaN層におけるGaが増加することからも推測できる。
また、上述したDEHgとZnとの化学反応では、DEHgがほぼ完全にDEZnに置換しているが、TMInとGaの場合は、TMInの全てのメチル基がGaと結合するのではなく、一部のメチル基とGaとが結合してジメチルガリウムやモノメチルガリウムが生成し、これらが基板の上に輸送され、エピタキシャル成長している薄膜に取り込まれるものと考えられる。この場合、TMGaの気相における分解が部分的に進行していることに等価と考えられ、基板表面のエピタキシャル成長面での原子(Ga)のマイグレーションを促進させる効果が生じ、結果として、成長した薄膜の高品質化に寄与するものと考えられる。
次に、本実施の形態2において形成される薄膜(AlGaN層)のデバイスへの適用例について説明する。
図4は、AlGaNを用いたHEMTデバイスの構成(部分)模式的に示す断面図である。このHEMTデバイスは、サファイア基板401と、サファイア基板401の上にエピタキシャル成長されたGaNからなる膜厚20μmのキャリア走行層402と、キャリア走行層402の上にエピタキシャル成長されたAl0.25Ga0.75Nからなる膜厚20nmのバリア層403とを備える。バリア層403は、キャリア走行層402に対してキャリアを供給するキャリア供給層として機能し、これらの界面近傍のキャリア走行層402には、チャネルとなる2次元電子ガス402aが形成される。また、バリア層403の上には、ショットキー接続するゲート電極404が形成され、ゲート電極404を挟むように、オーミック接続するソース電極405およびドレイン電極406が形成されている。
上述したHEMTデバイスにおいて、本実施の形態2のTMInガスを金属Gaに接触させて供給する方法により、キャリア走行層402およびバリア層403の形成を行えば、特性のよいHEMTデバイスが得られる。Alの組成比を高い状態としたAlGaNを用いることで、バリア層403をより薄くすることが可能となり、HEMTデバイスの高周波特性を向上させることができるようになる。
次に、上述したHEMTデバイスのバリア層403を、TMGaを原料とした従来の技術により作製した比較試料デバイスと、本実施の形態により作製した試料デバイスとにおいて、二次元電子ガスの特性(Al組成比に対するキャリア濃度,電子移動度)を評価する。図5の白三角に示すように、バリア(AlGaN)層中のAl組成が35%を超えると、キャリア濃度が急激に低下する。また、電子移動度も、図5の白丸に示すように、バリア層中のAl組成が35%を超えると急激に低下する。これは、AlGaN層の品質劣化を示している。さらにAl組成を増加させると、AlGaN層の表面にクラックが発生し、上記特性の評価も行えなくなる。
上述した従来の方法に対し、本実施の形態によれば、図5の黒三角および黒四角に示すように、Al組成が40%を超えても各特性の劣化が見られず、高品質が維持されていることがわかる。なお、黒三角は、Al組成に対するキャリア濃度の変化を示し、黒四角は、Al組成に対する電子移動度の変化を示している。
また、AlGaN層における組成分析および不純物分析を行うと、本実施の形態によるAlGaN層では、In濃度が0.1%以下である。また、シリコンなどの不純物濃度も、従来の技術に比較して約1桁低減していることが判明した。このシリコンなどの不純物濃度の低下は、本実施の形態におけるIn原料をGaに接触させて供給することにより、薄膜(AlGaN層)の成長に寄与するGaの純度が向上した結果によるものと考えられる。これは、前述したトランスメタレーションによる有機金属の精製と同じ作用と考えられる。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について説明する。図6は、実施の形態3における薄膜形成装置の構成例を示す構成図である。この薄膜形成装置は、成膜室101と、成膜対象の基板Wが載置される基板載置台102と、基板載置台102を支持する支持部103とを備える。基板載置台102は、加熱機構を内蔵し、載置される基板Wを、例えば、最大1100℃に加熱可能としている。これらは、前述した実施の形態1,2と同様である。
本実施の形態3では、成膜室101内の基板載置台102に載置される基板Wの表面に、Inの有機金属(例えばTMIn)からなるIn原料ガスおよびAlの有機金属(例えばTMAl)からなるAl原料ガスの混合ガスを供給する混合原料ガス供給部604と、成膜室101内の基板載置台102に載置される基板Wの表面に、窒素(N)のN原料ガス(例えばアンモニアガス)を供給するN原料ガス供給部206とを備える。
混合原料ガス供給部604より供給される混合ガスは、導入配管614で輸送されて成膜室101に導入される。また、また、N原料ガス供給部206より供給されるアンモニアは、導入配管216で輸送されて成膜室101に導入される。なお、これらの各原料ガスは、よく知られているように、キャリアガスとして水素ガスもしくは窒素ガスを用いて輸送(供給)される。
また、本実施の形態3における薄膜形成装置は、混合原料ガス供給部604が供給するIn原料ガスにGaを接触させるガリウム配置部105を、導入配管614の途中に備える。ガリウム配置部105は、前述した実施の形態1,2と同様である。従って、混合原料ガス供給部604より供給される混合ガスに含まれるIn原料ガスは、導入配管614を輸送される途中でガリウム配置部105を通過することで、例えば50℃に加熱された金属Gaに接触し、この後、基板Wの表面に供給されることになる。本実施の形態3においても、ガリウム配置部105は、例えば、導入配管614の一部にリボンヒータを巻き付け、この箇所の導入配管614内に金属Gaを配置したものであればよい。
上述した本実施の形態3における薄膜形成装置では、混合原料ガス供給部604およびN原料ガス供給部206を動作させ、各々よりTMInガス,TMAlガスおよびアンモニアガスが供給される状態とすることで、加熱されている基板Wの上に、TMInが金属Gaに接触して変化したものおよびTMAlガスからなる原料ガスとアンモニアガスとが混合した原料ガスが供給されるようになる。これらの結果、本実施の形態3においても、前述した実施の形態2の薄膜形成装置と同様に、基板Wの上にAlGaNが形成されるようになる。
なお、上述では、Inの有機金属からなるIn原料ガスを含む原料ガスを成膜室に供給(輸送)するための経路(導入配管)に途中に、原料ガスに接触可能とされた金属Gaを配置するようにしたが、これに限るものではない。例えば、成膜室の内部に金属Gaが配置され、成膜室に導入されるIn原料ガスに金属Gaが接触可能にされていれば、上述同様の効果が得られることを確認している。例えば、Gaの窒化物系のMOVPE成長においては、成膜室の内壁にGaNが付着するが、これを加熱することで分解させて窒素を解離・蒸発させ、内壁にGaが付着している状態とする。この状態で、TMIn,TMAl,およびアンモニアを供給することで薄膜を形成すれば、上述同様に、高品質なAlGaN層が形成できる。
なお、上述では、供給するTMInのほぼ全てのInをGaに置換するようにしたが、これに限るものではない。例えば、供給するTMInの量を増加させ、また、金属Gaの加熱温度を低下させることで、TMInも基板の上に供給されるようにすれば。InAlGaN層が形成できる。また、上述では、インジウム原料としてTMInを用いたが、これに限らず、トリエチルインジウム(TEIn)を用いても、これを金属Gaに接触させた後で基板の上に供給するようにすれば、上述同様に、高品質なGaを含む化合物半導体層が形成可能であるものと考えられる。また、上述では、MOVPE法により化合物半導体層を形成する場合について説明したが、これに限らず、ハイドライドVPE法、クロライドVPE法など、他の気相成長法であっても同様である。
本発明の実施の形態1における薄膜形成装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態2における薄膜形成装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態2における薄膜形成方法について説明する工程図である。 本発明の実施の形態2における薄膜形成方法について説明する工程図である。 、AlGaNを用いたHEMTデバイスの構成(部分)模式的に示す断面図である。AlGaNを用いたHEMTデバイスの構成(部分)模式的に示す断面図である。 AlGaNをバリア層に用いたHEMTデバイスにおける、Al組成と二次元電子ガスの特性(Al組成比に対するキャリア濃度,電子移動度)との関係を示す特性図である。 本発明の実施の形態3における薄膜形成装置の構成を示す構成図である。
符号の説明
101…成膜室、102…基板載置台、103…支持部、104…原料ガス供給部(原料供給部)、105…ガリウム配置部(ガリウム接触手段)。

Claims (10)

  1. 基板を加熱する加熱手段と、
    インジウムの有機金属からなるインジウム原料ガスを含む原料ガスを供給する原料供給手段と、
    前記原料供給手段が供給する前記原料ガスにガリウムを接触させるガリウム接触手段と
    を少なくとも備え、
    前記ガリウムに接触した前記原料ガスを前記基板の表面に供給する
    ことを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 請求項1記載の薄膜形成装置において、
    前記基板の表面にアルミニウムの有機金属からなるアルミニウム原料ガスを供給するアルミニウム原料供給手段と、
    前記基板の表面に窒素原料ガスを供給する窒素原料供給手段と
    を備えることを特徴とする薄膜形成装置。
  3. 請求項1記載の薄膜形成装置において、
    前記基板の表面に窒素原料ガスを供給する窒素原料供給手段を備え、
    前記原料供給手段は、前記インジウム原料ガスに加えてアルミニウムの有機金属からなるアルミニウム原料ガスを供給する
    ことを特徴とする薄膜形成装置。
  4. 請求項2または3記載の薄膜形成装置において、
    前記アルミニウム原料ガスはトリメチルアルミニウムであり、
    前記窒素原料ガスはアンモニアである
    ことを特徴とする薄膜形成装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜形成装置において、
    前記インジウム原料ガスはトリメチルインジウムである
    ことを特徴とする薄膜形成装置。
  6. 基板を加熱する基板加熱工程と、
    インジウムの有機金属からなるインジウム原料ガスを含む原料ガスを、ガリウムに接触させた後で前記基板の表面に供給する原料供給工程と
    を少なくとも備えることを特徴とする薄膜形成方法。
  7. 請求項6記載の薄膜形成方法において、
    前記原料供給工程では、
    前記基板の表面にアルミニウムの有機金属からなるアルミニウム原料ガス及び窒素原料ガスを供給する
    ことを特徴とする薄膜形成方法。
  8. 請求項6記載の薄膜形成方法において、
    前記原料供給工程では、
    前記インジウム原料ガスに加えてアルミニウムの有機金属からなるアルミニウム原料ガスを含む前記原料ガスを供給するとともに、窒素原料ガスを前記基板の表面に供給する
    ことを特徴とする薄膜形成方法。
  9. 請求項7または8記載の薄膜形成方法において、
    前記アルミニウム原料ガスはトリメチルアルミニウムであり、
    前記窒素原料ガスはアンモニアである
    ことを特徴とする薄膜形成方法。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項に記載の薄膜形成方法において、
    前記インジウム原料ガスはトリメチルインジウムである
    ことを特徴とする薄膜形成方法。
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